JP3124214B2 - 溶融金属の流動制御装置 - Google Patents

溶融金属の流動制御装置

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JP3124214B2
JP3124214B2 JP07286243A JP28624395A JP3124214B2 JP 3124214 B2 JP3124214 B2 JP 3124214B2 JP 07286243 A JP07286243 A JP 07286243A JP 28624395 A JP28624395 A JP 28624395A JP 3124214 B2 JP3124214 B2 JP 3124214B2
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崎 敬 介 藤
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原 彰 夫 上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳型内溶融金属の
流動速度を調節する流動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば連続鋳造では、タンデイッシュよ
り鋳型に溶鋼が注入され、鋳型において溶鋼は鋳型壁面
から次第に冷却されつつ引き抜かれる。同一高さの鋳型
壁面における温度が不均一であると、表面割れやシェル
破断を生じ易い。また、溶鋼が固体に変わるときにCO
などの気体(気泡)が発生する。さらに、鋳型内面の一
部に溶鋼が滞留するとパウダが溶鋼に残留し易くしかも
ブレ−クアウトの原因となる焼付きとなり易い。これら
を防止するため、従来は、リニアモ−タを用いて、鋳型
内で溶鋼を鋳型長辺に沿って流動駆動する(例えば特開
平1−228645号公報)。つまり、溶鋼の表層に鋳
型内壁に沿って流れる安定した循環流を定速度で安定し
て発生させることにより、気泡の浮上が促進され、溶鋼
中へのパウダ巻き込みがなくなり、表層付近の鋳型内面
がきれいにぬぐわれて溶鋼の滞留がなくなる。
【0003】ところでこのような循環流を発生させる為
に、溶鋼の表層にのみに効果的に電磁力を与える方法と
してリニアモータを鋳型長辺の外側面に沿って配置する
のではなく、溶鋼上面の上方に溶鋼上面に対向して配置
する態様がある。これによれば、鋳型辺による電磁誘導
ロスが大幅に低減し、比較的に小型のリニアモータで強
い電磁力を溶鋼の表層に及ぼすことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが鋳型(モ−ル
ド)の幅(短辺長)は比較的に狭く、鋳型に溶鋼を注入
するノズルが鋳型開口の実質上中心位置に存在し、しか
もノズル上方のタンディッシュとモ−ルド上端の間の空
間が挟く限られているので、上述のような溶鋼上面の上
方に溶鋼上面に対向して配置する態様のリニアモータを
配設すると、ノズルやパウダの噴出口、さらには湯面レ
ベルを感知するセンサの設置が困難になるという問題が
ある。また、大きな推力を与える為に鋳型(モ−ルド)
の幅(短辺長)に対してリニアモ−タの幅をを大とする
と不要な領域にまで電磁力が溶融金属に及ぼされ、却っ
て循環流を乱すことともなる。
【0005】加えて、リニアモータが溶鋼に与えた鋳型
長辺に沿った推力により鋳型長辺に沿った方向に溶鋼が
駆動されても、幅方向中心寄りの循環流は鋳型開口の実
質上中心位置に存在するノズルに防げられ、循環流が乱
されるという問題も生じる。本発明は、比較的に幅(短
辺長)が短いモ−ルドでも、その内部の溶融金属に効果
的に流動推力を与え、溶融金属表層の循環流を整流する
ことを第1の目的とし、タンディッシュとモ−ルド上端
の間の空間を有効に利用することを第2の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の第1番の発明の溶
