JPH05277663A - TiNi系形状記憶合金細線及びその製造方法 - Google Patents
TiNi系形状記憶合金細線及びその製造方法Info
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- JPH05277663A JPH05277663A JP7383692A JP7383692A JPH05277663A JP H05277663 A JPH05277663 A JP H05277663A JP 7383692 A JP7383692 A JP 7383692A JP 7383692 A JP7383692 A JP 7383692A JP H05277663 A JPH05277663 A JP H05277663A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 TiNi系形状記憶合金としての特性を損な
わずに比較的線径の太いTiNi系形状記憶合金細線及
びその製造方法を提供するものである。 【構成】 回転する円筒状ドラム1内に生じる遠心力に
より冷却液体層5を形成し、該冷却液体層5にTiNi
系合金の溶湯をノズル7よりジェット噴射して溶融金属
を凝固させる溶融金属凝固工程において、TiNi系合
金の容湯として、Tiが49〜51原子%,Pdが5〜
15原子%,残部がNiから成るTiNiPd合金の容
湯9を用いる。これにより、比較的線径の太いTiNi
系形状記憶合金としての紡糸線材を得ている。
わずに比較的線径の太いTiNi系形状記憶合金細線及
びその製造方法を提供するものである。 【構成】 回転する円筒状ドラム1内に生じる遠心力に
より冷却液体層5を形成し、該冷却液体層5にTiNi
系合金の溶湯をノズル7よりジェット噴射して溶融金属
を凝固させる溶融金属凝固工程において、TiNi系合
金の容湯として、Tiが49〜51原子%,Pdが5〜
15原子%,残部がNiから成るTiNiPd合金の容
湯9を用いる。これにより、比較的線径の太いTiNi
系形状記憶合金としての紡糸線材を得ている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばバネ材やアクチ
ュエータ等に用いられるTiNi系形状記憶合金細線及
びその製造方法に関する。
ュエータ等に用いられるTiNi系形状記憶合金細線及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、TiNi系形状記憶合金は、そ
の素材を溶解鋳造後、熱間加工により線径5〜10mmで
線状加工した後、ダイス引き等の冷間加工によって更に
所定の寸法の線径に加工される。このようなTiNi系
合金線の製造工程では、冷間加工時の硬化が激しいの
で、繰り返し焼鈍を行う必要がある。この為、冷間加工
には多くの費用を要し、その費用はTiNi系合金線の
製造コストの大部分を占めている。そこで、最近の研究
開発では、溶融金属から合金細線を製造する方法が幾つ
か提案されている。例えば、その一つとしては回転液中
紡糸方法が挙げられる。この紡糸方法は、例えば特開昭
55−64948号公報に開示されている如く、回転し
ている円筒状ドラム内に、遠心力により冷却液体層を形
成し、この冷却液体層中に溶融した金属をジェット噴射
して凝固させ、円形断面である金属の連続細線を製造す
るものである。又、特開昭59−4984公報には、同
様な方法でTiNi系形状記憶合金細線としての紡糸線
材を製造する技術が開示されている。
の素材を溶解鋳造後、熱間加工により線径5〜10mmで
線状加工した後、ダイス引き等の冷間加工によって更に
所定の寸法の線径に加工される。このようなTiNi系
合金線の製造工程では、冷間加工時の硬化が激しいの
で、繰り返し焼鈍を行う必要がある。この為、冷間加工
には多くの費用を要し、その費用はTiNi系合金線の
製造コストの大部分を占めている。そこで、最近の研究
開発では、溶融金属から合金細線を製造する方法が幾つ
か提案されている。例えば、その一つとしては回転液中
紡糸方法が挙げられる。この紡糸方法は、例えば特開昭
55−64948号公報に開示されている如く、回転し
ている円筒状ドラム内に、遠心力により冷却液体層を形
成し、この冷却液体層中に溶融した金属をジェット噴射
して凝固させ、円形断面である金属の連続細線を製造す
るものである。又、特開昭59−4984公報には、同
