JPH0693393A - 高強度耐食性アルミニウム基合金 - Google Patents

高強度耐食性アルミニウム基合金

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JPH0693393A
JPH0693393A JP20911592A JP20911592A JPH0693393A JP H0693393 A JPH0693393 A JP H0693393A JP 20911592 A JP20911592 A JP 20911592A JP 20911592 A JP20911592 A JP 20911592A JP H0693393 A JPH0693393 A JP H0693393A
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明久 井上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、希土類元素などの高価な元素、Y
などの高活性元素の含有量をごく少量に抑え、低コスト
化、低活性化を実現し、高強度で耐食性に優れさせたア
ルミニウム基合金の提供を目的とする。 【構成】 本発明は、一般式 AlxMyRz(ただしM
は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Zr、Nb、M
o、Niの中から選択される1種もしくは2種以上の金属
元素を示し、Rは、Y、Ce、La、Nd、Mm(ミッシュ
メタル)の中から選択される1種もしくは2種以上の元
素または混合物を示す。)で示される組成を有し、組成
比を示すx,y,zは、原子%でx+y+z=100、64.
5≦x≦95、0.5≦y≦35、0<z<0.5なる関係
を満足するとともに、非晶質もしくは非晶質と微細結晶
質との混合組織を主体としてなる。 【効果】 本願発明により、高硬度材料、高強度材料、
耐食性に富む材料として有用であり、熱処理により機械
特性を向上させることができ、曲げにも強く機械加工も
できるアルミニウム基合金を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高比強度かつ耐食性に優
れたアルミニウム基合金、特に、非晶質もしくは非晶質
中に微細結晶を分散させた組織を有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のアルミニウム基合金には、Al-
Cu系、Al-Si系、Al-Mg系、Al-Cu-Si系、A
l-Cu-Mg系、Al-Zn-Mg系などの種々の成分系の合
金が知られており、いずれの系のものにおいても軽量で
耐食性に優れていることから、それらの個々の材料特性
に応じて、車両、船舶、航空機などの機械構造部材用と
して、または、建築用外装材、サッシ、屋根葺材、LN
Gタンク用構造材などとして広く使用されている。
【0003】ところが、従来のアルミニウム基合金は、
Fe系の材料に比較して一般に硬度が低く、また耐熱性
も低い欠点がある。また、Cu、MgあるいはZnなどの
元素を添加して強度を高めたもののなかには、耐食性に
欠点を有するものがある。
【0004】一方、近来、アルミニウム基合金を溶湯状
態から急冷凝固させることにより組織の微細化を図り、
機械強度と耐食性の両面で優れさせた特性を発揮させる
試みもなされている。このような背景において、特開平
1ー275732号公報に開示されているように、特定
の組成比のAlMX系(Mは、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Cu、Zrなどの元素を示し、Xは、La、Ce、
Sm、Ndなどの希土類元素、Y、Nb、Ta、Mm(ミッ
シュメタル)などを示す。)の組成であって、組織が非
晶質または非晶質と微細結晶質とからなるアルミニウム
基合金が特許出願されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記特許出願のアルミ
ニウム基合金は、高硬度材料、高強度材料、高電気抵抗
材料、耐摩耗材料、ろう付け材料などとして有用であ
り、結晶化温度近傍における超塑性現象を利用して押出
加工やプレス加工も可能であって、耐熱材料としても優
れているものである。ところが、前記のアルミニウム基
合金は、高価な希土類元素や高活性なYなどの金属元素
を多く含有するために、コスト高になる欠点がある。即
