JPH07966A - 純水の電解による水素イオンまたは水酸イオンと酸化還元物質が共存した液およびその製造方法 - Google Patents

純水の電解による水素イオンまたは水酸イオンと酸化還元物質が共存した液およびその製造方法

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JPH07966A
JPH07966A JP34649491A JP34649491A JPH07966A JP H07966 A JPH07966 A JP H07966A JP 34649491 A JP34649491 A JP 34649491A JP 34649491 A JP34649491 A JP 34649491A JP H07966 A JPH07966 A JP H07966A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 純水あるいは超純水を電解して、対イオンを
添加せずに、H+ イオンまたはOH- イオンと酸化還元
物質が共存する液を提供する。 【構成】 イオン交換樹脂の両側にアノード極とカソー
ド極を密着させた構造の電解槽を用いる。電極材とイオ
ン交換膜の種類を変えることにより、H+ イオン、又は
OH- イオンを選択的に生成させ、水のpHを酸性また
はアルカリ性にすると共に、電解で生じるH・ラジカ
ル、OH・ラジカル、H2 、O2 、O3、H22 など
の酸化還元物質を共存させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高純度の水を電気分解
することにより、対イオン濃度より過剰な濃度の水素イ
オン、または水酸化イオンと酸化還元種が共存する水
で、洗浄または表面処理に適した水を提供することにあ
る。
【0002】
【発明の背景と従来の技術】水のpHおよび酸化還元能
力は、洗浄または表面処理の分野で非常に重要な因子で
ある。以下で、まず洗浄の分野でpHおよぴ酸化還元能
力が、どのような役割をはたしているか、またpHおよ
び酸化還元能力をどのようにコントロールしているかに
ついて説明する。
【0003】洗浄の対象となる汚染物質は、イオン状物
質、反応生成物、および液体または粒子状物質に分類さ
れる。イオン状物質の汚染形態は、ガラス表面などにみ
られるイオン交換による吸着、半導体や金属表面でみら
れるイオンの静電的引力による付着、および半導体、金
属、セラミックス表面層へのイオンの拡散による侵入な
どに大別される。反応生成物による汚染形態は、ボイラ
ーのスケールのような水中不純物の沈積付着、および金
属表面に発生する酸化被膜または錆がこの分類になる。
【0004】一方、粒子状物質による汚染機構は複雑で
ある。化学的結合による付着、ファンデルワールス力ま
たは水素結合などの物理化学的結合による付着、および
静電力または磁気力による物理的付着などが挙げられ
る。
【0005】以上の汚染物質のうち、イオン状物質は、
純水または超純水のように高純度の水で洗浄することが
一般的で、半導体などの場合には電気抵抗率が、約18
MΩ/cmの超純水が用いられる。反応生成物は、通常
化学薬品を用いて洗浄される。スケールなどは、酸とキ
レート剤を組み合わせた薬剤が用いられ、特にクエン
酸、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸等は、両
者の機能を合わせもつのでこれらの薬品はしばしば使用
される。
【0006】一方、金属表面の酸化被膜の溶解による除
去速度は、pHと酸化還元能力に強く依存する。例えば
鉄の酸化被膜を構成する四三酸化鉄(Fe34 )は、
pHが約4以下の酸性でかつ還元性の水溶液中でよく溶
解する。これらの酸化被膜を溶解させるための代表的な
薬剤として、蓚酸、クエン酸、およびエチレンジアミン
四酢酸の組み合わせがある。ここで蓚酸は、酸であると
ともに還元剤としても作用する。これに対し、クロム鋼
の表面酸化被膜は、酸化性の溶液中で溶解する。代表的
な薬剤として水酸化ナトリウムと過マンガン酸カリウム
の組み合わせ、またはフッ酸と硝酸の組み合わせなどが
ある。
【0007】半導体のシリコンウエハ洗浄の分野で、表
面層をエッチングする事により洗浄する場合がある。こ
の場合アンモニア水と過酸化水の組み合わせ、水酸化ナ
トリウム、硝酸などが洗浄液として用いられる。シリコ
ンウエハ洗浄の場合のように、液体または被膜状の汚染
物質の除去には、汚染物質を酸化分解または溶解による
方法が適用されている。具体的には、酸化分解の場合、
硫酸(H2 SO4 )と過酸化水素(H22 )の組み合
わせ、または水酸化アンモニウム(NH4 OH)とH2
2 の組み合わせなどがある。無機物質を溶解法する場
合には、塩酸(HCl)とH22 、H2 SO4 とH2
2 、HClと硝酸(HNO3 )およびH2 SO4 とH
