JP3041182B2 - 溶融金属の流動制御装置 - Google Patents

溶融金属の流動制御装置

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JP3041182B2 JP6035704A JP3570494A JP3041182B2 JP 3041182 B2 JP3041182 B2 JP 3041182B2 JP 6035704 A JP6035704 A JP 6035704A JP 3570494 A JP3570494 A JP 3570494A JP 3041182 B2 JP3041182 B2 JP 3041182B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳型内溶融金属の流動
速度を調整する流動制御装置に関し、特に、連続鋳造鋳
型内の溶融金属の表層流の流速および方向を、水平方向
で可及的に一定かつ定方向にするための流動制御装置に
関する。
【0002】
【従来技術】例えば連続鋳造では、タンデイッシュより
鋳型に溶鋼が注入され、鋳型において溶鋼は鋳型壁面か
ら次第に冷却されつつ引き抜かれる。同一高さの鋳型壁
面における温度が不均一であると、表面割れやシェル破
断を生じ易い。これを改善するために、従来は、リニア
モ−タを用いて、鋳型内で溶鋼をその上面と平行に、鋳
型壁面に沿って流動駆動する(例えば特開平1−228
645号公報)。
【0003】特開平1−228645号公報に提示の溶
鋼の流動駆動はある程度の効果があるものの、注入ノズ
ルを介してタンデイッシュに流入する溶鋼の流れにより
鋳型壁面に沿った循環流動が乱される。この種の流動駆
動には、鋳型の長辺に沿って配列された複数個の磁極の
それぞれに電気コイルを巻回したリニアモ−タ型の電磁
石が用いられ、電気コイルは3相の各相毎に束ねられ、
120°位相のずれた3相電源の各相に、束ねられた単
位で接続され、3相電源の電圧および又は周波数をイン
バ−タやサイクロコンバ−タで調整され、これにより、
所要の駆動力および速度が得られる。
【0004】図18の(a)に、鋳型の上方から鋳型内
溶鋼の上面(メニスカス)を見おろした平面を示す。メ
ニスカスでは、注湯ノズル17から鋳型内に流れ込む溶
鋼流により、ノズル17に向かう表層流18を生ずる。
図18の(b)に(a)図のB−B線拡大断面を、図1
8の(c)にはC−C線断面を示す。ノズル17から鋳
型内には(c)に実線で示すように溶鋼が流れ込み、鋳
型短辺方向およびやや下方向に溶鋼流を生じ、これが鋳
型短辺に当って一部は上方に他は下方に流れ、上方に流
れる溶鋼流が表層流18を生ずる。この表層流18はメ
ニスカス上のパウダを巻き込み易い。一方、溶鋼が固体
に変わるときにCOなどの気体(気泡)が発生する。加
えて、鋳型内面の一部に溶鋼が滞留するとパウダが溶鋼
に残留し易くしかもブレ−クアウトの原因となる焼付き
となり易い。これらを防止するため、表層に安定した整
流を形成させるのが良い。
【0005】そこで従来は、表層流18に対して、図1
7の(b)に示すように、鋳型長辺に沿ったリニアモ−
タ3Fおよび3Lで点線矢印で示す方向の電磁駆動力を
溶鋼に与えて、図17の(c)に実線矢印で示すよう
な、鋳型内壁1に沿う循環流を溶鋼の表層に生起しよう
としている。表層部に図17の(c)に示すような循環
流が定速度で安定して流れると、気泡の浮上が促進さ
れ、溶鋼中へのパウダ巻き込みがなくなり、表層付近の
鋳型内面がきれいにぬぐわれて溶鋼の滞留がなくなる。
【0006】ところが上述のような循環流を起こすに
は、強い電磁力が必要である。例えば、リニアモ−タ3
Fの右半分とリニアモ−タ3Lの左半分は、注湯ノズル
17から鋳型内に流れ込む溶鋼流に打勝つ強い電磁力を
与えなければならない。そこで従来は、リニアモ−タ3
F,3Lの極数Nは、2極又は4極と少い数としてい
