JP2542925Y2 - パネルシャッターのパネル体構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、建物の出入口や窓等
の開口を開閉するパネルシャッターのパネル体構造に関
し、特にパネルの枠組構造を改良したパネルシャッター
のパネル体構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般にパネルシャッターのパネル体は、
該パネル体の複数をそれぞれの両側でチェーンにより一
連に連繋し、その一連のパネル体の両端側を、シャッタ
ー開閉用開口の両側に起立配置された左右一対のガイド
レールに昇降自在に嵌込み係合させ、該ガイドレールの
相互間では同一垂直面状に展開保持させると共に、ガイ
ドレールの上端部が臨むパネル収納用のボックス内では
並列状態に吊持するようになっている。

【０００３】かかるパネルシャッターのパネル体は、パ
ネルを枠組に嵌込んだ構成となっているが、該枠組は、
パネルの上端部および下端部を嵌込む横方向の嵌合溝が
内側に形成された上部横枠および下部横枠と、これらの
上部横枠および下部横枠の両端に連結されて前記パネル
の両端を嵌込む縦方向の嵌合溝が内側に形成された左右
の縦枠と、該縦枠の外側に一体装着された左右の縦框と
からなり、これらの縦框を前記ガイドレール内に昇降移
動可能に嵌込む構成となっている。

【０００４】ここで、前記枠組の組み立てに際しては、
上部横枠と下部横枠の両端部において、それらの嵌合溝
に左右縦枠の上下端部を嵌込み固定することによって、
前記枠組を組み立てている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】従来のパネルシャッタ
ーのパネル体構造は以上のように構成され、上部横枠と
下部横枠の嵌合溝が両端部で左右の縦枠により閉塞状態
に遮られた状態となるため、雨天時において、特に下部
横枠の嵌合溝内部に万一雨水が浸水すると、その雨水が
嵌合溝から室内側に溢れ出る事態を招くという問題点が
あった。

【０００６】この考案は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、パネル体の枠組構造におけるパ
ネル嵌込み用の嵌合溝に雨水等が浸水しても、その雨水
等が前記嵌合溝から室内側に溢れ出るようなことのない
パネルシャッターのパネル体構造を提供することを目的
とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この考案に係るパネルシ
ャッターのパネル体構造は、シャッター開閉用開口の両
側に起立配置された左右一対のガイドレール間を昇降開
閉するパネルシャッターのパネル体構造において、パネ
ルの上端部および下端部を嵌込む嵌合溝がそれぞれの内
側全長に渡って連続形成された上部横枠および下部横枠
と、前記パネルの両端部が嵌込まれる嵌合溝をそれぞれ
の内側に有して前記上部横枠および下部横枠の両端部に
組付けられる左右の縦枠とを備え、前記上部横枠と下部
横枠とで前記左右の縦枠を挟み込んで固定し、それらの
縦枠の外側には前記下部横枠の嵌合溝の両端開口を遮ら
ないように縦框を取付けたものである。

【０００８】

【作用】この考案におけるパネルシャッターのパネル体
構造では、上部横枠と下部横枠とで左右の縦枠を挟み込
んで固定し、それらの縦枠の外側に取付けられた縦框の
それぞれが前記下部横枠のパネル嵌込み用嵌合溝を遮っ
ていないので、前記下部横枠の嵌合溝内部に雨水等が浸
水しても該雨水等が嵌合溝から室内側に溢れ出るような
ことがなくなる。

【０００９】

【実施例】以下、この考案の一実施例を図について説明
する。図において、１はパネルシャッターのパネル体で
あり、建物の出入口や窓等のようなシャッター開閉用開
口の両側に起立配置された左右一対のガイドレールの相
互間に装架されて昇降駆動されるようになっている。

【００１０】かかるパネル体１は、ガラスやプラスチッ
ク等の透明板あるいはその他のガラス、合成樹脂、軽金
属等の板材等から成るパネル２を備えている。

【００１１】パネル２の上端部には上部横枠３が、且つ
下端部には下部横枠４が嵌込まれている。これらの上部
横枠３と下部横枠４の両端部には左右の縦枠５が連結さ
れ、該縦枠５に前記パネル２の両端部が嵌込まれてい
る。

【００１２】ここで、前記上部横枠３および下部横枠４
はそれぞれ断面中空状をなし、その上部横枠３の上面側
外部には嵌合凹部３１が、且つ下部横枠４の下面側外部
には嵌合凸部４１がそれぞれ形成されている。