NO3 の組み合わせなどである。なお有機物質を溶解す
る場合には、トリクロロエタン、ジクロロエタンなどの
有機塩素系溶剤が使用される。
【0008】以上の説明から明らかなように、水のpH
と酸化還元能力は、洗浄および表面処理において重要な
役割をはたしている。水のpHを酸性またはアルカリ性
にし、酸化還元能力を付与するためには、化学薬品を添
加する方法と電解を利用する方法がある。薬品を用いて
pHを酸性にシフトさせるためには、酸を用いるのでH
+ イオンの対イオンとしてCl- 、SO2-、NO3-、C
3 COO- などの陰イオンが存在することが必要であ
る。一方pHをアルカリ性にシフトさせるためには、塩
基を用いるのでOH- イオンの対イオンとして、Na
+ 、K+ 、Ca2+などの金属イオンが共存することが必
要となる。このように薬品を使用する場合対イオン無し
にH+ またはOH- イオンを水に添加することは不可能
である。
【0009】薬品を用いずにpHをコントロールする方
法として電解法がある。具体的にはカソード極とアノー
ド極の間に隔膜を設けた隔膜電解法が用いられる。従来
の隔膜電解法ではカソード極、隔膜とアノード極の間に
距離があり、電解するためには液の電気抵抗を下げるこ
とが必要であった。このためには電解質、すなわち塩類
を水に添加することが不可欠である。陰イオンと陽イオ
ンからなる塩類を添加した液を電解すると、陰イオンは
アノード極に陽イオンはカソード極に移行する。この結
果として、アノード室は酸性に、カソード室はアルカリ
性となる。従って、従来の電解法では、H+ イオンまた
はOH- イオンを増加するに伴って、対イオンも増加す
ることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】洗浄または表面処理の
工程で、酸またはアルカリと酸化還元剤を使用した場合
+ またはOH- イオンとともに対イオンが共存し、洗
浄または表面処理の後に、これらのイオンの残留が問題
となる。例えば金属の洗浄の場合、陰イオンが残留する
と腐食発生が懸念される。特にCl- などのハロゲンイ
オンは、腐食を加速することがよく知られている。半導
体の場合、陰イオンおよび陽イオンを問わず、イオン性
不純物が表面に残留することを避けることが必要であ
る。これらイオン性不純物が残留すると、キャリアーの
トラップ源となり、半導体の性能が劣化することが知ら
れている。これらの残留イオンを除去するためには、薬
品洗浄後、リンスを充分行うことが必要となり、特に半
導体の分野では大量の水が、リンスに使用されている。
具体的には、1枚のシリコンウエハあたり数tの水が必
要とされている。近年水資源の不足が問題となってお
り、生産量を確保する意味から、水の使用量を低減する
ことは緊急かつ重要課題となりつつある。
【0011】化学薬品を使用せずに、H2 0の分解生成
物で洗浄または表面処理ができるならば、残留イオンの
問題は大きく低減される。ところでH2 Oは、以下に示
す酸化還元反応に従って分解することが知られている。
ここで、E。は標準酸化還元電位である。
【0012】 O2 +H+e- ←→HO2 E。=−0.13 V (1) 2H+ +2e- ←→H2 E。=+0.0 V (2) O2 +2H+ 十2e- ←→H22 E。=+0.69 V (3) H22 +H+ +e- ←→OH・+H2 OE。=+0.71 V (4) O2 +2H+ +4e- ←→2H2 O E。=+1.229V (5) HO2 +H+ +e- ←→H22 E。=+1.495V (6) H22 +2H+ +2e- ←→2H2 O E。=+l.77 V (7) O3 +2H+ +2e- ←→O2 +H2 O E。=+2.07 V (8) OH- +H+ +e- ←→H2 O E。=+2.85 V (9) H2 O+e- ←→H・+OH- E。=‐2.93 V (10) 2H2 O+2e- ←→H2 +2OH- E。=‐0.828V (11) O2 +2H2 O+4e- ←→4OH- E。=−0.401V (12) O2 +H2 O+2e- ←→HO2 +OH- E。=−0.08 V (13) HO2 -+H2 O+2e- ←→3OH- E。=+0.76 V (14) O3 +H2 O+2e- ←→O2 +2OH- E。=+1.24 V (15) OH- +e- ←→OH- E。=+2.02 V (16) 以上の反応式から明らかなように、酸化還元反応によ
り、H2 0からH+ イオン、OH- イオン、H・ラジカ
ル、OH・ラジカル、H2 、O2 、HO2 、O3などを
生成させる方法として電解法が注目される。電解反応
は、一般的に水溶液の電解質、電極材質、電流密度およ
び電解電圧に依存する。電解により、水のなかに分解生
成物を作る時に電解質を含むと、対イオンを添加したの
と同様な結果になるので、電解質濃度すなわち不純物を
極力低減した水を、出発物質として用いることが必要で
