JPH0147540B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0147540B2 JPH0147540B2 JP57036226A JP3622682A JPH0147540B2 JP H0147540 B2 JPH0147540 B2 JP H0147540B2 JP 57036226 A JP57036226 A JP 57036226A JP 3622682 A JP3622682 A JP 3622682A JP H0147540 B2 JPH0147540 B2 JP H0147540B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alloy
- strength
- atomic
- ductility
- type
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、強度に優れ、高延性を有するNi基
合金に関するものである。 (従来の技術) 従来、耐熱合金として、Li2型Ni3Al金属間化
合物を分散又は析出させたNi基合金が広く用い
られている。例えば、従来のNi−Al2元合金は、
平衡状態図によれば、室温においてAlが約23〜
28原子%の範囲でNi3Alであり、約8〜25原子%
の範囲ではNi3AlとNiの共存で、約8原子以下で
はAlを固溶したNi固溶体である。このNi基Ll2型
金属間化合物の中でも、Ni3Ge,Ni3Si,Ni3Al
等は、Trans,JIM,20(1979)634,Trans,
JIM,21(1980)273に記載されているごとく、常
温での強さよりも高温での強さが高くなるという
特長を有し、高温での有用性が注目されている。 (発明が解決しようとする課題) しかし、従来、Mi基L12型金属間化合物は、融
点まで結晶構造が規則化しているため、常温では
脆く、一般の、例えば圧延あるいは伸線等の方法
で加工することは不可能であつた。 このため、鋳造法以外では成型できないNi基
L12型金属間化合物に常温での延性を付与する研
究が盛んに行われているが、日本金属学会誌、43
(1979)358、1190に記載されているごとく、
Ni3AlにBを添加して常温での延性を改善した報
告があるだけである。この方法によると、脆かつ
たL12型金属間化合物Ni3Alが、Bの添加により
高延性を有し、破断強度及び伸びも改良される。
しかし、この機械的特性はさほど優れているとは
いえず。また、高温に焼なました場合、粒界にB
が析出し、高温での強度及び延性は著しく低下
し、実用性に乏しいものであつた。 (課題を解決するための手段) 本発明者らは、この点に鑑み、Ni基L12型金属
間化合物に延性と強度を同時に付加するため鋭意
研究し結果、従来の2元系Ni−Al合金を溶融状
態からの急冷法を用いて検討すると、Alが8原
子%以下の組成においてNi3Alは得られず、Ni中
にAlが固溶した面心立方相で、強度は低く、Al
が8〜23原子%の組成のNi−Al合金は、Ni3Al
とNiの共存組成であり、延性を有するが、その
強度は50Kg/mm2以下にすぎず、Alが23原子%以
上の組成においては、Ll2型Ni3Al金属間化合物
が形成されるが、脆く実用に供し得る材料とはな
らないので、さらに鋭意研究した結果、特定の組
成からなるNi基合金の溶湯を急冷固化すると、
高強度、高延性を有する組織が新しいLl2型非平
衡金属間化合物からなるNi基合金が得られるこ
とを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、Al8〜28原子%で、Fe,
Co,Mn及びSiからなる群より選ばれた1種又は
2種以上の元素2〜25原子%で、残部が実質的に
Niからなり、かつ組織がLl2型非平衡金属間化合
物ぜある高強度及び高延性Ni基合金及びAl8〜28
原子%で、Fe,Co,Mn及びSiからなる群より選
ばれた1種又は2種以上の元素2〜25原子%で、
Nb,Ta,Mo,V,Ti及びCuからなる群より選
ばれた1種又は2種以上の元素2原子%以下で、
残部が実質的にNiよりなり、かつ組織がLl2型非
平衡金属間化合物である高強度及び高延性Ni基
合金を要旨とするものである。 本発明の合金は、例えば、結晶粒径が約10μm
以下の微細結晶粒からなり、その微細結晶粒内は
約70nm径以下の超微細な逆位相領域(APD)か
らなるLl2型非平衡金属間化合物である。このLl2
型非平衡金属間化合物は、高密度の逆位相境界
(APB)を多量に結晶粒内に含んでいるため、従
