JPH09267353A - 部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形方法 - Google Patents

部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形方法

Info

Publication number
JPH09267353A
JPH09267353A JP7983896A JP7983896A JPH09267353A JP H09267353 A JPH09267353 A JP H09267353A JP 7983896 A JP7983896 A JP 7983896A JP 7983896 A JP7983896 A JP 7983896A JP H09267353 A JPH09267353 A JP H09267353A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
molded product
injection
molten resin
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7983896A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3805423B2 (ja
Inventor
Takayoshi Tanaka
隆義 田中
Tomokazu Abe
知和 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP7983896A priority Critical patent/JP3805423B2/ja
Publication of JPH09267353A publication Critical patent/JPH09267353A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3805423B2 publication Critical patent/JP3805423B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/16Making multilayered or multicoloured articles
    • B29C45/1671Making multilayered or multicoloured articles with an insert
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1704Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C2045/1486Details, accessories and auxiliary operations
    • B29C2045/14901Coating a sheet-like insert smaller than the dimensions of the adjacent mould wall
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2031/00Other particular articles
    • B29L2031/30Vehicles, e.g. ships or aircraft, or body parts thereof
    • B29L2031/3005Body finishings
    • B29L2031/3041Trim panels

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 加飾部材に損傷がなく、またヒケやウェルド
ラインの発生がない、外観が良好な成形品の成形方法を
提供する。 【解決手段】(1) 部分加飾を有する樹脂成形品の射出成
形方法において、加飾部材を装着し、圧縮代を残して閉
じた金型のキャビティーに、加飾部材の裏面に対峙する
金型部分に設けられた射出充填孔から溶融樹脂を射出
し、金型を閉じながらこれを展延した後、加飾部材の外
縁より少し離れた非加飾部に対峙する金型部分に設けら
れた他の射出充填孔から溶融樹脂を射出し、金型キャビ
ティー内に溶融樹脂を充填する。 (2) 樹脂成形品が厚肉部を有する場合は、金型キャビテ
ィー内への溶融樹脂の充填終了後、圧縮力を低減させ、
厚肉部を形成させる金型部分の表面に設けた圧縮ガス注
入口から圧縮ガスを注入し、再度圧縮力を増大させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は部分加飾を有する成
