JPH08107200A - プレーナ型トライアックおよびその製造方法 - Google Patents

プレーナ型トライアックおよびその製造方法

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JPH08107200A
JPH08107200A JP24142294A JP24142294A JPH08107200A JP H08107200 A JPH08107200 A JP H08107200A JP 24142294 A JP24142294 A JP 24142294A JP 24142294 A JP24142294 A JP 24142294A JP H08107200 A JPH08107200 A JP H08107200A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 順耐圧を犠牲にすることなくトリガ感度を高
める。 【構成】 N型の半導体基板の上主面部分に選択的に形
成されたP2層3の露出面部分には、T1電極31に接続
されるN2層5とゲート電極に接続されるN4層6とが選
択的に形成されている。互いに近接するN1層2とN4層
6とに挟まれたP2層3の領域P2aに隣接するように、
P3層41がN1層2の露出面部分に選択的に形成されて
いる。正の遮断状態のときに半導体基板に現れる空乏層
S1は、P2層3とP3層41の相対する境界付近におい
て、それらの内部には侵入し難い。すなわち、P3層4
1のために領域P2aへの空乏層S1の侵入が抑制され
る。このため、領域P2aの幅D3を狭く設定することに
よって、順耐圧を劣化させることなく、トリガ電流の経
路抵抗を高め、トリガ感度を改善することが可能であ
る。 【効果】 順耐圧を犠牲にすることなくトリガ感度を高
めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プレーナ型トライア
ックおよびその製造方法に関し、特にトリガ感度と耐圧
とを両立的に向上させるための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】トライアック(双方向3端子サイリス
タ)は、2個の逆阻止3端子サイリスタを逆並列に接続
したのと等価な構造を有し、ゲート電流に応答して交流
電流の開閉を行い得る複合型サイリスタの一種である。
中でもプレーナ型のトライアックは、プレーナ型の他の
半導体装置と同様に、製造工程においてPN接合部が常
に良質の酸化膜で保護されるため製品の品質が保証され
る、リソグラフィ技術の導入によって微細加工が可能で
あるなどの利点があり、現在ではトライアックの主流と
なっている。
【0003】従来のプレーナ型トライアックの構造を図
10〜図12に示す。これらの中で、図10は、トライ
アックを構成する半導体基板の上主面に沿った構造を規
定する拡散パターンの形状を示す平面図である。また、
図11は、図10におけるA−A切断線に沿った断面図
である。さらに、図12は、トライアックの上面に形成
される各種電極と半導体基板の間の接続のためのコンタ
クトホールの形状を示す平面図である。
【0004】図10および図11に示すように、このト
ライアックでは、シリコン半導体基板の下主面にP1
1が形成されており、他方の上主面には、N型の半導体
層であるN1層(第1半導体層)2が選択的に露出して
いる。さらにN1層2の上面中央部にP型の半導体層で
あるP2層3(第2半導体層)が選択的に形成されると
ともに、N型の半導体層であるN5層(「チャネルスト
ッパ」と称される)4が、P2層3の上面においてP2
3の周囲を囲むようにリング状に形成されている。そし
て、P2層3の上面には互いに分離された2つのN型半
導体層であるN2層(第3半導体層)5とN4層(第4半
導体層)6とが選択的に形成されている。
【0005】また、半導体基板の下主面すなわちP1
1の下面には、N型の半導体層であるN3層7が、N1
2とは分離して選択的に形成されている。さらに、N1
層2の周辺、すなわち半導体基板の外周端縁部分にはP
4層(「チップ分離層」と称される)8が形成されてい
る。
【0006】これらの各半導体層は、各種の拡散パター
ンを用いて、N型またはP型の不純物を半導体基板の上
主面および下主面に選択的に拡散することによって形成
される。図10には、半導体基板の上主面部分に選択的
に形成されている各半導体層を形成するのに用いられる
拡散パターン11、12、13、14、および15が図
示されている。
【0007】これらの各半導体層を形成するには、まず
N型の半導体基板が準備される。その後、拡散パターン
11を用いて半導体基板の上主面にP型不純物を選択的
に拡散するとともに、同様の拡散パターン(図示を略す
る)を用いて、下主面にもP型不純物を選択的に拡散す
ることによって、半導体基板の外周端縁に沿った領域に
4層8を選択的に形成する。つぎに、半導体基板の下
主面にP型の不純物を拡散させることによってP1層1
が形成される。その結果、N1層2が半導体基板の上主
面に選択的に露出する。
【0008】P1層1の形成と同時、あるいはその後
に、P2層3が形成される。P2層3は、拡散パターン1
2を用いて、半導体基板の上主面にP型不純物を選択的
に拡散することによって形成される。つぎに、N5
4、N2層5、N4層6、およびN3層7が形成される。
5層4、N2層5、およびN4層6は、拡散パターン1
3、14、15をそれぞれ用いて、N型不純物を選択拡
散することによって形成される。
【0009】これらの拡散パターン11〜15は、半導
体基板の上主面に形成されたSi0 2膜(シリコン酸化
膜)17を、周知のリソグラフィ技術を用いて選択的に
開口することによって形成される。各半導体層2〜6の
平面形状すなわち半導体基板の上主面に沿った形状は、
これらの拡散パターン11〜15の形状によって規定さ
れる。すなわち、各半導体層2〜6の平面形状は、各拡
散パターン11〜15の形状から拡散距離に相当する分
だけ膨らんだ形状となる。
【0010】また、Si02膜17に同要領で選択的に
開口部を設けることによって、図12に点線で示すコン
タクトホール21、22、23、24が形成されてい
る。図11に示すように、各種の電極が、これらのコン
タクトホール21〜24を通じて所定の半導体層とコン
タクト(接触)している。すなわち、コンタクトホール
21を通じて、主電極の一つであるT1電極31がP2
3の上面とN2層5の上面とに選択的にコンタクトして
いる。また。コンタクトホール22を通じて、ゲート電
極32がP2層3の上面とN4層6の上面とに選択的にコ
ンタクトしている。
【0011】さらに、コンタクトホール23を通じて、
環状のリング電極33がN5層4の上面に沿ってコンタ
クトしており、コンタクトホール24を通じて、同じく
環状のリング電極34がP4層8の上面に沿ってコンタ
クトしている。また、半導体基板の下主面全体にわたっ
て、もう一つの主電極であるT2電極35が形成されて
いる。このT2電極35は、P1層1の下面とN3層7の
下面との双方にコンタクトしている。
【0012】図11および図12に示すように、T1
極31とP2層3との接触部とゲート電極32とP2層3
との接触部とは、互いにN2層5およびN4層6を間に挟
んでこれらの外側に位置するように形成される。このこ