る。この理由を説明する。1つの鋳型辺に沿うリニアモ
−タのスロット(電気コイルを巻回(挿入)する溝)の
配列ピッチをτs、スロット数をn、リニアモ−タの鋳
型辺に沿う長さをL、およびコイルに通電する交流の相
数をM(通常M=3)、ポ−ルピッチをτp、および極
数をNとすると、 L=τs×n ・・・(1) =τp×N ・・・(2) τp=m×τs ・・・(3) m=n/M ・・・(4) なる関係があり、電磁力を大きくするには漏れインダク
タンス成分を小さくするのが良く、この為ポ−ルピッチ
τpを大きくする。すなわち(3)式よりスロットピッチτ
sを大きくする。すると(1),(2)式より、Lは一定(所要
長)であるので、極数Nが少なくなる。このような理由
で従来はリニアモ−タの極数Nは2極又は4極と少い極
数であった。
【0007】また、電気コイルに通電する交流の周波数
は、少い極数で強い電磁力を得るために、従来は、1〜
2Hzとしている。図16に示すように、2極の場合に
は略1Hzの周波数で電磁力が最大となり、4極の場合
には略2Hzの周波数で電磁力が最大となるので、1〜
2Hzの周波数が用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来のリニアモ
−タによる溶鋼表層駆動は、上述の循環流を発生する
が、気泡の浮上促進,溶鋼中へのパウダ巻き込み回避,
表層付近の鋳型内面のぬぐい等の効果が、予定した程に
は現われないことが分かった。
【0009】本発明は、より効果的に、気泡の浮上促
進,溶鋼中へのパウダ巻き込み回避、および又は、表層
付近の鋳型内面のぬぐい、を行なうことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶融金属(MM)
を取り囲む鋳型辺(1)に沿って配列した複数個の磁極と
各磁極を励磁するための複数個の電気コイルの組合せで
なる、鋳型辺に沿ったリニアモ−タ(3F,3L);および電
気コイルそれぞれにリニア駆動力を発生する交流電流を
通電する通電手段(20A,20B);を備える溶融金属の流動
制御装置において、前記リニアモ−タ(3F,3L)が5極以
上の極数のリニアモ−タであることを第1の特徴とし
それに加えて、前記通電手段(20A,20B)が4Hz以上の
交流電流を電気コイルに通電する通電手段であることを
第2の特徴とし、第1または第2の特徴に加えて、ア
ペア導電数を1200AT/cmにすることを第3の特
徴とする。
【0011】なお、カッコ内には、理解を容易にするた
めに、後述する実施例中の対応する要素の符号を、参考
までに付記した。
【0012】
【作用】鋳型内溶鋼の表層部に加わる電磁力の分布を、
磁極Nの値対応で図7(N=2),図8(N=4),図
9(N=6)および図10(N=12)に示す。これら
の図面は、鋳型の一長辺に沿ってn=36(すなわち3
6個の電気コイル)のスロットを配列したニリアモ−タ
3Fと3Lを鋳型を間に置いて図18の(a)に示すよ
うに配列した場合の、鋳型内溶鋼MMの表層部の水平面
における電磁力分布を矢印で示すものであり、矢印の方
向が電磁力の方向を示し、長さが強さを示す。なおこれ
は、1.8Hzの3相交流(M=3)を通電した場合
の、1周期間に発生する電磁力(積算値)を計算により
求めたものである。
【0013】図7に示す2極の場合には、電磁力は大き
いが、y方向(鋳型の短辺に沿う方向)の電磁力成分が
強く(図中でy方向に矢印が長く)、左右(y方向)各
1箇所計2箇所で電磁力が反時計方向の渦巻きとなる。
このような力は溶鋼MMに渦流をもたらし、これがパウ
ダ巻き込みをもたらし易い。また鋳型内壁面(長辺の内
面)に沿うx方向での、x方向電磁力成分が大小に分布
するので、x方向で鋳型内面のぬぐいむらがあり、部分
的に溶鋼が滞留しがちである。図8に示す4極の場合
は、左右(y方向)各2箇所計4箇所で電磁力が反時計
