JPH09136147A - 導電体の回転駆動装置 - Google Patents

導電体の回転駆動装置

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JPH09136147A
JPH09136147A JP29149795A JP29149795A JPH09136147A JP H09136147 A JPH09136147 A JP H09136147A JP 29149795 A JP29149795 A JP 29149795A JP 29149795 A JP29149795 A JP 29149795A JP H09136147 A JPH09136147 A JP H09136147A
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JP
Japan
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linear motor
phase
electric
mold
motor
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Application number
JP29149795A
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English (en)
Inventor
Keisuke Fujisaki
崎 敬 介 藤
Hiroshi Harada
田 寛 原
Keiichi Takahashi
橋 啓 一 高
Shigenao Anzai
斉 栄 尚 安
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リニアモ−タが延びる方向yに複数個生成す
る回転駆動力を均一化する。これを簡単な技術手段で実
現する。溶融金属を、複数の小ル−プを描くようにかつ
可及的に等速度で回転駆動する。 【解決手段】 コア(Ea)および複数個の電気コイル(E1
〜E12)を有する第1リニアモ−タ(1E);導電体(M1,M2,M
3のMM)を間に置いて第1モ−タ(1E)に対向する第2リニ
アモ−タ(1L);および、モ−タが延びるy方向に沿う推
力を導電体に与える交流を、第1モ−タ(1E)に印加し、
第2モ−タ(1L)の電気コイル(L1〜L12)には、第1モ−
タ(1E)の電気コイル(例えばE1,E2)に対して導電体(M1の
MM)の回転中心を対称点として点対称に位置する電気コ
イル(L3,L4)に第1モ−タ(1E)の電気コイル(E1,E2)に印
加する交流に対して実質上180°の位相ずれがある交
流を印加する通電手段(20F1,E1〜E12,L1〜L12);を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電体を、それを
間にして相対向する一対のリニアモ−タで回転駆動する
装置に関し、特に、これに限定する意図ではないが、複
数個の鋳型内の溶融金属のそれぞれを回転駆動する流動
駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばビレットの連続鋳造では、タンデ
イッシュより鋳型に溶鋼が注入され、鋳型において溶鋼
は鋳型壁面から次第に冷却されつつ引き抜かれる。同一
高さの鋳型壁面における温度が不均一であると、表面割
れやシェル破断を生じ易い。これを改善するために、従
来は、鋳型辺の外に配置したリニアモ−タ又は溶鋼上面
に対向するリニアモ−タで、鋳型内溶鋼に一定方向の電
磁駆動力(推力)を与えて溶鋼を積極的に流動駆動して
いる。鋳型内溶鋼に与える推力はリニアモ−タ電流によ
り調整することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、比較的に小
断面の鋳型を用いる連続鋳造、例えばビレットの鋳造に
おいては、複数個の鋳型を並設して同時並行してそれぞ
れの鋳型で鋳造を行なうが、鋳型形状が小さいので、各
鋳型に独立にリニアモ−タを装備しようとしても、隣り
合う鋳型のリニアモ−タが機械的に干渉するのでリニア
