JPH0798672B2 - 平板デイスプレイ装置用ストロンチウムアルミノシリケ−トガラス基板 - Google Patents

平板デイスプレイ装置用ストロンチウムアルミノシリケ−トガラス基板

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JPH0798672B2
JPH0798672B2 JP61239000A JP23900086A JPH0798672B2 JP H0798672 B2 JPH0798672 B2 JP H0798672B2 JP 61239000 A JP61239000 A JP 61239000A JP 23900086 A JP23900086 A JP 23900086A JP H0798672 B2 JPH0798672 B2 JP H0798672B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は平板ディスプレイ装置、およびそのためのスト
ロンチウムアルミノシリケートガラス基板に関する。
(従来技術と発明が解決しようとする問題点) 2つの最近の技術的進歩は、平板ディスプレイ装置につ
いて明らかに実際的な次に示す可能性を大きくした。す
なわち、 (1) 改良された特性を示す液晶の調製;および (2) 微粒ポリシリコンの表面層の製造である。
液晶の発達は、小型カラーテレビ受像機を液晶から製造
し、非常に大きな情報ディスプレイパネルが技術的に可
能な所まで進んだ。液晶は本来、電気信号に対して遅い
応答を示すので、能動マトリックスディスプレイを組立
てるためには電気的刺激に対して素早く応答する「スイ
ッチ」が必要である。薄膜トランジスタ(TFT)がこの
機能を果たす。
TFTが単結晶シリコンから製造できることは良く知られ
ているが、単結晶シリコンのその性質によって、それか
ら作られるTFTの大きさに制限がある。基板上に付着さ
せた微粒ポリシリコン層をレーザーのような熱源を用い
てスキャンすることにより、粗粒ポリシリコンに再結晶
させることができることが見出された。粗粒ポリシリコ
ンから調製されたTFTは、単結晶シリコンから作られたT
FTに比べ電気特性においてわずかな悪化しか示さず、ま
た液晶ディスプレイを多重送信する場合、極めて満足に
働くことが認められた。
粗粒ポリシリコン能動マトリックスディスプレイは透明
で、平らで、なめらかで、不活性であり、熱膨張に関し
てシリコンと一致しており、また少なくとも850℃の処
理温度に耐えられる基板が必要である。従って、ガラス
はアルカリ金属イオンを含まなければこれらの要求を満
たし、ほぼ30〜40×10-7/℃の線熱膨張係数(25゜〜300
℃)と少なくとも850℃、好ましくは875℃以上のアニー
ル点を示す。米国特許第3,338,696号に記述されている
ガラス板の製造方法を用いるためには、ガラスは少なく
とも100,000ポアズ、好ましくは250,000ポアズ以上の液
相線粘度を示さなければならない。また、900℃付近の
アニール点を有する透明で均質なガラスを約1800℃以下
の温度の溶融バッチで得ることは非常に難しい。1800℃
は酸化雰囲気下で用いられる白金−ロジウムおよび多く
の耐火物と接触する溶融材料についての実際的な制限を
意味する。最後に、従来の装置と技術を用いて行うガラ
ス生成を可能にするために、約1400℃を越えない液相線
温度が非常に好ましい。
従って、本発明の主な目的は約30〜40×10-7/℃の線熱
膨張係数(25゜〜300℃)、少なくとも850℃のアニール
点、約1400℃以下の液相線温度、少なくとも100,000ポ
アズの液相線粘度を示し、約1800℃を越えない温度で溶
融できる透明で均質なガラスを調製することである。
(問題点を解決するための手段) 本発明の目的を満足するガラスは、酸化物を基礎とした
モルパーセントで表される約9〜12%のSrO、9〜12%
のAl2O3、および77〜82%のSiO2から本質的に成る組成
を有する三成分のSrO−Al2O3−SiO2系内に殆んどアルカ
リ金属酸化物を含まないガラスの制限された範囲から調
製できることを見出した。これらの組成割合の制限は、
極めて臨界的である。例証すると、SrOの水準が高すぎ
るとアニール点は所望の目標以下に下がり、線熱膨張係
数は満足できない高い値に上がる。逆にSrO含量が低す
ぎる場合、ガラスは溶融が非常に難しくなり、および/
または液相線温度が満足できない水準まで上がる。明記
したものより低いAl2O3濃度では、アニール点が低すぎ
てしまう。明記した以上のAl2O3含量は、望ましくない
高い液相線温度をもたらす。SiO2の分量が規定した最大
値をこえると、ガラスは溶融が非常に難しくなる。SiO2
水準が示した最小値以下の場合、アニール点が非常に低
くなるかまたは液相線温度が非常に高くなる。