【００１３】また、前記上部横枠３および下部横枠４の
それぞれの内側には、図５に示すように、横方向全長に
渡って連続したパネル嵌込み用の嵌合溝３ａ，４ａが形
成され、これらの嵌合溝３ａ，４ａにパネル２の上下端
部が上述の如く嵌込まれているのであって、それらの嵌
合溝３ａ，４ａは両端が開放されている。

【００１４】以上において、左右の縦枠５を両端部に取
付けた上部横枠３と下部横枠４の嵌合溝３ａ，４ａの両
端が開放されているということは、前記縦枠５の上下端
部を、図１および図３に示すように、前記上部横枠３と
下部横枠４の嵌合溝３ａ，４ａには嵌込まないで、それ
らの上部横枠３と下部横枠４に固定していることを意味
する。

【００１５】その固定手段として、前記嵌合凹部３１と
嵌合凸部４１のそれぞれの両端側中央部には開口３１
ａ，４１ａ（第５図参照）が設けられ、これらの開口３
１ａ，４１ａを介して前記上部横枠３および下部横枠４
の両端部に左右の縦枠５がタッピングネジ６で締付け固
定されている。

【００１６】また、上部横枠３の一側には上向突出カバ
ー片部３２が形成され、この上向突出カバー片部３２の
上端部には弾性部材等の気密材３３が装着されている。
前記上向突出カバー片部３２は、この上側で隣合う上位
パネル体１の下部横枠４との隙間を該下部横枠４の側面
に沿って覆うものである。

【００１７】即ち、ガイドレール１１間でパネル２が同
一垂直面状に展開された状態では、下位パネル体１の嵌
合凹部３１と上位パネル１の嵌合凸部４１とが嵌合する
が、この時、上位パネル１の上向突出片部３２が上位パ
ネル１の下部横枠４の側面に沿って前記隙間を覆うもの
である。

【００１８】さらに、前記左右の縦枠５の外側には、前
記ガイドレール１１内に外側寄りを昇降移動自在に嵌込
み係合させるための縦框７がタッピングネジ８で着脱可
能に締付け固定されている。

【００１９】ここで、前記縦枠５および縦框７は、前記
上部横枠３および下部横枠４の場合と同様に断面中空形
状をなし、縦枠５の内側には縦方向に連続したパネル嵌
込み用の嵌合溝５２が設けられ、この嵌合溝５２の底部
所定個所には開口５１が設けられている。

【００２０】この開口５をネジ操作孔として、前記縦枠
５の外側に前記縦框７がタッピングネジ８で上述のよう
に着脱可能に締付け固定されている。

【００２１】一方、前記縦框７の中空部における前記開
口５１との対向位置には、前記タッピングネジ８がネジ
込まれるネジ締め部７１が設けられているが、このネジ
締め部７１は、前記縦框７の引き抜き成形によって該縦
框７に一体形成されている。

【００２２】ここで、上部横枠３および下部横枠４と同
様に断面中空形状をなす縦框７は、パネル幅方向に開放
された中空部７ａ（図４参照）を有しており、この中空
部７ａが前記上部横枠３と下部横枠４の嵌合溝３ａ，４
ａに連通していることにより、前記縦框７は前記嵌合溝
３ａ，４ａの両端を遮らないように上部横枠３，下部横
枠４に取付けられている。

【００２３】そして、前記左右の縦框７の各上端側に
は、それぞれロングピン９が外側方に向って突設され、
このロングピン９をチェーン１０に回動自在に連結する
ことにより、複数のパネル体１が前記縦框７およびロン
グピン９を介して前記チェーン１０で屈曲可能に連結さ
れている。

【００２４】次に、前記ロングピン９とチェーン１０と
の連結手段について述べると、チェーン１０におけるロ
ングピン９の連結個所となる部分のリンクピンを抜き取
り、その抜き取り部分に前記ロングピン９を挿通した構
成となっている。

【００２５】また、ロングピン９の外端側にはパネル吊
下用の上部ローラ１２が回転自在に取付けられている。
さらに、パネル体１における縦框７の両側下端部には、
左右のチェーン１０の各中心から後方に偏奇した位置で
昇降ガイド兼振れ止め用の下部ローラ１３が回転自在に
軸支されている。

【００２６】一方、ガイドレール１１の上端側には、図
７に示すようにパネル収納用のボックス１５が設けられ
ている。このボックス１５内には、ガイドレール１１の
上方で前記チェーン１０を噛合させたパネル昇降駆動系
のスプロケット１６が軸支されている。このスプロケッ
ト１６は、前記ボックス１５内の一側壁に装着されたギ
アードモータからなるパネル昇降駆動手段（開閉機）１
７により伝動チェーン１８を介して正逆回転駆動される
ようになっている。

