JPH0799931B2 - スイッチング素子の駆動回路 - Google Patents

スイッチング素子の駆動回路

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JPH0799931B2 JP1234456A JP23445689A JPH0799931B2 JP H0799931 B2 JPH0799931 B2 JP H0799931B2 JP 1234456 A JP1234456 A JP 1234456A JP 23445689 A JP23445689 A JP 23445689A JP H0799931 B2 JPH0799931 B2 JP H0799931B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はスイッチング素子、特にゲートターンオフサイ
リスタ(GTO)、パワートランジスタ、静電誘導サイリ
スタ(SITH)等の大容量スイッチング素子をオンオフさ
せ、かつオンの開始時に大きな電流を流す、いわゆるオ
ーバードライブ機能をもったスイッチング素子の駆動回
路に関するものである。
〔従来の技術〕
スイッチング素子の駆動回路において、特にオーバード
ライブ機能を有する基本回路として、一般に第7図に示
すものが知られている。
第7図はオーバードライブ機能を有する基本回路として
の従来例を示すもので、1は被制御スイッチング素子、
2,3,4は直流電源、5,6は電流制限のための抵抗器、7は
オーバードライブのためのスイッチング素子、8は連続
オンのためのスイッチング素子、9は信号極性反転のた
めのインバータ回路、10はオーバードライブ時間を決定
するモノマルチ回路、11はオフのためのスイッチング素
子である。
すなわち、制御信号Scが印加(図においてはLレベル)
されると、スイッチング素子11をオフさせると同時に、
インバータ回路9とモノマルチ回路10が動作し、スイッ
チング素子8,7をオンさせる。これにより、直流電流4
より抵抗器5を経由して大きなオーバードライブ電流
を、また同時に直流電源2から抵抗器6を経由して連続
オン電流を被制御スイッチング素子の制御端子へ駆動電
流を流す。ここで、スイッチング素子7はモノマルチ回
路10で決まる所定の時間だけオンし、オフ後はスイッチ
ング素子8からの電流だけとなる。
また、制御信号Scがなくなると、(Hレベル)、スイッ
チング素子8をオフさせると同時、スイッチング素子11
をオンさせ、被制御スイッチング素子1の制御端子に直
流電源3の電圧を逆極性に印加させることにより、被制
御スイッチング素子1のオフ駆動電流を流してオフさせ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかるに、第7図に示した従来例のものは、抵抗器5,6
の抵抗値は、直流電源4,2の電圧変動範囲の最小値、ス
イッチング素子7,8のオン時電圧降下の最大値および被
制御スイッチング素子1の制御端子間の電圧降下の最大
値を考慮して決定されるため、それぞれの値が通常値の
場合には被制御スイッチング素子1の駆動電流が不必要
に大となるのが通例である。
そのため、抵抗器5,6に発生する損失が多くなって問題
となったり、直流電源が3回路必要でかつ直流電源の容
量が大きくなるといった欠点を有していた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上述したような欠点を除去するためになされた
ものであり、被制御スイッチング素子をオンさせるため
の駆動電流を定電流回路から供給するようにし、その定
電流回路は被制御スイッチング素子がオフ時あるいはオ
ンの直前に電流値を大きくして被制御スイッチング素子
のオン開始時にのみ大きな電流を流し、その後この電流
を漸減して被制御スイッチング素子に必要とされる連続
オン電流値にて動作するようにし、被制御スイッチング
素子をオフ状態とするときはその定電流回路をバイパス
させると同時に、被制御スイッチング素子のオフ電流を
流すための制御用スイッチング素子とを具備してなるも
のである。
〔作用〕
本発明はかかる構成により、電流制限用抵抗が除去さ
れ、さらに、直流電源の電圧変動によって被制御スイッ
チング素子の駆動電流が変化しないようにでき、かつ簡
単な回路構成でオーバードライブ電流をも流すことがで
きるものである。
〔実施例〕
本出願人は先に特願平1-22161号「トランジスタのベー
ス駆動回路」を提案している。そして、本発明はこの提
案をさらに改良してなるものであり、特にオーバードラ
イブ機能を付加したものである。
始めに、本発明の技術思想の理解を容易にするため、第
1図を参照して説明する。
第1図は本発明による基本回路構成を示すもので、12は
チョッピングのためのスイッチング素子、13は電流検出
要素、14はリアクトル、15はヒステリシスコンパレー
タ、16はダイオードである。図中、第7図と同符号のも
のは同じ構成部分を示す。ここに、ヒステリシスコンパ
レータ15は電流検出要素13の出力を検出し、所定の上限
値に達するとスイッチング素子12をオフさせ、下限値に
