JPH08127042A - 積層成形品および自動車用空調機の気流制御弁の製造方法 - Google Patents
積層成形品および自動車用空調機の気流制御弁の製造方法Info
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- JPH08127042A JPH08127042A JP23000095A JP23000095A JPH08127042A JP H08127042 A JPH08127042 A JP H08127042A JP 23000095 A JP23000095 A JP 23000095A JP 23000095 A JP23000095 A JP 23000095A JP H08127042 A JPH08127042 A JP H08127042A
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Abstract
イムが短縮可能となる積層成形品および自動車用空調機
の気流制御弁の製造方法を提供すること。 【解決手段】固定金型部120Aの成形面126 と対向する可
動金型部120B側の圧縮コア120Cの成形面127 に表皮面材
131 を密着仮固定した状態で、金型120 の内部に溶融樹
脂130 を充填した後、圧縮コア120Cを前進させて充填し
た溶融樹脂130 を圧縮する。圧縮コア120Cで押圧するこ
とから、溶融樹脂130 の充填時の金型120には成形品よ
り大きな空間が形成され、射出圧を高めて迅速に樹脂充
填を行ってサイクルタイムを短縮し、溶融樹脂130 の充
満後、圧縮コア120Cの押圧力を低下させて柔軟性のある
表皮面材131 の損傷を防止する。
Description
一体化された積層成形品および自動車用空調機の気流制
御弁の製造方法に関する。
の自動車内装品として、あるいは、自動車用空調機の気
流制御弁として表面に柔軟性を有する表皮面材が一体化
された積層成形品が利用されている。このような積層成
形品によれば、表面が柔軟な表皮面材で覆われているこ
とから、手で触れた際等に良好な感触を与えることがで
きるうえ、織物等を表皮面材として用いれば、装飾性を
付与することができる。また、表皮面材の厚みを増すこ
とにより良好なクッション性が得られるため、コンソー
ルボックスの蓋などに部分積層成形品を用いれば、開閉
の際の衝撃音、走行時の振動等を抑制できる。さらに、
クッション性を有する表皮面材は、隙間を密閉すること
が可能となるので、自動車用空調機の気流制御弁に適用
すれば、良好な遮音性や密閉性等を気流制御弁に付与す
ることができる。
製造方法が利用できる。 A.予め射出成形等により製造した成形品の表面に、表
皮面材を接着剤等で貼り付けて製造する方法。 B.しみ込み防止シートが貼り付けられた二枚の表皮面
材の間に挟まれた状態で、金型内に充填された溶融樹脂
を圧縮するプレス成形により製造する方法(特公平2-25
806 号)。 C.内部に二枚の表皮面材を配置した金型を完全に閉鎖
した後、二枚の表皮面材の間に、射出圧力を比較的低く
抑えた溶融樹脂を充填するとともに、保圧圧力を比較的
低く抑えた状態で溶融樹脂を冷却固化する射出成形で製
造する方法(特公平3-60297 号)。 D.二枚の表皮面材が配置された金型を型締めする前
に、前記二枚の表皮面材の間に溶融樹脂を充填し、溶融
樹脂が充填された金型を型締めして成形する射出プレス
成形で製造する方法(特公平5-83056 号)。
法には、それぞれ次のa〜dに示す問題がある。 a.成形品の個々に表皮面材を貼り付けなければならな
いので、貼着作業に手間がかかって生産性が低いうえ、
作業環境の悪化の問題があり、接着剤による貼着では、
充分な接着強度が得られないという問題がある。 b.溶融樹脂を充填する毎に、溶融樹脂を金型に供給す
る押出機のノズルを当該金型内に対して進退させる必要
があるので、一の成形品を成形するのにかかるサイクル
タイムが長いという問題があるうえ、しみ込み防止シー
トを表皮面材に貼り付けなければならないので、製造に
手間がかかるという問題がある。 c.射出圧力を比較的低く抑えたので、溶融樹脂を充填
するのに時間がかかり、サイクルタイムが長いという問
題がある。一方、射出圧力を高くすると、サイクルタイ
ムは短くなるが、以下のような不具合が生じ、表皮面材
の品質を損なうという問題がある。 表皮面材が面方向に押されるため、その表面にしわが
よる。 しぼ付けされた表皮面材を用いた場合には、しぼ付け
した凹凸模様が乱れるシボ流れが生じる。 繊維シートを用いた場合には、繊維シートの繊維が倒
れてしまう毛倒れが生じ、良好な触感が損なわれる。 厚手のものを用いた場合には、表皮面材が潰れてしま
い、良好なクッション性が損なわれる。 d.溶融樹脂を金型の型締めにより成形することから、
成形が完了するまで金型内部の表皮面材および溶融樹脂
に大きな圧縮力を加わえ続ける必要があるので、高い圧
縮力で表皮面材が押圧されるため、前述の〜と同様
な不具合が生じ、表皮面材の品質が損なわれるという問
題がある。
ことなく、サイクルタイムが短縮可能となる積層成形品
および自動車用空調機の気流制御弁の製造方法を提供す
ることにある。
なくとも片面に柔軟性のある表皮面材が一体化された積
層成形品の製造方法であって、対向する金型の成形面の
少なくとも一方の成形面に前記表皮面材を密着仮固定
し、この状態で前記金型を、所定の圧縮代を残して閉鎖
した後、前記表皮面材の前記成形面と密着する面の反対
側に溶融樹脂を充填する工程と、前記金型を型締めして
内部の溶融樹脂に圧縮力を加えて当該溶融樹脂を前記金
型全体に充満させる工程と、前記溶融樹脂の充満後、前
記溶融樹脂に加えていた圧縮力を低下させる工程とを含
むことを特徴とする。以上において、前記積層成形品の
前記表皮面材が一体化される面は、一部分を前記表皮面
材で覆ってもよい。また、前記積層成形品の両面に前記
表皮面材を一体化してもよい。さらに、前記金型の対向
する両方の成形面に表皮面材をそれぞれ密着仮固定し、
前記表皮面材が密着仮固定された前記金型を閉鎖すると
ともに、この金型の閉鎖により前記表皮面材を圧縮して
押し固め、この状態で前記表皮面材の間に溶融樹脂を充
填し、ある程度溶融樹脂が充填されたら、当該溶融樹脂
の充填を継続させながら、所定の圧縮代が確保されるよ
うに前記金型を開いた後に、前記金型を型締めして内部
の溶融樹脂に圧縮力を加えて当該溶融樹脂を前記金型全
体に充満させてもよい。また、前記溶融樹脂が前記金型
全体に充満した後に低下させた圧縮力を、前記溶融樹脂
が固化する前に再度高めることが望ましい。さらに、前
記表皮面材は、前記金型内の成形面に突設されたピンお
よび/または前記成形面に吸引口を有する真空吸引手段
により前記金型内に仮固定されることが好ましい。
う柔軟性のある表皮面材が一体化された自動車用空調機
の気流制御弁の製造方法であって、対向する金型の成形
面の少なくとも一方の成形面に前記表皮面材を密着仮固
定し、この状態で前記金型を所定の圧縮代を残して閉鎖
した後、前記表皮面材の前記成形面と密着する面の反対
側に溶融樹脂を充填する工程と、前記金型を型締めして
内部の溶融樹脂に圧縮力を加えて当該溶融樹脂を前記金
型全体に充満させる工程と、前記溶融樹脂の充満後、前
記溶融樹脂に加えていた圧縮力を低下させる工程とを含
むことを特徴とする。以上において、前記第1発明と同
様に、前記金型の対向する両方の成形面に表皮面材をそ
れぞれ密着仮固定し、前記表皮面材が密着仮固定された
前記金型を閉鎖するとともに、この金型の閉鎖により前
記表皮面材を圧縮して押し固め、この状態で前記表皮面
材の間に溶融樹脂を充填し、ある程度溶融樹脂が充填さ
れたら、当該溶融樹脂の充填を継続させながら、所定の
圧縮代が確保されるように前記金型を開いた後に、前記
金型を型締めして内部の溶融樹脂に圧縮力を加えて当該
溶融樹脂を前記金型全体に充満させることができる。ま
た、前記溶融樹脂が前記金型全体に充満した後に低下さ
せた圧縮力を、前記溶融樹脂が固化する前に再度高める
ことが望ましい。また、前記表皮面材は、前記金型内の
成形面に突設されたピンおよび/または前記成形面に吸
引口を有する真空吸引手段により前記金型内に仮固定さ
れることが好ましい。さらに、前記表皮面材としては、
クッション性に優れた面材を採用するのが望ましい。
形装置、および、成形手順を採用することができる。 (1)材 料 成形品を形成する合成樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ABS、ポリカーボネー
ト、等の熱可塑性樹脂、エチレン−α−オレフィン共重
合体エラストマ、スチレン−ジェン共重合体、あるい
は、この共重合の水素添加物等のエラストマ類、およ
び、これらの熱可塑性樹脂にタルク、炭酸カルシウム、
マイカ、ガラス繊維等の充填剤を添加したものが採用で
きる。また、表皮面材としては、織布や不織布等の布、
熱可塑性樹脂面材、熱可塑性樹脂の発泡面材、および、
模様等が印刷されたフィルム等の単層面材、ならびに、
熱可塑性エラストマや塩化ビニル樹脂等の表皮材に、熱
可塑性樹脂や熱可塑性樹脂の発泡体等からなる裏地材を
裏打ちした多層面材が採用できる。特に、自動車用空調
機の気流制御弁に用いる表皮面材としては、ポリウレタ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の
発泡体からなるクッション面材が採用できる。
階以上制御可能な圧縮機構を備えた射出圧縮成形機が採