とによって、小さなゲート電流によってトライアックが
安定的に点弧することを可能にしている。さらに、N4
層6はゲート電極32との接触部から半導体基板の上主
面に沿って半島状に伸びるように形成されている。この
ことは、ゲート電流の経路を長くすることによって経路
の抵抗を高め、その結果トライアックのトリガ感度の向
上をもたらしている。
【0013】また、P4層8は、P1層1とN1層2との
間のPN接合を、半導体基板の側面に露出させないため
に設けられている。さらに、N5層4およびリング電極
33は、遮断時におけるN1層2の上面での空乏層の電
界を緩和させて、耐圧を向上させる目的で設けられてい
る。
【0014】このトライアックでは、P1層1、N1
2、P2層3、およびN2層5とによって、これらの層を
順にPエミッタ層、Nベース層、Pベース層、およびN
エミッタ層とする第1サイリスタT1が構成され、同時
に、P2層3、N1層2、P1層1、およびN3層7とによ
って、これらの層を順にPエミッタ層、Nベース層、P
ベース層、およびNエミッタ層とする第2サイリスタT
2が構成されている。これらの2つのサイリスタT1,T
2は、互いに各半導体層の一部を共有することによっ
て、等価的に逆並列接続されている。
【0015】このトライアックの動作には、T1電極3
1の電位を基準としたT2電極35およびゲート電極3
2の電位の正負によって、4通りの動作モードが存在す
る。
【0016】第1の動作モードは、T2電極35とゲー
ト電極32の電位がともに正である場合の動作である。
この動作モードでは、ゲート電極32からT1電極31
へとゲート電流が流れ、このゲート電流によって第1サ
イリスタT1が導通する。
【0017】第2の動作モードは、T2電極35の電位
が正であって、ゲート電極32の電位が負である場合の
動作である。この動作モードでは、T1電極31からゲ
ート電極32へとゲート電流が流れ、このゲート電流に
よって第1サイリスタT1が導通する。
【0018】第3の動作モードは、T2電極35とゲー
ト電極32の電位がともに負である場合の動作である。
この動作モードでは、T1電極31からゲート電極32
へとゲート電流が流れ、このゲート電流によって第2サ
イリスタT2が導通する。
【0019】第4の動作モードは、T2電極35の電位
が負であって、ゲート電極32の電位が正である場合の
動作である。この動作モードでは、ゲート電極32から
1電極31へとゲート電流が流れ、このゲート電流に
よって第2サイリスタT2が導通する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、トライアッ
クでは、できるだけ小さなゲート電流で導通が実現する
こと、すなわちトリガ感度が高いことが望ましく、トリ
ガ感度を高めることはトライアックにおける技術的目標
の一つとなっている。
【0021】トリガ感度を向上させるには、一般にゲー
ト電流の経路の電気抵抗(以下に「経路抵抗」と称す
る)を高めることが有効な手だてとなる。図13の平面
図および図14の断面図には、第1および第4の動作モ
ード、すなわちゲート電極32の電位が正であるときの
ゲート電流の経路が矢印で示されている。また、図15
の平面図および図16の断面図には、第2および第3の
動作モード、すなわちゲート電極32の電位が負である
ときのゲート電流の経路が矢印で示されている。
【0022】これらのいずれの動作モードにおいても、
ゲート電流の主要部は、ゲート電極32からN4層6の
下方に位置するP2層3の部分、すなわち抵抗成分R1
通過する電流成分I1、N2層5とN4層6とに挟まれた
2層3の部分、すなわち抵抗成分R2を通過する電流成
分I2、および、N4層6の周縁部とこれに近接するN1
層2の周縁部とに挟まれたP2層3の細長状の領域P2a
(第1領域)、すなわち抵抗成分R3を通過する電流成
分I3で構成される。
【0023】これらの抵抗成分R1〜R3の値を高めるこ
とによって、トライアックのトリガ感度は高まる。それ
は第1に、P2層3に導入される不純物濃度を低くする
ことによって可能である。また第2に、各抵抗成分R1
〜R3を規定する各電流成分I 1〜I3の経路の幅、すな
わちN4層6の底面からP2層3の底面までのP2層3の
幅D1(図14)、N2層5とN4層6の間の幅D2(図1
3、図14)、および領域P2aの幅D3(図13)を小
さくすることによって可能である。しかしながら、これ
らのいずれの方法においても、以下に述べる理由によっ
て、トリガ感度を向上させる上で限界があった。
【0024】ゲート電極32の電位をゼロ電位(すなわ
ちT1電極31と等電位)にすると、T2電極35の電位
が正、負のいずれであってもトライアックは遮断状態と
なる。このとき、T1電極31とT2電極35の間に印加
し得る電圧の大きさには限界があって、T2電極35の
電位が正または負であるときの限界値は、それぞれ順耐
圧、逆耐圧と称される。
【0025】図17および図18に示すように、T2
極35の電位が正であるときの遮断状態(正の遮断状
態)では、N1層2とP2層3の接合面J1に逆バイアス
電圧が印加される結果、この接合面J1に沿って空乏層
1が形成される。同様に、T2電極35の電位が負であ
るときの遮断状態(負の遮断状態)では、P1層1(お
よびP4層8)とN1層2の接合面J2に逆バイアス電圧
が印加される結果、この接合面J2に沿って空乏層S2
形成される。T1電極31とT2電極35の間に印加され
る電圧が高いほど、これらの空乏層S1、S2の厚みは増
大する。すなわち、各接合面J1、J2に隣接する半導体
層の内部へと深く侵入する。
【0026】このため、領域P2aの幅D3が十分でない
と、正の遮断状態の際に、半導体基板の上主面において
空乏層S1の端縁がN4層6にまで達し、いわゆるパンチ
スルーを引き起こす。このときの印加電圧によって順耐
圧が決定される。このため、順耐圧を十分に高くするた
めには、領域P2aの幅D3を十分に確保する必要があ
る。また、P2層3の不純物濃度が低い場合にも、空乏
層S1はP2層3の内部へ侵入し易く、パンチスルーが生
じ易くなる。
【0027】すなわち、上述した第1の方法では、P2
層3の不純物濃度を低めることによってトリガ感度は向
上しても、順耐圧は劣化するという問題点がある。加え
て、トライアックとしての動作を保証する上で、P2
3の不純物濃度にはある下限が存在する。また、第2の
方法では、幅D3を狭くすると順耐圧の劣化をもたら
す。逆に、幅D3を広く維持したままで、幅D1および幅
2のみを狭くしたのでは、抵抗成分R3によって規定さ
れる上限以上に経路抵抗を高めることはできない。
【0028】このように、従来のトライアックでは、順
耐圧を犠牲にすることなくトリガ感度をある限度以上に
は高めることができないという問題点があった。
【0029】この発明は、従来のトライアックにおける
上記した問題点を解消するためになされたもので、順耐
圧を犠牲にすることなくトリガ感度をさらに高めること
ができるトライアックおよびその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】第1の発明にかかるプレ
ーナ型トライアックは、半導体基板の主面に選択的に露
出する第1半導体層の露出面部分に、ゲート電極と主電
極の双方に接続される第2半導体層が前記第1半導体層
とは導電形式を異ならせて選択的に形成され、当該第2