達するとオンさせる機能を有し、かつ制御信号Scにより
その上限値および下限値をシフトする機能を有する。こ
のヒステリシスコンパレータの具体例を第6図に示し後
述する。
すなわち、直列接続された正側の直流電源2および負側
の直流電源3が用意され、直流電源2の正極と負荷の間
に、 スイッチング素子12→電流検出要素13→リアクトル14→
被制御スイッチング素子1の制御端子 の直列回路が構成されるように接続し、ダイオード16を
スイッチング素子12の出力側がカソード側、直流電流3
の負極がアノード側となるよう接続し、被制御スイッチ
ング素子1を制御するスイッチング素子11を被制御スイ
ッチング素子1の制御端子と直流電源3の負極との間に
接続してなる。
かくの如き接続構成の動作を第2図〜第5図を用いて説
明すると、つぎの如くである。
ここに、第2図および第4図は被制御スイッチング素子
をオンおよびオフさせる場合の動作説明を示し、第3図
および第5図は被制御スイッチング素子をオンオフさせ
た場合および全体のタイムチャートである。
さて、被制御スイッチング素子1をオンさせる場合に
は、制御用スイッチング素子11をオフさせると同時に、
ヒステリシスコンパレータ15の検出値(上限値、下限値
とも)を低下させる。以下、これを各々オン時上限値、
オン時下限値という。
制御用スイッチング素子11がオンしている期間中に高レ
ベル(以下オン時上限値、オフ時下限値という)にセッ
トされてリアクトル14に流れている電流は、リアクトル
14の作用により急速に減少せず、したがってヒステリシ
スコンパレータ15はスイッチング素子12をヒステリシス
コンパレータ15のオン時下限値に達するまでオフさせ続
ける。この時間以降はヒステリシスコンパレータ15がオ
ン時下限値およびオン時上限値の間で作動し、スイッチ
ング素子12をオンオフさせ、スイッチング素子12がオン
のときは、第2図に実線で示される経路で電流I1が流
れ、被制御スイッチング素子1の駆動電流となる。
また、スイッチング素子12がオフのときは、第2図の点
線で示す経路で、リアクトル14の蓄積エネルギーによる
電流I2が引き続き流れ、被制御スイッチング素子1の駆
動電流を維持することになる。よって、先の本出願人に
よる提案でも詳述されている如く、スイッチング素子12
をヒステリススコンパレータ15にてオンオフ比制御する
ことによって、リップル電流ΔIをもった一定電流とす
ることができる。なお、第3図にてLHは高レエル、LL
低レベルを示す。
ここで、制御信号Scをなくす(本例では高レベルとす
る)と、スイッチング素子11をオンさせると同時に、ヒ
ステリシスコンパレータ15の電流設定値を高レベルのオ
フ時上限値とオフ時下限値に切り換える。これにより、
リアクトル14に流れていた電流はスイッチング素子11に
転流すると同時に、被制御スイッチング素子1からのオ
フ電流を、つぎの経路、 被制御スイッチング素子1の制御端子→スイッチング素
子11→直流電源3で流し、被制御スイッチング素子1を
オフさせる。
一方、ヒステリシスコンパレータ15の設定値は高レベル
になっているため、スイッチング素子12はオン状態を続
ける。これにより、リアクトル14に流れる電流はオフ時
上限値に達するまで増加する。オフ時上限値に達すると
スイッチング素子12はオフし、それ以降はオフ時上限値
と下限値の間にリアクトル14の電流が制御される。かよ
うにして、スイッチング素子12がオンのときは第4図の
実線で示す経路で流れ、オフ時には点線で示す経路に電
流が流れる。よって、被制御スイッチング素子1をオン
させるときと同様に、リアクトル14に流れる電流を一定
に制御することができる。
つぎに、被制御スイッチング素子1をオンさせるために
は、制御信号Scを印加(本例では低レベル)し、スイッ
チング素子11をオフさせると同時に、ヒステリシスコン
パレータ15をオン時上限値とオン時下限値に切り換え
る。
かくの如くに、第1図の回路の接続構成を機能させるこ
とにより、被制御スイッチング素子1に安定したオーバ
ードライブ電流とそれに続く連続オン電流を流すことが
できるものである。
さらに、ヒステリシスコンパレータの具体例を第6図に
示す。
第6図においては、電流検出要素として簡便な抵抗器13
を用いており、ヒステリシスコンパレータ15は、電圧コ
ンパレータ151と抵抗器152〜156からなる。ここに、抵
抗器152は電流検出要素13からの電圧を演算し、抵抗器1
53はオン時の上下限値を決め、抵抗器156はオフ時の上
下限値を決め、抵抗器154はヒステリシス幅(上限値と
下限値との差)を決める正帰還抵抗としてそれぞれ効用
している。
さらに、本ヒステリシスコンパレータの適用について説
明を加えると、スイッチング素子12がオンしてリアクト
ル14の電流が増加すると、電流検出要素13の電圧も増
し、電圧コンパレータ151の+端子の電位が低下し、−
端子の電位以下となると、電圧コンパレータ151が反転
してその出力が「L」レベルとなり、抵抗器154の正帰
環作用により確実に低レベルとなる。
これにより、スイッチング素子12がオフし、リアクトル
14の電流が減少して行き電流検出要素13の電圧が低下
