JPH0811037B2 - 生理作用の激しい青果物の包装袋 - Google Patents

生理作用の激しい青果物の包装袋

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JPH0811037B2
JPH0811037B2 JP16053086A JP16053086A JPH0811037B2 JP H0811037 B2 JPH0811037 B2 JP H0811037B2 JP 16053086 A JP16053086 A JP 16053086A JP 16053086 A JP16053086 A JP 16053086A JP H0811037 B2 JPH0811037 B2 JP H0811037B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば野菜、根菜、果実、草花、花木、き
のこ類など(以下本明細書ではこれらを広義の意味で青
果物と称する)のうち、収穫後も激しい生理作用を営む
青果物の包装に好適な袋に関し、殊に保存時の鮮度保持
作用及び防曇作用を効果的に発揮させることにより包装
商品としての商品価値を高めることのできる包装袋に関
するものである。
[従来の技術] 近年、生鮮野菜、果実、生花あるいはきのこ類等の青
果物は、露地栽培から園芸施設栽培による計画的な多重
・多角的栽培へと移行してきているものが多く、定めら
れた期間内に大量の青果物を収穫し包装しなければなら
ないことが多い。また露地栽培を主体とする青果物にし
ても収穫時期が決まっているので、短期間内に大量の収
穫物を包装し出荷しなければならず、これら青果物の包
装物が一般消費者の手に渡るまでの流通課程で最も問題
となるのは、収穫時の鮮度を如何にうまく保持するかと
いうことである。
こうした要望に答えるべく、鮮度保持に主眼を置いた
包装袋の改良研究が盛んに進められており、本出願人も
改良された幾つかの包装用フィルムおよび包装袋を提案
している。
ところで前述の様な青果物は収穫によって直ちに生理
作用を失なう訳ではなく、特に収穫後しばらくの間は収
穫前と殆んど変らない程の生理作用を持続する。また適
当な保存状態に保たれておれば生理作用は更に長く持続
され、且つ該生理作用を持続している限り青果物は良好
な鮮度を維持する。換言すれば保存状態が悪ければ生理
作用の持続が失われ、早期に腐敗してしまう。
包装状態における青果物の生理作用としては、 蒸散作用による水分の減少、 呼吸作用による雰囲気酸素の消費と炭酸ガスの発
生、 炭酸ガスの発生、発熱にともなう昇温、 が知られており、密閉状態では酸素濃度が減少すると共
に炭酸ガス濃度が増加し、且つ熱が放散されない為包装
体の内部温度は上昇してくる。そして呼吸作用はある温
度以上でより活発となり、高温では蒸れ現象によって腐
敗し易くなる。また蒸散作用は、高温あるいは低湿度の
雰囲気でより大きくなり、その結果形成される高温・高
湿度中では一層腐敗し易くなる。
そこで上記の様な生理作用を考慮して保存時の鮮度保
持効果を高めるため、包装用袋に適当な大きさの開孔を
設けたり或は袋の底部をカットする等の手段で通気性を
高め、酸素濃度の低下を防止し、炭酸ガス濃度の増加を
防止し、また昇温を抑制することが試みられている。し
かしながらこれらはあくまでも応急処置的なものであっ
て、包装袋内部の温度分布やガス組成を必ずしも均一に
なし得る訳ではなく、局部的な腐敗、特に外部から見え
ない部分での腐敗が進行し、消費者をあざむくという予
期しない結果を招くことがある。しかも現在実用化され
ている包装用フィルムを用いた青果物の包装袋は、青果
物の前記蒸散作用或は付着水分の蒸発によって生じる水
分が包装用袋の内面に付着して曇りを生じ、内容物が外
部から見えにくくなるといった問題に加えて、該曇り部
に凝縮した水分に青果物が直接触れるといわゆる水腐れ
を生ずるという難点もある。
この様なところから、袋に開孔やカット処理等を施さ
なくとも袋内の条件を青果物の生理作用にとって好適な
温度およびガス組成に保ち、且つ優れた防曇性を発揮し
得るような包装用フィルムの開発が望まれているが、生
理作用の激しい青果物を包装するのに充分なものは得ら
れていない。
例えばポリエチレンフィルムは、適度の水蒸気透過度
は有しているものの、酸素及び炭酸ガスの透過度が不足
する為青果物が短期間の保存で窒息状態となって鮮度低
下を来たし、またポリスチレンフィルムは適度の酸素及
び炭酸ガス透過性を有し青果物の呼吸作用は長期間持続
せしめ得るものの、水蒸気透過率が大きすぎる為水分の
蒸散作用が著しくなり、青果物が短期間のうちに変色ま
たは萎凋現象を生じ、良好な鮮度を長期的に維持するこ
とはできておらない。