様な方法でTiNi系形状記憶合金細線としての紡糸線
材を製造する技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た紡糸方法では、円形断面の紡糸線材を容易に得ること
はできても、この紡糸方法によって製造された紡糸線材
は、線径φが200μm以上の比較的太いものでは線内
部に空孔が生じ、実用面で不適当になってしまう。この
為、線径φが200μm以上の紡糸線材を得ようとする
場合には、バルク材からの伸線加工を行わなければなら
ない。このような理由により、上述した紡糸方法によっ
て紡糸線材を得ようとすると、線径φが200μm以下
の極細線に限られてしまうという不便がある。
た紡糸方法では、円形断面の紡糸線材を容易に得ること
はできても、この紡糸方法によって製造された紡糸線材
は、線径φが200μm以上の比較的太いものでは線内
部に空孔が生じ、実用面で不適当になってしまう。この
為、線径φが200μm以上の紡糸線材を得ようとする
場合には、バルク材からの伸線加工を行わなければなら
ない。このような理由により、上述した紡糸方法によっ
て紡糸線材を得ようとすると、線径φが200μm以下
の極細線に限られてしまうという不便がある。
【0004】そこで、本発明の技術的課題は、従来の紡
糸方法を改善し、TiNi系形状記憶合金としての特性
を損なわずに比較的線径の太いTiNi系形状記憶合金
細線及びその製造方法を提供することにある。
糸方法を改善し、TiNi系形状記憶合金としての特性
を損なわずに比較的線径の太いTiNi系形状記憶合金
細線及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、回転し
ている円筒状ドラム内に遠心力によって冷却液体層を形
成し、冷却液体層にTiNi系合金の溶湯をジェットと
して噴射し、溶融金属を凝固させるTiNi系合金細線
の製造方法において、TiNi系合金の溶湯として、T
iが49〜51原子%、残部が実質的にNiから成るT
iNi系合金のうち、Niの一部をPdによって全体比
で5〜15原子%置換したTiNiPd合金の溶湯を用
いることによって、TiNi系形状記憶合金としての特
性を損なわない紡糸線材を得るTiNi系形状記憶合金
細線の製造方法が得られる。
ている円筒状ドラム内に遠心力によって冷却液体層を形
成し、冷却液体層にTiNi系合金の溶湯をジェットと
して噴射し、溶融金属を凝固させるTiNi系合金細線
の製造方法において、TiNi系合金の溶湯として、T
iが49〜51原子%、残部が実質的にNiから成るT
iNi系合金のうち、Niの一部をPdによって全体比
で5〜15原子%置換したTiNiPd合金の溶湯を用
いることによって、TiNi系形状記憶合金としての特
性を損なわない紡糸線材を得るTiNi系形状記憶合金
細線の製造方法が得られる。
【0006】又、本発明によれば、回転する容器内に生
じる遠心力により冷却液体層を形成し、該冷却液体層に
TiNi系合金の溶湯をジェット噴射して溶融金属を凝
固させる溶融金属凝固工程を含むTiNi系形状記憶合
金細線の製造方法において、Tiを49〜51原子%,
Pdを5〜15原子%,残部Niより成るTiNiPd
合金をTiNi系合金として用いて紡糸線材を得るTi
Ni系形状記憶合金細線の製造方法が得られる。
じる遠心力により冷却液体層を形成し、該冷却液体層に
TiNi系合金の溶湯をジェット噴射して溶融金属を凝
固させる溶融金属凝固工程を含むTiNi系形状記憶合
金細線の製造方法において、Tiを49〜51原子%,
Pdを5〜15原子%,残部Niより成るTiNiPd
合金をTiNi系合金として用いて紡糸線材を得るTi
Ni系形状記憶合金細線の製造方法が得られる。
【0007】更に、本発明によれば、上記TiNi系形
状記憶合金細線の製造方法によって製造された紡糸線材
が得られる。
状記憶合金細線の製造方法によって製造された紡糸線材
が得られる。
【0008】加えて、本発明によれば、上記紡糸線材に
おいて、摂氏30〜60℃の変態温度を有し、且つ線径
が500μm以下である紡糸線材が得られる。
おいて、摂氏30〜60℃の変態温度を有し、且つ線径
が500μm以下である紡糸線材が得られる。
【0009】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明のTiNi系形
状記憶合金細線及びその製造方法について、図面を参照