半導体層の露出面部分に、前記主電極に接続される第3
半導体層と前記ゲート電極に接続される第4半導体層と
が前記第1半導体層と導電形式を同一にして選択的に形
成されたプレーナ型トライアックにおいて、前記主面上
において互いに近接する前記第4半導体層の周縁部と前
記第1半導体層の周縁部とに挟まれた前記第2半導体層
の第1領域に、隣接ないし近接するように当該第2半導
体層と同一導電形式の第5半導体層が、前記第1半導体
層の露出面部分に選択的に形成されていることを特徴と
する。
【0031】第2の発明にかかるプレーナ型トライアッ
クは、第1の発明において、前記主面上における前記第
1領域と前記第5半導体層とが、略20μmの離間幅を
超えて離れず、しかも、略30μmの重複幅を超えて重
複しないことを特徴とする。
【0032】第3の発明にかかるプレーナ型トライアッ
クは、第1の発明において、前記第2半導体層と前記第
5半導体層における不純物濃度が互いに略同等であるこ
とを特徴とする。
【0033】第4の発明にかかるプレーナ型トライアッ
クは、第1の発明において、前記主面上において前記第
1領域によって隔てられる前記第4半導体層と前記第1
半導体層の間隔が、略60μm以下であることを特徴と
する。
【0034】第5の発明にかかるプレーナ型トライアッ
クは、第4の発明において、前記間隔が、略20μmで
あることを特徴とする。
【0035】第6の発明にかかるプレーナ型トライアッ
クは、第1の発明において、前記主面上において、前記
第4半導体層と前記第1半導体層とに挟まれ、かつ前記
第3半導体層側に位置する前記第2半導体層の第2領域
の幅を略60μm以上としたことを特徴とする。
【0036】第7の発明にかかるプレーナ型トライアッ
クは、半導体基板の主面に選択的に露出する第1半導体
層の露出面部分に、ゲート電極と主電極の双方に接続さ
れる第2半導体層が前記第1半導体層とは導電形式を異
ならせて選択的に形成され、当該第2半導体層の露出面
部分に、前記主電極に接続される第3半導体層と前記ゲ
ート電極に接続される第4半導体層とが前記第1半導体
層と導電形式を同一にして選択的に形成されたプレーナ
型トライアックにおいて、前記主面上において互いに近
接する前記第4半導体層の周縁部と前記第1半導体層の
周縁部との間に挟まれた前記第2半導体層から成る領域
を、前記第4半導体層側の第1部分領域と前記第1半導
体層側の第2部分領域とに分離する第5半導体層が、前
記周縁部に沿って前記領域に選択的に露出するように、
前記第4半導体層と同一導電形式で前記第2半導体層の
露出面部分に選択的に形成されていることを特徴とす
る。
【0037】第8の発明にかかるプレーナ型トライアッ
クは、第7の発明において、前記主面上において、前記
第1部分領域で隔てられた前記第4半導体層と前記第5
半導体層の間隔が略15μm以下であることを特徴とす
る。
【0038】第9の発明にかかるプレーナ型トライアッ
クの製造方法は、第1の発明のプレーナ型トライアック
を製造する方法であって、第1拡散パターンを用いて不
純物を選択拡散することによって前記第2半導体層を形
成し、第2拡散パターンを用いて前記不純物を選択拡散
することによって前記第5半導体層を形成し、しかも、
前記第1拡散パターンと前記第2拡散パターンの間の間
隔が略80μm〜略100μmの範囲内に設定されるこ
とを特徴とする。
【0039】第10の発明にかかるプレーナ型トライア
ックの製造方法は、第9の発明において、前記第1およ
び第2拡散パターンを同一マスクパターンから同時に転
写することによって形成し、これらの第1および第2拡
散パターンを同時に用いて前記不純物を選択拡散するこ
とによって、前記第2および第5半導体層を同時に形成
することを特徴とする。
【0040】第11の発明にかかるプレーナ型トライア
ックの製造方法は、第1の発明のプレーナ型トライアッ
クを製造する方法であって、第1拡散パターンを用いて
第1不純物を選択拡散することによって前記第2半導体
層を形成し、第2拡散パターンを用いて第2不純物を選
択拡散することによって前記第4半導体層を形成し、し
かも、前記第1領域を形成する前記第1拡散パターンの
部分と前記第2拡散パターンの部分の間隔が略40μm
以下に設定されることを特徴とする。
【0041】第12の発明にかかるプレーナ型トライア
ックの製造方法は、第11の発明において、前記間隔が
略0μmに設定されることを特徴とする。
【0042】第13の発明にかかるプレーナ型トライア
ックの製造方法は、半導体基板の主面に選択的に露出す
る第1半導体層の露出面部分に、ゲート電極と主電極の
双方に接続される第2半導体層が前記第1半導体層とは
導電形式を異ならせて選択的に形成され、当該第2半導
体層の露出面部分に、前記主電極に接続される第3半導
体層と前記ゲート電極に接続される第4半導体層とが前
記第1半導体層と導電形式を同一にして選択的に形成さ
れ、さらに、前記主面上において互いに近接する前記第
4半導体層の周縁部と前記第1半導体層の周縁部とに挟
まれた前記第2半導体層の第1領域に、隣接ないし近接
するように当該第2半導体層と同一導電形式の第5半導
体層が、前記第1半導体層の露出面部分に選択的に形成
されているプレーナ型トライアックを製造する方法であ
って、第1拡散パターンを用いて不純物を選択拡散する
ことによって前記第2半導体層を形成し、第2拡散パタ
ーンを用いて前記不純物を選択拡散することによって前
記第4半導体層を形成し、しかも、前記主面上において
前記第4半導体層と前記第1半導体層とに挟まれかつ前
記第3半導体層側に位置する前記第2半導体層の第2領
域を形成する前記第1拡散パターンの部分と前記第2拡
散パターンの部分の間隔が、略40μm以上に設定され
ることを特徴とする。
【0043】第14の発明にかかるプレーナ型トライア
ックの製造方法は、第7の発明のプレーナ型トライアッ
クを製造する方法であって、前記第3、第4、および第
5半導体層を形成するためにそれぞれ用いられる第1、
第2、および第3拡散パターンを、同一マスクパターン
から同時に転写することによって形成し、これらの第
1、第2、および第3拡散パターンを同時に用いて前記
不純物を選択拡散することによって、前記第3、第4、
および第5半導体層を同時に形成することを特徴とす
る。
【0044】
【作用】第1の発明のプレーナ型トライアックでは、第
5半導体層が設けられるので、正の遮断状態のときに半
導体基板に現れる空乏層は、第1半導体層と第2半導体
層の接合面だけでなく第1半導体層と第5半導体層の接
合面にも沿うように形成される。このとき、第5半導体
層は第1領域に隣接ないし近接して設けられるので、こ
の空乏層は第1領域と第5半導体層の相対する境界付近
において、それらの内部へは侵入しにくくなる。すなわ
ち、空乏層の第1領域への侵入が抑えられる。このた
め、第1領域で隔てられる第4半導体層と第1半導体層
の間隔を変えたときの順耐圧への影響が解消ないし緩和
される。
【0045】第2の発明のプレーナ型トライアックで
は、第1領域と第5半導体層との間の位置関係が最適化
されているので、正の遮断状態の際に空乏層は第1領域
からは効果的に排除され、第1領域には殆ど侵入しな
い。その結果、第1領域で隔てられる第4半導体層と第
1半導体層の間隔を変えても、順耐圧への影響は現れな
い。
【0046】第3の発明のプレーナ型トライアックで
