JPH079828B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JPH079828B2
JPH079828B2 JP29814886A JP29814886A JPH079828B2 JP H079828 B2 JPH079828 B2 JP H079828B2 JP 29814886 A JP29814886 A JP 29814886A JP 29814886 A JP29814886 A JP 29814886A JP H079828 B2 JPH079828 B2 JP H079828B2
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和穂 坂本
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孝 丹羽
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電子レンジ等のいわゆる誘電加熱により食品
や液体などを加熱するための高周波加熱装置の改良に関
し、さらに詳しく言えば、トランジスタ等の半導体スイ
ッチを用いたインバータにより高周波電力を発生し、マ
グネトロンに高圧電力およびヒータ電力を供給するよう
構成した高周波加熱装置の改良に関するものである。
従来の技術 このような方式の高周波加熱装置は、その電源トランス
の小型・軽量・低コスト化の為に様々な構成のものが提
案されている。
第8図は従来の高周波加熱装置の回路図であり、特願昭
51−99892号に示されたものと同等の作用を有するもの
である。
図に於て、商用電源1,ダイオードブリッジ2,コンデンサ
3によりインバータ4の電源部5が構成され、インバー
タ4は、リセットインダクタ6,サイリスタ7,ダイオード
8,共振コンデンサ9などより構成されている。サイリス
タ7は、インバータ制御回路10により定められた周波数
fOでトリガされ、その結果昇圧トランス11の1次巻線12
と共振コンデンサ9との直列共振回路とリセットインダ
クタ6とで構成された弛張発振型インバータが動作周波
数fOで動作し、昇圧トランス11の高圧2次巻線13とヒー
タ巻線14とには、それぞれ高圧電力POおよびヒータ電力
PHが発生する。高圧2次巻線13に生じる高圧電力POは、
高圧ダイオード15,16、コンデンサ17,18により整流され
てマグネトロン19に供給される。また、ヒータ巻線14は
コンデンサ20と共振回路を構成しており、マグネトロン
19のカソードヒータにこの共振回路を介してヒータ電力
PHが供給されるように構成されている。21は起動制御回
路であり、インバータの起動時、一定の時間インバータ
制御回路10を制御して、そのトリが周波数fOを低下させ
るよう構成されている。これは起動時にマグネトロン19
のカソードがヒートアップするまでの間に高圧2次巻線
13に生じる無負荷電圧を低く押えるためである。
第9図は、このインバータ4の動作周波数fOに対する高
圧電力PO、ヒータ電力PH、無負荷時のマグネトロン19の
アノード電圧VAKOの変化を示す図である。fOが定められ
た定常時の周波数fO1のとき、POおよびPHはそれぞれ定
格値の1kWおよび40Wとなるよう構成されている。起動時
において、このfO1でインバータ4を起動すると、無負
荷時アノード電圧VAKOは、20kV以上にも達し、絶縁耐圧
処理が技術的にも、また製造コスト面でも難しいものに
なる。そのため、起動時の一定の時間fOをfOSまで低下
させるよう起動制御回路21でインバータ制御回路10を制
御する構成となっている。fO=fOSのとき、VAKOは10kV
以下の低い値とすることができ、一方、ヒータ回路に設
けられたコンデンサ20の共振作用によりPHは、あまり低
下せず約30Wとなる。したがって、PH=40Wの定格時に比
べてカソード加熱完了までの時間が長くなるけれども、
異常に高いVAKOを発生することなく、高周波加熱装置を
起動することができるものである。
第10図、(a),(b),(c)は、この高周波加熱装
置の動作周波数fO、マグネトロンのアノード電圧VAK
アノード電流IAが、起動時にどのように変化するかを示
す図である。
同図(a)に示すように時刻t=0からt=t1までの間
は、fO=fOSに制御され、その後t=t2で、fO=fO1とな
るよう起動制御回路21はインバータ制御回路10を制御す