ある。
【0013】なお、H22 ,H2 ,O2 ,O3 などの
ような酸化還元種は、電解生成後に精製することが可能
である。電解質溶液中で作ったこれら化学種を、H+
オンまたはOH- イオンを含む水に添加してもよい。ど
ちらにしても対イオンを添加しないでH+ イオンまたは
OH- イオンを含む水を得ることが必要である。
【0014】本発明は、電気抵抗が0.01MΩ/cm
以上の純水または10MΩ/cm以上の超純水を電気化
学的に処理することにより、対イオンを添加しないでH
+ イオン、または、OH- イオンを生成し、これらをH
22 、OH・ラジカル、H・ラジカル、H2 ,O2
3 などの酸化還元種を組み合わせ、洗浄および表面処
理に適した水を提供することを目的とする。
【0015】対イオンをもたないH+ イオン、またはO
- イオンを含む水溶液を得るためには、原水として純
水または超純水を用いることが必要である。純水を電解
する事は、電気抵抗が高いため通常困難であるが、図1
または図2に示す電解槽を用いることにより可能とな
る。
【0016】以下で、これら電解槽の構造について説明
する。
【0017】図1に示すように、イオン交換膜1の両側
にカソード極2とアノード極3を密着させた構造の電解
槽4が用いられる。カソード室9には、入口5および出
口6が設けられ、またアノード室10には、入口7およ
び出口8が設けられる。このような構成において、イオ
ン交換膜として例えばフッ素樹脂に陽イオン交換基(−
SO3 H基)を導入した陽イオン交換膜を用いると、電
解電圧数ボルト(V)にまで下げることが可能となり、
純水または超純水の電解が容易に行える。
【0018】アノード極では、O2 またはO3 などの酸
化性物質が生成され、これがイオン交換膜を介してカソ
ード室に移行し、カソード極で生成される還元種の性能
が、低下する場合が考えられる。これらの問題が懸念さ
れるときは、図2に示す電解槽が有効である。図2の電
解槽25において11および12はイオン交換膜、13
はカソード極、14はアノード極、15はカソード室2
1の入口、16は同出口、17はアノード室22の入
口、18は同出口、19は中間室23の入口、20は同
出口である。中間室23には、溶存酸素濃度(DO)を
低減した水を通水する事により、アノード極で生成した
酸化性物質の透過を防止する。高純度の窒素N2 (また
はアルゴンAr)ガスを用いて溶存酸素濃度(DO)を
下げる。
【0019】図1に示す電解槽において、例えばアノー
ド極とカソード極に白金を用い、イオン交換膜としてデ
ュポン社製のナフィオン117を用いると、アノード極
で(5)式の反応が、カソード極で(2)式の反応が起
こる。具体的には、アノード極で生成されたH+ イオン
は、カソード極でH2 に還元され、アノード室の水およ
びカソード室の水とともに、pHの変化は観測されない
ことになる。ただし、アノード室の水はO2 発生のため
酸化性に、カソード室の水はH2 発生のため還元性とな
るが、pHの変化がないため、本発明の目的は達成され
ない。
【0020】
【課題を解決するための手段及び作用】電気化学反応
は、電極の反応の起こりやすさの目安である反応過電圧
に強く依存することが知られている。理想的な白金の水
素過電圧は、0Vと非常に小さいので、カソード極であ
る白金の表面に吸着したH+ イオンは、容易に水素原子
に還元された後、速やかにH2 ガスに変わる。図1の電
解槽においてアノード極とカソード極に白金を用い、イ
オン交換膜としてナフィオン117を用いたとしてもp
Hの変化が得られない。そこで、白金に比べて水素過電
圧が0.6Vと高い炭素を電極に用いると、H+ イオン
の還元反応が起こりにくくなり、電極周囲のH+ イオン
濃度が増加する。このような状況の電極に通水する事に
より、H+ イオンが部分的に除去される。この結果対イ
オンがなく、H+ イオン濃度が高く酸性の水が得られる
ことになる。なお一部のH+ イオンは、H・ラジカル
(H原子)またはH2 ガスに還元されることにより、電
解液には還元性の化学種が含まれることになり、本発明
の目的の一つである対イオンを含まず、酸性かつ還元性
の液が得られることになる。カーボンとしては500℃
から800℃の比較的低温で焼成したものが望ましい。
低温焼成カーボンは、電気抵抗が大きいので、例えば1
000℃以上で焼成したカーボンの上にさらに500〜
800℃で焼成したカーボンをコーティングしてもよ
い。このような液を得るためには、白金より水素過電圧
が高い電極材料を使用すればよく、カーボン電極に限定
されるものではない。水銀およびその金属化合物、鉛な
ども有用である。イオン交換膜もナフィオン117に限
定されるものでないが、フッ素樹脂に−SO3 H基、ま
たは−COOH基が結合した材料が望ましい。電解条件
として電流密度が低い方が望ましく、約20mA/cm
