JPH08122437A - 距離測定装置 - Google Patents
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- JPH08122437A JPH08122437A JP7159216A JP15921695A JPH08122437A JP H08122437 A JPH08122437 A JP H08122437A JP 7159216 A JP7159216 A JP 7159216A JP 15921695 A JP15921695 A JP 15921695A JP H08122437 A JPH08122437 A JP H08122437A
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Abstract
反射波を検知することによって、霧等からの反射波を検
知した場合でも、目標物からの信号が存在するときには
距離計測可能とする。 【構成】 1発のレーザ光Hに対して複数の反射波を検
出し、各反射波に対応する時間差を計測して距離を測定
可能であり、手前側に霧、その向こう側に目標物がある
場合でも各反射波による距離を算出できる。そして、算
出した距離データが霧等によるものなのか目標物による
ものなのかの判断のために霧等の物理的性質を考慮して
いる。霧等の場合に空気中を浮遊する粒子によって散乱
反射されて発生する反射波に対応する距離範囲を予め記
憶しており、スキャンしている全エリアに対して略同一
の近距離データが有る場合(S135:YES)や、第一データが
散乱光データよりも所定回数n回連続して小さければ(S
170:YES)、雪・霧の状態であると判定している。
Description
続的に放射して反射物体による反射波を検出し、送信波
を放射した時間と反射波を検出した時間との時間差に基
づいて、反射物体までの距離を算出する距離測定装置に
関する。
ルス状の送信波を断続的に放射して反射物体により反射
された反射波を検出し、その送信波を放射した時間と、
反射波を検出した時間との時間差に基づいて反射物体ま
での距離を算出する距離測定装置として、特開昭59−
142488号、特開昭60−201276号、特開昭
62−15480号等が知られている。
号の受信感度を、光信号の送光時に所定レベルの低感度
とし、以後経時的に増大させるようにしたもので、いわ
ゆるSTC(Sensitivity Time Control)を採用した
ものである。霧や降雪状況の中を車両が走行する場合に
は、霧や雪の粒子によって散乱反射された光が受光され
る。霧等の反射率は車体等と比較するとかなり小さいの
であるが、至近距離から反射されるため、その受光強度
自体は大きい(反射光の強度は距離の4乗に反比例す
る)。したがって、そのままでは霧からの反射光に基づ
いて距離を算出してしまうため、それを防ぐために近距
離では受信感度を小さくしようとするものである。
気中に浮遊する粒子に光を出力したときのその粒子まで
の距離に対する反射光の受光強度範囲を予め記憶してお
き、受光信号レベルがその受光強度範囲内にあるときに
は距離の出力をしないというものである。具体的には、
受光強度<20P(Pは最短検出限界強度)であり、か
つ距離L<20mの場合には、霧からの反射信号とみな
すのである。
霧検出装置であり、車両の走行速度が所定値以上を示
し、距離データが所定値の状態を所定時間以上継続して
出力した場合には、霧が発生していると判断するもので
ある。これは、以下の視点に基づくものである。すなわ
ち、例えば先行車両が所定速度以上で走行している場合
や障害物が停止物(停止車両も含まれる)である場合に
は、その対象物までの距離データはすぐに変化し、ま
た、先行車両が本装置を搭載した車両と同様な速度で走
行している場合であっても、両者の車間距離は絶えず変
化しており、所定時間以上一定を示すことはないと考え
られる。一方、検出領域に霧が発生している場合には、
本装置を搭載した車両の走行速度には関係なく、距離デ
ータは一定となると考えられる。
た従来技術には以下のような問題点がある。 低反射物体と霧等とを区別することができず、近距離
での低反射物体を見落としてしまう。
標物を見落としてしまう。 上述した特開昭59−142488号や特開昭60−2
01276号は、「近距離で発生し」かつ「反射率が小
さい」という霧等の特性に注目して、反射光信号の受信
感度を光信号の送光時に所定レベルの低感度とし、以後
経時的に増大させるようにしたり、受光信号レベルが所
定の受光強度範囲内にあるときには距離の出力をしない
というものである。そのため、低反射物体が近距離にあ
る場合には霧と区別ができず、見落としてしまう可能性
が高い。
には反射率が高いのであるが、例えば黒っぽい服を着た
人や、汚れた車・黒っぽい車あるいはトラックの荷台の
下方部分等は低反射物体となる。トラックの荷台の下方
部分が低反射物体となることについて補足する。通常の
乗用車のリフレクタやボディ等で反射するように送信波
を放射するため、車高が高いトラック等では荷台の下辺
りで反射し、低反射物体として作用する場合があること
に起因するのである。
霧検出装置では、霧の特性として、装置を搭載した車両
の走行速度には関係なく距離データは一定となることを
さらに考慮することで、霧の発生を区別することは可能
である。しかし、基本的に一つの目標物しか検知できな
いため、霧を検出してしまうと、それよりも遠方にあ
る、本来距離を測定すべき目標物を見落としてしまうの
である。
数の反射物体からの反射波を検知することによって、雪
・霧等からの反射波を検知した場合でも、目標物からの
信号が存在するときには距離計測可能な距離測定装置を
提供することを目的とする。
なされた請求項1に記載の発明は、パルス状の送信波を
断続的に放射して反射物体による反射波を検出し、上記