しかも上記の様なフィルムは何れも防曇性が乏しく、
外観において商品価値を低下させるばかりでなく、曇り
部に凝縮した水分に青果物が直接触れると、いわゆる水
腐れの原因となる。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは上記の様な事情に着目し、包装袋に開口
やカット処理等を施さなくとも青果物の生理作用に好適
な水蒸気透過性、酸素および炭素のガス透過性を発揮
し、且つ内面に曇り現象を生じることのない様な複層フ
ィルムを開発すべく研究を行なった。その結果、複層フ
ィルムの水蒸気透過性、酸素透過性および炭酸ガス透過
性を夫々適正範囲に特定すると共に、複層フィルム構成
材中に適量の防曇剤を配合しておけば、上記の難点が一
応解消されることを確認し、こうした知見を基にして先
に特許出願を済ませた。
ところがその後更に研究を進めるうち、次の様な事実
が明らかとなってきた。即ち上記先願発明に係る複層フ
ィルムで作製した袋を用いた場合、収穫後の生理作用が
比較的おだやかな青果物に対しては鮮度保持の目的が有
効に発揮されるが、収穫後も激しい生理作用を営む青果
物(例えばきゅうり,えだ豆,えのきだけ,いんげん豆
など)の包装に適用した場合、内部の湿度を適正に保つ
ことができないことがしばしば経験された。殊に昼夜の
温度変化あるいは冷蔵庫への出し入れ等による急激な温
度変化が生じた場合には、青果物の蒸散作用によって生
ずる袋内の水蒸気が結露して包装袋内に水がたまり、青
果物が水腐れを起こすという問題を生じることが明らか
となってきた。しかも呼吸作用の著しい青果物の場合は
包装袋内における酸素濃度および炭酸ガス濃度の変動も
著しくなるので、前記先願発明に係る複層フィルムを使
用した場合は、これらの急激な濃度変化に対して十分に
追従させることが困難な場合もあり、当該青果物の激し
い生理作用に適したガス雰囲気を保持し得なくなって、
鮮度保持効果も不十分となる。
本発明はこの様な問題点に着目して更に研究の結果な
されたものであって、その目的は、生理作用の激しい青
果物の包装に適用した場合でも、またその包装物が急激
な温度変化を受けた場合でも、結露水による水腐れの問
題を生ずることがなく、且つ内部を青果物の生理作用に
好適な雰囲気に保持し得る様な包装袋を提供しようとす
るものである。
[問題点を解決する為の手段] 上記の目的を達成する為の要件として規定される本発
明に係る生理作用の激しい青果物包装袋の構成は、炭素
数2〜10のα−オレフィン系共重合体の1種以上:30〜9
0重量%と、酢酸ビニル、アクリル酸及びスチレンより
なる1種以上のモノマー単位が全構成々分中の5〜80重
量%を占める共重合体の1種以上:10〜70重量%との混
合物を構成材とする基層の少なくとも片面に、炭素数2
〜10のα−オレフィン系共重合体を構成材とする表面層
が形成された複層フィルムからなり、無孔状態でのフィ
ルムの 水蒸気透過度が15〜200g/m2・24hr・40℃、 酸素透過度が3000〜35000cc/m2・24hr・atm・20℃・9
0%RH、 炭酸ガス透過度が12000〜130000cc/m2・24hr・atm・2
0℃・90%RH、 であり、少なくとも片面側表面層には防曇剤が存在し、
且つ270℃で溶断シールしたときに3.0Kg−cm/15mm以上
の溶断シール強度を示す複層フィルムを用い、該表面層
が内側になる様に少なくとも3方が閉じられた袋状に形
成され、且つ該袋の密封底辺には1個当たりの切欠き長
さが4〜100mmである切欠き孔が、当該底辺長さの50%
以上を密封面として残す様に1個以上開口されてなると
ころに要旨を有するものである。ここで用いられる複層
フィルムとしては、少なくとも片面側表面が の間で温度変化を繰り返したとき、後述する測定法で1
日以上防曇性を示すものを使用することによって、その
目的を一層確実に達成することができるので好ましい。
[作用] 本発明の包装袋を構成する複層フィルムは、まず第1
の条件として無孔状態での水蒸気透過度、酸素透過度、
炭酸ガス透過度を特定すると共に、包装用途等で用いた
ときの青果物に接する側の表面層に防曇剤を存在せし
め、且つ溶断シール強度を特定したところに特徴を有す
るものであるから、以下上記各特性を定めた理由につい
て説明する。
水蒸気透過度:15〜200g/m2・24hr・40℃ 水蒸気透過度は、青果物に付着している水分の蒸発及
び蒸散作用により放出される水分による袋内湿度を適正
に保ち、湿度過剰によるむれ現象を防止して腐敗を抑制
すると共に、湿度不足による青果物の萎凋、変色(黄変
又は褐変)、軟化、弾力性喪失等を防止するうえで重要
な特性であり、水蒸気透過度が15g/m2・24hr・40℃未満
