JPH08125459A - 増幅器及び演算増幅器 - Google Patents

増幅器及び演算増幅器

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JPH08125459A
JPH08125459A JP6166259A JP16625994A JPH08125459A JP H08125459 A JPH08125459 A JP H08125459A JP 6166259 A JP6166259 A JP 6166259A JP 16625994 A JP16625994 A JP 16625994A JP H08125459 A JPH08125459 A JP H08125459A
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collector
pair
mirror circuit
transistors
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Kenji Komori
健司 小森
Atsushi Hirabayashi
敦志 平林
Kosuke Fujita
幸祐 藤田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低電圧電源下においても、ダイナミックレン
ジが大きく周波数特性の劣化しない増幅器を構成する。 【構成】 差動対の一方のトランジスタQ1のコレクタ
から取り出した信号電流を定電圧降下回路を介して電流
ミラー回路(5)へ入力する。電流ミラー回路(5)の
出力側トランジスタのコレクタにも定電流源を接続する
ことにより信号電流を負荷抵抗Roへ流す。出力トラン
ジスタQ3のバイアスは、バイアス回路(3)によって
最も大きなダイナミックレンジが得られるような値に自
由に設定できる。Q1のコレクタには殆ど信号電圧が発
生しないので、Qgの浮遊容量によって周波数特性が劣
化することも無い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイナミックレンジが
大きく、かつ、周波数帯域の広い増幅器及び演算増幅器
に関する。
【0002】
【従来の技術】周波数帯域が広く、ダイナミックレンジ
が大きい等の動作特性の優れたアナログIC用の増幅器
回路として図7に示す回路が従来から使用されている。
この回路は、トランジスタQ1、Q2及びエミッタ抵抗
Rinから構成される入力差動対と、Q1,Q2の各エ
ミッタ側及びQ2のコレクタ側に接続された定電流源ト
ランジスタQ4,Q5及びQ6と、負荷抵抗Roと、出
力トランジスタQ3と、上記入力作動対へのバイアス回
路を構成する点線ブロック(1)と、上記各定電流源ト
ランジスタに一定電流Iを流すための定電流回路を構成
する点線ブロック(2)と、上記出力トランジスタQ3
の動作電位を定めるバイアス回路を構成する点線ブロッ
ク(3)とから構成される。
【0003】この回路の増幅動作について説明すると、
入力された信号電圧Vinは、上記入力作動対におい
て、 i=Vin/Rin となるように信号電流iに変換され、Q1には電流I+
iが、Q2には電流I−iが流れる。一方、定電流源ト
ランジスタQ6には一定電流Iが流されているので、負
荷抵抗RoにはQ6に流れる電流IとQ2に流れる電流
I−iとの差の信号電流iが流れる。これにより、 Vout=Ro・i=Vin・(Ro/Rin) なる出力電圧Voutが生じ、エミッタフォロワの出力
トランジスタQ3を介して出力される。
【0004】なお、点線ブロック(2)においては、R
7の抵抗値をR4及びR5の抵抗値と等しく設定して電
流ミラー回路を構成することにより、トランジスタQ7
に設定された一定の通電電流Iと同じ大きさの電流Iを
Q4,Q5に流すようにしている。また、R8の抵抗値
をR7の抵抗値と等しくして電流ミラー作用によりQ8
にも電流Iを流し、これにより、Qaに同じ大きさの電
流Iを流している。ここで、更に、Raの抵抗値をR6