モ−タを鋳型のそれぞれに個別に設置することが困難で
あり、リニアモ−タを小型化すると、十分な推力が得ら
れなくなる可能性がある。更には、リニアモータの電気
コイルに3相交流を通電すると、その位相差により流れ
る電流値が変化する。これは電流相バランスと称され、
各相U(u),V(v),W(w)ごとに電流値に差を
生じさせる。すなわち、対向するリニアモータの位相差
により1つ或るいはそれ以上の鋳型に電磁力を集中させ
ることとなり、鋳型により流動速度が異り製品の品質が
異り歩留りを低下させる要因となる。また、幅が広い1
つの鋳型の溶融金属を撹拌する場合でも、幅方向に複数
の小流動ル−プを形成する形で溶融金属が流動駆動さ
れ、これらの小流動ル−プのベクトル合成の結果として
鋳型全体に1つの流動ル−プが形成されるが、小流動ル
−プの流動速度が異なり、それらの合成として表われる
鋳型全体に及ぶ1つの流動ル−プの流動速度および方向
が各所で異なり、流動撹拌の均一性が低い。
【0004】本発明は、導電体に対してリニアモ−タが
延びる方向yに複数個生成する回転駆動力を均一化する
ことを第1の目的とし、これを簡単な技術手段で実現す
ることを第2の目的とする。y方向に延びる一対の相対
向するリニアモ−タの間の溶融金属を、複数の小ル−プ
を描くようにかつ可及的に等速度で回転駆動することを
第3の目的とし、一対のリニアモ−タの間の、y方向に
分布する複数の鋳型の溶融金属を可及的に等速で流動駆
動することを第4の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の導電体の回転駆
動装置は、x方向に延びy方向に分布する複数個のスロ
ットを有する電磁石コア(Ea)およびスロットに装着され
た複数個の電気コイル(E1〜E12)を有する第1リニアモ
−タ(1E);x方向に延びy方向に分布する複数個のスロ
ットを有する電磁石コア(La)およびスロットに装着され
た複数個の電気コイル(L1〜L12)を有し、被駆動導電体
(M1,M2,M3のMM)を間に置いて第1リニアモ−タ(1E)に対
向する第2リニアモ−タ(1L);および、スロットの配列
方向yに沿う推力を被駆動導電体に与える位相差がある
交流電圧を、第1リニアモ−タ(1E)の電気コイル(E1〜E
12)に印加し、第2リニアモ−タ(1L)の電気コイル(L1〜
L12)には、第1リニアモ−タ(1E)の電気コイル(例えばE
1,E2)に対して被駆動導電体(M1のMM)の回転中心を対称
点として点対称に位置する電気コイル(L3,L4)に第1リ
ニアモ−タ(1E)の電気コイル(E1,E2)に印加する交流電
圧に対して実質上180°の位相ずれがある交流電圧
(V)を印加する通電手段(20F1,E1〜E12,L1〜L12);を備
える。なお、カッコ内には、理解を容易にするために、
図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項に付
した記号を、参考までに付記した。
【0006】これによれば、被駆動導電体(M1)の回転中
心を対称点として点対称に位置する、第1リニアモ−タ
(1E)の電気コイル(E1,E2)と第2リニアモ−タ(1L)の電
気コイル(L3,L4)の印加電圧に実質上180°の位相ず
れがあるので、これらの電気コイルが発生する磁束は被
駆動導電体(M1のMM)の回転中心を通る方向となる。した
がって、リニアモ−タの端部(被駆動導電体の回転単位
(小ル−プ)に対して端に相当する位置)において磁束
は被駆動導電体に向かう方向であり、該端部での磁束の
分散による推力低下が少く、y方向の推力分布がその分
均一化し、回転駆動力が均一化する。上述の180°の
位相ずれは電気的に簡単に行なうことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】被駆動導電体は、y方向に分布す
る複数個の鋳型内の溶融金属である。本発明の他の目的
および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より
明らかになろう。
【0008】
【実施例】図1に、本発明の一実施例の、リニアモ−タ
の配置を示す。図中M1,M2,M3は、ビレット製造