は、第2半導体層と第5半導体層における不純物濃度が
略同等であるので、第1領域における抵抗成分の大きさ
の調整が容易である。
【0047】第4の発明のプレーナ型トライアックで
は、主面上において第1領域によって隔てられる第4半
導体層と第1半導体層の間隔が、略60μm以下に設定
されているので、順耐圧を維持する必要上従来装置では
実現し得なかった高いトリガ感度が、順耐圧を劣化させ
ることなく実現する。
【0048】第5の発明のプレーナ型トライアックで
は、主面上において第1領域によって隔てられる第4半
導体層と第1半導体層の間隔が、略20μmに設定され
ているので、不純物の選択拡散によって第4半導体層と
第2半導体層を形成するために使用される拡散パターン
の形成が容易である範囲で、最も高いトリガ感度が実現
する。
【0049】第6の発明のプレーナ型トライアックで
は、主面上において第2領域によって隔てられる第4半
導体層と第1半導体層の間隔が、略60μm以上の範囲
であるために、高いトリガ感度が得られるとともに、ゲ
ートトリガ電圧についても低い値が得られる。しかも、
間隔がこの範囲であるときには、ゲートトリガ電流、ゲ
ートトリガ電圧ともに殆ど一定値となる。このため、間
隔をこの範囲に設定すれば、製造工程におけるプロセス
誤差によって、この間隔に変動があっても、その影響は
製品の特性には余り現れない。
【0050】第7の発明のプレーナ型トライアックで
は、正の遮断状態のときに半導体基板に現れる空乏層
は、第1半導体層と第2半導体層の接合面に沿うように
形成される。このとき、第2半導体層の領域内に第5半
導体層が設けられているので、印加電圧を高めても、空
乏層は第5半導体層によって阻止され、第1部分領域へ
は侵入しない。このため、第1部分領域の幅を狭く設定
しても、順耐圧の劣化を引き起こさない。また、第2半
導体層の領域におけるゲート電流の経路抵抗は、第2部
分領域よりも主電極に近い第1部分領域の経路抵抗によ
って主として決定される。
【0051】第8の発明のプレーナ型トライアックで
は、第1部分領域で隔てられた前記第4半導体層と前記
第5半導体層の間隔が略15μm以下であるので、ゲー
ト電流の経路抵抗は最も高くなる。
【0052】第9の発明の製造方法では、第1領域と第
5半導体層との間の位置関係を決定する第1および第2
拡散パターンの間の間隔が略80μm〜略100μmの
範囲内に設定されているので、互いの位置関係が最適と
なるように第1領域と第5半導体層とが形成される。こ
のため、正の遮断状態の際に空乏層は第1領域からは効
果的に排除され、第1領域には殆ど侵入しない。その結
果、第1領域で隔てられる第4半導体層と第1半導体層
の間隔を変えても、順耐圧への影響は現れない。
【0053】第10の発明の製造方法では、第1および
第2拡散パターンを同一マスクパターンから同時に転写
することによって形成し、これらの拡散パターンを同時
に用いて不純物を選択拡散することによって、第2およ
び第5半導体層を同時に形成するので、2つの拡散パタ
ーンの間の位置合わせが不要である。しかも、第2半導
体層と第5半導体層における不純物濃度が必然的に略同
等となる。
【0054】第11の発明の製造方法では、第1領域を
決定する第1拡散パターンの部分と第2拡散パターンの
部分との間の間隔が略40μm以下に設定されるので、
主面上において第1領域によって隔てられる第4半導体
層と第1半導体層の間隔が、略60μm以下となる。
【0055】第12の発明の製造方法では、第1領域を
決定する第1拡散パターンの部分と第2拡散パターンの
部分との間の間隔が略0μmに設定されるので、これら
の拡散パターンの形成が容易である範囲で、主面上にお
いて第1領域によって隔てられる第4半導体層と第1半
導体層の間隔は最も狭くなる。
【0056】第13の発明の製造方法では、第2領域を
決定する第1拡散パターンの部分と第2拡散パターンの
部分との間の間隔が略40μm以上に設定されるので、
主面上において第2領域によって隔てられる第4半導体
層と第1半導体層の間隔が、略60μm以上となる。
【0057】第14の発明の製造方法では、第1〜第3
拡散パターンを同一マスクパターンから同時に転写する
ことによって形成し、これらの拡散パターンを同時に用
いて不純物を選択拡散することによって、第3〜第5半
導体層を同時に形成するので、3つの拡散パターンの間
の位置合わせが不要である。しかも、第3〜第5半導体
層の深さが必然的に略同等となる。
【0058】
【実施例】
<第1実施例>はじめに、第1実施例のプレーナ型トラ
イアックについて説明する。
【0059】<1-1.装置の構成と動作>この実施例のト
ライアックの構造を図1および図2に示す。これらの中
で、図1は、トライアックを構成する半導体基板の上主
面に沿った構造を規定する拡散パターンの形状と、トラ
イアックの上面に形成される各種電極と半導体基板との
間を接続するためのコンタクトホールの形状とを示す平
面図である。また、図2は、図1におけるB−B切断線
に沿った断面図である。なお以下の図において、図10
〜図18に示した従来装置を構成する各部と同一部分ま
たは同一機能を果たす部分には同一符号を付して、その
詳細な説明を略する。
【0060】この実施例は、定格耐圧が720V級のト
ライアックに好適である。図1および図2に示すよう
に、このトライアックでは、N1層2の上面にP型の半
導体層であるP3層(第5半導体層)41が選択的に形
成されている点が、図10〜図12に示した従来装置と
は特徴的に異なっている。このP3層41は、N4層6の
周縁部とこれに近接するN1層2の周縁部とに挟まれた
2層3の細長状の領域である領域P2aに沿って、しか
も、この領域P2aに隣接ないし近接するように形成され
ている。
【0061】このP3層41は、他の半導体層と同様に
拡散パターンを用いて、P型の不純物を半導体基板の上
主面に選択的に拡散することによって形成される。図1
には、P3層41を形成するために用いられる拡散パタ
ーン42の輪郭形状が図示されている。
【0062】図3に、このトライアックの図1における
C−C切断線に沿った断面構造を拡大して示す。P2
3を形成するための拡散パターン12とP3層41を形
成するための拡散パターン42の間の間隔は、好ましく
は80μm〜100μm程度に設定される。このとき、
半導体基板の上主面におけるP2層3の周縁部とP3層4
1の周縁部の間の間隔は約20μm以内となる。また、
2層3とP3層41とはある程度までは重複してもよ
く、2つの拡散パターンの間隔を上記の範囲に設定する
と、半導体基板の上主面における重複部分の幅は、約3
0μm以内に納まる。P2層3とP3層41の位置関係が
この範囲にあるとき、後述する空乏層S1の排除効果が
最も有効に現れる。なお図3には、間隔がゼロであって
重複もない場合が示されている。
【0063】好ましくは、これらの2つの拡散パターン
12、42は同一マスクパターンから同時に転写され、
これらの拡散パターン12、42を同時に用いてP型の
不純物を選択拡散することによって、P2層3とP3層4
1とは同時に形成される。そうすることによって、2つ
の拡散パターンの間の位置合わせが不要となるので、P
2層3とP3層41との間の最適な間隔が容易に実現す
る。
【0064】拡散によって形成されるP2層3、および
3層41の深さは、好ましくは50μm〜60μm程
