JPH08124677A - 有機elデバイス - Google Patents

有機elデバイス

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JPH08124677A
JPH08124677A JP6257114A JP25711494A JPH08124677A JP H08124677 A JPH08124677 A JP H08124677A JP 6257114 A JP6257114 A JP 6257114A JP 25711494 A JP25711494 A JP 25711494A JP H08124677 A JPH08124677 A JP H08124677A
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organic
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stress relaxation
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adhesive layer
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Kenichi Fukuoka
賢一 福岡
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    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
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    • H10K50/842Containers
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    • HELECTRICITY
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    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
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    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/84Passivation; Containers; Encapsulations
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 密着タイプの封止法により封止された有機E
L素子を発光源として備えた有機ELデバイスであっ
て、有機EL素子の発光機能が喪失しにくい有機ELデ
バイスを提供する。 【構成】 本発明の有機ELデバイスは、基板上に設け
られた有機EL素子と、この有機EL素子の発光面を覆
うようにして前記基板上に形成された接着剤層と、この
接着剤層によって前記基板上に固着された封止材とを備
えた有機ELデバイスであって、前記有機EL素子と前
記接着剤層との間に前記有機EL素子の発光面を覆う応
力緩和層を有することを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機EL素子を発光源
として備えた有機ELデバイスおよび有機EL素子の封
止方法に係り、特に、密着タイプの封止方法で封止され
た有機ELを発光源として備えた有機ELデバイスおよ
び有機EL素子を封止するための密着タイプの封止方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】EL素子には無機EL素子と有機EL素
子とがあり、いずれのEL素子も自己発光性であるため
に視認性が高く、また完全固体素子であるために耐衝撃
性に優れるとともに取扱が容易である。このため、グラ
フィックディスプレイの画素やテレビ画像表示装置の画
素、あるいは面光源等としての研究開発および実用化が
進められている。有機EL素子は、陽極と陰極とをこれ
らの間に有機発光材料を含有する発光層を少なくとも介
在させて積層したものであり、現在までに種々の層構成
のものが開発されている。層構成の具体例としては、陽
極/発光層/陰極、陽極/発光層/電子注入層/陰極、
陽極/正孔注入層/発光層/陰極、陽極/正孔注入層/
発光層/電子注入層/陰極、等が挙げられる。発光層は
通常1種または複数種の有機発光材料により形成される
が、有機発光材料と正孔注入材料および/または電子注
入材料との混合物により形成される場合もある。
【0003】このような層構成を有する有機EL素子
は、多くの場合、基板上に形成される。そして、発光層
からのEL光を前記の基板側から取り出す場合には基板
の直上に陽極が形成され、発光層からのEL光を有機E
L素子を設けた側から取り出す場合には基板の直上に陰
極が形成される。陽極は、Au,Ni,ITO(インジ
ウム錫酸化物)等の仕事関数の大きな物質からなる透明
ないし半透明の薄膜により形成される。一方陰極は、Y
b,Mg,Al,In等の仕事関数の小さな物質からな
る薄膜により形成される。
【0004】有機EL素子は電流駆動型の発光素子であ
り、発光層(有機発光材料)に注入された電子と正孔と
が再結合するときに生じる発光を利用するものである。
このため、有機EL素子は発光層の厚さを薄くすること
により例えば4.5Vという低電圧での駆動が可能で応
答も速いといった利点や、輝度が注入電流に比例するた
めに高輝度の発光が可能といった利点を有している。ま
た、発光材料を変えることによってり青,緑,黄,赤
等、いろいろな色の発光が得られている。これらの利点
により、現在、実用化のための研究が続けられている。
【0005】ところで、有機EL素子に用いられる有機
発光材料等の有機物は水分や酸素等に弱い。また電極
も、酸化により大気中では特性が急激に劣化する。した
がって、実用的な有機EL素子や有機ELデバイスを得
るためには、封止を施す必要がある。有機EL素子の封
止方法としては、封止対象の素子表面に封止層としての
ポリパラキシレン膜を気相重合法により形成する方法
(特開平4−137483号公報参照)や、封止対象の
素子表面にSiO2 の保護膜を形成する方法(特開平4
−73886号公報参照)もあるが、より封止効果の高
い方法が既に開発されている。その方法は次の2つの形
態に大別される。
【0006】一つはケーシングタイプの封止方法で、有
機EL素子をケース内に入れて外界と遮断し、前記のケ
ース内に有機EL素子と共に所定の封止用流体を充填し
ておくことにより封止する方法である。もう一つは密着
タイプの封止方法で、基板上に形成されている有機EL
素子の背面(基板側からみて素子の後ろ)にガラス板等
の封止材を接着剤で面接着することにより封止する方法
である。
【0007】ケーシングタイプの封止方法によれば、ケ
ース内に入れる封止用流体として適当なものを選ぶこと
により有機EL素子を破壊することなくその劣化を防止
することができるが、その一方で下記(1)〜(3)の
ような難点を生じる。 (1)有機EL素子をケースに入れることを必須とする
ので、有機EL素子の利点の1つである薄型という特徴
が損なわれる。 (2)ケースを工作する工程およびケース内に封止用流
体を注入する工程等が必要であるため、大量生産には不
向きである。 (3)基板上に形成されている多数の有機EL素子を1
つのケースを用いて封止しようとする場合等のように、
大きなケースに大量の封止用液体を入れた場合には、外
界の温度上昇に伴う熱膨張によってケース内の封止用流
体の体積が増したときにケースを破壊してしまうおそれ
がある。
【0008】一方、密着タイプの封止方法によれば、封
止後においてもその厚さが薄く、かつ大量生産が比較的
容易な有機ELデバイス(封止された有機EL素子を発
光源として備えているもの)を容易に得ることができ、