して詳細に説明する。
状記憶合金細線及びその製造方法について、図面を参照
して詳細に説明する。
【0010】第1図は、本発明の一実施例に係るTiN
i系形状記憶合金細線を製造するための合金製造装置の
基本構成を示すものである。
i系形状記憶合金細線を製造するための合金製造装置の
基本構成を示すものである。
【0011】この合金製造装置は、一面が開口された円
筒状ドラム1と、ドラム1の他面の中心に一端が固定さ
れると共に、他端がモータ10に結合された回転軸2
と、この回転軸2を回転可能とする為、回転軸2の延在
方向の所定箇所に設けられた滑り軸受3とを有する。こ
れにより、ドラム1はモータ10の回転駆動に従う回転
軸2の回動に伴って回転する。又、ドラム1の側縁に
は、この側縁に沿うと共に、ドラム1の中心軸に向かう
方向に鍔部を成す流出防止板4が設けられ、ドラム1及
び流出防止板4の内壁面に沿った部分には、ドラム1の
回転により生じる遠心力により液体層5が形成されてい
る。
筒状ドラム1と、ドラム1の他面の中心に一端が固定さ
れると共に、他端がモータ10に結合された回転軸2
と、この回転軸2を回転可能とする為、回転軸2の延在
方向の所定箇所に設けられた滑り軸受3とを有する。こ
れにより、ドラム1はモータ10の回転駆動に従う回転
軸2の回動に伴って回転する。又、ドラム1の側縁に
は、この側縁に沿うと共に、ドラム1の中心軸に向かう
方向に鍔部を成す流出防止板4が設けられ、ドラム1及
び流出防止板4の内壁面に沿った部分には、ドラム1の
回転により生じる遠心力により液体層5が形成されてい
る。
【0012】一方、ドラム1内には、後述する如く、T
iNi系形状記憶合金としてのTiNiPd合金を溶融
するためのるつぼ6がドラム1の中心から下方に延在し
て配設されている。このるつぼ6は鉛直方向及び水平方
向に位置調節可能となるように、支持部材11により支
持されている。又、るつぼ6の先端には、溶融紡糸用の
噴射ノズル7が設けられ、このノズル7から溶融金属ジ
ェット8がドラム1内の冷却液体層5に噴射される。更
に、るつぼ6内には、アルゴンガス導入管12よりアル
ゴンガスが注入される。加えて、るつぼ6の下方には加
熱コイル13が設けられ、この加熱コイル13がるつぼ
6の下方を加熱する結果、るつぼ6内に充填されたTi
NiPd合金がアルゴンガス雰囲気中で溶融され、この
TiNiPd合金の溶湯9が生成される。
iNi系形状記憶合金としてのTiNiPd合金を溶融
するためのるつぼ6がドラム1の中心から下方に延在し
て配設されている。このるつぼ6は鉛直方向及び水平方
向に位置調節可能となるように、支持部材11により支
持されている。又、るつぼ6の先端には、溶融紡糸用の
噴射ノズル7が設けられ、このノズル7から溶融金属ジ
ェット8がドラム1内の冷却液体層5に噴射される。更
に、るつぼ6内には、アルゴンガス導入管12よりアル
ゴンガスが注入される。加えて、るつぼ6の下方には加
熱コイル13が設けられ、この加熱コイル13がるつぼ
6の下方を加熱する結果、るつぼ6内に充填されたTi
NiPd合金がアルゴンガス雰囲気中で溶融され、この
TiNiPd合金の溶湯9が生成される。
【0013】本発明のTiNi系形状記憶合金細線の製
造方法は、このような構成の合金製造装置を用いて、以
下に説明する製造工程を経ることによって得られるTi
NiPd合金細線(紡糸線材)を用いるものである。
尚、合金製造装置においては、回転ドラム1の内径φを
500mm、ノズル7の内口径φを500μmとする。
造方法は、このような構成の合金製造装置を用いて、以
下に説明する製造工程を経ることによって得られるTi
NiPd合金細線(紡糸線材)を用いるものである。
尚、合金製造装置においては、回転ドラム1の内径φを
500mm、ノズル7の内口径φを500μmとする。
【0014】本発明の場合も、従来の技術で説明した紡
糸方法を行う。即ち、紡糸方法では、先ず回転するドラ
ム1内に生じる遠心力により冷却液体層5を形成する液
体層形成工程を経た後、これにより得られる冷却液体層
5にTiNi系合金の溶湯をジェット噴射して溶融金属
を凝固させる溶融金属凝固工程を行う。但し、溶融金属
凝固工程では、TiNi系合金の容湯として、Tiを4
9〜51原子%,Pdを5〜15原子%,残部をNiと
したTiNiPd合金の容湯9を用いる。
糸方法を行う。即ち、紡糸方法では、先ず回転するドラ