用の小型の連続鋳造鋳型であり、第1鋳型,第2鋳型及
び第3鋳型である。これらに図示しない注入ノズルを通
して溶鋼MMが、図1紙面の表側から裏側に向けて(垂
直方向zで上方から下方に)、注入される。各鋳型M
1,M2,M3の正方形の鋳型を形成する各辺は銅板M
12,M22,M32に、非磁性ステンレス板M11,
M21,M31を裏当てしたものである。
【0009】この実施例では、各鋳型M1,M2,M3
内の溶鋼MMを、3相リニアモ−タで鋳型の各辺に沿っ
て図1紙面上において時計回り方向に回転駆動するため
に、連続鋳造鋳型M1,M2,M3のx方向の外側面に
対向して第1および第2の電磁石コア1Eおよび1L
が、y方向に等間隔一列で並べられた各鋳型M1,M
2,M3を挟んで、平行に、かつ、鋳型列M1〜M3に
関して対称に配置されている。
【0010】図2には、第2鋳型M2,リニアモータ1
E及びリニアモータ1Lの拡大横断面(図1の2A−2
A線拡大断面)を示す。なお、第1リニアモータ1Eと
第2リニアモータ1Lとは、同型で同一電気定格のもの
である。
【0011】図1および図2を参照すると、この実施例
では、電磁石コア1Eは、y方向に長く、この長手方向
yにスロット用の12個の切欠を等ピッチで形成した、
平板面が櫛形の薄鋼板を積層したものであり、12個の
スロットがあり、スロットのそれぞれに電気コイルE1
〜E12が挿入されている。なお、電磁石コア1Eおよ
び電気コイルE1〜E12は冷却されかつ耐熱カバ−で
被覆されているが、冷却構造およびカバ−は図示を省略
している。電磁石コア1Eは、横側面にx方向に延びる
スロットがある櫛形であり、各スロットに電気コイルが
挿入され、スロット間の歯が磁極でありその端面が、連
続鋳造鋳型M1,M2,M3のx方向側面に対向してい
る。電気コイルE1〜E12は、電磁石コア1Eに「胴
巻き」されている。
【0012】この実施例では、電気コイルE1〜E12
の内空間に電磁石コアEaを通した後、電気コイルE1
〜E12の一辺を各スロットに押し込むため、電気コイ
ルE1〜E12の内空間の幅方向xの長さは、電磁石コ
アEaの幅方向xの長さより大きく、電気コイルをスロ
ットに押し込んだ後は、電気コイルの上辺とコア1Eの
背面(横側面)との間に空隙を生ずる。この空隙に、長
方形の薄鋼板を積層した補助コアEbが挿入されてい
る。電磁石コアEaおよび補助コアEbの両者にも、冷
却用の流体流路がありこれに冷媒管が接続されている
が、これらの図示は省略した。
【0013】図3に、図1に示す本発明の一実施例のシ
ステム全体構成及び全電気コイルの結線を示す。第1リ
ニアモータ1Eの各電気コイルE1〜E12及び、第2
リニアモータ1Lの各電気コイルL1〜L12は3相交
流電圧を発生する電源回路20F1の3相電源接続端子
U11,V11,W11に接続されている。図3に示す
第1リニアモ−タ1Eの結線は2極のものである。電源
回路20F1は、3相電源接続端子U11,V11,W
11に電気コイルに3相交流を通電する。第1リニアモ
−タ1Eの電気コイルE1〜E12は、図3ではこの順
に、v,v,W,W,u,u,V,V,w,w,U,U
と表している。ここで、「U」は3相交流のU相の正相
通電(そのままの通電)を、「u」はU相の逆相通電
(U相より180度の位相づれ通電)を表し、電気コイ
ル「U」にはその巻始め端にU相が印加されるのに対
し、電気コイル「u」にはその巻終り端にU相が印加さ
れることを意味する。同様に、「V」は3相交流のV相
の正相通電を、「v」はV相の逆相通電を、「W」は3
相交流のW相の正相通電を、「w」はW相の逆相通電を
表わす。
【0014】さて、第1リニアモ−タ1Eに対して第2
リニアモ−タ1Lの図3に示す結線は、極数と無関係で
あることがわかる。つまり、電気コイルL1〜L12の
相配置は、図3ではこの順に、w,w,U,U,u,
u,V,V,v,v,W,Wと表される。これについて
はまず、第1リニアモ−タ1Eと第2リニアモ−タ1L
の各電気コイルを、対向するモールドごとに区分(本実
施例においてはモールドがM1,M2,M3の3つであ
るので、図3に示す領域M1B,M2B,M3Bの3つ
に区分される)する。このときに第2リニアモ−タ1L