また、高い封止効果を容易に得ることができる。密着タ
イプの封止方法としては、GeO等の無機化合物からな
る保護膜を封止対象の有機EL素子の外周に設けた後に
この上にガラス基板を固着する方法(特開平4−212
284号公報参照)や、封止対象の有機EL素子の外周
に直接またはSiO2 膜を介して光硬化性樹脂層を設
け、この光硬化性樹脂層を介してガラス基板を固着する
方法(特開平5−182759号公報参照)が知られて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
密着タイプの封止方法によって有機EL素子を封止して
得た有機ELデバイスには、1000時間程度連続駆動
させると有機EL素子の発光機能が失われるという難点
があった。
【0010】本発明の第1の目的は、密着タイプの封止
法により封止された有機EL素子を発光源として備えた
有機ELデバイスであって、有機EL素子の発光機能が
喪失しにくい有機ELデバイスを提供することにある。
【0011】また、本発明の第2の目的は、封止後に有
機EL素子の発光機能が喪失しにくい有機EL素子の封
止方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した発
光機能の喪失の原因について鋭意検討を加えた結果、こ
の発光機能の喪失は封止効果の低減に起因するものでは
なく、有機EL素子の接着剤層側の電極端部においてシ
ョートが発生することに起因していることを見いだし
た。この点をさらに詳しく説明する。
【0013】接着剤や光硬化性樹脂では硬化時に体積が
収縮することから残留応力が発生し、この残留応力は、
封止対象の有機EL素子と前記の接着剤や光硬化性樹脂
との間にGeOやSiO2 等の膜があったとしてもその
膜厚がμmオーダーと薄いと有機ELに伝わってしま
う。そして、残留応力は曲率半径の小さな部分で特に強
くなるので、有機EL素子に伝播した残留応力は当該素
子の端部等に集中する。この結果、素子の電極端部等が
押潰され、陽極と陰極とが接触してショートが発生す
る。本発明者らは上記の知見に基づきさらに検討を加え
た結果、本発明に到達した。
【0014】上記第1の目的を達成する本発明の有機E
Lデバイスは、基板上に設けられた有機EL素子と、こ
の有機EL素子を覆うようにして前記基板上に形成され
た接着剤層と、この接着剤層によって前記基板上に固着
された封止材とを備えた有機ELデバイスであって、前
記有機EL素子と前記接着剤層との間に前記有機EL素
子を覆う応力緩和層を有することを特徴とするものであ
る。
【0015】また、上記第2の目的を達成する本発明の
有機EL素子の封止方法は、基板上に設けられた有機E
L素子の背面にこの有機EL素子を覆うようにして接着
剤層を設け、この接着剤層によって前記基板上に封止材
を固着することにより前記有機EL素子を封止するにあ
たり、前記有機EL素子と前記接着剤層との間に前記有
機EL素子を覆う応力緩和層を設けることを特徴とする
ものである。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。先ず本発
明の有機ELデバイスについて説明すると、この有機E
Lデバイスは上述したように特定の箇所に応力緩和層を
有することを特徴とするものである。そこで、この応力
緩和層について先ず説明する。
【0017】上記の応力緩和層は、接着剤層の残留応力
が有機EL素子に伝播するのを抑制するためのものであ
る。したがって、この応力緩和層は水分や酸素が外部か
ら有機EL素子に侵入するのを防止する効果(以下、封
止効果という)を有していてもよいし有していなくても
よいが、封止効果を有して方がより好ましい。また、応
力緩和層はずれ応力の発生が小さい物質からなる層のみ
からなる単層構造の層、またはずれ応力の発生が小さい
物質からなる層を含む複数層構造の層であることが好ま
しい。応力緩和層を複数層構造とする場合には、ずれ応
力の発生が小さい物質からなる層を有機EL素子の外周
に形成する。
【0018】ここで、上記の「ずれ応力の発生が小さい
物質」とは、接着剤層が硬化等の要因により有機EL素
子の電極と平行な方向にずれたときに、そのずれを実質
的に伝えない性質を有する流体(気体,液体)、グリー
ス、ゲル等を意味する。
【0019】上記のずれ応力の発生が小さい物質のう
ち、流体としてはヘリウムガス,窒素ガス,アルゴンガ
ス等の気体や、クロロフルオロカーボン,パーフルオロ
ポリエーテル,パーフルオロアミン,パーフルオロアル
カン等のフッ素系液体、メチルハイドロジエンシリコー
ン,メチルクロロフェニルシリコーン,トリフルオロプ
ロピルメチルシリコーン等のシリコーン系液体、α−オ
レフィン(C5 〜C17のポリα−オレフィン),ポリブ
テン,アルキルベンゼン,ポリアルキレングリコール等
の炭化水素系液体等を挙げることができる。しかしなが
ら、これらの流体からなる応力緩和層を接着剤層形成用
の接着剤が当該応力緩和層内あるいは当該応力緩和層と
基板(有機EL素子を設けるための基板)との界面に進
入するのを防止しながら形成するには煩雑な工程を必要
とする。したがって、上記の「ずれ応力の発生が小さい
物質」として流体を使用する場合、この流体としては溶
剤に樹脂やゴム等を溶解させてなり、大気中10〜30
℃程度の温度条件下で溶剤の蒸発により造膜するコーテ
ィング液を用いることが好ましい。
【0020】上記のコーティング液を用いた場合には、
当該コーティング液からなる層中の溶剤を若干蒸発させ
ることにより層表面に固体層(被膜)を形成させること
ができ、かつ、前記の固体層よりも内側の部分について
は液体状態を維持させることが可能である。したがっ
て、例えば液体状態が維持される範囲内に有機EL素子
が位置するようにして上記のコーティング液からなる層
を形成した後、固体層の形成および接着剤層の形成を順
次行うことにより、目的とする応力緩和層を容易に形成
することができる。
【0021】なお、コーティング液は前記ずれ応力の発
生が小さい液体のなかでも室温下で容易に蒸発するもの
を溶剤としていることが好ましい。また、前記の固体層
は特に硬くなる必要は無いが、接着剤が浸透してしまう
ものは用をなさないので、コーティング液に溶けている
固体成分は固体層となったときに接着剤を実質的に通さ
ないものであることが好ましい。
【0022】上述したコーティング液の具体例としては
下記(1)〜(3)のものが挙げられる。 (1)サイトップCTX−105A(商品名;旭硝子
(株)製)、フロロバリヤー(商品名;(株)泰成商会
製)、フロリナートFC72(商品名;住友3M(株)
製)にテフロンAF(商品名;デュポン社製)を溶かし
たもの、前記のフッ素系液体を溶剤としこの液体のより
重合度が進んだものを溶質とするもの等のフッ素系コー
ティング液。 (2)前記のシリコーン系液体を溶剤としこの液体のよ
り重合度が進んだものを溶質とするもの等のシリコーン
系コーティング液。 (3)前記の炭化水素系液体を溶剤としこの液体のより
重合度が進んだものを溶質とするもの等の炭化水素系コ
ーティング液。
【0023】また、前述した「ずれ応力の発生が小さい
物質」としてはグリースやゲルも好適である。グリース
は基油、増ちょう剤、添加剤からなるが、基油に前記ず
れ応力の発生が小さい液体を用いているものが特に好ま
しい。増ちょう剤、添加剤としては、それが固体粒子で
ある場合はその粒径が小さい方が好ましい。前記の粒径
が大きすぎると有機EL素子を傷つけ、そこがショート
の原因になる。また、前記の粒径は少なくとも応力緩和
層の目的とする厚さよりも小さい必要がある。しかし、
前記の粒径があまりに小さいとちょう度がなくなり、グ
リースを用いる利点がなくなる。前記の粒径は100オ
ングストローム〜10μmが好ましい。増ちょう剤、添
加剤として固体粒子でないものを用いたグリースは、当
該グリースにより有機EL素子を傷つける心配がないの
で、一層好ましい。
【0024】上記のグリースの具体例としては、下記