ム1内に生じる遠心力により冷却液体層5を形成する液
体層形成工程を経た後、これにより得られる冷却液体層
5にTiNi系合金の溶湯をジェット噴射して溶融金属
を凝固させる溶融金属凝固工程を行う。但し、溶融金属
凝固工程では、TiNi系合金の容湯として、Tiを4
9〜51原子%,Pdを5〜15原子%,残部をNiと
したTiNiPd合金の容湯9を用いる。
【0015】このTiNiPd合金は、Tiが49〜5
1原子%で、残部がNiから成るTiNi系合金のう
ち、Niの一部をPdによって全体比で5〜15原子%
置換することによって得られるものである。
1原子%で、残部がNiから成るTiNi系合金のう
ち、Niの一部をPdによって全体比で5〜15原子%
置換することによって得られるものである。
【0016】又、合金製造装置において、このようなT
iNiPd合金の容湯9を得るためには、アルゴンガス
導入管12を通してるつぼ6内に導入するアルゴンガス
圧を適当に制御すると共に、加熱コイル13による加熱
温度を充分考慮し、アルゴンガス雰囲気中でTiNiP
d合金が良好に溶融されるようにする必要がある。
iNiPd合金の容湯9を得るためには、アルゴンガス
導入管12を通してるつぼ6内に導入するアルゴンガス
圧を適当に制御すると共に、加熱コイル13による加熱
温度を充分考慮し、アルゴンガス雰囲気中でTiNiP
d合金が良好に溶融されるようにする必要がある。
【0017】次に、TiNiPd合金の容湯9を口径φ
500μmのノズル7から深さ10mmの冷却液体層5に
噴射し、線径φが500μmの溶体化試料としての紡糸
線材を得る。最後に、この溶体化試料を、石英管中に真
空封入して摂氏1000℃の温度条件下で2時間溶体化
した後、水焼き入れしてTiNi系形状記憶合金として
のTiNiPd合金材質の紡糸線材を得る。この紡糸線
材は、摂氏30〜60℃の変態温度を有する。
500μmのノズル7から深さ10mmの冷却液体層5に
噴射し、線径φが500μmの溶体化試料としての紡糸
線材を得る。最後に、この溶体化試料を、石英管中に真
空封入して摂氏1000℃の温度条件下で2時間溶体化
した後、水焼き入れしてTiNi系形状記憶合金として
のTiNiPd合金材質の紡糸線材を得る。この紡糸線
材は、摂氏30〜60℃の変態温度を有する。
【0018】ここで、TiNiPd形状記憶合金の紡糸
線材を得る過程,即ち、溶体化処理中の溶体化試料の生
成特性を、示差走査熱量計(DSC)によるマルテンサ
イト逆変態開始温度(Ms)の測定と、紡糸線材内部の
空孔の有無とに基づいて調べたところ、表1に示す結果
となった。
線材を得る過程,即ち、溶体化処理中の溶体化試料の生
成特性を、示差走査熱量計(DSC)によるマルテンサ
イト逆変態開始温度(Ms)の測定と、紡糸線材内部の
空孔の有無とに基づいて調べたところ、表1に示す結果
となった。
【0019】
【表1】
【0020】表1では比較の為、TiNi系合金におけ
るPdによるNiの一部置換量を5%未満,或いは15
%を超過させた溶体化試料の溶体化処理中における生成
特性や、PdによるNiの一部置換を行わず、従来の紡
糸方法によりTiNi系合金の容湯から得た溶体化試料
の溶体化処理中における生成特性も併記している。
るPdによるNiの一部置換量を5%未満,或いは15
%を超過させた溶体化試料の溶体化処理中における生成
特性や、PdによるNiの一部置換を行わず、従来の紡
糸方法によりTiNi系合金の容湯から得た溶体化試料
の溶体化処理中における生成特性も併記している。
【0021】表1からは、Pd置換量を5原子%以上と
すると、その内部に空孔を生じないことや、Pd置換量
を15原子%より増加させると変態温度が上昇し、Ti
Ni系形状記憶合金としての特性を損なうことが判か
る。従って、本発明に適当な紡糸線材は、整理番号2,
3のもの,即ち、Pd置換量を全体比で5〜15原子%
の間としたものであるとできる。
すると、その内部に空孔を生じないことや、Pd置換量
を15原子%より増加させると変態温度が上昇し、Ti
Ni系形状記憶合金としての特性を損なうことが判か
る。従って、本発明に適当な紡糸線材は、整理番号2,
3のもの,即ち、Pd置換量を全体比で5〜15原子%
の間としたものであるとできる。
【0022】尚、実施例ではTiNiPd合金の容湯9
より線径φが500μmの紡糸線材を得るものとした
が、紡糸線材の線径φは200〜500μmの範囲であ