度である。また、P2層3とP3層41におけるP型不純
物濃度は互いに同等であるのが望ましい。そうすること
によって、領域P2aの抵抗成分R3の調整が容易とな
る。拡散パターン12と拡散パターン42とが同時に転
写され、かつそれらを同時に用いて不純物の選択拡散が
行われるときには、P2層3とP3層41におけるP型不
純物濃度は必然的に互いに同等となる。
【0065】P2層3およびP3層41の半導体基板上面
における濃度(表面濃度)は、好ましくは8×1016
6×1017atom/cm3程度である。また、不純物濃度に
おける各半導体層の間の好ましい相対関係はつぎの通り
である。すなわち、N2層5、N4層6、およびN3層7
の3つの層は互いに同等であって、しかもP2層3およ
びP3層41よりは濃度が高いのが望ましい。また、N1
層2はP2層3およびP3層41よりも濃度が低いのが望
ましい。
【0066】この実施例のトライアックでは、P3層4
1が設けられために、正の遮断状態のときに半導体基板
の内部に現れる空乏層S1は、図3に示すように、P2
3とN1層2の接合面およびP3層41とN1層2の接合
面に沿うように形成される。このとき、P2層3とP3
41とは互いに隣接ないし近接しているので、空乏層S
1は、P3層41とP2層3の相対する境界付近におい
て、それらの内部へは侵入し難くなり、半導体基板の上
主面にはP2層3側からみて反対側のP3層41の周縁部
において出現する。すなわち、領域P2aへの空乏層S1
の侵入は抑制される。
【0067】領域P2a層への空乏層S1の侵入が抑えら
れるので、所定の順耐圧を保ったままで、領域P2aの幅
3を狭く設定することが可能となる。幅D3を狭くする
ことによって、抵抗成分R3が高められる。その結果、
順耐圧を劣化させることなく、従来の装置における限界
を超える高いトリガ感度が実現する。
【0068】特に、P2層3とP3層41との間の位置関
係を上述した最適な範囲に設定すると、領域P2aへの空
乏層S1の侵入が殆ど阻止される。このとき、領域P2a
の幅D3は、順耐圧を劣化させることなく、どこまでも
狭く設定することが可能であり、きわめて高い抵抗成分
3の値が得られる。すなわち、順耐圧を維持したまま
トリガ感度をさらに高めることができる。
【0069】<1-2.実証データ>図4は、この実施例の
トライアックの特性を実証するために行われた試験の結
果を示すグラフである。縦軸は、トライアックを導通さ
せるのに必要なゲート電流の大きさ、すなわちゲートト
リガ電流IGT、および順耐圧VDRMを表し、横軸は領域
2aの幅D3を表している。幅D3は、P2層3を形成す
るのに用いられる拡散パターン12とN4層6を形成す
るのに用いられる拡散パターン15との間隔すなわち拡
散パターン寸法と、P2層3の周縁部とN4層6の周縁部
との間隔すなわち実寸法の双方で表示されている。
【0070】実証実験では、拡散パターン寸法を直接の
設定対象としている。これに対して実寸法は、P2層3
の深さを55μm、N4層6の深さを35μmとしたと
きの推定値であり、概略±数μm程度の誤差が有り得
る。
【0071】順耐圧VDRM対幅D3の関係を示す2本の折
れ線(点線で表示)の中で、折れ線LはP3層41が設
けられないトライアック、すなわち従来の装置に関する
ものであり、他方の折れ線HはP3層41が設けられた
この実施例のトライアックに関するものである。ゲート
トリガ電流IGT対幅D3の関係を示す4本の折れ線(実
線で表示)に付記される括弧中の数字は、動作モードを
表している。これらのゲートトリガ電流IGT対幅D3
関係は、この実施例のトライアックに関して得られたも
のであるが、従来のトライアックに関しても同等の結果
が得られるものと推定される。
【0072】図4においてゲートトリガ電流IGT対幅D
3の各折れ線が示すように、第1〜第4のいずれの動作
モードにおいても、幅D3を狭く設定するほど、ゲート
トリガ電流IGTは減少する。すなわち、幅D3が狭いほ
どトリガ感度は向上する。実証された範囲では、拡散パ
ターン寸法はゼロに設定するのが最も好ましい。このと
き最大のトリガ感度が得られる。これに対応する実寸法
は、概略20μm前後である。 図4には示されない
が、N4層6の拡散パターン15をP2層3の拡散パター
ン12の外側に配置すること、すなわち拡散パターン寸
法をいわば負の値に設定することによって、実寸法をさ
らに低減することも可能である。実寸法がゼロに至るま
で、ゲートトリガ電流IGTは減少するものと推定され
る。ただし、製造工程の容易化の観点からは、拡散パタ
ーン寸法はゼロまたは正に設定するのが望ましい。
【0073】一方、順耐圧VDRM対幅D3の折れ線Lが示
すように、P3層41が設けられない従来構造の装置で
は、幅D3の減少にともなって順耐圧VDRMが低下してい
る。これに対して、折れ線Hが示すように、P3層41
を備えたこの実施例の装置では、幅D3を狭くしても順
耐圧VDRMには影響が全く見られない。すなわち、図4
に示す実証試験の結果は、順耐圧VDRMを劣化させるこ
となくトリガ感度を向上させることができるという、こ
の実施例の装置における上述した効果を実証している。
【0074】また、折れ線Hと折れ線Lとを比較すると
わかるように、幅D3が拡散パターン寸法表示で40μ
m以下であれば、実施例の装置と従来の装置の間で順耐
圧V DRMに差異が現れる。このことは、幅D3が拡散パタ
ーン寸法表示で40μm以下であれば、耐圧を維持した
ままで、従来装置が到達し得ないトリガ感度を実現し得
ることを意味する。幅D3に対するこの範囲は、実寸法
表示では概略60μm以下に相当する。
【0075】<第2実施例>つぎに第2実施例のプレー
ナ型トライアックの構造を図5〜図7に示す。これらの
中で、図5は、トライアックを構成する半導体基板の上
主面に沿った構造を規定する拡散パターンの形状と、ト
ライアックの上面に形成される各種電極と半導体基板と
の間を接続するためのコンタクトホールの形状とを示す
平面図である。また、図2は、図1におけるE−E切断
線に沿った断面図である。さらに、図7は、図1におけ
るF−F切断線に沿った拡大断面図である。なお、この
実施例も、定格耐圧が720V級のトライアックに好適
である。
【0076】図5〜図7に示すように、このトライアッ
クでは、P2層3の上面にN型の半導体層であるN6
(第5半導体層)51が選択的に形成されている点が、
図10〜図12に示した従来装置とは特徴的に異なって
いる。このN6層51は、N4層6の周縁部とこれに近接
するN1層2の周縁部とに挟まれたP2層3の領域内に、
4層6の周縁部に沿うように形成されている。このN6
層51は、他の半導体層と同様に拡散パターンを用い
て、N型の不純物を半導体基板の上主面に選択的に拡散
することによって形成される。図5には、N6層51を
形成するために用いられる拡散パターン52の輪郭形状
が図示されている。
【0077】製造工程を簡略化するために、好ましくは
5層4、N2層5、およびN4層6とともにN6層51
も、同一マスクパターンから同時に転写された拡散パタ
ーンを用いて、N型の不純物を同時に選択拡散すること
によって形成される。そうすることによって、それらの
間のマスク合わせが不要となり、しかも、互いに同等の
深さのものを容易に形成し得るという製造工程上の利点
が得られる。各半導体層における好ましい深さ、および