融金属の流動制御装置は、長手方向に分布する複数個の
スロットを有し、スロット間の歯の先端が、水平y方向
に延びる長辺(5F,5L)および水平x方向に延びる短辺(6
R,6L)を有する鋳型の、溶融金属を注ぎ込む注入ノズル
(30)と一短辺(6R)の間の溶融金属(MM)の上面に対向し、
かつ長手軸線の溶融金属上面に対する投影線が鋳型の一
短辺(6R)および一長辺(5F)と交叉する電磁石コア(10);
該電磁石コア(10)に装着され、前記歯のそれぞれを磁化
する複数個の電気コイル(1Aa〜2Ca);および、前記電磁
石コア(10)の長手軸線に沿う移動磁界を溶融金属に与え
るための位相差がある交流電圧を前記電気コイル(1Aa〜
2Ca)のそれぞれに印加する通電手段(20F1);を備える。
なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示
し後述する実施例の対応要素の記号を、参考までに付記
した。
【0007】これによれば、電磁石コア(10)が、鋳型開
口の半分の対角方向に延びしかも注入ノズル(30)と一短
辺(6R)の間の溶融金属(MM)の上面に対向するので、比較
的に幅(短辺長)が短い鋳型でも、その内部の溶融金属
に効果的に流動推力を与えることができる。しかも、鋳
型開口の長辺の半分前後の、比較的に長い電磁石コアで
あっても、対角方向の姿勢であるので比較的に容易に、
溶融金属表面に電磁石コアを近付けて、開口内あるいは
開口上方に配設することができる。
【0008】本願の第2番の発明の溶融金属の流動制御
装置は、長手方向に分布する複数個のスロットを有し、
スロット間の歯の先端が、水平y方向に延びる長辺(5F,
5L)および水平x方向に延びる短辺(6R,6L)を有する鋳型
の、溶融金属を注ぎ込む注入ノズル(30)と一短辺(6R)の
間の溶融金属(MM)の上面に対向し、長手方向に直交する
垂直横断面形状がくの字型の電磁石コア(図9の10);ス
ロット部において長手軸を周回するように電磁石コア(1
0)に胴巻きされた複数個の電気コイル(1Aa〜2Ca);およ
び、前記電磁石コア(10)の長手軸に沿う移動磁界を溶融
金属に与えるための位相差がある交流電圧を前記電気コ
イルのそれぞれに印加する通電手段(20F1);を備える。
【0009】これによれば、電磁石コア(図9の10)が、
長手方向に直交する垂直横断面形状がくの字型のもので
あるので歯端を鋳型開口の内方に挿入し、銅巻きコイル
は鋳型上端面上又はそれより更に開口の外側に位置させ
ることができる。したがって、比較的に幅(短辺長)が
短い鋳型でも、その内部の溶融金属に効果的に流動推力
を与えることができる。しかも、電磁石コアおよび電気
コイルが、鋳型開口の、相対向長辺間の空間の中央部を
広げるように長辺側に引いた形で設置できるので、鋳型
開口内の、中央部に広い空間を確保しうる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施例はさら
に、溶融金属レベル検出器(C1,C2,T)を含み;該検出器
の検出端(C1,C2)は、電磁石コア(10)の歯に装着されて
いる。これによれば、別に湯面レベルセンサを配置する
必要が無く、該検出器(C1,C2,T)のレベル検出信号に基
づいて湯面レベル制御を行なうことができる。
【0011】本発明の好ましい実施例の電磁石コア(10)
の、長手方向(z)と直交する水平幅は、鋳型短辺(6R)長
の1/3以下である。すなわち、電磁石コア(10)が細身
であるので、電磁石コア(10)が溶融金属に及ぼす磁界の
広がりは幅方向に狭く、該電磁石コア(10)が隣接する長
辺(5F)と対向する長辺(5L)に沿う、電磁推力と逆方向の
溶鋼の流れへの影響(干渉)が少い。
【0012】本発明の好ましい実施例の電磁石コア(10)