2 以下が適している。電極表面の流速は速い方が望まし
く、電極表面の線速度として1cm/secが望まし
い。なお、図2に示す電解槽において中間室に酸を入れ
ると、陽イオン交換樹脂膜により、陰イオンは排除され
て、H+ イオンをカソード室に供給することが可能とな
り、より強い酸性の液が得られる。
【0021】次に図1の電解槽において、イオン交換膜
として陰イオン交換膜をアノード極とカソード極に白金
を用いた場合、陽イオン交換膜と異なり、カソード極で
ある白金の表面にはH+ イオンは存在しない。陰イオン
交換膜として具体的にナフィオン117とエチレンジア
ミン(NH2 CH2 CH2 NH2 )を反応させ、交換基
として−SO2 NHCH2 CH2 NH2 基が結合したフ
ッ素樹脂性の膜が使用できる。H+ イオンが不足してい
る状態で電解するとカソード反応は(10)式あるいは
(11)式で示されるようにH2 Oの還元分解反応とな
る。これらの式から明らかなように白金の周囲にOH-
イオンが生成されるようになる。また同時にH・ラジカ
ルまたはH2 ガスが発生する。このようにして対イオン
がなくて、アルカリ性で還元性の水が得られる。
【0022】陰イオン交換膜としては、フッ素樹脂−S
2 NHCH2 CH2 NH2 基が結合した膜に限定され
るものでなく、陽イオン交換基が結合した交換膜ならば
使用可能である。この場合は、電解電流密度の高い方が
望ましく、5mA/cm2 以上が適している。通水速度
は電極表面の線速度として1cm/sec以上が望まし
い。電極として白金、パラジウム、ステンレス鋼、金、
銀、炭素鋼、ニッケル合金、鋼などアルカリ性の溶液中
で安定な金属が望ましい。この他に1000℃以上の高
温で焼成したグラファイトも有効である。
【0023】一方、アノード電解により水は酸化分解さ
れ、H2 Oから(5)式または(8)式にしたがって、
+ イオンが生成される。図1の電解槽において、イオ
ン交換膜に陽イオン交換膜を使用すると、H+ イオンは
カソード室に移行し、アノード室の液のpHは変化しな
い。陰イオン交換膜を用いると、H+ イオンはカソード
室に移行せず、アノード室にとどまることになり、pH
は酸性側にシフトする。このときカソード極で生成され
るOH- イオンは通水に除去すると、アノード側のpH
の変化は大きくなる。さらにアノード電解液は(5)式
と(8)からわかるようにO2 またはO3 ガスが発生
し、酸化性能をもつことになる。陰イオン交換膜とし
て、フッ素樹脂に−SO2 NH2 CH2 CH2 NH2
などの陰イオン交換基が結合している膜が望ましいが、
陰イオン交換基は特別な交換基に限定されるものではな
い。電解電流密度として2mA/cm2 以上が望まし
く、通水量は線速度として1cm/sec以上が望まし
い。電極材料としてアノード反応に安定な白金、パラジ
ウム、酸化鉛(β−PbO2 )が望ましい。
【0024】また、電解と異なる方法として、イオン交
換樹脂を用いてH+ イオンまたはOH- イオンを含む水
を得る方法がある。例えば、−SO3 H基をもっイオン
交換樹脂を純水または超純水に浸漬したとき、一部の−
SO3 H基は下式のように −SO3 H ←→ −SO3 -+H+ 一部解離する。この解離したH+ イオン水の中に移行す
るので、この水を用いることにより対イオンを添加しな
いでH+ イオンが存在する水を用いることが可能とな
る。一方、酸化還元種として、H2 、O2 、H22
3 などは電解により生成できる。電解効率を上げるた
めに電解質溶液を用いてこれら酸化還元種を電解生成し
た後、精製することにより、不純物イオンを含まない酸
化還元種を得ることができる。以上のH+ イオンが存在
する水に酸化還元種を添加することにより、本発明の目
的の水が得られる。陽イオン交換樹脂としてフッ素樹脂
に−SO3 H基が結合したイオン交換樹脂、スチレンー
ジビニルベンゼン(DVB)樹脂に−SO3 H基が結合
したイオン交換樹脂が望ましい。具体的にはデュポン社
製のナフィオンNR−50、オルガノ社製のアンバーラ
イト(商品名;Amberlite)IR−116、I
R−118、IR−120B、IR−122、三菱化成
社製のダイアイオン(商品名;Diaion)SK10
2、SK104、SK1B、SK110、SK116、
ダウケミカル社製のダウエックス(商品名;Dowe
x)HCR−W2、HCR−S、HGR−Wなどが挙げ
られる。
【0025】一方、OH- イオンを含む水を作るときに
は、陰イオン交換樹脂を用いるとよい。陰イオン交換基
としてナフィオンNR−50とNH2 CH2 CH2 NH
2 を反応させた樹脂以外にスチレン−DVBに−N+
(CH33 基、−NC25OH(CH32 基が結
合したイオン交換樹脂が望ましい。具体的には、アンバ
ーライトIRA−401、IRA−402、IRA−4
00、IRA−430、IRA−411、IRA−41
0(オルガノ社製)、Diaion SA11A、SA