送信波を放射した時間と、上記反射波を検出した時間と
の時間差を計測する時間差計測手段と、該時間差計測手
段によって計測された上記時間差に基づいて、上記反射
物体までの距離を算出する距離算出手段とを備えた距離
測定装置において、上記時間差計測手段が、放射された
一つの送信波に対して複数の反射波を検出し、各反射波
に対応する時間差を計測可能に構成されると共に、雪、
霧、雨等の気象条件の場合に空気中を浮遊する粒子が上
記送信波を散乱反射することによって発生する反射波に
対応する上記時間差の範囲を予め記憶しておく記憶手段
を備え、上記距離計測手段が、上記時間差計測手段によ
って計測された時間差と、上記記憶手段に記憶された散
乱反射の場合の時間差範囲データとに基づいて、上記反
射物体までの距離を算出することを特徴とする距離測定
装置である。
載される請求項1に記載の距離測定装置において、上記
車両が走行中であるか否かを判定する走行判定手段を備
え、上記距離計測手段が、上記時間差計測手段によって
計測された時間差及び記記憶手段に記憶された散乱反射
の場合の時間差範囲データに加え、さらに上記車両が走
行中であるか否かの判定結果に基づいて、上記反射物体
までの距離を算出することを特徴とする距離測定装置で
ある。
に記載の距離測定装置において、上記車両が走行中であ
り、上記時間差計測手段によって計測された時間差が、
上記記憶手段に記憶された散乱反射の場合の時間差範囲
内に所定回数以上連続で入った場合には、その時間差は
霧等からの散乱反射によるものであると判断し、それ以
外の時間差データに基づいて、上記反射物体までの距離
を算出することを特徴とする距離測定装置である。
載される請求項1に記載の距離測定装置において、上記
時間差計測手段は、車幅方向の所定角度範囲に上記送信
波をスキャン放射し、上記時間差をスキャン角度に対応
して検出可能に構成されると共に、一つの送信波に対し
て複数の反射波が検出され、各反射波に対応する時間差
が上記時間差計測手段によって計測された場合、その複
数の時間差データの内で最短の時間差データが、上記多
くのスキャン角度において略同一であるか否かを判断す
る判断手段を備え、該判断手段により、多くのスキャン
角度において略同一の最短時間差データがあると判断さ
れた場合には、上記距離計測手段が、上記複数の時間差
データの内の上記最短時間差データの次に長い時間差デ
ータに基づいて、上記反射物体までの距離を算出するこ
とを特徴とする距離測定装置である。
載される請求項1に記載の距離測定装置において、上記
時間差計測手段は、車幅方向の所定角度範囲に上記送信
波をスキャン放射し、上記時間差をスキャン角度に対応
して検出可能に構成されると共に、一つの送信波に対し
て複数の反射波が検出され、各反射波に対応する時間差
が上記時間差計測手段によって計測された場合、その複
数の時間差データの内で最短の時間差データが、上記多
くのスキャン角度において、上記記憶手段に記憶された
散乱反射の場合の時間差範囲内であるか否かを判断する
判断手段を備え、該判断手段により、多くのスキャン角
度において前記最短の時間差データが前記散乱反射の場
合の時間差範囲内である場合には、上記距離計測手段
が、上記複数の時間差データの内の上記最短時間差デー
タの次に長い時間差データに基づいて、上記反射物体ま
での距離を算出することを特徴とする距離測定装置であ
る。
が、パルス状の送信波を断続的に放射し、放射された一
つの送信波に対して複数の反射波を検出し、各反射波に
対応する時間差を計測可能である。そのため、例えば手
前側に霧があり、その向こう側に本来距離を測定したい
目標物がある場合であっても、手前側の霧からの反射波
による時間差を計測し、かつ遠方にある本来距離を測定
すべき目標物からの反射波による時間差も見落とすこと
なく計測できる。そして、距離算出手段が、時間差計測
手段によって計測された時間差に基づいて反射物体まで
の距離を算出する。但し、単に複数の時間差データを計
測できるだけでは、霧等によるものなのか、本来測定し
た目標物なのかが判断できないので、本発明では、その
距離算出にも特徴がある。
象条件の場合に空気中を浮遊する粒子が送信波を散乱反
射することによって発生する反射波に対応する時間差の
範囲を予め記憶しており、上記距離計測手段が、時間差
計測手段によって計測された時間差と、記憶手段に記憶
された散乱反射の場合の時間差範囲データとに基づい
て、反射物体までの距離を算出するのである。
や降雪状態の中を車両が走行する場合であって、前方に
先行車両や障害物がある状況では、上記時間差計測手段
が、霧や雪の粒子に散乱反射されて発生する反射波に対
応する時間差と、その先に存在する先行車両に反射され
て発生する反射波に対応する時間差の2つの時間差を計
測する。
射波は近距離において高頻度に発生する。したがって、
上述のように2つの時間差が計測された場合には、短い
方の時間差が霧や雪の散乱反射によるものであり、長い
方の時間差が先行車両等からの反射波によるものとな
る。このように、同一の放射波に対する複数の反射物体
からの反射波を検知することによって、霧等からの反射
波を検知した場合でも、目標物からの信号が存在すると
きには距離計測可能である。
段によって車両が走行中であるか否かを判定し、上記距
離計測手段における距離計測において、その判定結果を
加味するとさらに目標物までの正確な距離測定ができ
る。例えば、低反射物体が近距離にある場合には、「近
距離で発生し」かつ「反射率が小さい」という特性の霧
等と同じであり、低反射物体からの反射光なのか霧等か
らの散乱反射光なのかは区別できないが、これに走行中
であることを加味すると以下のように区別ができるよう
になる。
走行している場合や障害物が不動のもの(停止車両も含
まれる)である場合には、その対象物までの時間差デー
タはすぐに変化し、また、先行車両が自車両と同様な速
度で走行している場合であっても、全く同じ速度が続く