ち、高価な原料を用いる必要があるとともに、高活性で
取り扱いの面で難点のある原料を用いる必要があるため
に、製造設備の規模が大きくなって費用が高くなり、人
件費もかかる問題がある。そこで本発明者らは、前記組
成のアルミニウム基合金と同等の優れた特性を発揮し得
るアルミニウム基合金について鋭意研究を重ねた結果、
本願発明に到達した。
【0006】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、希土類元素などの高価な元素あるいはYなどの高
活性な元素の含有量をごく少量に抑え、低コスト化、低
活性化を実現するとともに、高強度で耐食性に優れさせ
たアルミニウム基合金を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は前
記課題を解決するために、一般式 AlxMyRz(ただ
しMは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Zr、N
b、Mo、Niの中から選択される1種もしくは2種以上
の金属元素を示し、Rは、Y、Ce、La、Nd、Mm(ミ
ッシュメタル)の中から選択される1種もしくは2種以
上の元素または混合物を示す。)で示される組成を有
し、組成比を示すx,y,zは、原子%でx+y+z=10
0、64.5≦x≦95、0.5≦y≦35、0<z<0.5
なる関係を満足するとともに、非晶質もしくは非晶質と
微細結晶質との混合組織を主体としてなるものである。
【0008】請求項2記載の発明は前記課題を解決する
ために、請求項1記載の混合組織の微細結晶質が、アル
ミニウム相、安定または準安定な金属間化合物相、もし
くは、アルミニウムマトリックスの金属固溶体のうち、
少なくとも1つを主体としてなるものである。
【0009】
【作用】本発明に係るアルミニウム基合金は、一般式
AlxMyRz(ただし、Alはアルミニウムを示し、M
は、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Cr(クロ
ム)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、Co(コバル
ト)、Cu(銅)、Zr(ジルコニウム)、Nb(ニオ
ブ)、Mo(モリブデン)、Ni(ニッケル)の中から選
択される1種もしくは2種以上の金属元素を示し、R
は、Y(イットリウム)、Ce(セリウム)、La(ラン
タン)、Nd(ネオジム)、Mm(ミッシュメタル)の中
から選択される1種もしくは2種以上の元素を示す。)
で示される組成を有し、組成比を示すx,y,zは、原子
%でx+y+z=100、64.5≦x≦95、0.5≦y≦
35、0<z<0.5なる関係を満足するとともに、非晶
質もしくは非晶質と微細結晶質との混合組織を主体とし
てなるものである。
【0010】前記混合組織の微細結晶質とは、アルミニ
ウムの微細結晶相、安定または準安定な金属間化合物
相、もしくは、アルミニウムマトリックスからなる金属
固溶体のうち、少なくも1つを主体としてなるものであ
る。これらの微細結晶質の結晶粒径は、30〜50nm程
度のものである。
【0011】前記アルミニウム基合金は、前記組成の合
金溶湯を液体急冷法で急冷凝固させて製造することがで
きる。この液体急冷法とは、溶融した合金を急速に冷却
させる方法をいい、例えば、単ロール法、双ロール法、
回転液中紡糸法などが特に有効であり、これらの方法で
は104〜106 K/sec程度の冷却速度が容易に得られ
る。この単ロール法、双ロール法などにより薄帯材料を
製造するには、溶湯を入れた石英管などの収納容器に形
成したノズル孔を通して約300〜10000rpmの範
囲の一定速度で回転している直径30〜300mmの銅あ
るいは銅製などのロールに溶湯を噴出する。これによ
り、幅が約1〜300mmで厚さが約5〜500μmの各
種薄帯材料を容易に得ることができる。
【0012】一方、回転液中紡糸法により、細線材料を
製造するには、ノズル孔を通じ、アルゴンガス背圧に
て、約50〜500rpmで回転する中空ドラム内に遠心
力により保持された深さ約1〜10cmの溶液冷媒層中に
溶湯を噴出して急冷することで細線材料を容易に得るこ
とができる。この際のノズル孔からの噴出溶湯と冷媒面
とのなす角度は、約60〜90度であることが好まし
く、噴出溶湯と溶液冷媒面の相対速度比は、約0.7〜