不純物濃度については第1実施例の装置と同様である。
特に、N6層51に関しては、N4層6等と同一濃度、同
一深さで形成されるのが望ましい。
【0078】この実施例のトライアックでは、正の遮断
状態のときに半導体基板の内部に現れる空乏層S1は、
図7に示すように、P2層3とN1層2の接合面に沿うよ
うに形成される。その結果、空乏層S1は、N4層6とN
6層51とに挟まれたP2層3の細長状の領域P2b(第1
部分領域)には侵入し得ず、N6層51の周縁部とこれ
に近接するN1層2の周縁部とに挟まれたP2層3の細長
状の領域である領域P2d(第2部分領域)へ侵入する。
【0079】正の遮断状態において、印加電圧を高める
と空乏層S1はP2層3の内部へと侵入するが、領域P2d
へ侵入した空乏層S1は、N6層51によって阻止される
ために、領域P2bへは侵入しない。したがって、領域P
2bの幅D4はいくら狭く設定しても順耐圧の劣化をもた
らさない。
【0080】N6層51は、従来装置における領域P2a
(図13)をあたかも2つの領域P2b、P2dに分離する
ように機能する。このため、N4層6とP2層3の周縁部
との間を通過するゲート電流の成分(従来装置における
電流成分I3に相当する)は、主として領域P2bを流
れ、領域P2dは殆ど流れない。このため、領域P2bの幅
D4を狭く設定することによって、この電流成分に対す
る電気抵抗(従来装置における抵抗成分R3に相当す
る)を高めることが可能である。しかも、上述したよう
に領域P2bを狭くしても順耐圧の劣化を引き起こさな
い。
【0081】このように、この実施例の装置では、N6
層51が設けられるために、順耐圧を維持したままで、
従来装置における限度を超えてトリガ感度を高めること
が可能である。幅D4は小さいほど高いトリガ感度が得
られる。したがって、幅D4は略0μm、例えば15μ
m以内に設定するのが好ましい。
【0082】領域P2dは、ゲート電流に対する電気抵抗
に殆ど寄与しないので、領域P2dの幅D6は空乏層S1
侵入する時の耐圧のみを考慮して決定すればよい。ま
た、製造工程において、N6層51を形成するための拡
散パターン52とP2層3を形成するための拡散パター
ン12との間の位置関係に多少の誤差を生じても、それ
が順耐圧の劣化に敏感に影響することがないという利点
がある。すなわち、この実施例のトライアックは、耐圧
のコントロールが容易であるという優れた利点をもって
いる。
【0083】<第3実施例>つぎに第3実施例のプレー
ナ型トライアックの構造を図8に示す。図8は、トライ
アックを構成する半導体基板の上主面に沿った構造を規
定する拡散パターンの形状を示す平面図である。トライ
アックの上面に形成される各種電極と半導体基板との間
を接続するためのコンタクトホールの形状は、図1に示
される第1実施例の装置と同様である。なお、この実施
例も、定格耐圧が720V級のトライアックに好適であ
る。
【0084】図8に示すように、このトライアックで
は、N2層5側から見てN4層6の後方に位置するP2
3の領域と前方に位置するP2層3の領域との間が、半
導体基板の上主面に露出するP2層3の領域P2c(第2
領域)で短絡されている。すなわち、P2層3における
4層6の「前方領域」と「後方領域」とが、領域P2c
を通じて半導体基板の上主面で短絡されている。この領
域P2cは、ゲート電流の経路の一部(従来装置における
電流成分I2の経路に相当する)を構成している。
【0085】上述したように、コンタクトホールの形状
は第1実施例の装置と同一であるので、領域P2cの上面
にはゲート電極32がコンタクトしている。この実施例
の装置は、所定以上の最適な幅をもった領域P2cが設け
られる点において第1実施例の装置とは特徴的に異なっ
ており、その他の点では第1実施例の装置と同一構造で
ある。
【0086】この領域P2cの幅D5を、適切に設定する
ことによって、第1実施例の装置よりもさらにゲートト
リガ電流IGTを低減し、トリガ感度を高めることが可能
である。このことを実証する試験の結果を図9に示す。
図9のグラフにおいて、縦軸は、ゲートトリガ電流
GT、およびトライアックを導通させるのに必要なゲー
ト電圧すなわちゲートトリガ電圧VGTを表し、横軸は領
域P2cの幅D5を表している。幅D5は、P2層3を形成
するのに用いられる拡散パターン12とN4層6を形成
するのに用いられる拡散パターン15との間隔すなわち
拡散パターン寸法と、P2層3の周縁部とN4層6の周縁
部との間隔すなわち実寸法の双方で表示されている。
【0087】実証実験では、拡散パターン寸法を直接の
設定対象としている。これに対して実寸法は、P2層3
の深さを55μm、N4層6の深さを35μmとしたと
きの推定値であり、概略±数μm程度の誤差が有り得
る。
【0088】ゲートトリガ電流IGT対幅D5の折れ線
(実線で表示)が示すように、ゲートトリガ電流IGT
幅D5を大きく設定するほど減少する。しかも、幅D5
ある程度大きくなると、ゲートトリガ電流IGTはほぼ一
定となる。ゲートトリガ電流IGTが平坦である幅D5
範囲は、拡散パターン寸法表示では40μm以上であ
り、実寸法表示では概略60μm以上である。
【0089】さらに、ゲートトリガ電圧VGT対幅D5
折れ線(点線で表示)が示すように、ゲートトリガ電圧
GTも幅D5を大きく設定するほど減少する。しかも、
幅D5が拡散パターン寸法表示で40μm以上、実寸法
表示で概略60μm以上では、ゲートトリガ電圧VGT
余り変化しない。
【0090】以上のように、領域P2cを設けることによ
ってトリガ感度が更に改善されるのに加えて、ゲートト
リガ電圧VGTも改善される。しかも、領域P2cを設け、
さらに幅D5を大きくしても順耐圧VDRMには何等悪影響
を与えない。また、幅D5をある程度以上に設定する
と、ゲートトリガ電流IGT、ゲートトリガ電圧VGTとも
に幅D5には余り依存せず特性が安定する。すなわち、
製造工程において拡散パターンの位置ずれが生じても、
その影響は製品の特性には余り現れず、製品の品質が均
一化するという利点がある。したがって、幅D5は拡散
パターン寸法表示で40μm以上、実寸法表示で概略6
0μm以上に設定するのが特に好ましい。
【0091】
【発明の効果】第1の発明のプレーナ型トライアックで
は、第5半導体層が第1領域に隣接ないし近接して設け
られるので、正の遮断状態のときに半導体基板に現れる
空乏層の第1領域への侵入が抑制される。このため、第
1領域で隔てられる第4半導体層と第1半導体層の間隔
を変えても、順耐圧への影響は現れないかまたは緩やか
である。したがって、この間隔を狭く設定することによ
って、少なくとも劇的な順耐圧の劣化をともなうことな
く、ゲート電流の経路抵抗を高め、トリガ感度を改善す
ることが可能である。
【0092】第2の発明のプレーナ型トライアックで
は、第1領域と第5半導体層との間の位置関係が最適化
されているので、正の遮断状態の際に空乏層は第1領域
からは効果的に排除される。その結果、第1領域で隔て
られる第4半導体層と第1半導体層の間隔を変えても、
順耐圧への影響は現れない。このため、この間隔を狭く
設定することによって、順耐圧の劣化をともなうことな
く、トリガ感度を改善することが可能である。
【0093】第3の発明のプレーナ型トライアックで
は、第2半導体層と第5半導体層における不純物濃度が