ことはまれであり、両者の車間距離は絶えず変化してお
り、所定時間以上一定を示すことはないと考えられる。
には、自車両の走行速度には関係なく、その霧等による
距離データは至近距離で一定となると考えられるため、
霧等であると判断することができる。したがって、例え
ば請求項3のように、車両が走行中であり、計測された
時間差が散乱反射の場合の時間差範囲内に所定回数以上
連続で入った場合には、その時間差は霧等からの散乱反
射によるものであると判断し、それ以外の時間差データ
に基づいて反射物体までの距離を算出すれば、必要な距
離データを得ることができるのである。
が、車幅方向の所定角度範囲に送信波をスキャン放射
し、時間差をスキャン角度に対応して検出可能にされた
ものでは、以下のようにできる。つまり、一つの送信波
に対して複数の反射波が検出され、各反射波に対応する
時間差が計測された場合、判断手段が、その複数の時間
差データの内で最短の時間差データが多くのスキャン角
度において略同一であるか否かを判断し、多くのスキャ
ン角度において略同一の最短時間差データがある場合に
は、距離計測手段が、複数の時間差データの内の最短時
間差データの次に長い時間差データに基づいて反射物体
までの距離を算出する。
のスキャン角度についてのみ略同一の時間差データとな
り、多くのスキャン角度において略同一の時間差データ
となることはほとんどないと考えられるが、霧等の場合
には、その性質上ほぼスキャン領域全体にわたって霧が
存在する状態となることが考えられる。そのため、多く
のスキャン角度において略同一の最短時間差データがあ
る場合にはそれは霧等によるものであると考えて採用せ
ず、最短時間差データの次に長い時間差データに基づい
て反射物体までの距離を算出することで、本来距離を測
定すべき目標物だけを的確に区別してその距離測定を行
えるである。
において略同一であるか否かを判断しているが、これは
検出誤差等を考慮したものである。センサ等で検出した
生のデータに基づいて所定のデータ処理を行なう場合に
は一般的であるので、特に詳しい説明はしない。
請求項4と同様に、車幅方向の所定角度範囲に送信波を
スキャン放射し、時間差をスキャン角度に対応して検出
可能にされたものであるが、一つの送信波に対して複数
の反射波が検出され、各反射波に対応する時間差が計測
された場合に、本請求項5における判断手段は、以下の
ように判断する。つまり、その複数の時間差データの内
で最短の時間差データが、多くのスキャン角度におい
て、記憶手段に記憶された散乱反射の場合の時間差範囲
内であるか否かを判断するのである。そして、その判断
手段によって、多くのスキャン角度において散乱反射の
場合の時間差範囲内である場合には、距離計測手段が、
複数の時間差データの内の、最短時間差データの次に長
い時間差データに基づいて反射物体までの距離を算出す
る。
ものである。雪・霧・雨等の気象条件での空気中を浮遊
する粒子で散乱反射されることによって発生する反射波
に対応する時間差データは、それら浮遊粒子によるいわ
ゆる光幕現象が主な原因であるので、原理的には略同一
の時間差データが得られるはずである。しかしながら実
際には、送信波をスキャン放射した所定角度範囲内にお
いて上記浮遊粒子の密度が異なる場合も考えられる。特
に霧の場合には、局所的に濃い霧が発生していることも
可能性としては十分に考えられる。そして、このような
浮遊粒子の密度の違いは送信波に対する透過率の違いに
反映されてくる。
の検出信号レベルが大きくなり、そのピーク値も大きい
ものとなる。逆に透過率が大きいと、結果として反射波
の検出信号レベルが小さくなり、そのピーク値も小さい
ものとなる。図8(A)には、この検出信号の概略イメ
ージの一例として、透過率が異なる場合の3本の検出信
号曲線L1〜L3を示してある。この図8(A)に示す
ように、所定の検知限界を超えた時点で検出信号を有効
とするので、3本の検出信号曲線L1〜L3は、それぞ
れ検知限界を超える時刻が異なってしまう。曲線L1,
L2,L3が検知限界を超えた時刻をそれぞれt1,t
2,t3とすると、これらの時間差に対応する距離が測
定誤差として生じてしまうのである。例えば、時刻t1
と時刻t3との時間差を距離に換算すると5〜6mにも
なる場合がある。つまり、雪や霧等自体は存在するので
あるが、それらの濃さ(浮遊粒子の密度)が部分的に異
なることで、略同一の時間差データとして検出されない
ことも考えられるのである。
なる時間差データが計測された場合であっても、それら
が多くのスキャン角度において散乱反射の場合の時間差
範囲内である場合には、やはり雪や霧等が存在している
と判断して該当する時間差データは採用せず、最短時間
差データの次に長い時間差データに基づいて反射物体ま
での距離を算出することで、本来距離を測定すべき目標
物だけを的確に区別してその距離測定を行えるである。
では、図8(A)に示すように、3本の検出信号曲線L
1〜L3が検知限界を超える各時刻t1,t2,t3が
異なり、さらにこれらの時間差に対応する距離が無視で
きない程度の大きさ(例えば5,6mといった距離)に
なることを前提として説明した。しかし、反射波を検出
して信号化する構成部分において、検出信号の立ち上が
りが急峻になるような機能を持つようにすれば、図8
(B)に示すように、上述した透過率が異なる検出信号
曲線L1〜L3が検知限界を超える各時刻t1,t2,
t3による時間差が短くなり、略同一の時間差データと
みなしても構わない程度にすることも可能である。そし
て、生じる時間差が、時間差計測手段における時間分解
能よりも小さくすることができれば、原理的には透過率
の違いによる誤差はなくなる。
構成部分を、透過率の違いによる時間差が短く略同一の
時間差データとみなせたり、あるいは誤差が生じないよ
うに構成した場合には、請求項4に示したように、多く