来のLl2型金属間化合物に比して強度及び延性を
大幅に向上させることができ、さらに結晶粒径も
10μm以下と微細であり、この結晶粒が微細であ
ることも強度の向上に寄与している。 本発明の合金の組成について説明すると、Al
が2〜28原子%であることが必要であり、Alが
8原子%より少ない場合、Alを固溶したNi固溶
体となり、Ll2型金属間化合物は得られず、28原
子%より多い場合は、NiAl等の第2相の析出が
起こり、脆く実用性に乏しくなる。 次に、Alが8〜28原子%の範囲で、強度及び
延性を向上させるためには、Fe,Co,Mn及びSi
からなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素
(以下Xという。)2〜25原子%をNiと置換する
ことが必要である。Xが2原子%より少ない場
合、結晶粒内に超微細(70nm以下)な逆位相領
域(APD)は存在せず、高密度の逆位相境界
(APB)を含有しないLl2型金属間化合物となり、
また、25原子%より多い場合は、靱性が低下す
る。特に本発明の合金では、10〜25原子%Alで、
5〜20原子%のXで、残部が実質的にNiからな
る合金が好ましい。 このNi−Al−X系合金にNb,Ta,Mo,V,
Ti及びCu群より選ばれた1種又は2種以上の元
素を合計で2原子%以下加えると、延性を低下さ
せずに耐熱性及び強度を向上させることができ
る。さらに、通常の工業材料中に存在する程度の
不純物、例えば、B,P,As,S等が少量含ま
れていても、本発明を達成するのに何ら支障をき
たすものではない。 本発明の合金を得るには、上述のごとく調整し
た組成の合金を雰囲気中もしくは真空中で加熱溶
融し、溶融後液体状態から急冷凝固することが必
要であり、その方法として、例えば、冷却速度が
約104〜106℃/secである液体急冷法が有用であ
る。しかも、得られる合金の形状が偏平なりボン
状を必要とする時は、金属からなる回転ロールを
用いた片ロール法、多ロール法もしくは遠心急冷
法のいずれかを用いることが望ましく、また、円
形断面を有する細線状の合金を得るには、回転し
ている冷却液体中に直接溶湯を噴出して急冷凝固
させる方法が望ましい。特に高品質の円形断面を
有する合金を製造するには、回転円筒体内に形成
された回転冷却液体中に溶融金属を紡糸ノズルよ
り噴出して急冷凝固する、いわゆる回転液中紡糸
法(特開昭55−64948号公報参照)が工業的によ
り好ましい。 (実施例) 次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1〜7、比較例1〜4 各種組成からなるNi−Al−Fe及びNi−Al−
Co系合金を、アルゴン雰囲気中で溶融後、アル
ゴンガス噴出圧2.0Kg/cm2、孔径0.3mmφのルビー
製紡糸ノズルより3500r.p.mで回転している直径
20cmの鋼鉄ロール表面に噴出して、厚さ約50μm
(巾2mm)のリボンを作成した。 得られた合金を、インストロン型引張試験機を
用い、歪速度4.17×10-4secの条件下で、破断強
度(Kg/mm2)及び延性の評価として180゜密着曲げ
性について測定すると同時に、X線回折及び透過
電顕観察によつて結晶組織を回定し、その結果を
表−1にまとめて示す。
合金に関するものである。 (従来の技術) 従来、耐熱合金として、Li2型Ni3Al金属間化
合物を分散又は析出させたNi基合金が広く用い
られている。例えば、従来のNi−Al2元合金は、
平衡状態図によれば、室温においてAlが約23〜
28原子%の範囲でNi3Alであり、約8〜25原子%
の範囲ではNi3AlとNiの共存で、約8原子以下で
はAlを固溶したNi固溶体である。このNi基Ll2型
金属間化合物の中でも、Ni3Ge,Ni3Si,Ni3Al
等は、Trans,JIM,20(1979)634,Trans,
JIM,21(1980)273に記載されているごとく、常
温での強さよりも高温での強さが高くなるという
特長を有し、高温での有用性が注目されている。 (発明が解決しようとする課題) しかし、従来、Mi基L12型金属間化合物は、融
点まで結晶構造が規則化しているため、常温では
脆く、一般の、例えば圧延あるいは伸線等の方法
で加工することは不可能であつた。 このため、鋳造法以外では成型できないNi基
L12型金属間化合物に常温での延性を付与する研
究が盛んに行われているが、日本金属学会誌、43
(1979)358、1190に記載されているごとく、
Ni3AlにBを添加して常温での延性を改善した報
告があるだけである。この方法によると、脆かつ
たL12型金属間化合物Ni3Alが、Bの添加により