略同等であるので、第1領域における抵抗成分の大きさ
の調整が容易である。
【0094】第4の発明のプレーナ型トライアックで
は、主面上において第1領域によって隔てられる第4半
導体層と第1半導体層の間隔が、略60μm以下に設定
されているので、順耐圧を維持する必要上従来装置では
実現し得なかった高いトリガ感度が、順耐圧を劣化させ
ることなく実現する。
【0095】第5の発明のプレーナ型トライアックで
は、主面上において第1領域によって隔てられる第4半
導体層と第1半導体層の間隔が、略20μmに設定され
ているので、不純物の選択拡散によって第4半導体層と
第2半導体層を形成するために使用される拡散パターン
の形成が容易である範囲で、最も高いトリガ感度が実現
する。
【0096】第6の発明のプレーナ型トライアックで
は、主面上において第2領域によって隔てられる第4半
導体層と第1半導体層の間隔が、略60μm以上の範囲
であるために、高いトリガ感度が得られるとともに、ゲ
ートトリガ電圧についても低い値が得られる。しかも、
間隔がこの範囲であるときには、ゲートトリガ電流、ゲ
ートトリガ電圧ともに殆ど一定値となる。このため、間
隔をこの範囲に設定すれば、製造工程におけるプロセス
誤差によって、この間隔に変動があっても、その影響は
製品の特性には余り現れない。すなわち、品質の均一な
製品が得られるという効果がある。
【0097】第7の発明のプレーナ型トライアックで
は、正の遮断状態のときに半導体基板に現れる空乏層
は、第5半導体層によって阻止され、第1部分領域へは
侵入しないので、第1部分領域の幅を狭く設定しても、
順耐圧の劣化を引き起こさない。また、第2半導体層の
領域におけるゲート電流の経路抵抗は、第2部分領域よ
りも主電極に近い第1部分領域の経路抵抗によって主と
して決定される。このため、第1部分領域の幅を狭く設
定することによって、順耐圧の劣化をともなうことな
く、ゲート電流の経路抵抗を高め、トリガ感度を改善す
ることが可能である。
【0098】第8の発明のプレーナ型トライアックで
は、第1部分領域で隔てられた前記第4半導体層と前記
第5半導体層の間隔が略15μm以下であるので、ゲー
ト電流の経路抵抗は最も高くなる。このため、最も高い
トリガ感度が得られる。
【0099】第9の発明の製造方法では、第1および第
2拡散パターンの間の間隔を略80μm〜略100μm
の範囲内に設定することによって、互いの位置関係が最
適となるように第1領域と第5半導体層が形成されるの
で、正の遮断状態の際に空乏層は第1領域からは効果的
に排除される。その結果、第1領域で隔てられる第4半
導体層と第1半導体層の間隔を変えても、順耐圧への影
響は現れない。このため、この間隔を狭く設定すること
によって、順耐圧の劣化をともなうことなく、トリガ感
度を改善することが可能である。
【0100】第10の発明の製造方法では、第1および
第2拡散パターンを同一マスクパターンから同時に転写
することによって形成し、これらの拡散パターンを同時
に用いて不純物を選択拡散することによって、第2およ
び第5半導体層を同時に形成するので、2つの拡散パタ
ーンの間の位置合わせが不要である。すなわち、製造工
程が簡略である。しかも、第2半導体層と第5半導体層
における不純物濃度が必然的に略同等となる。その結
果、第1領域における抵抗成分の大きさの調整が容易と
なる。
【0101】第11の発明の製造方法では、第1領域を
決定する第1拡散パターンの部分と第2拡散パターンの
部分との間の間隔が略40μm以下に設定されるので、
主面上において第1領域によって隔てられる第4半導体
層と第1半導体層の間隔が、略60μm以下となる。そ
の結果、製造されたトライアックにおいて、順耐圧を維
持する必要上従来装置では実現し得なかった高いトリガ
感度が、順耐圧を劣化させることなく実現する。
【0102】第12の発明の製造方法では、第1領域を
決定する第1拡散パターンの部分と第2拡散パターンの
部分との間の間隔が略0μmに設定されるので、これら
の拡散パターンの形成が容易である範囲で、主面上にお
いて第1領域によって隔てられる第4半導体層と第1半
導体層の間隔は最も狭くなる。このため、これらの拡散
パターンの形成が容易である範囲で、最も高いトリガ感
度が得られる。
【0103】第13の発明の製造方法では、第2領域を
決定する第1拡散パターンの部分と第2拡散パターンの
部分との間の間隔が略40μm以上に設定されるので、
主面上において第2領域によって隔てられる第4半導体
層と第1半導体層の間隔が、略60μm以上となる。こ
の間隔が略60μm以上の範囲では、ゲートトリガ電
流、ゲートトリガ電圧ともに殆ど一定値となるので、製
造工程におけるプロセス誤差によって、この間隔に変動
があっても、その影響は製品の特性には余り現れず、品
質の均一な製品が得られる。
【0104】第14の発明の製造方法では、第1〜第3
拡散パターンを同一マスクパターンから同時に転写する
ことによって形成し、これらの拡散パターンを同時に用
いて不純物を選択拡散することによって、第3〜第5半
導体層を同時に形成するので、3つの拡散パターンの間
の位置合わせが不要である。すなわち、製造工程が簡略
である。しかも、深さが互いに略同等な第3〜第5半導
体層が容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のトライアックの上面図である。
【図2】 図1のトライアックのB−B切断線に沿った
断面図である。
【図3】 図1のトライアックのC−C切断線に沿った
断面図である。
【図4】 第1実施例のトライアックの実証試験結果を
示すグラフである。
【図5】 第2実施例のトライアックの上面図である。
【図6】 図5のトライアックのE−E切断線に沿った
断面図である。
【図7】 図5のトライアックのF−F切断線に沿った
断面図である。
【図8】 第3実施例のトライアックの上面図である。
【図9】 第3実施例のトライアックの実証試験結果を
示すグラフである。
【図10】 従来のトライアックの上面図である。
【図11】 図10のトライアックのA−A切断線に沿
った断面図である。
【図12】 図10のトライアックのもう一つの上面図
である。
【図13】 図10のトライアックの動作説明図であ
る。
【図14】 図10のトライアックの動作説明図であ
る。
【図15】 図10のトライアックの動作説明図であ
る。
【図16】 図10のトライアックの動作説明図であ
る。
【図17】 図10のトライアックの動作説明図であ
る。
【図18】 図10のトライアックの動作説明図であ
る。
【符号の説明】 2 N1層(第1半導体層)、31 T1電極(主電
極)、3 P2層(第2半導体層)、5 N2層(第3半
導体層)、32 ゲート電極、6 N4層(第4半導体
層)、P2a 領域P2a(第1領域)、41 P3層(第
5半導体層)、P2c領域P2c(第2領域)、P2b 領域
2b(第1部分領域)、P2d 領域P2d(第2部分領
域)、51 N6層(第5半導体層)。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の主面に選択的に露出する第
    1半導体層の露出面部分に、ゲート電極と主電極の双方
    に接続される第2半導体層が前記第1半導体層とは導電
    形式を異ならせて選択的に形成され、当該第2半導体層
    の露出面部分に、前記主電極に接続される第3半導体層