【００２７】このように前記スプロケット１６が正逆回
転駆動されることにより、これに噛合したチェーン１０
の送り作動で複数のパネル体１がガイドレール１１に沿
って一連に昇降駆動されるようになっている。

【００２８】また、前記ボックス１５内には、ガイドレ
ール１１の上端側近傍に位置するチェーン弛み感知装置
１９と、ガイドレール１１の上端にチェーン・スプロケ
ット噛合分離装置２０を介して前端側が接続するパネル
吊下収納用の支持レール２１と、この支持レール２１に
上方で平行するチェーン先端誘導棒２２と、支持レール
２１の下方で該支持レール２１に平行するパネル振れ止
め用の下部レール２３とが配置されている。

【００２９】前記チェーン弛み感知装置１９は、ガイド
レール１１内におけるパネルの折重、詰まり等に起因し
たチェーンの屈折力等を検知する機能と、該検知時の警
報機能、あるいはパネル昇降駆動手段１７の自動停止機
能を有する。

【００３０】前記チェーン・スプロケット噛合分離装置
２０は、ガイドレール１１の上端と支持レール２１の前
端との間で前記チェーン１０を前記スプロケット１６と
確実に噛合させ、且つ、該噛合部分から円滑に屈曲案内
移行させる機能を有する。

【００３１】前記支持レール２１は、前記ボックス１５
内に移行してきたパネル２の上部ローラ１２を転動係合
させてパネル２相互をボックス１５内で並行折畳状態に
吊持収納する。

【００３２】前記下部レール２３は、前記ボックス１５
の入出口側でガイドレール１１に前端側が接続して前記
下部レール２３とは反対側に傾斜するパネルガイド部２
４を有している。

【００３３】ここで、前記パネル体１の上部ローラ１２
が支持レール２１上に係合して移動する時、そのパネル
体１の下部ローラ１３が前記下部レール２３の下面に係
合して移動することにより、この下部レール２３と前記
支持レール２１との間で各パネル体１をそれぞれ垂直姿
勢に維持して移動させ、これによって、前記各パネル体
１の振れ止めを行うようになっている。

【００３４】次に動作について説明する。ボックス１５
内の支持レール２１上に各パネル体１の上部ローラ１２
が転動自在に支持され、且つ、下部ローラ１３が下部レ
ール２３の下面に転動自在に係合されていることによ
り、各パネル体１が平行に折畳まれた収納状態におい
て、パネル昇降駆動手段１７が一方向に回転起動される
と、伝動チェーン１８を介してスプロケット１６が回転
駆動される。

【００３５】これにより、前記スプロケット１６に噛合
し、且つ支持レール２１と下部レール２３との間に保持
されたパネル体１相互を連結しているチェーン１０がガ
イドレール１１に上方から繰り出される。これにより、
各パネル体１が順次下降してガイドレール１１間を閉じ
る展開位置に繰り出されてシャッター閉止状態となる。

【００３６】このシャッター閉止状態では、下位パネル
体１の嵌合凹部３１と上位パネル体１の嵌合凸部４１と
が必然的に嵌合され、しかも、下位パネル体１の上向突
出カバー片部３２が上位パネル体１の嵌合凸部４１の側
面に沿ってオーバーラップし、且つ、前記上向突出カバ
ー片部３２先端の気密材３３が前記嵌合凸部４１の側面
に沿って密接することにより、気密性が確実に保持され
る。

【００３７】また、前記シャッター閉止状態から前記パ
ネル昇降駆動手段１７が逆回転起動されると、チェーン
１０がガイドレール１１内を上昇してボックス１５内に
進入する。この場合、各パネル体１の上部ローラ１２が
チェーン・スプロケット噛合分離装置２０を介して前記
支持レール２１上に移行する。

【００３８】これと同時に、各パネル体１の下部ローラ
１３が下部レール２３のパネルガイド２４を介して該下
部レール２３の下面に係合し、転動移行する。これによ
って、各パネル体１の振れが防止され、この状態でパネ
ル体１が支持レール２１上に移行することにより、各パ
ネル体１はボックス１５内で並列状態に順次収納され
る。