高延性を有し、破断強度及び伸びも改良される。
しかし、この機械的特性はさほど優れているとは
いえず。また、高温に焼なました場合、粒界にB
が析出し、高温での強度及び延性は著しく低下
し、実用性に乏しいものであつた。 (課題を解決するための手段) 本発明者らは、この点に鑑み、Ni基L12型金属
間化合物に延性と強度を同時に付加するため鋭意
研究し結果、従来の2元系Ni−Al合金を溶融状
態からの急冷法を用いて検討すると、Alが8原
子%以下の組成においてNi3Alは得られず、Ni中
にAlが固溶した面心立方相で、強度は低く、Al
が8〜23原子%の組成のNi−Al合金は、Ni3Al
とNiの共存組成であり、延性を有するが、その
強度は50Kg/mm2以下にすぎず、Alが23原子%以
上の組成においては、Ll2型Ni3Al金属間化合物
が形成されるが、脆く実用に供し得る材料とはな
らないので、さらに鋭意研究した結果、特定の組
成からなるNi基合金の溶湯を急冷固化すると、
高強度、高延性を有する組織が新しいLl2型非平
衡金属間化合物からなるNi基合金が得られるこ
とを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、Al8〜28原子%で、Fe,
Co,Mn及びSiからなる群より選ばれた1種又は
2種以上の元素2〜25原子%で、残部が実質的に
Niからなり、かつ組織がLl2型非平衡金属間化合
物ぜある高強度及び高延性Ni基合金及びAl8〜28
原子%で、Fe,Co,Mn及びSiからなる群より選
ばれた1種又は2種以上の元素2〜25原子%で、
Nb,Ta,Mo,V,Ti及びCuからなる群より選
ばれた1種又は2種以上の元素2原子%以下で、
残部が実質的にNiよりなり、かつ組織がLl2型非
平衡金属間化合物である高強度及び高延性Ni基
合金を要旨とするものである。 本発明の合金は、例えば、結晶粒径が約10μm
以下の微細結晶粒からなり、その微細結晶粒内は
約70nm径以下の超微細な逆位相領域(APD)か
らなるLl2型非平衡金属間化合物である。このLl2
型非平衡金属間化合物は、高密度の逆位相境界
(APB)を多量に結晶粒内に含んでいるため、従
来のLl2型金属間化合物に比して強度及び延性を
大幅に向上させることができ、さらに結晶粒径も
10μm以下と微細であり、この結晶粒が微細であ
ることも強度の向上に寄与している。 本発明の合金の組成について説明すると、Al
が2〜28原子%であることが必要であり、Alが
8原子%より少ない場合、Alを固溶したNi固溶
体となり、Ll2型金属間化合物は得られず、28原
子%より多い場合は、NiAl等の第2相の析出が
起こり、脆く実用性に乏しくなる。 次に、Alが8〜28原子%の範囲で、強度及び
延性を向上させるためには、Fe,Co,Mn及びSi
からなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素
(以下Xという。)2〜25原子%をNiと置換する
ことが必要である。Xが2原子%より少ない場
合、結晶粒内に超微細(70nm以下)な逆位相領
域(APD)は存在せず、高密度の逆位相境界
(APB)を含有しないLl2型金属間化合物となり、
また、25原子%より多い場合は、靱性が低下す
る。特に本発明の合金では、10〜25原子%Alで、
5〜20原子%のXで、残部が実質的にNiからな
る合金が好ましい。 このNi−Al−X系合金にNb,Ta,Mo,V,
Ti及びCu群より選ばれた1種又は2種以上の元
素を合計で2原子%以下加えると、延性を低下さ
せずに耐熱性及び強度を向上させることができ
る。さらに、通常の工業材料中に存在する程度の
不純物、例えば、B,P,As,S等が少量含ま
れていても、本発明を達成するのに何ら支障をき
たすものではない。 本発明の合金を得るには、上述のごとく調整し
た組成の合金を雰囲気中もしくは真空中で加熱溶
融し、溶融後液体状態から急冷凝固することが必
要であり、その方法として、例えば、冷却速度が
約104〜106℃/secである液体急冷法が有用であ
る。しかも、得られる合金の形状が偏平なりボン
状を必要とする時は、金属からなる回転ロールを
用いた片ロール法、多ロール法もしくは遠心急冷
法のいずれかを用いることが望ましく、また、円
形断面を有する細線状の合金を得るには、回転し
ている冷却液体中に直接溶湯を噴出して急冷凝固
させる方法が望ましい。特に高品質の円形断面を
有する合金を製造するには、回転円筒体内に形成
された回転冷却液体中に溶融金属を紡糸ノズルよ
り噴出して急冷凝固する、いわゆる回転液中紡糸
