JPH08108991A

JPH08108991A - クレーン装置

Info

Publication number: JPH08108991A
Application number: JP27046294A
Authority: JP
Inventors: Ichiro Yamaura; 一郎山浦; 成男 ▲よし▼田; Shigeo Yoshida; Mineyuki Fujimoto; 峰之藤本; Hiroshi Sasaki; 宏佐々木
Original assignee: Penta Ocean Construction Co Ltd; Aichi Corp
Current assignee: Penta Ocean Construction Co Ltd; Aichi Corp
Priority date: 1994-10-07
Filing date: 1994-10-07
Publication date: 1996-04-30

Abstract

(57)【要約】【目的】吊上げた荷（特に、長尺物）を所望の吊上げ
位置や姿勢に確実に動かす。【構成】起伏自在なブーム５と、水平方向に開いて延
びる２本のアーム１２を有し、ブームの先端に水平面内
において旋回自在に取り付けられた旋回部材１０と、両
アーム１２の先端からそれぞれフック１６を吊下げると
ともに、これらフックを上下させるウインチ１５とから
クレーン装置を構成する。両アーム１２はそれぞれ長手
方向に伸縮自在に構成されており、両フック１６は、互
いに独立して上下する。また、このクレーン装置一方の
アーム１２を伸長させると同時に他方のアーム１２をこ
の一方のアームの伸長速度と等速にて縮小させる制御手
段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ブームの先端からフッ
クを吊下げて、このフックに取り付けられた荷を移動さ
せるクレーン装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のクレーン装置は、ブームの先端か
ら吊下げられた１個のフックに荷を引っ掛ける等して取
り付け、ウインチによるワイヤの巻き上げやブームの起
仰作動によって荷を吊上げて移動させていた。ところ
で、このようなクレーン装置によって長尺物を横に延ば
した状態で吊上げる場合は、この長尺物の長手方向ほぼ
中央（又は重心位置）にフックを取り付けるのである
が、この場合、風や振動等によって長尺物が勝手に水平
回転したり上下に揺れ動いたりする。その一方、例え
ば、鉄骨材の組み上げ作業において、既に地面に立てら
れた鉄骨材（柱等）をかわしながら上記長尺物（鉄骨
材）を移動させるような場合は、長尺物を任意に水平回
転させたり上下に傾いた姿勢にする必要が生ずる。この
ため、従来は、長尺物の端部からワイヤを垂らして、地
上の作業員がこのワイヤを引っ張ることによって、長尺
物の勝手な回転を止めたり長尺物を任意の回転位置や姿
勢に動かしたりしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ワイヤ
を引っ張ることによって吊上げられた長尺物の位置や姿
勢を操作するには大きな力が必要であり、作業員の労力
負担が大きい。また、長尺物の位置等を正確に操作する
のは容易ではなく、長尺物と柱等との干渉を避けきれな
い場合も多かった。

【０００４】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、荷（特に、長尺物）を所望の吊上げ位置
や姿勢に確実に動かすことができるようにしたクレーン
装置を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段および作用】上記の目的を
達成するための手段として、本発明では、起伏自在なブ
ームと、水平方向に開いて延びる２本のアームを有し、
ブームの先端に水平方向に旋回自在に取り付けられた旋
回部材と、両アームの先端からそれぞれフックを吊下げ
るとともに、これらフックを上下させるウインチとから
クレーン装置を構成している。

【０００６】このようなクレーン装置によれば、横に延
ばした状態の長尺物を長手方向２点で吊上げることがで
きる。このため、長尺物が、勝手に水平回転等すること
なく安定した状態で吊上げることができる。一方、旋回
部材をブームに対して水平旋回させれば、吊上げた長尺
物をブームに対して任意の吊上げ位置（水平方向位置）
に移動させることができる。