形品の射出成形方法に関するもので、自動車の内外装
品、家具、椅子、建築資材等を成形する際に利用可能で
ある。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の成形品においては、意匠
性の向上、クッション性・ソフトタッチ性等の質感の付
与、あるいは耐候性や耐傷付き性の付与等が要望され、
また同時に製品コストの大幅な低減も強く要望されてい
る。そこで、意匠性向上や機能性付与や製品コストの低
減のため、表面にのみ高価な加飾部材を設け、成形品本
体は安価な熱可塑性樹脂とした積層成形品が一般に用い
られている。その成形方法としては、予め加飾部材を配
置しておいた金型内に、溶融樹脂を充填する射出成形で
一体成形するのが、生産性の面等から好ましいと言われ
ている。
【0003】しかし、加飾シ−ト又は布等を積層した成
形品を射出成形する際は、溶融樹脂の充填時の剪断力に
より、加飾部材が損傷を受け、外観が不良となることが
ある。また、通常の熱可塑性樹脂の成形品は、その取り
付けや剛性向上のため、ボス及びリブが設けられてお
り、上記の成形方法ではそれに対応する箇所の成形品の
表面にヒケが発生するといった問題もある。
【0004】また一方、大型の成形品等を射出成形する
ため、キャビティーに溶融樹脂を充填する射出充填孔を
複数個設けた金型を用いて、一点の射出充填孔では溶融
樹脂が途中で固化して、キャビティーの隅々まで溶融樹
脂を充填することが困難な場合でも、分散して配置した
複数の射出充填孔から同時に溶融樹脂を充填することで
大型キャビティーのものまで成形できるようにした射出
成形方法が知られている。しかし、この方法では、複数
の射出充填孔から同時に溶融樹脂が充填されるため、各
充填孔からの溶融樹脂が合流する箇所にウェルドライン
が発生し、成形品の外観及び強度低下等の問題がある。
【0005】この改善のため、特開平6-210669号公報に
は、複数の射出充填孔の各々に流量調整機構を設け、各
射出充填孔から充填される溶融樹脂の流量を異なるタイ
ミングで増減させながら溶融樹脂の充填を行い、ウェル
ドラインの発生を抑える射出成形方法が示されている。
また、特開平5-337978号公報には、2セット以上の射出
成形装置と、キャビティーに連結したランナーに設けら
れた2個以上の弁とを操作することにより、キャビティ
ー内に充填された溶融樹脂の少なくとも一部に剪断力を
加えながら成形を行う方法が示されている。しかしなが
ら、これらの方法では、ウェルドラインがぼかされて見
えにくくなるものの、ウェルドラインは発生するので、
上記の問題を完全に解決できていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加飾部材が
部分的に設けられ、多くの場合は厚肉部を有する熱可塑
性樹脂の成形品を射出成形する際に、加飾部材に損傷が
なく、またヒケやウェルドラインの発生がない、外観が
良好な成形品の成形方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に鋭意検討した結果、複数の射出充填機能を備えた金型
を用いた特定の圧縮射出成形方法及び必要により圧縮ガ
スの注入で上記目的を達成できることを見出し、以下に
示す本発明を完成した。 (1)部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形方法にお
いて、加飾部材を装着し、圧縮代を残して閉じた金型の
キャビティーに、加飾部材の裏面に対峙する金型部分に
設けられた射出充填孔から溶融樹脂を射出し、金型を閉
じながらこれを展延した後、加飾部材の外縁より少し離
れた非加飾部に対峙する金型部分に設けられた他の射出
充填孔から溶融樹脂を射出し、金型キャビティー内に溶
融樹脂を充填することを特徴とする部分加飾を有する樹
脂成形品の射出成形方法。
【0008】(2)樹脂成形品が厚肉部を有するもので
あり、金型キャビティー内への溶融樹脂の充填終了後、
圧縮力を低減させ、厚肉部を形成させる金型部分の表面
に設けた圧縮ガス注入口から圧縮ガスを注入し、再度圧
縮力を増大させることを特徴とする上記(1)に記載の
部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形方法。 (3)厚肉部がボス又はリブである上記(2)に記載の
部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形方法。 (4)厚肉部が成形品外周の厚肉部である上記(2)に
記載の部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形方法。