12A、SA10A、SA21A、SA20A(三菱化
成社製)、ダウエックスSBP−P、SBR、SAR
(ダウケミカル社製)などが挙げられる。このようにO
- イオンを含む水にH2 、O2 、O3 またはH22
を添加するする事により本発明の目的の水が得られる。
【0026】以上の方法により、対イオンを添加しない
で酸性でかつ、還元性または酸化性の水溶液およびアル
カリ性でかつ還元性または酸化性の水溶液を得ることが
できる。鉄系の金属表面酸化被膜の洗浄の場合、酸性で
かつ還元性の水溶液が有効である。両性酸化被膜を有す
るアルミニウム系金属の洗浄には酸性またはアルカリ性
でかつ還元性の水溶液が有効となる。シリコンウエハな
どの洗浄の場合用いる液性は汚染形態に依存するが、ま
ずH+ イオンまたはOH- イオンと酸化性の物質を組み
合わせた溶液が適している。一方、塩化ビニール樹脂、
アクリル樹脂などの洗浄にはアルカリ性でかつ還元性の
水溶液が有効である。
【0027】
【実施例】
実施例1 図1に示す電解槽において、アノード極に80メッシュ
の白金を、カソード極として活性化網目状ガラスカーボ
ン(RVC)を用いた。白金の寸法は80×60mm
で、RVCの寸法は90×70×25mmでその表面積
は約800m2 /gである。
【0028】この電解槽を図3に示す装置に組み込ん
だ。26は電解槽、27はカソード室、28はアノード
室を示す。カソード室には配管31を継ぎ、出口側にタ
ンク29を設ける。タンクにたまった水は、循環ポンプ
30を用いて電解槽に再循環する。機器・配管の素材に
は4フッ化エチレン樹脂などフッ素樹脂を使用した。タ
ンクの容量は3リットルとし、循環水量は1リットル/
minとした。電解電流は0.5Aに設定し、約1MΩ
/cmの純水を定電流電解した。pHはガラス電極で測
定し、酸化還元電位は、参照電極として銀/塩化銀(A
g/AgCl)電極を、試料極として白金を用いて測定
した。
【0029】図4にpHの経時変化を示す。pHは電解
開始とともに酸性側にシフトし、10分後に約4.65
になった。溶出する可能性のある陰イオンとしてSO4
2- とF- がある。電解液をサンプリングし、イオンク
ロマトグラフィを用いて分析したところ各々の濃度は
0.1ppm以下であった。この電解液に0.01規定
の水酸化ナトリウム(NaOH水)を滴定したところ、
使用したNaOHの量はpHの測定値に対する理論的な
値より小さかったが、pHは中性に戻った。これらの結
果は電解液中にH+ イオンが生成されていることを示
す。一方、酸化還元電位として約−0.527Vの値が
得られた。一般的に、pH4.6の水の酸化還元電位は
約+0.25Vであり、電解液の酸化還元電位は、この
電位より卑の方向にあり、溶液は還元性であることがわ
かる。
【0030】この電解液の効果を確認するために、空気
中において700℃で約2分間加熱し、表面にFe3
4 を形成させた炭素鋼を前述のタンクに浸漬し、洗浄し
た。図5に酸化物の溶出量の経時変化を示す。図中1の
曲線は前述のタンクにいれて電解液中で洗浄した結果を
示し、曲線2は純水中で洗浄した結果を示す。純水にお
ける酸化物の溶出量に比較して、電解液中の溶出量は1
桁以上大きくなっており、本発明の有効性がわかる。
【0031】実施例2 図2に示す電解槽を用い、アノード極として寸法が80
×60cmで80メッシーの白金網を、カソード極とし
て外形寸法80×60mmのカーボン電極を用いた。カ
ーボン電極は、ポリカルボジイミドを出発物質として、
厚さ0.5mmのシート状で図6に示す形状に約200
0℃で焼成したものである。この電極の表面にさらに同
じ樹脂をコーティングした後、約750℃で再度焼成し
た。中間室は90×70×25cmの寸法で、その中に
陽イオン交換樹脂であるナフィオンNR50を約160
g充填した。隔膜であるイオン交換膜として陽イオン交
換膜であるナフィオン117を用いた。この電解槽を図
7に示す装置に組み込んだ。
【0032】図7において、電解槽32はカソード室3
3、中間室34およびアノード室35から構成される。
超純水製造装置36からポンプ37を用いてこの電解槽
に超純水を供給する。カソード電解された液は配管39
を通ってタンクЗ8に溜められる。オーバーフローする
液は配管40を介して排出する。中間室に脱気した純水
を通水する。脱気用タンク41に純水を入れ、N2 ガス
ボンベ42から配管44を通し、バブラ43を用いてバ
ブリングする。バブリングしてDOを低減した純水を配
管46および循環ポンプ45を用いて中間室に供給す
る。なお、中間室の出口および入り口に止め弁47と4
8を取り付け、また機器・配管の接液面の材質は実施例
1と同様にフッ素樹脂とした。
【0033】流量1リットル/minで16.5MΩ/
cmの超純水を一方向に電解槽中を通水し、電解電流
0.25Aで定電流電解を行った。中間室にも流量0.
