JPH08120182A - Ptc組成物およびそれを用いた面状発熱体 - Google Patents
Ptc組成物およびそれを用いた面状発熱体Info
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- JPH08120182A JPH08120182A JP28294494A JP28294494A JPH08120182A JP H08120182 A JPH08120182 A JP H08120182A JP 28294494 A JP28294494 A JP 28294494A JP 28294494 A JP28294494 A JP 28294494A JP H08120182 A JPH08120182 A JP H08120182A
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Abstract
のない結晶性ポリマー粒子、導電性カーボンブラック、
グラファイトおよび無機充填剤からなるPTC組成物。 【効果】 常温時の抵抗に対して極寒環境下における抵
抗の減少が抑えられ、それを使用していく上で始動時の
突入電流(通電した瞬間に流れる電流)の増加が少ないの
で、従来の材料と比較して低電力固体電池での仕様寿命
をより長くすることができる。
Description
れを用いた面状発熱体に関する。更に詳しくは、極寒環
境下でも安定した作動を示すPTC組成物およびそれを
用いた面状発熱体に関する。
性充填材およびこの非晶質ポリマーと相溶性のない結晶
性ポリマー粒子からなるPTC組成物を提案している
(特開平6-45105号公報)。このPTC組成物は、結晶性
ポリマーを用いることによって得られる高い正温度特性
を維持したまま、バラツキの低減と生産性の向上を図る
ことができるという効果を奏する。
PTC組成物はPTC特性の向上やその特性の安定化の
面から検討されていることが多く、それの使用環境下で
の安定性について検討されているものは少なく、前記提
案の場合もその例外ではない。
カーボンブラックにグラファイトを組合せたPTC組成
物が記載されており、グラファイトは抵抗安定作用を有
することが記載されている。しかるに、この抵抗安定作
用というのは、電圧を印加したとき一定の発熱温度が得
られ、その後抵抗変化が生じ、自己温度制御作用が発揮
されるが、その作用がくり返し行なわれる電圧印加時に
も安定的に発揮されるという効果であって、使用環境が
変化した場合の挙動についての記載はない。
物を用いた面状発熱体は、必ずしも室温条件下で用いら
れるものとは限らず、例えば-30℃というような極寒環
境下で用いられることもある。
抗の低下の小さいPTC組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、かかるPTC組成物を用いた面状
発熱体を提供することにある。
抗の安定性が発揮されるPTC組成物は、非晶質ポリマ
ー、該非晶質ポリマーと相溶性のない結晶性ポリマー粒
子、導電性カーボンブラック、グラファイトおよび無機
充填剤からなる。
脂フィルム基材上に形成された導電層上に配設すること
により、面状発熱体を形成させる。
は、結晶化度が10%以下であって、好ましくは常温で溶
剤に可溶なものであれば任意のものを用いることができ
る。具体的には、天然ゴムまたは各種合成ゴム(イソプ
レンゴム、NBR、EPDM等)、アルキルアクリレー
ト重合体などが用いられる。これらの非晶質ポリマー
は、必須3成分よりなる組成物中約10〜60体積%、好ま
しくは約20〜50体積%の割合で用いられる。
が約1〜50μ、好ましくは約5〜30μの粒子(ビーズ、短
繊維などを含む)が用いられる。その種類は、用いられ
る非晶質ポリマーと相溶性のないものであれば特に限定
されず、必要な正温度特性曲線に合わせて複数のポリマ
ーを混合して用いることも可能である。
られることを考えると、約50〜250℃程度の融点を有す
るポリエチレン、ポリプロピレン、トランス-ポリブタ
ジエン、ポリオキシメチレン、ポリスチレン、ポリオキ
シエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリ塩化ビニル、
これらの単量体の共重合体、各種ワックスなどが用いら
れる。これらの結晶性ポリマーは、組成物中約10〜60容
積%、好ましくは約20〜50容積%の割合で用いられる。こ
れ以下の配合割合では、本発明の目的とする所望の効果
が得られず、一方これより多い割合で用いられると、機
械的物性が低下し、割れたりするので好ましくない。
クチャーが小さく、粒径が約30〜150mμ程度と比較的大