法(特開昭55−64948号公報参照)が工業的によ
り好ましい。 (実施例) 次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1〜7、比較例1〜4 各種組成からなるNi−Al−Fe及びNi−Al−
Co系合金を、アルゴン雰囲気中で溶融後、アル
ゴンガス噴出圧2.0Kg/cm2、孔径0.3mmφのルビー
製紡糸ノズルより3500r.p.mで回転している直径
20cmの鋼鉄ロール表面に噴出して、厚さ約50μm
(巾2mm)のリボンを作成した。 得られた合金を、インストロン型引張試験機を
用い、歪速度4.17×10-4secの条件下で、破断強
度(Kg/mm2)及び延性の評価として180゜密着曲げ
性について測定すると同時に、X線回折及び透過
電顕観察によつて結晶組織を回定し、その結果を
表−1にまとめて示す。
【表】
表−1より、実験No.2〜4,7〜10は本発明の
合金で、その結晶組織は約0.5〜5μmの微細結晶
粒径からなり、その結晶粒内に約20〜55nm径の
超微細な逆位相領域(APD)が観察され、高密
度の逆位相境界(APB)が存在した規則度の低
い非平衡な状態からなつているため、高強度で、
かつ高延性を有していた。 実験No.1は、Alの添加量が少ないためNi固溶
体になり、破断強度は低い。実験No.6は、Ni−
Al2元合金であるため、NiとNi3Alの共存組織と
なり、逆位相境界を含有したLl2型非平衡金属間
化合物の存在がなく、強度も低く、延性をほとん
どない。実験No.5,11はAl及びC0の添加量が多
いため、結晶組織に第2相が現れ、靭性は低下し
た。 実施例8 (実験No.12) Ni74原子%、Al原子%、Mn8原子%からなる
合金を、アルゴン雰囲気中で溶融した後、アルゴ
ンガス圧4.5Kg/cm2で、孔径0.13mmφのルビー製
紡糸ノズルより350r.p.mで回転している内径500
mmφの円筒ドラム内に形成された温度4℃、深さ
2.5cmの回転冷却液体水中に噴出して急冷凝固さ
せ、平均直径0.110mmφの円形断面を有した均一
な連続細線を得た。 この時の紡糸ノズルと回転冷却液体面との距離
は1mmに保持し、紡糸ノズルより噴出された溶融
金属流とその回転冷却液面とのなす接触角は70゜
であつた。なお、溶融金属流の紡糸ノズルからの
噴出速度は、大気中に一定の時間噴出して集めら
れた金属重量から測定し、610m/分であつた。 得られた金属細線の破断強度は95Kg/mm2、伸び
12%で、180゜密着曲げが可能であつた。また、市
販のダイヤモンドダイスを用い、中間焼なましを
施すことなく、線径0.05mmφまで十分伸線が可能
で、しかも伸様加工後の破断強度が240Kg/mm2、
伸び2.5%と大幅に強度を向上させることができ
た。 この細線の組織をX線回折、光学顕微鏡及び透
過電子顕微鏡で観察すると、結晶粒径は2〜3μm
で、結晶粒内に逆位相境界を多く含むLl2型非平
衡金属間化合物であつた。 実施例9 (実験No.13) Ni60原子%、Al17原子%、Co18原子%、Si5
原子%からなる合金を、実施例8と同一の装置、
条件(回転液中紡糸法)で紡糸し、線径0.110mm
φの均一な円形断面を有する細線を得た。 次に、実施例8と同様に破断強度、伸びを測定
すると、それぞれ90Kg/mm2,10%であり、180゜の
密着曲げが可能な合金であつた。この細線は、断
面減少率(圧下率)で90%以上の線引きが可能で
あり、強断強度は260Kg/mm2まで向上した。 また、この細線の結晶組織を観察すると、実施
例8と同様に、結晶粒径が微細なうえ、さらに結
晶粒内にも超微細な逆位相境界を含有している
Ll2型非平衡金属間化合物であつた。 実施例10 (実験No.14) Ni78原子%、Al10原子%、Si12原子%からな
る合金を、実施例8と同一の装置、条件(回転液
中紡糸法)で紡糸し、線径0.110mmφの均一な円
形断面を有する細線を得た。 次に、実施例8と同様に破断強度、伸びを測定
すると、それぞれ90Kg/mm2,10%であり、180゜の
密着曲げが可能な合金であつた。この細線は、断
面減少率(圧下率)で90%以上の線引きが可能で
あり、強断強度は270Kg/mm2まで向上した。 また、この細線の結晶組織を観察すると、実施
例8と同様に、結晶粒径が微細なうえ、さらに結
晶粒内にも超微細な逆位相境界を含むLl2型非平
衡金属間化合物であつた。 実施例11〜16、比較例5〜10 Ni(70-X)Al20Fe10MX系合金における添加元素M
=Nb,Ta,Mo,V,Ti及びCuの効果について
検討するため、実施例1と同一の装置及び条件に