5リットル/minでN2 ガスにより脱気した水を通水
した。DOは約20ppbであった。タンク38にガラ
ス電極と白金電極を入れてpHと酸化還元電位を測定し
た。pHは6〜5の範囲になり、酸化還元電位は約−
0.65Vであった。酸化還元電位は実施例1より一層
卑の方向にあり、より強い還元種が生成されていると考
えられる。還元種の候補の一つとしては例えばH・(水
素ラジカル)などが挙げられる。
【0034】次に前述の電解槽においてカソード室と中
間室に設けたナフィオン117を取り外し、中間室に充
填したナフィオンNRとカーボン電極を直接接触させ
た。このとき中間室の出入口弁である弁47と弁48は
閉の状態にした。前述の電解条件と同じ流量1リットル
/min、電解電流0.25Aで定電流電解を行った。
pHは5〜4となり、より強い酸性の液が得られた。
【0035】実施例3 図1に示す電解槽において、イオン交換膜としてフッ素
樹脂に−SO3 NHOH2 OH2 NH2 基が結合した陰
イオン交換膜を用い、アノード極とカソード極に80メ
ッシュで80×60mmの白金を使用した。この電解槽
を実施例1と同様に図3の装置に組み込んだ1MΩ/c
mの純水を流量1リットル/minで循環し、電解電流
1.5Aで定電流電解を行った。ガラス電極と白金電極
とタンク2に入れてpHと酸化還元電位を測定した。図
8にpHの経時変化を示す。図から明らかなようにpH
は約15分後に10.5に到達した。酸化還元電位は約
−1.0Vになった。NaOHを純水に添加してpH1
0.5の水溶液を作ったときに酸化還元電位は約−0.
1Vであった。電解液の酸化還元電位は−0.1Vより
卑の方向にあり、強い還元性を示す。このように対イオ
ンを添加せずに、アルカリ性で還元性の電解液が得られ
た。
【0036】ハンダ付けしたプリント基盤を対象にこの
電解液の洗浄効果を確認した。約50×50mmの一つ
のプリント基盤をタンク2の中でpH10の電解液に3
0秒間浸漬し、他のプリント基盤は1MΩ/cmの純水
中に同じく30秒間浸漬した。浸漬後を各々のプリント
基盤の表面を純水で流し洗いした。この流し洗いした廃
液の電導度を測定することによりプリント基盤表面に残
留したイオンの量を評価した。図9に流し洗いの回数と
廃液の電導度との関係を示す。図中曲線1はプリント基
盤を純水に浸漬した場合で、曲線2はプリント基盤を電
解液に浸漬した場合を示す。図からわかるように電解液
に浸漬した方が廃液の電導度が速やかに小さくなる。こ
のことから電解液は純水より洗浄効果が高いことがわか
る。
【0037】実施例4 図2の電解槽においてアノード極とカソード極に80メ
ッシュで寸法が80×60mmの白金を、イオン交換膜
としてナフィオン117を用い、中間室にナフィオンN
R50を160g充填した。この例ではナフィオン11
7とカソード極の間に四フッ化エチレン樹脂性で100
メッシュの網をスペーサーとして挿入した。この電解槽
を図6に示すワンスルー方式の装置に組み込んだタンク
にガラス電極と白金電極を浸漬し、電解液のpHと酸化
還元電位を測定した。電気抵抗16.5MΩ/cmの超
純水を流量1リットル/minで通水し、電解電流1.