のスキャン角度において略同一の最短時間差データがあ
る場合にはそれは霧等によるものであると考えて採用し
ないという制御で、スキャン放射した所定角度範囲内に
おいて上記浮遊粒子の密度が異なり送信波に対する透過
率が異なっている場合にも対応可能である。
れた目標物までの距離データを利用すれば、例えば障害
物警報や追突防止、あるいは先行車両と所定の車間距離
を保って追従走行する制御等、種々の車両走行制御を行
なう際に好ましい。
る。図1は、実施例の距離測定装置1を表す概略構成図
である。なお、本実施例の距離測定装置1は、自動車に
搭載されて前方の障害物(反射物体)等を検出するため
のものである。
部33とを主要部として次のように構成されている。図
1に示すように、送受信部31は、パルス状のレーザ光
Hを、スキャンミラー35および発光レンズ37を介し
て放射する半導体レーザダイオード(以下、単にレーザ
ダイオードと記載)39と、図示しない障害物に反射さ
れたレーザ光Hを受光レンズ41を介して受光し、その
強度に対応する電圧を出力する受光素子43とを備えて
いる。
して演算部33に接続され、演算部33からの駆動信号
によりレーザ光Hを放射(発光)する。また、スキャン
ミラー35にはミラー47が鉛直軸を中心に揺動可能に
設けられ、演算部33からの駆動信号がモータ駆動部4
9を介して入力されると、このミラー47は図示しない
モータの駆動力により揺動する。すると、レーザ光Hは
車両の前方において、水平面内の所定角度に渡り掃引照
射される。
(Sensitivity Time Control)回路51を介して所定
レベルに増幅された後、可変利得アンプ53に入力され
る。STC回路51について補足説明しておく。受信信
号強度は目標物までの距離の4乗に反比例するため、近
距離にリフレクタ等の反射率の高いものがあり受光強度
がきわめて強くなった場合を補償するためにこのSTC
回路51は設けられている。
55を介して演算部33に接続され、演算部33により
指示されたゲイン(利得)に応じて入力電圧を増幅して
コンパレータ57に出力する。コンパレータ57は可変
利得アンプ53の出力電圧Vを所定電圧V0 と比較し、
V>V0 となったとき所定の受光信号を時間計測回路6
1へ入力する。
動回路45へ出力される駆動信号も入力され、上記駆動
信号をスタートパルスPA、上記受光信号をストップパ
ルスPBとし、2つのパルスPA,PB間の位相差(す
なわち入力時間差)を2進デジタル信号に符号化して、
その値を演算部33へ入力する。この時間計測回路61
は、微小時間を数値化することができ、放射されたレー
ザ光H1発に対して複数の受光信号があってもそれぞれ
の信号についての時間差を検出することができるもので
ある。
力信号を反転して出力するインバータゲートディレイ回
路を奇数個リング状に連結し、そのリング上でパルスエ
ッジを周回させる奇数段リングオシレータを利用したも
のが考えられる。上記2つのパルスPA,PB間の位相
差(すなわち入力時間差)は以下のようにして計測され
る。すなわち、スタートパルスPAが入力されたときに
上記リングオシレータ上にパルスエッジを周回させ、ス
トップパルスPBが入力されたときに、スタートパルス
PAによって起動されたパルスエッジがリングオシレー
タ上の何れのインバータゲートディレイ回路まで到達し
たかを検出することにより、2つのパルスPA,PB間
の位相差が計測される。
測定を行うために時間分解能の補正機能も備えている。
ここでは、基準信号(例えば水晶発振クロック)を用い
ることによって、完全デジタル回路によるデジタル演算
補正を行っている。従来、デジタル回路を時間測定に用
いる場合はクロック周期を分解能としていたが、上記の
ように構成される時間計測回路61は、クロック回路よ
りもはるかに微小な分解能で時間(上記2つのパルスP
A,PB間の位相差)を数値化することができる。その
ため、放射されたレーザ光H1発に対して複数の受光信
号があっても(つまり1つのスタートパルスPAに対し
て2つ以上のストップパルスPBがあっても)それぞれ
の信号についての時間差を検出することができるのであ
る。以下の説明では、このことを「マルチラップが可能
である」と表現し、またこのようにして得たデータをマ
ルチラップデータということにする。
時間計測回路61からの入力時間差と、そのときのミラ
ー47の揺動角に基づき、障害物までの距離および方向
を算出する。また、可変利得アンプ53の出力電圧Vは
ピークホールド回路63へも入力され、ピークホールド
回路63は出力電圧Vの極大値を演算部33へ入力して
いる。
サからの車速信号も入力している。次に、このように構
成された距離測定装置1の作動について説明する。図2
は演算部33が実行する距離測定処理を表すフローチャ
ート、図3は距離測定時の各種信号を示すタイムチャー
トであり、(A)は反射信号が1つの場合、(B)は反
射信号が2つの場合を示している。
(以下ステップを単にSと記す)においては、駆動回路
45に駆動信号を出力し、レーザダイオード39を発光
させる(図3(A),(B)の〜参照)。続くS1
05では、その発光に対応し、図示しない障害物に反射
されたレーザ光Hを受光レンズ41を介して受光する。
そしてこの受光したレーザ光Hは、受光素子43でその
強度に対応する電圧に変換され、STC回路51、可変
利得アンプ53、コンパレータ57を介して時間計測回
路61へ入力する(図3(A),(B)の,参
照)。そして、時間計測回路61は、放射されたレーザ
光H1発に対して複数の反射信号があってもそれぞれの
信号についての時間差を検出して(図3(B)の参
照)、マルチラップ距離データとして演算部33に入力
する。
データは、演算部33の図示しないRAMに記憶され
る。本実施例では、演算部33からの駆動信号がモータ
駆動部49を介してスキャンミラー35に入力される
と、ミラー47が揺動して所定のエリアをスキャンす