【0009】(5)非加飾部に対峙する金型部分に複数
の射出充填孔が設けられており、それらが他の射出充填
孔からの溶融樹脂が到達する順に従って溶融樹脂の射出
を開始することを特徴とする上記(1)〜(4)のいず
れかに記載の部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形方
法。 (6)加飾部材の裏面に対峙する金型部分に設けられた
射出充填孔から溶融樹脂を射出する際に加飾部材に加わ
る剪断力が530MPa/m以下である上記(1)〜
(5)のいずれかに記載の部分加飾を有する樹脂成形品
の射出成形方法。
【0010】剪断力とは、(溶融樹脂充填時の加飾部材
の最高樹脂圧力/溶融樹脂の流動厚み)とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について、詳細に
説明する。本発明は、加飾部材が部分的に設けられ、多
くの場合は厚肉部を有する熱可塑性樹脂の成形品を対象
とするものである。加飾部材としては、特に制限はな
く、繊維により構成された繊維素材シート、熱可塑性樹
脂シート、又は、クッション性を有するシート材が好ま
しく採用できる。
【0012】ここで、繊維素材シートとは、織布、不織
布、編布等の布、繊維により形成されたシート状のもの
全てをいう。そして、繊維素材シートは、起毛のあるも
のや厚みのあるものが高級感の創出性や手触りの良好性
に優れているので好ましい。また、熱可塑性樹脂シート
としては、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル等からなるシートが好ましい。
【0013】また一方、クッション性を有するシート材
としては、薄手の表皮層とクッション性を有する厚手の
クッション層で構成される多層シート材が好ましい。こ
の薄手の表皮層は、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポ
リウレタン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂が採用で
きる。また、厚手のクッション層としては、ポリプロピ
レンやウレタン等を発泡させた発泡体を好ましく採用で
きる。
【0014】成形体本体に採用できる樹脂としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ABS、ポリカーボネー
ト、ポリアミド等の熱可塑性樹脂またはこれらの熱可塑
性樹脂にエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマ
ー等のエラストマー、タルク、マイカ、炭酸カルシウ
ム、ガラス繊維、炭素繊維等の無機充填剤を添加したも
のが挙げられる。主にポリプロピレン系樹脂を採用する
場合が多い。
【0015】厚肉部を有する樹脂成形品とは、ボス又は
リブを有する成形品や外周部に厚肉部を有する成形品等
を挙げることができる。このボス又はリブは、成形品の
取り付け又は成形品の剛性向上のために設けられるもの
である。また、成形品の外周の厚肉部は圧縮ガスの注入
で中空部を形成することができる部分である。本発明の
射出成形方法に使用できる金型としては、少なくとも複
数の射出充填機能を備え、厚肉部を有する樹脂成形品で
は、さらに圧縮ガス注入機能を備えた金型である。
【0016】複数の射出充填機能として、複数の射出充
填孔の内、少なくとも1つは、加飾部材の裏面に対峙す
る金型部分に設けられ、他の射出充填孔は加飾部材の外
縁より少し離れた非加飾部に対峙する金型部分に設けら
れる。非加飾部の射出充填孔の数や位置は、成形品の反
り等の変形や成形面の転写性のむら等の不良現象が発生
しないように、成形品の形状や寸法に応じて適宜設定す
ればよい。
【0017】また、充填孔又はこれに繋がる溶融樹脂の
流路には、遮断・開放可能な弁及びそれを制御する機構
を備えたものが好ましい。弁機構は、充填孔部やランナ
ー部に設けれはよく、弁構造としては、棒状のバルブロ
ッド、ボールバルブ、バタフライバルブ等、これらの弁
の駆動装置としては、油圧シリンダ装置、空気シリンダ
装置、電動モータ等を採用できる。
【0018】しかし、特に樹脂の流路を遮断する弁を設
けず、射出装置の射出圧又は保圧の制御により、キャビ
ティー内への漏れ出しやその流路への他からの侵入防止
を行う方法も採用できる。加飾部材側の金型には、加飾
部材を仮止めするための針、又は真空吸引孔及びその付
帯装置等を設けるのがよい。
【0019】部分的に加飾部材を設ける射出成形品を成
形する際、加飾部材に加わる剪断力が大きすぎると、加
飾部材の損傷やシワ、加飾部材の一部溶融等の不良現象