(1)〜(3)のものが挙げられる。 (1)PTFEグリース(商品名;ニチアス(株)製)
等のフッ素系グリース。 (2)FS高真空用グリース(商品名;ダウコーニング
社製)等のシリコーン系グリース。 (3)アピエゾングリースN(商品名;アピエゾン社
製)等の炭化水素系グリース。
【0025】そして、前記のゲルの具体例としてはグリ
セリン、ゼラチン、ポリアクリルアミドゲル、アガロー
スゲル、メチルセルロースゲル等が挙げられる。本発明
で使用するゲルは流動性を有している必要がある。
【0026】応力緩和層を形成するにあたって前述した
コーティング液を使用する場合、応力緩和層の形成は前
述した方法により行ってもよいが、補助板を用いて次の
ように行ってもよい。まず、有機EL素子上にこの有機
EL素子を覆うに十分な量のコーティング液を滴下ない
し塗布してコーティング液の層を一旦形成する。次に、
前記の層の上に補助板を配置し、この補助板の重みによ
り、またはこの補助板に荷重をかけることにより前記の
層を一様に拡がらせる。前記の補助板としては平面視し
たときに有機EL素子を覆うに十分な大きさを有するも
のを使用し、この補助板は有機EL素子が形成されてい
る基板と実質的に対向する向きに設ける。また、コーテ
ィング液の量と補助板の重量ないし補助板に加える荷重
とは、有機EL素子と補助板との間にコーティング液の
層が形成されるように適宜調節する。次いで、適当時間
放置することによりコーティング液の層の外表面(外気
と接している面)、すなわち前記の層において基板表面
と平行な方向の表面に固体層(被膜)を形成させる。こ
のとき、有機EL素子の外周についてはコーティング液
が固化しないよう、放置時間を適宜調節する。これによ
り応力緩和層が一応得られるが、このままでは有機EL
素子の外周のコーティング液が短時間の内に固化してし
まうので、前記の補助板を覆うようにして接着剤層を形
成する。接着剤層を形成した後にはコーティング液中の
溶剤の揮散が抑止されるのでコーティング液の固化が抑
止され、その結果として有機EL素子の外周に存在する
コーティング液は液体状態を維持し続ける。これにより
目的とする応力緩和層が得られる。
【0027】また、前述したグリースを使用しての応力
緩和層の形成は、有機EL素子を覆うに十分な量のグリ
ースを有機EL素子上に滴下ないし塗布してグリース層
を形成することにより行うことができる。あるいは、前
述のようにしてグリース層を形成した後、このグリース
層の上に補助板を配置し、この補助板の重みにより、ま
たはこの補助板に荷重をかけることにより前記のグリー
ス層を一様に拡がらせることにより行うことができる。
また、補助板を用いずに、グリースをμmオーダーで塗
り付けることにより応力緩和層を形成することも可能で
あるが、μmオーダーで薄く塗り付けることは、有機E
L素子を傷つける可能性もあり、難しいといえる。そし
て、前述したゲルを使用しての応力緩和層の形成は、グ
リースを用いて応力緩和層を形成する場合と同様にして
行うことができる。
【0028】上述のようにして形成することができる応
力緩和層の厚さ(有機EL素子上での厚さ)は、概ね
0.1μm〜1cmの範囲内で適宜選択可能である。厚
さが0.1μm未満では所望の効果を得ることが困難で
ある。一方、厚さが1cmを超えると、薄型という有機
ELデバイスの利点が損なわれるばかりでなく、応力緩
和層の体積の増大によって熱膨張による体積増も大きく
なるので、使用時の温度変化等により破壊するおそれが
強くなる。応力緩和層の好ましい厚さは、0.01〜1
mmである。なお、ここでいう厚さは、応力緩和層が前
述したコーティング液を使用して形成したものである場
合には有機EL素子の外周に液体状態を維持したまま存
在しているコーティング液の層の厚さを意味する。
【0029】また、応力緩和層を形成するにあたって補
助板を用いる場合、この補助板は封止効果を有していて
もよいし有していなくてもよいが、封止効果を有してい
る方がより好ましい。補助板としてはガラス,セラミッ
クス,金属等の無機物や、フッ素系樹脂,アクリル系樹
脂,ポリカーボネート,ポリエステル,ポリアミド,ポ
リスチレン,ポリプロピレン,ポリオレフィン系樹脂等
の樹脂等でできた板状のものを用いることが好ましい。
補助板の大きさは、前述したように平面視したときに有
機EL素子を覆うに十分な大きさであることが好まし
い。また、補助板の厚さは概ね0.1μm〜3mmとす
ることが好ましい。厚さが0.1μm未満のものはその
生産コストが高く、また取り扱いにくいことから、望ま
しくない。一方、厚さが3mmを超えると薄型という有
機ELデバイスの利点が損なわれる。補助板の好ましい
厚さは0.01〜1mmである。
【0030】本発明の有機ELデバイスでは、基板上に
設けられた有機EL素子を覆うようにして上述した応力
緩和層が設けられており、この応力緩和層によって覆わ
れた有機EL素子を覆うようにして前記の基板上に接着
剤層が形成されている。この接着剤層は後述する封止材
を固着させるためのものであると同時に、前述した応力
緩和層が外気と触れるのを防止するためのものであり、
その側面は特別の部材を設けるか後述する封止材の形状
を特別なものとしない限りは外気と接する。したがっ
て、接着剤層は封止効果を有しているもの、すなわち透
水性や酸素透過性が低いものであることが特に好まし
い。このような接着剤層としては光硬化性接着剤、熱硬
化性接着剤、嫌気性接着剤等からなるものが好ましく、
具体例としてはベネフィックスVL((株)アーデル製
の光硬化性接着剤の商品名)、アクリルワン#4111
((株)マルトー製の光硬化性接着剤の商品名)、アロ
ンタイトUL(東亜合成化学工業(株)製の嫌気性接着
剤の商品名)、アレムコボンド570((株)オーデッ
ク製の熱硬化性接着剤の商品名)等が挙げられる。
【0031】接着剤層は、前述した応力緩和層の上(応
力緩和層を形成するにあたって補助板を用いた場合には
この補助板の上)およびこの応力緩和層を設けた側の基
板表面において前記の応力緩和層が設けられていない部
分の所望箇所に接着剤を滴下し、この上に後述する封止
材を配置し、封止材の重みにより、または封止材に荷重
をかけることにより前記の接着剤を一様に拡がらせた後
に当該接着剤を硬化させることにより形成することがで
きる。また、塗布法、スピンコート法、ディップ法等の
方法により未硬化の接着剤層を形成した後、この接着剤
層の上に後述する封止材を配置してから当該接着剤を硬
化させることによっても形成することができる。
【0032】接着剤層の最終的な厚さ(応力緩和層上で
の厚さ。応力緩和層を形成するにあたって補助板を用い
た場合にはこの補助板上での厚さ)は概ね0.1μm〜
1cmとすることが好ましい。厚さが0.1μm未満で
は、封止材を載せたときに当該封止材が未硬化状態の接
着剤の表面張力により浮き上がろうとする結果、未硬化
状態の接着剤の中やこの接着剤と封止材との界面に気泡
が入り易い。一方、厚さが1cmを超えると、薄型とい
う有機ELデバイスの利点が損なわれる。接着剤層の好
ましい厚さは0.001〜1mmである。接着剤層の形
成時においては、有機EL素子が応力緩和層によって被
覆されていることから、接着剤の硬化時の硬度や収縮率
に注意を払う必要が実質的にない。その結果として、応
力緩和層が無い場合よりも接着剤の選択の幅が広がる。
【0033】上述した接着剤層によって基板(有機EL
素子が設けられているもの)上に固着される封止材は、
外部から有機EL素子に水分や酸素が侵入を防止するた
めのものであるので、封止効果の高いもの、すなわち透
水性や酸素透過性の小さいものを用いることが好まし
い。封止材として用いることができる物質の具体例とし
てはガラス,セラミックス,金属等の無機物や、フッ素
系樹脂,アクリル系樹脂,ポリカーボネート,ポリエス
テル,ポリアミド,ポリスチレン,ポリプロピレン,ポ
リオレフィン系樹脂等の樹脂が挙げられる。
【0034】封止材の形状は、加工の手間が少なく経済