方向の渦巻きとなる。渦巻きの数が増えた分、y方向
(鋳型の短辺に沿う方向)の電磁力成分が弱くなってい
るが、y方向成分がまだ大きく、パウダ巻き込みを起こ
す可能性があり、また、鋳型内壁面(長辺の内面)に沿
うx方向での、x方向電磁力成分が大小に分布するの
で、x方向で鋳型内面のぬぐいむらがかなり生ずる。こ
のように従来の、2極および4極の場合には、パウダ巻
き込み防止や鋳型内面のぬぐいが不十分であることが分
かった。
【0014】図9に示す6極の場合には、略6箇の渦巻
きが認められるものの、渦流が弱くパウダの巻込みはそ
の分可能性が低く、しかも、鋳型長辺の内面近くでは、
隣り合う渦の外縁の電磁力が連続して、y方向成分が極
く小さく、いわば長辺全長(x方向)に渡って電磁力の
x方向成分が均等で、定方向(x方向)かつ定速度の沿
面流がもたらされ、鋳型内面のぬぐいが均一になりしか
も気泡の浮上が促される。図10に示す12極の場合に
は、電磁力のy方向成分が実質上なくなり、もはや渦巻
きは認められず、実質上沿面流のみを生ずる。したがっ
てパウダの巻込み防止効果が極く高く、鋳型長辺全長
(x方向)に渡って電磁力のx方向成分が均等で、定方
向(x方向)かつ定速度の沿面流がもたらされ、鋳型内
面のぬぐいが均一になりしかも気泡の浮上が促される。
【0015】本発明の第1の特徴によれば、従来用いら
れていない多い極数すなわち5極以上のリニアモ−タを
用いるので、上述の図9および図10を参照して説明し
た作用効果がもたらされる。
【0016】先に説明したように、従来は2極又は4極
のリニアモ−タを用いるので、またこれらの場合には図
16に示すように、2極の場合には1Hzの周波数で最
大の電磁力が得られ、4極の場合には2Hzの周波数で
最大の電磁力が得られるので、従来は1〜2Hzの3相
交流をリニアモ−タに流している。ところで、周波数が
このように低い場合には、溶鋼内部への磁力の浸透深さ
が深いので、溶鋼内部でも強い電磁力が溶鋼に作用す
る。これは図7,図8に示す強い渦流を起すことにな
る。
【0017】鋳型内溶鋼の表層部に加わる電磁力の分布
を、電気コイルに印加する交流の周波数の値対応で図1
1(1.8Hz),図12(3Hz),図13(5H
z),図14(10Hz)および図15(20Hz)に
示す。これらの図面は、鋳型の一長辺に沿ってn=36
(すなわち36個の電気コイル)のスロットを配列した
ニリアモ−タ3Fと3Lを鋳型を間に置いて図18の
(a)に示すように配列した場合の、鋳型内溶鋼MMの
表層部の水平面における電磁力分布を矢印で示すもので
あり、矢印の方向が電磁力の方向を示し、長さが強さを
示す。なおこれは、4極(N=4)のリニアモ−タに3
相交流(M=3)を通電した場合の、1周期間に発生す
る電磁力(積算値)を計算により求めたものである。
【0018】図11〜図15とこの順に見較べると、周
波数が高くなるに従い、y方向成分が増えてx成分が減
少するものの、溶鋼内部の電磁力が低下し、溶鋼内部の
渦巻きが弱くなることが分かる。渦巻が弱まることによ
りパウダの巻込み可能性が低くなる。本発明の第2の特
徴によれば、従来よりも高い4Hz以上の周波数の交流
をリニアモ−タに印加するので、パウダ巻込みの可能性
が低減する。極数を増やし、周波数を大きくすること
は、図16より電磁力が小さくなることになる。このた
め、電磁力は従来と同等程度にして、撹拌速度をある程
度確保するためには、電流値、一般的にはアンペア導電
数 アンペア導電数=(I×Ns)/τs ・・・(5) I:コイルに流れる電流値、Ns:1スロット当たりの
巻数を大きくしなければならない。従来のアンペア導電
数は、800AT/cmなので、極数をあげ、周波数を
上げた場合には、少なくともアンペア導電数:1200
AT/cm以上の電流を流して、電磁力を大きくするの
が好ましい。
【0019】本発明の好ましい実施例では、従来用いら
れていない多い極数すなわち5極以上のリニアモ−タを
