JPH08108257A - 溶融金属の流動制御装置 - Google Patents

溶融金属の流動制御装置

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JPH08108257A
JPH08108257A JP24154294A JP24154294A JPH08108257A JP H08108257 A JPH08108257 A JP H08108257A JP 24154294 A JP24154294 A JP 24154294A JP 24154294 A JP24154294 A JP 24154294A JP H08108257 A JPH08108257 A JP H08108257A
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崎 敬 介 藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋳型内溶鋼の場所による温度むらの抑制。流
動制御装置の小規模化及び消費電力の低減。 【構成】 鋳型片の第1長片(5F)に沿って複数個のスロ
ットが分布し、第1長片(5F)と第1短片(6R)の近くの溶
鋼上表面に対向配置した第1リニアモ−タ(10,1Aa〜1C
a,2Aa〜2Ca);第1長片(5F)に沿って第1短片(6R)に向
かう方向の推力を溶鋼に与えるための交流電圧を第1リ
ニアモ-タに印加する第1通電手段(20F1);鋳型片の第
2長片(5L)に沿って複数個のスロットが分布し、第2長
片(5L)と第2短片(6L)の近くの溶鋼上表面に対向配置し
た第2リニアモ−タ(20,4Aa〜4Ca,5Aa〜5Ca);および、
第2長片(5L)に沿って第2短片(6L)に向かう方向の推力
を溶鋼に与えるための交流電圧を第2リニアモ−タに印
加する第2通電手段(20L2);を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳型内溶融金属の流動
速度を調節する流動制御装置に関し、特に、連続鋳造鋳
型内の溶融金属の流速を、水平方向で可及時に一定にす
るための流動制御装置に関する。
【0002】
【従来技術】例えば連続鋳造では、タンデイッシュより
鋳型に溶鋼が注入され、鋳型において溶鋼は鋳型壁面か
ら次第に冷却されつつ引き抜かれる。同一高さの鋳型壁
面における温度が不均一であると、表面割れやシェル破
断を生じ易い。これを改善するために、従来は、リニア
モ−タを用いて、鋳型内で溶鋼をその上面と平行に、鋳
型壁面に沿って流動駆動する(例えば特開平1−228
645号公報)。
【0003】特開平1−228645号公報に提示の溶
鋼の流動駆動はある程度の効果があるものの、注入ノズ
ルを介してタンデイッシュに流入する溶鋼の流れにより
鋳型壁面に沿った循環流動が乱される。この種の流動駆
動には、鋳型の長片に沿って配列された複数個の電磁石
コアのそれぞれに電気コイルを巻回したリニアモ−タ型
の電磁石が用いられ、電気コイルは3相の各相毎に束ね
られ、120°位相のずれた3相電源の各相に、束ねら
れた単位で接続され、3相電源の電圧および又は周波数
をインバ−タやサイクロコンバ−タで調整され、これに
より、所要の駆動力および速度が得られる。
【0004】図7の(a)に鋳型の垂直断面図を示し、
図7の(b)には鋳型の上方から鋳型内溶鋼の上面(メ
ニスカス)を見おろした平面を示す。ノズル30から鋳
型内には(a)に実線矢印で示すように溶鋼が流れ込
み、鋳型短片方向およびやや下方向に溶鋼流,を生
じ、これが鋳型短片に当って一部は上方に他は下方に流
れる。上方に流れる溶鋼流,が、メニスカスでは図
7の(b)に実線矢印で示すように、ノズル30に向か
う表層流を生ずる。この表層流はメニスカス上のパウダ
を巻き込み易い。一方、溶鋼が固体に変わるときにCO
などの気体(気泡)が発生する。加えて、鋳型内面の一
部に溶鋼が滞留するとパウダが溶鋼に残留し易くしかも
ブレ−クアウトの原因となる焼付きとなり易い。これら