モルパーセントで表示された組成範囲を重量パーセント
の範囲に正確に変換することはできないが、重量パーセ
ントで表された三成分系の近似値は約13〜18%のSrO、1
3〜18%のAl2O3、および66〜72%のSiO2である。
三成分系中のSrOをMgO、CaO、ZnO、La2O3、およびMnOで
少量置換すると、ガラスの線膨張係数および/またはア
ニール点および/または液相線温度に望ましくない影響
を及ぼす。従って、所望のガラス特性を維持するには、
これらの物質を非常に少量だけ添加することが許され
る。アルカリ金属酸化物のような強力な融剤は、本質的
に存在しないことが望ましい。
SrOの一部をBaOで置換すると線膨張係数がわずかに上昇
し、またガラスの粘度に逆影響を及ぼさずにかなりの程
度まで液相線温度を非常に望ましく減らすことができ
る。従って、SrOの代りにBaOを用いてもアニール点は少
しも変わらない。このBaOの性能は、SrOとBaO濃度のバ
ランスによって熱膨張係数を変化させ、注意深く調節す
るのに実際的意義がある。SrOの代りに8モルパーセン
トまで好ましくは約6モルパーセントを超えないでBaO
を置換することができるが、1800℃の溶融温度を採用す
る場合、BaOの揮発が問題となる。SiOは1800℃で揮発を
受けにくい。
さらに、ガラス溶融の観点からも一層重要であるが、大
量のBaOを含むとガラス中に気泡の発生をもたらす。例
えば、SrOをBaOですべて置換すると、1800℃を超えない
溶融温度で少しも気泡を含まないガラスを生成すること
は実質的に不可能である。これに対して、ラボ実験で
は、三成分系SrO−Al2O3−SiO2の上述した範囲のガラス
から殆ど気泡を含まないガラスが調製できた。従って、
BaOを混合するとガラスに有益な特性を与えるが、その
存在は、揮発物が環境を汚染し、またガラスを良い品質
に溶融することを一層困難にする。
従来技術と本発明との比較 「酸化ストロンチウム−酸化アルミニウム−二酸化ケイ
素系におけるガラス形成の領域」(Kh.Sh.Iskhakov,Uz
b.Khim.Zh.15(1),10〜12(1971))には、モルパー
セントで25〜60%のSrO、5〜30%のAl2O3、および35〜
65%のSiO2から成るガラスを1500゜〜1550゜で1〜1.5
時間溶融することにより調製することが記述されてい
る。SrO含量は明らかに、本発明のものから全く離れて
いる。
「ストロンチア−アルミナ−シリカ系におけるガラスの
調製」(Kh.Sh.Iskhakov.Uzb.Khim.Zh.,15(2),79〜8
1(1971))には、上記参照文献の範囲内の組成を有す
るガラスに関し決定されたいくつかの物理的特性につい
て記述されている。ガラスは64〜97×10-7/℃の熱膨張
係数を示すことが認められた。SrO含量が増すと、熱膨
張係数が上がることが述べられている。
「ガラス」(G.I.Zhuravlavら、Glass,USSR SU 870,3
65,1984年1月7日)は、重量パーセントで25〜35%のS
rO、11〜20%のAl2O3、および41〜63%のSiO2を含み、
一層高い軟化点と特別な電気抵抗率を示すガラスの調製
を発表している。濃度を比較すると一般に、SrO水準は
本発明のガラスより高く、SiO2水準は低い。
「電気泳動デポジションによりニオブ基板上に二酸化ケ
イ素−酸化アルミニウム・酸化ストロンチウム系を分散
させたガラスの応用」(G.I.Zhuravlavら、Zh.Prikl.Kh
im.(Leningrad)54(7) 1601〜4(1981))は、上
記の参照文献に示された範囲内の組成を有するガラスの
電気泳動デポジションによる、保護電気絶縁コーティン
グの高圧ランプのニオブパーツへの応用について記述し
ている。
米国特許第4,180,618号は、基板上に付着させたケイ素
の薄膜から成る電子装置の製造について発表しており、
ここで基板は本質的に重量パーセントで55〜75%のSi
O2、5〜25%のAl2O3、および9〜15%のCaO、14〜20%
のSrO、および18〜26%のBaOの割合で示された群から選
ばれた少なくとも1種のアルカリ土類酸化物から成るガ
ラスで構成される。CaOとBaO含量は、本発明のガラスに
許容できるものより高い。SrO、Al2O3、およびSiO2の広
い範囲は本発明のガラスのものと重なるが、組成を本発
明の狭く制限した範囲内に確保することができるすぐれ
た特性のマトリックスは認められず、また本発明のガラ
スの制限内にある実施例も示されていない。
(実 施 例) 表Iは、酸化物を基礎とするモルパーセントで表された
多数のガラス組成を示し、本発明のパラメーターを例示
する。実際のバッチ成分は共に溶融した時、適当な割合
で所望の酸化物に変化する酸化物または他の化合物の任
意の材料を含む。以下に示すラボ実験では、バッチ材料