用い、かつ、4Hz以上の周波数の交流をリニアモ−タ
に印加して溶鋼内部の渦巻きを大幅に低減し、周波数を
高くすることによるy方向成分の増大を、極数を多くす
ることにより相殺する。
【0020】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0021】
【実施例】図1に、本発明の一実施例の外観を示す。連
続鋳造鋳型の内壁1で囲まれる空間には溶鋼MMが図示
しない注湯ノズル(図18のノズル17)を通して注入
され、溶鋼MMのメニスカス(表面)はパウダPWで覆
われる。鋳型は水箱2に流れる冷却水で冷却され、溶鋼
MMは鋳型に接する表面から次第に内部に固まって行き
鋳片SBが連続的に引き抜かれるが、鋳型内に溶鋼が注
がれるので、鋳型内には常時溶鋼MMがある。溶鋼MM
のメニスカスレベル(高さ方向z)の位置に2個のリニ
アモ−タ3Fおよび3Lが設けられており、これらが溶
鋼MMのメニスカス直下の部分(表層域)に電磁力を与
える。
【0022】図2に、図1に示す内壁1を、リニアモ−
タ3F,3Lのコア17F,17L部で水平に破断した
断面を示す。図3には、図2の3A−3A線拡大断面を
示す。鋳型の内壁1は、相対向する長辺11F,11L
および相対向する短辺14R,14Lで構成されてお
り、各辺は銅板13F,13L,15R,15Lに、非
磁性ステンレス板12F,12L,16R,16Lを裏
当てしたものである。
【0023】この実施例では、リニアモ−タ3F,3L
のコア17F,17Lは、鋳型長辺11F,11Lの実
効長(溶鋼MMが接するx方向長さ)よりやや長く、そ
れらの全長に所定ピッチでそれぞれ36個のスロットが
切られている。リニアモ−タ3Fのコア17Fの各スロ
ットには、第1グル−プの電気コイルCF1a〜CF1
rおよび第2グル−プの電気コイルCF2a〜CF2r
が装着されている。同様に、リニアモ−タ3Lのコア1
7Lの各スロットには、第1グル−プの電気コイルCL
1a〜CL1rおよび第2グル−プの電気コイルCL2
a〜CL2rが装着されている。
【0024】リニアモ−タ3F,3Lは、図17の
(b)に点線矢印で示す推力を溶鋼MMに与えようとす
るもので、リニアモ−タ3Fの第1グル−プの電気コイ
ルCF1a〜CF1rは弱い推力を、第2グル−プの電
気コイルCF2a〜CF2rは強い推力を溶鋼MMに与
えればよい。したがって第1グル−プの電気コイルCF
1a〜CF1rの巻回数は少くしてもよいが、制動制御
のための直流通電をするとか、x方向の推力分布をグル
−プ内でも調整するとか、他の制御にも適応しうるよう
に、この実施例では、リニアモ−タ3Fの全スロットお
よび全電気コイルはすべて同一仕様のものである。第1
グル−プと第2グル−プで異なった推力を発生するよう
に、この実施例では、各グル−プに異なったレベルの電
流を通電する。この内容は後述する。リニアモ−タ3L
に関しても同様である。
【0025】図4に、図2に示す全電気コイルの、グル
−プ内の結線を示す。この結線は6極(N=6)のもの
であり、電気コイルに3相交流(M=3)を通電する。
例えば、リニアモ−タ3Fの第1グル−プの電気コイル
CF1a〜CF1rは、図4ではこの順に、u,u,
V,V,w,w,U,U,v,v,W,W,u,u,
V,V,w,wと表わしている。そして「U」は3相交
流のU相の正相通電(そのままの通電)を、「u」はU
相の逆相通電(U相より180度の位相づれ通電)を表
わし、電気コイル「U」にはその巻始め端にU相が印加
されるのに対し、電気コイル「u」にはその巻終り端に
U相が印加されることを意味する。同様に、「V」は3
相交流のV相の正相通電を、「v」はV相の逆相通電
を、「W」は3相交流のW相の正相通電を、「w」はW
相の逆相通電を表わす。図4に示す端子U11,V11
およびW11は、リニアモ−タ3Fの第1グル−プの電
気コイルCF1a〜CF1rの電源接続端子であり、端