を防止するため、表層に図7の(b)に2点鎖線矢印で
示すような、安定した整流を形成させるのが良い。
【0005】そこで従来は、溶鋼流,の起こす表層
流に対して、図9の(b)に示すように、鋳型長片に沿
ったリニアモ−タ3RFおよび3RLで点線矢印で示す
方向の電磁駆動力を溶鋼に与えて、図9の(c)に実線
矢印で示すような、鋳型内壁1に沿う循環流を溶鋼の表
層に生起しようとしている。この循環流は、表層部に図
7の(b)に2点鎖線矢印で示すような循環流を定速度
で安定して発生させることになり、これにより、気泡の
浮上が促進され、溶鋼中へのパウダ巻き込みがなくな
り、表層付近の鋳型内面がきれいにぬぐわれて溶鋼の滞
留がなくなる。
【0006】ところで、例えば図10の(a)に示すよ
うに、注入ノズル30の2つの流出口19から鋳型内空
間に流出する溶鋼流,の一方が強く他方が弱く
なると、すなわち対称性がくずれると、これに伴って表
層流も、図10の(b)に示すように、流出する溶鋼流
が弱い流出口の上に位置する表層流(溶鋼流側)が弱
くなる。このような溶鋼流の乱れ(偏流)は鋳型内溶鋼
に、高温部と低温部を生ずることになる。すなわち溶鋼
流が強い箇所では温度が高く、弱い箇所では温度が低
い。同一高さの鋳型壁面における温度が不均一である
と、表面割れやシェル破断を生じ易い。
【0007】リニアモ−タによる溶鋼駆動により温度の
不均一性はある程度回避されるものの、注入ノズル30
の流出口19の流出特性は注入中に流出口19への鋼付
着により変化し、この変化、特に2つの流出口の流出特
性差が大きくなったときには、かなりの温度偏差を生ず
る。
【0008】本発明者等は、4組のリニアモ−タを鋳型
上方に、溶鋼上面に対向させて配設し、各リニアモ−タ
の推力(方向&強さ)および制動力を制御して、図10
の(b)に示すように不平衡表層流,を生ずる場合
でも、各リニアモ−タの推力(方向&強さ)および制動
力を制御して、図9の(c)に示すような整った表層流
を形成し、結果として図7の(b)に2点鎖線矢印で示
すような定速度で安定した循環流を得る流動制御装置を
提示した(特願平6−41576号)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この流動制御装置は、
4組のリニアモ−タとそれぞれに通電する4組の電源回
路および通電制御回路を要するので、装置コストおよび
消費電力が高く、各リニアモ−タの通電制御も複雑であ
り、また、溶鋼上方の空間の多くをリニアモ−タが占
め、他の機器又はセンサの配置がむつかしくなる。
【0010】本発明は、鋳型内溶融金属の場所による温
度むらの抑制を第1の目的とし、流動制御装置の小規模
化及び消費電力の低減を第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の溶融金属の流動
制御装置は、溶融金属を取り囲む、4辺形の各辺をなす
4つの鋳型片(5F,5L,6R,6L)の、第1長片(5F)に沿って
複数個のスロットが分布し、第1長片(5F)と第1短片(6
R)の近くの溶融金属上表面に対向配置した第1電磁石コ
ア(10)とこれを励磁するために各スロットに挿入された
複数個の電気コイル(1Aa〜1Ca,2Aa〜2Ca)の組合せでな
る第1電磁石;第1電磁石コア(10)が第1長片(5F)に沿
って第1短片(6R)に向かう方向の推力を溶融金属上表面
に与えるための位相差がある交流電圧を第1電磁石の電
気コイルのそれぞに印加する第1通電手段(20F1);前記
鋳型片の、第2長片(5L)に沿って複数個のスロットが分
布し、第2長片(5L)と第2短片(6L)の近くの溶融金属上
表面に対向配置した第2電磁石コア(20)とこれを励磁す
るために各スロットに挿入された複数個の電気コイル(4
Aa〜4Ca,5Aa〜5Ca)の組合せでなる第2電磁石;およ
び、第2電磁石コア(20)が第2長片(5L)に沿って第2短
片(6L)に向かう方向の推力を溶融金属上表面に与えるた
めの位相差がある交流電圧を第2電磁石の電気コイルの
それぞに印加する第2通電手段(20L2);を備える。な