る。このため、同図(b)のようにVAKはVAKOmax<10kV
に制御され、同図(c)のようにt1<t<t2の間にアノ
ード電流IAが立ち上がりIA1に達し定格高圧出力PO=1kW
が得られる。すなわち、領域Aのプレヒート期間を経て
領域Bの遷移期間を経た後、領域Cの定常状態に達する
よう構成されているのである。
このようにfOを起動時にfOSに低下させること、およ
び、ヒータ回路に設けたコンデンサ20の共振作用とを両
立させることにより、初めて起動時の異常高圧発生を防
止し、安定な起動を可能とする高周波加熱装置を実現す
ることができるものであった。
発明が解決しようとする問題点 しかしながらこのような従来の高周波加熱装置には、次
のような欠点があった。
ヒータ電力PHは、高圧電力POを出力する高圧2次巻線13
と同一のコアに施されたヒータ巻線14より供給される構
成となっている。このため、第9図に示すようにPHをfO
に対して一定に保つことは困難であり、共振コンデンサ
20を設けてもPOに比例してPHが変化するのを防止できる
程度であり、同図に破線で示すような曲線の特性にする
ことができる程度であった。すなわち、fO=fOSまでfO
を下げた時、PH=30Wにすることができる程度であっ
た。
第11図は、ヒータ電力PHと、PHが供給されてからカソー
ドが十分加熱され、マグネトロンが発振開始するまでの
時間、すなわち発振開始時間tSとの関係の例を示す図で
ある。このように従来の技術では、異常高圧の発生は防
止できるが、起動時に十分なヒータ電力PHを供給するこ
とが困難であるので発振開始時間tSが大きくなり、定格
のPH(=40W)を供給する場合に比べて、数倍の時間に
なってしまうという欠点があった。
すなわち、第10図(c)に示した領域Aが長くなってし
まうという結果となり、特に電子レンジなどの秒速調理
がその特徴である高周波加熱装置にこの技術を適用する
場合、重大な機能低下を余儀なくされるというものであ
った。
また第12図(a),(b),(c)は、このfOがfOS
らfO1に立ち上がる時にヒータ電力PH、カソード温度T
c、高圧電力POがどのような関係で立ち上がるかを示す
図であり、同図より明らかなように、第12図(a)にお
いて、t=t1からt=t2までの間は、ヒータ電力PHが徐
々に増加していく期間であると同時にマグネトロンへの
高圧電力PO(すなわちアノード電流IA)も同図(c)の
ように増加していく期間である。PHの増加に対してカソ
ードの温度Tcそのものは第12図(b)に示すように一定
の熱時定数を持っているのでτだけ遅れて立ち上がりt
=t3で定格の温度になる。一方、POはPHと同時に増加し
ていくのでこの間、すなわち、領域Bは、カソードのエ
ミッション不足又は、それに近い状態に陥りやすい期間
である。そして、このような領域が長く存在すること
は、マグネトロンのカソードの寿命を著しく低下させる
結果となるという極めて重大な欠点があった。
また、マグネトロン19のヒータ回路にコンデンサ20を設
けて共振回路を構成すること自体も、カソードインピー
ダンスが小さいこと、高電位であることなどから極めて
面倒であった。
問題点を解決するための手段 本発明はこのような従来の欠点を一掃するためになされ
たものであり、以下のような構成要素により成るもので
ある。
すなわち、電源部と、少なくとも1つの半導体スイッチ
と共振コンデンサとを有するインバータと、マグネトロ
ンに高圧電力およびヒータ電力を供給する昇圧トランス
と、前記マグネトロンのカソードに直列に接続されたイ
ンダクタンス要素と、前記半導体スイッチを制御するイ
ンバータ制御部と、起動時に前記インバータに変調信号
を与える起動制御部とを備え、この変調信号により前記
半導体スイッチの導通時間を定常時より小さく制御し、
その非導通時間を定常時より大きくかつ前記共振コンデ
ンサの共振周期の約3倍に制御して動作周波数を定常時
より低くするようインバータ制御部を構成したものであ
る。
作用 本発明は上記構成により以下のような作用を有する。イ
ンバータの起動時において、起動制御部の変調信号がイ
ンバータ制御部に送られ、インバータ制御部は、この変
調信号を受けると半導体スイッチの導通時間を定常時よ
り小さく制御し、同時に非導通時間を共振コンデンサの
共振周期の略々3倍に制御して定常時より大きく制御
し、結果としてインバータの動作周波数を定常時より低
く制御するものである。