では湿度過剰によるむれ現象によって青果物が腐敗し易
く、一方200g/m2・24hr・40℃を超える場合は包装袋内
部が湿度不足となって青果物が萎凋、変色等を起こし易
く、何れの場合も満足のいく鮮度保持効果を得ることが
できない。良好な鮮度保持効果を確保するうえでより好
ましい水蒸気透過度は20〜150g/m2・24hr・40℃の範囲
である。
酸素透過度:3,000〜35,000cc/m2・24hr・atm・20℃・
90%RH 酸素透過度は、呼吸作用による酸素濃度の低下を外部
空気の透過侵入によって補い、生理作用を持続させるう
えで極めて重要な特性であり、該透過度が3,000cc/m2
24hr・atm・20℃・90%RH未満の場合は特に呼吸作用の
著しい(酸素消費量の多い)青果物を包装したときの内
部酸素量が欠乏し、窒息状態となって十分な鮮度保持効
果が発揮されない。一方35,000cc/m2・24hr・atm・20℃
・90%RHを超えた場合、酸素欠乏現象を生じる恐れはな
いが、外部からの細菌類の侵入によりかび等が生ずる青
果物の場合は、鮮度保持効果がかえって低下する。酸素
透過度のより好ましい範囲は4,000〜20,000cc/m2・24hr
・atm・20℃・90%RHである。
炭酸ガス透過度:12,000〜130,000cc/m2・24hr・atm・
20℃・90%RH 炭酸ガス透過度は、包装袋内のガス組成を適正に保
ち、青果物の呼吸作用を保証すると共に炭酸ガス障害を
回避し、更には菌体の侵入・繁殖による腐敗を防止する
うえでも有効な特性であり、該透過度が12,000cc/m2・2
4hr・atm・20℃・90%RH未満では包装袋内の炭酸ガス濃
度が高くなり過ぎて青果物の呼吸作用が阻害され、鮮度
及び味覚が急速に低下してくる。
一方130,000cc/m2・24hr・atm・20℃・90%RHを超え
ると、包装袋内部のCO2濃度が低くなりすぎて腐敗防止
効果及び劣化抑制効果が有効に発揮されなくなる。炭酸
ガス透過度のより好ましい範囲は15,000〜100,000cc/m2
・24hr・atm・20℃・90%RHである。
更に本発明で使用する複層フィルムにおける青果物に
接する側の表面層には保存乃至流通期間中防曇性を示す
様な防曇剤が存在し、且つ270℃で溶断シールしたとき
に3.0Kg−cm/15mm以上の溶断シール強度を示すものでな
ければならない。即ち本発明では、包装袋内面の曇り現
象を防止して商品価値を高めるばかりでなく、曇りの進
行によって形成される水滴による内容物の水腐れを防止
するうえでも防曇作用は極めて重要な特性であり、且つ
流通過程で長期的に優れた防曇性を持続させる為には、
保存乃至流通時の気温変化を考慮して、040℃の間で
温度変化を繰り返す経過中継続して防曇性を示す様な防
曇剤が表面層に存在するものでなければならない。本発
明は前述の如く収穫後も激しい生理作用を持続する青果
物を包装対象とするものであり、冷凍保存よりもむしろ
室温雰囲気での保存が望まれるが、冬季の室内外の温度
差等を考慮すると、本発明における防曇特性の設定に当
たっては、たとえば後述する方法によって求められる
「040℃の間で温度変化を繰り返したときの防曇持続
性」により定めるのがよく、本発明では下記の測定法で
1日以上防曇性を持続するものであることが望まれる。
(防曇性評価方法) 200ccビーカーに150ccの40℃温水を入れ、試料の防曇
面を内側にしてビーカーにかぶせる。その後、6Hr,0℃
に保ち、次に40℃に6Hrに保つ。この温度変化を2回繰
り返し(合計24時間)、フィルム面を通して容器内容物
が明瞭に観察できるか否かによって判定する。
表層部に存在させる防曇剤の種類は特に限定されるも
のではなく、従来から知られた防曇剤の他、帯電防止剤
や活性剤の如く防曇特性を発揮し得るすべてのものを使
用することができ、必要によっては2種以上を併用する
こともできる。これらの防曇剤は表面層構成材中に直接
混入し得る他、基層構成材中にのみ混入させておき、積
層後表面層へ拡散移行させることによって表面層に防曇
性を与えることも可能である。表面層における防曇剤の
存在量は、防曇剤の種類によっても変わってくるので一
律に規定することは適当でないが、好ましいのは0.3〜
3重量%の範囲である。しかして0.3重量%未満では防
曇性能が不十分である為本発明の要求特性が満たされ難
く、一方3重量%を超える場合は表面層が白化現象を生
じて透明性が低下するばかりでなく、青果物の蒸散によ
って袋の内面に付着した水分が白濁現象を起こし、商品
価値が著しく低下するという問題も生じてくる。
尚製袋前のフィルムの状態で防曇性を評価する簡便法
として表面層の表面張力で評価することも可能であり、