はさらに、x,y方向に直交するz方向に貫通した、溶
融金属表面にパウダを注入するための中空通路(ha〜hj)
を有する。これによれば、電磁石コア(10)の外にパウダ
供給管等を付設する必要はなく、鋳型の上空間が有効に
利用され、しかも、溶融金属(MM)の表面にムラなくパウ
ダを散布することができる。
【0013】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0014】
【実施例】
−第1実施例− 図1に、本発明の第1実施例の、リニアモ−タの配置を
示す。図中5Fおよび5Lは、連続鋳造鋳型の第1およ
び第2長辺、6Rおよび6Lは第1および第2短辺であ
り、これらが囲む空間に、タンディッシュより注入ノズ
ル30を通して溶鋼が、図1紙面の表側から裏側に向け
て(垂直方向zで上方から下方に)、注入される。各辺
(5F,5L,6R,6L)は銅板1F,1L,3R,
3Lに、非磁性ステンレス板2F,2L,4R,4Lを
裏当てしたものである。なお、鋳型各辺の上端面には、
ステンレスカバ−板(図3に図示)が乗っているが、図
1においてはその図示は省略した。
【0015】この実施例では、鋳型(5F,5L,6
R,6L)内の溶鋼を、3相リニアモ−タ型で長辺5L
に沿って右から左に(+yから−yの方向に)、すなわ
ち注入ノズル30を中心とした時計回りに駆動するため
に、連続鋳造鋳型(5F,5L,6R,6L)内の溶鋼
の上表面に対向して第1および第2の電磁石コア10お
よび20が、注入ノズル30を中心として、鋳型開口の
対角線と略平行に配置されている。
【0016】第1電磁石コア10は、xy平面上で注入
ノズル30側に向うにつれて長辺5Fに近づく方向(+
xの方向)に傾斜し、第2電磁石コア20は、xy平面
上で注入ノズル30側に向うにつれて長辺5Lに近づく
方向(−xの方向)に傾斜している。つまり、第1電磁
石コア10及び第2電磁石コア20の注入ノズル30に
近い側の先端部はそれぞれ長辺5F,長辺5Lの内壁を
狙う。より細かく表現すると、第1電磁石コア10は、
その長手軸線の溶融金属上面に対する投影線が一方の短
辺6Rおよび一方の長辺5Fと交叉するように長辺5F
に対して斜めに配設されており、第2電磁石コア20
は、その長手軸線の溶融金属上面に対する投影線が他方
の短辺6Lおよび他方の長辺5Lと交叉するように長辺
5Lに対して斜めに配設されている。
【0017】図2の(a)には、第1電磁石コア10の
拡大縦断面(図1の2A−2A線拡大断面)を示すとと
もに、図3には電磁石コア10の拡大横断面(図1の3
A−3A線拡大断面)を示す。なお、第1電磁石コア1
0を含む第1リニアモ−タと第2電磁石コア20を含む
第2リニアモ−タとは、同一寸法および同一電気定格の
ものであり、鋳型開口の中心位置にあるノズル30に対
して点対称に配置されている。
【0018】図1〜図3を参照すると、この実施例で
は、電磁石コア10は、長方形であり、その長手方向に
スロット用の6個の切欠を等ピッチで形成した、平板面
が櫛形の薄鋼板を幅Wc(図3)だけ積層したものであ
り、6個のスロットがあり、スロットのそれぞれに電気
コイル1Aa〜2Caが挿入されている。幅Wcの方向
を以下においては横手方向と称す。電磁石コア10の横
手方向の幅Wc(図3)は、鋳型開口のx方向の幅をW
m(図1)とすれば、Wc≦Wm/3である。なお、電磁
石コア10および電気コイル1Aa〜2Caは冷却され
かつ耐熱カバ−で被覆されているが、冷却構造およびカ
バ−は図示を省略している。
【0019】電磁石コア10は、下面に電磁石コア10
の横手方向および垂直方向zに延びるスロットがある櫛
形であり、各スロットに電気コイルが挿入され、スロッ
ト間の歯が磁極でありその下端面が、連続鋳造鋳型(5
F,5L,6R,6L)内の溶鋼の上表面に対向してい
る。電気コイル1Aa〜2Caの、電磁石コア10より