半導体スイッチの導通時間が小さくなるので昇圧トラン
スの出力電圧は高圧電力およびヒータ電力共に低い電圧
となるが、非導通時間が大きくなるよう制御され、しか
も共振周期の約3倍に制御されて動作周波数が低下する
ので、マグネトロンのカソードに直列に設けられたイン
ダクタンス要素のインピーダンスが低下し、カソードに
流れる電流は、高圧出力電圧を低く押えるにもかかわら
ず定常時と同等かもしくはそれ以上の適切な値に制御さ
れる。
そして特に共振周期の3倍程度の非導通時間に制御する
ことで、起動時における動作周波数が極端に耳ざわりな
周波数帯域まで低下しないで、前述した動作を実現せし
め、しかも半導体スイッチのスイッチング損失が過大に
なることを防止するという作用を果すものである。
実施例 以下、本発明の一実施例について、図面と共に説明す
る。
第1図は、本発明の一実施例を示す高周波加熱装置のブ
ロック図である。同図において、電源部31は商用電源あ
るいはバッテリーなどより得られる直流または脈流電圧
の単方向電源であり、トランジスタ等の半導体スイッチ
32を1つ又は複数個備えた共振コンデンサを含むインバ
ータ33に電力を供給する。インバータ制御部34は、半導
体スイッチ32を定められた導通時間と、共振コンデンサ
の共振周期に略々等しい非導通時間とで動作させ、昇圧
トランス35の1次巻線36に高周波電力を供給する。従っ
て昇圧トランス35の高圧2次巻線37とヒータ巻線38には
高圧電力POとヒータ電力PHが発生し、それぞれマグネト
ロン39のアノードカソード間およびカソードヒータ40に
供給されるよう構成されている。
カソードヒータ40(すなわちカソード)には直列にイン
ダクタンス要素41が設けられ、ヒータ巻線38の負荷はイ
ンダクタンス要素41とカソードヒータ40の直列回路とな
っている。
起動制御部42は、インバータ33の起動時に変調信号をイ
ンバータ制御部34に与える。この変調信号を受けるとイ
ンバータ制御部34は起動時に半導体スイッチ32の導通時
間を定常時より小さく制御して昇圧トランス35の出力電
圧を低く押え、同時に非導通時間を定常時より大きくか
つ共振コンデンサの共振周期の約3倍に等しい時間に制
御してその動作周波数を低下させ、インダクタンス要素
41のインピーダンスを小さくせしめる。したがってマグ
ネトロン39のアノードカソード間電圧VAKは小さく押え
られるにもかかわらず、カソードヒータ40に流れる電流
(したがって電力)は、定常時と同等もしくはそれ以上
の値に制御される。
このような構成とその作用により、ヒータ回路に面倒な
共振回路を設けることなくマグネトロン39の発振開始時
間を十分小さくしてスピーディーな誘電加熱開始を可能
とすると共にカソードのエミッション不足が生じやすい
状態の発生を防止して、寿命が長く、極めて高い信頼性
を保証することができる。そして、特に、共振コンデン
サの共振周期の約3倍に非導通時間が制御されているの
で、起動時に著しく動作周波数が低下しすぎて耳ざわり
な音が聞こえ易くなるのを防止すると同時に、半導体ス
イッチのスイッチング損失が過大になることを防ぐこと
ができる。したがって、高い信頼性と高品質を維持し、
しかも低価格な高周波加熱装置を提供することができ
る。
第2図は、第1図に示した本発明の一実施例を示す高周
波加熱装置のさらに詳しい一実施例を示す回路図であ
り、第1図と同符号のものは相当する構成要素であり、
詳しい説明を省略する。
第2図に於て、商用電源51は運転スイッチ52を介してダ
イオードブリッジ53に接続されると共にインバータ制御
部34に接続される。従って、運転スイッチ52が投入され
るとインダクタ54、コンデンサ55を介し単方向電力がイ
ンバータ33に供給され、同時にインバータ制御部34およ
び起動制御部42が作動する。
インバータ33は共振コンデンサ56と、バイポーラ型MOSF
ET(以下、MBTという)58、ダイオード59より成る複合
半導体スイッチ32とにより構成され、インバータ制御部
34の同期発振器61にてその導通時間と非導通時間を制御
される。
起動制御部42は運転スイッチ52が投入された時一定の時
間、インバータ制御部34の同期発振器61の動作に変調信
号を与えるものである。
ここで、第2図の実施例の動作について、第3図を参照
して説明する。
第3図、(a)〜(e)は、複合半導体スイッチに流れ
る電流Ic/d、それにかかる電圧VCE、MBT58のゲートに