の抵抗値と等しくして電流ミラー作用によりQ6にも電
流Iを流すようにしている。なお、Q9及びR9、並び
にQc及びRcは各電流ミラー回路におけるベース電流
を補償するためのものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明した従来の
増幅器回路のダイナミックレンジについて考察すると、
出力電圧Voutの上限は、電源電圧Vccから定電流
源Q6による最小の電圧降下(約1V)だけ下がったV
cc−1(V)程度となり、また、下限はQ2のベース
電位(Vccのほぼ1/2)となるから、出力電圧の最
大振幅Vomaxは、 Vomax=(Vcc−1)−Vcc/2 =(Vcc/2)−1(V) …(1) となる。従って、電源電圧を9Vとして動作させる場合
にはVomaxの値として、3.5Vppが得られる。
【0006】ところで、近年では電子デバイスの小型
化、計量化及び低消費電力化に伴いアナログICの低電
圧動作化が進められている。然るに、上記の従来回路
を、最近多く用いられるように5Vの電源電圧で動作さ
せた場合には、(1)式から、Vomaxが1.5Vp
pとなって十分なダイナミックレンジを確保することが
できない。即ち、電源電圧の低電圧化は、信号の波形歪
及びSN特性の劣化を引き起こすこととなり、電源電圧
の低電圧化と十分なダイナミックレンジの確保とは両立
し難いという問題がある。また、周波数特性について言
えば、負荷抵抗Roと浮遊容量(主に定電流源用のPN
PトランジスタQ6のコレクタ容量)で構成されるLP
Fと、更に差動入力時の入力差動対のQ2のコレクタに
信号の電圧振幅が生じることによって発生するミラー効
果とによって高域のレベルが低下するという問題があ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる増幅器
は、入力信号が入力される一対のトランジスタを備えた
入力差動対と、上記一対のトランジスタの各エミッタと
アースとの間に接続された一対の定電流源と、上記一対
のトランジスタのうちの一方のトランジスタのコレクタ
と電源との間に接続された第1の定電流源と、前記一方
のトランジスタのコレクタから取り出された電流が定電
圧降下回路を介して入力される電流ミラー回路と、該電
流ミラー回路の出力側トランジスタのコレクタと電源と
の間に接続された第2の定電流源と、一方の端子が該出
力側トランジスタのコレクタに接続されると共に、他方
の端子がバイアス電源に接続された負荷と、を備えてい
る。
【0008】ここで、定電圧降下回路は、前記一方のト
ランジスタのコレクタにベースが接続された第1のトラ
ンジスタと、前記一方のトランジスタのコレクタにコレ
クタが接続された第2のトランジスタとを備え、かつ、
第1のトランジスタのエミッタを第2のトランジスタの
ベースに接続すると共に第2のトランジスタのエミッタ
を電流ミラー回路に接続した構成とするのが好適であ
る。また、電流ミラー回路のの電流増倍比を1より大き
く設定してもよい。
【0009】請求項4にかかる増幅器は、入力信号が入
力される一対のトランジスタを備えた入力差動対と、上
記一対のトランジスタの各エミッタとアースとの間に接
続された一対の定電流源と、上記一対のトランジスタの
各コレクタと電源との間に接続された第2の一対の定電
流源と、ベースが互いに接続された入力側トランジスタ
と出力側トランジスタを備えた第1の電流ミラー回路
と、該入力側トランジスタのコレクタと前記一対のトラ
ンジスタのうちの一方のトランジスタのコレクタとの間
に接続された第1の定電圧降下回路と、上記出力側トラ
ンジスタのコレクタと前記一対のトランジスタのうちの
他方のトランジスタのコレクタとの間に接続された第2
の定電圧降下回路と、ベースが互いに接続された入力側
トランジスタと出力側トランジスタを備えた第2の電流
ミラー回路と、前記第1の電流ミラー回路の出力側トラ
ンジスタのコレクタと前記第2の電流ミラー回路の入力
側トランジスタのコレクタとを接続する導電路と、前記
第2の電流ミラー回路の入力側トランジスタ及び出力側