子U21,V21およびW21は、リニアモ−タ3Fの
第2グル−プの電気コイルCF2a〜CF2rの電源接
続端子であり、端子U12,V12およびW12は、リ
ニアモ−タ3Lの第1グル−プの電気コイルCL1a〜
CL1rの電源接続端子であり、端子U22,V22お
よびW22は、リニアモ−タ3Lの第2グル−プの電気
コイルCF2a〜CF2rの電源接続端子である。
【0026】図5に、リニアモ−タ3Fの第1グル−プ
の電気コイルCF1a〜CF1rならびにリニアモ−タ
3Lの第1グル−プの電気コイルCL1a〜CL1rに
3相交流を流す電源回路を示す。3相交流電源(3相電
力線)21には直流整流用のサイリスタブリッジ22A
が接続されており、その出力(脈流)はインダクタ25
Aおよびコンデンサ26Aで平滑化される。平滑化され
た直流電圧は3相交流形成用のパワ−トランジスタブリ
ッジ27Aに印加され、これが出力する3相交流のU相
が図4に示す電源接続端子U11およびU12に、V相
が電源接続端子V11およびV12に、またW相が電源
接続端子W11およびW12に印加される。
【0027】リニアモ−タ3Fの第1グル−プの電気コ
イルCF1a〜CF1rならびにリニアモ−タ3Lの第
1グル−プの電気コイルCL1a〜CL1rが、図17
の(b)に点線矢印で示す小さい推力を発生するコイル
電圧指令値VdcAが位相角α算出器24Aに与えられ、
位相角α算出器24Aが、指令値VdcAに対応する導通
位相角α(サイリスタトリガ−位相角)を算出し、これ
を表わす信号をゲ−トドライバ23Aに与える。ゲ−ト
ドライバ23Aは、各相のサイリスタを、各相のゼロク
ロス点から位相カウントを開始して位相角αで導通トリ
ガ−する。これにより、トランジスタブリッジ27Aに
は、指令値VdcAが示す直流電圧が印加される。
【0028】一方、3相信号発生器31Aは、周波数指
令値Fdcで指定された周波数(この実施例では20H
z)の、定電圧3相交流信号を発生して比較器29Aに
与える。比較器29Aにはまた、三角波発生器30Aが
3KHzの、定電圧三角波を与える。比較器29Aは、
U相信号のレベルが正のときには、それが三角波発生器
30Aが与える三角波のレベル以上のとき高レベルH
(トランジスタオン)で、三角波のレベル未満のとき低
レベルL(トランジスタオフ)の信号を、U相の正区間
(0〜180度)宛て(U相正電圧出力用トランジスタ
宛て)にゲ−トドライバ28Aに出力し、U相信号のレ
ベルが負のときには、それが三角波発生器30Aが与え
る三角波のレベル以下のとき高レベルHで、三角波のレ
ベルを越えるとき低レベルLの信号を、U相の負区間
(180〜360度)宛て(U相負電圧出力用トランジ
スタ宛て)にゲ−トドライバ28Aに出力する。V相信
号およびW相信号に関しても同様である。ゲ−トドライ
バ28Aは、これら各相,正,負区間宛ての信号に対応
してトランジスタブリッジ27Aの各トランジスタをオ
ン,オフ付勢する。
【0029】これにより、電源接続端子U11およびU
12には3相交流のU相電圧が出力され、電源接続端子
V11およびV12に3相交流のV相電圧が出力され、
また電源接続端子W11およびW12に3相交流のW相
電圧が出力され、これらの電圧のレベルはコイル電圧指
令値VdcAで定まり、この3相電圧の周波数はこの実施
例では周波数指令値Fdcにより20Hzである。すなわ
ち、コイル電圧指令値VdcAで指定された電圧値の、2
0Hzの3相交流電圧が、図2および図4に示すリニア
モ−タ3Fおよび3Lの、第1グル−プの電気コイルC
F1a〜CF1rおよびCL1a〜CL1rに印加され
る。
【0030】図6に、リニアモ−タ3Fの第2グル−プ
の電気コイルCF2a〜CF2rならびにリニアモ−タ
3Lの第2グル−プの電気コイルCL2a〜CL2rに
3相交流を流す電源回路を示す。この電源回路の構成は