    と前記ゲート電極に接続される第4半導体層とが前記第
    1半導体層と導電形式を同一にして選択的に形成された
    プレーナ型トライアックにおいて、 前記主面上において互いに近接する前記第4半導体層の
    周縁部と前記第1半導体層の周縁部とに挟まれた前記第
    2半導体層の第1領域に、隣接ないし近接するように当
    該第2半導体層と同一導電形式の第5半導体層が、前記
    第1半導体層の露出面部分に選択的に形成されているこ
    とを特徴とするプレーナ型トライアック。
  2. 【請求項2】 前記主面上における前記第1領域と前記
    第5半導体層とが、略20μmの離間幅を超えて離れ
    ず、しかも、略30μmの重複幅を超えて重複しないこ
    とを特徴とする請求項1に記載のプレーナ型トライアッ
    ク。
  3. 【請求項3】 前記第2半導体層と前記第5半導体層に
    おける不純物濃度が互いに略同等であることを特徴とす
    る請求項1に記載のプレーナ型トライアック。
  4. 【請求項4】 前記主面上において前記第1領域によっ
    て隔てられる前記第4半導体層と前記第1半導体層の間
    隔が、略60μm以下であることを特徴とする請求項1
    に記載のプレーナ型トライアック。
  5. 【請求項5】 前記間隔が、略20μmであることを特
    徴とする請求項4に記載のプレーナ型トライアック。
  6. 【請求項6】 前記主面上において、前記第4半導体層
    と前記第1半導体層とに挟まれ、かつ前記第3半導体層
    側に位置する前記第2半導体層の第2領域の幅を略60
    μm以上としたことを特徴とする請求項1に記載のプレ
    ーナ型トライアック。
  7. 【請求項7】 半導体基板の主面に選択的に露出する第
    1半導体層の露出面部分に、ゲート電極と主電極の双方
    に接続される第2半導体層が前記第1半導体層とは導電
    形式を異ならせて選択的に形成され、当該第2半導体層
    の露出面部分に、前記主電極に接続される第3半導体層
    と前記ゲート電極に接続される第4半導体層とが前記第
    1半導体層と導電形式を同一にして選択的に形成された
    プレーナ型トライアックにおいて、 前記主面上において互いに近接する前記第4半導体層の
    周縁部と前記第1半導体層の周縁部との間に挟まれた前
    記第2半導体層から成る領域を、前記第4半導体層側の
    第1部分領域と前記第1半導体層側の第2部分領域とに
    分離する第5半導体層が、前記周縁部に沿って前記領域
    に選択的に露出するように、前記第4半導体層と同一導
    電形式で前記第2半導体層の露出面部分に選択的に形成
    されていることを特徴とするプレーナ型トライアック。
  8. 【請求項8】 前記主面上において、前記第1部分領域
    で隔てられた前記第4半導体層と前記第5半導体層の間
    隔が略15μm以下であることを特徴とする請求項7に
    記載のプレーナ型トライアック。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のプレーナ型トライアッ
    クを製造する方法であって、第1拡散パターンを用いて
    不純物を選択拡散することによって前記第2半導体層を
    形成し、第2拡散パターンを用いて前記不純物を選択拡
    散することによって前記第5半導体層を形成し、しか
    も、前記第1拡散パターンと前記第2拡散パターンの間
    の間隔が略80μm〜略100μmの範囲内に設定され
    ることを特徴とするプレーナ型トライアックの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記第1および第2拡散パターンを同
    一マスクパターンから同時に転写することによって形成
    し、これらの第1および第2拡散パターンを同時に用い
    て前記不純物を選択拡散することによって、前記第2お
    よび第5半導体層を同時に形成することを特徴とする請
    求項9に記載のプレーナ型トライアックの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載のプレーナ型トライア
    ックを製造する方法であって、第1拡散パターンを用い
    て第1不純物を選択拡散することによって前記第2半導
    体層を形成し、第2拡散パターンを用いて第2不純物を
    選択拡散することによって前記第4半導体層を形成し、
    しかも、前記第1領域を形成する前記第1拡散パターン
    の部分と前記第2拡散パターンの部分の間隔が略40μ
    m以下に設定されることを特徴とするプレーナ型トライ
    アックの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記間隔が略0μmに設定されること
    を特徴とする請求項11に記載のプレーナ型トライアッ
    クの製造方法。
  13. 【請求項13】 半導体基板の主面に選択的に露出する
    第1半導体層の露出面部分に、ゲート電極と主電極の双
    方に接続される第2半導体層が前記第1半導体層とは導
    電形式を異ならせて選択的に形成され、当該第2半導体
    層の露出面部分に、前記主電極に接続される第3半導体
    層と前記ゲート電極に接続される第4半導体層とが前記
    第1半導体層と導電形式を同一にして選択的に形成さ
    れ、さらに、前記主面上において互いに近接する前記第
    4半導体層の周縁部と前記第1半導体層の周縁部とに挟
    まれた前記第2半導体層の第1領域に、隣接ないし近接
    するように当該第2半導体層と同一導電形式の第5半導
    体層が、前記第1半導体層の露出面部分に選択的に形成
    されているプレーナ型トライアックを製造する方法であ
    って、 第1拡散パターンを用いて不純物を選択拡散することに
    よって前記第2半導体層を形成し、第2拡散パターンを
    用いて前記不純物を選択拡散することによって前記第4
    半導体層を形成し、しかも、前記主面上において前記第
    4半導体層と前記第1半導体層とに挟まれかつ前記第3
    半導体層側に位置する前記第2半導体層の第2領域を形
    成する前記第1拡散パターンの部分と前記第2拡散パタ
    ーンの部分の間隔が、略40μm以上に設定されること
    を特徴とするプレーナ型トライアックの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項7に記載のプレーナ型トライア
    ックを製造する方法であって、前記第3、第4、および
    第5半導体層を形成するためにそれぞれ用いられる第
    1、第2、および第3拡散パターンを、同一マスクパタ
    ーンから同時に転写することによって形成し、これらの
    第1、第2、および第3拡散パターンを同時に用いて前
    記不純物を選択拡散することによって、前記第3、第
    4、および第5半導体層を同時に形成することを特徴と
    するプレーナ型トライアックの製造方法。
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