的であることから、板状であることが好ましい。また、
封止材の厚さは薄型の有機ELデバイスを得るうえから
は薄い方が望ましいが、あまりに薄いと外力等の衝撃に
対して弱くなるので、封止材の材質に応じて概ね0.1
μm〜1cmの範囲内で適宜選択することが好ましい。
厚さが0.1μm未満では外力等の衝撃に対して実用上
十分な耐性を有するものを得ることが困難である。一
方、厚さが1cmを超えると薄型の有機ELデバイスを
得ることが困難になる。封止材のより好ましい厚さは
0.01〜1mmである。
【0035】本発明の有機ELデバイスは、上述した応
力緩和層、接着剤層および封止材の他に、前記の応力緩
和層によって覆われた有機EL素子を必須構成要件とす
るものである。有機EL素子は基板上に設けられたもの
であればよく、その層構成は有機EL素子として機能す
るものであれば特に限定されるものではない。
【0036】基板側を光の取り出し面とするタイプの有
機EL素子の層構成の具体例としては、基板表面上の積
層順が下記(1)〜(4)のものが挙げられる。 (1)陽極/発光層/陰極 (2)陽極/発光層/電子注入層/陰極 (3)陽極/正孔注入層/発光層/陰極 (4)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
【0037】ここで、発光層は通常1種または複数種の
有機発光材料により形成されるが、有機発光材料と正孔
注入材料および/または電子注入材料との混合物により
形成される場合もある。また、前述した層構成の素子の
外周に当該素子を覆うようにして素子への水分の侵入を
防止するための保護層が設けられる場合もある。
【0038】基板側を光の取り出し面とする場合、前記
の基板は少なくとも有機EL素子からの発光(EL光)
に対して高い透過性(概ね80%以上)を与える物質か
らなり、具体的には透明ガラス、透明プラスチック、石
英等からなる板状物やシート状物、あるいはフィルム状
物が利用される。なお、本発明の有機ELデバイスでは
前述した封止材側を光の取り出し面とすることも可能で
ある。この場合には基板上の積層順を上述の順番と逆に
して有機EL素子を形成し、基板材料については有機E
L素子からの発光(EL光)の透過性を考慮する必要は
ない。代わりに、応力緩和層の材料、接着剤層の材料お
よび封止材の材料について有機EL素子からの発光(E
L光)に対して高い透過性(概ね80%以上)を与える
物質を使用する。
【0039】陽極、陰極、発光層、正孔注入層、電子注
入層、保護層の材料としては、それぞれ従来公知の材料
を用いることができる。例えば、陽極材料としては仕事
関数が大きい(例えば4eV以上)金属、合金、電気伝
導性化合物、またはこれらの混合物が好ましく用いられ
る。具体例としては金,ニッケル等の金属や、CuI,
ITO,SnO2 ,ZnO等の誘電性透明材料等が挙げ
られる。特に、生産性や制御性の点からITOが好まし
い。陽極の膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μ
mの範囲内で適宜選択可能である。
【0040】また、陰極材料としては仕事関数の小さい
(例えば4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、
またはこれらの混合物等が好ましく用いられる。具体例
としてはナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグ
ネシウム、リチウム、マグネシウムと銀との合金または
混合金属、アルミニウム、Al/AlO2 、インジウ
ム、イッテルビウム等の希土類金属等が挙げられる。陽
極の膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μmの範
囲内で適宜選択可能である。陽極および陰極のいずれに
おいても、そのシート抵抗は数百Ω/□以下が好まし
い。なお、陽極材料および陰極材料を選択する際に基準
とする仕事関数の大きさは4eVに限定されるものでは
ない。
【0041】発光層の材料(有機発光材料)は、有機E
L素子用の発光層、すなわち電界印加時に陽極または正
孔注入層から正孔を注入することができると共に陰極ま
たは電子注入層から電子を注入することができる注入機
能や、注入された電荷(電子と正孔の少なくとも一方)
を電界の力で移動させる輸送機能、電子と正孔の再結合
の場を提供してこれを発光につなげる発光機能等を有す
る層を形成することができるものであればよい。その具
体例としては、ベンゾチアゾール系,ベンゾイミダゾー
ル系,ベンゾオキサゾール系等の系の蛍光増白剤や、金
属キレート化オキシノイド化合物、スチリルベンゼン系
化合物、ジスチリルピラジン誘導体、ポリフェニル系化
合物、12−フタロペリノン、1,4−ジフェニル−
1,3−ブタジエン、1,1,4,4−テトラフェニル
−1,3−ブタジエン、ナフタルイミド誘導体、ペリレ
ン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導
体、ピラジリン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ピ
ロロピロール誘導体、スチリルアミン誘導体、クマリン
系化合物、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノ
ール誘導体の金属錯体等が挙げられる。発光層の厚さは
特に限定されるものではないが、通常は5nm〜5μm
の範囲内で適宜選択される。
【0042】正孔注入層の材料(正孔注入材料)は正孔
の注入性と電子の障壁性のいづれかを有しているもので
あればよい。その具体例としては、トリアゾール誘導
体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポ
リアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾ
ロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミ
ン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘
導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導
体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘
導体、ポリシラン系化合物、アニリン系共重合体、チオ
フェンオリゴマー等の導電性高分子オリゴマー、ポルフ
ィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルア
ミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物等が挙げら
れる。正孔注入層の厚さも特に限定されるものではない
が、通常は5nm〜5μmの範囲内で適宜選択される。
正孔注入層は上述した材料の1種または2種以上からな
る一層構造であってもよいし、同一組成または異種組成
の複数層からなる複数層構造であってもよい。
【0043】電子注入層は陰極から注入された電子を発
光層に伝達する機能を有していればよく、その材料(電
子注入材料)の具体例としては、ニトロ置換フルオレノ
ン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキ
ノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレン
ペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジ
イミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノ
ジメタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール
誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体、メタルフ
リーフタロシアニンやメタルフタロシアニンあるいはこ
れらの末端がアルキル基やスルホン基等で置換されてい
るもの、ジスチリルピラジン誘導体等が挙げられる。電
子注入層の厚さも特に限定されるものではないが、通常
は5nm〜5μmの範囲内で適宜選択される。電子注入
層は上述した材料の1種または2種以上からなる一層構
造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層
からなる複数層構造であってもよい。
【0044】そして、保護層の材料の具体例としては、
テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマー
とを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合
体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリイミド、ポリユリア、ポリテトラフルオロエ
チレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロ
ロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンと
ジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、吸水率1%
以上の吸水性物質および吸水率0.1%以下の防湿性物
質、In,Sn,Pb,Au,Cu,Ag,Al,T
i,Ni等の金属、MgO,SiO,SiO2 ,Al2
3 ,GeO,NiO,CaO,BaO,Fe2 3
2 3 ,TiO2 等の金属酸化物、MgF2 ,Li
F,AlF3 ,CaF2 等の金属フッ化物等が挙げられ
る。
【0045】また、有機EL素子を構成する各層(陽極
および陰極を含む)の形成方法についても特に限定され
るものではない。陽極、陰極、発光層、正孔注入層、電
子注入層の形成方法としては、例えば真空蒸着法、スピ
ンコート法、キャスト法、スパッタリング法、LB法等
を適用することができるが、発光層についてはスパッタ
リング法以外の方法(真空蒸着法、スピンコート法、キ
ャスト法、LB法等)を適用することが好ましい。発光
層は、特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで分
子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成
された薄膜や、溶液状態または液相状態の材料化合物か
ら固化され形成された膜のことであり、通常この分子堆
積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)と
は凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的
な相違により区分することができる。スピンコート法等
により発光層を形成する場合には、樹脂等の結着剤と材
料化合物とを溶剤に溶かすことによりコーティング溶液
を調製する。
【0046】また、保護層については真空蒸着法、スピ
ンコート法、スパッタリング法、キャスト法、MBE
(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、
イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起
イオンプレーティング法)、反応性スパッタリング法、
プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガ
スソースCVD法等を適用することができる。
【0047】各層の形成方法は、使用する材料に応じて
適宜変更可能である。有機EL素子を構成する各層の形
成にあたって真空蒸着法を用いれば、この真空蒸着法だ
けによって有機EL素子を形成することができるため、
設備の簡略化や生産時間の短縮を図るうえで有利であ
る。
【0048】なお、有機EL素子を構成する各層(保護
層を含む)の形状および大きさは必ずしも同一ではな
い。また、素子を平面視したときに、基板の直上に形成
された電極の上に他の全ての層が必ず納まっているとい
うわけでもない。一方、本発明でいう応力緩和層は接着
剤層の残留応力が有機EL素子に伝播して当該有機EL
素子にショートが生じるのを抑制するためのものであ
る。したがって、本発明でいう「有機EL素子を覆う応
力緩和層」とは、有機EL素子を平面視したときに陰極
と陽極とが重なる領域を少なくとも覆っている応力緩和
層を意味する。また、本明細書でいう「有機EL素子を
覆うに十分な量のコーティング液(グリース,ゲル)」
とは、「有機EL素子を平面視したときに陰極と陽極と
が重なる領域を少なくとも覆うに十分な量のコーティン
グ液(グリース,ゲル)」を意味する。そして、「平面
視したときに有機EL素子を覆うに十分な大きさを有す
る補助板」とは「平面視したときに、有機EL素子を平
面視したときに陰極と陽極とが重なる領域を少なくとも
覆うに十分な大きさを有する補助板」を意味する。
【0049】また、本発明の有機ELデバイスを構成す
る有機EL素子の数は1個であってもよいし複数個であ
ってもよい。複数個とする場合、各素子は層構成や発光
色から見た種類が同一であってもよいし異なっていても
よい。有機EL素子の数をいくつにするかは、目的とす
る有機ELデバイスの用途等に応じて適宜選択可能であ
る。基板上に複数個の有機EL素子が形成されている場
合、応力緩和層は有機EL素子毎に設けてもよいし、全
ての有機EL素子に共通するものを1つのみ設けてもよ
いし、全ての有機EL素子のうちの複数個に共通するも
のを複数設けてもよい。基板上に形成された複数個の有
機EL素子を覆うために複数の応力緩和層を設けるにあ
たって補助板を使用する場合についても同様であり、設
けようとする応力緩和層毎に補助板を使用してもよい
し、全ての応力緩和層に共通するものを1枚のみ設けて
もよいし、全ての応力緩和層のうちの複数個に共通する
ものを複数枚設けてもよい。接着剤層および封止材につ
いては、基板上に複数個の有機EL素子が形成されてい
る場合でも全ての有機EL素子に共通するものをそれぞ
れ1つのみ設けることが実用上好ましい。
【0050】本発明の有機ELデバイスは、上述した有
機EL素子と、この有機EL素子を覆うようにして基板
(有機EL素子が設けられているもの)上に形成された
前述の応力緩和層と、この応力緩和層を覆うようにして
前記の基板上に形成された前述の接着剤層と、この接着
剤層によって前記の基板上に固着された前述の封止材と
を備えたものである。この有機ELデバイスでは、有機
EL素子が応力緩和層によって覆われていることから、
接着剤層の残留応力が有機EL素子に伝播することが抑
制される。その結果として、接着剤層から伝播した残留
応力によって有機EL素子の端部等が押潰されてショー
トするということが防止されるので、有機EL素子の発
光機能が長期間に亘って喪失しにくい。
【0051】また、本発明の有機ELデバイスでは、従
来と同様に接着剤層の形成時に有機EL素子の表面と平
行な方向に力が働くが、有機EL素子が応力緩和層によ
って覆われていることから、前記の力が有機EL素子に
伝播することが抑制される。その結果として、前記の力
によって有機EL素子に電極剥離が発生するということ
が防止されるので、有機ELデバイスの製造過程や製造
後に有機EL素子の発光機能が喪失するということが起
きにくい。さらに、本発明の有機ELデバイスは有機E
L素子を密着タイプの封止方法により封止したものであ
るので、有機EL素子の封止効果が高く、デバイス自体
の厚さが薄く、かつ大量生産が比較的容易である。
【0052】このような特徴を有する本発明の有機EL
デバイスは、面光源、キャラクター表示装置、電飾用装