トランジスタの各コレクタと電源との間に接続された第
3の一対の定電流源と、一方の端子が前記第2の電流ミ
ラー回路の出力側トランジスタのコレクタに接続される
と共に、他方の端子がバイアス電源に接続された負荷
と、を備えている。
【0010】請求項5にかかる増幅器は、入力信号が入
力される一対のトランジスタを備えた入力差動対と、上
記一対のトランジスタの各エミッタとアースとの間に接
続された一対の定電流源と、上記一対のトランジスタの
うちの一方のトランジスタのコレクタと電源との間に接
続された第1の抵抗と、該一方のトランジスタのコレク
タにコレクタが接続されると共に、エミッタが抵抗を介
してアースに接続された第1のトランジスタと、該第1
のトランジスタのコレクタにベースが接続されると共
に、エミッタが第1の定電流源を介してアースに接続さ
れた第2のトランジスタと、定電圧降下回路を介して該
第2のトランジスタのエミッタに接続された第2の定電
流源と、該第2の定電流源と該定電圧降下回路との接続
点、及び前記第1のトランジスタのベースの間に接続さ
れた第2の抵抗と、前記第1のトランジスタのベースと
アースとの間に接続された第3の定電流源と、該第1の
トランジスタに対してベースが互いに接続されると共
に、コレクタと電源との間に出力信号を取り出すための
負荷が接続された第3のトランジスタと、を備えてい
る。
【0011】請求項6にかかる演算増幅器は、エミッタ
が互いに接続された一対のトランジスタからなる入力差
動対と、上記一対のトランジスタのエミッタとアースと
の間に接続された定電流源と、上記一対のトランジスタ
の各コレクタと電源との間に接続された一対の定電流源
と、ベースが互いに接続されている入力側トランジスタ
及び出力側トランジスタを備えた第1の電流ミラー回路
と、前記一対のトランジスタのうちの一方のトランジス
タのコレクタと該第1の電流ミラー回路の入力側トラン
ジスタのコレクタとの間に接続された第1の定電圧降下
回路と、前記一対のトランジスタのうちの他方のトラン
ジスタのコレクタと該第1の電流ミラー回路の出力側ト
ランジスタのコレクタとの間に接続された第2の定電圧
降下回路と、ベースが互いに接続されている入力側トラ
ンジスタ及び出力側トランジスタを備えた第2の電流ミ
ラー回路と、前記第1の電流ミラー回路の出力側トラン
ジスタのコレクタと前記第2の電流ミラー回路の入力側
トランジスタのコレクタとを接続する導電路と、前記第
2の電流ミラー回路の入力側トランジスタ及び出力側ト
ランジスタの各コレクタと電源との間に接続された第2
の一対の定電流源と、前記第2の電流ミラー回路の出力
側トランジスタのコレクタと電源との間に接続されたコ
ンデンサと、前記第2の電流ミラー回路の出力側トラン
ジスタのコレクタの信号を取り出すエミッタホロワトラ
ンジスタと、を備えている。
【0012】
【作用】入力差動対の出力側トランジスタのコレクタ電
位が固定化される。電流ミラー回路による電流の折り返
しを利用して負荷へ信号電流が供給される。電流ミラー
回路における電流比を大きくする、或るいは入力差動対
の両コレクタ電流を使用することにより大きなゲインが
得られる。電圧降下用の素子によって出力トランジスタ
の動作バイアスが低く設定される。
【0013】
【実施例】本発明による増幅器の1実施例を図1に示
す。この図において、図7で使用している回路素子と同
じ回路素子には同じ符号を付している。また、点線ブロ
ック(1)〜(3)は、それぞれ図7におけるものと同
じ回路を表し、これらの内部の回路構成の詳細は省略し
てある。この増幅器回路は、図示されるように、入力作
動対におけるトランジスタQ1のコレクタ側に接続され
た定電流源トランジスタQg及びダイオードラダー
(4)、電流ミラー回路(5)、定電流源トランジスタ
Qh等が設けられている点に特徴を有する。
【0014】回路動作を説明すると、上記Qgのエミッ
タサイズは、点線ブロック(2)におけるQaのエミッ
タサイズの2倍に設定されており、また、Rgの抵抗値
が点線ブロック(2)におけるRaの1/2に設定され