用できる。ここで、前記圧縮機構としては、金型の内部
等に設けたもの、射出成形機に組み込んだもの、およ
び、射出成形機の型締装置に備えられている移動側ダイ
プレートと金型との間に介装されるもの等が採用でき
る。金型としては、固定金型部および可動金型部を有
し、型締めで充填された溶融樹脂を圧縮する金型、およ
び、固定金型部および可動金型部を有するとともに、充
填された溶融樹脂を圧縮する圧縮用コアを可動金型部に
設けた金型等が採用できる。圧縮用コアを有する金型を
採用する場合、表皮面材が装着される装着部位を、互い
に対向する固定金型部の成形面と圧縮用コアの成形面と
に設定する一方、表皮面材が装着されない部分を、前記
固定金型部の他の成形面と可動金型部の成形面とに設定
することができる。このようにすれば、圧縮コアによる
圧縮力が表皮面材に直接加わるようになるため、表皮面
材を押圧する力を微妙に調節することができる。
順が採用できる。 金型を開いた状態で、当該金型の互いに対向する成形
面の各々に表皮面材を装着する。なお、装着した表皮面
材が、溶融樹脂を供給するゲートを塞ぐ場合には、予め
固定金型側の表皮面材のゲートに対応する位置に孔を開
けておく。このようにすれば、表皮面材の孔を通して金
型内に溶融樹脂を供給できる。 金型を閉じるにあたり、完全に閉鎖する位置よりも所
定寸法だけ手前の位置に移動側の金型を停止させ(圧縮
代を残す)、この位置から移動側の金型が後退して型開
きしないように、同金型の後方をブロックしておく。 射出装置を駆動して溶融樹脂を金型内に充填する。 充填の完了の直前もしくは直後に金型内に圧縮力を加
える圧縮工程を開始し、圧縮力により内部の樹脂を展延
して金型内に充満させる。 樹脂が金型内に充満した直後に金型に加えている圧縮
力を下げる。 樹脂の表面温度が低下したら、溶融樹脂全体が固化す
る前に、樹脂が所定の形状を維持するように、再度金型
に圧縮力を加える。 樹脂が冷却固化した後、金型を開いて成形品を取り出
す。 射出が完了したら次の射出成形のための予備可塑化を
開始する。なお、クッション性を有する表皮面材を採用
する場合、表皮面材のゲートに対応する位置に孔を開け
ると、充填された溶融樹脂が表皮面材を押圧し、表皮面
材の孔は、出入口部分が拡がってしまうので、得られる
成形品は、表皮面材の孔の周囲に溶融樹脂が巻き込んだ
状態となる場合がある。この場合、前述の,の代わ
りに次の手順を採用してもよい。 金型を完全閉鎖する等により、溶融樹脂が押圧しても
変形しない程度に表皮面材を圧縮し、この状態で金型内
に溶融樹脂の充填を開始する。そして、溶融樹脂が少な
くとも前記ゲートに対応する前記表皮面材の孔を覆おう
程度に充填されたら、溶融樹脂の充填を継続しながら、
金型を開いて所定の圧縮代を確保した後、溶融樹脂の充
填を完了させる。このようにすれば、圧縮された表皮面
材は、充分固くなり、溶融樹脂の押圧力では変形しない
ので、溶融樹脂の巻き込みが防止されるようになる。
おいた金型を完全に型締めする、あるいは、後退させて
おいた圧縮コアを前進させる等、金型内部の容積を縮小
することにより、金型の内部に充填した溶融樹脂を圧縮
する工程を経て成形を行うため、圧縮する工程前の溶融
樹脂を充填する工程においては、金型の内部に成形品よ
りも大きな容積の空間が形成される。少なくとも、溶融
樹脂の充填が進行し、充填された溶融樹脂の内圧が著し
く高くなる前には、金型の内部に成形品よりも大きな容
積の空間が形成される。このため、射出圧力を高めて溶
融樹脂を金型内に充填しても、金型内には溶融樹脂が広
がる空間があるので、金型内に充填された溶融樹脂が高
圧にならず、溶融樹脂が表皮面材を強い力で押圧するこ
とがない。また、金型内への樹脂の充満が完了する以前
においては、金型の型締め等により溶融樹脂に圧縮力を
加わえても、この圧縮力は、溶融樹脂を流動させて金型
全体に展延させる力として作用し、表皮面材を強く押圧
しない。さらに、金型内への樹脂の充満が完了した後
は、表皮面材が樹脂と金型とに挟まれた状態となるた
め、金型を圧縮する圧縮力は、そのまま表皮面材を圧縮
する力となるが、このときには金型の型締めによる圧縮
力が低下されるので、表皮面材は強く押圧されない。従
って、射出圧を高圧にすることで、溶融樹脂の充填を迅
速にし、サイクルタイムを短縮することが可能となるう
え、射出圧を高圧にしても、表皮面材が強く押圧される
ことがなく、これにより前記目的が達成される。なお、
溶融樹脂の表面がある程度冷却してしまえば、溶融樹脂
の表皮面材へのしみ込みや、表皮面材の溶解が抑制さ
れ、金型の圧縮力を高めても、表皮面材が損傷する等の
不具合が生じない。このため、溶融樹脂の全体が完全に
固化する前に、金型の圧縮力を再度高めれば、表皮面材
の品質を損なうことなく、樹脂の冷却時間を短くでき、
ひいてはサイクルタイムを短縮することが可能となる。
面に基づいて説明する。図1には、本発明の第1実施形
態の射出圧縮成形機101 の要部が示されており、この射
出圧縮成形機101 は、溶融樹脂130 を射出する射出装置
110 および成形用の金型120 を有するものとなってい
る。射出装置110 は、筒状のバレル111 の内部に溶融状
態の合成樹脂130 を混練するスクリュウ112 を設けたも
のである。バレル111 の先端にはノズル113 が設けられ
ている。ノズル113 を金型120 のブッシュ121 に接続し
て樹脂130 を射出することにより、金型120 の内部に溶
融樹脂130 が充填される。
と、左側の可動金型部120Bと、この可動金型部120Bに進
退可能に設けられた圧縮コア120Cとを備えたものであ
る。固定金型部120Aは、射出圧縮成形機101 に移動不可
能に固定されるものである。この固定金型部120Aには、
前述のブッシュ121 が設けられている他、金型120内に
樹脂130 を導入するスプルー122 が当該固定金型部120A
のほぼ中央部分を貫通して設けられている。可動金型部
120Bは、射出圧縮成形機101 に移動可能に設けられたも
のある。可動金型部120Bの図中左側には、図示しない型
締装置が配置されている。この型締装置で可動金型部12
0Bを固定金型部120Aに向かって押圧することにより、金
型120 が閉鎖されるようになっている。圧縮コア120C
は、金型120 内に充填された溶融樹脂130 を圧縮するも
のである。圧縮コア120Cの図中左側には、図示しない圧
縮装置が配置されている。この圧縮装置は、圧縮コア12
0Cを固定金型部120Aに向かって押圧、または、後退させ
るものであり、その押圧力は、最大押圧力の0〜100
%の範囲で連続的に調節できるようになっている。
B、および、圧縮コア120Cによって形成されるキャビテ
ィ123 には、表皮面材131 が装着される貼付部124 と、
表皮面材131 が装着されない非貼付部125 とが設けられ
ている。貼付部124 は、固定金型部120Aおよび圧縮コア
120Cの互いに対向する成形面126, 127に設定されてい
る。貼付部124 には、表皮面材131 を固定する固定手段
であるピン128 が複数備えられている。これらのピン12
8 は、成形面126, 127から突出して表皮面材131 を固定
するものである。ピン128 により表皮面材131 が固定金
型部120Aおよび圧縮コア120Cに固定されるようになって
いる。非貼付部125 は、図中貼付部124 の上方に設けら
れた固定金型部120Aおよび可動金型部120Bの互いに対向
する成形面126A, 127Aに設定されている。この非貼付部
125 により、成形品の表皮面材131 がない部分、例え
ば、他の成形品と接合するために、表皮面材131 がある
と不都合な他の部品等が成形されるようになっている。
表皮面材131 は、クッション性を有する厚手の発泡シー
トである。このうち、固定金型部120Aに固定される表皮
面材131 には、成形面126 のほぼ中央に設けられたスプ
ルー122 の出口であるダイレクトゲート129 に対応した
位置に貫通孔132 が設けられている。溶融樹脂130 は、
ダイレクトゲート129 および貫通孔132を通ってキャビ
ティ123 内に充填されるようになっている。
順により射出圧縮成形を行う。まず、金型120 を開き、
この状態で固定金型部120Aおよび圧縮コア120Cの成形面
126, 127に表皮面材131 を装着した後、金型120 を閉じ
る。この際、圧縮コア120Cは後退させたままにしてお
き、図2(A)に示されるように、圧縮工程において圧
縮コア120Cを移動させる距離である圧縮代Aを確保して
おき、射出装置110 を駆動して充填工程を開始し、溶融
樹脂130 を金型120 のキャビティ123 の内部に充填す
る。そして、この充填工程の完了直前もしくは完了直後
に、圧縮装置を駆動して圧縮工程を開始し、図2(B)
に示されるように、圧縮コア120Cを前進させ、キャビテ
ィ123 内部の溶融樹脂130 に圧縮力を加える。この圧縮
工程では、溶融樹脂130 をキャビティ123 の全体に展延
して充満させる充満工程と、溶融樹脂130 に加える圧縮
力を低下する保護工程と、溶融樹脂130 に加える圧縮力
を再度高圧にする保圧工程とを順次行う。
前進することにより、溶融樹脂130をキャビティ123 の
隅々まで充満させる。溶融樹脂130 がキャビティ123 の
隅々まで到達したら充満工程を完了する。そして、表皮
面材131 が押し潰されないように保護すべく、充満工程