加えられる制御電圧VG、マグネトロン39のアノードカソ
ード間電圧VAK、アノード電流IAの波形図である。
同期発振器61は、同図(b)に示す点P、すなわち、コ
ンデンサ55の電圧VCCとVCEがクロスした点を検出し、そ
の後一定時間Tdだけ遅れてMBT58にVGを与えるよう構成
され、共振コンデンサ56と昇圧トランス35の1次巻線36
との共振により発生する共振電圧VCEが零になるタイミ
ングと同期してMBT58をオンにする(同期制御)もので
あり、共振電圧がほぼ零でオンになるのでスイッチング
ロスを大幅に低減することができるものである。
インバータ33の出力は、このMBT58の導通時間Tonと非導
通時間Toffの比を制御することにより調整することがで
きる。実際には、前述の同期制御によりToffは、前記共
振回路の回路定数によって決定される(すなわち共振回
路の共振周期に近い時間となる)ので、Tonを制御する
ことで、インバータ33の出力を調整することができる。
また、コンデンサ55の電圧は、脈流電圧であるので、第
3図(a),(b)のIc/d,VCEは、同図(f),
(g)のような包絡線を持った波形となっている。
このように定常時は、同期制御により、インバータ33は
同期発振動作を行う。しかしながら、同期発振器61は、
インバータ33の起動時の一定時間(例えば1〜2秒)、
起動制御部42の変調信号により次のような変調動作を行
う。
第4図(a),(b),(c)はこの変調動作時に於け
るIc/d,VCE,VGの波形を示すものであり、第3図
(a),(b),(c)のように、共振回路の共振動作
に同期した同期制御は行なわれていない。すなわち、第
3図(b)においては、VCEの波形として現れる共振動
作波形は、共振回路の共振周期に近い波形であり、これ
に同期してMBT58のオンオフが制御されているが、第4
図(b)に示すように変調動作時においては、共振回路
の共振周期Trの約3倍の非導通時間▲T off▼となっ
ている。
このように、完全な同期発振制御を行わなくても、第4
図に示すように、▲T off▼をTrの約3倍に略々等し
くなるように制御することによってVCEの小さいところ
でMBT58をオンにし、MBT58のスイッチング時のICSを比
較的小さく押え、スイッチングロスを低減することがで
き、同時にVAKを比較的小さく押えながら十分なヒータ
電流を供給することができる。
第5図は、起動時における導通時間▲T on▼とヒータ
電流IHの関係を、▲T off▼/Trをパラメータとして示
した図であり、▲T off▼/Trが大きい程、低いVAK
ありながら大きなヒータ電流を流せることを示してい
る。また同時に同図にはこの時の動作周波数▲T
が示されており、定常時の動作周波数fOを約30kHzとし
たときのものである。この時カソードヒータのインピー
ダンスは約0.3Ω、インダクタンス要素のインダクタン
スは約4μHであり、通常の電子レンジに用いられるマ
グネトロンのカソードインピーダンスとそのフィルタ用
チョークコイルのインダクタンスである。
このように、共振コンデンサの共振周期の約3倍の非導
通時間(すなわち、▲T off▼/Tr≒3)とすること
で、VAKを比較的低くおさえ、かつ動作周波数▲f
▼を過度に低下させることなく、十分な起動時ヒータ電
流▲I ▼(約10A)を供給することができる。
▲T off▼がTrの約3倍からかなりはずれると、すな
わち、共振周期の2.5倍又は3.5倍などのようになると、
c/d,VCE,VGは、第4図(d),(e),(f)のよう
になる。すなわち、VCEが大きい値の時にMBT58がオンす
ることになり、ICSは同図(d)のように極めて大きな
値となる。従って、MBT58のスイッチング損失が著しく
大きくなり、MBTの信頼性の低下を余儀なくされるばか
りでなく、放熱のために大きな冷却フィンを必要とする
など、高価格化をひき起こすという不都合を生じてしま
うのである。第4図(d),(e),(f)の場合、▲
off▼はTrの約2.5倍となっている。
このように、MBT58の導通時間▲T on▼を定常時のTon
より小さく制御すると同時に、非導通時間▲T off
を定常時のToffより大きく、かつ、共振回路の共振周期
Trの約3倍に略々等しく制御して、結果として繰り返し
周期▲T ▼を定常時のTOより大きく制御するのであ
る。この結果、MBT58のスイッチング損失を小さく押え
つつ、インバータの起動時にTOを▲T ▼に低下させ