る。これによって、レーザ光Hは車両の前方において水
平面内の所定角度に渡り掃引照射される。S110で
は、この所定の全エリアのスキャンが終了したか否かを
判断しており、全エリアのスキャンが終了するまで、S
100,S105の処理を繰り返す。
と、S115において距離データが存在するか否か判断
する。距離データが一つもない場合にはS120へ移行
し、対象となる目標物がないという情報だけを記憶し
て、距離データは出力しない。一方、距離データが存在
する場合(S115:YES)には、S125に移行
し、その距離データを距離に応じてグループ化する。こ
の「距離に応じてグループ化する」について説明する。
上述したように、本実施例ではスキャン方式のレーザ光
放射であり、レーザダイオード39は、ミラー47が所
定角度揺動する毎に発光するので、レーザ光Hの放射方
向も所定角(例えば0.5度)毎に不連続に設定され
る。そのため、放射方向の異なるレーザ光Hに対応する
距離データとして区別され、そのままでは本来は同一の
対象物からの反射波に基づく距離データであっても別の
データとして処理されることとなる。したがって、近接
する距離データ同士をグループ化することで、以降の処
理を簡便化する。
定義することが考えられるが、レーザ光Hの放射方向も
加味し、隣合う放射方向に対応して非常に近い距離デー
タがある場合には、グループ化することが好ましい。な
ぜなら、レーザ光Hが先行車両の後部に反射して戻って
きた場合には、所定角度毎に放射されるレーザ光Hの内
の複数が同じ車両に反射することは大いに考えられるこ
とだからである。
存在するか否かを判断する。これは、放射されたレーザ
光H1発に対して複数の受光信号があるか否か、つまり
同一の放射方向に放射された同じレーザ光Hに対応する
距離データが複数あるか否かを判断する。なお、マルチ
ラップデータが存在する場合の最短の距離データを第一
データと呼び、次に長い距離データを第二データと呼ぶ
こととする。
合には(S130:YES)、S135にて、スキャン
している全エリア中の多くのエリアに対して略同一の近
距離データが有るか否かを判断する。雪が降っている状
況や霧がかかっている状況では、スキャンする全エリア
において雪や霧の粒子がほぼ均等に存在することが多い
と考えられる。そのため、スキャンする全エリアにおい
て雪や霧の粒子がほぼ均等に存在する場合には、その粒
子により散乱反射して生じた距離データが全エリア中の
多くのエリアに存在する。そして、その距離データは全
て所定の近距離で発生することとなる。
べて左右端付近をスキャンしているときは光学系の受光
効率が低下して霧を検知できない場合も生じる可能性が
あるので、上記S135での判断では、「全エリアに対
して略同一の近距離データが有るか否かを判断する」の
ではなく、「全エリア中の多くのエリアに対して略同一
の近距離データが有るか否かを判断する」ようにしたの
である。
において略同一であるか否かを判断しているが、これは
検出誤差等を考慮したものである。センサ等で検出した
生のデータに基づいて所定のデータ処理を行なう場合に
は一般的であるので、特に詳しい説明はせず「略同一」
という言葉を使用することとする。
ち多くのエリアに対して略同一の近距離データが有る場
合には、S140にて雪・霧の状態であると判定し、そ
の雪・霧の状態であるという情報を記憶する。そして、
多くのエリアに対して略同一の近距離データが有る場合
の近距離データは第一データであるので、S145で第
二データを目標物までの距離として出力してS100へ
戻る。
り、多くのエリアに対して略同一の近距離データが有る
わけではない場合、つまり、略同一データが全くないか
一部にだけ略同一データがある場合には、それは霧等が
原因で生じたものではないと考えられるため、S155
へ移行して第一データを目標物までの距離として出力し
てからS100へ戻る。
ルチラップデータが存在しない場合について説明する。
マルチラップデータが存在しないということは、距離デ
ータが一つしかない場合であり、その場合にはまずS1
50で走行中か否かを判断する。これは、車速センサか
らの信号によって判断する。
O)、すなわち車両が停止中である場合には、S155
へ移行して第一データを出力し、S100へ戻る。この
場合は距離データが一つしかない場合なので、その距離
データは全て第一データである。この第一データは、霧
等によるデータの場合も考えられるし、霧等ではなく、
車両等の場合もある。しかし、自車両は停止している状
態なので、そのまま追突したりすることもなく何等問題
はない。したがって、霧であっても無くても構わないの
でS155で第一データを出力することとした。
S)、停止中とは違い、その第一データが霧等によるも
のであるのか、それ以外の目標物であるのかが重要とな
る。なぜなら、霧等による距離データを目標物によるも
のであると誤認したり、逆に目標物による距離データを
霧によるものであると誤認することは、例えば、その距
離データを用いて障害物警報等を行なう場合に、その警
報効果を減少させてしまう。例えば、本当は霧なのに常
に警報を発するようになると、本来必要な場面での警報
効果が非常に薄れてしまう。
粒子で散乱した反射光により生じる距離範囲のデータ
(以下、「散乱光データ」と呼ぶ。)と第一データとを
比較する。この散乱光データは例えば8m以下といった
値であるが、これは、雪・霧・雨(水飛沫)からの散乱
光は極近距離に発生することが多いという事実に基づい
ている。
り、雪を検知した距離とその発生割合との関係を示して
いる。降雪量の違い、すなわち雪の粒子の密度の違いに
よってレーザ光の透過率も異なってくるのであるが、図
5中には3つの場合の結果が示してある。相対的に透過
率が小さい場合の測定結果を(■)で示し、透過率が中
程度の場合の測定結果を(▲)で示し、透過率が大きい
場合の測定結果を(●)で示してある。