本発明者らが確認したところによると、該表面張力が38
ダイン/cm以上となる様に防曇剤の存在量を調整するこ
とによって、目的にかなう防曇持続性を確保し得ること
が明らかとなった。
次に本発明の包装袋は、上記の複層フィルムの防曇剤
を含む層が内側となる様に重ね合わせて3方を溶断シー
ルするか、あるいは折り曲げ辺と直交する2辺を溶断シ
ールする、等の手段で少なくとも3方の閉じられた袋状
に作製されるものであり、青果物の充填時或は流通時等
にシール部が剥離して開封される現象を阻止し得るに足
るシール強度を確保するため、270℃で溶断シールした
ときの溶断シール強度が3.0Kg−cm/15mm以上でなければ
ならず、該溶断シール強度が不足する場合は、青果物の
充填時或は取扱い時にシール部が剥離する。尚溶断シー
ル温度は現在実用化されている一般的な溶断シール温度
を基準にして定めたが、上記溶断シール条件のもとで上
記設定値以上の溶断シール強度を示し得るものである限
り、前述の範囲を外れる溶断シール温度を採用すること
を排除するものではない。
以上の様な諸特性を有する複層フィルムは、基層構成
材と表面層構成材の共押出しあるいはインラインラミネ
ート法等によって製造することができるが、前述の要求
特性を満足するには、基層および表面層の構成材として
下記の樹脂を選択することが必要となる。以下、それら
の好ましい構成材について説明すると次の通りである。
まず基層は、フィルムに要求される最低限の機械的強
度を確保すると共に、水蒸気、酸素及び炭酸ガスの各透
過性にも最も大きい影響を及ぼすものであり、次の様な
素材を使用することによって前述の目的にかなう基層を
得ることができる。即ち基層構成材としては、炭素数
が2〜10であるα−オレフィン系の共重合体の1種以上
と、酢酸ビニル、アクリル酸及びスチレンよりなる1
種以上のモノマー単位が全構成々分中の5〜80重量%を
占める共重合体の1種以上、との混合物で、且つその混
合比率が前者:30〜90重量%、後者:10〜70重量%で
ある混合物を使用しなければならない。
上記を構成する炭素数2〜10のα−オレフィンの具
体例としてはエチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセ
ン、ヘプテン等が挙げられるが、より一般的なのはエチ
レン、プロピレン、ブテンである。上記α−オレフィン
の2種以上のランダム共重合体あるいはフロック共重合
体を使用すると、前記透過度のすべてを満たす基層が一
層容易に得られる。この場合の共重合比は、組合される
α−オレフィンの種類に応じて任意に決定すればよい。
また上記を構成する共重合体としては、酢酸ビニル、
アクリル酸及びスチレンよりなるモノマー単位を該共重
合体全構成々分中に5〜80重量%含有する共重合体を使
用することが必要であり、これらのモノマーと組合され
るモノマーとしては共重合可能なモノマーであればよい
が、特に好ましいのはエチレン、プロピレン等のα−
オレフィン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テルあるいはブタジエン等である。該共重合体中に占
める酢酸ビニル、アクリル酸及びスチレンよりなるモノ
マー単位の重量が5%未満あるいは80%超である場合
は、前記各透過度のすべてを満足することが困難になる
他、80%超の場合は基層フィルムのヘイズが悪化し、ま
た溶断シール性の低下あるいは溶断部にひげ状物ができ
る等の難点が生じてくる。
上記及びの混合比率は前者30〜90重量%に対して
後者10〜70重量%の範囲とすべきであり、この様な配合
率範囲を特定することによって、強度等の機械的特性は
もとより透明性や溶断シール性及び前記各透過度のすべ
てにおいてバランスのとれた性能を確保することができ
る。ちなみに共重合体の配合率が30重量%未満である
場合は、基層フィルムの透明度が低くなり、一方90重量
%を超える場合は、ガス透過性能を本発明で規定する範
囲に収め難くなる。たとえば、酸素透過度及び炭酸ガス
透過度が前記設定範囲に入ったとしても水蒸気透過度が
設定範囲から外れるといった問題が生じ、その場合青果
物の生理作用に好適な包装雰囲気が得られ難くなる。
尚上記、を配合するに当たっては、230℃におけ
る該配合物のメルトインデックスが1〜100/10min、よ
り好ましくは2〜50g/10minとなる様に上記、の配
合物の選定するのが好ましい。
次に表面層構成材は、防曇剤の存在によって長期に亘
り優れた防曇性を持続し得る特性が要求される他、優れ
た溶断シール性を有することが必要であり、こうした要
求を満たす為の表面層構成材としては、炭素数が2〜10
であるα−オレフィン系モノマー(エチレン、プロピレ