置、車載用インジケーター、複写機の除電用光源、プリ
ンタ用光源、光変調装置等として利用することができ
る。
【0053】次に、本発明の有機EL素子の封止方法に
ついて説明する。この方法は、前述したように、基板上
に設けられた有機EL素子の背面にこの有機EL素子を
覆うようにして接着剤層を設け、この接着剤層によって
前記基板上に封止材を固着することにより前記有機EL
素子を封止するにあたり、前記有機EL素子と前記接着
剤層との間に前記有機EL素子を覆う応力緩和層を設け
ることを特徴とするものである。
【0054】前記の応力緩和層は、接着剤層の残留応力
が有機EL素子に伝播するのを抑制するために設けるも
のであり、その材料および形成方法は前述した本発明の
有機ELデバイスの中で説明した通りである。また、こ
の応力緩和層によって覆われる有機EL素子、前記の応
力緩和層によって覆われた有機EL素子を覆うようにし
て設けられる接着剤層、および前記の接着剤層によって
基板(有機EL素子が設けられているもの)上に固着さ
れる封止の詳細についても、それぞれ前述した本発明の
有機ELデバイスの中で説明した通りである。
【0055】この方法により封止した有機EL素子で
は、当該有機EL素子が応力緩和層によって覆われてい
ることから、接着剤層の残留応力が有機EL素子に伝播
することが抑制される。その結果として、接着剤層から
伝播した残留応力によって有機EL素子の端部等が押潰
されてショートするということが防止されるので、発光
機能が長期間に亘って喪失しにくい有機EL素子(封止
されたもの(=有機ELデバイス))が得られる。
【0056】また、接着剤層の形成時には有機EL素子
の表面と平行な方向に力が働くが、有機EL素子が応力
緩和層によって覆われていることから、前記の力が有機
EL素子に伝播することが抑制される。その結果とし
て、前記の力によって有機EL素子に電極剥離が発生す
るということが防止されるので、封止の過程や封止後に
有機EL素子の発光機能が喪失するということが起きに
くい。さらに、本発明の方法は密着タイプの封止方法の
1つであるので、封止効果が高く、かつ厚さが薄い有機
EL素子(封止されたもの(=有機ELデバイス))を
大量生産することが比較的容易である。
【0057】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 (1)有機EL素子の作製 先ず、25mm×75mm×1.1mmの大きさのガラ
ス基板上に当該ガラス基板の長手方向に帯状に膜厚10
0nmのITO膜を成膜したもの(以下、これを透明支
持基板という)を用意し、この透明支持基板をイソプロ
ピルアルコールで30分間超音波洗浄した後、純水で3
0分間洗浄し、最後に再びイソプロピルアルコールで3
0分間超音波洗浄した。洗浄後の透明支持基板を市販の
真空蒸着装置(日本真空技術(株)製)の基板ホルダー
に固定し、モリブデン製抵抗加熱ボートにN,N′−ジ
フェニル−N,N′−ビス−(3−メチルフェニル)−
[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン(以
下、TPDという)を200mg入れ、別のモリブデン
製抵抗加熱ボートにトリス(8−キノリノール)アルミ
ニウム(以下、Alq3 という)を200mg入れて、
真空チャンバー内を1×10-4Paまで減圧した。
【0058】次に、TPDを入れた前記の抵抗加熱ボー
トを215〜220℃まで加熱し、TPDを蒸着速度
0.1〜0.3nm/秒でITO膜上に堆積させて、膜
厚60nmの正孔注入層を成膜した。このときの基板温
度は室温であった。次いで、正孔注入層が成膜された透
明支持基板を真空チャンバーから取出すことなく、正孔
注入層の成膜に引続いて発光層の成膜を行った。発光層
の成膜は、Alq3 を入れた前記の抵抗加熱ボートを2
75℃まで加熱し、Alq3 を蒸着速度0.1〜0.2
nm/秒で正孔注入層上に堆積させて、膜厚60nmの
Alq3 層を成膜することにより行った。このときの基
板温度も室温であった。次に、モリブデン製抵抗加熱ボ
ートにマグネシウム1gを入れ、別のモリブデン製抵抗
加熱ボートに銀500mgを入れて、真空チャンバー内
を2×10-4Paまで減圧した。そして、マグネシウム
を入れた前記の抵抗加熱ボートを500℃程度に加熱し
てマグネシウムを約1.7〜2.8nm/秒の蒸着速度
で蒸発させると共に、銀を入れた前記の抵抗加熱ボート
を800℃程度に加熱して銀を0.03〜0.08nm
/秒の蒸着速度で蒸発させて、マグネシウムと銀との混
合金属からなる膜厚150nmの陰極を発光層上に計3
個設けた。各陰極は平面視上の大きさが3mm×15m
mのものであり、これらは一定間隔でITO膜と直交す
る向きに設けられている。
【0059】この後、前記の陰極まで設けたガラス基板
を3つに切り、ガラス基板上の層構成が陽極(ITO
膜)/正孔注入層/発光層/陰極(Mg・Ag層)であ
る有機EL素子を計3つ得た。これらの有機EL素子の
発光面(平面視したときに陰極と陽極が重なり、これら
の電極の間に正孔注入層および発光層が存在している領
域)の大きさは3mm×5mmである。また、これらの
有機EL素子の初期輝度は電圧6.5V、電流密度3m
A/cm2 の条件下で100cd/m2 に達し、このとき
の電力変換効率は1.6lm/Wであった。
【0060】(2)応力緩和層および接着剤層の形成並
びに封止材の配設 先ず、応力緩和層の材料としてフッ素樹脂コーティング
液(旭硝子(株)製のサイトップCTX−105A)を
用意し、また、補助板として約10mm×10mm×
0.15mmの大きさのカバーガラス(以下、カバーガ
ラスIという)を用意した。次に、前記のフッ素樹脂コ
ーティング液5μlを上記(1)で作製した有機EL素
子上に滴下し、この上に前記のカバーガラスIを載せ
た。フッ素樹脂コーティング液の粘性の低さとカバーガ
ラスIの重みにより前記コーティング液は一様に広が
り、有機EL素子とカバーガラスIとの間には前記コー
ティング液の薄い膜(厚さ0.05mm)ができた。こ
のとき、コーティング液の一部はカバーガラスIによっ
て覆われる領域の外側に若干はみ出した。この状態で1
0分程放置することにより、フッ素樹脂コーティング液
からなる上記の薄い膜の外表面、すなわちガラス基板の
表面と平行な方向の表面に固体層(被膜)を形成させ
て、目的とする応力緩和層を一応得た。このとき、有機
EL素子に接している部分のフッ素樹脂コーティング液
は固化せずに液体状態を保っていた。
【0061】次に、接着剤として光硬化性接着剤
((株)アーデル製のベネフィックスVL)0.1ml
を上記のカバーガラスI上に滴下し、その上に封止材と
してのカバーガラス(大きさは約20mm×20mm×
0.15mm;以下、カバーガラスIIという)を載せ
た。光硬化性接着剤の粘性の低さとカバーガラスIIの重
みにより前記光硬化性接着剤は一様に広がり、上記の応
力緩和層およびカバーガラスIを完全に覆った。カバー
ガラスIIの載置に引き続き、ハロゲンランプの光を前記
のカバーガラスII上から光硬化性接着剤に照射して、当
該光硬化性接着剤を硬化させた。
【0062】これにより、上記の応力緩和層を覆うよう
にして光硬化性接着剤からなる厚さ0.1mm(カバー
ガラスI上での厚さ)の接着剤層が形成され、同時に前
記の接着剤層によって封止材としてのカバーガラスIIが
ガラス基板(有機EL素子が設けられているもの)上に
固着された。さらに、接着剤層を形成した後には上記の
応力緩和層中のフッ素樹脂コーティング液の溶剤の揮散
が抑止されるので、有機EL素子の外周に存在するフッ
素樹脂コーティング液は液体状態を維持し続け、その結
果として目的とする応力緩和層が最終的に形成された。
【0063】上述のようにして接着剤層の形成および封
止材の配設まで行ったことにより、目的とする有機EL
デバイスが得られた。以下、同様にして有機ELデバイ
スを作製し、計45個の有機ELデバイスを得た。本実