きいもの、例えばSRF、GPF、FEF、FTなどに
分類されるものが、約3〜50容積%、好ましくは約5〜40
容積%の割合で用いられる。
造黒鉛のリン片状のもの、土塊状のものなど任意のもの
が、約3〜50容積%、好ましくは約5〜40容積%の割合で用
いられる。
び導電性カーボンブラックを必須成分とするPTC組成
物は、成形性および正温度特性にすぐれているが、この
成形品を高温で長時間使用した場合には、成形品の抵抗
値が上昇し、発熱温度が低下してしまうという現象がみ
られることがある。
成分とするPTC組成物中に、酸化チタン、酸化亜鉛、
チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、ニオブ酸
カリウムなどの固有抵抗値が108Ω・cm以上の絶縁性充
填材を更に添加することが好ましい。これらの絶縁性充
填材は、粒径が約10nm〜10μm、好ましくは約20nm〜1μ
mのものが、組成物中約5〜30容積%、好ましくは約10〜2
5容積%を占めるような割合で用いられ、組成物の調製に
際しては、導電性カーボンブラックおよびグラファイト
と共に非晶質ポリマーへ練りこまれる。
中には、導電性を損なわない範囲内、一般には約5容積%
以下、好ましくは約1容積%以下の割合で、架橋剤、架
橋促進剤、加工助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを
配合することができる。
電性カーボンブラック、グラファイトおよび無機充填剤
等の残りの容積、一般には約10〜60容積%、好ましくは
約20〜50容積%を占める量の非晶質ポリマー中へ導電性
カーボンブラックおよびグラファイトを練り込んだ後、
トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、ソルベントナフサ、石油エー
テル、ミネラルスピリット等の溶剤を加えて非晶質ポリ
マーを溶解させてスラリー状とし、次いで結晶性ポリマ
ー粒子を混入する方法、あるいは非晶質ポリマーをこれ
らの溶剤に溶解させた後、導電性カーボンブラック、グ
ラファイトおよび結晶性ポリマー粒子を加えて分散させ
る方法などによって行われる。この際、各種配合剤等も
同時に溶解または分散させる。なお、これらを用いて行
われる塗布が、連続塗布方式の場合には比較的低沸点
の、またバッチ方式の場合には中〜高沸点の溶剤がそれ
ぞれ用いられる。
イノーミルや3本ロール等を用いて行われ、粒ゲージを
用いて所定の分散度合になったことを確認するようにす
る。なお、結晶性ポリマー粒子は、こうした分散装置を
使用した後で配合した方が好ましい場合もある。調製さ
れたペースト状の分散液は、更に溶剤で希釈し、スクリ
ーン印刷に適した溶液粘度および固形分濃度に調整した
上で用いることもできる。
しくはインク状またはペースト状にして用いられるが、
これらの各成分をロールミル、バンバリーミキサ、ニー
ダ等を用いて行われる通常の混練方法によって混練し、
混練物をそのまま樹脂フィルム基材上に形成された電極
上に配設することもできる。
あるいは混練物として配設される樹脂フィルム基材とし
ては、一般に厚さが約10〜100μm程度のポリエチレンテ
レフタレート(PET)、ポリイミド、ポリ塩化ビニル
等の樹脂フィルムが用いられ、発熱体としての使用を考
えたとき耐熱温度の高い材料が望ましい。
属箔の配設は、樹脂フィルム基材上へ接着剤を介して厚
さが約10〜50μm程度の銅箔、アルミニウム箔等の金属
箔、好ましくは銅箔を貼り合わせ、エッチング加工して
所望のパターンを形成させることにより行われ、くし形
あるいはジグザグ状のものなど細かいパターンや複雑な
パターンのものを形成させることができる。
材上の導電層へのPTC組成物の配設は、PTC組成物
が単なる混練物の場合には、熱プレス等で圧着するだけ
で容易に行うことができる。また、PTC組成物はイン
ク状またはペースト状として用いる場合も多く、この場
合の樹脂フィルム基材上への前記PTC組成物インクま
たはペーストの塗布は、スクリーン印刷、ナイフコー
タ、グラビアコータを用いる方法など、均一な厚さでの
塗布が可能な方法であれば任意の方法を使用することが
できるが、発熱層を特定のパターンとして形成させる場
合には、スクリーン印刷法をとることが好ましい。塗布
されたインクまたはペーストは、約80〜150℃で約1〜10
分間程度乾燥させることにより、膜厚約10〜50μm程度
の発熱層を形成させる。
るために、加熱や放射線照射によって架橋させておくこ
とが好ましい。加熱架橋は、オーブン加熱あるいは熱プ
レスなどによって行われる。特に、組成物の1成分とし
て用いられている結晶性ポリマーは、加硫した際に溶融