5Aで定電流電解した。pHは9.5から10の間に入
り、酸化還元電位は約−0.8Vを示した。このように
スペーサーを挿入することにより、白金カソード極表面
におけるH+ イオンの吸着量を低減するとH2 Oの還元
分解が起こることが立証された。
【0038】実施例5 図1の電解槽において、イオン交換膜に−SO2 NHO
2 0H2 NH2 基をもつ陰イオン交換膜を用い、アノ
ード極とカソード極に80メッシュで80×60mmの
白金を用いた。この電解槽を実施例2と同様に図3に示
す循環型の装置に組み込んだ。ただし、実施例2と異な
り、循環ラインにアノード室をつないだ。すなわちアノ
ード電解液を循環させた。タンクにガラス電極と白金電
極を浸漬した。
【0039】電気抵抗1MΩ/cmの純水を1リットル
/minの流量で循環し、0.5Aの電流で定電流電解
した。図10にpHの経時変化を示す。15分後にpH
は4.75に到達した。また酸化還元電位は+0.4V
と貴の方向にシフトし、酸性で酸化性の電解液が得られ
た。
【0040】実施例6 図2の電解槽において、アノード極とカソード極に80
メッシュで寸法80×60mmの白金を用い、中間室に
ナフィオンNR−50を約160g充填した。この例で
はアノード極とナフィオンNR−50の間のイオン交換
膜を除去し、カソード極とナフィオンNR−50の間の
みナフィオン117を挿入した。この電解槽を実施例2
で用いた図7に示す装置に組み込んだ。ただし、実施例
2と異なり、アノード室をワンスルーのラインに継い
だ。具体的にはアノード室を33に、カソード室を35
とした。さらに中間室の出入口の弁48と47は閉にし
た。流量1リットル/minで16.5MΩ/cmの超
純水をワンスルーで電解槽に通し、電流1.5Aで定電
流電解した。タンク38にガラス電極と白金電極を入れ
てpHと酸化還元電位を測定した。pHは5〜4に低下
し、酸化還元電位は約0.45Vであった。単純に酸を
用いてpHを5〜4にしたとき、酸化還元電位は0.2
〜0.3Vである。電解液の電位はこの電位より貴の方
向にあり酸化性であることがわかる。さらに電解液から
3 が発生していたのでこの酸化還元電位にはO3 が寄
与していると考えられる。
【0041】実施例7 スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂IR−120B(オ
ルガノ社製)のイオン交換基(Na形)を、まず濃硫酸
を用いて−SO3 Naを−SO3 H形に変化させ、イオ
ン交換樹脂は純水で充分洗浄した。最終洗浄液を100
mlサンプリングし、これに0.01モル(M)の塩化
バリウムの水溶液を10cc添加したが沈澱の発生はみ
られなかった。この結果からイオン交換樹脂から溶出す
るSO4 2- イオンは0.1ppm以下と判断される。
【0042】イオン交換樹脂を5gとり、これを約1M
Ω/cmの純水にl00ccに添加し、10分間放置す
る。上澄み液をとり、ガラス電極でpHを測定したとこ
ろ3.6の値が得られた。上澄み液40mlに0.01
MのNaOH水を0.4ml添加したところガラス電極
のpHは6.3を示した。この結果から上澄み液の中に
+ イオンが存在していることがわかる。すなわち対イ
オンを添加しないで酸性の液が得られたことになる。こ
れに30%のH22 を添加することにより、対イオン
を添加しないで酸でかつ酸化性の液が得られる。
【0043】この液の効果を、ガラス表面に付着した指
紋の除去速度により評価した。前述の酸性の水40ml
に30%H22 を1g添加した液と、純水に30%H
22 を1g添加した液を準備した。指紋をつけたガラ
スを2枚用意し、各々の液に浸漬し、約1時間容器で放
置した。1時間表面の状況を観察したところ、酸性の液
に浸漬したガラスの表面の指紋は除去されるが、純水の
方は指紋が残留していた。これらの結果から酸性でかつ
酸化性の液の有効性が判断される。
【0044】実施例8 図2の電解槽において、アノード極に80メッシュで、
寸法が80×60mmの白金を用い、カソード極には実
施例2と同様に、表面層に約750℃で焼成したカーボ
ンを有するカーボン電極を用いて、隔膜としてナフィオ
ン117とナフィオン117より陰イオン排除能力の高
いナフィオン324の両方を重ねて用いた。中間室に
は、アンバーライトl5(オルガノ社製)を170g充
填した。この電解槽を図7に示す装置に組み込んだ。
【0045】図7における超純水製造装置36から、ポ
ンプ37を用いて電解槽のカソード室33に超純水を供
給する。カソード電解された液は、配管39を介してタ
ンク38に溜められる。オーバーフローした液は、配管
40を通じて排出される。中間室タンク41には、H+
イオンをより多く供給するために、ポリアクリル酸を
0.0lM溶解させた液を入れる。なお、ポリアクリル
酸自体は、陽イオン交換膜により、カソード室ヘ移行す
ることはない。この液をN2 ガスボンベ42から配管4
4を介し、バブラー43を用いてバブリングする。バブ
リングして溶存酸素濃度(DO)を低減した液を、配管
46及び循環ポンプ45を用いて中間室に供給する。
【0046】流量1リットル/minで、16.5M/
cmの超純水を一方向になるようにして、カソード室内
に通水する。この状態で、電解電流0.25Aの定電流