【００３９】以上において、パネル体１を破損等により
取替える際、上部横枠３と下部横枠４および縦枠５はガ
イドレール１１に嵌込まれていないので、該ガイドレー
ル１１の外部で、上部横枠３および下部横枠４の開口３
１ａ，４１ａからタッピングネジ６を取り外せば、前記
上部横枠３と下部横枠４を縦枠５から取り外すことがで
き、その取り外し後に前記パネル体１を外す。次いで、
縦枠５の開口５１からタッピングネジ８を取り外せば、
その縦枠５を縦框７から分離できる。

【００４０】そして、この状態では、チェーン１０で連
結されている縦框７のみがガイドレール１１内に取り残
された状態となる。従って、ガイドレール１１を取り外
したり、チェーン１０で連結された縦框７を分解したり
することなく、パネル体１の取替えが容易に行える。

【００４１】また、ガイドレール１１間に全てのパネル
体１が繰り出されたシャッター全閉状態において、下部
横枠４の嵌合溝４ａ内部に雨水等が浸水すると、該雨水
は前記嵌合溝４ａを樋として両端側に流れ、縦框７下部
の中空部７ａを通ってガイドレール１１側に排水され
る。

【００４２】なお、図１において、符号２７は中補強で
あり、この中補強２７にあっても、前記縦枠５の場合と
同様に、上部横枠３と下部横枠４に対してそれらの嵌合
溝３ａ，４ａを遮らないように固定することが可能であ
る。

【００４３】

【考案の効果】以上のように、この考案によれば、上部
横枠と下部横枠とで左右の縦枠を挟み込んで固定し、そ
れらの縦枠の外側に取付けられた縦框のそれぞれが前記
下部横枠のパネル嵌込み用の嵌合溝を遮っていないの
で、前記下部横枠の嵌合溝内部に雨水等が浸水しても該
雨水等が嵌合溝から室内側に溢れ出るようなことがない
という効果がある。

【００４４】なお、請求項２記載の実施態様によれば、
左右縦框の外側に上部の吊下げ用ローラと下部パネルガ
イド用の下部ローラを取付けたことにより、それらを予
めユニット化しておくことができ、その縦框の外側寄り
を昇降自在に嵌込み係合させた左右ガイドレールの外部
で前記縦框に縦枠を着脱できるので、左右ガイドレール
間を昇降開閉するパネル体の交換に際しては、ガイドレ
ールを取外すことなく、しかも、上述の如く上部の吊下
げ用ローラと下部ローラがユニット化された縦框をガイ
ドレール側に残したまま、その縦框から前記縦枠を取外
すことによって、パネル体の交換を簡単に手際よく行う
ことができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例によるシャッター用パネル
の正面図である。

【図２】図１の側面図である。

【図３】パネルの要部を断面した部分的拡大正面図であ
る。

【図４】図３の左側面図である。

【図５】図３の縦断右側面図である。

【図６】図３のＶＩ−ＶＩ線断面図である。

【図７】パネル収納用ボックスの内部構成を示す断面図
である。

【符号の説明】

１ パネル体 ２ パネル ３ 上部横枠 ４ 下部横枠 ３ａ，４ａ 嵌合溝 ５ 縦枠 ７ 縦框 １０ チェーン １１ ガイドレール １６ パネル昇降駆動系スプロケット ５２ 嵌合溝

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャッター開閉用開口の両側に起立配置
   された左右一対のガイドレール間を昇降開閉するパネル
   シャッターのパネル体構造において、パネルの上端部お
   よび下端部を嵌込む嵌合溝がそれぞれの内側全長に渡っ
   て連続形成された上部横枠および下部横枠と、前記パネ
   ルの両端部が嵌込まれる嵌合溝をそれぞれの内側に有し
   て前記上部横枠および下部横枠の両端部に組付けられる
   左右の縦枠とを備え、前記上部横枠と下部横枠とで前記
   左右の縦枠を挟み込んで固定し、それらの縦枠の外側に
   は前記下部横枠の嵌合溝の両端開口を遮らないように縦
   框を取付けたことを特徴とするパネルシャッターのパネ
   ル体構造。
2. 【請求項２】 縦框は左右の縦枠の外側に着脱可能に取
   付けられ、その縦框の外側には上部の吊下げ用ローラと
   下部ガイド用の下部ローラが取付けられ、シャッター開
   閉用開口の両側に配置された左右一対のガイドレールに
   前記縦框の外側寄りが昇降自在に嵌込み係合され、前記
   ガイドレールの外部で前記縦框に前記縦枠が着脱可能と
   なっていることを特徴とする請求項１記載のパネルシャ
   ッターのパネル体構造。