施例1で作製した有機ELデバイスの断面の概略図を図
1に、また上面図を図2に示す。
【0064】図1に示したように、この有機ELデバイ
ス1はガラス基板2の片面に形成された有機EL素子3
と、この有機EL素子3を覆うようにしてガラス基板2
上に形成された応力緩和層4と、この応力緩和層4を形
成するために用いたカバーガラスIからなる補助板5
と、この補助板5および前記応力緩和層4を覆うように
してガラス基板2上に形成された光硬化性接着剤からな
る接着剤層6と、この接着剤層6によってガラス基板2
上に固着されたカバーガラスIIからなる封止材7とを備
えたものである。応力緩和層4はフッ素樹脂コーティン
グ液を材料とするものであり、この応力緩和層4におい
てガラス基板2の表面と平行な方向の表面はその形成時
に溶剤が蒸発したことにより固化して固体層4aを形成
しており、有機EL素子3に接している部分のフッ素樹
脂コーティング液4bは固化せずに液体状態を保ってい
る。
【0065】また、有機EL素子3は、ガラス基板2上
に陽極としてのITO膜、正孔注入層としてのTPD
層、発光層としてのAlq3 層、および陰極としてのM
g・Ag混合層を順次積層したものである。これらのう
ちITO膜を符号3aで、またMg・Ag混合層を符号
3bで図1中および図2中にそれぞれ示す。図1および
図2に示したように、ITO膜3aはガラス基板2表面
に帯状に形成されており、Mg・Ag混合層3bはIT
O膜3aと直交する向きに設けられている。そして、I
TO膜3aとMg・In混合層3bとが平面視上重なっ
ている部分が、有機EL素子3の発光面に相当する。
【0066】実施例2 先ず、実施例1と同条件でガラス基板上に有機EL素子
を作製した。次に、応力緩和層の材料としてフッ素系グ
リース(ニチアス(株)製のPTFEグリース)を用
い、このフッ素系グリース約0.01mlを上記の有機
EL素子上に塗布した後、この上に補助板として約10
mm×10mm×0.15mmの大きさのカバーガラス
Iを載せた。次いで、前記のカバーガラスを上から軽く
押圧することにより前記のフッ素系グリースを一様に広
がらせて、有機EL素子とカバーガラスIとの間にフッ
素系グリースの薄い膜(厚さ0.1mm)を形成した。
これにより応力緩和層が得られた。この後、実施例1と
同条件で光硬化性接着剤からなる接着剤層(厚さ0.0
6mm)の形成とこの接着剤層による封止材(カバーガ
ラスII)の固着とを行って、目的とする有機ELデバイ
スを得た。以下、同様にして有機ELデバイスを作製
し、計55個の有機ELデバイスを得た。
【0067】実施例3 先ず、実施例1と同条件でガラス基板上に有機EL素子
を作製した。次に、前記の有機EL素子を構成する陰極
(Mg・Ag層)上に、保護層として膜厚0.2μmの
アルミニウム層を真空蒸着法により形成した。この後、
実施例1と同条件で、補助板(カバーガラスI)を用い
ての応力緩和層(厚さ0.05mm)の形成と、光硬化
性接着剤からなる接着剤層(厚さ0.1mm)の形成
と、この接着剤層による封止材(カバーガラスII)の固
着とを行って、目的とする有機ELデバイスを得た。以
下、同様にして有機ELデバイスを作製し、計45個の
有機ELデバイスを得た。
【0068】比較例1 応力緩和層を形成しなかった以外は実施例1と同様にし
て、計45個の有機ELデバイスを作製した。このと
き、補助板も使用しなかった。
【0069】比較例2 接着剤層の形成および接着剤層による封止材の固着を共
に行わなかった以外は実施例1と同様にして、計45個
の有機ELデバイスを作製した。
【0070】比較例3 先ず、25mm×75mm×1.1mmの大きさのガラ
ス基板の片面の短手方向の両方の端部にそれぞれ10m
m×75mm×100nmのITO膜が成膜されたもの
を透明支持基板として用い、この透明支持基板を実施例
1と同条件で洗浄した後にマスク自動交換機構を備えた
真空蒸着装置の基板ホルダーに装着した。次に、上記の
ITO膜の一方にマスクをかけ、この状態で実施例1と
同条件で正孔注入層および発光層をそれぞれ成膜した。
次いで、蒸着装置に付いているマスク自動交換機構を用
いて上記のマスクを外した後、前記機構でもって一方の
ITO膜(前記のマスクをかけていた方のITO膜)の
長手方向の両方の外側縁部にそれぞれ幅5mmに亘って
マスクをかけた。
【0071】次に、マグネシウム1gを予め入れておい
たモリブデン製抵抗加熱ボートと銀500mgを予め入
れておいたモリブデン製抵抗加熱ボートとをそれぞれ加
熱し、マグネシウムを約1.5nm/秒の蒸着速度で蒸
着させ、同時に銀を約0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着
させて、マグネシウムと銀との混合金属からなる膜厚1
50nmの陰極を発光層上に成膜した。陰極まで成膜し
たことにより、上記のガラス基板上には有機EL素子が
形成された。
【0072】この後、上記の真空蒸着装置をそのまま用
いて、正孔注入層、発光層および陰極の成膜から続く一
連の真空環境下で以下の要領で保護層を成膜した。先
ず、蒸発源としてテトラフルオロエチレンとパーフルオ
ロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールとの無定
形共重合体粉末(デュポン社製のテフロンAF)1.5
gを収容したアルミナ製坩堝をタングステン製バスケッ
トに予め入れておき、このタングステン製バスケットの
上方(アルミナ製坩堝の上)に12μmφのステンレス
製メッシュをかぶせた。次いで、真空チャンバー内を1
×10-4Paまで減圧した後、前記のタングステン製バ
スケットに通電加熱して前記の蒸発源を455℃に加熱
して、有機EL素子を構成する上記の陰極上に蒸着速度
0.5nm/秒で膜厚800nmの保護層(テフロンA
F薄膜)を成膜した。
【0073】この後、保護層まで成膜した有機EL素子
を真空チャンバーから取り出し、この有機EL素子につ
いて以下の要領でケーシングタイプの封止を行って、有
機ELデバイスを得た。まず、正孔注入層の成膜にあた
ってマスクをかけなかった方のITO膜の長手方向の両
方の外側縁部について、それぞれ幅5mmに亘ってこの
ITO膜上に設けられている正孔注入層、発光層、陰極
および保護層を切除した。またガラス基板の短手方向の
両方の縁部についても、その厚さが実質的にガラス基板
の厚さとITO膜の厚さとの和になるように、それぞれ
幅5mmに亘って正孔注入層、発光層、陰極および保護
層を切除した。
【0074】次いで、18mm×73mm×2mmの凹
部と、この凹部の底に設けられた直径2mmの貫通孔
(以下、注入口という)とを有するガラス板(外寸:2
0mm×75mm×3mm、以下シールドガラスとい
う)を用意し、このシールドガラスと保護層まで成膜し
た有機EL素子とをエポキシ系接着剤(セメダイン社製
のセメダインスーパー5)により貼り合わせた。エポキ
シ系接着剤は、主剤と硬化剤とを混ぜ合わせてヘラで2
0回かき混ぜてから、上記保護層まで成膜した有機EL
素子の縁部に幅1mmでほぼ20×75mmの長方形に
塗布した。またシールドガラスと上記保護層まで成膜し
た有機EL素子とは、陰極および保護層がシールドガラ
スの凹部内に収まるようにして貼り合わせた。貼り合わ
せ後、大気中に10時間放置してエポキシ系接着剤を硬
化させた。
【0075】次いで、シールドガラスに設けられている
注入口から、吸湿用のシリカゲル(粒径50μm)を8
体積%分散させたシリコーンオイル((株)東芝製のT
SK451、以下封止用液体という)を注入して、シー
ルドガラスの凹部と上記保護層まで成膜した有機EL素
子とにより形成された空間内を封止用液体で満たした。
この後、注入口をガラス製の蓋で封鎖して、ケーシング
タイプの封止が施された有機ELデバイスを得た。な
お、ガラス製の蓋は、上述したエポキシ系接着剤により
シールドガラスに接着させた。以下、同様にして有機E