の完了後速やかに保護工程を開始し、溶融樹脂130 に加
わっている圧縮力を下げる。この保護工程の間に、表皮
面材131 が著しく溶融しない程度に溶融樹脂130 の表面
を冷却する。溶融樹脂130 の表面が充分冷えたら、保護
工程を完了させるとともに、保圧工程を開始し、圧縮力
を高めて溶融樹脂130 を冷却固化する。この保圧工程に
おいては、溶融樹脂130 を所定の形状に維持させるのに
充分な圧縮力下で樹脂130 の冷却固化が行われる。溶融
樹脂130 が充分冷却固化したら、保圧工程を完了し、金
型120 を開いて成形品を取り出す。なお、射出が完了し
たら次の射出成形のために樹脂130 を可塑化する可塑化
工程を開始する。
保圧工程における圧縮力は、射出圧縮成形を行う前に予
め設定されるものである。これらの各工程における設定
値をそれぞれ設定値SP1 〜SP3 とすると、設定値SP1 〜
SP3 は次のように設定することができる。すなわち、充
満工程の設定値SP1 は、溶融樹脂130 の展延を可能とす
る充分大きな圧力値に設定する。保護工程の設定値SP2
は、表皮面材131 が著しく押し潰されない程度の小さい
圧力値に設定する。保圧工程の設定値SP3 は、溶融樹脂
130 を成形面126, 127側に押圧して所定の形状を維持さ
せることが可能な比較的大きな圧力値に設定する。な
お、各設定値SP1,SP2,SP3 は、その大きさを比較する
と、SP1 >SP3 >SP2となっている。
うな効果がある。すなわち、充填工程で射出圧力を高め
て、溶融樹脂130 の充填を迅速に行えるようにし、圧縮
工程における充満工程では、溶融樹脂130 に大きな圧縮
力を加えて、溶融樹脂130 が迅速に流動するようにした
ので、一の成形品を成形するのにかかる時間であるサイ
クルタイムを短縮することができる。
0Cは、溶融樹脂130 の充填を行う充填工程では後退して
おり、この時点には金型120 の内部に成形品よりも大き
な容積の空間が存在するので、射出圧力を高めて溶融樹
脂130 を金型120 内に充填しても、溶融樹脂130 が表皮
面材131 を押し潰すことがなく、充填工程において表皮
面材131 が損傷することを未然に防止できる。
る充満工程では、溶融樹脂130 を圧縮しても、表皮面材
131 が潰れないことから、溶融樹脂130 に大きな圧縮力
を加えるようにするとともに、溶融樹脂130 が流動不可
能な状態にある保護工程では、溶融樹脂130 を圧縮する
と、表皮面材131 が潰れることから、溶融樹脂130 に加
える圧縮力を低下させるようにしたので、充満工程およ
び保護工程において表皮面材131 が潰れなくなり、表皮
面材131 の著しい損傷を未然に防止できる。従って、表
皮面材131 のクッション性等の品質を損なうことなく、
射出圧縮成形のサイクルタイムを短くできる。この際、
金型120 の表皮面材131 を装着する貼付部124 を、固定
金型部120Aおよび圧縮コア120Cの互いに対向する成形面
126, 127に設定し、圧縮コア120Cによる押圧力が表皮面
材131 に直接加わるようにしたので、表皮面材131 を押
圧する力を微妙に調節することが可能となり、保護工程
において、表皮面材131 を押圧力を適切に低下させるこ
とで、表皮面材131 の損傷を確実に防止できる。
され、溶融樹脂130 の熱により表皮面材131 のクッショ
ン性が損なわれるおそれのない保圧工程において、再度
圧縮力を高めた状態で溶融樹脂130 を冷却固化するよう
にしたので、表皮面材131 のクッション性を損なうこと
なく、溶融樹脂130 の冷却時間がさらに短くなり、この
点からもサイクルタイムを短縮することができる。
ている。本実施形態は、前記第1実施形態における固定
金型部120Aの平坦な成形面126 を、ダイレクトゲート12
9 の周囲を囲むように突出する壁部140 を有する成形面
141 としたものである。すなわち、壁部140 は、基端に
鍔部142 が設けられた円筒状のものであり、固定金型部
120Aに突没自在に設けられている。鍔部142 には、外部
からの駆動力を伝達するロッド143 の先端が固定されて
いる。このロッド143 を図示しない油圧式シリンダ装置
等の駆動装置で進退させることにより、壁部140 の先端
部144 が成形面141 から強制的に突没するようになって
いる。壁部140 の先端部144 は、表皮面材131 を金型12
0 に装着する際に突出され、表皮面材131 の貫通孔132
の中に挿入されるようになっている。そして、充満工程
の完了と同時もしくは完了の直前に固定金型部120Aの内
部に没し、先端部144の端面と成形面141 とが同一面を
形成するようになっている。
1実施形態と同様な作用、効果を奏することができる
他、充填工程において、壁部140 の先端部144 が表皮面
材131の貫通孔132 の外側(図3中右側)部分を閉鎖す
るので、充填された溶融樹脂130 が表皮面材131 の貫通
孔132 の外側にはみ出ることがなく、成形された成形品
の外観を良好なものとできるという効果を付加できる。
また、壁部140 の先端部144 が、充満工程の完了と同時
もしくは完了の直前に、固定金型部120Aの内部に没する
ので、成形品には、ダイレクトゲート129 の周囲に壁部
140 による凹みが形成されず、溶融樹脂130 の肉厚が均
一となり、凹み等の薄肉部分により強度が低下すること
を未然に防止できるという効果も付加できる。
づいて説明する。 〔第1実施例〕本第1実施例は、前記第1実施形態に基
づいて積層成形品を成形する実験である。 なお、本第
1実施例では、図4に示されるように、充填工程a、充
満工程b、および、保護工程cを順次行う。このうち保
護工程cにおいては、溶融樹脂130 の保圧をも行い、単
独の保圧工程は省略する。各工程a〜cの開始並びに完
了のタイミング、および、工程b〜cの各々における圧
縮力等の設定値は以下のようになっている。ただし、充
填工程aの開始時刻t0を基準時刻(t0=0秒)とし、各
工程a〜cの各タイミングは、充填工程aの開始からの
経過時間(秒)で表されている。 充満工程bの開始時刻t1 : 1.0秒 充填工程aの完了時刻t2 : 1.2秒 保護工程cの開始(充満工程bの完了)時刻t3 : 2.2秒 保護工程cの完了時刻t4 :45.0秒 充満工程bにおける圧縮力の設定値SP1 :40 ton 保護工程cにおける圧縮力の設定値SP2 :10 ton
実施例に保圧工程dを加えて積層成形品を成形する実験
である。本第2実施例では、図5に示されるように、充
填工程a、充満工程b、保護工程cおよび、保圧工程d
を順次行う。各工程a〜dの開始並びに完了のタイミン
グ、および、工程b〜dの各々における圧縮力の設定値
は以下のようになっている。 充満工程bの開始時刻t1 : 1.0秒 充填工程aの完了時刻t2 : 1.2秒 保護工程cの開始(充満工程bの完了)時刻t3 : 2.2秒 保護工程cの完了(保圧工程dの開始)時刻t4 : 4.0秒 保圧工程dの完了時刻t5 :40.0秒 充満工程bにおける圧縮力の設定値SP1 :40 ton 保護工程cにおける圧縮力の設定値SP2 :10 ton 保圧工程dにおける圧縮力の設定値SP3 :30 ton
施例では、以下のような材料、装置、および成形条件等
により成形を行う。 (1)材 料 成形品を構成する合成樹脂としては、ポリプロピレン:
MI 55g/10分、 230℃、2.16kgf (出光石油化学(株)
製 商品名:出光ポリプロJ−5050H)を用いる。
また、表皮面材としては、第1実施例では、厚さ2.0
mmのポリエステル製不織布を採用する。一方、第2実施
例では、塩化ビニル樹脂製の表皮層と、ポリプロピレン
の発泡体とを一体化した厚さ3.0mmの積層シート材を
採用する。 (2)成形装置 成形装置としては、汎用の横型射出成形機(最大型締
力:200ton 、東芝機械(株)製)の移動ダイプレー
トに、油圧駆動式の圧縮装置を取付けたものを用いる。 (3)金 型 金型としては、図6に示されるように、表皮面材131 に
覆われた四角形状の積層部151 と、表皮面材131 が貼り
付けられず樹脂部分が露出する段付部152 とを有する成
形品153 を成形するキャビティ123 を備えた金型120 を
採用する。なお、成形品153 の段付部152 は、他の成形
品等に設けられた凹部に挿入され、成形品153 を前記他
の成形品に取付けるための接合部となっている。また、
成形品153 の縦寸法L1および横寸法L2は、それぞれ10
0mmおよび200mmとされている。積層部151 の表皮面
材131 の厚さを含まない樹脂部分のみの厚さは、4.0
mmとされている。積層部151 の縦寸法L3は、150mmと
されている。 (4)成形条件 成形条件としては、以下のような値を採用する。 成形温度 200℃ 金型温度 40℃ 樹脂の射出圧力 80kg/cm2 (ゲージ圧) 圧縮コアの圧縮量 30mm 圧縮コアの移動速度 10mm/秒
を確認するために、従来技術の射出成形法で前記第1実
施例と同一の成形品を得ようとする実験である。本比較
例においては、前記第1実施例と同様の材料および装置
等を採用する一方、溶融樹脂130 を前記第1実施例より
も高い射出圧で金型120 内に充填して成形を行う。具体
的には、射出装置110 からの射出圧力を100kg/cm2
にした状態で溶融樹脂130 を2.0秒間充填してから、
射出圧力を200kg/cm2 に上げて溶融樹脂130 をさら