ることができ、昇圧トランス35の2次巻線37に発生する
高電圧を抑制し、かつ、マグネトロン39のカソードにヒ
ータ巻線38から供給されるヒータ電流を定常時と同等か
それ以上の値に制御することができる。しかも、▲T
▼は、過度に低下して耳ざわりな音を発生させること
もない。これら▲T on▼,Ton,▲T off▼,Toff,TO,
▲T ▼は、マグネトロン39のヒータ回路に設けられ
たインダクタンス要素41a、および41bのインピーダンス
とカソードヒータのインピーダンスとの比および、昇圧
トランス35と共振コンデンサ56との値をどの程度に選ぶ
かによって実現することができる。
例えば、一例を示すと次のようになる。今、第2図に示
すように、ヒータ回路のインダクタンス要素41a,41b
は、マグネトロンのTVノイズ抑制用のフィルタを構成す
るチョークコイルと兼用するよう構成されている。従っ
て、そのインダクタンスは、それぞれ1.8μH程度に選
ばれており、合計3.6μHである。また、カソードヒー
タのインピーダンスは、0.3Ω程度でよく実用に供され
ている。
このような条件のマグネトロンと適当な定数の昇圧トラ
ンスと共振コンデンサとを用いた発明者らの実験によれ
ば、同期発振器61を起動制御部42により次のように変調
させることにより、起動時のアノードカソード間電圧V
AKOを約8kVに維持したうえで、起動時のヒータ電流▲I
▼を、定常時のIHより大きくすることが可能であっ
た。すなわちTO=40μS,Ton=29μS,Toff=11μSに対
して、▲T ▼=63μS,▲T on▼=8μS,▲T
off▼=55μSに変調させることにより、IH=10.5Aで▲
▼=12Aを実現し、極めて安定な起動を実現する
ことができ、かつ、変調時のMBT58の平均損失を50W程度
にすることができた。したがって、起動時のヒータ電力
▲P ▼は、定常時のPHに比べて、▲P ▼/PH
(12A/10.5A)≒1.3となり、極めてすみやかなヒータ
の加熱を実現でき、しかも、MBTの過大損失の発生を防
止し、大きな放熱フィンを用いることなく高信頼性が保
証できるのである。また、この時の動作周波数は約16kH
zとなり、過度な耳ざわり音を発生することも防止でき
るのである。
第6図は、上述の起動時の状態を示す図であり、同図
(a)〜(f)はそれぞれインバータの動作周波数f
O(=I/TO),Ton,Toff,IH,VAK,IAが起動時から定常時に
かけて、どのように変化するかを示したものである。起
動制御部42によりTon,Toffが▲T on▼,▲T off
に制御されている時間tS=1.5秒の間は、インバータ出
力が低くおさえられて、VAKO=8kVに制限されるにもか
かわらず、▲I ▼は定常時のIH=10.5Aより大きい1
2Aに制御されている。
以上のように制御することにより、高電位になるヒータ
回路に面倒な共振回路を構成することなく、異常高電圧
の発生を防止したうえでスピーディーなマグネトロンの
発振開始を実現することができ、しかも、カソードのエ
ミッション不足が生じることを防止して、極めて高い信
頼性を実現した高周波加熱装置を実現することが可能で
ある。そして、この時生じやすいMBT58の損失増大を小
さく抑制し、過大な冷却装置を用いることなく、その高
い信頼性を保証することができると同時に過度に動作周
波数を低下させて耳ざわりな音を発生させ、機器の品質
を低下せることもない。
第7図は第2図のインバータ制御部34、起動制御部42の
さらに詳しい一実施例を示す回路図であり、第2図と同
符号のものは相当する機能の構成要素であり、詳しい説
明を省略する。同図はインバータ制御部34の同期発振器
61と、起動制御部42の具体的構成例を示すものであり、
第3図(b)に示した同期信号を得るために、コンデン
サ55の電圧VccとMBT58のコレクタ電圧とが、それぞれ抵
抗器100,101および102,103による分割電圧としてコンパ
レータ104で検出される。コンパレータ104の立ち上り出
力は、遅延回路105、微分回路106とでパルス信号とな
り、オア回路107を介してRS−FF108をリセットする。RS
−FFの出力はMBT58のゲートを駆動し、同時にTonを決
定するオン時間タイマを起動する。オン時間タイマは、
抵抗器109〜111、コンデンサ112、ダイオード113、コン
パレータ114、基準電圧源115より構成されている。116