ていることにより、Qgは、2Iの電流が流れる定電流
源として動作する。一方、Q1には、図7の場合と同様
にして、ベースへの入力信号に応じたI+iの電流が流
れるので、ダイオードラダー(4)へは両電流の差I−
iが流れ込む。
【0015】この電流は、電流ミラー回路(5)へ供給
されてトランジスタQmに電流I−iが流れる。これに
対し、Qmのコレクタ側に設けられている定電流源トラ
ンジスタQhには、点線ブロック(2)におけるQaと
の電流ミラー作用により電流Iが流されているので、こ
れらの電流の差電流iが負荷抵抗Roへ流れ込み、これ
により生じた出力電圧Vout(=Ro・i=Ro・V
in/Rin)がQ3のエミッタ側から出力される。
【0016】この増幅器回路においては、ダイオードD
1のアノード電圧は、Qkのコレクタ電圧よりもダイオ
ード2個分の順方向電圧降下だけ上昇した値となってQ
1のコレクタ・エミッタ間電圧を設定するが、必要に応
じて積み重ねるダイオードの段数を変えることにより、
Q1のコレクタ・エミッタ間電圧を最適に設定できる。
更に、Rkの値をRinの値よりも十分小さくすること
により、入力電圧VinによるQkのコレクタ電圧の変
動を抑えてD1のアノード電圧を安定化し、Q1のコレ
クタに信号電圧が発生するのを抑えることができるの
で、ミラー効果による周波数特性の劣化を回避できる。
【0017】また、ダイナミックレンジに関しては、こ
の増幅器回路の負荷に現れる最大電圧振幅Vomax
は、動作電圧Vccから点線ブロック(5)における電
流ミラー分及び定電流源トランジスタQhにおける電圧
降下分(どちらも約1V)を差し引いた値であるから、 Vomax=Vcc−2(V) となり、動作電圧が5Vの場合には約3Vの電圧振幅が
得られる。即ち、図6の従来回路の1・5Vに比べ、2
倍のダイナミックレンジが得られる。
【0018】以上のように、この増幅器回路では、入力
電圧Vinが差動対において電流iに変換されてから負
荷抵抗Roにおいて出力電圧Voutに変換されるまで
電圧振幅を発生することがないので、この途中経路にお
いて浮遊容量によりLPFの形成されることがなく、周
波数特性の劣化を抑えることができる。そして、最も大
きな電圧振幅を取り出すことができる負荷抵抗Roにお
いて出力電圧に変換されるので、回路のダイナミックレ
ンジを大きくとることができ、歪特性及びSN特性の優
れた出力を得ることができる。
【0019】なお、ダイオードラダー(4)を図2の
〔A〕に示すようにトランジスタの組み合わせで構成し
てもよい。この構成では、Q1のコレクタからの電流I
−iはQoのコレクタ電流として流れ込みエミッタ電流
として電流ミラー回路(5)へ流し込まれる。そして、
Q1のコレクタ電位はQkのコレクタ電位より2Vbe
(約1・4V)上昇した電圧に固定される。この構成の
場合には、図1のダイオードラダー(4)に比し、ダイ
オードにおける電流の3次歪の影響が現れないので、そ
れだけ歪特性が改善される。
【0020】また、電流ミラー回路(5)において、そ
のトランジスタQmをn倍のエミッタサイズを有するト
ランジスタQpに置き換えると共に、そのエミッタ側の
抵抗Rmを1/nの抵抗値を有する抵抗Rpに置き換え
て図2の〔B〕に示される電流ミラー回路(7)のよう
に構成を変更し、電流ミラー回路においてn倍の電流増
倍を行うようにしてもよい。そして、この電流ミラー回
路(7)の出力側の定電流源トランジスタQrもn倍の
電流nIが流れるように、エミッタサイズをQaのn
倍、エミッタ側の抵抗値をRaの1/nに設定してお
く。
【0021】このように構成すれば負荷抵抗Roにn倍
の信号電流niを流すことが可能になり、図1の場合と
比べてゲインをn倍にすることができる。なお、図1の
場合と同じゲインを得るようにするならばRoの値を1
/nにすることができるので、Roと浮遊容量とで形成
されるLPFのカットオフ周波数が高くなり、周波数特
性を改善することができる。以上に説明した回路構成例
は、いずれも入力差動対の一方のコレクタ電流のみを利