図5に示すものと同じである。しかし、図6に示す電源
回路の位相角α算出器24Bには、図17の(b)に点
線矢印で示す大きい推力を発生するコイル電圧指令値V
dcBが与えられる。図6に示す電源回路が出力する3相
交流のU相電圧が、電源接続端子U21およびU22に
出力され、V相電圧は電源接続端子V21およびV22
に出力され、またW相電圧は電源接続端子W21および
W22に出力される。これらの電圧のレベルはコイル電
圧指令値VdcBで定まり、この3相電圧の周波数はこの
実施例では周波数指令値Fdcにより20Hzである。す
なわち、コイル電圧指令値VdcBで指定された電圧値
の、20Hzの3相交流電圧が、図2および図4に示す
リニアモ−タ3Fおよび3Lの、第2グル−プの電気コ
イルCF2a〜CF2rおよびCL2a〜CL2rに印
加される。
【0031】以上により、この実施例では、6極構成の
リニアモ−タ3F,3Lに20Hzの3相交流が印加さ
れ、これらのリニアモ−タ3F,3Lにより、鋳型内壁
1内の溶鋼MMには、図17の(b)に点線矢印で示す
推力が加わり、ノズル17からの溶鋼の注入による流れ
(図17(a))との合成は図17の(c)に示す実線
矢印となる。すなわち、循環流となる。リニアモ−タが
6極構成で従来よりも極数が多いので、略6箇の渦巻き
が認められるものの、渦流が弱くパウダの巻込みはその
分可能性が低く、しかも、鋳型長辺の内面近くでは、隣
り合う渦の外縁の電磁力が連続して、y方向成分が極く
小さく、いわば長辺全長(x方向)に渡って電磁力のx
方向成分が均等で、定方向(x方向)かつ定速度の沿面
流がもたらされ、鋳型内面のぬぐいが均一になりしかも
気泡の浮上が促される。また、周波数が20Hzと従来
よりも高いので、溶鋼内部の渦巻きが弱い。周波数を高
くすることによりy方向成分が増えx成分が減少する傾
向を示すが、極数が多いので、この傾向が抑制される。
【0032】
【発明の効果】本発明の第1の特徴によれば、リニアモ
−タが従来よりも極数が多いので、渦流が弱くパウダの
巻込みはその分可能性が低く、しかも、鋳型長辺の内面
近くでは、隣り合う渦の外縁の電磁力が連続して、y方
向成分が極く小さく、いわば長辺全長(x方向)に渡っ
て電磁力のx方向成分が均等で、定方向(x方向)かつ
定速度の沿面流がもたらされ、鋳型内面のぬぐいが均一
になりしかも気泡の浮上が促される。
【0033】本発明の第2の特徴によれば、交流周波数
が従来よりも高いので、溶鋼内部の電磁力が低下し、溶
鋼内部の渦巻きが弱くなり、パウダの巻込み可能性が低
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の外観と、中央縦断面を示
す斜視図である。
【図2】 図1に示すコア17F,17Lを水平に破断
した拡大横断面図である。
【図3】 図2の3A−3A線拡大断面図である。
【図4】 図2に示す電気コイルの結線を示す電気回路
図である。
【図5】 図2に示す各リニアモ−タの第1グル−プの
電気コイルに3相交流電圧を印加する電源回路を示す電
気回路図である。
【図6】 図2に示す各リニアモ−タの第2グル−プの
電気コイルに3相交流を印加する電源回路を示す電気回
路図である。
【図7】 2極のリニアモ−タ2個により発生する電磁
力分布を示す平面図である。
【図8】 4極のリニアモ−タ2個により発生する電磁
力分布を示す平面図である。
【図9】 6極のリニアモ−タ2個により発生する電磁
力分布を示す平面図である。
【図10】 12極のリニアモ−タ2個により発生する
電磁力分布を示す平面図である。
【図11】 4極のリニアモ−タ2個に、1.8Hzの
3相交流を印加して現われる電磁力分布を示す平面図で
ある。
【図12】 4極のリニアモ−タ2個に、3Hzの3相
交流を印加して現われる電磁力分布を示す平面図であ
る。
【図13】 4極のリニアモ−タ2個に、5Hzの3相
交流を印加して現われる電磁力分布を示す平面図であ