い場合には、雪を検知する距離として発生頻度が最も高
いのは2m辺りであり、散乱光データは5m以下の範囲
で発生すると言える。また、透過率が中程度であれば、
雪を検知する距離として発生頻度が最も高いのは3m辺
りであり、散乱光データは6m以下の範囲で発生すると
言える。そして、透過率が大きい場合には、雪を検知す
る距離として2〜7m辺りにおいてほぼ均等に発生し、
散乱光データは8m以下の範囲で発生すると言える。し
たがって、散乱光データとして8mを設定しておけば、
透過率が小さい場合にはもちろん、大きい場合にでも十
分対応できる。なお、図5は雪についての測定結果であ
るが、霧や雨についてもほぼ同じ様な傾向を示すことが
判っている。
所定回数n回連続して小さければ(S170:YE
S)、S175にて雪・霧の状態であると判定し、その
雪・霧の状態であるという情報を記憶してから、S10
0へ戻る。雪・霧が発生している場合には、第一データ
が散乱光データよりも所定回数n回連続して小さくなる
可能性が非常に高く、また、例えば先行して走行してい
る車両の場合には、所定回数n回連続して小さくなる可
能性がほとんどないので、このように判定する。
定回数n回連続して小さいというわけではない場合(S
170:NO)には、S180にて霧判定中の情報があ
るか否かを判断する。これは、第一データが散乱光デー
タよりも所定回数n回連続して小さいというわけではな
い場合に、それはすぐさま雪・霧ではないと判定しまう
には十分でないからである。例えば上記S140あるい
はS175の処理で雪・霧の状態であると判定して、そ
の雪・霧の状態であるという情報が記憶されている場合
には、雪・霧の状態であるとも断定できないし、またそ
うでないとも断定できないので、S185で推定状態と
して判断を保留し、S100へ戻る。
定中でない場合には霧等でないと判断してもよく、S1
55へ移行して第一データを出力する。このように、本
実施例の距離測定装置1では、レーザ光Hを断続的に放
射し、放射された一発のレーザ光Hに対して複数の反射
波を検出し、各反射波に対応する時間差を計測して距離
を測定可能である。そのため、図4に例示するように、
例えば手前側に霧があり、その向こう側に本来距離を測
定したい目標物がある場合であっても、手前側の霧から
の反射波及び遠方にある本来距離を測定すべき目標物か
らの反射波を共に検出でき、手前側の霧からの反射波に
よる時間差を計測し、かつ目標物からの反射波による時
間差も見落とすことなく計測できる。
だけでは、霧等によるものなのか、本来測定したい目標
物によるものなのかが判断できないので、その判断のた
めに霧等の物理的性質を考慮している。つまり、雪、
霧、雨等の気象条件の場合に空気中を浮遊する粒子が送
信波を散乱反射することによって発生する反射波に対応
する距離範囲を予め記憶しており、例えば、上記実施例
では、スキャンしている全エリアに対して略同一の近距
離データが有る場合(S135:YES)には雪・霧の
状態であると判定したり、散乱光データと第一データと
を比較し(S160)、第一データが散乱光データより
も所定回数n回連続して小さければ(S170:YE
S)、S175にて雪・霧の状態であると判定してい
る。
き先行車両との距離等、目標対象物との距離を的確に測
定することができる。また、S150では自車両が走行
中か否かを判断し、その判断結果に基づいてそれ以降の
処理を変えている。例えば、低反射物体(上述したよう
に、黒っぽい服を着た人や、汚れた車・黒っぽい車ある
いはトラックの荷台の下方部分等)が近距離にある場合
には、「近距離で発生し」かつ「反射率が小さい」とい
う特性の霧等と同じであり、低反射物体からの反射光な
のか霧等からの散乱反射光なのかは区別できないが、こ
れに走行中であるという条件を加味することで解決して
いる。例えば先行車両が自車両の走行速度以上で走行し
ている場合や障害物が不動のもの(停止車両も含まれ
る)である場合には、その対象物までの時間差データは
すぐに変化し、また、先行車両が自車両と同様な速度で
走行している場合であっても、全く同じ速度が続くこと
はまれであり、両者の車間距離は絶えず変化しており、
所定時間以上一定を示すことは非常に少ないと考えられ
る。
すれば、その測定距離に基づいて追突防止の制御をした
り、前方の車両に所定の車間距離を保って追従走行をす
る追従走行制御など、種々の制御に利用することができ
る。また、本実施例の距離測定装置1は、自動車に搭載
する以外にも種々の用途に適用することができる。
ード19によってパルス状のレーザ光Hを放射して障害
物を検出しているが、それ以外にも電波や超音波等を使
用するような構成でもよい。この場合も上記実施例と同
様の作用・効果が得られる。そこで、距離測定装置1の
使用目的に応じた適切な送信波を選択すればよい。
施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲で種々の態様で構成することができる。以下、
別実施例として2例を示す。 [別実施例1]上記実施例では、演算部33からの駆動
信号がモータ駆動部49を介してスキャンミラー35に
入力されると、ミラー47が揺動して所定のエリアをス
キャンすることによって、レーザ光Hは車両の前方に所
定角度に渡り掃引照射されるようないわゆるスキャン方
式を採用した。しかし、スキャン方式に限らず固定方式
であっても同様に実施可能である。
35やモータ駆動部49が不要であり、レーザダイオー
ド39から所定角度(上記スキャン方式の場合に掃引照
射される所定角度と同じ程度)の範囲のレーザ光が照射
されることとなる。この固定方式の場合の処理について
図6を参照して説明する。スキャン方式の場合には、図
2のS110の、全エリアのスキャンが終了したか否か
の判断や、S125の、距離に応じて距離データのグル
ープ化や、S135の、スキャンしている全エリア中の