が発生する。そこで、剪断力を低下させるため、本発明
では、圧縮代を有効に利用する成形方法を提案するもの
である。具体的には、上記の問題を解決するためには、
(溶融樹脂充填時の加飾部材の最高樹脂圧力/溶融樹脂
の流動厚み)と定義する剪断力を530MPa/m以下
で射出・充填するのが好ましく、さらに好ましくは47
0MPa/m以下にするとよい。なお、この加飾部材の
最高樹脂圧力は、加飾部材の裏面の金型表面に設けた樹
脂圧力計の樹脂圧力で代用し、溶融樹脂の流動厚みは
(圧縮代−加飾部材の厚み)とした。
【0020】圧縮ガス注入機能として、一つは、成形品
の裏面側のボス又はリブに対応する位置の近傍に圧縮ガ
ス注入口を設け、そこから注入した圧縮ガスで少なくと
も一部が溶融状態にある充填された樹脂を成形品の表面
側の金型に押圧するためのものであり、もう一つは、成
形品の外周部等に設けた厚肉部に中空部を形成するため
のものである。前者は、成形品を離型させる突き出しピ
ンのキャビティー側先端部(キャビティー面に開口され
た部分)のクリアランスが、1/100〜8/100m
mに設定され、このクリアランスを通してキャビティー
内に圧縮ガスを供給するよにしたもの、又はキャビティ
ー面に開口した注入口に多孔質部材を設け、キャビティ
ー内に圧縮ガスを供給するよにしたもの等が挙げられ
る。
【0021】圧縮ガスの圧力、供給速度、供給タイミン
グ、保圧時間等は、供給装置の制御システムで制御され
る。これらは、溶融樹脂の溶融粘度やボス又はリブの形
状等に依存するので、成形品の表面にヒケが発生しない
ように適宜設定すればよい。なお、圧縮ガスの制御は、
圧縮ガスが薄い固化層を破って樹脂内部に侵入してしま
うことがないようにし、ある程度表面層の固化が進んだ
状態で圧縮ガスの圧力を高め、十分にボス又はリブの基
部及びその付近の溶融樹脂を成形品の裏面側から成形品
の表面側の金型成形面に押し当てるのが好ましい。
【0022】後者は、成形品の外周の厚肉部に効率よく
圧縮ガスを注入できるように、前進後退可能なピンを設
けるもの等が挙げられる。ピンの形状は特に限定されな
い。ピンの金型内への突き出し量は、厚肉部の形状等に
より適宜決定すればよい。圧縮ガスの圧力、注入量、注
入タイミング等は、注入装置の制御システムで制御され
る。これらは、溶融樹脂の溶融粘度や厚肉部の形状等に
依存するので、所望の中空部が成形できるように適宜決
定すればよい。圧縮ガスは、別途に設けた圧縮ガス供給
装置から供給する。この圧縮ガスとしては、窒素ガス、
ヘリウム等の不活性ガス又は乾燥空気等を圧縮したもの
が採用できるが、安全面や経済面等から窒素ガスが好ま
しく使用できる。圧縮ガスの圧力は、通常、3〜10M
Paの範囲である。
【0023】射出成形装置としては、圧縮時に金型の圧
縮力を二段階以上制御可能な圧縮成形機又は射出プレス
成形機が採用できる。本発明の内、部分加飾及び厚肉部
を有する樹脂成形品の射出成形方法について図1に基づ
き、その成形手順に従い以下に説明する。 (1) 型開き状態にある金型20の成形品表面側の金型表
面22に加飾部材3を装着する。 (2) 圧縮代4を残して金型を閉じ、射出成形機において
使用する樹脂を適正な可塑化条件で溶融し、加飾部材の
裏面に対峙する金型部分に設けられた射出充填孔25A
から金型キャビティーに射出する。圧縮代4は、通常、
10〜50mm、好ましくは、15〜35mmの範囲で
設定される。
【0024】(3) 金型20を閉じながらキャビティーに
射出された溶融樹脂を展延する。加飾部材の外縁より少
し離れた非加飾部に対峙する金型部分に設けられた他の
射出充填孔25B、25Cに到達するまで展延する。 (4) 上記の展延された溶融樹脂が到達した射出充填孔か
ら順次溶融樹脂の射出を開始し、キャビティーに充填さ
せるのがよい。この順次射出される溶融樹脂は、まだ高
温高圧を保っているので、展延された溶融樹脂と融合
し、ウェルドラインの発生はない。また、この溶融樹脂
は成形品の外周部の未充填部分に選択的に進んでいくの
で、その射出・充填圧は末端部まで作用する。そのた
め、成形品の中央部と外周部の充填圧の圧力差を小さく
でき、また保圧効果の差も小さくできる。
【0025】(5) 型締めを緩める(型締め装置の油圧低
減等)等により圧縮力を低減させ、厚肉部5に対応した
金型表面に設けた図示されていない圧縮ガス注入口から
圧縮ガスを注入する。成形品の裏面側のボス又はリブ部
周辺の表面側を金型面に圧縮ガスで押圧する場合は、上
記の突き出しピンのクリアランス等から圧縮ガスを注入
する。また、成形品の外周部等に設けた厚肉部に中空部
を形成する場合は、上記のピンを突き出す等の手段によ
り圧縮ガスを注入する。圧縮ガスの圧力、注入量等は、