よつて、厚さ約50μmのリボン材を作製し、破断
強度及び180゜密着曲げ性について検討した。その
結果を表−2にまとめて示す。
合金で、その結晶組織は約0.5〜5μmの微細結晶
粒径からなり、その結晶粒内に約20〜55nm径の
超微細な逆位相領域(APD)が観察され、高密
度の逆位相境界(APB)が存在した規則度の低
い非平衡な状態からなつているため、高強度で、
かつ高延性を有していた。 実験No.1は、Alの添加量が少ないためNi固溶
体になり、破断強度は低い。実験No.6は、Ni−
Al2元合金であるため、NiとNi3Alの共存組織と
なり、逆位相境界を含有したLl2型非平衡金属間
化合物の存在がなく、強度も低く、延性をほとん
どない。実験No.5,11はAl及びC0の添加量が多
いため、結晶組織に第2相が現れ、靭性は低下し
た。 実施例8 (実験No.12) Ni74原子%、Al原子%、Mn8原子%からなる
合金を、アルゴン雰囲気中で溶融した後、アルゴ
ンガス圧4.5Kg/cm2で、孔径0.13mmφのルビー製
紡糸ノズルより350r.p.mで回転している内径500
mmφの円筒ドラム内に形成された温度4℃、深さ
2.5cmの回転冷却液体水中に噴出して急冷凝固さ
せ、平均直径0.110mmφの円形断面を有した均一
な連続細線を得た。 この時の紡糸ノズルと回転冷却液体面との距離
は1mmに保持し、紡糸ノズルより噴出された溶融
金属流とその回転冷却液面とのなす接触角は70゜
であつた。なお、溶融金属流の紡糸ノズルからの
噴出速度は、大気中に一定の時間噴出して集めら
れた金属重量から測定し、610m/分であつた。 得られた金属細線の破断強度は95Kg/mm2、伸び
12%で、180゜密着曲げが可能であつた。また、市
販のダイヤモンドダイスを用い、中間焼なましを
施すことなく、線径0.05mmφまで十分伸線が可能
で、しかも伸様加工後の破断強度が240Kg/mm2、
伸び2.5%と大幅に強度を向上させることができ
た。 この細線の組織をX線回折、光学顕微鏡及び透
過電子顕微鏡で観察すると、結晶粒径は2〜3μm
で、結晶粒内に逆位相境界を多く含むLl2型非平
衡金属間化合物であつた。 実施例9 (実験No.13) Ni60原子%、Al17原子%、Co18原子%、Si5
原子%からなる合金を、実施例8と同一の装置、
条件(回転液中紡糸法)で紡糸し、線径0.110mm
φの均一な円形断面を有する細線を得た。 次に、実施例8と同様に破断強度、伸びを測定
すると、それぞれ90Kg/mm2,10%であり、180゜の
密着曲げが可能な合金であつた。この細線は、断
面減少率(圧下率)で90%以上の線引きが可能で
あり、強断強度は260Kg/mm2まで向上した。 また、この細線の結晶組織を観察すると、実施
例8と同様に、結晶粒径が微細なうえ、さらに結
晶粒内にも超微細な逆位相境界を含有している
Ll2型非平衡金属間化合物であつた。 実施例10 (実験No.14) Ni78原子%、Al10原子%、Si12原子%からな
る合金を、実施例8と同一の装置、条件(回転液
中紡糸法)で紡糸し、線径0.110mmφの均一な円
形断面を有する細線を得た。 次に、実施例8と同様に破断強度、伸びを測定
すると、それぞれ90Kg/mm2,10%であり、180゜の
密着曲げが可能な合金であつた。この細線は、断
面減少率(圧下率)で90%以上の線引きが可能で
あり、強断強度は270Kg/mm2まで向上した。 また、この細線の結晶組織を観察すると、実施
例8と同様に、結晶粒径が微細なうえ、さらに結
晶粒内にも超微細な逆位相境界を含むLl2型非平
衡金属間化合物であつた。 実施例11〜16、比較例5〜10 Ni(70-X)Al20Fe10MX系合金における添加元素M
=Nb,Ta,Mo,V,Ti及びCuの効果について
検討するため、実施例1と同一の装置及び条件に
よつて、厚さ約50μmのリボン材を作製し、破断
強度及び180゜密着曲げ性について検討した。その
結果を表−2にまとめて示す。
【表】
【表】
表−2より明らかなごとく、実施例2に比べ
て、Nb,Ta,Mo,V,Ti及びCuを2原子%添
加することにより、延性をそれほど低下させずに
破断強度を5〜15Kg/mm2程度向上することができ
た。 そして、実験No.16,18,20,22,24及び26の結
果から、Nb,Ta,Mo,V,Ti及びCuの添加量
が2原子%より多いと、液体急冷法を用いても延
性に優れた合金は得られず、また強度も増加しな
かつたことが明らかである。 (発明の効果) 本発明の合金は、先に述べたように、常温での
加工性に優れ、冷間圧延、冷間線引きが可能で、