0.9であることが好ましい。また、前記の方法によら
ずに、スパッタリング法などの成膜法により前記組成の
アルミニウム基合金の薄膜を得ることができ、また高圧
ガス噴霧法などの各種アトマイズ法、スプレー法により
前記溶湯を急冷して前記組成のアルミニウム基合金粉末
を得ることができる。
【0013】得られた急冷アルミニウム基合金が、非晶
質、あるいは非晶質と微細結晶質からなる複合体または
微細結晶質であるかどうかは、通常のX線回折法によっ
て容易に知ることができる。即ち、非晶質の場合は、得
られたX線回折図に非晶質特有のハローパターンを示
し、非晶質と微細結晶質の複合体である場合は、ハロー
パターンと微細結晶質に起因する回折ピークの合成され
た回折パターンを示し、微細結晶質の場合は、アルミニ
ウム固溶体(α相)および合金組成によって異なる金属
間化合物に起因するピークの合成回折パターンを示す。
これらの非晶質、非晶質と微細結晶質の複合体、また
は、微細結晶質は、前述の単ロール法、双ロール法、回
転液中紡糸法、スパッタリング、各種アトマイズ法、ス
プレー法、メカニカルアロイング法などにより得ること
ができる。また、必要に応じて適当な製造条件を選択す
ることにより、非晶質と微細結晶の混相を得ることもで
きる。
【0014】次に、前記非晶質組織は、加熱すると特定
の温度以上で結晶に分解する(この温度を結晶化温度と
呼ぶ)。この非晶質相の加熱分解を利用することによっ
ても微細結晶質からなるアルミニウム固溶相および合金
組成によって異なる金属間化合物の複合体を得ることが
できる。
【0015】一方、前記組成比において、Alの原子%
を64.5〜95の範囲に、元素Mの原子%を0.5〜3
5の範囲に、元素Rの原子%を0〜0.5の範囲にそれ
ぞれ限定したのは、各元素の組成がこれらの範囲から外
れると、非晶質化しにくくなったり、固溶限を越えた過
飽和固溶体を形成し難くなるために、前記液体急冷法等
を利用した工業的な急冷手段では、本願発明の目的の特
性を持った非晶質、非晶質と微細結晶質との複合体、あ
るいは、微細結晶質のアルミニウム基合金を得ることが
できなくなるからである。また、前記組成範囲を外れる
と、急冷法によって得られた非晶質相を適当な加熱処理
または、従来の粉末冶金技術を利用した粉末成形過程の
温度制御により、結晶化させ微結晶質の複合体を得るた
めの非晶質相を得ることが困難になる。
【0016】元素Mは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Cu、Zr、Nb、Mo、Niの中から選択される1種も
しくは2種以上の金属元素を示し、元素Rと共存して非
晶質形成能を向上させる効果および非晶質相の結晶化温
度を上昇させる効果も示すが、ここでは非晶質相の硬度
および強度を著しく向上させる効果が重要である。一
方、微細結晶を製造する条件下にあっては、微細結晶相
を安定化させる効果を持ち、アルミニウムおよび他の添
加元素と安定または準安定な金属間化合物を形成し、ア
ルミニウムマトリックス(α相)中に均一微細に分散さ
せ、合金の硬度と強度を著しく向上させ、高温における
微細結晶質の粗大化を抑制して耐熱性を付与する。ま
た、元素Mの原子%が0.5%より小さいと強度と硬度
が低下するので好ましくなく、35%を越えると金属間
化合物を生成し易くなり脆化するので好ましくない。
【0017】元素Rは、Y、Ce、La、Nd、Mm(ミッ
シュメタル)の中から選択される1種もしくは2種以上
の元素を示す。ここでミッシュメタルとは、主要元素が
La、Ceであり、そのほかに前記La、Ceを除く希土類
元素および不可避不純物(Si、Fe、Mgなど)を含有
する複合体の総称である。元素Rは、特に非晶質形成能
を向上させるとともに、非晶質相の結晶化温度を向上さ
せるとともに、非晶質相の結晶化温度を上昇させる効果
を分担する。これにより、耐食性を著しく改善できると
ともに、非晶質相を高温まで安定的に存在させることが
できる。また、微細結晶質合金を製造する条件下にあっ
ては、元素Mと共存して微細結晶相を安定化させる効果
を持つ。また、元素Rの原子%が0.5%を越えると合
金が酸化し易くなり、また製造コストも高くなるために
好ましくない。
【0018】本発明のアルミニウム基合金は、結晶化温
度近傍(結晶化温度±100℃)または微細結晶相の安
定温度領域内の高温域において、超塑性現象を示すの
で、容易に押出加工やプレス加工、熱間鍛造等の加工を
行なうことができる。従って、薄帯、線、板状あるいは
粉末の形態で得られた前記組成のアルミニウム基合金を
前記温度で押出加工、プレス加工、熱間鍛造加工するこ
とで、容易にバルク材を得ることができる。更に前記組
成のアルミニウム基合金は、高度の粘さを有するので、
180度曲げ可能なものとなる。
【0019】なお、前記アルミニウム基の非晶質もしく
は非晶質と微細結晶の混合組成の合金には、結晶質合金
のような結晶粒界、偏析等の構造的不均一性や化学的不
均一性がなく、さらにアルミ酸化膜の形成により、不動
態化を起こすために高耐食性を示す。また、希土類元素
を含んでいると、その希土類元素の活性のために合金表
面の不動態膜に不均一性を生じやすく、その部分から内
部への腐蝕が進行する欠点があるが、前記組成の合金に
あっては希土類元素を微量しか含んでいないためにその
点の問題も解決され、合金内部への腐蝕が進展すること
がない。
【0020】次に前記組成のアルミニウム基合金につい
て、バルク(塊)状の部材を製造する場合について説明
する。本発明に係るアルミニウム基合金は、加熱すると
微細結晶相を析出して結晶化するとともに、アルミニウ
ムマトリックス(α相)を析出し、それ以上の温度に加
熱すると金属間化合物も析出するので、これらの性質を
利用してバルク化を行なうことができる。具体的には、
急冷法により製造した薄帯合金をボールミルにて粉砕
し、真空ホットプレスにより真空下(例えば、10-3
orr)、結晶化温度よりも多少低い温度で(例えば47
0K程度で)圧粉することにより直径数十mm、長さ数十
mmの押出し用ビレットを作成する。このビレットを押出
機のコンテナ内にセットし、結晶化温度よりも若干高い
温度で数十分保持した後、押出加工を行なって丸棒など
の所望の形状の押出材を得ることができる。
【0021】
【実施例】高周波溶解炉により所定の成分組成を有する
溶融合金を製造し、これを図1に示すような先端に小孔
5(孔径:0.2〜0.5mm)を有する石英管1に装入
し、加熱溶解した後、その石英管1を銅製のロール2の
直上に設置し、ロール2を回転数4000rpmで高速回
転させ、石英管1にアルゴンガス圧(0.7kg/cm3)を
かけて石英管1の小孔5から溶湯をロール2の表面に噴
射することにより急冷凝固させて合金薄帯4を得た。前
記製造条件により図2と図3に示す組成(原子%)の多
数の合金薄帯試料(幅1mm、厚さ20μm)を作成し、
それぞれの試料についてX線回折とTEM(透過型電子
顕微鏡)による観察に付した結果、図2と図3の組織状
態の欄に示すように非晶質(Amorphous)単相組織、ま
たは、金属間化合物もしくは固溶体からなる結晶組織
(Crystalline)、または、非晶質母層中にfcc構造のア
ルミニウムが微細結晶粒子となって分散した2相組織
(fcc-Al+Amo)が得られていることが確認された。
【0022】次に、各薄帯試料につき、硬度(Hv)と
引張破断強度(σf:MPa)を測定し、図2と図3に示
す結果を得た。硬度は、微小ビッカース硬度計による測
定値(DPN:Diamond Pyramid Number)である。更
に、各薄帯試料について、コ字状になるように180度
折り曲げて端部どうしを密着させる180度密着曲げ試
験を行なった結果、破断しない程度の延性を示すものを
図2と図3にDucで示し、破断したものをBriで示した。
【0023】図2と図3に示す結果から、原子%で6
4.5≦Al≦95、0.5≦M≦35、0<R<0.5
なる関係を満足させることによって、耐力が高く、硬度
が高く、曲げにも強く加工が可能なアルミニウム基合金
を得ることができることが明らかになった。
【0024】図2と図3に示す本発明に係る試料におい
ては、通常のアルミニウム基合金がHv:50〜100
DPN程度であるのに対して約260〜340DPNと
極めて高い硬度を示している。次に、引張破断強度(σ
f)に関しては、通常の時効硬化型アルミニウム基合金
(Al-Si-Fe系)の値が、200〜600MPaであ
るのに対し、本発明試料のものは約800〜1250の
範囲になり、極めて優れていることが明らかになった。
なお、引張強さに関し、JIS規定の6000系あるい
は7000系のアルミニウム基合金においては、250
〜300MPa程度であり、Fe系の構造用鋼板で400
MPa程度、Fe系の高張力鋼板で800〜980MPa
程度であることを考慮すると、本発明に係るアルミニウ
ム合金が極めて優れていることが明らかである。
【0025】図4はAl88Ni11.6Ce0.4なる組成の
合金試料のX線回折図形を示すもので、この図では結晶
ピークが見られないブロードなパターンとなっていて、
合金試料が非晶質単相構造になっていることを示してい
る。図5はAl89.7Ni5Fe0.5Ce0.3なる組成の合
金試料のX線回折図形を示すもので、この図では非晶質
相中にナノスケールのfcc構造の微細なAl粒子が分散
した2相構造になっていることを示している。図中にお
いて、(111)、(200)で示すものは、fcc構造
のAlの結晶ピークである。
【0026】図6はAl89.6Ni5Co5Ce0.4なる組
成の合金試料を0.67k/sの昇温速度で加熱した場合の
DSC(示差走査熱量測定)曲線を示し、図7はAl88
Ni11.60.4なる組成の合金試料を0.67k/sの昇温
速度で加熱した場合のDSC曲線を示すものである。図
6と図7から明らかなように低温側のブロードなピーク
は、fcc構造のAl粒子の結晶化ピークを示し、高温側
の鋭いピークは化合物の結晶化ピークを示している。こ
のような2つのピークを有することは、適切な温度で焼
き入れ等の熱処理を行なえば、非晶質母相中に分散する
Al粒子の体積分率を制御することができるので、熱処
理により機械的特性を向上させることができることが明
らかである。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るアルミ
ニウム基合金は、高硬度材料、高強度材料、耐食性に富
む材料として有用である。更に、熱処理により機械特性
を向上させることが可能であり、曲げにも強いので機械
加工もできるなどの優れた特性を有する。以上のことか
ら本発明に係るアルミニウム基合金は、航空機、車両、
船舶などの構造用部材、あるいはエンジン部分の構造用
部材、または、建築用外装材、サッシ、屋根材として、
更には、海水機器用部材、原子炉用部材などとして広く
使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明合金を急冷凝固して薄帯を製造す
る際に使用した単ロール装置の一例を示す構成図であ
る。
【図2】図2は得られた合金試料の特性を測定した結果
を示すものである。
【図3】図3は得られた合金試料の特性を測定した結果
を示すものである。
【図4】図4はAl88Ni11.6Ce0.4なる組成の合金
のX線回折分析結果を示す図である。
【図5】図5はAl89.7Ni5Fe5Ce0.3なる組成の
合金のX線回折分析結果を示す図である。
【図6】図6はAl89.6Ni5Co5Ce0.4なる組成の
合金の熱的な特性を示す図である。
【図7】図7はAl88Ni11.60.4なる組成の合金の
熱的特性を示す図である。
【符号の説明】
1 石英管、 2 ロール、 3
溶湯、4 薄帯、 5 ノズル
孔、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内無番地 川内住宅 11−806 (72)発明者 堀尾 裕磨 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 AlxMyRz (ただしMは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Z
    r、Nb、Mo、Niの中から選択される1種もしくは2種
    以上の金属元素を示し、Rは、Y、Ce、La、Nd、Mm
    (ミッシュメタル)の中から選択される1種もしくは2
    種以上の元素または混合物を示す。)で示される組成を
    有し、 組成比を示すx,y,zは、原子%でx+y+z=100、6
    4.5≦x≦95、0.5≦y≦35、0<z<0.5なる関
    係を満足するとともに、 非晶質もしくは非晶質と微細結晶質との混合組織を主体
    としてなることを特徴とする高強度耐食性アルミニウム
    基合金。
  2. 【請求項2】請求項1記載の混合組織の微細結晶質が、
    アルミニウム相、安定または準安定な金属間化合物相、
    もしくは、アルミニウムマトリックスからなる金属固溶
    体のうち、少なくとも1つを主体としてなることを特徴
    とする高強度耐食性アルミニウム基合金。
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