その横手方向に突出したコイルエンドは、図3に示すよ
うに、銅板1F上部(+z方向)の空間において略90
度上に向きを変え、電磁石コア10の上平面を通過して
いる。すなわち電気コイル1Aa〜2Caは、電磁石コ
ア10に「胴巻き」されている。
【0020】この実施例では、電気コイル1Aa〜2C
aの内空間に電磁石コア10を通した後、電気コイル1
Aa〜2Caの一辺を各スロットに押し込むため、電気
コイル1Aa〜2Caの内空間の高さ方向zの幅は電磁
石コア10が通る広さであるので、電気コイルをスロッ
トに押し込んだ後は、電気コイルの上辺とコア10の背
面(上面)との間にスロットの深さ(z)分の空隙を生
ずる。この空隙に、長方形の薄鋼板を積層した補助コア
10aが挿入されている。さらにこうして形成されたリ
ニアモータの電磁石コア10及び補助コア10aには、
横手方向中央位置に、補助コア10aの上面から電磁石
コア10の各スロット間の歯の下端面にかけてz方向に
貫通する5つの通孔ha〜heが、電磁石コア10の長
手方向に並んで開けられている。
【0021】通孔ha〜heには、それぞれ図2の
(a)に2点鎖線で示すようにパウダを噴出するノズル
が挿入され、このノズルを通して、すなわち通孔ha〜
heを通して、溶鋼表面にパウダが注がれる。電磁石コ
ア10および補助コア10aの両者にも、冷却用の流体
流路がありこれに冷媒管が接続されているが、これらの
図示は省略した。
【0022】電気コイル1Aa〜2Caが、電磁石コア
10に対して胴巻きであるので、各電気コイルは、電磁
石コア10の長手方向にはスロット幅分のみ分布し、従
来のコイルエンド方式のリニアモ−タのように、1つの
電気コイルが数スロット分延びることはなく、これによ
り電気コイルはコンパクトであって電磁石コア10の外
方(電磁石コア10の横手方向:図3上で左右方向)の
突出長が短く、リニアモ−タ(10+1Aa〜2Ca)
の横手方向幅が狭い。これにより、図3に示すように、
電磁石コア10のスロット間の歯の先端を溶鋼表面近く
に挿入し、鋳型辺内面直近の溶鋼に効果的に推力を与え
るように、電磁石コア10を鋳型辺5Lの直近に配置し
うる。
【0023】図2の(b)に、第2電磁石コア20の拡
大縦断面(図1の2B−2B線拡大断面)を示す。電磁
石コア20も10と同様な構造であり、通孔hf〜hj
をもち、長辺5Fおよび短辺6Rに対する第1電磁石コ
ア10の配置位置関係と同様に、長辺5Lおよび短辺6
Lに対して位置決めされている。
【0024】図4に、図2の(a),(b)に示す電気
コイル1Aa〜2Caと4Ab〜5Cbの結線、電源回
路20F1および制御回路P1との接続態様を示す。こ
の結線は2極(N=2)のものであり、電気コイルに3
相交流(M=3)を通電する。例えば、電気コイル1A
a〜2Caは、図4ではこの順に、W,v,U,w,
V,uと表わしている。そして「U」は3相交流のU相
の正相通電(そのままの通電)を、「u」はU相の逆相
通電(U相より180度の位相づれ通電)を表わし、電
気コイル「U」にはその巻始め端にU相が印加されるの
に対し、電気コイル「u」にはその巻終り端にU相が印
加されることを意味する。同様に、「V」は3相交流の
V相の正相通電を、「v」はV相の逆相通電を、「W」
は3相交流のW相の正相通電を、「w」はW相の逆相通
電を表わす。図4に示す端子U11,V11およびW1
1は、電気コイル1Aa〜2Caの電源接続端子であ
り、端子U12,V12およびW12は、電気コイル4
Ab〜5Cbの電源接続端子である。
【0025】作業者が、図示しない外部の制御盤を介し
て制御回路P1に電圧指示値VdcA1及び周波数指示値
Fdcを与えると、制御回路P1はそれらの指示値をアナ
ログ信号(電圧レベル)であるコイル電圧指令信号及び
周波数指令信号に変換して電源回路20F1に与える。
【0026】電源回路20F1は端子U11,V11,