特に細線状の合金は、通常のダイスを使用して、
断面減少率(圧下率)80%以上に連続して冷間線
引きすることができ、引張強度も飛躍的に向上さ
せることができる。 本発明の合金は、耐蝕性、耐疲労性、高温強さ
にも優れており、プラスチツク・コンクリート等
の複合材としての補強用あるいはフアインメツシ
ユフイルター等の種々の工業用材料としても有用
である。
て、Nb,Ta,Mo,V,Ti及びCuを2原子%添
加することにより、延性をそれほど低下させずに
破断強度を5〜15Kg/mm2程度向上することができ
た。 そして、実験No.16,18,20,22,24及び26の結
果から、Nb,Ta,Mo,V,Ti及びCuの添加量
が2原子%より多いと、液体急冷法を用いても延
性に優れた合金は得られず、また強度も増加しな
かつたことが明らかである。 (発明の効果) 本発明の合金は、先に述べたように、常温での
加工性に優れ、冷間圧延、冷間線引きが可能で、
特に細線状の合金は、通常のダイスを使用して、
断面減少率(圧下率)80%以上に連続して冷間線
引きすることができ、引張強度も飛躍的に向上さ
せることができる。 本発明の合金は、耐蝕性、耐疲労性、高温強さ
にも優れており、プラスチツク・コンクリート等
の複合材としての補強用あるいはフアインメツシ
ユフイルター等の種々の工業用材料としても有用
である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Al8〜28原子%で、Fe,Co,Mn及びSiから
なる群より選ばれた1種又は2種以上の元素2〜
25原子%で、残部が実質的にNiよりなり、かつ
組織がLl2型非平衡金属間化合物である高強度及
び高延性Ni基合金。 2 Al8〜28原子%で、Fe,Co,Mn及びSiから
なる群より選ばれた1種又は2種以上の元素2〜
25原子%で、Nb,Ta,Mo,V,Ti及びCuから
なる群より選ばれた1種又は2種以上の元素2原
子%以下で、残部が実質的にNiよりなり、かつ
組織がLl2型非平衡金属間化合物である高強度及
び高延性Ni基合金。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3622682A JPS58153750A (ja) | 1982-03-08 | 1982-03-08 | Ni基合金 |
| CA000422679A CA1222893A (en) | 1982-03-08 | 1983-03-02 | Nickel-based alloy |
| DE8383301155T DE3380525D1 (en) | 1982-03-08 | 1983-03-04 | Nickel-based alloy |
| EP83301155A EP0093487B1 (en) | 1982-03-08 | 1983-03-04 | Nickel-based alloy |
| US06/473,301 US4642145A (en) | 1982-03-08 | 1983-03-08 | Nickel alloy |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3622682A JPS58153750A (ja) | 1982-03-08 | 1982-03-08 | Ni基合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58153750A JPS58153750A (ja) | 1983-09-12 |
| JPH0147540B2 true JPH0147540B2 (ja) | 1989-10-16 |
Family
ID=12463859
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3622682A Granted JPS58153750A (ja) | 1982-03-08 | 1982-03-08 | Ni基合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58153750A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5817222A (en) * | 1995-04-03 | 1998-10-06 | Santoku Metal Industry Co., Ltd. | Rare earth metal-nickel hydrogen storage alloy, process for producing the same, and anode for nickel-hydrogen rechargeable battery |