はインバータバッファであり、コンパレータ114の出力
は、これを介してRS−FFのS入力に加えられる。従っ
て、出力がHiになってから基準電圧源115で決まるTon
が経過するとがLoになるようにFFがセットされる。
FFの出力Qは、抵抗器117〜119、コンデンサ120、ダイ
オード121、コンバレータ122より成るオフ時間タイマを
起動するよう構成され、Toffの最大値を決定する。すな
わち、コンパレータ122の出力は、インバータバッファ1
23、ビブン回路124を介してオア回路107に供給されてお
り、QがHi(すなわち、がLoでMOSFET58がオフ)にな
ってから一定時間が経過しても同期信号がコンパレータ
104にて検出されなかった場合、RS−FFを強制的にリセ
ットしをHiにするものである。このオフ時間タイマに
より決定されるToffを、共振回路の共振周期の3倍に近
い値に設定しておけば、第4図(b)に示したように、
VCEが比較的小さい値の時、MBT58をオンにすることがで
き、しかも過度に動作周波数を低下させないのである。
なお、125はスタート回路で、インバータの起動時1パ
ルスだけオア回路107にパルスを与え、RS−FFをリセッ
トし、この回路を起動させるものである。
インバータ33の定常動作時は、コンパレータ104より同
期パルスがRS−FFに与えられ、前述した同期発振を行
い、インバータの各動作波形は第3図のようになる。
インバータの起動時は、抵抗器125〜128、コンデンサ12
9、コンパレータ130、インバータバッファ131、ダイオ
ード132,133、抵抗器134より成る起動制御部42により、
この同期発振状態が阻止されて非同期発振状態に制御さ
れると同時に、Tonは定常動作時より小さい値に制御さ
れる。すなわち、インバータの起動時は、一定の時間tS
(1.5秒)の間、コンパレータの出力はHiであるので、
抵抗器103は実質上短絡されてしまい、コンパレータ104
は同期信号を検出することができなくなる。このためイ
ンバータは非同期状態となり、MBT58の非導通時間Toff
は、コンパレータ122などより成るオフ時間タイマで決
定される。このオフ時間を例えば55μSとしておけば、
第5図(c)のような状態を実現できるわけである。
また、コンパレータ130の出力は同時に、抵抗器134によ
り基準電圧源115の電圧を抵抗器110とで分割してコンパ
レータ114に与えるよう動作する。したがって、tSの間
のTonはこのオン時間タイマの設定時間が小さくなるの
で、定常時より小さくなり、例えば、このオン時間タイ
マの設定を8μSとすることで、第5図(b)の状態を
実現できるわけである。
このように、非導通時間を制限するタイマを有する同期
発振型のインバータ制御部を構成し、インバータの起動
時に一定時間tSの間、同期信号を遮断し、同時にTonを
定常時のTonより小さく制御すると共に、非導通時間
を、共振回路の共振周期の約3倍に一致させることによ
り、半導体スイッチ素子の損失を小さく押え、過大な冷
却構成を必要とすることなく高い信頼性を保証すると共
に、過度にその動作周波数を低下させることなく従来の
不都合を解消することができ、面倒な共振回路をヒータ
回路に設けることなく、マグネトロンのスピーディーな
立ち上がりとその高信頼性を保証することができ、しか
も極端に耳ざわりな音を発生させて、機器の品質を低下
させることもない高周波加熱装置を実現することができ
る。
発明の効果 以上に述べたように、本発明は、インバータの出力を昇
圧トランスを介してマグネトロンのアノードカソード間
とカソードヒータとに供給する構成とし、カソードヒー
タに直列にインダクタンス要素を設けると共に、インバ
ータの起動時に変調信号を与える起動制御部を設け、こ
の変調信号によりインバータ制御部が半導体スイッチの
導通時間を定常時より小さくし、かつ、非導通時間を共
振コンデンサの共振周期の略々3倍に大きくすることに
より実質上インバータの動作周波数を低下させるよう構
成したので、高電位になるヒータ回路に面倒な共振回路
を設けることなく、しかも、半導体スイッチの損失を小
さく押えた上で起動時の異常高電圧の発生を防止し、し
かもスピーディーなマグネトロンの発振開始を実現する
ことができる。さらに、起動時に十分なカソードのプレ
ヒートができるのでカソードのエミッション不足現象の
発生を防止、カソードの劣化を防ぐことができ、しか
も、過度に耳ざわりな音を発生させて品質の低下を生じ