お、カッコ内には、理解を容易にするために、後述する
実施例中の対応する要素の符号を、参考までに付記し
た。
【0012】
【作用】図1に示すように、鋳型上方から見降ろして、
鋳型片(5F,5L,6R,6L)で囲まれる4角形の空間の2つの
対角方向の1つのみに1対(第1および第2)の電磁石
コア(10,20)が存在する。これら1対の電磁石コア(10,2
0)が、注入ノズル(30)の突出流により現われる溶融金属
表層流と逆方向の推力(図1に破線矢印で示す)を溶融金
属に与えるので、図9の(c)に示すような、比較的に
整った表層流が形成し、結果として図7の(b)に2点
鎖線矢印で示すような比較的に定速度で安定した循環流
が得られる。これにより、気泡の浮上が促進され、溶融
金属中へのパウダ巻き込みがなくなり、表層付近の鋳型
内面がきれいにぬぐわれて溶融金属の滞留がなくなる。
【0013】電磁石(10,20)は1対のみであって4角形
の空間の2つの対角方向の1つのみに存在するので、溶
融金属上方の空き空間が多く、他の機器又はセンサの配
置が容易である。通電回路も1対で済むので消費電力も
少く通電制御も簡単となる。したがって設備コストおよ
び維持コストが低減する。
【0014】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0015】
【実施例】図1に、本発明の一実施例の、電磁石(リニ
アモ−タ)の配置を示す。図中5Fおよび5Lは、連続
鋳造鋳型の第1および第2長片、6Rおよび6Lは第1
および第2短片であり、これらが囲む空間に、注入ノズ
ル30を通して溶鋼が、図1紙面の表側から裏側に向け
て(垂直方向zで上方から下方に)、注入される。各辺
(5F,5L,6R,6L)は銅板1F,1L,3R,
3Lに、非磁性ステンレス板2F,2L,4R,4Lを
裏当てしたものである。この実施例では、鋳型(5F,
5L,6R,6L)内の溶鋼を、3相リニアモ−タ型で
長片5Lに沿って右から左に(+yから−yの方向に)
駆動するために、連続鋳造鋳型(5F,5L,6R,6
L)内の溶鋼の上表面に対向して第1および第2の電磁
石コア10および20が、注入ノズル30を中心として
対角線上に配置されている。
【0016】図2の(a)には第1電磁石コア10の拡
大縦断面(図1の2A−2A線拡大断面)を示す。この
実施例では、電磁石コア10には6個のスロットがあ
り、スロットのそれぞれに電気コイル1Aa〜2Caが
挿入されている。なお、電磁石コア10および電気コイ
ル1Aa〜2Caは冷却されかつ耐熱カバ−で被覆され
ているが、冷却構造およびカバ−は図示を省略してい
る。電磁石コア10は、下面にスロットがある櫛形であ
り、各スロットに電気コイルが挿入され、スロット間が
磁極でありその下端面が、連続鋳造鋳型(5F,5L,
6R,6L)内の溶鋼の上表面に対向している。図2の
(b)に、第2電磁石コア20の拡大縦断面(図1の2
B−2B線拡大断面)を示す。電磁石コア20も、10
と同様な構造である。
【0017】図3に、図2の(a),(b)に示す電気
コイル1Aa〜2Caと4Ab〜5Cbの結線および電
源回路との接続態様を示す。この結線は2極(N=2)
のものであり、電気コイルに3相交流(M=3)を通電
する。例えば、電気コイル1Aa〜2Caは、図3では
この順に、u,V,w,U,v,Wと表わしている。そ
して「U」は3相交流のU相の正相通電(そのままの通
電)を、「u」はU相の逆相通電(U相より180度の
位相づれ通電)を表わし、電気コイル「U」にはその巻
始め端にU相が印加されるのに対し、電気コイル「u」
にはその巻終り端にU相が印加されることを意味する。
同様に、「V」は3相交流のV相の正相通電を、「v」
はV相の逆相通電を、「W」は3相交流のW相の正相通
電を、「w」はW相の逆相通電を表わす。図3に示す端
子U11,V11およびW11は、電気コイル1Aa〜
2Caの電源接続端子であり、端子U12,V12およ
びW12は、電気コイル4Ab〜5Cbの電源接続端子
である。