の電気コイルL1〜L12の結線は、ある一区分(例え
ばM1B)中において、該区分(M1B)中に含まれる
電気コイル(L1〜L4)に通電される電流の位相U
(u),W(w),V(v)が、同じ区分(M1B)中
に含まれ、第2リニアモ−タ1Lの電気コイル(L1〜
L4)とは互いに点対称に位置する第1リニアモ−タ1
Eの電気コイル(E1〜E4)の通電電流の位相(v,
W)に対して逆相(w,V)となるように結線されてい
る。この時の対称点は、該区分(M1B)中に含まれる
モールド(M1)のxy平面上における中心点(開口の
中心)である。上述のように結線された第2リニアモ−
タ1Lの各電気コイルは、電源回路20F1の3相電源
接続端子U11,V11,W11に接続されている。
【0015】電源回路20F1は制御回路P2と接続さ
れる。制御回路P2は、電源回路20F1に、コイル電
気指令値VdcA1および周波数指令値Fdcを与える。
【0016】電源回路20F1は、制御回路P2より出
力されるコイル電圧指令値VdcA1により3相交流電圧
の電圧レベルを決定し、周波数指令値Fdcにより3相交
流電圧の周波数を設定する。電源回路20F1は、こう
して電圧レベル,周波数が決定された3相交流電圧
(U,V,W)をそれぞれ電気コイルE1〜E12,L
1〜L12に印加する。
【0017】図4に、電気コイルE1〜E12,L1〜
L12に3相交流を流す電源回路20F1の構成を示
す。3相交流電源(3相電力線)21には、直流整流用
のサイリスタブリッジ22A1が接続されており、その
出力(脈流)はインダクタ25A1およびコンデンサ2
6A1で平滑化される。平滑化された直流電圧は3相交
流形成用のパワ−トランジスタブリッジ27A1に印加
され、これが出力する3相交流のU相が図3に示す電源
接続端子U11に、V相が電源接続端子V11に、また
W相が電源接続端子W11に印加される。
【0018】電気コイルE1〜E12,L1〜L12
が、連続鋳造鋳型(M1,M2,M3)内部の溶鋼MM
を回転駆動する推力を発生するコイル電圧指令値VdcA
1が位相角α算出器24A1に与えられ、位相角α算出
器24A1が、指令値VdcA1に対応する導通位相角α
(サイリスタトリガ−位相角)を算出し、これを表わす
信号をゲ−トドライバ23A1に与える。ゲ−トドライ
バ23A1は、各相のサイリスタを、各相のゼロクロス
点から位相カウントを開始して位相角αで導通トリガ−
する。これにより、トランジスタブリッジ27A1に
は、指令値VdcA1が示す直流電圧が印加される。
【0019】一方、3相信号発生器31A1は、周波数
指令値Fdcで指定された周波数の、定電圧3相交流信号
U,V,Wを発生して、比較器29A1に与える。比較
器29A1にはまた、三角波発生器30A1が3KHz
の、定電圧三角波を与える。比較器29A1は、U相信
号が正レベルのときには、それが三角波発生器30A1
が与える三角波のレベル以上のとき高レベルH(トラン
ジスタオン)で、三角波のレベル未満のとき低レベルL
(トランジスタオフ)の信号を、U相の正区間宛て(U
相正電圧出力用トランジスタ宛て)にゲ−トドライバ2
8A1に出力し、U相信号が負レベルのときには、それ
が三角波発生器30A1が与える三角波のレベル以下の
とき高レベルHで、三角波のレベルを越えるとき低レベ
ルLの信号を、U相の負区間宛て(U相負電圧出力用ト
ランジスタ宛て)にゲ−トドライバ28A1に出力す
る。V相信号およびW相信号に関しても同様である。ゲ
−トドライバ28A1は、これら各相,正,負区間宛て
の信号に対応してトランジスタブリッジ27A1の各ト
ランジスタをオン,オフ付勢する。
【0020】これにより、電源接続端子U11には、3
相交流のU相電圧が出力され、電源接続端子V11に同
様なV相電圧が出力され、また電源接続端子W11に同
様なW相電圧が出力され、これらの電圧の上ピ−ク/下
ピ−ク間レベルはコイル電圧指令値VdcA1で定まる。
この3相電圧の周波数はこの実施例では周波数指令値F
dcにより定まる。すなわち、コイル電圧指令値VdcA1
で指定されたピ−ク電圧値(推力)の、周波数がFdc
(例えば3.5Hz)の3相交流電圧が、図1及び図3に