用するものであるが、これに代え、両方のコレクタ電流
を利用することにより電流効率を2倍にすることも可能
である。この場合の構成例を図3により説明する。
【0022】この回路構成においては、入力差動対の各
コレクタ側から電流I+i及びI−iをダイオードラダ
ーへ引き込むと共に、前者の電流I+iを電流ミラー回
路(5)の基準電流としてQkへ流し込んでQmのコレ
クタに電流I+iを流す。そして、電流ミラー回路
(8)のQvのコレクタ側に電流2Iが流される定電流
源トランジスタQwを設けると共に、Qmのコレクタと
Qvのコレクタとを接続することにより、Qvに電流2
I−2iを流す。この電流を電流ミラー作用により折り
返してQuに電流2I−2iを流し、かつ、Quのコレ
クタ側の定電流源トランジスタQxに電流2Iを流して
おくことにより、負荷抵抗Roに2倍の信号電流2iを
流す。
【0023】この回路においては、Roの値を1/2に
して図1の場合と同じゲインを得ることができ、図2の
〔B〕と同様、周波数特性を改善することができる。以
上に説明したような回路構成を採ることにより、浮遊容
量による周波数特性の劣化を生ずることなく大きなダイ
ナミックレンジを実現できるが、実際には、電流源に比
較的大きな電流を流す場合、例えば、図1においてトラ
ンジスタQgに流れる電流を1mA程度に設定した場合
には浮遊容量の影響を無視できなくなり、周波数特性の
劣化を生ずる。即ち、PNPトランジスタによって構成
した電流源回路は大電流動作には不向きである。そこ
で、次に、入力差動対の出力側にこのようなPNPトラ
ンジスタによる電流源を用いないようにした実施例につ
いて説明する。
【0024】かかる実施例の回路構成を図4に示す。先
ず、この回路の直流的動作について説明すると、直流的
に平衡した状態では電流源2から供給される2Ixの電
流のうちその半分の電流Ixは抵抗Rqを介して電流源
1へ流れるため、残りの半分の電流IxがQq及びQz
を流れる。一方、電流源3には電流2Ixが流されてい
るのでQbにも電流Ixが流れる。即ち、平衡時のQ
b,Qz,Qqの各エミッタ電流はいずれもIxであ
る。また、この平衡時における抵抗R1を流れる直流電
流をIoとすればQeに流れる直流電流はIo−Iであ
る。
【0025】ここで、Qbのベースの直流電位をV3、
Qqの直流電位をV4とすれば、 V4=R2×(Io−I)+Vf(Qe) +Rq×Ix …(1) V3=Vcc−R1×Io …(2) となる(但し、Vf はトランジスタのベース・エミッタ
間電圧であり、ボルツマン定数k、電子の電荷量e、絶
対温度T、接合飽和電流Is、エミッタ電流Ioを用い
てVf =(kT/e)ln(Is/Io)と表され
る)。
【0026】また、V3とV4の間には、常に、 V3=V4−Vf(Qq) −Vf(Qz) +Vf(Qb) …(3) が成立する。そして、(1)式及び(2)式を(3)式
へ代入することにより、 Vcc−R1×Io=R2×(Io−I)+Rq×Ix +Vf(Qe) −Vf(Qq) −Vf(Qz) +Vf(Qb) …(4) を得るが、ここで、前述の通り平衡時にはQb,Qz,
Qqの各エミッタ電流は等しいので、Vf(Qq) =Vf(Q
z) =Vf(Qb) が成立し、更に、Vf(Qe) の値もほぼこ
れらの値と等しいと考えられるので、Qeを流れる直流
電流Io−Iは、(4)式より次のように求められる。
【0027】 Io−I=(Vcc−R1×I−Rq×Ix)/(R1+R2) …(5) この(5)式の右辺の各項はいずれも定数項なので、こ
れらを適宜選定することによりIo−Iを自由に調整で
きる。そして、この回路では、Qe及びQ3のエミッタ
側の抵抗として同じ抵抗R2が接続されているのでQe
及びQ3は電流ミラー回路を構成している。これによ
り、出力Voutの直流電圧はVcc−R3×(Io−
I)と表され、直流電流Io−Iを調整することによっ
てこの直流電圧の値を十分大きなダイナミックレンジが
得られるような値に設定することができる。また、この
回路における出力VoutはNPNのコレクタアウト形