【０００７】また、ウインチをフックごとに設けて、こ
れらウインチにより両フックを互いに独立して上下させ
るようにすることが望ましい。これにより、長尺物を水
平姿勢にしたり上下に傾いた姿勢にしたりすることがで
きる。なお、両アームをそれぞれ長手方向に伸縮自在に
構成するのが望ましい。これにより、例えば、吊上げる
べき長尺物の長さに合わせてアームの先端間距離を任意
に設定することができる。

【０００８】さらに、２本のアームを水平方向に１８０
度開いて延ばし、これらアームのうち一方のアームを伸
長させると同時に他方のアームをこの一方のアームの伸
長速度と等速にて縮小させる制御手段を備えるのが望ま
しい。これにより、両アームの先端間距離を一定に維持
したまま、ブームに対する長尺物の位置をその長手方向
に微調整することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について図面
を参照しながら説明する。図１には、本発明に係るクレ
ーン装置を備えたクレーン車１を示している。このクレ
ーン車１は、トラックをベースとして構成されており、
車体２の前後左右には、車体２の側方に張り出すととも
に下端部を接地させて車体２を支持するアウトリガジャ
ッキ３が取り付けられている。車体２の上面後部には、
この車体２に対して水平旋回が自在な旋回台４が取り付
けられている。さらに、この旋回台４の上部には、ブー
ム５が起伏自在に取り付けられている。このブーム５
は、旋回台４に起伏自在に枢支された基端ブーム部材５
ａと、この基端ブーム部材５ａ内に長手方向に移動自在
に挿入された中間ブーム部材５ｂと、この中間ブーム部
材５ｂ内に長手方向に移動自在に挿入された先端ブーム
部材５ｃとからテレスコープ状に伸縮自在に構成されて
いる。

【００１０】先端ブーム部材５ｃの先端には、先端部分
が二股に分かれたブームヘッド６が取り付けられてお
り、この二股の間には、垂直上方に延びる垂直ポスト７
がブーム５の伸縮方向に向かって揺動自在に枢支されて
いる。この垂直ポスト７は、図示しないレベリング装置
によって、ブーム５の起伏状態にかかわらず常に垂直に
保持される。そして、この垂直ポスト７の上部には旋回
部材１０が取り付けられている。

【００１１】この旋回部材１０は、垂直ポスト７の上部
を中心として水平旋回が自在なブラケット１１と、この
ブラケット１１の前面部分から水平方向に１８０度開い
て延びる２本のアーム１２，１２とを有して構成されて
いる。各アーム１２は、ブラケット１１に一体的に成形
された基端アーム部材１２ａと、この基端アーム部材１
２ａ内に長手方向に移動自在に挿入された先端アーム部
材１２ｂとからテレスコープ状に伸縮自在に構成されて
いる。なお、ブラケット１１内には、油圧モータ１３が
配設されており、この油圧モータ１３の回転作動によっ
て旋回部材１０の全体が垂直ポスト７の回りにおいて旋
回駆動される。また、アーム１２内には、油圧シリンダ
１４が配設されており、この油圧シリンダ１４の伸縮作
動によってアーム１２が伸縮駆動される。

【００１２】さらに、各先端アーム部材１２ｂの先端部
近傍には、油圧ウインチ１５が取り付けられている。こ
のウインチ１５は、ウインチドラムに巻き付けられたワ
イヤ１５ａを繰り出したり巻き取ったりして、ワイヤ１
５ａの先端（下端）に取り付けられたフック１６を上下
させる。