【0018】図4に、電気コイル1Aa〜2Caに3相
交流を流す電源回路20F1を示す。3相交流電源(3
相電力線)21には直流整流用のサイリスタブリッジ2
2A1が接続されており、その出力(脈流)はインダク
タ25A1およびコンデンサ26A1で平滑化される。平
滑化された直流電圧は3相交流形成用のパワ−トランジ
スタブリッジ27A1に印加され、これが出力する3相
交流のU相が図3に示す電源接続端子U11に、V相が
電源接続端子V11に、またW相が電源接続端子W11
に印加される。
【0019】電気コイル1Aa〜2Caが、図8の
(b)に実線矢印で示す推力を発生するコイル電圧指令
値VdcA1が位相角α算出器24A1に与えられ、位相
角α算出器24A1が、指令値VdcA1に対応する導通
位相角α(サイリスタトリガ−位相角)を算出し、これ
を表わす信号をゲ−トドライバ23A1に与える。ゲ−
トドライバ23A1は、各相のサイリスタを、各相のゼ
ロクロス点から位相カウントを開始して位相角αで導通
トリガ−する。これにより、トランジスタブリッジ27
A1には、指令値VdcA1が示す直流電圧が印加され
る。
【0020】一方、3相信号発生器31A1は、周波数
指令値Fdcで指定された周波数(この実施例では50H
z)の、定電圧3相交流信号を発生して、比較器29A
1に与える。比較器29A1にはまた、三角波発生器3
0A1が3KHzの、定電圧三角波を与える。比較器2
9A1は、U相信号が正レベルのときには、それが三角
波発生器30A1が与える三角波のレベル以上のとき高
レベルH(トランジスタオン)で、三角波のレベル未満
のとき低レベルL(トランジスタオフ)の信号を、U相
の正区間宛て(U相正電圧出力用トランジスタ宛て)に
ゲ−トドライバ28A1に出力し、U相信号が負レベル
のときには、それが三角波発生器30A1が与える三角
波のレベル以下のとき高レベルHで、三角波のレベルを
越えるとき低レベルLの信号を、U相の負区間宛て(U
相負電圧出力用トランジスタ宛て)にゲ−トドライバ2
8A1に出力する。V相信号およびW相信号に関しても
同様である。ゲ−トドライバ28A1は、これら各相,
正,負区間宛ての信号に対応してトランジスタブリッジ
27A1の各トランジスタをオン,オフ付勢する。これ
により、電源接続端子U11には、3相交流のU相電圧
が出力され、電源接続端子V11に同様なV相電圧が出
力され、また電源接続端子W11に同様なW相電圧が出
力され、これらの電圧の上ピ−ク/下ピ−ク間レベルは
コイル電圧指令値VdcA1で定まる。この3相電圧の周
波数はこの実施例では周波数指令値Fdcにより50Hz
である。すなわち、コイル電圧指令値VdcA1で指定さ
れたピ−ク電圧値(推力)の50Hzの3相交流電圧
が、図2及び図3に示す電気コイル1Aa〜2Caに印
加される。
【0021】図5に、電気コイル4Ab〜5Cbに3相
交流を流す電源回路20L2を示す。この電源回路20
L2の構成は、上述の20F1と同一であるが、コイル
電圧指令値(VdcB2)が異なる。
【0022】すなわち、電気コイル4Ab〜5Cbが図
8の(b)に実線矢印で示す推力を発生するコイル電圧
指令値VdcB2が、位相角α算出器24B2に与えられ
る。これらのコイル電圧指令値VdcA1(図4)および
コイル電圧指令値VdcB2(図5)は、図6に示すコン
ピュ−タ43が、各電源回路20F1および20L2に
与えるものである。
【0023】図6に、図2に示す鋳型短片6Lおよび6
Rの背部を示す。これらの短片6L,6Rには、熱電対
S31〜S3nおよびS41〜S4nが、それぞれ鋳片
引抜き方向(高さ方向z;上下方向)に各一列で等間隔
に配列され、それぞれの熱電対は、裏当てステンレス板
を貫通し銅板のやや内部の(溶鋼に接する表面部の)温
度を検出する。信号処理回路41A及び41Bが熱電対
が検出する温度を表わすアナログ信号(検出信号)を発
生してアナログゲ−ト42に与える。
【0024】コンピュ−タ43は、アナログゲ−ト42
を制御して、熱電対S31〜S3nおよびS41〜S4