に5.3秒間充填した後、保圧圧力を400kg/cm2 に
した状態で溶融樹脂130 を5.0秒間保圧することによ
り成形を行う。
1 の潰れが殆どなく、表皮面材131 の厚さが僅か0.3
mm減少して1.7mmとなった。表皮面材131 には、毛倒
れや、端部がまくれ上がる等の不具合は皆無であった。
以上から、第1実施例によれば良好な成形品153 が得ら
れたことが判る。 (2)第2実施例により得られた成形品は、表皮面材13
1 の厚さが0.6mm減少して2.4mmとなった。しか
し、成形完了が第1実施例よりも5秒早いにもかかわら
ず、表皮面材131 はクッション性を充分維持しているう
え、表皮面材131の表面には、あばたや、シボ流れ等の
不具合が皆無であった。以上から、第2実施例によれば
良好な成形品153 が得られるうえ、サイクルタイムがさ
らに短縮されることが判った。 (3)第1比較例により得られた成形品は、厚みの減少
が著しく、表皮面材131 の厚さが0.9mm減少して約半
分の1.1mmとなったうえ、表皮面材131 の表面に毛倒
れが生じ、端縁からは、樹脂がはみ出て表皮面材131 の
端部を巻込む等の不具合が生じていた。これらの不具合
により、表皮面材131 の外観が損なわれ、第1比較例で
は良好な成形品153 が得られないことが判る。
験例を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施形態
や実験例に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能で
ある。例えば、成形品を構成する合成樹脂としては、ポ
リプロピレンに限らず、ポリエチレン、ポリスチレン、
ABS、および、ポリカーボネート、等の他の熱可塑性
樹脂や、これらの熱可塑性樹脂にタルク、炭酸カルシウ
ム、マイカ、ガラス繊維等の充填剤を添加したものでも
よい。
不織布や、塩化ビニル樹脂製の表皮層と、ポリプロピレ
ンの発泡体とからなる積層シート材に限らず、他の織布
や不織布等の布、合成皮革、他の熱可塑性樹脂の発泡
体、熱可塑性樹脂面材、および、模様等が印刷されたフ
ィルム等の単層面材でもよく、あるいは、塩化ビニル樹
脂や熱可塑性エラストマ等の表皮材に、熱可塑性樹脂の
発泡体等からなる裏地材を裏打ちしたものであって前記
表皮面材とは異なる多層面材でもよい。
を固定するピン128 に限らず、成形面126, 127に開けた
吸引口およびこの吸引口を真空状態にする真空ポンプ等
を有し、吸引口で表皮面材131 を吸い付けて固定する真
空吸引手段でもよい。
3 が設けられたものに限らず、図7に示されるように、
複数のキャビティ123 が設けられた金型160 でもよい。
このような金型160 を採用する場合、金型160 内のスプ
ルー161 の下流部分にランナー162 を接続するととも
に、このランナー162 の端部を分岐して各キャビティ12
3 の端面等に接続すれば、一個のノズル113 で複数のキ
ャビティ123 に対して同時にゲート123Aを通して溶融樹
脂130 の充填を行うことができる。
から突没可能に設けられた壁部140に限らず、成形面か
ら突出した状態で固定され、成形面の内部に没入不可能
とされたものでもよい。
貼着されたものに限らず、片面のみに表皮面材が貼着さ
れたものでもよい。
始時刻等の成形条件は、前記各実施例で示したものに限
らず、成形品の大きさや樹脂の種類等に応じて様々な値
が選択でき、具体的数値については実施にあたり適宜設
定すればよい。
の射出圧縮成形機201 の要部が示されており、この射出
圧縮成形機201 は、溶融樹脂230 を射出する射出装置21
0 および成形用の金型部220 を有するものとなってい
る。射出装置210 は、筒状のバレル211 の内部に溶融状
態の合成樹脂230 を混練するスクリュウ212 を設けたも
のである。バレル211 の先端にはノズル213 が設けられ
ている。ノズル213 を金型部220 のブッシュ221 に接続
して樹脂230 を射出することにより、金型部220 の内部
に溶融樹脂230 が充填されるようになっている。金型部
220 は、図中右側の固定金型部220Aと左側の可動金型部
220Bとに分割されたものであり、これらの固定金型部22
0Aおよび可動金型部220Bの間に溶融樹脂230 を成形する
ためのキャビティ220Cが設けられている。
移動不可能に固定された雌型である。この固定金型部22
0Aの成形面222 には、成形品の片面に貼り付けられる表
皮面材231 が、成形面222 の表面に突設されたピン223
および成形面222 に開口された吸引口224 により装着さ
れている。吸引口224 は、固定金型部220Aの内部に設け
られた導圧路225 を介して図示しない真空ポンプに連結
されている。吸引口224 を真空ポンプで負圧にすること
で、表皮面材231 が吸引口224 に吸い付けられるように
なっている。これらの吸引口224 および真空ポンプによ
り、表皮面材231 を成形面222 に固定する真空吸引手段
が形成されている。固定金型部220Aのほぼ中央には、溶
融樹脂230 を充填するためのダイレクトゲート226 が開
口されている。このダイレクトゲート226 は、固定金型
部220Aのほぼ中央部分を貫通するスプルー227 を介して
ブッシュ221 に接続された射出装置210 のノズル213 と
連通するようになっている。
移動可能に設けられた雄型である。この可動金型部220B
の成形面228 には、前記成形品の反対側の面に貼り付け
られる表皮面材231 が、固定金型部220Aと同様に、成形
面228 の表面に突設されたピン223 および成形面228 に
開口された吸引口224 により装着されている。吸引口22
4 は、可動金型部220Bの内部に設けられた導圧路229 を
介して図示しない真空ポンプに連結され、この真空ポン
プで負圧されて表皮面材231 を吸い付けるようになって
いる。可動金型部220Bの図中左側には、図示しない型締
装置が配置されている。この型締装置で可動金型部220B
を固定金型部220Aに向かって押圧することにより、金型
部220 が閉鎖されるとともに、キャビティ220Cの内部に
充填された溶融樹脂230 を圧縮可能となっている。この
型締装置は、可動金型部220Bを押圧する押圧力が、最大
押圧力の0〜100%の範囲内で連続的に調節できるよ
うになっている。表皮面材231 は、クッション性を有す
る厚手の発泡シートである。このうち、固定金型部220A
に固定される表皮面材231 には、成形面222 のダイレク
トゲート226 に対応した位置に貫通孔232 が設けられて
いる。溶融樹脂230 は、ダイレクトゲート226 および貫
通孔232 を通ってキャビティ220C内の表皮面材231 の間
に充填されるようになっている。
順により射出圧縮成形を行う。まず、金型部220 を開
き、この状態で固定金型部220Aおよび可動金型部220Bの
成形面222, 228に表皮面材231 を装着した後、金型部22
0 を閉じる。この際、可動金型部220Bは、図9(A)に
示されるように、完全に閉鎖する位置よりも所定寸法A
だけ手前の位置に停止させ、この位置から後退して型開
きしないように、その後方をブロックしておく。そし
て、この可動金型部220Bの閉鎖が不完全な状態で、射出
装置210 を駆動して充填工程を開始し、金型部220 のキ
ャビティ220Cの内部に溶融樹脂230 を充填する。そし
て、この充填工程の完了直前もしくは完了直後に、型締
装置を駆動して圧縮工程を開始し、図9(B)に示され
るように、可動金型部220Bを前進させ、キャビティ220C
内部の溶融樹脂230 に圧縮力を加える。この圧縮工程で
は、溶融樹脂230 をキャビティ220Cの全体に展延して充
満させる充満工程と、溶融樹脂230 に加える圧縮力を低
下する保護工程と、溶融樹脂230 に加える圧縮力を再度
高圧にする保圧工程とを順次行う。
を前進することにより、溶融樹脂230 をキャビティ220C
の隅々まで充満させる。溶融樹脂230 がキャビティ220C
の隅々まで到達したら充満工程を完了する。そして、表
皮面材231 が押し潰されないように保護すべく、充満工
程の完了後速やかに保護工程を開始し、溶融樹脂230 に
加わっている圧縮力を下げる。この保護工程の間に、表
皮面材231 が著しく溶融しない程度に溶融樹脂230 の表
面を冷却する。溶融樹脂230 の表面が充分冷えたら、保
護工程を完了させるとともに、保圧工程を開始し、圧縮
力を高めて溶融樹脂230 を冷却固化する。この保圧工程
においては、溶融樹脂230 を所定の形状に維持させるの
に充分な圧縮力下で樹脂230 の冷却固化が行われる。溶
融樹脂230 が充分冷却固化したら、保圧工程を完了し、
金型部220 を開いて成形品を取り出す。なお、射出が完
了したら次の射出成形のために樹脂230 を可塑化する可
塑化工程を開始する。
保圧工程における圧縮力は、射出圧縮成形を行う前に予
め設定されるものである。これらの各工程における設定
値をそれぞれ設定値SP1 〜SP3 とすると、設定値SP1 〜
SP3 は次のように設定することができる。すなわち、充
満工程の設定値SP1 は、溶融樹脂230 の展延を可能とす
る充分大きな圧力値に設定する。保護工程の設定値SP2
は、表皮面材231 が著しく押し潰されない程度の小さい
圧力値に設定する。保圧工程の設定値SP3 は、溶融樹脂
230 を成形面222, 228側に押圧して所定の形状を維持さ