ン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、デセン
等)から選ばれる2種以上によって得られるランダム共
重合体もしくはブロック共重合体が挙げられ、この共重
合体は単独或は混合して使用される。溶断シール性を高
めるうえで特に好ましい表面層構成材は、融点が80〜15
0℃のα−オレフィン単独重合体、共重合体またはそれ
らの2種または3種以上の混合物を主成分する重合体で
ある。該表面層構成フィルム中に防曇剤を存在させる方
法としては、該表面層構成材自体の中に防曇剤を混入さ
せておく方法の他、基層フィルム中に適量の防曇剤を含
有させておき、積層後の拡散によって表面層構成フィル
ム中に防曇剤を移行させる方法を採用することもでき
る。この場合、基層フィルム内へ混入させる防曇剤の量
は0.3〜3重量%、より好ましくは0.4〜2.2重量%が好
適であり、0.3重量%未満では表面層フィルム方向への
拡散移行量が不十分となる為表面層に十分な防曇性能を
与えることができず、一方3重量%を超えると、表面層
部側の防曇性は十分に高められるものの、表面層フィル
ムが白化現象を生じて商品価値を劣悪になる。ところが
基層フィルム中に0.3〜3重量%の防曇剤を含有させて
おいて表面層フィルムと積層すると、基層フィルム中の
防曇剤が表面層フィルム方向へ徐々に拡散移行していく
結果、長期間に亘って良好な防曇特性を持続することと
なる。
前述の基層構成材及び表面層構成材から複合フィルム
を成形する為の手段は特に限定されず、共押出し法やイ
ンラインラミネート法の如き周知の方法によって行なわ
れることは先に述べた通りであり、また基層及び表面層
の肉厚も格別の制約はないが、経済性や物性等を加味し
て最も一般的なのは、基層:4〜200μm程度、表面層:0.
3〜8μm程度である。また基層と表面層(両外面が表
面層であるときはその合計厚み)との厚み比は99.5〜6
0:0.5〜40とするのが一般的である。尚本発明フィルム
の最も基本的な複合形態は、表面層と基層を1層ずつ積
層した形態のものであるが、この基層の両面に表面層を
積層して両面に防曇性とヒートシール性を持たせたり、
或は基層の片側(表面層積層面とは反対側、但し両表面
層に防曇性やヒートシール性をもたせている場合は該表
面層のうちいずれか一方)に印刷等の加工を施すことも
勿論可能であり、これらはすべて本発明の技術的範囲に
含まれる。
また基層及び表面層を構成するフィルム中には更に必
要に応じて滑剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤等を配合することも
でき、更に該複層フィルムは所望により1軸延伸若しく
は2軸延伸を施して物性を改善することもできる。
この様にして得られる複層フィルムで包装袋を作製
し、生理作用の激しい青果物を装入して密封した場合、
先に述べた様に該フィルムのガス透過性能だけでは、青
果物の激しい生理作用に基づく湿度の増大およびガス組
成の変化に十分対応することができず、温度の急変等に
より内部の水蒸気が結露して袋底部に水がたまり、水腐
れを起こすことがある。
そこで本発明では、結露水による障害を防止する為、
包装袋の底辺に適当な大きさの切欠き孔を形成すること
としている。この切欠き孔は、前述の如く特に袋内で生
ずることのある結露水をすみやかに包装袋外へ漏出させ
ることにより、青果物の水腐れを防止しようとするもの
であるが、同時に複層フィルムの有する前述の様なガス
透過性能だけでは追従することのできない袋内ガスの変
動に対し、内外の換気を促進することにより適正な生理
環境を保持する機能を果たすものであり、その大きさは
切欠き孔1個の切欠き長さを4〜100mmの範囲のものと
し、これを包装袋の底辺に1〜数個(好ましくは6個程
度まで)設ける必要がある。該切欠き孔の切欠き長さが
4mm未満では、結露水の外部への流出が不十分となるば
かりでなく内外気の相互拡散による換気効果も有効に発
揮されず、青果物の水腐れ防止及び鮮度保持の各効果が
十分に発揮されない。一方100mmを超える場合は、例え
ば外気が乾燥状態のときに袋外部への水分の蒸散が著し
くなって青果物が萎凋、黄変を起こし易くなるばかりで
なく、細菌の侵入によりカビ等が発生し易くなり、更に
は青果物の装入時あるいは搬送中に袋が破れ易くなる。
尚該切欠き孔の大きさや数は、包装袋底辺部の強度の
点からも制限を設ける必要がある。即ちこの切欠き孔は
包装袋の底辺部に設けられるものであり、該切欠き孔を
設けた分だけ一辺当たりの強度は低下してくる。従って
実用上差し支えのない程度の底辺強度を確保するために
は、底辺長さのうち50%以上が密封面として残されるよ