式となっているので、NPNトランジスタにより構成さ
れた通常の差動増幅器において直接コレクタアウトで取
り出す場合と同じ出力特性を得ることができる。
【0028】なお、前述のVf(Qe) の値は、厳密にはV
f(Qq) 等の値とは異なっているため、(5)式の直流電
流は、この誤差に基づいた温度変動を有するが、Qeの
エミッタ電流Io−IをQq等のエミッタ電流Ixと等
しく設定すれば上記(5)式を厳密に成立させることが
でき、温度特性が安定する。これを満足するための条件
は、(5)式の値をIxと置くことにより次式で表され
る。 Ix=(Vcc−R1×I)/(R1+R2+Rq) …(6)
【0029】以上、平衡時の直流動作について説明した
が、起動時このような平衡状態に収束することは次のよ
うにして分かる。例えば、起動時、V4>V3+Vfが
成立するような不平衡状態にあったとすれば(なお、平
衡状態においては(3)式から明らかなようにV4=V
3+Vfが成立する)、Qq,QzへはIx以上の電流
が流れると共にRqにはIx以下の電流が流れ、これに
よりQeのエミッタ電流は減少してR1の電流Ioも減
少し、Qbのベース電位V3が増大して平衡状態へ近づ
く。また、V4<V3+Vfが成立するような不平衡状
態にあったとすれば、QbへはIx以上の電流が流れる
と共にQq,QzへはIx以下の電流が流れ、これによ
り、RqにはIx以上の電流が流れてQeのエミッタ電
流が増大し、R1の電流Ioも増大する。この結果、Q
bのベース電位V3が減少して平衡状態へ近づく。
【0030】次に、交流的動作について説明する。入力
信号Vinにより入力差動対Q1,Q2で生じた信号電
流i(=Vin/Rin)に対し、出力電圧Vout
は、 Vout=Vcc−R3×(Io−I+i) =Vcc−R3×(Io−I)−Vin×R3/Rin で与えられるので、出力信号はゲインがR3/Rinの
位相反転した信号として得られる。
【0031】なお、厳密に言えば、V3,V4には信号
電流iによる電圧変動分が発生するが、この回路におけ
る電圧降下用の抵抗Rqの値を抵抗R1及びR2の値に
対して十分大きく設定することにより、上記の変動分は
無視しうる程度に小さなものとなる。
【0032】以上に説明した図4では、動作説明を簡単
にするため電流源1に流す電流値を電流源2に流す電流
値の1/2に設定しているが、必ずしもこのような値に
限定する必要は無く、より一般的には電流源1〜3の各
電流値を図5に示すように設定することができる。各電
流源の電流値をこの図のように設定すれば、平衡状態に
おいてはQq及びQzに流れる直流電流とQbに流れる
直流電流は同じ値Isとなる。この回路においてIo−
Iは次式で与えられる。 Io−I=(Vcc−R1×I−Rq×It)/(R1+R2) …(7) ここで、前述のVfに関する誤差を無くすためには、こ
のIo−Iの値をIsとすればよく、これを満足する条
件をItの値で表現すれば次のようになる。 It=〔Vcc−R1×I−(R1+R2)Is〕/Rq …(8)
【0033】また、図4においては前述のとおりQeと
Q3のエミッタ側の抵抗を等しくすることによって電流
ミラー回路が構成されているが、必ずしもこのような電
流ミラー回路とする必要は無く、要するにRqによる電
圧降下分だけQ3の直流動作レベルを降下させることに
よりVoutのダイナミックレンジを大きく設定できる
ように構成すればよい。最後に、前述の図3の回路を応
用して演算増幅器を構成した場合の実施例について説明
する。
【0034】かかる実施例の回路構成を図6に示す。こ
の図に示される回路は、図3の回路における入力抵抗R
inを「0」にすると共に負荷抵抗Roを無限大(無接
続)にすることにより演算増幅器としてのゲインを実現
したものであり、図1〜3に説明した増幅器と同様、低
電圧動作時でも動作周波数範囲が広く、出力ダイナミッ
クレンジが大きく、歪特性及びSN特性が優れていると
いう特徴を有する。なお、出力トランジスタQ3のベー
ス側に設けられているC1は、発信防止用容量である。