せることが可能な比較的大きな圧力値に設定する。な
お、各設定値SP1,SP2,SP3 は、その大きさを比較する
と、SP1 >SP3 >SP2となっている。
うな効果がある。すなわち、充填工程で射出圧力を高め
て、溶融樹脂230 の充填を迅速に行えるようにし、圧縮
工程における充満工程では、溶融樹脂230 に大きな圧縮
力を加えて、溶融樹脂230 が迅速に流動するようにした
ので、一の成形品を成形するのにかかる時間であるサイ
クルタイムを短縮することができる。
は、金型部220 の閉鎖が不完全となっており、金型部22
0 の内部には成形品よりも大きな容積の空間が存在する
ので、射出圧力を高めて溶融樹脂230 を充填しても、溶
融樹脂230 が表皮面材231 を押し潰すことがなく、充填
工程において表皮面材231 が損傷することを未然に防止
できる。
る充満工程では、溶融樹脂230 を圧縮しても、表皮面材
231 が潰れないことから、溶融樹脂230 に大きな圧縮力
を加えるようにするとともに、溶融樹脂230 が流動不可
能な状態にある保護工程では、溶融樹脂230 を圧縮する
と、表皮面材231 が潰れることから、溶融樹脂230 に加
える圧縮力を低下させるようにしたので、充満工程およ
び保護工程の両工程において表皮面材231 が潰れなくな
り、表皮面材231 の著しい損傷を未然に防止できる。従
って、表皮面材231 のクッション性等の品質を損なうこ
となく、射出圧縮成形のサイクルタイムを短くできる。
却されているため、溶融樹脂230 の圧縮力により表皮面
材231 のクッション性が損なわれるおそれのない保圧工
程では、再度圧縮力を高めた状態で溶融樹脂230 を冷却
固化するようにしたので、表皮面材231 のクッション性
を損なうことなく、溶融樹脂230 の冷却時間がさらに短
くなり、この点からもサイクルタイムを短縮することが
できる。
よび負圧にされた吸引口224 で表皮面材231 を固定する
ようにしたので、表皮面材231 が成形面222, 228にしっ
かり固定され、溶融樹脂230 の充填時や圧縮時に表皮面
材231 がずれたりしないうえ、従来のように接着剤等で
固定した場合と異なり、脱型の際に、金型部220 から成
形品を容易に取出すことができる。
れている。本実施形態は、前記第3実施形態における固
定金型部220Aの平坦な成形面222 を、ダイレクトゲート
226の周囲を囲むように突出する壁部240 を有する成形
面241 としたものである。すなわち、壁部240 は、基端
に鍔部242 が設けられた円筒状のものであり、固定金型
部220Aに突没自在に設けられている。鍔部242 には、外
部からの駆動力を伝達するロッド243 の先端が固定され
ている。このロッド243 を図示しない油圧式シリンダ装
置等の駆動装置で進退させることにより、壁部240 の先
端部244 が成形面241 から突没するようになっている。
壁部240 の先端部244 は、表皮面材231 を金型部220 に
装着する際に突出され、表皮面材231 の貫通孔232 の中
に挿入されるようになっている。そして、充満工程の完
了と同時もしくは完了の直前に固定金型部220Aの内部に
没し、先端部244 の端面と成形面241 とが同一面を形成
するようになっている。
3実施形態と同様な作用、効果を奏することができる
他、充填工程において、壁部240 の先端部244 が表皮面
材231の貫通孔232 の外側(図10中右側)の端縁を覆
うので、充填された溶融樹脂230 が表皮面材231 の貫通
孔232 の外側にはみ出ることがなく、成形された成形品
の外観を良好なものとできるという効果を付加できる。
また、壁部240 の先端部244 が、充満工程の完了と同時
もしくは完了の直前に、固定金型部220Aの内部に没する
ので、成形品には、ダイレクトゲート226 の周囲に壁部
240 による凹みが形成されず、溶融樹脂230 の肉厚が均
一となり、凹み等の薄肉部分により強度が低下すること
を未然に防止できるという効果も付加できる。
づいて説明する。 〔第3実施例〕本第3実施例は、前記第3実施形態に基
づいて積層成形品を成形する実験であり、この本第3実
施例では、射出圧縮成形を行うにあたり、図11に示さ
れるように、充填工程a、充満工程b、および、保護工
程cを順次行う。このうち保護工程cにおいては溶融樹
脂230 の保圧をも行い、単独の保圧工程は省略する。各
工程a〜cの開始並びに完了のタイミング、および、工
程b〜cの各々における圧縮力等の設定値は以下のよう
になっている。ただし、充填工程aの開始時刻t0を基準
時刻(t0=0秒)とし、各工程a〜cの各タイミング
は、充填工程aの開始からの経過時間(秒)で表されて
いる。 充満工程bの開始時刻t1 : 1.2秒 充填工程aの完了時刻t2 : 1.4秒 保護工程cの開始(充満工程bの完了)時刻t3 : 2.6秒 保護工程cの完了時刻t4 :45.0秒 充満工程bにおける圧縮力の設定値SP1 :50 ton 保護工程cにおける圧縮力の設定値SP2 :20 ton
実施例に保圧工程dを加えて積層成形品を成形する実験
である。本第4実施例では、図12に示されるように、
充填工程a、充満工程b、保護工程cおよび、保圧工程
dを順次行う。各工程a〜dの開始並びに完了のタイミ
ング、および、工程b〜dの各々における圧縮力の設定
値は以下のようになっている。 充満工程bの開始時刻t1 : 1.2秒 充填工程aの完了時刻t2 : 1.4秒 保護工程cの開始(充満工程bの完了)時刻t3 : 2.6秒 保護工程cの完了(保圧工程dの開始)時刻t4 : 4.6秒 保圧工程dの完了時刻t5 :40.0秒 充満工程bにおける圧縮力の設定値SP1 :50 ton 保護工程cにおける圧縮力の設定値SP2 :20 ton 保圧工程dにおける圧縮力の設定値SP3 :40 ton
施例では、以下のような材料、装置、および成形条件等
により成形を行う。 (1)材 料 成形品を構成する合成樹脂としては、ポリプロピレン:
MI 55g/10分、 230℃、2.16kgf (出光石油化学(株)
製 商品名:出光ポリプロJ−5050H)を用いる。
また、表皮面材としては、第3実施例では、厚さ2.0
mmのポリエステル製不織布を採用する。一方、第4実施
例では、厚さ0.6mmの塩化ビニル樹脂製の表皮層と、
厚さ3.0mmのポリプロピレンの発泡体とを一体化した
厚さ3.6mmの積層シート材を採用する。 (2)成形装置 成形装置としては、汎用の横型射出成形機(最大型締
力:200ton 、東芝機械(株)製)に射出圧縮成形機
構を組み込んだものを用いる。 (3)金 型 金型としては、直径250mmの円盤状のキャビティと、
このキャビティの中心位置に設けられた一点のダイレク
トゲートとを有する金型を採用する。なお、この金型の
分割部分は、可動金型部が固定金型部の内部に嵌まり込
むインロー構造となっている。 (4)成形条件 成形条件としては、以下のような値を採用する。 成形温度 200℃ 金型温度 40℃ 樹脂の射出圧力 90kg/cm2 (ゲージ圧) 可動金型部の圧縮量 10mm 可動金型部の移動速度 10mm/秒
効果を確認するために、従来技術の射出成形法で前記第
3実施例と同一の成形品を得ようとする実験である。本
第2比較例では、前記第3実施例と同様の材料および装
置等を採用する一方、溶融樹脂230 を前記第3実施例よ
りも高い射出圧で金型部220 内に充填して成形を行う。
具体的には、射出装置210 からの射出圧力を100kg/
cm2 にした状態で溶融樹脂230 を2.0秒間充填してか
ら、射出圧力を200kg/cm2 に上げて溶融樹脂230 を
さらに5.3秒間充填した後、保圧圧力を400kg/cm
2 にした状態で溶融樹脂230 を5.0秒間保圧すること
により成形を行う。
1 の潰れが殆どなく、表皮面材231 の厚さが僅か0.2
mm減少して1.8mmとなった。表皮面材231 には、毛倒
れや、端部がまくれ上がる等の不具合は皆無であった。
以上から、第3実施例によれば良好な成形品53が得られ
たことが判る。 (2)第4実施例により得られた成形品は、表皮面材23
1 の厚さが1.0mm減少して2.6mmとなった。しか
し、成形完了が第3実施例よりも5秒早いにもかかわら
ず、表皮面材231 はクッション性を充分維持しているう
え、表皮面材231の表面には、あばたや、シボ流れ等の
不具合が皆無であった。以上から、第4実施例によれば
良好な成形品53が得られるうえ、サイクルタイムがさら
に短縮されることが判った。 (3)第2比較例により得られた成形品は、厚みの減少
が著しく、表皮面材231 の厚さが0.9mm減少して約半
分の1.1mmとなったうえ、表皮面材231 の表面に毛倒
れが生じるという不具合があった。これらの不具合によ
り、表皮面材231 の外観が損なわれ、第2比較例では良
好な成形品53が得られないことが判る。
例を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施例や実
験例に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない
範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能であ
る。例えば、成形品を構成する合成樹脂としては、ポリ
プロピレンに限らず、ポリエチレン、ポリスチレン、A
BS、および、ポリカーボネート、等の他の熱可塑性樹