nの検出信号を順次に選択してA/D変換して読込み、
高温値抽出処理44により、熱電対S31〜S3nの検
出温度の中の最高温度値Tm1L1および次に高い温度
値Tm2L1を抽出し、かつ、熱電対S41〜S4nの
検出温度の中の最高温度値Tm1R1および次に高い温
度値Tm2R1を抽出する。そして、短片6Lの代表温
度 (Tm1L1−Tm2L1)×0.7+TM2L1 を算出し、短片6Rの代表温度 (Tm1R1−Tm2R1)×0.7+TM2R1 を算出して、両者の差すなわち短片6L,6R間の代表
温度差 (Tm1L1-Tm2L1)×0.7+TM2L1−(Tm1R1-Tm2R1)×0.7−TM2
R1 を算出して、それが正値(0以上)である(短片6Rの
方が温度が高い)ときには、VdcA1=代表温度差×A
(Aは係数)を算出し、かつ、VdcB2=B−VdcA1
を算出する。代表温度差が負値である(短片15Lの方
が温度が高い)ときには、VdcB2=−代表温度差×A
を算出し、かつVdcA1=B−VdcB2を算出する。
【0025】VdcA1は、短片6R側の電気コイル1A
a〜2Ca(図3)に対する電流レベル(推力)指令値
であり、VdcB2は短片6L側の電気コイル4Ab〜5
Cb(図3)に対する電流レベル(推力)である。これ
らの指令値は、代表温度差が正値(短片6Rの方が温度
が高い;突出流により図10のbに示す不平衡表層流が
推定される)ときには電気コイル1Aa〜2Caの電気
コイルに流す3相交流電流レベルを大きくして強い推力
(図1,図8のbの点線矢印)をかけ、電気コイル4A
b〜5Cbに流す相交流電流レベルを小さくして推力を
弱くし、逆に、代表温度差が負値(短片6Lの方が温度
が高い)ときには、電気コイル4Ab〜5Cbに流す3
相交流電流レベルを大きくして強い推力をかけ、電気コ
イル1Aa〜2Ca流す3相交流電流レベルを小さくし
て推力を弱くすることを意味する。
【0026】ノズル30から鋳型に流れ込む溶鋼流(図
7のaに示す突出流,)がノズル30に関して実質
上対称であると、短片6Rと6Lの温度は実質上同じと
なり、表層流が図7の(b)および図8の(a)に実線
矢印,で示すようにノズル30に関して対称とな
り、この場合には、VdcA1=VdcB2となって、短片
6R側の電気コイル1Aa〜2Caと短片6L側の電気
コイル4Ab〜5Cbの通電レベルが実質上等しく、第
1電磁石コア10と第2電磁石コア20は、図1および
図7の(b)に点線矢印で示すように、実質上等しい強
さの、方向が逆の推力を溶鋼に与える。これにより、溶
鋼の実際の表層流は、図9の(c)の実線矢印を逆方向
に変えた形となり、図7の(b)に2点鎖線矢印で示す
循環流をもたらす。これにより、気泡の浮上が促進さ
れ、溶鋼中へのパウダ巻き込みがなくなり、表層付近の
鋳型内面がきれいにぬぐわれて溶鋼の滞留がなくなる。
鋳型内溶鋼の温度分布が均一化する。
【0027】図10の(a)に示すように、短片6Rに
向かう突出流が強く、短片6Lに向かう突出流が弱
くなると、短片6Rの温度が上昇し短片6Lの温度が低
下し、表層流は図10の(b)に実線矢印,で示す
ようにノズル30と短片6Rの間の表層流が強く、ノ
ズル30と短片6Lの間の表層流が弱くなり、この場
合には、VdcA1>VdcB2となって、短片6R側の電
気コイル1Aa〜2Caの通電レベルが高く、短片6L
側の電気コイル4Ab〜5Cbの通電レベルが低くな
り、第1電磁石コア10は強い推力を、第2電磁石コア
20は弱い推力を溶鋼に与える。これにより、図8の
(b)に点線矢印で示すように、第1電磁石コア10は
強い推力を、第2電磁石コア20は弱い推力を溶鋼に与
える。これにより、図7の(b)に2点鎖線矢印で示す
循環流をもたらす。この場合には、この循環流は高温の
短片6R側で高速、低温の短片6L側で低速であるが、
ル−プを描く循環流であるので渦流を生じない。短片6
R側の高温溶鋼を低温の短片6L側に搬送し、温度差を
低減する。この循環流により、気泡の浮上が促進され、
溶鋼中へのパウダ巻き込みがなくなり、表層付近の鋳型