多くのエリアに対して略同一の近距離データが有るか否
かの判断があったが、固定方式の場合には、方式の違い
でこれらの処理はできない。
する場合には(図6のS220:YES)、散乱光デー
タと第一データとを比較して(S225)、第一データ
が散乱光データよりも所定回数m回連続して小さければ
(S230:YES)、その第一データは雪・霧からの
散乱光によるものであると判定し(S235)、S24
0で第二データを目標物までの距離として出力してS2
00へ戻る。
定回数m回連続して小さいのでなければ(S230:N
O)、その第一データは雪・霧からの散乱光によるもの
ではない、あるいはそうであるとは断定できないので、
S250で第一データを目標物までの距離として出力し
てS200へ戻る。
(S220:NO)、S245へ移行して走行中か否か
を判断して、判断結果それぞれに応じて処理を行なう
が、このS255S275の処理は、図2の160〜S
185の処理と同じなので、再度繰り返して説明はしな
い。
光データと第一データとを比較し、S230ではm回連
続して小さいか否かの判断、S255ではn回連続して
小さいか否かの判断を行っている。このm回とn回とは
各場合に応じた適当な回数に設定すればよいが、同じ回
数となることを妨げるものではない。 [別実施例2]次に、別実施例2について説明する。本
発明の主要観点として、雪や霧等によるデータには特定
の性質があることを前提とし、その特定の性質を反映し
たデータについては本来の目標物によるデータとは区別
する(つまり採用しない)ことが挙げられる。そこで、
雪や霧等の性質をもう少し詳しく考察してみる。
する粒子で散乱反射されることによって発生する反射波
に対応する時間差データは、それら浮遊粒子によるいわ
ゆる光幕現象が主な原因であるので、原理的には略同一
の時間差データが得られるはずである。そのため、上記
実施例では、図2のS135の説明でも述べたように、
スキャンする全エリアにおいて雪や霧等の粒子がほぼ均
等に存在するという前提での処理であった。
範囲内において浮遊粒子の密度が異なる場合も考えられ
る。特に霧の場合には、局所的に濃い霧が発生している
ことも可能性としては十分に考えられる。そして、この
ような浮遊粒子の密度の違いは送信波であるレーザ光に
対する透過率の違いに反映されてくる。つまり、透過率
が小さいと、結果として反射波の検出信号レベルが大き
くなり、そのピーク値も大きいものとなる。逆に透過率
が大きいと、結果として反射波の検出信号レベルが小さ
くなり、そのピーク値も小さいものとなる。
ージの一例として、透過率が異なる場合の3本の検出信
号曲線L1〜L3を示してある。この図8(A)に示す
ように、所定の検知限界を超えた時点で検出信号を有効
とするので、3本の検出信号曲線L1〜L3は、それぞ
れ検知限界を超える時刻が異なってしまう。曲線L1,
L2,L3が検知限界を超えた時刻をそれぞれt1,t
2,t3とすると、これらの時間差に対応する距離が測
定誤差として生じてしまうのである。つまり、雪や霧等
自体は存在するのであるが、それらの濃さ(浮遊粒子の
密度)が部分的に異なることで、略同一の時間差データ
として検出されないことも考えられるのである。
なる時間差データが計測された場合であっても雪や霧等
であると判断できるようにしている。この別実施例2の
場合の処理について図7を参照して説明する。なお、こ
の図7の処理は、図2の処理に対して、図2のS135
の処理内容と図7のS335の処理内容が異なるだけで
ある。つまり、その他の処理(S300〜S335,S
340〜S385)はそれぞれ、図2のS100〜S1
35,S140〜S185と同じであるので、S335
の処理についてのみ説明する。
タよりも小さい距離データが有るかどうかを判断する。
この散乱光データとは上述したように例えば8m程度で
ある。図5にも示したように、雪や霧等の場合には、透
過率が小さい場合にはもちろん、透過率が大きい場合で
あっても検知する距離としては8m以内であるので、ス
キャンする所定範囲内で部分的に透過率の大きい状態が
生じていても、多くのエリアで散乱光データより小さい
距離データが存在するのであれば雪・霧と判定するので
ある(S340)。そして、その場合には第一データは
採用せず、S345にて、第二データを目標物までの距
離として出力する。
示すように、3本の検出信号曲線L1〜L3が検知限界
を超える各時刻t1,t2,t3が異なり、さらにこれ
らの時間差に対応する距離が無視できない程度の大きさ
になることを前提として説明し、そのような場合に有効
である。しかし、反射波を検出して信号化する構成部分
において、検出信号の立ち上がりが急峻になるような機
能を持つようにすれば、図8(B)に示すように、透過
率が異なる検出信号曲線L1〜L3が検知限界を超える
各時刻t1,t2,t3による時間差が短くなり、略同
一の時間差データとみなしても構わない程度にすること
も可能である。そして、生じる時間差を、時間差計測手
段における時間分解能よりも小さくすることができれ
ば、原理的には透過率の違いによる誤差はなくなる。こ
のようになれば、図2に示すS135の処理であって
も、雪・霧に対応するデータであることを的確に判定で
きる。
化する構成部分を、透過率の違いによる時間差が短く略
同一の時間差データとみなせたり、あるいは誤差が生じ
ないように構成するために検出信号の立ち上がりを急峻
にするには、レーザ光の発光部においてレーザダイオー
ド39まわりのインダクタンス(誘導性、容量性)を下
げてやることが考えられる。このような技術は、光通信
の分野等で実現されており、例えば、発光半値幅が数n
sec程度のものもある。また、この場合には、受光部
の周波数帯域を拡大する必要があるが、例えば受光素子
43として、アバランシェホトダイオード(APD)の
ような素子を用いることで対応できる。