ることもないので、高い信頼性と高品位とを保証した高
周波加熱装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す高周波加熱装置のブロ
ック図、第2図は同装置のさらに詳しい回路を示す回路
図、第3図(a)〜(g)は同回路の各部動作波形図、
第4図(a)〜(f)は同回路の起動時における各部動
作波形図、第5図は非動通時間をパラメータとする起動
時の動作特性図、第6図(a)〜(f)は同回路の各動
作パラメータの起動時の変化を示す波形図、第7図は同
回路のインバータ制御部および起動制御部のさらに詳し
い回路を示す回路図、第8図は従来の高周波加熱装置の
回路図、第9図は同装置の動作周波数に対する特性図、
第10図(a)〜(c)は同装置の起動時の特性図、第11
図はヒータ電力と発振開始時間の関係図、第12図(a)
〜(c)は同装置の起動特性説明図である。 31……電源部、32……半導体スイッチ、33……インバー
タ、34……インバータ制御部、35……昇圧トランス、39
……マグネトロン、40……カソードヒータ、41……イン
ダクタンス要素、42……起動制御部、56……共振コンデ
ンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 別荘 大介 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 丹羽 孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 楠木 慈 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 下谷 毅夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−66892(JP,A) 特開 昭63−66893(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電源部と、少なくとも1つの半導体スイッ
    チと共振コンデンサとを有するインバータと、マグネト
    ロンに高圧電力およびヒータ電力を供給する昇圧トラン
    スと、前記マグネトロンのカソードに直列に接続された
    インダクタンス要素と、前記半導体スイッチを制御する
    インバータ制御部と、前記インバータの起動時に前記イ
    ンバータ制御部に変調信号を与える起動制御部とを備
    え、この変調信号により前記半導体スイッチの導通時間
    を定常時より小さく制御し、その非導通時間を定常時よ
    り大きくかつ前記共振コンデンサの共振周期の約3倍に
    制御して、動作周波数を低くするよう前記インバータ制
    御部を構成した高周波加熱装置。
  2. 【請求項2】インバータの定常動作時におけるインダク
    タンス要素のインピーダンスをマグネトロンのカソード
    のインピーダンスと略同等かもしくはそれ以上となるよ
    う構成した特許請求の範囲第1項記載の高周波加熱装
    置。
  3. 【請求項3】インダクタンス要素をマグネトロンのフィ
    ルタ用チョークコイルと兼用する構成とした特許請求の
    範囲第1項又は第2項記載の高周波加熱装置。
  4. 【請求項4】カソードのインピーダンスを約0.3Ωと
    し、定常時のインバータの動作周波数を約30kHzとする
    と共に、インダクタンス要素のインダクタンスを約4μ
    Hに構成し、起動時に動作周波数を約半減するようイン
    バータ制御部を構成した特許請求の範囲第1項ないし第
    3項記載の高周波加熱装置。
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JPH0244684A (ja) * 1988-08-01 1990-02-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高周波加熱装置用インバータ電源装置
JPH0244683A (ja) * 1988-08-01 1990-02-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高周波加熱装置用インバータ電源装置

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