【0035】
【発明の効果】入力差動対のコレクタ電位を固定化して
ミラー効果を抑えることにより周波数特性が改善され
る。電流ミラー回路による電流の折り返しを利用して負
荷へ信号電流を流し込むことにより負荷段において大き
な最大振幅電圧を得ることができるので、出力ダイナミ
ックレンジのアップ及びSN特性の改善が得られる。電
圧振幅の発生個所を負荷段のみとすることにより、周波
数特性、歪特性、SN特性が改善される。ダイオードラ
ダーによる電圧降下をトランジスタのベース・エミッタ
間電圧降下で実現することによりダイオード電流の3次
歪が無くなり歪特性が改善される。電流ミラー回路にお
ける電流比を大きくする、或るいは入力差動対の両コレ
クタ電流を使用することにより負荷抵抗の値を小さくし
て周波数特性を向上することができる。低動作電圧での
周波数特性、歪特性、出力ダイナミックレンジ、SN特
性等の優れた演算増幅器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による増幅器の第1実施例を示す回路図
である。
【図2】同実施例における別の構成例を説明する図であ
る。
【図3】本発明による増幅器の第2実施例を示す回路図
である。
【図4】本発明による増幅器の第3実施例を示す回路図
である。
【図5】同第3実施例における他の構成例を示す図であ
る。
【図6】本発明による演算増幅器の実施例を示す回路図
である。
【図7】従来の増幅器の回路構成を示す図である。
【符号の説明】
(1),(3)…バイアス設定回路、 (2)…定
電流源用電流設定回路、(4)…ダイオードラダー、
(5),(7),(8)…電流ミラー回路、

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)入力信号が入力される一対のトラ
    ンジスタを備えた入力差動対と、(2)上記一対のトラ
    ンジスタの各エミッタとアースとの間に接続された一対
    の定電流源と、(3)上記一対のトランジスタのうちの
    一方のトランジスタのコレクタと電源との間に接続され
    た第1の定電流源と、(4)前記一方のトランジスタの
    コレクタから取り出された電流が定電圧降下回路を介し
    て入力される電流ミラー回路と、(5)該電流ミラー回
    路の出力側トランジスタのコレクタと電源との間に接続
    された第2の定電流源と、(6)一方の端子が該出力側
    トランジスタのコレクタに接続されると共に、他方の端
    子がバイアス電源に接続された負荷と、を備えたことを
    特徴とする増幅器。
  2. 【請求項2】 定電圧降下回路は、前記一方のトランジ
    スタのコレクタにベースが接続された第1のトランジス
    タと、前記一方のトランジスタのコレクタにコレクタが
    接続された第2のトランジスタとを備え、かつ、第1の
    トランジスタのエミッタを第2のトランジスタのベース
    に接続すると共に第2のトランジスタのエミッタを電流
    ミラー回路に接続したことを特徴とする請求項1記載の
    増幅器。
  3. 【請求項3】 電流ミラー回路は、1より大きい電流増
    倍比を有するものであることを特徴とする請求項1又は
    2記載の増幅器。
  4. 【請求項4】 (1)入力信号が入力される一対のトラ
    ンジスタを備えた入力差動対と、(2)上記一対のトラ
    ンジスタの各エミッタとアースとの間に接続された一対
    の定電流源と、(3)上記一対のトランジスタの各コレ
    クタと電源との間に接続された第2の一対の定電流源
    と、(4)ベースが互いに接続された入力側トランジス
    タと出力側トランジスタを備えた第1の電流ミラー回路
    と、(5)該入力側トランジスタのコレクタと前記一対
    のトランジスタのうちの一方のトランジスタのコレクタ
    との間に接続された第1の定電圧降下回路と、(6)上
    記出力側トランジスタのコレクタと前記一対のトランジ
    スタのうちの他方のトランジスタのコレクタとの間に接