れば良いので、本発明は実施例に限定されない。
より線径φが500μmの紡糸線材を得るものとした
が、紡糸線材の線径φは200〜500μmの範囲であ
れば良いので、本発明は実施例に限定されない。
【0023】
【発明の効果】以上に述べた如く、本発明のTiNi系
形状記憶合金細線の製造方法によれば、線径φが200
〜500μmの範囲と比較的太く、しかも内部に空孔を
生じることなく30〜60℃の変態温度を保持し、優れ
た形状記憶特性を有するTiNi系合金細線(紡糸線
材)を安価に製造することが可能となる。
形状記憶合金細線の製造方法によれば、線径φが200
〜500μmの範囲と比較的太く、しかも内部に空孔を
生じることなく30〜60℃の変態温度を保持し、優れ
た形状記憶特性を有するTiNi系合金細線(紡糸線
材)を安価に製造することが可能となる。
【図1】本発明の一実施例に係るTiNi系形状記憶合
金細線を製造するための合金製造装置の基本構成を示す
ものである。
金細線を製造するための合金製造装置の基本構成を示す
ものである。
1 円筒状ドラム 2 回転軸 3 滑り軸受 4 流出防止板 5 液体層 6 るつぼ 7 ノズル 8 溶融金属ジェット 9 TiNiPd合金の溶湯 10 モータ 11 支持部材 12 アルゴンガス導入管 13 加熱コイル
Claims (4)
- 【請求項1】 回転している円筒状ドラム内に遠心力に
よって冷却液体層を形成し、前記冷却液体層にTiNi
系合金の溶湯をジェットとして噴射し、溶融金属を凝固
させるTiNi系合金細線の製造方法において、前記T
iNi系合金の溶湯として、Tiが49〜51原子%、
残部が実質的にNiから成るTiNi系合金のうち、N
iの一部をPdによって全体比で5〜15原子%置換し
たTiNiPd合金の溶湯を用いることによって、Ti
Ni系形状記憶合金としての特性を損なわない紡糸線材
を得ることを特徴とするTiNi系形状記憶合金細線の
製造方法。 - 【請求項2】 回転する容器内に生じる遠心力により冷
却液体層を形成し、該冷却液体層にTiNi系合金の溶
湯をジェット噴射して溶融金属を凝固させる溶融金属凝
固工程を含むTiNi系形状記憶合金細線の製造方法に
おいて、Tiを49〜51原子%,Pdを5〜15原子
%,残部Niより成るTiNiPd合金を前記TiNi
系合金として用いて紡糸線材を得ることを特徴とするT
iNi系形状記憶合金細線の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のTiNi系形状記
憶合金細線の製造方法によって製造された紡糸線材。 - 【請求項4】 請求項3記載の紡糸線材において、摂氏
30〜60℃の変態温度を有し、且つ線径が500μm
以下であることを特徴とする紡糸線材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7383692A JPH05277663A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | TiNi系形状記憶合金細線及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7383692A JPH05277663A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | TiNi系形状記憶合金細線及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05277663A true JPH05277663A (ja) | 1993-10-26 |
Family
ID=13529626
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7383692A Withdrawn JPH05277663A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | TiNi系形状記憶合金細線及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05277663A (ja) |
-
1992
- 1992-03-30 JP JP7383692A patent/JPH05277663A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990608 |