W11,端子U12,V12およびW12に周波数指令
値Fdcで指定された周波数の3相交流をコイル電圧指令
値VdcA1で指定された電圧で出力する。
【0027】図5に、電気コイル1Aa〜2Ca,電気
コイル4Ab〜5Cbに3相交流を流す電源回路20F
1の構成を示す。3相交流電源(3相電力線)21には
直流整流用のサイリスタブリッジ22A1が接続されて
おり、その出力(脈流)はインダクタ25A1およびコ
ンデンサ26A1で平滑化される。平滑化された直流電
圧は3相交流形成用のパワ−トランジスタブリッジ27
A1に印加され、これが出力する3相交流のU相が、図
4に示す電源接続端子U11,U12に、V相が電源接
続端子V11,V12に、またW相が電源接続端子W1
1,W12に印加される。
【0028】電気コイル1Aa〜2Ca,電気コイル4
Ab〜5Cbが、図1に点線矢印で示す推力を発生する
コイル電圧指令値VdcA1が位相角α算出器24A1に
与えられ、位相角α算出器24A1が、指令値VdcA1
に対応する導通位相角α(サイリスタトリガ−位相角)
を算出し、これを表わす信号をゲ−トドライバ23A1
に与える。ゲ−トドライバ23A1は、各相のサイリス
タを、各相のゼロクロス点から位相カウントを開始して
位相角αで導通トリガ−する。これにより、トランジス
タブリッジ27A1には、指令値VdcA1が示す直流電
圧が印加される。
【0029】一方、3相信号発生器31A1は、周波数
指令値Fdcで指定された周波数(この実施例では60H
zが中心値)の、定電圧3相交流信号を発生して、比較
器29A1に与える。比較器29A1にはまた、三角波
発生器30A1が3KHzの、定電圧三角波を与える。
比較器29A1は、U相信号が正レベルのときには、そ
れが三角波発生器30A1が与える三角波のレベル以上
のとき高レベルH(トランジスタオン)で、三角波のレ
ベル未満のとき低レベルL(トランジスタオフ)の信号
を、U相の正区間宛て(U相正電圧出力用トランジスタ
宛て)にゲ−トドライバ28A1に出力し、U相信号が
負レベルのときには、それが三角波発生器30A1が与
える三角波のレベル以下のとき高レベルHで、三角波の
レベルを越えるとき低レベルLの信号を、U相の負区間
宛て(U相負電圧出力用トランジスタ宛て)にゲ−トド
ライバ28A1に出力する。V相信号およびW相信号に
関しても同様である。ゲ−トドライバ28A1は、これ
ら各相,正,負区間宛ての信号に対応してトランジスタ
ブリッジ27A1の各トランジスタをオン,オフ付勢す
る。
【0030】これにより、電源接続端子U11,U12
には、3相交流のU相電圧が出力され、電源接続端子V
11,V12に同様なV相電圧が出力され、また電源接
続端子W11,W12に同様なW相電圧が出力され、こ
れらの電圧の上ピ−ク/下ピ−ク間レベルはコイル電圧
指令値VdcA1で定まる。例えば周波数指令値Fdcが6
0Hzを指定しているときには、コイル電圧指令値Vdc
A1で指定されたピ−ク電圧値(推力)の60Hzの3
相交流電圧が、図2及び図4に示す電気コイル1Aa〜
2Ca,電気コイル4Ab〜5Cbに印加される。
【0031】図2及び図6を参照されたい。まず図2を
参照すると、電磁石コア10の通孔hcの開けられた歯
の先端部には、導電体レベル検出用の励磁次コイルC1
及び検出コイルC2が巻かれている。これらのコイルC
1,C2は、図6に示す湯面レベル検出回路Tに接続さ
れている。励磁コイルC1には、湯面レベル検出回路T
の交流電源VCSより1kHzの電流が通電される。これ
によりコイルC1,C2が巻回された歯の直下の溶鋼表
面(導電体)には、1kHzの渦電流が誘起され、この渦
電流により1kHzの、コイルC1が発生する交流磁界と
は位相がずれた磁界が発生する。この磁界により検出コ
イルC2に発生する電圧(湯面レベルに対応するレベ
ル)を、湯面レベル検出回路Tの信号処理回路50が位
