JPH08114057A - 引 戸 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 障子の取付け取外し作業が容易にでき、且つ
外観及び水密性の向上が図れる引戸を提供する。 【構成】 下部が開放された上枠１ｂを有する方形の枠
体１と、該枠体１内に引違い式に並列に設けられる少な
くとも三枚の障子引戸の障子３ａ，３ｂ，３ｃと、各障
子の上端両側部に設けられた吊りローラ６と、該吊りロ
ーラ６を案内するために上記上枠１ｂの内部に設けられ
たガイドレール８と、該ガイドレール８の一部を上記少
なくとも対の吊りローラ６間の外のり寸法ｓで分離し、
上記上枠１ｂの内部に取外し可能に取付けられた分離レ
ール８ａとを備えている。従って、上記分離レール８ａ
を取外すことにより一枚ずつ容易に障子の取付け取外し
作業を行うことが可能となり、また、上記分離レール８
ａを含むガイドレール８は上枠１ｂの内部に収容されて
いるため外部に露出しない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、枠体内に引違い式に並
列に少なくとも三枚の障子を備えた引戸に係り、特に障
子の取付け取外し作業が容易に行えるようにした引戸に
関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の引戸は、例えば実公昭６３−１
９４９９号、実公昭６３−１９５００号公報等により既
に知られている。この引戸は、左右の縦枠と、これら両
縦枠間に掛け渡された上枠及び下枠とからなる枠体を有
し、この枠体内に引違い式に並列に少なくとも三枚の障
子を設けている。

【０００３】上記障子を吊り下げ構造とするために、各
障子の上端両側部には吊りローラが設けられ、上記上枠
には上記吊りローラを案内するためのガイドレールが設
けられている。特に、従来の引戸においては、図７に示
すように上記ガイドレール８が障子３の取付け取外しを
可能とするために上枠１ｂの下部に正面側から取外し可
能に取付けられていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記引
戸においては、障子３の取付け取外し作業を行う場合、
ガイドレール８全体を正面側より水平に引き出す必要が
あるため、広い作業スペースを必要とするばかりでな
く、ガイドレール８に全ての障子３の荷重が加わって重
くなるため、作業が大変であった。また、枠体１におけ
る縦枠１ａと上枠１ｂの接合部分には、シール部材２が
設けられているものの、上枠１ｂの下部にはガイドレー
ル８が露出して設けられていると共に、このガイドレー
ル８と縦枠１ａとの間にはガイドレールの着脱作業に支
障となるシール部材を設けることができず、隙間３０が
露出しているため、外観及び水密性が劣る問題もあっ
た。

【０００５】そこで、本発明の目的は、障子の取付け取
外し作業が容易にでき、且つ外観及び水密性の向上が図
れる引戸を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る引戸は、下部が開放された上枠を有する
方形の枠体と、該枠体内に引違い式に並列に設けられる
少なくとも三枚の障子と、各障子の上端両側部に設けら
れた吊りローラと、該吊りローラを案内するために上記
上枠の内部に設けられたガイドレールと、該ガイドレー
ルの一部を上記少なくとも対の吊りローラ間の外のり寸
法で分離し、上記上枠の内部に取外し可能に取付けられ
た分離レールとを備えたことを特徴とする。なお、分離
レールの長さは、障子の大きさが異なる場合、少なくと
も（短くとも）最大の障子の対の吊りローラ間の外のり
寸法とすればよい。また、分離レールの長さは、多くと
も（長くとも）上枠の長さから上記外のり寸法を差し引
いた寸法とすればよいが、実用的には障子を全開した時
の有効開口となる部分の寸法とすることが好ましい。

【０００７】

【作用】本発明に係る引戸においては、下部の開放され
た上枠の内部に設けられたガイドレールの一部が障子を
支持する少なくとも対の吊りローラ間の外のり寸法で分
離され、その分離レールが上枠の内部に取外し可能に取
付けられているため、上記分離レールのみを取外すこと
により、一枚ずつ容易に障子の取付け取外し作業を行う
ことが可能となる。従って、作業スペースの削減及び作
業性の向上が図れる。また、上記分離レールを含むガイ
ドレールが上枠の内部に収容されているため、従来の引
戸のようにガイドレールが隙間と共に外部に露出するこ
とがなく、外観及び水密性の向上が図れる。