脂や、これらの熱可塑性樹脂にタルク、炭酸カルシウ
ム、マイカ、ガラス繊維等の充填剤を添加したものでも
よい。
不織布や、塩化ビニル樹脂製の表皮層とポリプロピレン
の発泡体とからなる積層シート材に限らず、他の織布や
不織布等の布、他の熱可塑性樹脂の発泡体、熱可塑性樹
脂面材、および、模様等が印刷されたフィルム等の単層
面材でもよく、あるいは、塩化ビニル樹脂や熱可塑性エ
ラストマ等の表皮材に、熱可塑性樹脂の発泡体等からな
る裏地材を裏打ちしたものであって前記表皮面材とは異
なる多層面材でもよい。さらに、固定手段としては、表
皮面材231 を固定するピン223 、および、表皮面材231
を吸い付ける吸引口224 の両方を採用したが、何方か一
方でもよい。
0Cが設けられたものに限らず、図13に示されるよう
に、複数のキャビティ220Cが設けられた金型260 でもよ
い。このような金型260 を採用する場合、金型260 内の
スプルー261 の下流部分に接続されるランナー262 を設
けるとともに、このランナー262 の端部を各キャビティ
220Cの端面263 等に接続することにより、一個のノズル
213 で複数のキャビティ220Cに対して同時にゲート263A
を通して溶融樹脂230 の充填を行うことができる。さら
に、複数のキャビティ220Cを有する金型260 を用いる場
合、可動金型部220Bを固定金型部220Aに向かって移動す
ることで、溶融樹脂230 を圧縮するものに限らず、各キ
ャビティ220Cに対して進退可能にされた圧縮コア264 を
可動金型部220Bに設け、圧縮コア264 で溶融樹脂230 を
圧縮するものでもよい。
ら突没可能に設けられた壁部240 に限らず、成形面から
突出した状態で固定され、成形面の内部に没入不可能と
されたものでもよい。さらに、圧縮力の設定値および各
工程の開始時刻等の成形条件は、前記各実施例で示した
ものに限らず、成形品の大きさや樹脂の種類等に応じて
様々な値が選択でき、具体的数値については実施にあた
り適宜設定すればよい。
圧縮成形機301 の要部が示されており、この射出圧縮成
形機301 は、溶融樹脂330 を射出する射出装置310 およ
び成形用の金型320 を有するものとなっている。射出装
置310 は、筒状のバレル311 の内部に溶融状態の合成樹
脂330 を混練するスクリュウ312 を設けたものである。
バレル311 の先端にはノズル313 が設けられている。ノ
ズル313 を金型320 のブッシュ321 に接続して樹脂330
を射出することにより、金型320 の内部に樹脂330 が充
填されるようになっている。
と、左側の可動金型部320Bと、この可動金型部320Bに進
退可能に設けられた圧縮コア320Cとを備えたものであ
る。固定金型部320Aは、射出圧縮成形機301 に移動不可
能に固定されるものである。この固定金型部320Aには、
前述のブッシュ321 が設けられている他、金型320内に
樹脂330 を導入するスプルー322 が当該固定金型部320A
の中央部分を貫通して設けられている。可動金型部320B
は、射出圧縮成形機301 に移動可能に設けられたものあ
る。可動金型部320Bの図中左側には、図示しない型締装
置が配置されている。この型締装置で可動金型部320Bを
固定金型部320Aに向かって押圧することにより、金型32
0 が閉鎖されるようになっている。圧縮コア320Cは、金
型320 内に充填された溶融樹脂330 を圧縮するものであ
る。圧縮コア320Cの図中左側には、図示しない圧縮装置
が配置されている。この圧縮装置は、圧縮コア320Cを固
定金型部320Aに向かって押圧するものであり、その押圧
力は、最大押圧力の0〜100%の範囲で連続的に調節
できるようになっている。
B、および、圧縮コア320Cによって形成されるキャビテ
ィ323 には、クッション面材331 が装着される貼付部32
4 と、クッション面材331 が装着されない非貼付部325
とが設けられている。貼付部324 は、固定金型部320Aお
よび圧縮コア320Cの互いに対向する成形面326, 327に囲
まれた空間である。貼付部324 には、クッション面材33
1 を固定する固定手段であるピン328 が複数備えられて
いる。これらのピン328 は、成形面326, 327から突出し
てクッション面材331 に刺さり、これによりクッション
面材331 を固定金型部320Aおよび圧縮コア320Cに固定す
るものである。非貼付部325 は、図中貼付部324 の上方
に設けられた固定金型部320Aおよび可動金型部320Bの互
いに対向する成形面に囲まれた円柱状の空間であり、気
流制御弁の回転軸部を成形するものである。なお、固定
金型部320Aに固定されるクッション面材331 には、成形
面326 の中央に設けられたスプルー322 の出口であるダ
イレクトゲート329 に対応した位置に貫通孔332 が設け
られている。溶融樹脂330 は、ダイレクトゲート329 お
よび貫通孔332 を通ってキャビティ323 内に充填される
ようになっている。
順により射出圧縮成形を行う。まず、金型320 を開き、
この状態で固定金型部320Aおよび圧縮コア320Cの成形面
326, 327にクッション面材331 を装着した後、金型320
を閉じる。この際、圧縮コア320Cは後退させたままにし
ておき、圧縮工程において圧縮コア320Cを移動させる距
離である圧縮代Aを確保しておく(図14参照)。次い
で、射出装置310 を駆動して充填工程を開始し、図15
(A)に示されるように、溶融樹脂330 を金型320 のキ
ャビティ323 の内部に充填する。そして、この充填工程
の完了直前もしくは完了直後に、圧縮装置を駆動して圧
縮工程を開始し、図15(B)に示されるように、圧縮
コア320Cを前進させ、キャビティ323 内部の溶融樹脂33
0 に圧縮力を加える。この圧縮工程では、溶融樹脂330
をキャビティ323 の全体に展延して充満させる充満工程
と、クッション面材331 に加わる圧縮力を低下する保護
工程と、溶融樹脂330 に加える圧縮力を再度高圧にする
保圧工程とを順次行う。すなわち、充満工程では、圧縮
コア320Cを前進することにより、溶融樹脂330をキャビ
ティ323 の隅々まで充満させる。溶融樹脂330 がキャビ
ティ323 の隅々まで到達したら充満工程を完了する。そ
して、クッション面材331 が押し潰されないように保護
すべく、充満工程の完了後速やかに保護工程を開始し、
クッション面材331 に加わっている圧縮力を下げる。こ
の保護工程の間に、クッション面材331 が著しく溶融し
ない程度に溶融樹脂330 の表面を冷却する。そして、溶
融樹脂330 の表面が充分冷えたら、保護工程を完了させ
るとともに、保圧工程を開始し、圧縮力を高めて溶融樹
脂330 を冷却固化する。この保圧工程においては、溶融
樹脂330 を所定の形状に維持させるのに充分な圧縮力下
で樹脂330 の冷却固化が行われる。溶融樹脂330 が充分
冷却固化したら、保圧工程を完了し、金型320 を開いて
成形品を取り出す。なお、射出が完了したら次の射出成
形のために樹脂330 を可塑化する可塑化工程を開始す
る。
保圧工程における圧縮力は、射出圧縮成形を行う前に予
め設定されるものである。これらの各工程における設定
値をそれぞれ設定値SP1 〜SP3 とすると、設定値SP1 〜
SP3 は次のように設定することができる。すなわち、充
満工程の設定値SP1 は、溶融樹脂330 の展延を可能とす
る充分大きな圧力値に設定する。保護工程の設定値SP2
は、クッション面材331 が著しく押し潰されない程度の
小さい圧力値に設定する。保圧工程の設定値SP3 は、溶
融樹脂330 を成形面326, 327側に押圧して所定の形状を
維持させることが可能な比較的大きな圧力値に設定す
る。なお、各設定値SP1,SP2,SP3 は、その大きさを比較
すると、SP1 >SP3 >SP2となっている。
うな効果がある。すなわち、充填工程で射出圧力を高め
て、溶融樹脂330 の充填を迅速に行えるようにし、圧縮
工程における充満工程では、溶融樹脂330 に圧縮力を加
えて、溶融樹脂330 の流動を充分速くしたので、一の成
形品を成形するのにかかる時間であるサイクルタイムを
短縮することができる。
0Cは、溶融樹脂330 の充填を行う充填工程では後退して
おり、この時点には金型320 の内部に成形品よりも大き
な容積の空間が存在するので、射出圧力を高めて溶融樹
脂330 を金型320 内に充填しても、溶融樹脂330 がクッ
ション面材331 を押し潰すことがなく、充填工程におい
てクッション面材331 が損傷することを未然に防止でき
る。
る充満工程では、溶融樹脂330 を圧縮しても、クッショ
ン面材331 が潰れないことから、溶融樹脂330 に大きな
圧縮力を加えるようにし、溶融樹脂330 が流動不可能な
状態にある保護工程では、溶融樹脂330 を圧縮すると、
クッション面材331 が潰れることから、溶融樹脂330に
加える圧縮力を低下させるようにしたので、充満工程お
よび保護工程においてクッション面材331 が潰れなくな
り、クッション面材331 の著しい損傷を未然に防止でき
る。
性を損なうことなく、射出圧縮成形のサイクルタイムを
短くできる。
され、圧縮力によりクッション面材331 のクッション性
が損なわれるおそれのない保圧工程において、再度圧縮
力を高めた状態で溶融樹脂330 を冷却固化するようにし
たので、クッション面材331のクッション性を損なうこ