    続された第2の定電圧降下回路と、(7)ベースが互い
    に接続された入力側トランジスタと出力側トランジスタ
    を備えた第2の電流ミラー回路と、(8)前記第1の電
    流ミラー回路の出力側トランジスタのコレクタと前記第
    2の電流ミラー回路の入力側トランジスタのコレクタと
    を接続する導電路と、(9)前記第2の電流ミラー回路
    の入力側トランジスタ及び出力側トランジスタの各コレ
    クタと電源との間に接続された第3の一対の定電流源
    と、(10)一方の端子が前記第2の電流ミラー回路の
    出力側トランジスタのコレクタに接続されると共に、他
    方の端子がバイアス電源に接続された負荷と、を備えた
    ことを特徴とする増幅器。
  5. 【請求項5】 (1)入力信号が入力される一対のトラ
    ンジスタを備えた入力差動対と、(2)上記一対のトラ
    ンジスタの各エミッタとアースとの間に接続された一対
    の定電流源と、(3)上記一対のトランジスタのうちの
    一方のトランジスタのコレクタと電源との間に接続され
    た第1の抵抗と、(4)該一方のトランジスタのコレク
    タにコレクタが接続されると共に、エミッタが抵抗を介
    してアースに接続された第1のトランジスタと、(5)
    該第1のトランジスタのコレクタにベースが接続される
    と共に、エミッタが第1の定電流源を介してアースに接
    続された第2のトランジスタと、(6)定電圧降下回路
    を介して該第2のトランジスタのエミッタに接続された
    第2の定電流源と、(7)該第2の定電流源と該定電圧
    降下回路との接続点、及び前記第1のトランジスタのベ
    ースの間に接続された第2の抵抗と、(8)前記第1の
    トランジスタのベースとアースとの間に接続された第3
    の定電流源と、(9)該第1のトランジスタに対してベ
    ースが互いに接続されると共に、コレクタと電源との間
    に出力信号を取り出すための負荷が接続された第3のト
    ランジスタと、を備えたことを特徴とする増幅器。
  6. 【請求項6】 (1)エミッタが互いに接続された一対
    のトランジスタからなる入力差動対と、(2)上記一対
    のトランジスタのエミッタとアースとの間に接続された
    定電流源と、(3)上記一対のトランジスタの各コレク
    タと電源との間に接続された一対の定電流源と、(4)
    ベースが互いに接続されている入力側トランジスタ及び
    出力側トランジスタを備えた第1の電流ミラー回路と、
    (5)前記一対のトランジスタのうちの一方のトランジ
    スタのコレクタと該第1の電流ミラー回路の入力側トラ
    ンジスタのコレクタとの間に接続された第1の定電圧降
    下回路と、(6)前記一対のトランジスタのうちの他方
    のトランジスタのコレクタと該第1の電流ミラー回路の
    出力側トランジスタのコレクタとの間に接続された第2
    の定電圧降下回路と、(7)ベースが互いに接続されて
    いる入力側トランジスタ及び出力側トランジスタを備え
    た第2の電流ミラー回路と、(8)前記第1の電流ミラ
    ー回路の出力側トランジスタのコレクタと前記第2の電
    流ミラー回路の入力側トランジスタのコレクタとを接続
    する導電路と、(9)前記第2の電流ミラー回路の入力
    側トランジスタ及び出力側トランジスタの各コレクタと
    電源との間に接続された第2の一対の定電流源と、(1
    0)前記第2の電流ミラー回路の出力側トランジスタの
    コレクタと電源との間に接続されたコンデンサと、(1
    1)前記第2の電流ミラー回路の出力側トランジスタの
    コレクタの信号を取り出すエミッタホロワトランジスタ
    と、を備えたことを特徴とする演算増幅器。
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