上記のように適宜調整する。 (6) 金型20の圧縮力を増大させ、溶融樹脂を冷却・固
化させる保圧工程を開始する。必要に応じて、圧縮ガス
の保圧も行い、ヒケや転写ムラの防止を行う。 (7) 樹脂が充分に冷却・固化した後、金型20を開いて
成形品を取り出して成形を完了する。
【0026】厚肉部を有しない場合は、上記の圧縮ガス
注入機能を省略可能で、その成形手順において、上記の
(5) を省略することができる。また、成形品の形状や加
飾部の位置によりウェルドラインを発生しないようにす
るため、上記の非加飾部に対峙する金型部分に設けられ
た他の射出充填孔が3以上ある場合は、加飾部材の裏面
に充填された溶融樹脂が金型による圧縮で展延され、非
加飾部の射出充填孔まで到達したら、その射出充填孔か
ら溶融樹脂の射出充填を開始するとよい。また、その他
の充填孔については、前記の圧縮で展延された溶融樹脂
又は前記充填孔からの溶融樹脂が到達したものから順に
溶融樹脂の射出充填を開始するのがよい。充填孔の位
置、射出量等の設定は、成形品の形状や加飾部の位置に
よりウェルドラインを発生しないように適宜設定する。
【0027】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
る。 〔実施例1〕図2に示すような部分加飾を有する自動車
用ドアモデルを以下のように成形した。 (1)成形品 部分加飾を有するドアモデルの寸法は、平均肉厚が2.
5mm、横が1200mm、縦が700mmのものであ
る。 (2)使用樹脂及び加飾部材 使用樹脂は、出光ポリプロピレン(J−5050HP、
MI=40g/10分;230°C、2.16kgf)
とした。加飾部材は、0.5mm厚の塩化ビニル製の表
皮を3mm厚のポリプロピレン発泡体の基材(発泡倍
率:15倍、東レ製ペフ)に貼り合わせたものを使用す
る。
【0028】(3)使用金型 図2の自動車用ドアモデルに対応した金型で、加飾部材
の裏面に1つ、また非加飾部に3つの射出充填孔が設け
られ、自動車用ドアモデル外周部に対応した金型には圧
縮ガス注入口が設けられている。また、射出充填孔に弁
構造として、棒状のバルブロッドを設け、油圧シリンダ
とその制御装置で駆動できるようになっている。さら
に、加飾部材の裏面に設けた射出充填孔の近くの金型表
面に樹脂圧力計が設けられている。
【0029】(4)使用成形機 汎用の横型射出成形機に射出圧縮成形機構を組み合わせ
た射出圧縮成形機(スクリュー径 105mm、型締力
850t 三菱重工製)を用いる。また、圧縮ガス用
のガス供給装置が別途設けられている。
【0030】(5)成形手順と成形条件 上記のように加飾部材を装着し、圧縮代を残して金型を
閉じた状態にする。図2の加飾部材の裏面に対峙する金
型部分に設けられた射出充填孔(位置a)から溶融樹脂
を充填し、金型による圧縮で射出充填孔(位置b)まで
その溶融樹脂が展延された後、射出充填孔(位置b)か
ら溶融樹脂の充填を開始する。射出充填孔bからの溶融
樹脂が他の射出充填孔(位置c又はd)に到達したら、
各々の射出充填孔から溶融樹脂を射出し、非加飾部も充
填を完了する。次いで、上記のように型締めを緩め(型
締め装置の油圧低減)、圧縮力を低減させ、成形品の外
周部に対応した金型表面に設けた図示されていない圧縮
ガス注入口から圧縮ガスを注入する。その後、金型の圧
縮力を増大させ、溶融樹脂を冷却・固化させる保圧工程
を開始する。圧縮ガスの保圧も行い、ヒケや転写ムラの
防止を行う。樹脂が充分に冷却・固化した後、金型を開
いて成形品を取り出す。
【0031】以下に主な成形条件を示す。 a)樹脂温度:180°C b)金型温度: 30°C c)圧縮開始:加飾部の樹脂充填直後±0.1秒 d)圧縮代 :32.5mm e)樹脂圧力(加飾部):10.2MPa f)充填速度(加飾部):550cc/秒 g)充填時間(加飾部): 1.2 秒 h)圧縮ガス: 7MPa (6)評価結果 成形品の加飾部材に損傷やシワの発生がなく、非加飾部
にはウェルドラインの発生がなく、また、外周部にはヒ
ケが見られない良好な成形品が得られた。(溶融樹脂充
填時の加飾部材の最高樹脂圧力/溶融樹脂の流動厚み)
で定義する剪断力は、10.2×1000/(32.5
−3.5)=352MPa/mであった。なお、3.5
は、加飾部材の厚み(mm)である。
【0032】〔実施例2〜7〕圧縮代及び充填時間を表
1に示すように変化させた以外は、実施例1と同様に成
形を行った。また、評価結果を表1に併記した。
【0033】〔比較例1〜4〕圧縮代及び充填時間を表
1に示すように変化させた以外は、実施例1と同様に成
形を行った。また、評価結果を表1に併記した。上記で
定義した剪断力が、530MPa/m を超え、成形品