は高純度砂、Al2O3、SrCO3、BaCO3、MgO、CaO、ZnO、Mn
O、およびLa2O3から成る。
バッチ材料を配合し、均一な溶融体になるようにボール
ミル粉砕し、白金または白金−ロジウムるつぼに詰め
た。77%のSiO2およびそれ以下を含むこれらのバッチを
電熱炉内にて1600〜1650℃で4〜16時間溶融した。SiO2
含量が一層高いバッチは、気体酸素点火炉にて1700゜〜
1800℃で16時間溶融した。それぞれの場合について、溶
融体を鉄の鋳型に流し込み、約30.5cm(12インチ)の直
径と約1.9cm(0.75インチ)の厚さの円形スラブを形成
し、これらのスラブをすぐに焼なまし器に移した。表IA
は表Iの組成を酸化物を基礎とする重量パーセントによ
り示した。
表IIは、上記ガラスについて測定した若干の物理的特性
を示す。℃で表されたアニール点およびひずみ点は、AS
TMC 598に記述されているビーム曲り法に従って測定し
た。×10-7℃で表された25゜〜300℃の範囲の線熱膨張
係数は、溶融シリカ膨張計を用いるASTM E 228に従っ
て確認した。℃で表された内部液相線温度は、ガラスを
白金ボートに入れ、このボートを液相線温度また段々に
温度グラジエントする炉内に入れ、この炉内にボートを
24時間保持させることによって求めた。105ポアズで表
された液相線でのガラスの粘度は、ガラスを2℃/分で
冷却しながら回転粘度計を用いて求めた。オーム -cmで
表された直流抵抗率(250℃および350℃)、室温および
1KHzでの誘電率、室温および1KHzでの誘電正接は、ASTM
D 150、D 257、およびD 657に示されている方法に従
って求めた。また、5%HCl水溶液に24時間、5%NaOH
水溶液に6時間、および0.02NNa2CO3水溶液に6時間、
それぞれ浸漬し、各浸漬を95℃で行い、各減量をmg/cm2
で表した際の化学的耐久性は、視覚による外観と重量損
失によって、磨いたガラス板で確認した。外観に関し
て、変化なし、わずかなフロスト、およびわずかな曇り
の表示を用いて示した。
ガラス19〜28を電熱炉内にて1650℃で16時間溶融した。
ガラス25と26は透明で、粘性があり、気泡がなかった。
ガラス20,22および24は透明であるが気泡が入ってい
た。また他のガラスは、いくらかの気泡を含み、透明で
あった。例示的組成の残りのものは、気体酸素炉内にて
1800℃で16時間溶融した。81モルパーセントまでのSiO2
水準では、ガラスは透明で粘性があり、気泡がなかっ
た。82モルパーセントのSiO2濃度で、ガラスは透明で、
非常に粘性があり、また意外にも気泡がなかった。83モ
ルパーセントのSiO2含量で、ガラスは透明であったが、
わずかに動くほどの粘性があり、またいくらか気泡を含
んでいた。
表Iと表IIを共に検討すると、約1800℃以下の温度で溶
融でき、また少なくとも850℃のアニール点、25゜〜300
℃の温度範囲で約30〜40×10-7/℃の線熱膨張係数、約1
400℃を超えない液相線温度、および少なくとも100,000
ポアズの液相線粘度を示すガラスを調製するために、Sr
O、Al2O3、およびSiO2濃度を規定した三成分系の範囲内
に保つことの重要性をはっきりと示している。またこの
検討では、MgO、CaO、ZnO、La2O3および/またはMnOの
混入が上記特性に関して生成したガラスにもたらす一般
に好ましくない影響を示している。これに対し、BaOの
添加はガラスの粘度に重大な影響を及ぼさずに液相線温
度を下げるのに有効であるが、この添加の際には、BaO
の揮発とガラス中の気泡の発生に注意をはらわなければ
ならない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも850℃のアニール点、25゜〜300
    ℃の温度範囲で約30〜40×10-7/℃の線熱膨張係数、140
    0℃を超えない液相線温度、および少なくとも1×105
    アズの液相線粘度を示す約1800℃以下の温度で溶融で
    き、本質的にアルカリ金属酸化物を含まず、酸化物を基
    礎とするモルパーセントで表した9〜12%のSrO、9〜1
    2%のAl2O3、77〜82%のSiO2から本質的に成る明るい透
    明なストロンチウムアルミノシリケートガラス。
  2. 【請求項2】SrOが8モルパーセントまでのBaOで置換さ
    れている特許請求の範囲第1項記載のガラス。
JP61239000A 1985-10-23 1986-10-07 平板デイスプレイ装置用ストロンチウムアルミノシリケ−トガラス基板 Expired - Lifetime JPH0798672B2 (ja)

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