となく、溶融樹脂330 の冷却時間がさらに短くなり、こ
の点からもサイクルタイムを短縮することができる。
づいて説明する。 〔第5実施例〕本第5実施例は、本発明に基づく製造方
法により気流制御弁を成形する実験である。本第5実施
例では、図16に示されるように、充填工程a、充満工
程b、および、保護工程cを順次行う。このうち保護工
程cにおいて溶融樹脂330 の保圧をも行い、単独の保圧
工程は省略する。各工程a〜cの開始並びに完了のタイ
ミング、および、工程b〜cの各々における圧縮力の設
定値は以下のようになっている。だだし、充填工程aの
開始時刻t0を基準時刻(t0=0秒)とし、各工程a〜c
の各タイミングは、充填工程aの開始からの経過時間
(秒)で表されている。 充満工程bの開始時刻t1 : 1.0秒 充填工程aの完了時刻t2 : 1.2秒 保護工程cの開始(充満工程bの完了)時刻t3 : 2.0秒 保護工程cの完了時刻t4 :40.0秒 充満工程bにおける圧縮力の設定値SP1 :40 ton 保護工程cにおける圧縮力の設定値SP2 :10 ton 〔第6実施例〕本第6実施例は、前記第5実施例に保圧
工程dを加えて気流制御弁を成形する実験である。本第
6実施例では、図17に示されるように、充填工程a、
充満工程b、保護工程cおよび、保圧工程dを順次行
う。各工程a〜dの開始並びに完了のタイミング、およ
び、工程b〜dの各々における圧縮力の設定値は以下の
ようになっている。 充満工程bの開始時刻t1 : 1.0秒 充填工程aの完了時刻t2 : 1.2秒 保護工程cの開始(充満工程bの完了)時刻t3 : 2.0秒 保護工程cの完了(保圧工程dの開始)時刻t4 : 4.0秒 保圧工程dの完了時刻t5 :35.0秒 充満工程bにおける圧縮力の設定値SP1 :40 ton 保護工程cにおける圧縮力の設定値SP2 :10 ton 保圧工程dにおける圧縮力の設定値SP3 :30 ton
施例では、以下のような材料、装置、および成形条件等
により成形を行う。 (1)材 料 弁本体を構成する合成樹脂としては、ポリプロピレン:
MI 55g/10分、230 ℃、2.16kgf (出光石油化学(株)
製 商品名:出光ポリプロJ−5050H)にタルクを
30重量%含有させたものを用いる。また、クッション
面材としては、ポリウレタンを30倍の体積に発泡させ
た厚さ5.0mmのものを採用する。 (2)成形装置 成形装置としては、汎用の横型射出成形機(最大型締
力:200ton、東芝機械(株)製)の移動ダイプレ
ートに、油圧駆動式の圧縮装置を取付けたものを用い
る。 (3)金 型 金型としては、図18および図19に示されるように、
四角形状の弁体333 の図中上方に回転軸部334 を設けた
成形品(気流制御弁)335 を成形するためのキャビティ
323 を備えた金型320 を採用する。なお、弁体333 の縦
寸法L1および横寸法L2は、それぞれ100mmおよび20
0mmとされ、回転軸部334 の直径φは、14mmとされて
いる。 (4)成形条件 成形条件としては、以下のような値を採用する。 成形温度 200℃ 金型温度 40℃ 樹脂の射出圧力 80kg/cm2 (ゲージ圧) 圧縮コアの圧縮量 30mm 圧縮コアの移動速度 10mm/秒 〔第3比較例〕本第3比較例は、本発明の効果を確認す
るために、従来技術の射出成形法で前記第5,6実施例
と同一の成形品を得ようとする実験である。本第3比較
例では、前記第5,6実施例と同様の材料および装置等
を採用するとともに、溶融樹脂330 を前記第5,6実施
例よりも高い射出圧で金型320 内に充填して成形を行
う。具体的には、射出装置310 からの射出圧力を100
kg/cm2 にした状態で溶融樹脂330 を2.0秒間充填し
てから、射出圧力を200kg/cm2 に上げて溶融樹脂33
0 をさらに4.8秒間充填した後、保圧圧力を400kg
/cm2 にした状態で溶融樹脂330 を冷却固化することに
より成形を行う。 〔第4比較例〕本第4比較例は、前記第3比較例と同様
に、本発明の効果を確認するために、従来の射出成形法
で前記第5,6実施例と同一の成形品を得ようとする実
験である。本第4比較例では、前記第5,6実施例と同
様の材料および装置等を採用するとともに、前記第5,
6実施例よりも低い射出圧で溶融樹脂330 を金型320 に
充填して成形を行う。具体的には、射出装置310 からの
射出圧力を80kg/cm2 にした状態で溶融樹脂330 を充
填した後、保圧圧力を160kg/cm2 にした状態で溶融
樹脂330 を冷却固化することにより成形を行う。
面材331 と樹脂330 との境界面からクッション面材331
側に溶融樹脂330 がしみ込み、ダイレクトゲート329 か
ら50mm離れた位置において、クッション面材331 の厚
さが5.0mmから若干減少して4.2mmとなった。しか
し、クッション面材331 のクッション性は充分維持され
ているうえ、クッション面材331 の表面には、あばた等
の欠陥は皆無であった。しかも、クッション面材331 の
境界部分に溶融樹脂330 がしみ込んだため、アンカー効
果が生じ、クッション面材331 と樹脂330 とが強固に接
合された。以上から、第5実施例によれば良好な気流制
御弁が得られたことが判る。 (2)第6実施例により得られた成形品は、前記第5実
施例と同様に、クッション面材331 の境界部分に溶融樹
脂330 がしみ込み、第5実施例と同一位置において、ク
ッション面材331 の厚さが若干減少して4.0mmとなっ
た。しかし、射出成形を第5実施例よりも5秒も早く完
了したのにかかわらず、第5実施例と同様に、クッショ
ン面材331 のクッション性が充分維持されているうえ、
クッション面材331 の表面にあばた等の欠陥が皆無であ
った。もちろん、アンカー効果も生じており、クッショ
ン面材331 と樹脂330 とが強固に接合された。以上か
ら、第6実施例によれば良好な気流制御弁が得られるう
え、サイクルタイムがさらに短縮されることが判った。 (3)第3比較例により得られた成形品は、厚みの減少
が著しく、第5実施例と同一位置において、クッション
面材331 の厚さが3.0mmに減少していた。この厚みの
減少によりクッション性が著しく損なわれていた。この
ことから、第3比較例では良好な気流制御弁が得られな
いことが判る。 (4)第4比較例では、射出圧力が小さすぎて、溶融樹
脂330 が金型320 のキャビティ323 全体に充満しないシ
ョートショットとなり、所定形状の気流制御弁が全く得
られず、気流制御弁を成形できないことが判った。
施例を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施形態
や実施例に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能で
ある。例えば、弁体を構成する合成樹脂としては、ポリ
プロピレンに限らず、ポリエチレン、ポリスチレン、A
BS、および、ポリアミド等の他の合成樹脂でもよく、
含有させる充填剤としては、タルクに限らず、炭酸カル
シウム、マイカ、ガラス繊維等の他の充填剤でもよく、
必要がなければ充填剤は含有しなくともよい。
タンに限らず、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン等の他の発泡体でもよい。
材331 を固定するピン328 に限らず、成形面326, 327に
開けた吸引口およびこの吸引口を真空状態にする真空ポ
ンプ等を有し、吸引口でクッション面材331 を吸い付け
て固定する真空吸引手段でもよい。
して進退可能にされた圧縮コア320Cを可動金型部320Bに
設け、この圧縮コア320Cで溶融樹脂を圧縮するものに限
らず、圧縮コアを省略し、固定金型部に向かって可動金
型部を前進させて溶融樹脂を圧縮するものでもよい。
ション面材が貼着されたものに限らず、片面のみにクッ
ション面材が貼着されたものでもよい。
時刻等の成形条件は、前記第5,6実施例で示したもの
に限らず、成形品の大きさや樹脂の種類等に応じて様々
な値が選択でき、具体的数値については実施にあたり適
宜設定すればよい。
態が示されている。本実施形態は、前記第5実施形態に
おける圧縮コア320Cを有する金型320 を、圧縮コアが省
略された金型340 としたものである。すなわち、金型34
0 は、固定金型部340Aおよび可動金型部340Bからなるも
のである。このうち、固定金型部340Aは、可動金型部34
0B側へ突出する成形面346 を有する雄型であり、可動金
型部340Bは、凹んだ成形面347 を有する雌型であり、こ
れらの金型部340A, 340Bは、一方が他方に嵌め込まれ
る、いわゆるインロー構造となっている。固定金型部34
0Aには、溶融樹脂330 をキャビティ343 へ導入するため
のダイレクトゲート349 が成形面346 のほぼ中心位置に
設けられている。そして、このような固定金型部340Aに
は、成形面346 のほぼ全面を覆うようにクッション面材
351 が密着仮固定されるようになっている。一方、可動
金型部340Bには、成形面347 の周囲に側壁350 が設けら
れている。このような可動金型部340Bには、表皮面材35
2 が側壁350 の端面350Aに密着仮固定されるようになっ
ている。なお、クッション面材351 は、合成樹脂製の発
泡シートであり、表皮面材352は、装飾用の薄手の合成
樹脂製シート352Aと、合成樹脂製の発泡シート352Bとを
積層した面材である。
材351 および表皮面材352 とを仮固定し後、一旦、金型
340 を完全閉鎖し、この状態で金型340 内に溶融樹脂33
0 の充填が開始する。そして、溶融樹脂330 がある程度
充填されたら、溶融樹脂330の充填の完了する前に、溶
融樹脂330 の充填を継続しながら、金型340 を僅かに開
いて所定の圧縮代Aを確保しておく。ここで、金型340
を完全閉鎖し、型締めによりクッション面材351 を圧縮
し、クッション面材351 を充分押し固め、この状態で、
溶融樹脂330 を充填する。これにより、溶融樹脂330 が
クッション面材351 を押圧しても、クッション面材351
は変形しない。このため、クッション面材351 に開けた
貫通孔353 の周囲には、溶融樹脂330 の巻き込み現象が
生じない。これ以降、前記第5実施形態と同様の手順で
積層成形品の製造を行う。
5実施形態と同様な作用、効果を奏することができる
他、溶融樹脂330 の巻き込み現象が未然に防止され、こ
の点からも積層成形品の外観品質を向上できるという効
果を付加できる。
づいて説明する。 〔第7実施例〕本第7実施例は、前記第6実施形態に基
づいて自動車用空調機の気流制御弁を成形する実験であ
る。図21には、本第7実施例で成形される気流制御弁
355 が示されている。この気流制御弁355 は、四角形板
状の積層成形品であり、合成樹脂製の基部355Aの図中上
方の面にクッション面材351 が一体化され、図中下方の
面に表皮面材352 が一体化されている。気流制御弁355
の図中左右の辺には、軸受穴356 が設けられている。こ
の軸受穴356 は、気流制御弁355 の辺のほぼ中央に位置
している。気流制御弁355 の各寸法は、幅寸法Wが14
0mm、奥行き寸法Dが200mm、基部355Aの厚さ寸法T
が12mm、軸受穴356 の直径が16mmとなっている。ま
た、クッション面材351 の厚さは7mmとなっており、表
皮面材352 の発泡シート352Bの厚さも7mmとなってい
る。このような気流制御弁355 は、図22に示されるよ
うに、二つに分岐した枝ダクト357A, 357Bを有するダク
ト357 の内部に回転可能に設けられ、枝ダクト357A, 35
7Bの切り換え等に利用できる。
うな材料、装置、および成形手順等により成形を行う。 (1)材 料 成形品を構成する合成樹脂としては、マイカを添加した
ポリプロピレン(MI 20g/10分、 230℃、2.16kgf )を
用いる。なお、混合比率は、マイカ30Wt%に対しポ
リプロピレン70Wt%である。クッション面材351 お
よび発泡シート352Bの材質は、発泡ポリウレタンであ
る。 (2)成形装置 成形装置としては、前記第6実施例と同じものを採用す
る。 (3)成形手順 金型340 にクッション面材351 および表皮面材352 を
仮固定する。 金型340 を一旦完全閉鎖し、クッション面材351 およ
び表皮面材352 を圧縮して押し固める。 金型340 の内部へ溶融樹脂330 の射出を開始し、押し
固められたクッション面材351 および表皮面材352 の間
に溶融樹脂330 を充填する。 射出開始後0.3秒後に、溶融樹脂330 の充填を継続
しながら、可動金型部340Bを30mm後退させ、これによ
り、圧縮代Aを確保し、射出開始後30秒が経過した
ら、溶融樹脂330 の充填を完了する。 溶融樹脂330 の充填の完了直前または直後に、可動金
型部340Bを前進させ、溶融樹脂330 に圧縮力を加えなが
ら成形する圧縮賦型を行う。 溶融樹脂330 を冷却し、溶融樹脂330 の賦型が完了し
た後、溶融樹脂330が完全に硬化する前に、溶融樹脂330
に加えていた圧縮力を低下させる。 溶融樹脂330 が完全に冷却硬化したら、金型340 を開
き、内部から気流制御弁355 を取り出し、成形を完了す
る。
一体化されたクッション面材351 および発泡シート352B
が殆ど潰れていなかった。厚さ寸法を測定すると6.0
mmとなっており、成形前の厚さ寸法7.0mmから殆ど変
化しておらず、良好なクッション性を維持していた。ま
た、クッション面材351 に開けた貫通孔353 の周囲に
は、溶融樹脂330 の巻き込みが生じておらず、気流制御
弁355 の外観品質が良好なものとなった。以上から、第
7実施例によれば、クッション性および外観品質が良好
な気流制御弁355 が得られることが判る。
の品質を損なうことなく、サイクルタイムを短縮でき、
積層成形品および自動車用空調機の気流制御弁の製造に
おける生産性を向上することができる。
を示す断面図である。
図である。
る。
の図である。
の図である。
面図である。
を示す断面図である。
図である。
ある。
めの図である。
めの図である。
部を示す断面図である。
の図である。
めの図である。
めの図である。
示す正面図である。
示す断面図である。
ある。
斜視図である。
図である。
Claims (10)
- 【請求項1】少なくとも片面に柔軟性のある表皮面材が
一体化された積層成形品の製造方法であって、対向する
金型の成形面の少なくとも一方の成形面に前記表皮面材
を密着仮固定し、この状態で、前記金型を所定の圧縮代
を残して閉鎖した後、前記表皮面材の前記成形面と密着
する面の反対側に溶融樹脂を充填する工程と、前記金型
を型締めして内部の溶融樹脂に圧縮力を加えて当該溶融
樹脂を前記金型全体に充満させる工程と、前記溶融樹脂
の充満後、前記溶融樹脂に加えていた圧縮力を低下させ
る工程とを含むことを特徴とする積層成形品の製造方
法。 - 【請求項2】請求項1に記載の積層成形品の製造方法に
おいて、前記積層成形品の前記表皮面材が一体化される
面は、一部分が前記表皮面材で覆われることを特徴とす
る積層成形品の製造方法。 - 【請求項3】請求項1に記載の積層成形品の製造方法に
おいて、前記積層成形品の両面に前記表皮面材が一体化
されることを特徴とする積層成形品の製造方法。 - 【請求項4】請求項1に記載の積層成形品の製造方法に
おいて、前記金型の対向する両方の成形面に表皮面材を
それぞれ密着仮固定し、前記表皮面材が密着仮固定され
た前記金型を閉鎖するとともに、この金型の閉鎖により
前記表皮面材を圧縮して押し固め、この状態で前記表皮
面材の間に溶融樹脂を充填し、少なくとも前記溶融樹脂
を前記金型に導入するゲート周辺部に溶融樹脂が充填さ
れたら、当該溶融樹脂の充填を継続させながら、所定の
圧縮代が確保されるように前記金型を開き、溶融樹脂の
充填完了直前もしくは直後に、前記金型を型締めして内
部の溶融樹脂に圧縮力を加えて当該溶融樹脂を前記金型
全体に充満させることを特徴とする積層成形品の製造方
法。 - 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
の積層成形品の製造方法において、前記溶融樹脂が前記
金型全体に充満した後に低下させた圧縮力を、前記溶融
樹脂が固化する前に再度高めることを特徴とする積層成
形品の製造方法。 - 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
の積層成形品の製造方法において、前記表皮面材は、前
記金型内の成形面に突設されたピンおよび/または前記
成形面に吸引口を有する真空吸引手段により前記金型内
に仮固定されることを特徴とする積層成形品の製造方
法。 - 【請求項7】少なくとも片面を覆う柔軟性のある表皮面
材が一体化された自動車用空調機の気流制御弁の製造方
法であって、対向する金型の成形面の少なくとも一方の
成形面に前記表皮面材を密着仮固定し、この状態で前記
金型を閉鎖した後、前記表皮面材の前記成形面と密着す
る面の反対側に溶融樹脂を充填する工程と、前記金型を
型締めして内部の溶融樹脂に圧縮力を加えて当該溶融樹
脂を前記金型全体に充満させる工程と、前記溶融樹脂の
充満後、前記溶融樹脂に加えていた圧縮力を低下させる
工程とを含むことを特徴とする自動車用空調機の気流制
御弁の製造方法。 - 【請求項8】請求項7に記載の自動車用空調機の気流制
御弁の製造方法において、前記金型の対向する両方の成
形面に表皮面材をそれぞれ密着仮固定し、前記表皮面材
が密着仮固定された前記金型を閉鎖するとともに、この
金型の閉鎖により前記表皮面材を圧縮して押し固め、こ
の状態で前記表皮面材の間に溶融樹脂を充填し、少なく
とも前記溶融樹脂を前記金型に導入するゲート周辺部に
溶融樹脂が充填されたら、当該溶融樹脂の充填を継続さ
せながら、所定の圧縮代が確保されるように前記金型を
開き、溶融樹脂の充填完了直前もしくは直後に、前記金
型を型締めして内部の溶融樹脂に圧縮力を加えて当該溶
融樹脂を前記金型全体に充満させることを特徴とする自
動車用空調機の気流制御弁の製造方法。 - 【請求項9】請求項7または請求項8に記載の自動車用
空調機の気流制御弁の製造方法において、前記溶融樹脂
が前記金型全体に充満した後に低下させた圧縮力を、前
記溶融樹脂が固化する前に再度高めることを特徴とする
自動車用空調機の気流制御弁の製造方法。 - 【請求項10】請求項7ないし請求項9のいずれかに記
載の自動車用空調機の気流制御弁の製造方法において、
前記表皮面材は、前記金型内の成形面に突設されたピン
および/または前記成形面に吸引口を有する真空吸引手
段により前記金型内に仮固定されることを特徴とする自
動車用空調機の気流制御弁の製造方法。
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