JPH0533086A - 合金細線及びその製造方法 - Google Patents

合金細線及びその製造方法

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JPH0533086A
JPH0533086A JP31932691A JP31932691A JPH0533086A JP H0533086 A JPH0533086 A JP H0533086A JP 31932691 A JP31932691 A JP 31932691A JP 31932691 A JP31932691 A JP 31932691A JP H0533086 A JPH0533086 A JP H0533086A
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JP
Japan
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alloy
liquid layer
fine wire
wire
atomic
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Withdrawn
Application number
JP31932691A
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English (en)
Inventor
Tadashi Seto
正 瀬戸
Okikuni Takahata
興邦 高畑
Hiroshi Ishikawa
洋 石川
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Tokin Corp
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Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷間加工性が良く安価で高温作動機能を有す
る形状記憶合金の細線及びその製造方法を提供すること
にある。 【構成】 本発明の合金細線は、Pd:45〜51原子
%、残TiからなるTiPd合金において、前記Pdの
一部をWで1〜20原子%置換したことである。また、
本発明の合金細線の製造方法は、回転している円筒状ド
ラム内に、遠心力により液体層と形成し、この液体層中
にTiPdW系合金の溶湯をジェットとして噴射し、前
記溶湯を凝固させ細線を得ることである。更に、本発明
の合金細線の製造方法は、回転している円筒状ドラム内
に、遠心力により液体層を形成し、この液体層中にTi
PdWX系合金(但し、XはV,Cr,Mn,Fe,C
o,Niから選択された少なくとも一種)の溶湯をジェ
ットとして噴射し、前記溶湯を凝固させることである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は約100℃〜500℃程
度の高温にて作動する高温型形状記憶合金材であるTi
PdW系及びTiPdWX系(XはV,Cr,Mn,F
e,Co,Niの少なくとも一種)の合金細線及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、形状記憶効果を用いた形状記憶素
子の用途開発は着実に拡がり、最近では、アクチュエー
タ・ブラジャーから原子力用配管継ぎ手、岩石破砕機等
多岐の分野において実用に供されている。
【0003】この形状記憶効果は、熱弾性型マルテンサ
イト変態の逆変態に付随して起こる現象であることが確
かめられている。この形状記憶効果を示す合金として種
々の合金系が知られているが、その中で実用合金として
供しているのは、TiNi系合金及びCuAlZn等C
u基合金ぐらいである。しかし、これらの合金の形状回
復温度は、TiNi系合金でせいぜい120℃、Cu基
合金で160℃であり、使用温度範囲は当然この温度以
下に限定されてきた。このようなことから形状回復温度
の高い形状記憶合金材の開発が望まれてきた。
【0004】この形状回復温度を高める手段として、T
iPd合金を素子として用いることが研究されている。
等原子比組成TiPd合金は、530℃付近の温度で熱
弾性型マルテンサイト変態の逆変態に付随して形状記憶
効果を示すことが知られている。また、TiPd合金の
Pdの一部をV,Cr,Mn,Fe,Co,Niで置換
した合金は、置換量に応じて形状回復温度が低下するこ
とが発見されている。このようにTiPd系合金は比較
的低温かつ高温までの形状記憶材として非常に注目を浴
びてきているのである。最近の研究では、Pd量と形状
回復温度の関係および機械的性質について明らかにされ
つつあるが、未だ研究段階であり、工業的合金細線の製
造方法についての報告は皆無である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】TiPd合金が未だ研
究段階に留まっており、工業化に至っていないのは、大
きく2つの問題点があるからである。
【0006】第1に、冷間加工性が著しく悪いことであ
る。即ち、TiPd系合金は金属間化合物であり、金属
間化合物特有の材料の脆さを有しているからである。従
来の形状記憶材であるTiNi系合金も金属間化合物で
あり、難加工材であるにもかかわらず工業化できるのは
次のような理由が考えられる。つまり一般的に形状記憶
効果を示す合金は逆変態を示す温度(Af)近傍で冷間
加工性が良好であり、この温度(Af)を基準にして、
冷間加工時の温度との差が大きくなるにつれその加工性
が少しずつ低下する。TiNi合金の場合、形状回復温
度は室温近傍であり、冷間加工温度との差が大きくない
ことから冷間加工が可能となる。ところで、TiPd系
合金の形状回復温度(Af)は高いもので500℃程度
もあることから、冷間加工温度との差が大きく冷間加工
性が低下しているため線材化が難しい。
【0007】第2の問題点としてTiPd系合金中のP
dが貴金属であり原料費が極めて高く、実用上の障害と
なっている。さらに第1の問題点とも関連するが、難加
工材であるTiPd系合金は冷間加工を施すことにより
著しく硬化することが知られている。このため、従来の
ダイス引抜き法によって細線を製造する場合、繰り返し
不活性ガス雰囲気にて焼鈍する必要がある。よってTi
Pd系合金の細線化に占める冷間加工コストは、トータ
ルコストの大部分を占めることになる。このようにTi
Pd系合金の細線化に関しては高原料費、高加工費とい
う問題を抱えているため、現在のところ実用化に至って
いない。
【0008】そこで、本発明の技術的課題は、冷間加工
性が良く安価で高温作動機能を有する形状記憶合金の細
線及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、Pd:
45〜51原子%、残TiからなるTiPd合金におい
て前記Pdの一部をWで1〜20原子%置換した組成を
有することを特徴とする合金細線が得られる。
【0010】また、回転している円筒状ドラム内に、遠
心力により液体層を形成し、前記液体層中にTiPdW
系合金の溶湯をジェットとして噴射し、前記溶湯を凝固
させることを特徴とする合金細線の製造方法が得られ
る。
【0011】更に、回転している円筒状ドラム内に、遠
心力により液体層を形成し、前記液体層中にTiPdW
X系合金(但し、XはV,Cr,Mn,Fe,Co,N
iから選択された少なくとも一種)の溶湯をジェットと
して噴射し、前記溶湯を凝固させることを特徴とする合
金細線の製造方法が得られる。
【0012】本発明によれば、前記合金細線において前
記Pdの30原子%以下をV,Cr,Mn,Fe,C
o,Niからなるグループから選択された少なくとも一
種の金属で置換したことを特徴とする合金細線が得られ
る。回転している円筒状ドラム内に遠心力により液体層
を形成し、前記液体層中にTiPdWX系合金(但し、
XはV,Cr,Mn,Fe,Co,Niからなるグルー
プから選択された少なくとも一種)の溶湯をジェットと
して噴射し、前記溶湯を凝固させることを特徴とする合
金細線の製造方法が得られる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の一実施例の合金細線及びその
製造方法を説明する。
【0014】図1は本発明の一実施例に係る合金細線を
製造するための装置を示す図である。図1において、合
金細線製造装置は、一面が開口された円筒状ドラムと1
と、この円筒状ドラム1の他面の中心に一端を有する回
転軸2と、この回転軸2を回転可能に支持するすべり軸
受け3とを有する。
【0015】また、このドラム1の縁には、中心軸2に
向って突出した面を有する流出防止板4が設けられ、こ
のドラム1の内壁面の上には、ドラム1の回転による遠
心力により冷却用液体層5が形成されている。
【0016】一方、このドラム1内に、合金を溶融する
ためのるつぼ6が、このドラム1の中心かつ下方に向け
て配されている。るつぼ6の先端には、溶融紡糸のため
の噴射ノズル7が設けられ、このノズル7から溶融金属
ジェット8がドラムの液体層5に射出される。
【0017】また、このるつぼ6内には、TiPd系合
金の溶湯9が、加熱コイル13により加熱されて生成さ
れる。このドラム1の回転軸2の他端は、モータ10に
連結され、駆動される。
【0018】るつぼ6は、鉛直方向及び水平方向に位置
調節可能に支持部材11により支持されている。
【0019】また、るつぼ6の上部には、合金溶湯9を
噴射する圧力源となるアルゴンガスの導入管12が設け
られている。
【0020】このような構成の装置を用いて、以下のよ
うにTiPdW系合金細線を製造した。
【0021】図1に示した回転ドラム1として、内径φ
500mmで冷却用液体層5とした装置により、Pd:4
5〜51原子%、残TiからなるTiPd合金において
Pdの一部をWで1〜20原子%置換した合金及び前記
TiPdW系合金のPdをさらにV,Cr,Mn,F
e,Co,Ni,Cuで置換した組成を有する合金(実
施例1〜3)の夫々をアルゴン雰囲気中で融点より50
℃高い温度で溶融し、溶湯9とする。アルゴンガスの導
入管を通してるつぼ6に導入するアルゴンガス圧を制御
して、種々の孔径500μmの紡糸用ノズル7から溶湯
9を深さ10mmの液体層5に噴射した。このときのドラ
ム1の回転数は200rpm であった。
【0022】このようにして、得られた合金細線を石英
管中に真空封入し1000℃で2時間溶体化後、水焼き
入れした試料について、示差捜査熱量径(DSC)によ
り、マルテンサイト変態開始温度(Ms)の測定結果、
及び紡糸により得られた細線の酸素含有量の分析結果を
表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】比較のために、従来法で作製した合金イン
ゴットの測定結果も表1に併記した(比較例1〜3)。
【0025】表1に示したように、本発明の紡糸法によ
って得られた線材は、従来よりもマルテンサイト変態開
始温度(Ms)が低く、優れた形状記憶特性を示すこと
がわかる。さらに、酸素含有量も合金インゴットに比較
して低くなっていることがわかる。
【0026】以上のことから、本発明法によってTiP
dW系形状記憶合金細線が溶湯9から直接得ることがで
きる。
【0027】
【発明の効果】以上述べたごとく本発明によれば、高温
型形状記憶材であるTiPdW系合金細線が安価に製造
することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るTiPdW系合金細線を
製造するための装置の概略図である。
【符号の説明】
1 円筒状ドラム 2 回転軸 3 すべり軸受け 4 流出防止板 5 液体層 6 るつぼ 7 噴射ノズル 8 溶融金属ジェット 9 合金の溶湯 10 モータ 11 支持部材 12 アルゴンガス導入管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pd:45〜51原子%、残Tiからな
    るTiPd合金において、前記Pdの一部をWで1〜2
    0原子%置換したことを特徴とする合金細線。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の合金細線において、前記
    Pdの20原子%以下をV,Cr,Mn,Fe,Co,
    Niからなるグループから選択された少なくとも一種の
    金属で置換したことを特徴とする合金細線。
  3. 【請求項3】 回転している円筒状ドラム内に、遠心力
    により液体層と形成し、前記液体層中にTiPdW系合
    金の溶湯をジェットとして噴射し、前記溶湯を凝固させ
    細線を得ることを特徴とする合金細線の製造方法。
  4. 【請求項4】 回転している円筒状ドラム内に、遠心力
    により液体層を形成し、前記液体層中にTiPdWX系
    合金(但し、XはV,Cr,Mn,Fe,Co,Niか
    ら選択された少なくとも一種)の溶湯をジェットとして
    噴射し、前記溶湯を凝固させることを特徴とする合金細
    線の製造方法。
JP31932691A 1991-05-20 1991-12-03 合金細線及びその製造方法 Withdrawn JPH0533086A (ja)

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JP14277191 1991-05-20
JP3-142771 1991-05-20

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JPH0533086A true JPH0533086A (ja) 1993-02-09

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014058711A (ja) * 2012-09-14 2014-04-03 National Institute For Materials Science TiPt系高温形状記憶合金及びその製造方法
CN104831108A (zh) * 2015-04-21 2015-08-12 常熟锐钛金属制品有限公司 一种高透氢性抗氧化的钛钯管
CN106756377A (zh) * 2016-12-09 2017-05-31 中国石油大学(北京) 一种W/TiNi记忆合金复合材料及其制备方法
CN109112344A (zh) * 2018-10-04 2019-01-01 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种具有线性超弹性的Pd-In-Fe类弹热制冷材料的制备方法

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Effective date: 19990311