示す電気コイルE1〜E12に印加される。
【0021】図5の(a)には、従来のリニアモータに
おける一般的な相配置を図3対応で示し、(b)には本
発明の(本実施例における)相配置を、図3対応で電気
コイルを省略して示す。なお、(a),(b)の、同相
の電流が加えられる2つの電気コイル対応及び各モール
ドM1,M2,M3対応で示された数値は、(a),
(b)共通の電源において周波数3.5Hz,電流15
00Aの3相交流を加えた場合の、コイルに流れる電流
値および1つのモールドに対向する4個の電気コイルの
電流値を平均して、それらが対向するモールド対応で示
した値である。図に示す相配置において(a)と(b)
とを比較すると、従来例(a)のリニアモータの相配置
は、第1,第2のリニアモータ1E,1L供にスロット
の配列方向に隣合う相がそれぞれ60度の位相差をもっ
て構成されており、その順序が代わることはない(v→
W→u→V→w→U→v→・・・)。しかし、本実施例
(b)のリニアモータにおいては、第1リニアモータ1
Eのスロットの配列方向に隣合う相が(a)と同様にそ
れぞれ60度の位相差をもって構成されているのに対
し、第2リニアモータ1Lのスロットの配列方向に隣合
う相どうしは、それぞれの間の位相差とは無関係に配置
されている。つまり、第1リニアモータ1Eの相配置に
対してその間に挟まれるモールドの中心を対称の中心と
して点対称となっている。これは、図3に示される結線
によるものである。
【0022】ところで、リニアモータの電気コイルに3
相交流を通電すると、その位相差により流れる電流値が
変化する。これを電流相バランスと称する。これが図5
に各相U(u),V(v),W(w)対応で示されるよ
うに電流値の差となって表われる。図5を参照すると、
第1鋳型M1に対向する4個の電気コイルに流れる電流
の平均値((a)で718A)を100%として第2鋳
型及び第3鋳型にそれぞれ対向する4個の電気コイルに
流れる電流の平均値((a)で747A,741A)を
比較すると、従来例(a)では第2鋳型M2の電流値が
第1鋳型に対して96%,第3鋳型M3の電流値が97
%ととなり、最大3%の差を生じている。これは、電流
値にして747−718=29Aの差となり、電流値に
比例する電磁力が、他の2つの鋳型M1,M3に対して
第2鋳型M2に集中していることを示す。
【0023】一方、本実施例(b)の第1鋳型M1に対
向する4個の電気コイルに流れる電流の平均値(734
A)を100%として第2鋳型及び第3鋳型にそれぞれ
対向する4個の電気コイルに流れる電流の平均値(74
8A,726A)を比較すると、第2鋳型M2の電流値
が第1鋳型に対して102%,第3鋳型M3の電流値が
99%ととなり、最大2%の差に留まる。これは、電流
に換算しても748−734=15Aであり、従来例
(a)に比べて、3つの鋳型に加えられる電磁力が平準
化されていることを示す。
【0024】図6に、図3対応の本実施例の第1及び第
2リニアモータ1R,1Lの各電気コイルE1〜E1
2,L1〜L12に電源回路20F1より周波数3.5
Hz,電流1500Aの3相交流を加えた場合の相配置
(各リニアモータどうしで互いの極性の関係を理解し易
いようにU,u,V,v,W,wで示す)及び各連続鋳
造鋳型M1,M2,M3内の溶鋼MMに作用する電磁力
(矢印;ベクトル)を示す。各鋳型M1,M2,M3の
鋳型には、どれか1つ(或るいは2つ)の鋳型に電磁力
が片寄ることはなく、均一な撹拌流が得られている。
【0025】以上のように、鋳型を挟んで対向し、挟ん
だ鋳型の中心を対称の中心として点対称に位置する電気
コイルに実質上180°位相が異る逆位相の電流を通電
することにより、電流相バランスに係わりなく、各鋳型
にほぼ同一な電磁力が加えられ、それぞれに流し込まれ
る溶鋼が撹拌される。つまり、同品質の製品が製造され
る。
【0026】さらに、本実施例によれば、第1〜3の鋳
型を挟んで対向するリニアモータの一方の結線を変更す
ることにより電源は1つでよく、システムが小規模化す
る。つまり、低コストの流動制御装置で均一な品質を持
つ製品を同時に生産することができるので生産効率の向
上につながる。