| US5840166A (en) * | 1995-07-10 | 1998-11-24 | Santoku Metal Industry Co. Ltd. | Rare earth metal-nickel hydrogen storage alloy, process for producing the same, and anode for nickel-hydrogen rechargeable battery |
| ATE208437T1 (de) * | 1995-08-31 | 2001-11-15 | Santoku Metal Ind | Wasserstoffabsorbierende seltene-erden metall/nickel basislegierung, herstellungsverfahren und negative elektrode für nickel-wasserstoff-sekundär-batterie |
| WO2017184778A1 (en) | 2016-04-20 | 2017-10-26 | Arconic Inc. | Fcc materials of aluminum, cobalt and nickel, and products made therefrom |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5669342A (en) * | 1979-11-12 | 1981-06-10 | Osamu Izumi | Ni3al alloy with superior oxidation resistance, sulfurization resistance and ductility |
-
1982
- 1982-03-08 JP JP3622682A patent/JPS58153750A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58153750A (ja) | 1983-09-12 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JPS58213857A (ja) | 疲労特性に優れた非晶質鉄基合金 | |
| JPH0580538B2 (ja) | ||
| JPH0673513A (ja) | 高力、耐熱性アルミニウム基合金材の製造方法 | |
| JPS649908B2 (ja) | ||
| JPH0147541B2 (ja) | ||
| US4642145A (en) | Nickel alloy | |
| JPH06264200A (ja) | Ti系非晶質合金 | |
| JPH0748646A (ja) | 高強度マグネシウム基合金及びその製造方法 | |
| JPH0147540B2 (ja) | ||
| JPH05125474A (ja) | 高強度高靭性アルミニウム基合金 | |
| US4395464A (en) | Copper base alloys made using rapidly solidified powders and method | |
| JP4317930B2 (ja) | アモルファス合金粒子 | |
| JPH07316755A (ja) | Al基非晶質金属フィラメント | |
| US4415529A (en) | Mn-Based alloy of nonequilibrium austenite phase | |
| JPH0549739B2 (ja) | ||
| JPH0260747B2 (ja) | ||
| JPH07252561A (ja) | Ti−Zr系合金 | |
| JPH05311359A (ja) | 高強度アルミニウム基合金及びその集成固化材 | |
| JPH0693393A (ja) | 高強度耐食性アルミニウム基合金 | |
| JPH05331584A (ja) | 高弾性・高強度アルミニウム合金 | |
| JPH0892680A (ja) | 高強度アルミニウム基合金 | |
| JPH051346A (ja) | 高強度アルミニウム基合金 | |
| JPH0693394A (ja) | 高強度耐食性アルミニウム基合金 | |
| EP0077611B1 (en) | Mn based alloy of nonequilibrium austenite phase | |
| JPS6213427B2 (ja) |