解析を行った。中間室には、脱気したポリアクリル酸水
溶液を0.5リットル/minで通水した。タンク38
に、ガラス電極と白金電極を挿入し、pHと酸化還元電
位を測定した。pHは5〜4に低下し、酸化還元電位は
約−0.7Vであった。中間室にポリアクリル酸溶液を
入れることにより、実施例2と比べより強い酸性の液が
得られた。
【0047】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明により、
Cl- 、SO4 2- 、NO3 -などの陰イオンおよびNa
+ 、K+ などの陽イオンを用いずに酸化還元性能を有す
る酸性またはアルカリ性の液を得ることができる。
【0048】また本発明により以下に挙げる効果が得ら
れる。
【0049】酸性で還元性の液は、金属表面の酸化被膜
または錆の溶解除去すること、シリコンウエハの酸化を
防止しながら表面を洗浄することなどに有効である。さ
らに大きな利点は洗浄後に金属の腐食を進行させるCl
- イオンまたシリコン半導体の電子のトラップ源とな
る。Na+ 、K+ イオンなどの有害なイオンが残留しな
いので最終洗浄のため純水または超純水の使用量を低減
することが可能となる。酸性で酸化性の液は、シリコン
ウエハ、ガラスなどの表面に付着した有機物の分解除去
に有効である。アルカリ性で還元性の液を用いるとプリ
ント基盤などの表面に残留したCl- イオンなどの除去
速度が単なる純水よりも大きくなる。このように電解液
を用いるとイオン性不純物の除去速度が大きくなり冷却
用水の低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる電解槽の構成概要一例を示した
図、
【図2】本発明で用いる電解槽の構成概要を示した図、
【図3】実施例1で用いた試験装置の構成概要を示した
図、
【図4】実施例1の結果を示した図、
【図5】実施例1の結果を示した図、
【図6】実施例2で用いた電解槽に組み込むカーボン電
極を示した図、
【図7】実施例2で用いた試験装置の構成概要を示した
図、
【図8】実施例3の結果を示した図、
【図9】実施例5の結果を示した図。
【符号の説明】
1…イオン交換膜、2…カソード極、3…アノード極、
4…電解槽、5…カソード室入口、6…カソード室出
口、7…アノード室入口、8…アノード室出口、9…カ
ソード室、10…アノード室、11、12…イオン交換
膜、13…カソード極、14…アノード極、15…カソ
ード室入口、16…カソード室出口、17…アノード室
入口、18…アノード室出口、19…中間室入口、20
…中間室出口、21…カソード室、22…アノード室、
23…中間室、25…電解槽、26…電解槽、27…カ
ソード室、28…アノード室、29…タンク、30…循
環ポンプ、31…配管、32…電解槽、33…カソード
室、34…中間室、35…アノード室、З6…超純水製
造装置、37…ポンプ、38…タンク、39…配管、4
0…廃液配管、41…脱気用タンク、42…窒素ボン
ベ、43…バブラー、44…窒素ガス配管、45…ポン
プ、46…配管、47…中間室入口、48…中間室出
口。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図10
【補正方法】追加
【補正内容】
【図10】実施例5の定電流電解した場合のpHの経時
変化を示した図。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰イオン濃度に比べて、水素(H+ イオ
    ン)濃度が過剰な水。
  2. 【請求項2】 陽イオン濃度に比べて、水酸(OH-
    オン)濃度が過剰な水。
  3. 【請求項3】 請求項1において、陰イオン濃度に比べ
    てH+ イオンが過剰な水に酸化還元物質を共存させた洗
    浄および表面処理に適した水。
  4. 【請求項4】 請求項2において、陽イオン濃度に比
    ベ、OH- イオンが過剰な水に酸化還元物質を共存させ
    た洗浄または表面処理に適した水。
  5. 【請求項5】 純水または超純水を電解することによ
    り、陰イオンを添加しないで、水中にH+ イオンと酸化
    還元物質を生成する方法。
  6. 【請求項6】 純水または超純水を電解することにより
    陽イオンを添加しないで、水中にOH- イオンと酸化還
    元物質を生成する方法。
  7. 【請求項7】 請求項5において、隔膜構造物として陽
    イオン交換膜及び陽イオン交換樹脂を、カソード極とし
    て600〜800℃で有機物を焼成したカーボンを表面
    に保持する電極を用いて,H+ イオンと水素原子、水素
    分子または過酸化水素を生成する方法。
  8. 【請求項8】 請求項5において隔膜構造物として、陽
    イオン交換膜及び陽イオン交換樹脂をアノード極として
    白金またはβ型酸化鉛を用いて、H+ とオゾン、酸素分
    子を生成する方法。
  9. 【請求項9】 請求項6において、隔膜に陰イオン交換
    膜を用い、OH- イオンと水素原子、水素分子または過
    酸化水素を生成する方法。
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