相検波により摘出する。摘出した電圧は、増幅回路AM
Pで湯面レベルを表わす信号(電圧)に変換されて、比
較器Comに与えられる。比較器Comには更に、予めメモ
リMeに設定されたレベル目標値を表わす信号(電圧)
が与えられる。比較器Comは、検出した湯面レベルがレ
ベル目標値以上のときは低レベルLの、レベル目標値未
満のときは高レベルHの信号を、注湯流量制御装置Mfc
に与える。
【0032】図示しないタンデイッシュの溶鋼が、ノズ
ル30を通って図1に示す鋳型に流下するが、ノズル3
0には、その通流開口を調整するためのスライドバルブ
(図示せず)が組込まれており、このスライドバルブ
が、電気モ−タ(図示せず)によって開,閉駆動され
る。注湯流量制御装置Mfcは、比較器Comの出力信号を
所定周期でサンプリングして、それが低レベルL(湯面
レベルが目標値以上)であると1ステップ分電気モ−タ
を逆転駆動する。これにより、ノズル30の通流開口が
微小1ステップ分狭くなる。比較器Comの出力信号が高
レベルH(湯面レベルが目標値未満)であると1ステッ
プ分電気モ−タを正転駆動する。これにより、ノズル3
0の通流開口が微小1ステップ分広くなる。
【0033】上述の第1実施例によれば、図1および図
4に点線で示す方向の電磁力が鋳型の溶鋼表面に加えら
れる。ここで、電磁石コア10及び電磁石コア20は、
注入ノズル30に近くなる程に長辺5F,長辺5L側に
近づく方向に傾いており、それぞれの注入ノズル30側
の先端は注入ノズル30と長辺との間を狙っている。従
って各リニアモータの電磁力により溶鋼の表層に発生し
た流れは注入ノズル30と長辺との間を通り、注入ノズ
ル30を中心とする循環流となる。すなわち溶鋼のリニ
アモータにより発生した流れが、注入ノズルにぶつかり
溶鋼の表層に生成される循環流をかき乱す、ことがな
い。
【0034】鋳型の開口内の溶鋼表層において、注入ノ
ズル30に対して点対称に配置されているリニアモータ
により循環流を生成させると、リニアモータを配置して
いない空間直下の溶鋼の流れる方向は、図1及び図4に
実線矢印MMF,MMLで示すようにx方向で隣接する
リニアモータの与える電磁力との向きに逆う方向にな
る。しかし、電磁石コア10,20の横手方向の幅は、
鋳型開口のx方向長さに比べて1/3以下と細身である
ので、リニアモータによりつくられる磁界の範囲はx方
向に狭くなり、図1及び図4に実線矢印MMF,MML
で示す循環流はリニアモータが発生する電磁力の影響を
受けにくい。
【0035】さらに、電磁石コアに通孔を設けてパウダ
を注入することにより鋳型の上空間を有効に利用するこ
とができるとともに、溶鋼の表面にムラなくパウダを散
布することができる。加えて、電磁石コア10のスロッ
ト間の歯の下端に湯面レベル検出器の検出端(C1,C
2)を装着するので、別に湯面レベルセンサを配置する
必要が無く、開口の小さな連続鋳造鋳型にも本実施例を
適応させることができる。
【0036】−第1実施例の変形例− 図7に第1実施例の一変形例の電磁石コア10の横断面
を図3対応で示す。この変形例は、第1実施例において
は電磁石コア10のスロット間の歯に巻かれていた励磁
コイルC1及び検出コイルC2が、鋳型の銅板1F,1
L,3F,3R内に装備されている点が第1実施例とは
異っており、励磁コイルC1及び検出コイルC2に接続
されている湯面レベル検出回路T(図6)を含むその他
の要素は第1実施例と同じである。この変形例におい
て、検出コイルC2は溶鋼MMの表面(湯面)レベルが
通常変化する範囲に分布しており、溶鋼MMの湯面レベ
ルが変化すると検出コイルC2に誘起される電圧の波高
値が変化する。湯面レベル検出回路Tは、第1実施例と
同様に湯面レベルを検出し、検出レベルが目標値以上か
未満かを表わす信号を発生する。
【0037】この変形例によれば、連続鋳造鋳型内に湯