【０００８】

【実施例】以下に、本発明を浴室用の引戸に適用した一
実施例を添付図面に基づいて詳述する。本実施例の引戸
は、図１〜図３に示すように左右の縦枠１ａと、これら
両縦枠１ａ間に掛け渡された下部の開放された上枠１ｂ
及び下枠１ｃとを方形に組立てなる枠体１を備えてい
る。この枠体１を構成する上枠１ｂ及び下枠１ｃと縦枠
１ａとの接合部には、図６に示すようにシール部材２が
設けられている。また、上記枠体１内の開口には引違い
式に並列に三枚の障子３ａ，３ｂ，３ｃが開閉可能に設
けられている。各障子３ａ，３ｂ，３ｃは、方形の框４
の内側に不透明ガラス５等を嵌込んで組立てられてい
る。

【０００９】上記各障子３ａ，３ｂ，３ｃの上端両側部
には対の吊りローラ６が設けられ、上記上枠１ｂの内部
である下部の開放された溝７内には上記吊りローラ６を
走行可能に案内するためのガイドレール８が設けられて
いる。このガイドレール８の一部は、上記少なくとも対
の吊りローラ６間の外のり寸法ｓ、本実施例ではガイド
レール８の全長の半分の長さｔで分離され、その分離レ
ール８ａが上記上枠１ｂの溝７内に取外し可能に取付け
られている。上記枠体１、障子３ａ，３ｂ，３ｃの框４
及びガイドレール８は、例えばアルミニウム等の金属製
の押出形材からなっているが、合成樹脂性の形材からな
っていてもよい。

【００１０】本実施例のガイドレール８は、図２ないし
図４に示すように上枠１ｂの溝幅方向ほぼ中間部に配置
される中間レールとして形成されている。従って、上記
ガイドレール８が主として中間障子３ｂの吊りローラ６
を支持するようになっていることから、上枠１ｂの両側
壁９ａ，９ｂ内面には浴室内側及び浴室外側の障子３
ａ，３ｃの吊りローラ６を案内する補助レール部１０
ａ，１０ｂが形成されている。また、本実施例の吊りロ
ーラ６はローラホルダ１１の一側に設けられた片輪構造
であることから、上記ガイドレール８が各障子３ａ，３
ｂ，３ｃの吊りローラ６のローラホルダ１１を規制して
吊りローラ６の横振れを防止するようにもなっている。

【００１１】そして、上記ガイドレール８は、その上端
部及び上枠１ｂの溝内天井部１２に形成された断面Ｌ字
状の係合爪１３，１４を互に係合させると共に複数個の
ネジ１５で上枠１ｂの内部天井部１２に取付けられ、上
枠１ｂ内に収容されている。また、本実施例のガイドレ
ール８は長手方向で二分割され、何れも取外し可能であ
るが、その任意の一方、実施例では図１の右側部分を分
離レール８ａとし、他方を固定側レール８ｂとしてい
る。

【００１２】上枠１ｂには両端の何れか一方の障子、実
施例では浴室外側の障子３ｃをその吊りローラ６を介し
て固定するための障子固定ネジ１６が設けられ、他方の
障子、実施例では浴室内側の障子３ａの戸先部には取っ
手１７が取付けられている。また、障子３ａ，３ｂ，３
ｃの框４には隣接する召合部同士を係合させる係合部１
８が設けられている。

【００１３】一方、下枠１ｃの上面部には長手方向に溝
１９が形成され、この溝１９には歩き易いように断面Ｔ
字状の複数本のすのこ形成体２０がすのこ状に設けら
れ、各すのこ形成体２０の上面部には滑り止め効果を有
する軟質樹脂性のカバー２１が着脱可能に取付けられて
いる。また、隣接する上記すのこ形成体２０間及び浴室
内側のすのこ形成体２０とリブ２２との間は、上記各障
子３ａ，３ｂ，３ｃの下端部にリブ状に形成されたガイ
ド部２３を係合させて案内するためのガイド溝２４とさ
れている。

【００１４】以上のように構成された引戸において、例
えばガラス５の破損等でメンテナンスのために障子３
ａ，３ｂ，３ｃを取外す場合には、先ず、全ての障子３
ａ，３ｂ，３ｃを固定障子３ｃ側、図１では左側に移動
させ、障子固定ネジ１６を取外す。次に、分離レール８
ａを固定しているネジ１５を取外して上枠１ｂ内から分
離レール８ａを取外したなら、図５に示すように先ず第
一枚目の浴室内側障子３ａをその吊りローラ６が固定側
レール８ｂから分離レール８ａの取除かれた空間部２５
に位置するように移動させ、その際に隣接する中間障子
３ｂの一方の吊りローラ６も上記空間部２５まで移動さ
せ、隣接する中間障子３ｂとの係合を解きつつその第一
枚目の障子３ａを持上げて枠体１から取外す。