の加飾部材に損傷が見られた。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、展延された溶融樹脂が
到達した射出充填孔から射出される溶融樹脂は、高温高
圧を保っているので、展延された溶融樹脂と融合するの
で、ウェルドラインが発生せず、成形品の外観品質及び
強度を向上できる。また、成形品の中央部と周辺部でそ
の充填圧の差が小さく、成形品に反り等の変形がない。
【0036】厚肉部を有する樹脂成形品の場合は、それ
を形成させる金型部分の表面に設けた圧縮ガス注入口か
ら圧縮ガスを注入することで、ヒケや転写ムラ等の不良
現象をなくすことができる。加飾部材の裏面に溶融樹脂
を充填する際、圧縮代を残した金型のキャビティーに射
出することができるので、溶融樹脂による剪断力を低く
抑えることができ、加飾部材の損傷、シワ発生等の問題
が解消する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる成形装置の概念図を示す。
【図2】自動車のドアモデルの概略図を示す。
【符号の説明】
3 ・・・加飾部材 4 ・・・圧縮代 5 ・・・厚肉部(成形品の外周部等に設けた厚肉部で
中空部を形成する部分に相当) 20 ・・・金型 22 ・・・成形品表面側の金型表面 25A・・・加飾部材の裏面に対峙する金型部分に設け
られた射出充填孔 25B・・・他の射出充填孔 25C・・・他の射出充填孔 30 ・・・溶融樹脂 31 ・・・圧縮ガス注入部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形
    方法において、加飾部材を装着し、圧縮代を残して閉じ
    た金型のキャビティーに、加飾部材の裏面に対峙する金
    型部分に設けられた射出充填孔から溶融樹脂を射出し、
    金型を閉じながらこれを展延した後、加飾部材の外縁よ
    り少し離れた非加飾部に対峙する金型部分に設けられた
    他の射出充填孔から溶融樹脂を射出し、金型キャビティ
    ー内に溶融樹脂を充填することを特徴とする部分加飾を
    有する樹脂成形品の射出成形方法。
  2. 【請求項2】 樹脂成形品が厚肉部を有するものであ
    り、金型キャビティー内への溶融樹脂の充填終了後、圧
    縮力を低減させ、厚肉部を形成させる金型部分の表面に
    設けた圧縮ガス注入口から圧縮ガスを注入し、再度圧縮
    力を増大させることを特徴とする請求項1に記載の部分
    加飾を有する樹脂成形品の射出成形方法。
  3. 【請求項3】 厚肉部がボス又はリブである請求項2に
    記載の部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形方法。
  4. 【請求項4】 厚肉部が成形品外周の厚肉部である請求
    項2に記載の部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形方
    法。
  5. 【請求項5】 非加飾部に対峙する金型部分に複数の射
    出充填孔が設けられており、それらが他の射出充填孔か
    らの溶融樹脂が到達する順に従って溶融樹脂の射出を開
    始することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形方法。
  6. 【請求項6】 加飾部材の裏面に対峙する金型部分に設
    けられた射出充填孔から溶融樹脂を射出する際に加飾部
    材に加わる剪断力が530MPa/m以下である請求項
    1〜5のいずれかに記載の部分加飾を有する樹脂成形品
    の射出成形方法。
JP7983896A 1996-04-02 1996-04-02 部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形方法 Expired - Fee Related JP3805423B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7983896A JP3805423B2 (ja) 1996-04-02 1996-04-02 部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7983896A JP3805423B2 (ja) 1996-04-02 1996-04-02 部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09267353A true JPH09267353A (ja) 1997-10-14
JP3805423B2 JP3805423B2 (ja) 2006-08-02