面レベル検出器の検出端(C1,C2)を装備するの
で、別に湯面レベルセンサを配置する必要が無く、第1
実施例と同様に開口の小さな連続鋳造鋳型にも本実施例
を適応させることができる。
【0038】−第2実施例− 図8に、本発明の第2実施例のリニアモータの配置を示
し、図9には、図8の9A−9A線拡大断面を示す。こ
の第2実施例では、電磁石コア10は、その歯部が長辺
5F側に「く」の字型に曲った形であり、これによりこ
の折れ角と同じ角度分、銅巻きの電気コイル1Aa〜2
Caが、長辺5F側に傾斜している。その他の構造およ
び形状は、上述の第1実施例と同様である。
【0039】この第2実施例によれば、電磁石コア10
及び電磁石コア20のスロット上部を含む上端がそれぞ
れ長辺方向に折れ曲がっているので、各スロットに挿入
された電気コイルのコイルエンドは近傍の長辺側に傾い
ている。従って、電磁石コアの折れ曲がり方向とは反対
側の空間がコイルエンドが突出していない分だけ広い。
従って、開口の小さな連続鋳造鋳型にも本実施例のリニ
アモータを設置することができる。
【0040】−第2実施例の変形例− 上述の第2実施例では、電気コイルの大部分を、鋳型の
開口上方から長辺5Fの上方にあるように配置すること
ができるので、図10に示すように、電磁石コア10,
20を長辺5F,5Lに平行にして、全電気コイルを実
質上長辺5F,5Lの上方に位置させてもよい。この場
合、第1,第2実施例の場合よりも、鋳型の開口の、長
辺5F,5Lの間の中央空間をリニアモ−タが塞ぐ率が
更に少い。開口の小さな連続鋳造鋳型にも本変形例のリ
ニアモータを設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の、連続鋳造鋳型の溶鋼
表面の上方の、磁極および電気コイルの配列を示す平面
図である。
【図2】 図1に示す電磁石コア10および20の拡大
縦断面図である。
【図3】 図1に示す電磁石コア10の拡大横断面図で
ある。
【図4】 図2に示す電気コイルの結線及び電源回路と
の接続態様を示す電気回路図である。
【図5】 図3に示す電気コイル1Aa〜2Ca,4A
b〜5Cbに3相交流電圧を印加する電源回路を示す電
気回路図である。
【図6】 図2および図3に示す励磁コイルC1および
検出コイルC2に接続される湯面レベル検出回路Tの構
成を示すブロック図である。
【図7】 第1実施例の一変形例の電磁石コア10の拡
大横断面図である。
【図8】 本発明の第2実施例の、連続鋳造鋳型の溶鋼
表面の上方の、磁極および電気コイルの配列を示す平面
図である。
【図9】 図8に示す電磁石コア10の拡大横断面図で
ある。
【図10】 本発明の第2実施例の一変形例の、連続鋳
造鋳型の溶鋼表面の上方の、磁極および電気コイルの配
列を示す平面図である。
【符号の説明】
1:鋳型の内壁 1F,1L,3R,3
L:銅板 2F,2L,4R,4L:非磁性ステンレス板 5F,5L:長片 6R,6L:短片 10,20:電磁石コア 10a,20a:補助
コア 10b,20b:基底部 20F1:電源回路 30:注入ノズル T:溶鋼湯量制御装置 P1:制御回路 P2:湯面レベル制御
装置 VCS:交流電源 1Aa,1Ba,1Ca,2Aa,2Ba,2Ca :電気コイル 4Ab,4Bb,4Cb,5Ab,5Bb,5Cb :電気コイル U11,V11,W11/U12,V12,W12:電源接続端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 崎 照 夫 東海市東海町5−3 新日本製鐵株式会 社 名古屋製鐵所内 (56)参考文献 特開 平7−256412(JP,A) 特開 平7−246445(JP,A) 特開 平7−246444(JP,A) 特開 昭61−140355(JP,A) 特開 昭60−72652(JP,A) 特開 昭60−234757(JP,A) 特開 平1−228645(JP,A) 特開 平8−197196(JP,A) 特開 平8−243698(JP,A) 特開 平7−290214(JP,A) 特開 平8−108257(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/115 B22D 11/04 311 B22D 11/108 B22D 11/16 B22D 11/16 104