【００１５】同様の手順で第二枚目の中間障子３ｂ及び
第三枚目の浴室外側障子３ｃを順に枠体１から一枚ずつ
容易に取外すことができる。また、障子３ａ，３ｂ，３
ｃを枠体１に取付ける場合には、上記とは逆の手順で作
業を行えばよい。

【００１６】このように上記引戸においては、下部の開
放された上枠１ｂの内部に障子３ａ，３ｂ，３ｃの吊り
ローラ６を案内するガイドレール８を設け、このガイド
レール８を二分割してその一方を分離レール８ａとして
上枠１ｂの内部に着脱可能に設けているため、障子３
ａ，３ｂ，３ｃの取付け取外し作業を行う場合、ガイド
レール８全体でなく分離レール８ａのみを取外すことに
より、一枚ずつ容易に障子３ａ，３ｂ，３ｃの取付け取
外し作業を行うことが可能となる。従って、作業スペー
スの削減及び作業性の向上が図れる。また、上記分離レ
ール８ａを含むガイドレール８が図６に示すように上枠
１ｂの内部に収容されているため、図７に示した従来の
引戸のようにガイドレールが隙間と共に外部に露出する
ことがなく、外観及び水密性の向上が図れる。

【００１７】以上、本発明の実施例を図面により詳述し
てきたが、本発明は前記実施例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変形
等が可能である。例えば、障子３ａ，３ｂ，３ｃの吊り
ローラ６は片輪構造でなく、両輪構造であってもよい。
実施例では、ガイドレール８を中間レールとして形成
し、上枠１ｂの両側壁内面に補助レール部１０ａ，１０
ｂを形成しているが、ガイドレール８を中間レールとし
てではなく、全障子３ａ，３ｂ，３ｃの吊りローラ６を
一括して支持する構造としてもよい。

【００１８】また、実施例では、ガイドレール８を二分
割し、その一方を分離レール８ａとしているが、必ずし
もガイドレール８を二分割する必要はなく、ガイドレー
ル８の一部（従って、長手方向の中間部であってもよ
い。）を少なくとも対の吊りローラ６間の外のり寸法ｓ
で分離し、その分離レール８ａを上枠１ｂの内部に取外
し可能に取付けていればよい。この場合、分離レール８
ａの長さは、障子３ａ，３ｂ，３ｃの大きさが異なる場
合、少なくとも（短くとも）最大の障子の対の吊りロー
ラ間の外のり寸法ｓとすればよい。また、分離レール８
ａの長さは、多くとも（長くとも）上枠１ｂの長さから
上記外のり寸法ｓを差し引いた寸法とすればよいが、実
用的には障子を全開した時の有効開口となる部分の寸法
とすることが好ましい。更に、障子３ａ，３ｂ，３ｃの
下部ガイド手段としては、戸車とそのガイドレール等で
あってもよい。また、障子の枚数は、４枚以上であって
もよい。本発明に係る引戸は、浴室用に限らず、窓用等
にも適用可能である。

【００１９】

【発明の効果】以上要するに本発明に係る引戸によれ
ば、下部の開放された上枠の内部に設けられたガイドレ
ールの一部が障子を支持する少なくとも対の吊りローラ
間の外のり寸法で分離され、その分離レールが上枠の内
部に取外し可能に取付けられているため、上記分離レー
ルのみを取外すことにより、一枚ずつ容易に障子の取付
け取外し作業を行うことができ、作業スペースの削減及
び作業性の向上が図れる。また、上記分離レールを含む
ガイドレールが上枠の内部に収容されているため、従来
の引戸のようにガイドレールが隙間と共に外部に露出す
ることがなく、外観及び水密性の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を浴室用の引戸に適用した一実施例を示
す浴室側から見た正面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線拡大断面図である。

【図４】分離レールを上枠の内部から取外した状態を示
す断面図である。

【図５】障子の取外け取外し作業を説明するための図で
ある。

【図６】図１のＣ部拡大図である。

【図７】従来の引戸における枠体の上枠と縦枠の接合部
分の構造を示す拡大正面図である。

【符号の説明】

１ 枠体 １ｂ 上枠 ３ａ，３ｂ，３ｃ 障子 ６ 吊りローラ ８ ガイドレール ８ａ 分離レール

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下部が開放された上枠を有する方形の枠
   体と、該枠体内に引違い式に並列に設けられる少なくと
   も三枚の障子と、各障子の上端両側部に設けられた吊り
   ローラと、該吊りローラを案内するために上記上枠の内
   部に設けられたガイドレールと、該ガイドレールの一部
   を上記少なくとも対の吊りローラ間の外のり寸法で分離
   し、上記上枠の内部に取外し可能に取付けられた分離レ
   ールとを備えたことを特徴とする引戸。