Family

ID=13701359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7983896A Expired - Fee Related JP3805423B2 (ja) 1996-04-02 1996-04-02 部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3805423B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2778135A1 (fr) * 1998-04-30 1999-11-05 Plastic Omnium Cie Procede pour realiser une piece en matiere plastique partiellement revetue d'un film, notamment decoratif
US6342176B2 (en) 1997-12-25 2002-01-29 Toyoda Gosei Co., Ltd. Methods for molding resin-molded articles
JP2008183791A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Sumitomo Chemical Co Ltd 熱可塑性樹脂成形品の製造方法
CN102975346A (zh) * 2012-12-04 2013-03-20 成都航天模塑股份有限公司 生产发动机装饰罩的方法和模具及该方法和模具的应用

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11766812B2 (en) 2019-10-15 2023-09-26 King Steel Machinery Co., Ltd. Injection molding system and injection molding method

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6342176B2 (en) 1997-12-25 2002-01-29 Toyoda Gosei Co., Ltd. Methods for molding resin-molded articles
FR2778135A1 (fr) * 1998-04-30 1999-11-05 Plastic Omnium Cie Procede pour realiser une piece en matiere plastique partiellement revetue d'un film, notamment decoratif
JP2008183791A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Sumitomo Chemical Co Ltd 熱可塑性樹脂成形品の製造方法
CN102975346A (zh) * 2012-12-04 2013-03-20 成都航天模塑股份有限公司 生产发动机装饰罩的方法和模具及该方法和模具的应用
CN102975346B (zh) * 2012-12-04 2016-01-27 成都航天模塑股份有限公司 生产发动机装饰罩的方法及该方法的应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP3805423B2 (ja) 2006-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2052835C (en) Method for molding polypropylene resin
US5885515A (en) Blow molding process
JPH08118387A (ja) 熱可塑性樹脂成形体の製造方法
US5558883A (en) Mold design and process for producing a multilayer part by injection process molding
US6331263B1 (en) Method for producing laminated moldings
US6197245B1 (en) Process for producing hollow resin molded article
JP3805423B2 (ja) 部分加飾を有する樹脂成形品の射出成形方法
JP3574195B2 (ja) 積層成形品の成形方法およびその金型
JP2001287237A (ja) 貼合成形品の射出成形方法
JP3160293B2 (ja) 積層成形品の製造方法
JPH08192439A (ja) 積層成形品の製造方法
JPH1134064A (ja) 表皮材付き樹脂成形品及びその製造方法
JP3357229B2 (ja) 積層成形品および自動車用空調機の気流制御弁の製造方法
JPH0939012A (ja) 積層成形品の製造方法および金型
JP4933907B2 (ja) 成形装置及び成形方法
JP3524984B2 (ja) 複合型樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形用金型装置
JP4049685B2 (ja) 部分加飾成形品の成形方法
JP3614325B2 (ja) 貼り合わせ成形方法
EP0884156B1 (en) Process for producing thermoplastic resin hollow molded articles
JP3527575B2 (ja) 二層成形品の製造方法及びそれに用いる金型
JP3858408B2 (ja) 多層成形品成形用金型
JP3548243B2 (ja) 複合型熱可塑性樹脂成形品及び複合型熱可塑性樹脂成形品の製造方法
JPH07214599A (ja) 射出成形用金型
JP5262469B2 (ja) 熱可塑性樹脂成形体の製造方法
JPH06328579A (ja) 射出・圧縮成形方法及びそのモールド

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041001

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060425

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060510

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110519

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees