JPH07124715A - TiNi系形状記憶合金細線の製造方法 - Google Patents

TiNi系形状記憶合金細線の製造方法

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JPH07124715A
JPH07124715A JP29443193A JP29443193A JPH07124715A JP H07124715 A JPH07124715 A JP H07124715A JP 29443193 A JP29443193 A JP 29443193A JP 29443193 A JP29443193 A JP 29443193A JP H07124715 A JPH07124715 A JP H07124715A
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JP
Japan
Prior art keywords
tini
alloy
based alloy
wire
fine wire
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Application number
JP29443193A
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English (en)
Inventor
Okikuni Takahata
興邦 高畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 径が200μm以上のTiNi系形状記憶合
金細線を回転液中紡糸法によって細線内部に空孔を生じ
ないように作製する方法を供する。 【構成】 TiNi系合金のNiを熱伝導率が100W
/mK以上の元素によって10%以上置換し、熱伝導率
が70W/mK以上のTiNi系合金溶湯を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バネ材やアクチュエー
タなどに用いられるTiNi系形状記憶合金細線の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】TiNi系形状記憶合金は、通常、溶解
鋳造後熱間加工によって、直径5〜10mmに加工され
た後、ダイス引き等の冷間加工によって所定の寸法に加
工される。この際TiNi系合金線は、加工硬化が激し
いために、繰り返し焼鈍を要する。このため、冷間加工
に要する費用は、TiNi系合金線のコストの大部分を
占めるという問題がある。
【0003】最近の研究は、溶融金属から合金細線を製
造する方法として、いくつかの方法が提案されている。
その一つとして、回転液中紡糸法がある。この紡糸法
は、回転している円筒状ドラム内に、遠心力により冷却
液体層を形成し、前記冷却液体層中に溶融した金属を噴
射し、凝固させて断面円形である金属の連続細線を製造
する方法で、その技術は特開昭55−64948号に開
示されている。
【0004】また、TiNi系形状記憶合金細線を、こ
の方法で製造する技術も特開昭59−4984号に開示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
回転液中紡糸法では、断面が円形の金属細線が容易に得
られるが、この紡糸法によって製造されたTiNi系合
金細線は、線径がφ200μm以上の比較的太い細線に
おいては合金細線内部に空孔が生じ、実用上不適当であ
る。そのため、線径がφ200μm以上の合金細線を得
ようとする場合には、バルク材からの伸線加工を行わな
ければならない。この様な理由で、上記紡糸法によって
線材を得ようとする場合には、その適用範囲がφ200
μm以下の極細線に限られていた。
【0006】そこで、本発明の技術的課題は、TiNi
系形状記憶合金細線が上記紡糸法で製造されてもTiN
i系形状記憶合金としての特性を損なわず、φ500μ
mまでの比較的線径の太い領域でも内部に空孔が生じな
いTiNi系形状記憶合金細線を得ようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】回転している円筒状ドラ
ム内に、遠心力によって冷却液体層を形成させ、前記冷
却液体層中に溶融金属を噴射し、凝固させてTiNi系
合金細線を製造するに際し、TiNi系合金の溶湯組成
について、Niの一部を、0℃の熱伝導率が100W/
mK以上であるXで示される元素によって10at%以
上置換したTiNiX合金を用いることで、φ200m
m以上φ500μmまでの比較的線径の太い領域の細線
においても内部に空孔が生ぜず、TiNi系形状記憶合
金としての優れた形状記憶特性を有したTiNi系形状
記憶合金細線が得られる。
【0008】
【作用】回転液中紡糸法によってTiNi系形状記憶合
金細線を得る場合、線径がφ200μm程度以上の合金
細線を得ようとするとこの合金細線の内部に空孔が生じ
てしまう。そこで、TiNi系合金のNiの一部を0℃
の熱伝導率が100W/mK以上の元素によって置き換
え、この置き換えた元素をXで示してTiNiX系合金
として表される合金の熱伝導率をTiNi系合金よりも
大きくすることによって、細線内部に空孔が発生するの
を抑えることができる。具体的には、TiNiX系合金
の組成比を熱伝導率70W/mK以上となるように選ん
でも、細線内部に発生する空孔を抑えることができる。
【0009】
【実施例】次に本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。
【0010】図1は、本発明の実施例に関わる合金細線
を製造する装置を示す図である。
【0011】図1において、合金製造装置は、一面が開
口された円筒状ドラム1(以下ドラムと記す)と円筒状
ドラム1の他面の中心に一端を有する回転軸2と、この
回転軸2を回転可能とする滑り軸受け3とを有する。
【0012】また、このドラム1の縁には、中心軸に向
かう方向に沿う面を有する流出防止板4が設けられ、こ
のドラムの内壁面の上には、ドラムの回転による遠心力
によって液体層5が形成されている。
【0013】一方、このドラム1内に、合金を溶融する
ためのるつぼ6が、このドラム1の中心から下方に延在
して配されている。るつぼ6の先端には、溶融紡糸のた
めの噴射ノズル7が設けられ、このノズルから溶融金属
ジェット8が、ドラムの冷却液体層5に噴射される。ま
た、このるつぼ内には、合金の溶湯9が、加熱コイル1
3により生成される。
【0014】このドラムの回転軸2の他端は、モータ1
0に接続され、駆動される。
【0015】るつぼ6は、鉛直方向及び水平方向に位置
調節可能に、支持部材11により支持されている。この
ような構成の装置を用いて、以下のようにしてTiNi
系合金細線を製造した。
【0016】図1に示した回転ドラム1として、内径φ
500mmで内部に冷却液体層5を形成した装置によ
り、Tiが49〜51原子%で、残部が実質的にNiか
らなる組成を有するTiNi系合金において、Niの一
部を0℃の熱伝導率が100W/mK以上である元素で
置換したTiNiX合金(XはCu、Au、Ag、I
r、W、BeおよびMoを示す)をアルゴン雰囲気中で
溶解し、合金の溶湯9とする。アルゴンガス導入管12
を通してるつぼ6に導入するアルゴンガス圧を制御し
て、種々の、口径φ500μmの紡糸用噴射ノズル7か
ら合金の溶湯9を深さ10mmの冷却液体層5に噴射し
た。
【0017】このようにして得られた合金細線を、石英
管中に真空封入して1000℃で2時間溶体化後、水焼
き入れした。この試料について、マルテンサイト相にお
いて4%歪を加えて後、母相へと加熱したときの発生荷
重、及び紡糸により得られた細線内部の空孔の有無を表
1に示す。比較のために、紡糸により得られたTiNi
合金細線、及びTiNi合金のNiの一部を0℃の熱伝
導率=83.5W/mKである元素Feで置換したTi
NiFe合金細線の発生荷重、及び内部の空孔の有無も
表1に併記した。なお、表1において試料No.16の
TiNi合金線の発生荷重はバルク材についての値を1
と規格化して表記している。また内部の空孔の有無は回
転液中紡糸法によって得たものの評価であり、空孔の存
在が認められる。
【0018】
【表1】
【0019】表1から分かるように、TiNiX合金
(XはCu、Au、Ag、Ir、W、BeおよびMo)
のX置換量が10at%未満のときは内部空孔を有する
線材となっているが、X置換量を10at%とすること
で内部空孔が消滅している。この内部空孔の無いTiN
iX合金の熱伝導率は全て70W/mK以上であった。
即ち、熱伝導率が50W/mKであるTiNi系合金の
Niの一部を、0℃の熱伝導率が100W/mK以上で
ある元素で置換し、合金全体の熱伝導率が70W/mK
以上のとき、内部空孔の無い線材が得られることがわか
った。また、母相における発生荷重もTiNi2元系合
金とほぼ同等であり、優れた形状記憶特性を有してい
る。
【0020】これに対し、0℃の熱伝導率=83.5で
あるFeでNiの一部を置換したTiNiFe合金は、
置換量が10at%でも内部空孔を有する線材となって
おり、このときの合金全体の熱伝導率は56W/mKで
あり、70W/mK以下となっている。加えて、発生荷
重も低くなっている。この発生荷重が低くなった原因
は、線材内部の空孔のために断面積が減少したためであ
ると考えられる。
【0021】表1に示したように、本発明によって得ら
れた線径φ500μmの線材は、従来の線材と比較し
て、熱伝導率が100以上である元素でNiの一部を置
換したことによってφ500μmまで内部空孔が生ぜ
ず、優れた形状記憶特性を有した細線が得られる。
【0022】又、本発明によって、φ500μmのTi
Ni系形状記憶合金細線が溶湯から直接得ることが出来
たことになる。
【0023】
【発明の効果】以上述べたごとく本発明によれば、φ2
00μm以上φ500μmまでの比較的線径の太い合金
細線において、内部に空孔が生ぜずに、TiNi系形状
記憶合金としての特性を損なわず、優れた形状記憶合金
特性を有したTiNi系合金細線を安価に製造すること
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わるTiNi系合金細線を
製造するための装置の構成の概略を示す断面図である。
【符号の説明】
1 円筒状ドラム 2 回転軸 3 すべり軸受け 4 流出防止板 5 液体層 6 るつぼ 7 噴射ノズル 8 溶融金属ジェット 9 合金の溶湯 10 モータ 11 支持部材 12 アルゴンガス導入管 13 加熱コイル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転している円筒状ドラム内に遠心力に
    よって冷却液体層を形成し、前記冷却液体層にTiNi
    系合金の溶湯を噴射し凝固させるTiNi系合金細線の
    製造方法において、前記TiNi系合金の溶湯は、Ti
    が49〜51原子%で、残部が実質的にNiからなる基
    本組成を有し、0℃の熱伝導率が100W/mK以上の
    元素によってNiの一部が10at%以上置換されたT
    iNi系合金からなることを特徴とするTiNi系形状
    記憶合金細線の製造方法。
JP29443193A 1993-10-29 1993-10-29 TiNi系形状記憶合金細線の製造方法 Pending JPH07124715A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08320280A (ja) * 1995-05-25 1996-12-03 Tokin Corp 超弾性合金材の疵検査装置及びその検査方法
WO2002004688A1 (en) * 2000-07-07 2002-01-17 Bio-Smart, Ltd. Ti-Ni-Cu-Mo SHAPE MEMORY ALLOYS

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