内面がきれいにぬぐわれて溶鋼の滞留がなくなる。鋳型
内溶鋼の温度分布が均一化する。
【0028】逆に、短片6Rに向かう突出流が弱く、
短片6Lに向かう突出流が強くなると、短片6Rの温
度が低下し短片6Lの温度が上昇し、表層流はノズル3
0と短片6Rの間の表層流が弱く、ノズル30と短片
6Lの間の表層流が強くなり、この場合には、VdcA
1<VdcB2となって、短片6R側の電気コイル1Aa
〜2Caの通電レベルが低く、短片6L側の電気コイル
4Ab〜5Cbの通電レベルが高くなり、第1電磁石コ
ア10は弱い推力を、第2電磁石コア20は強い推力を
溶鋼に与える。これにより、図8の(c)に点線矢印で
示すように、第1電磁石コア10は弱い推力を、第2電
磁石コア20は強い推力を溶鋼に与える。これにより、
図7の(b)に2点鎖線矢印で示す循環流をもたらす。
この場合には、この循環流は低温の短片6R側で低速、
高温の短片6L側で高速であるが、ル−プを描く循環流
であるので渦流を生じない。短片6L側の高温溶鋼を低
温の短片6R側に搬送し、温度差を低減する。この循環
流により、気泡の浮上が促進され、溶鋼中へのパウダ巻
き込みがなくなり、表層付近の鋳型内面がきれいにぬぐ
われて溶鋼の滞留がなくなる。鋳型内溶鋼の温度分布が
均一化する。
【0029】上述の実施例では、短片6R,6Lの温度
を熱電対で検出して注入ノズル30からの鋳型内への突
出流の強さ対応の表層流の強さ(流速)を検出し、これ
に対応して安定した循環流(図7のbの2点鎖線矢印)
を生成するための電磁推力を、第1および第2電磁石コ
ア10,20で溶鋼に与えるようにしているが、例え
ば、流速センサで図1のVspaの位置の表層流の速度Vs
aおよびVspbの位置の表層流の速度Vsbを検出して、電
流レベル指示値VdcA1およびVdcB2を、それぞれV
saおよびVsbに反比例する値とするようにしてもよい。
本発明では1対の電磁石のみを鋳型空間の上方に対角方
向に配置しているので、位置Vspa,Vspbの流速を検出
するように流速センサを配設するか、あるいは、位置V
spa,Vspbに対して昇降させることが容易である。
【0030】
【発明の効果】溶融金属のメニスカスの上方に、鋳型空
間の対角方向に1対のみの電磁石を配設して、各短辺か
ら注入ノズルに向かう方向の表層流を、鋳型内面に沿っ
てル−プをなす循環流に整えるので、これにより、気泡
の浮上が促進され、溶融金属中へのパウダ巻き込みがな
くなり、表層付近の鋳型内面がきれいにぬぐわれて溶融
金属の滞留がなくなる。
【0031】電磁石は1対のみであって溶融金属上方の
空き空間が多く、他の機器又はセンサの配置が容易であ
る。通電回路も1対で済むので消費電力も少く通電制御
も簡単となる。したがって設備コストおよび維持コスト
が低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の、連続鋳造鋳型の溶鋼表
面の上方の、磁極および電気コイルの配列を示す平面図
である。
【図2】 図1に示す電磁石コア10および20の拡大
縦断面図である。
【図3】 図2に示す電気コイルの結線及び電源回路と
の接続態様を示す電気回路図である。
【図4】 図3に示す電気コイル1Aa〜2Caに3相
交流電圧を印加する電源回路を示す電気回路図である。
【図5】 図3に示す電気コイル4Ab〜5Cbに3相
交流を印加する電源回路を示す電気回路図である。
【図6】 図1に示す鋳造鋳型の短片6L,6Rの背部
とそれらに備わった熱電対に接続された電気回路を示す
ブロック図である。
【図7】 (a)は図1に示す鋳型(5F,5L,6
F,6R)の垂直断面図、(b)は水平断面図である。
【図8】 (a)は鋳型内溶鋼の上面を示す平面図、
(b)および(c)は電磁石コウ10,20により鋳型
内溶鋼のメニスカスに誘起される表層流(点線矢印)を
示す平面図である。
【図9】 (a)は、鋳型内溶鋼のメニスカスにおけ
る、注入ノズルからの溶鋼注入により生ずる表層流を示
す平面図、(b)は従来の2個のリニアモ−タで生起し
ようとする表層流を点線矢印で示す平面図、(c)は注