【００１３】このように構成された旋回部材１０及びウ
インチ１５の作動は、図２に示す制御装置２０に取り付
けられた操作レバーの操作に基づいて制御される。旋回
操作レバー２１が操作されると、制御装置２０はその操
作方向に対応する方向に旋回部材１０を旋回させるよう
油圧モータ１３の作動を制御する。伸縮操作レバー２２
が操作されると、その操作方向に応じて両アーム１２を
同時に伸長又は縮小作動させるよう油圧シリンダ１４の
作動を制御する。２本のウインチ操作レバー２３，２３
が同時に且つ同方向に操作されると、２つのウインチ１
５，１５はその操作方向に応じて巻上げ又は巻下げ作動
する。また、いずれか一方のウインチ操作レバー２３が
操作されると、対応するウインチ１５のみが巻上げ・巻
下げ作動する。さらに、スライド操作レバー２５が操作
されると、一方のアーム１２が伸長作動すると同時に他
方のアーム１２がこの一方のアーム１２の伸長速度と等
しい速度で縮小作動する。

【００１４】次に、このように構成されたクレーン車１
による鉄骨材（長尺物）３０の吊上げ作業について図３
を用いて説明する。まず、伸縮操作レバー２２を操作し
て各アーム１２を適宜伸縮させ、両ウインチ１５，１５
間（つまりは両ワイヤ１５ａ，１５ａ間）の水平方向距
離Ｗを、鉄骨材３０の長さに対して適当な距離（長さ）
に調節する。次に、両ウインチ操作レバー２３を操作し
て各ウインチ１５からワイヤ１５ａを繰り出し、鉄骨材
３０の長手方向２箇所に巻き付けた補助ワイヤ３１，３
１に両フック１６，１６を引っ掛ける。

【００１５】そして、両ウインチ１５を巻上げ作動させ
て両ワイヤ１５ａ，１５ａの長さを一致させれば、図３
に実線にて示すように、鉄骨材３０を水平姿勢にて吊上
げることができる。このように長手方向２箇所において
吊上げられた鉄骨材３０は、中央１箇所において吊上げ
た場合のように風や振動等によって勝手に水平回転した
り上下に揺れ動いたりすることがなく、安定した状態に
保持される。なお、鉄骨材の長さがこれよりも長いよう
な場合には、図中に鎖線で示すように、各アーム１２を
もっと長く伸長させ、両ウインチ１５，１５（フック１
６，１６）間の水平方向距離を広く（距離Ｗ′に）する
ことができる。

【００１６】次に、旋回操作レバー２１を操作して、旋
回部材１０を垂直ポスト７回りで旋回作動させれば、吊
上げた鉄骨材３０をブーム５の先端の下方における真下
位置から側方位置との間で移動させることができる。ま
た、一方のウインチ操作レバー２３を操作して、図中に
鎖線で示すように、一方のワイヤ１５ａの長さを他方よ
りも短くすれば、鉄骨材３０を上下に傾けた姿勢で保持
することもできる。こうして鉄骨材３０のブーム５に対
する吊上げ位置や吊上げ姿勢を任意に決定することがで
きるため、鉄骨材３０を、例えば、既に地面に立てられ
た鉄骨材（図示せず）をかわして移動させることを容易
且つ確実に行える。

【００１７】そして、スライド操作レバー２５を操作す
れば、図４に示すように、ブーム５を作動させたり旋回
部材１０を旋回作動させたりすることなく、吊上げた鉄
骨材３０を、もとの水平方向位置Ｏから長手方向にずれ
た新たな位置Ｏ′に平行移動させることができる。この
ため、鉄骨材３０を鉄骨柱に取り付ける際に、鉄骨材３
０の長手方向位置の微調整を容易に行うことができる。

【００１８】なお、上記実施例では、旋回部材のアーム
に直接ウインチを取り付けた場合について説明したが、
本発明のクレーン装置はこれに限られるものではなく、
例えば、図５に示すように構成してもよい。このクレー
ン装置では、旋回部材１０′のアーム１２′の先端に回
転自在にメインシーブ１８′が取り付けられている。ま
た、基端ブーム部材５ａ′の上面における基端側部分に
は、２つのウインチ１５′，１５′がブーム５′の長手
方向に並んで取り付けられ、同じく基端ブーム部材５
ａ′の上面における先端側部分には、２つの中間シーブ
１７′，１７′が水平方向（左右）に並んで回転自在に
取り付けられている。長手方向先方に配置されたウイン
チ１５′から繰り出されたワイヤ１５ａ′は、図中右側
の中間シーブ１７′を介して右側のメインシーブ１８′
に延び、このメインシーブ１８′に巻き掛けられて下方
に垂らされる。一方、長手方向後方に配置されたウイン
チ１５′から繰り出されたワイヤ１５ａ′は、図中左側
の中間シーブ１７′を介して左側のメインシーブ１８′
に延び、このメインシーブ１８′に巻き掛けられて下方
に垂らされる。