うに切欠き孔の大きさ及び数を制限する必要がある。尚
底辺が折り畳み縁で形成されるときには強度面の余裕が
あるので切欠き長さをもう少し増加しても良く、密封面
として残す長さは40%位で良い。
上記の要件を満たす様に切欠き孔の大きさや数を特定
することによって、包装用袋としての本来の機能を損な
うことなく、青果物の激しい生理作用や外気温度の急変
による結露水の発生を見た場合でも該結露水をすみやか
に外部へ流出させることができ、青果物の保存安定性を
一段と高めることができる。
次に実施例を挙げて本発明を一層明確にするが、本発
明はもとより下記の実施例によって制限を受けるもので
はない。尚下記実施例において「%」とあるのは特記し
ない限り「重量%」を意味する。
また本発明で規定される水蒸気、酸素及び炭素ガスの
各透過度の測定法は、夫々下記の通りとした。
水蒸気透過度:JIS-Z-0208のB法で定める防湿包装材
料の透湿度試験法に準拠して測定。
酸素透過度及び炭酸ガス透過度:JIS-Z-1707で定める
「食品用プラスチックフィルムの試験法」中、気体透過
度の試験法に準拠して測定。但し各気体については標準
温度に換算せず20℃における体積とし、且つ24時間当た
りの透過量として求めた。
[実施例] 実施例1 エチレン・プロピレン共重合体(エチレン含有量:5
%)と、酢酸ビニル含有量が28%であるエチレン・酢酸
ビニル共重合体とを、前者65%、後者35%の比率で混合
してなる基層構成材と、プロピレン・ブテン−1共重合
体(ブテン−1含有量:18%)とブテン・エチレン共重
合体(エチレン含有量:3.5%)とを1:1の重量比率で配
合してなる混合組成物からなる表面層構成材(但し該表
面層構成材中には防曇剤として6%の高級脂肪酸エステ
ルモノグリセライドを混入させた)を使用し、共押出し
法によって、基層の両面に表面層の積層された複層フィ
ルムを作製し(押出温度:260℃、冷却:20℃)、引き続
いて縦延伸倍率3倍、横延伸倍率8倍の2軸延伸を施
し、更に両面にコロナ放電処理を行なって、基層16μ
m、表面層2μm×2(両面)の合計20μmの3層フィ
ルムを得た。このフィルムの片面(A)側の表面張力は
42ダイン/cm、他方面(B)側の表面張力は38ダイン/cm
であった。該複層フィルムの諸特性を第1表に示す。
この複合フィルムの(A)面側を内面にして2方を溶
断シールし、縦280mm×横180mmの包装袋を作製した。こ
の包装袋の底辺2隅を第1図に示す如く切欠き部が2等
辺三角形となる様に5mmの長さにカットして2個の切欠
き孔H(周辺長さ:5mm×2=10mm)を形成し、この中に
収穫直後のなすを装入して上方開口部をテープ(T)止
めし保存時の鮮度変化を調べた。尚なすの呼吸量は15℃
において20CO2mg/Kg・hr、25℃において110CO2mg/Kg・h
rである。
結果は後記第3表に示す。
実施例2 プロピレン・ブテン−1共重合体(ブテン−1含有
量:20%)とエチレン・スチレン共重合体(スチレン含
有量:40%)とを、前者90%、後者10%の比率で配合し
てなる基層構成材(防曇剤として高級脂肪酸エステルモ
ノグリセライドを0.8%配合)と、プロピレン・ブテン
−1共重合体(ブテン−1含有量:18%)とプロピレン
・ブテン−1共重合体(ブテン−1含有量:30%)とを
前者70%、後者30%の比率で配合してなる表面層構成材
とを用い、実施例1と同様にして3層構造の複合フィル
ムを作製した(押出温度:250℃、冷却:25℃)。その後
引き続いて縦延伸倍率2.5倍、横延伸倍率7.8倍の2軸延
伸を行ない、基層20μmの両面に表面層各1.5μmの積
層された合計肉厚23μmの3層フィルムを得た。このフ
ィルムの片面(A)側の表面張力は41ダイン/cm、反対
面(B)側の表面張力は38ダイン/cmであり、何れの面
も基層から拡散してきた防曇剤の良好な防曇性を示し
た。
該フィルムの諸特性を第2表に示す。
このフィルムの(A)面側を内側にして2方を溶断シ
ールし、縦320mm×横150mmの袋を作製した。この包装袋
の底辺2隅および底辺略中央部を夫々第2図に示す如く
15mmの長さにカットして3個の切欠き孔H(周辺長さ:1
5mm×2=30mmのもの3個)を形成し、これに収穫直後
のきゅうりを装入した後上方開口部をテープ(T)止め
して保存時の鮮度変化を調べた。
尚きゅうりの呼吸量は、15℃において25CO2mg/Kg・h
r、25℃において130CO2mg/Kg・hrである。
結果は後記第4表に示す。
実施例3 実施例1で得た包装用袋にえだ豆2本を封入し、同様
にして保存時の鮮度変化を調べた。尚えだ豆の呼吸量
は、15℃において170CO2mg/Kg・hr、25℃において340CO
2mg/Kg・hrである。