にすれば、それだけで測距精度が向上し、可変利得アン
プ53やピークホールド回路63が特に用いなくてもよ
くなり、構成の簡素化にも寄与する。
装置では、放射された一つの送信波に対して複数の反射
波を検出し、各反射波に対応する時間差を計測可能であ
るため、例えば手前側に霧があり、その向こう側に本来
距離を測定したい目標物がある場合であっても、手前側
の霧からの反射波による時間差を計測し、かつ遠方にあ
る本来距離を測定すべき目標物からの反射波による時間
差も見落とすことなく計測できる。そしてまた、雪、
霧、雨等の気象条件の場合に空気中を浮遊する粒子が送
信波を散乱反射することによって発生する反射波に対応
する時間差の範囲を予め記憶しており、計測された時間
差と、記憶された散乱反射の場合の時間差範囲データと
に基づいて、反射物体までの距離を算出することができ
る。
る複数の反射物体からの反射波を検知することによっ
て、霧等からの反射波を検知した場合でも、目標物から
の信号が存在するときには距離計測が可能である。
る。
である。
ートであり、(A)は反射信号が1つの場合、(B)は
反射信号が2つの場合を示している。
示すグラフである。
する場合の距離測定処理を示すフローチャートである。
ートである。
を示す説明図である。
ラー 37…発光レンズ 39…レーザダイ
オード 41…受光レンズ 43…受光素子 45…駆動回路 47…ミラー 49…モータ駆動部 51…STC回路 53…可変利得アンプ 55…D/A変換
器 57…コンパレータ 61…時間計測回
路 63…ピークホールド回路 H…レーザ光
Claims (5)
- 【請求項1】 パルス状の送信波を断続的に放射して反
射物体による反射波を検出し、上記送信波を放射した時
間と、上記反射波を検出した時間との時間差を計測する
時間差計測手段と、 該時間差計測手段によって計測された上記時間差に基づ
いて、上記反射物体までの距離を算出する距離算出手段
とを備えた距離測定装置において、 上記時間差計測手段が、放射された一つの送信波に対し
て複数の反射波を検出し、各反射波に対応する時間差を
計測可能に構成されると共に、 雪、霧、雨等の気象条件の場合に空気中を浮遊する粒子
が上記送信波を散乱反射することによって発生する反射
波に対応する上記時間差の範囲を予め記憶しておく記憶
手段を備え、 上記距離計測手段が、上記時間差計測手段によって計測
された時間差と、上記記憶手段に記憶された散乱反射の
場合の時間差範囲データとに基づいて、上記反射物体ま
での距離を算出することを特徴とする距離測定装置。 - 【請求項2】 車両に搭載される請求項1に記載の距離
測定装置において、 上記車両が走行中であるか否かを判定する走行判定手段
を備え、 上記距離計測手段が、上記時間差計測手段によって計測
された時間差及び上記記憶手段に記憶された散乱反射の
場合の時間差範囲データに加え、さらに上記車両が走行
中であるか否かの判定結果に基づいて、上記反射物体ま
での距離を算出することを特徴とする距離測定装置。 - 【請求項3】 請求項2に記載の距離測定装置におい
て、 上記車両が走行中であり、上記時間差計測手段によって
計測された時間差が、上記記憶手段に記憶された散乱反
射の場合の時間差範囲内に所定回数以上連続で入った場
合には、その時間差は霧等からの散乱反射によるもので
あると判断し、それ以外の時間差データに基づいて、上
記反射物体までの距離を算出することを特徴とする距離
測定装置。 - 【請求項4】 車両に搭載される請求項1に記載の距離
測定装置において、 上記時間差計測手段は、車幅方向の所定角度範囲に上記
送信波をスキャン放射し、上記時間差をスキャン角度に
対応して検出可能に構成されると共に、 一つの送信波に対して複数の反射波が検出され、各反射
波に対応する時間差が上記時間差計測手段によって計測
された場合、その複数の時間差データの内で最短の時間
差データが、上記多くのスキャン角度において略同一で
あるか否かを判断する判断手段を備え、 該判断手段により、多くのスキャン角度において略同一
の最短時間差データがあると判断された場合には、上記
距離計測手段が、上記複数の時間差データの内の上記最
短時間差データの次に長い時間差データに基づいて、上
記反射物体までの距離を算出することを特徴とする距離
測定装置。 - 【請求項5】 車両に搭載される請求項1に記載の距離
測定装置において、 上記時間差計測手段は、車幅方向の所定角度範囲に上記
送信波をスキャン放射し、上記時間差をスキャン角度に
対応して検出可能に構成されると共に、 一つの送信波に対して複数の反射波が検出され、各反射
波に対応する時間差が上記時間差計測手段によって計測
された場合、その複数の時間差データの内で最短の時間
差データが、上記多くのスキャン角度において、上記記
憶手段に記憶された散乱反射の場合の時間差範囲内であ
るか否かを判断する判断手段を備え、 該判断手段により、多くのスキャン角度において前記最
短の時間差データが前記散乱反射の場合の時間差範囲内
である場合には、上記距離計測手段が、上記複数の時間
差データの内の上記最短時間差データの次に長い時間差
データに基づいて、上記反射物体までの距離を算出する
ことを特徴とする距離測定装置。
Priority Applications (3)
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---|---|---|---|
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JP6-205325 | 1994-08-30 | ||
JP15921695A JP3564800B2 (ja) | 1994-08-30 | 1995-06-26 | 距離測定装置 |
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