入ノズルからの溶鋼注入により生ずる表層流と2個のリ
ニアモ−タの推力により生ずる表層流とのベクトル和を
実線矢印で示す平面図である。
【図10】 (a)は鋳型内溶鋼の断面図、(b)は鋳
型内溶鋼のメニスカスにおける表層流を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1:鋳型の内壁 1F,1L,3R,3
L:銅板 2F,2L,4R,4L:非磁性ステンレス板 5F,5L:長片 6R,6L:短片 10,20:電磁石コア 19:流出口 30:注入ノズル 20F1,20L2:
電源回路 PW:パウダ 1Aa,1Ba,1Ca,2Aa,2Ba,2Ca :電気コイル 4Ab,4Bb,4Cb,5Ab,5Bb,5Cb :電気コイル U11,V11,W11/U12,V12,W12:電源接続端子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融金属を取り囲む、4辺形の各辺をなす
    4つの鋳型片の、第1長片に沿って複数個のスロットが
    分布し、第1長片と第1短片の近くの溶融金属上表面に
    対向配置した第1電磁石コアとこれを励磁するために各
    スロットに挿入された複数個の電気コイルの組合せでな
    る第1電磁石;第1電磁石コアが第1長片に沿って第1
    短片に向かう方向の推力を溶融金属上表面に与えるため
    の位相差がある交流電圧を第1電磁石の電気コイルのそ
    れぞに印加する第1通電手段;前記鋳型片の、第2長片
    に沿って複数個のスロットが分布し、第2長片と第2短
    片の近くの溶融金属上表面に対向配置した第2電磁石コ
    アとこれを励磁するために各スロットに挿入された複数
    個の電気コイルの組合せでなる第2電磁石;および、 第2電磁石コアが第2長片に沿って第2短片に向かう方
    向の推力を溶融金属上表面に与えるための位相差がある
    交流電圧を第2電磁石の電気コイルのそれぞに印加する
    第2通電手段;を備える溶融金属の流動制御装置。
  2. 【請求項2】注入ノズルから鋳型片で囲まれた溶融金属
    への新たな溶融金属の注入により生ずる、鋳型片で囲ま
    れた溶融金属の、第1および第2電磁石コア直下の表層
    流の強さを測定する手段;および、第1電磁石コア直下
    の該表層流が第2電磁石コア直下のそれより強いときに
    は第1および第2通電手段を介して第1電磁石の電気コ
    イルの電流レベルを上げ第2電磁石の電気コイルの電流
    レベルを下げ、その逆のときには第1電磁石の電気コイ
    ルの電流レベルを下げ第2電磁石の電気コイルの電流レ
    ベルを上げる推力制御手段;を更に備える、請求項1記
    載の溶融金属の流動制御装置。
  3. 【請求項3】測定手段は、第1および第2短片の温度を
    検出する温度センサであり;推力制御手段は、第1短片
    の方が第2短片より高温のときには第1電磁石の電気コ
    イルの電流レベルを上げ第2電磁石の電気コイルの電流
    レベルを下げ、その逆のときには第1電磁石の電気コイ
    ルの電流レベルを下げ第2電磁石の電気コイルの電流レ
    ベルを上げる;請求項2記載の溶融金属の流動制御装
    置。
  4. 【請求項4】各短片の温度センサは、鋳片引抜き方向に
    分布した複数個の温度検出素子を含み;推力制御手段
    は、それらが検出した温度の高いものを摘出し、それを
    各短片の代表温度とする、請求項3記載の溶融金属の流
    動制御装置。
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EP2857121A4 (en) * 2013-08-08 2015-09-23 Kenzo Takahashi CONTINUOUS CASTING DEVICE WITH STIRRER
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