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長手方向に分布する複数個のスロットを有
    し、スロット間の歯の先端が、水平y方向に延びる長辺
    および水平x方向に延びる短辺を有する鋳型の、溶融金
    属を注ぎ込む注入ノズルと一短辺の間の溶融金属の上面
    に対向し、かつ長手軸線の溶融金属上面に対する投影線
    が鋳型の一短辺および一長辺と交叉する電磁石コア;該
    電磁石コアに装着され、前記歯のそれぞれを磁化する複
    数個の電気コイル;および、 前記電磁石コアの長手軸線に沿う移動磁界を溶融金属に
    与えるための位相差がある交流電圧を前記電気コイルの
    それぞれに印加する通電手段;を備える溶融金属の流動
    制御装置。
  2. 【請求項2】電磁石コアは、その長手軸線の溶融金属上
    面に対する投影線が、鋳型の2短辺の一方および2長辺
    の一方に交叉する第1電磁石コア、および、鋳型の2短
    辺の他方および2長辺の他方に交叉し第1電磁石コアと
    実質上平行な第2電磁石コア、を含み;電気コイルは、
    第1電磁石コアに装着された複数個の第1電気コイルお
    よび第2電磁石コアに装着された複数個の第2電気コイ
    ルを含む;請求項1記載の溶融金属の流動制御装置。
  3. 【請求項3】長手方向に分布する複数個のスロットを有
    し、スロット間の歯の先端が、水平y方向に延びる長辺
    および水平x方向に延びる短辺を有する鋳型の、溶融金
    属を注ぎ込む注入ノズルと一短辺の間の溶融金属の上面
    に対向し、長手方向に直交する垂直横断面形状がくの字
    型の電磁石コア;スロット部において長手軸を周回する
    ように電磁石コアに胴巻きされた複数個の電気コイル;
    および、 前記電磁石コアの長手軸に沿う移動磁界を溶融金属に与
    えるための位相差がある交流電圧を前記電気コイルのそ
    れぞれに印加する通電手段;を備える溶融金属の流動制
    御装置。
  4. 【請求項4】電磁石コアは、鋳型の2短辺の一方および
    2長辺の一方に近い位置に配設された第1電磁石コア、
    および、鋳型の2短辺の他方および2長辺の他方に近い
    位置に配設され第1電磁石コアと実質上平行な第2電磁
    石コア、を含み;電気コイルは、第1電磁石コアに装着
    された複数個の第1電気コイルおよび第2電磁石コアに
    装着された複数個の第2電気コイルを含む;請求項3記
    載の溶融金属の流動制御装置。
  5. 【請求項5】装置はさらに、溶融金属レベル検出器を含
    み;該検出器の検出端が電磁石コアの歯に装着された、
    請求項1,請求項2,請求項3又は請求項4記載の溶融
    金属の流動制御装置。
  6. 【請求項6】電磁石コアの長手方向と直交する水平幅
    は、鋳型短辺長の1/3以下である、請求項1,請求項
    2,請求項3又は請求項4記載の溶融金属の流動制御装
    置。
  7. 【請求項7】電磁石コアはさらに、x,y方向に直交す
    るz方向に貫通した、溶融金属表面にパウダを注入する
    ための中空通路を有する、請求項1,請求項2,請求項
    3又は請求項4記載の溶融金属の流動制御装置。
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