る。
【図14】 4極のリニアモ−タ2個に、10Hzの3
相交流を印加して現われる電磁力分布を示す平面図であ
る。
【図15】 4極のリニアモ−タ2個に、20Hzの3
相交流を印加して現われる電磁力分布を示す平面図であ
る。
【図16】 リニアモ−タの極数および印加交流の周波
数と電磁力の関係を示すグラフである。
【図17】 (a)は、鋳型内溶鋼のメニスカスにおけ
る、注湯ノズルからの溶鋼注入により生ずる表層流を示
す平面図、(b)は2個のリニアモ−タで生起しようと
する表層流を点線矢印で示す平面図、(c)は注湯ノズ
ルからの溶鋼注入により生ずる表層流と2個のリニアモ
−タの推力により生ずる表層流とのベクトル和を実線矢
印で示す平面図である。
【図18】 (a)は、鋳型内溶鋼のメニスカスにおけ
る表層流を示す平面図、(b)は(a)のB−B線拡大
断面図、(c)は(a)のC−C線拡大断面図である。
【符号の説明】
1:鋳型の内壁 2:水箱 3F,3L:リニアモ−タ PW:パウダ MM:溶鋼 SB:鋳片 11F,11L:長辺 12F,12L:非磁性ス
テンレス板 13F,13L:銅板 14R,14L:短辺 15R,15L:銅板 16R,16L:非磁性ス
テンレス板 17F,17L:コア CF1a〜CF1r:第1グル−プの電気コイル CF2a〜CF2r:第2グル−プの電気コイル CL1a〜CL1r:第1グル−プの電気コイル CL2a〜CL2r:第2グル−プの電気コイル U11,V11,W11/U12,V12,W12:第1グル−プの電源接続端
子 U21,V21,W21/U22,V22,W22:第2グル−プの電源接続端
子 20A,20B:電源回路 17:注湯ノズル 18:表層流 19:流出口
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−149056(JP,A) 特開 昭63−183761(JP,A) 特開 昭60−191188(JP,A) 特開 昭60−44157(JP,A) 特開 平7−241649(JP,A) 特開 平5−283153(JP,A) 特開 平7−51820(JP,A) 特開 昭59−1056(JP,A) 特開 昭62−203648(JP,A) 特開 平1−228645(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/115 B22D 11/04 311

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融金属を取り囲む鋳型辺に沿って配列し
    た複数個の磁極と各磁極を励磁するための複数個の電気
    コイルの組合せでなる、鋳型辺に沿ったリニアモ−タ;
    および電気コイルそれぞれにリニア駆動力を発生する交
    流電流を通電する通電手段;を備える溶融金属の流動制
    御装置において、 前記リニアモ−タが5極以上の極数のリニアモ−タであ
    ることを特徴とする、溶融金属の流動制御装置。
  2. 【請求項2】溶融金属を取り囲む鋳型辺に沿って配列し
    た複数個の磁極と各磁極を励磁するための複数個の電気
    コイルの組合せでなる、鋳型辺に沿ったリニアモ−タ;
    および電気コイルそれぞれにリニア駆動力を発生する交
    流電流を通電する通電手段;を備える溶融金属の流動制
    御装置において、 前記リニアモ−タは5極以上の極数のリニアモ−タであ
    り;前記通電手段は4Hz以上の交流電流を電気コイル
    に通電する通電手段である;ことを特徴とする、溶融金
    属の流動制御装置。
  3. 【請求項3】リニアモータのアンペア導電数が1200
    AT/cm以上である請求項1又は請求項記載の溶融
    金属の流動制御装置。
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