【0027】なお、上記実施例は、1組のリニアモ−タ
1E,1Lを用いたものであるが、同様なリニアモ−タ
をz方向に更に配列して、z方向各位置で水平断面上の
流速分布を調整するようにしてもよい。また、上記実施
例は、3個以上の鋳型を対象とするものであるが、その
数に格別な制限はなく1個又は2個でも、あるいは4個
以上でも同様に適用しうる。例えば1個の幅が広い鋳型
(M1〜M3に及ぶ幅のもの)の場合、その中の連続し
た溶融金属に、上述のM1〜M3の中心を中心とする小
ル−プの流動が生成され、それらのベクトル和により、
見かけ上は大きい1ル−プの流動が生ずる。本発明によ
れば、小ル−プの流動の流速が均一化しているので、該
見かけ上の大きい1ル−プの流動の、各部流速が均一化
したものとなる。
【0028】また、上記実施例は鋳型内溶鋼を回転流動
駆動するものであるが、他の用途にも本発明は同様に実
施しうる。例えば回転自在に支持された一本又は二本以
上の金属柱あるいは金属ロ−ラをそれぞれ回転駆動する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の、鋳型に対するリニアモ
−タの配置を示す水平断面図である。
【図2】 図1に示す第2鋳型M2,リニアモータ1E
及びリニアモータ1Lの縦断面図(図1の2A−2A線
断面図)である。
【図3】 図1に示す実施例の全体構成を示すブロック
図である。
【図4】 図3に示す電源回路20F1の構成を表す電
気回路図である。
【図5】 (a)は、従来のリニアモータにおける一般
的な相配置を図3対応で示す平面図であり、(b)は図
3に示す実施例の相配置を示す平面図である。
【図6】 図3に示すリニアモータ1R,1Lの相配置
及び連続鋳造鋳型M1,M2,M3内の溶鋼MMに加わ
る電磁力(推力)を示すブロック図である。
【符号の説明】
1E,1L:リニアモータ 20F1:電源
回路 1E,1L,La,Lb:電磁石コア Ea,Eb:補助
コア E1〜E12,L1〜L12:電気コイル MM:溶融
金属 M11,M21,M31:非磁性ステンレス板 M12,M22,M3
2:銅板 M1,M2,M3:連続鋳造鋳型 P1:制御盤 P2:制御回路 t1,t2,t3:
赤外線温度センサー U,V,W:交流電圧 U11,V11,W1
1:電源接続端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02K 44/00 H02K 44/00 (72)発明者 安 斉 栄 尚 室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式会社室 蘭製鐵所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】x方向に延びy方向に分布する複数個のス
    ロットを有する電磁石コアおよびスロットに装着された
    複数個の電気コイルを有する第1リニアモ−タ;x方向
    に延びy方向に分布する複数個のスロットを有する電磁
    石コアおよびスロットに装着された複数個の電気コイル
    を有し、被駆動導電体を間に置いて第1リニアモ−タに
    対向する第2リニアモ−タ;および、 スロットの配列方向yに沿う第1推力を被駆動導電体に
    与える位相差がある交流電圧を、第1リニアモ−タの電
    気コイルに印加し、第2リニアモ−タの電気コイルに
    は、第1リニアモ−タの電気コイルに対して被駆動導電
    体の回転中心を対称点として点対称に位置する電気コイ
    ルに第1リニアモ−タの電気コイルに印加する交流電圧
    に対して実質上180°の位相ずれがある交流電圧を印
    加する通電手段;を備える導電体の回転駆動装置。
  2. 【請求項2】被駆動導電体は、鋳型内の溶融金属である
    請求項1記載の導電体の回転駆動装置。
  3. 【請求項3】鋳型は、y方向に分布する複数個である請
    求項2記載の導電体の回転駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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