Lデバイスを作製し、計45個の有機ELデバイスを得
た。
【0076】歩留りの評価 実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例3でそれぞ
れ作製した有機ELデバイスについて、デバイス作製直
後から初期輝度が100cd/m2 となる直流定電流で有
機EL素子を連続駆動し、連続駆動開始直後、1週間
後、1箇月(31日間)後および1000時間後のそれ
ぞれの時点で、ショートにより発光機能を喪失した有機
EL素子の数を数えた。なお、輝度の測定は輝度計(ミ
ノルタ社製のCS−100)を用いて大気中で行った。
この結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】表1に示したように、実施例1〜実施例3
でそれぞれ作製した有機ELデバイスではショートによ
り発光機能を喪失した有機EL素子の数が少ない。この
ことから、信頼性の高い有機ELデバイスが高い歩留ま
りの下に作製されたことがわかる。これに対し、応力緩
和層を設けなかった比較例1では連続駆動開始直後の時
点で殆どの有機EL素子がショートにより発光機能を喪
失しており、1週間後には全ての有機EL素子がショー
トにより発光機能を喪失していた。このことから、応力
緩和層は有機EL素子がショートによってその発光機能
を喪失するのを防止するうえで有用であることがわか
る。
【0079】また、比較例2で作製した有機ELデバイ
スでは、連続駆動開始直後の時点ではショートによって
発光機能を喪失した有機EL素子の数が少ないが、10
00時間後には全ての素子がショートにより発光機能を
喪失していた。そして、比較例3で作製した有機ELデ
バイスでは、全ての調査時点で、ショートによって発光
機能を喪失した有機EL素子の数が実施例1〜実施例3
と同等かそれ以下である。したがって、比較例3では有
機EL素子がショートによってその発光機能を喪失する
か否かという観点からみた信頼性が高い有機ELデバイ
スが高い歩留まりの下に作製されたということができ、
この点で比較例3の有機ELデバイスは優れたものであ
る。しかしながら、後述する封止効果や製造の難易、有
機ELデバイスの厚さ等をも考慮すると、実施例1〜実
施例3の有機ELデバイスの方が優れているといえる。
【0080】封止効果の評価 有機EL素子に見られるダークスポットと呼ばれる丸い
形の無発光領域は、有機EL素子に水分や酸素が侵入す
ることにより拡大していく。したがって、任意のダーク
スポットについてその大きさの経時変化を調べること
は、封止効果を評価するための指標として好適である。
このような観点から、上述した歩留りの評価のための連
続駆動開始直後、1日後、1週間後、1箇月(31日
間)後および1000時間後の各時点で各有機ELデバ
イスを写真撮影し、1000時間後の時点で発光機能を
喪失していなかった有機ELデバイスの中から任意に1
つのデバイスを選択し、その有機ELデバイスを構成す
る有機EL素子中の任意のダークスポットに着目して各
時点での直径を前記の写真から求めた。この結果を表2
に示す。なお、比較例1で作製した有機ELデバイスに
ついては1週間後の時点で全ての有機EL素子がショー
トにより発光機能を喪失していたので、1日後の時点で
発光機能を喪失していなかった有機ELデバイスの中か
ら任意に1つのデバイスを選択した。また、比較例2で
作製した有機ELデバイスについては1000時間後の
時点で全ての有機EL素子がショートにより発光機能を
喪失していたので、1箇月後の時点で発光機能を喪失し
ていなかった有機ELデバイスの中から任意に1つのデ
バイスを選択した。
【0081】
【表2】
【0082】表2に示したように、実施例1〜実施例3
でそれぞれ作製した有機ELデバイスでは1000時間
連続駆動した後でもダークスポットはそれ程拡大してい
ない。このことから、実施例1〜実施例3の各有機EL
デバイスでは有機EL素子に対して高い封止効果が得ら
れていることがわかる。◎一方、比較例1の有機ELデ
バイスではショートにより発光機能を喪失する有機EL
素子が相次いだため、封止効果を評価するに十分なデー
タを得ることができなかった。また、比較例2の有機E
Lデバイスではダークスポットの成長が極めて速く、有
機EL素子に対する封止が不十分であることがわかる。
そして、比較例3の有機ELデバイスではダークスポッ
トの成長がやや速く、有機EL素子に対する封止効果は
実施例1〜実施例3のもよりも低いことがわかる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有機EL
デバイスは有機EL素子を密着タイプの封止法により封
止したものでありながら有機EL素子の発光機能が喪失
しにくい有機ELデバイスである。また、本発明の方法
により封止した有機EL素子では封止後に有機EL素子
の発光機能が喪失することが起きにくい。したがって、
本発明によれば比較的簡単な製造工程で、薄型で長期間
に亘って安定な有機ELデバイスを高い歩留まりの下に
提供することが可能になる。
【0084】
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】実施例1で作製した有機ELデバイスの断面を
示す概略図である。
【0086】
【図2】実施例1で作製した有機ELデバイスの上面を
示す概略図である。
【0087】
【符号の説明】
1 有機ELデバイス 2 ガラス基板 3 有機EL素子 4 応力緩和層 5 補助板 6 接着剤層 7 封止材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に設けられた有機EL素子と、こ
    の有機EL素子を覆うようにして前記基板上に形成され
    た接着剤層と、この接着剤層によって前記基板上に固着
    された封止材とを備えた有機ELデバイスにおいて、 前記有機EL素子と前記接着剤層との間に前記有機EL
    素子を覆う応力緩和層を有することを特徴とする有機E
    Lデバイス。
  2. 【請求項2】 応力緩和層がずれ応力の発生が小さい物
    質からなる層を含み、この層が有機EL素子の外周に形
    成されている、請求項1に記載の有機ELデバイス。
  3. 【請求項3】 ずれ応力の発生が小さい物質が、フッ素
    系、シリコーン系または炭化水素系の液体、グリースま
    たはゲルからなる、請求項2に記載の有機ELデバイ
    ス。
  4. 【請求項4】 応力緩和層が、有機EL素子の外周に形
    成された液体層と、この液体層の外周に形成された固体
    層とを有し、かつ、前記固体層が前記液体層を形成して
    いる液と同一組成の液の固化物からなる、請求項1〜請
    求項3のいずれか1項に記載の有機ELデバイス。
  5. 【請求項5】 応力緩和層と接着剤層との間に、背面か
    ら平面視したときに有機EL素子を覆う補助板が基板と
    実質的に対向する向きに設けられている、請求項1〜請
    求項4のいずれか1項に記載の有機ELデバイス。
  6. 【請求項6】 応力緩和層が、有機EL素子の発光面の
    外周に形成された液体層と、この液体層において基板表
    面と平行な方向の外周に形成された固体層とを有し、か
    つ、前記固体層が前記液体層を形成している液と同一組
    成の液の固化物からなる、請求項5に記載の有機ELデ
    バイス。
  7. 【請求項7】 基板上に設けられた有機EL素子の背面
    にこの有機EL素子を覆うようにして接着剤層を設け、
    この接着剤層によって前記基板上に封止材を固着するこ
    とにより前記有機EL素子を封止するにあたり、前記有
    機EL素子と前記接着剤層との間に前記有機EL素子を
    覆う応力緩和層を設けることを特徴とする有機EL素子
    の封止方法。
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