【００１９】このクレーン装置でも、旋回部材１０′の
旋回による吊下げ位置の移動及び一方のウインチ１５′
のみの作動による吊下げ姿勢の変更を行うことができ
る。また、アーム１２′の伸縮によるフック１６′，１
６′間の水平方向距離の増減や吊上げた位置の微調整を
行うことができる。

【００２０】また、上記いずれの実施例においても、旋
回部材の２本のアームは水平方向に１８０度開いている
（即ち、Ｔ字状になっている）が、本発明に係るクレー
ン装置はこれに限られるものではなく、２本のアームが
Ｙ字状に開いたものであってもよい。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように本発明のクレーン装
置では、水平方向に開いたアームの先端それぞれからフ
ックを吊下げている。このため、本クレーン装置を用い
れば、長尺物等の荷をその長手方向２点にて吊上げるこ
とができ、荷を安定させることができる。なお、両アー
ムをともに伸長又は縮小させることができるようにすれ
ば、例えば、荷の長さに適した上記２点間の距離を選択
することができる。

【００２２】また、本クレーン装置では、旋回部材を水
平旋回させたり、一方のウインチのみを作動させたりす
ることによって、ブームに対する荷の吊上げ位置や吊上
げ姿勢（水平状態か傾斜状態か）を任意に変えることが
できる。このため、障害物をかわしながら荷を移動させ
ることを容易且つ確実に行うことができる。

【００２３】さらに、一方のアームを伸長させると同時
に他方のアームを等速で縮小させることができるように
すれば、吊上げた荷の水平方向位置をその長手方向に平
行移動させることができ、ブームや旋回部材を旋回させ
ることなく荷の位置の微調整を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るクレーン装置を備えたクレーン車
の斜視図である。

【図２】上記クレーン装置の制御装置である。

【図３】上記クレーン装置の正面図である。

【図４】上記クレーン装置の正面図である。

【図５】上記クレーン装置の第２実施例を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１クレーン車５，５′ブーム１０，１０′ 旋回部材１２，１２′ アーム１５，１５′ ウインチ１６，１６′ フック２０制御装置３０鉄骨材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者藤本峰之埼玉県上尾市大字領家字山下1152番地の10 株式会社アイチコーポレーション上尾工場内 (72)発明者佐々木宏埼玉県上尾市大字領家字山下1152番地の10 株式会社アイチコーポレーション上尾工場内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】起伏自在なブームと、水平方向に開いて延びる２本のアームを有し、前記ブー
ムの先端に水平方向に旋回自在に取り付けられた旋回部
材と、前記両アームの先端からそれぞれフックを吊下げるとと
もに、これらフックを上下させるウインチとから構成さ
れることを特徴とするクレーン装置。
【請求項２】前記ウインチが前記フックごとに設けら
れており、これらウインチにより前記両フックが互いに
独立して上下されることを特徴とする請求項１に記載の
クレーン装置。
【請求項３】前記両アームをそれぞれ長手方向に伸縮
自在に構成したことを特徴とする請求項１又は２に記載
のクレーン装置。
【請求項４】前記両アームが水平方向に１８０度開い
て延びており、前記２本のアームのうち一方のアームを伸長させると同
時に、他方のアームを前記一方のアームの伸長速度と等
速にて縮小させる制御手段を有したことを特徴とする請
求項３に記載のクレーン装置。