結果は第5表に示す。
尚第3、4、5表には比較の為無包装の場合及びOPP
フィルム(2軸延伸ポリプロピレンフィルム)、PEフィ
ルム(ポリエチレンフィルム)で密封包装した場合、お
よび上記実施例1〜3において切欠き孔を省略した他は
夫々全く同様にして得た袋(比較材)を用いた場合、並
びに本発明の規定範囲を外れる大きさの切欠きを設けた
袋を用いた場合の各実験結果も併記した。
尚第3、4、5表に示す鮮度保持試験の評価基準は第
6表に示す通りとした。
実施例4 第7表に示す如く、種々の高分子素材よりなる基層構
成材の両面にプロピレン・ブテン1(18%)共重合体よ
りなる表面層構成材(何れも防曇剤として高級脂肪族モ
ノグリセライドを1%配合)を共押出法により積層した
後、縦2.5倍×横7.5倍に2軸延伸し、次いで両面の表面
張力が何れも39ダイン/cmとなる様にコロナ放電処理を
施して複層フィルムを得た。
得られた各複層フィルムの水蒸気透過度、酸素透過
度、炭酸ガス透過度、防曇性及び溶断シール強度を第8
表に一括して示す。
上記で得た各複層フィルムA〜Hを用いて100mm×180
mmの袋を作製し、該袋の両下隅部に5mmの切欠きを設け
(底密封面:92.9%)、これにエンドウ豆を70g充填して
以下前記と同様にして保存時の鮮度変化を調べた。尚保
存条件は35℃×70%RHとした。
結果は第9表に一括して示す通りであり、本発明の規
定要件を満たす複層フィルム(B,D,F,H)を用いたもの
では全体的に見て良好な鮮度保持効果が得られているの
に対し、フィルムAは水蒸気透過度が低過ぎるため水分
の放散が起こらず、ズルケ、臭気から見た劣化が著し
い。これに対しフィルムCは水蒸気透過度が高過ぎるた
め、内部が脱水状態となって変色、軟化が見られる。ま
たフィルムE及びGは何れも酸素透過度と炭酸ガス透過
度が規定範囲を外れるものであり、呼吸不足による変色
が特に著しい。
比較例4 防曇剤として6%の高級脂肪酸エステルモノグリセラ
イドを混入したアイソタクチックポリスチレンよりなる
単層フィルムIと、 アイソタクチックポリスチレンからなる基層構成材
と、プロピレン・ブテン−1共重合体(ブテン−1含有
量:18%)とブテン・エチレン共重合体(エチレン含有
量:3.5%)とを1:1の重量比率で配合してなる混合組成
物からなる表面層構成材(但し該表面層構成材中には防
曇剤として6%の高級脂肪酸エステルモノグリセライド
を混入させた)を使用し、共押出し法によって、基層の
両面に表面層の積層された複層フィルムJ との2種類のフィルムを作製し(押出温度:240℃、冷
却:20℃)、引き続いて縦延伸倍率3倍、横延伸倍率3.5
倍の2軸延伸を施し、更に両面にコロナ放電処理を行な
って、20μmの単層フィルムと、基層16μm、表面層2
μm×2(両面)の合計20μmの3層フィルムとを得
た。該3層フィルムの片面(A)側の表面張力は42ダイ
ン/cm、他方面(B)側の表面張力は38ダイン/cmであっ
た。該複層フィルムの諸特性を第10表に示す。
これらのフィルムを用いて溶断シール製袋加工を行な
ったところ、単層フィルムIでは全く溶断シールが不能
であった。また3層フィルムJは、基層と表面層都の接
着力が弱くしかも溶断シール部も一体に融着せず分離状
態となった。この溶断シール工程では、フィルムを半折
りして両サイドをシールするが、フィルムの弾性による
戻り力によってシール部が簡単に分離し、フィルムのガ
ス透過性能とは全く無関係にガスの出入りが起こるため
鮮度維持効果が有効に発揮されず、且つ包装そのものに
適用し難いものであった。
これらのフィルムI、Jを用いて包装用袋を作製し
(溶断シール不足の状態のままのもの)、これに収穫直
後のなすを充填して保存時の鮮度変化を調べた。尚、該
充填工程ではいずれも溶断シール不足により満足な密封
効果が得られず、シール部の少なくとも一部が開封状態
となったが、そのままの状態で鮮度変化を調べた。結果
は後記第11表に示す通りであり、溶断シール不足により
当初から開封状態となり或は充填工程で開封してしまう
ため、特に軟化や変色が著しいことが分かる。
比較例2 前記比較例4で得た包装用袋にきゅうり2本を挿入
し、同様にして保存時の鮮度変化を調べた。尚きゅうり
の呼吸量は、15℃において20CO2mg/Kg・hr、25℃におい
て130CO2mg/Kg・hrである。
結果は第11表に示す。
尚第11表には比較の為無包装の場合及びOPPフィルム
(2軸延伸ポリプロピレンフィルム)、PEフィルム(ポ
リエチレンフィルム)で密封包装した場合の実験結果も
併記した。尚、第9表に示す鮮度保持試験の評価基準は
前記第6表に示したのと同様である。
比較例3 ポリスチレンよりなる単層フィルムL、またはプロピ