し、電圧コンパレータ151の+端子の電位が上昇し、−
端子の電位以上となると、電圧コンパレータ151が再び
反転してその出力が「H」レベルとなり、スイッチング
素子12を再びオンさせ、以後この動作を繰り返す。
また、制御信号Scが「H」レベルとなると、抵抗器156
を経由して電流が電圧コンパレータ151の+端子に流れ
込むため、電圧コンレータ151の動作する電流検出要素1
3の電圧値は上昇する。つまり、リアクトル14に流れる
電流は増加する。
なお、リアクトル14は鉄心を用いたものとし、被制御ス
イッチング素子1のオン時に、リアクトル14に流れる電
流では、その鉄心は磁気的に非飽和領域となるように
し、これより少し大きな電流で飽和領域となり、リアク
トル14のインダクタンスは、空心の場合の値に近くなる
よにすることにより、リアクトル14の電流を急速に増減
することができる。よって、これは高周波数で動作する
スイッチング素子の駆動回路にも有用なことは明らかで
ある。
なおまた、チョッピング用および制御用のスイッチング
素子には、トランジスタ、FET等であればどのようなも
のであってもよく、さらに電流検出要素は、抵抗、ホー
ル素子を用いたものなどとらわれるものではなく、さら
にまたその挿入個所も、電流検出要素とリアクトルの順
序を逆にしても差し支えないことは言うまでもない。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、格別な回路構成に
より、被制御スイッチング素子の駆動電流を、直流電流
の電圧変動および各部品の特性のバラツキによっても変
動させることなく、立ち上がりの急峻なオーバードライ
ブ電流を有した一定電流とし得るものであり、安定した
スイッチング駆動が可能で実用上顕著な装置を提供でき
る。
さらには電流制限用抵抗器が除去され、無用の発熱防止
および直流電源容量を小さくできることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による基本回路構成を示す回路図、 第2図は被制御スイッチング素子をオンさせる場合の動
作説明図、 第3図は被制御スイッチング素子をオンオフさせた場合
のタイムチャート、 第4図は被制御スイッチング素子をオフさせる場合の動
作説明図、 第5図は全体のタイムチャート、 第6図はヒステリシスコンパレータの具体例を示す回路
図、 第7図は従来例の基本回路構成を示す回路図である。 1……被制御スイッチング素子 2,3,4……直流電源 7,8,11,12……スイッチング素子 13……抵抗器(電流検出要素) 14……リアクトル 15……ヒステリシスコンパレータ 16……ダイオード Sc……制御信号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直列に接続された2個の直流電源(2,3)
    の正側電源(2)の正極と負極の間に、チョッピング用
    スイッチング素子(12)と、電流検出要素(13)と、リ
    アクトル(14)と、被制御スイッチング素子(1)の制
    御端子との直列回路を接続するとともに、このチョッピ
    ング用スイッチング素子(12)と電流検出要素(13)と
    の接続点側にカソードが接続され、また負側電源(3)
    の負極側にアノードが接続されるようダイオード(16)
    を接続し、前記被制御スイッチング素子(1)の制御端
    子と、負側電源(3)の負極の間に制御用スイッチング
    素子(11)を接続し、さらに前記チョッピング用スイッ
    チング素子(12)の制御ゲート側入力と前記電流検出要
    素(13)の出力との間に、ヒステリシスコンパレータ
    (15)を接続し、該ヒステリシスコンパレータ(15)
    は、その制御入力側に制御信号Scの供給を受けて、制御
    信号Scによりその設定値を与えられ、また前記検出要素
    (13)の出力値によって動作してチョッピング用スイッ
    チング素子(12)を駆動する如く構成され、 前記ヒステリシスコンパレータ(15)は、被制御スイッ
    チング素子(1)をオンさせるため、制御用スイッチン
    グ素子(11)のオン時には設定値を大として、そのオン
    開始時にのみ大きな電流を流し、その後被制御スイッチ
    ング素子(1)に必要とされる連続オン電流値で動作さ
    せる如く構成したことを特徴とするスイッチング素子の
    駆動回路。
  2. 【請求項2】前記リアクトル(14)は鉄心を有するもの
    とし、前記ヒステリシスコンパレータ(15)が低い設定
    値で動作している場合、リアクトル(14)に流れる電流
    では鉄心は磁気飽和とならない領域となるようにすると
    ともに、高い設定値で動作している場合に、リアクトル
    (14)に流れる電流では鉄心が磁気飽和領域となり、か
    つ空心時のインダクタンスとなるようにしたことを特徴
    とする請求項1記載のスイッチング素子の駆動回路。
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