・流れが起こり易く、このため加硫物のバラツキを大き
くする要因ともなっているが、これを放射線架橋した上
で用いると、結晶性ポリマーの熱的・機械的強度が高め
られ、PTC特性のバラツキを低減させることができ
る。
れ、照射線量は結晶性ポリマーの種類によって異なる。
例えば、高密度ポリエチレンでは約3〜10Mrad、好まし
くは約3〜5Mradが、またポリオキシエチレンの場合には
約10〜25Mrad、好ましくは約10〜18Mrad照射される。こ
のような照射線量よりも過度の照射は、架橋密度が大き
くなりすぎ、ポリマーのゲル分率が高くなって結晶性が
損なわれるため、PTC強度を低下させる結果を招く。
樹脂フィルム基材上に形成させた電極としても作用する
導電層上に配設し、この電極に接点を付設し、好ましく
は更にPTC組成物発熱層の表面に基材としても用いら
れた樹脂フィルムよりなる絶縁層で被覆することによ
り、そこに面状発熱体が形成される。
る面状発熱体は、常温時の抵抗に対して極寒環境下にお
ける抵抗の減少が抑えられ、それを使用していく上で始
動時の突入電流(通電した瞬間に流れる電流)の増加が少
ないので、従来の材料よりも低電力固体電池での仕様寿
命を長くすることができるなどのすぐれた効果を奏す
る。
合剤(イオウ、加硫促進剤等)をソルベントナフサ中に加
え、撹拌して溶解および分散させた(室温、400rpm、12
時間)。その溶液に、SRFカーボンブラック、グラフ
ァイトおよびポリエチレンビーズ(粒径15〜25μm)を加
え、撹拌(室温、800rpm、10分間)した後、その混合物を
3本ロールに3回通した。その後、粘度調整のために、
ソルベントナフサを添加してPTC組成物を調製した。
剤層を介し、電極幅1mm、電極間距離1mmの電極として
ジグザグ状に形成させた銅箔導電層(厚さ18μm)を積層
させた樹脂フィルム基材上に、スクリーン印刷装置を用
いて、乾燥後の厚さが約30μmになるように上記PTC
組成物を均一に塗布し、120℃のオーブン中で5分間乾燥
させた後、180℃のオーブン中に10分間放置して架橋反
応させた。このようにして形成させた発熱層上には、更
に保護層としてPETフィルム(厚さ25μm)を40℃で積
層させた。
について、次の各項目の測定を行った。 組成物体積抵抗 面状発熱体抵抗値 PTC特性(正温度係数):70℃での体積抵抗/25℃での
体積抵抗 -30℃環境下での突入電流増加率:-30℃環境下での突入
電流/25℃環境下での突入電流
対して40重量%用いられたPTC組成物各成分の容積%と
共に、次の表に示される。 表 実−1 実−2 比−1 比−2 [PTC組成物] EPDM 29.9 29.2 30.6 28.0 ポリエチレンビーズ 40.0 40.0 40.0 40.0 SRFカーボンブラック 10.9 7.3 14.5 - グラファイト 4.4 8.8 - 17.5 酸化チタン 10.0 10.0 10.0 10.0 各種配合剤 4.8 4.7 4.9 4.5 [測定項目] 組成物体積抵抗(Ω・cm) 1.5×103 1.6×103 1.2×103 1.5×103 面状発熱体抵抗値 (Ω) 8.5 8.8 8.2 8.0 PTC特性(正温度係数) 4.8 3.5 5.2 1.8 突入電流増加率 (%) 60 40 350 15
PTC組成物はPTC特性の向上やその特性の安定化の
面から検討されていることが多く、それの使用環境下で
の安定性について検討されているものは少なく、前記提
案の場合もその例外ではない。
は、導電性カーボンブラックにグラファイトを組合せた
PTC組成物が記載されており、グラファイトは抵抗安
定作用を有することが記載されている。しかるに、この
抵抗安定作用というのは、電圧を印加したとき一定の発
熱温度が得られ、その後抵抗変化を生じ、自己温度制御
作用が発揮されるが、その作用がくり返し行なわれる電
圧印加時にも安定的に発揮されるという効果であって、
使用環境が変化した場合の挙動についての記載はない。
Claims (3)
- 【請求項1】 非晶質ポリマー、該非晶質ポリマーと相
溶性のない結晶性ポリマー粒子、導電性カーボンブラッ
ク、グラファイトおよび無機充填剤からなるPTC組成
物。 - 【請求項2】 有機溶剤に分散させ、インク状またはペ
ースト状とした請求項1記載のPTC組成物。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のPTC組成物の
架橋物を、樹脂フィルム基材上に形成された導電層上に
配設してなる面状発熱体。
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