レン・ブテン−1(ブテン−1:20重量%)共重合体:50
重量%とエチレン・酢酸ビニル(酢酸ビニル:28重量
%)共重合体:50重量%との混合物からなる単層フィル
ムM(いずれも厚さは20μmであり、各フィルム構成材
中には防曇剤として高級脂肪族モノグリセライドを1%
配合)とについて、夫々ガス透過性を測定すると共に、
これら各フィルムL,Mの外周縁に帯状に水性酢酸ビニル
エマルション接着剤層(厚さ2μm)を設けた後、該接
着剤塗布部を合わせた部分の溶断シール強度を測定し、
第12表に示す結果を得た。
上記で得た各フィルムについて、溶断シール部に水性
ビニルエマルション接着剤を塗布してから溶断シールす
ることにより100mm×180mmの袋を作製し、これにインゲ
ン豆を70g充填して以下前記と同様にして保存時の鮮度
変化を調べた。尚保存条件は35℃×70%RHとした。
結果は第13表に示す通りであり、フィルムLでは、溶
断シール強度が極端に低いため、インゲン豆充填時に溶
断シール部が簡単に剥離し、殆んど有効な包装効果が発
現されず、またフィルムMは、本発明で規定する基層構
成材を用いたものであるが、溶断シール強度確保のため
の表面層が存在しないため、やはり溶断シール強度が弱
く、充填状態でシール部が簡単に剥離したり、充填後に
簡単にシール部が剥離して開封状態となり、いずれも本
発明で意図する様な安定した鮮度保持効果を得ることが
できない。即ちこれらのフィルムでは、充填包装段階自
体で満足な密封が困難であるばかりでなく、仮に外見上
密封できたとしても、流通時の取扱い過程で溶断シール
部が簡単に解放して密封効果を失うばかりでなく、内容
物の飛散を起こすことは必定であり、包装用フィルムと
して実用化することはできない。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、用いる複層フィ
ルムは、基層構成材と表面層構成材を特定することによ
って、水蒸気、酸素及び炭酸ガスの各透過度が適正に調
整されているばかりでなく優れた溶断シール強度を有し
ており、しかも製袋状態で適正な大きさの切欠き孔が形
成されているので、青果物は包装後も激しい生理作用を
持続することができ、鮮度保持期間を大幅に延長するこ
とができる。しかもこの複層フィルムは優れた防曇性及
び防曇持続性を有しているので、流通過程で内容物が見
え難くなって商品価値が低下したり、或は曇り部に凝集
した水分によって青果物の腐敗が促進される恐れもな
く、又温度の急変等で仮に結露水が生じたとしても、こ
の結露水は直ちに切欠き孔から袋外へ漏出するので、水
腐れ等を起こす恐れもなく、青果物の外観点商品イメー
ジの低下を防止すると共に、消費者の手元に新鮮な状態
で供給することができる。
【図面の簡単な説明】
第1、2図は実施例で用いた本発明の包装袋を示す正面
図である。 H:切欠き孔、T:テープ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数2〜10のα−オレフィン系共重合体
    の1種以上:30〜90重量%と、酢酸ビニル、アクリル酸
    及びスチレンよりなる1種以上のモノマー単位が全構成
    々分中の5〜80重量%を占める共重合体の1種以上:10
    〜70重量%との混合物を構成材とする基層の少なくとも
    片面に、炭素数2〜10のα−オレフィン系共重合体を構
    成材とする表面層が形成された複層フィルムからなり、
    無孔状態でのフィルムの 水蒸気透過度が15〜200g/m2・24hr・40℃、 酸素透過度が3000〜35000cc/m2・24hr・atm・20℃・90
    %RH、 炭酸ガス透過度が12000〜130000cc/m2・24hr・atm・20
    ℃・90%RH、 であり、少なくとも片面側表面層には防曇剤が存在し、
    且つ270℃で溶断シールしたときに3.0Kg−cm/15mm以上
    の溶断シール強度を示す複層フィルムを用い、該表面層
    が内側になる様に少なくとも3方が閉じられた袋状に形
    成され、且つ該袋の密封底辺には1個当たりの切欠き長
    さが4〜100mmである切欠き孔が、当該底辺長さの50%
    以上を密封面として残す様に1個以上開口されてなるこ
    とを特徴とする生理作用の激しい青果物の包装袋。
  2. 【請求項2】複層フィルムは、少なくとも片面側表面が
    040℃の間で温度変化を繰り返したとき、本文記載の
    測定法で1日以上防曇性を示すものである特許請求の範
    囲第1項に記載の包装袋。
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