JP2008132468A - 電解式水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペルオキソ化合物を発生させて、これを水処理用の薬剤として利用するという新たなタイプの電解式水処理方法を提供する。
【解決手段】ホウ素がドーピングされた導電性ダイヤモンド電極1と、白金電極2とを厚さ2mmの多孔性スペーサー3を間に挟んでサンドイッチ構造とし、これを被処理水に浸漬する。そして、直流電源5に両電極を接続し、導電性ダイヤモンド電極1がアノード、白金電極2がカソードとなるように、両極間に20Vの電圧を付与し、電解を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は被処理水中に少なくとも2本の電極を浸漬し、該電極間で電流を流すことによって水処理を行う電解式水処理方法に関する。この電解式水処理方法は、塗装ブースの循環水の消臭のために好適に用いることができる。
従来、被処理水中に電極を浸漬し、電極間に電流を流すことによって被処理水を浄化する電解式水処理方法が知られている。この電解式水処理方法においては、被処理水に各種の電解質を添加しておき、電極間に電流を流すことによって、その電解質から酸化性の活性種を発生させ、この活性種を水処理に役立たせることが広く行われている。
添加する電解質としては、ハロゲン化物がよく用いられている。ハロゲンイオンは電解酸化によって酸化力の強い次亜ハロゲン酸となるため、これを水処理薬剤として利用するのである。
例えば、特許文献1では、ニッケル・フェライト電極を用いて廃水を電気分解する際、ハロゲン化ナトリウムやハロゲン化カリウムを添加することが記載されている。廃水にハロゲン化合物を添加しておくことにより、電気分解で次亜ハロゲン酸を発生させ、廃水中の芳香族系化合物、有機塩素化合物、農薬、ダイオキシン類、PCB・塩化ビフェニル類、硝酸イオン等の広範囲の難分解性物質を分解することができる。
また、特許文献2においても、導電性ダイヤモンド電極を用い、塩化物イオンの存在下で被処理水を電気分解処理して次亜ハロゲン酸を発生させ、金属酸化物触媒と接触させる水処理方法について記載されている。この水処理方法によれば、有機物、アンモニア、ヒドラジン等の被酸化性物質を含む排水の化学的酸素要求量(COD)、全有機炭素(TOC)及び全窒素濃度を低減することができる。
さらに、特許文献3においても、ハロゲン化合物の存在下で電気分解処理して次亜ハロゲン酸を発生させ、これによって水処理を行う方法について記載されている。
ハロゲン化合物以外の化合物を添加して、電解式水処理方法を行う例もある。例えば、特許文献4では、塗装廃水を電解槽に供給し、硝酸ナトリウムを添加して電解式水処理方法を行い、さらにこうして得られた電解処理水を生物反応槽に供給して好気下に生物処理を行なって浄化処理をする方法が示されている。この電解式水処理方法において、ハロゲン化合物ではなく、硝酸ナトリウムを添加するのは、硝酸ナトリウムは次亜ハロゲン酸のように殺菌剤を発生させることがなく、後に続く生物処理に悪影響を与えないためである。
さらに、特許文献4では、被処理水に過酸化水素を添加し、アルミニウム及び/又は鉄片を電極間に入れた電気分解処理槽中で処理する廃水の処理方法について記載されている。
また、以上の従来技術の他に、本発明に関連する発明として、特許文献6には、電位窓の広いダイヤモンド被覆電極を用い、硫酸からペルオキソ二硫酸を電気化学的に製造する方法について記載されている。
特開2003−126860号公報 特開2003−251357号公報 特開2004−122032号公報 特開2003−181458号公報 特開2004−57897号公報 特表2003−511555号公報
上述のように、電解式水処理方法においては、いろいろな電解質を添加して行う方法が知られているが、電解質からペルオキソ化合物を発生させてこれを水処理に利用することは知られていない。本発明は、電解式水処理方法において、ペルオキソ化合物を発生させて、これを水処理用の薬剤として利用するという新たなタイプの電解式水処理方法を提供することを目的とする。
本発明の電解式水処理方法は、被処理水中に少なくとも2本の電極を浸漬し、該電極間で電流を流すことによって水処理を行う電解式水処理方法において、
前記被処理水に、電極酸化によってペルオキソ化合物となるペルオキソ化合物前駆体を添加することを特徴とする。
本発明においては、電極酸化によってペルオキソ化合物となるペルオキソ化合物前駆体を被処理水中に添加する。ここでペルオキソ化合物とは、オキソ酸のヒドロキシ基(−OH基)をヒドロペルオキシド基(−OOH基)に置き換えた構造を持つ化合物又はその塩のことをいう。このペルオキソ化合物は酸化力が強いため、被処理水中の有機物等を酸化・分解することができる。このため、電解処理によって生成したペルオキソ化合物によって、水処理を行うことができる。
ペルオキソ化合物前駆体の添加は、被処理水の導電率が500μS/cm以上となるように行われることが好ましい。ペルオキソ化合物前駆体からペルオキソ化合物への電極酸化反応は高い電位で進行するため、電極−溶液間に大きな電位を付与する必要がある。ところが、被処理水の導電率が500μS/cm未満となると、溶液抵抗による電圧降下が大きくなるため、電極−溶液間に大きな電位を付与し難くなる。また、その電圧降下をみこしてさらに大きな電極間電圧を付与した場合、ジュール熱の発生によって被処理水の温度が異常に上昇することとなる。さらに好ましいのは、被処理水の導電率を500μS/cm以上50000μS/cm以下の範囲とするようにペルオキソ化合物前駆体を添加ことであり、もっとも好ましいのは500μS/cm以上5000μS/cm以下の範囲とすることである。被処理水の導電率が大きくなるとペルオキソ化合物前駆体の添加量が増加し、水処理に要するコストが高騰するからである。
ペルオキソ化合物前駆体としては、硫酸、硫酸塩、炭酸及び炭酸塩等を用いることができる。これらの物質は、電極酸化によってペルオキソ化合物を生成させることができる。これらの反応機構について、硫酸を例に挙げれば、次のように考えられる。すなわち、まず水を電気化学的に酸化させることにより、電極に吸着したヒドロキシルラジカルが形成される(1)。この電極に吸着して存在するこのヒドロキシルラジカルは電解液に含まれる硫酸水素イオンと反応して硫酸水素ラジカルとなり(2)、さらにこの硫酸水素ラジカルが二量化してペルオキソ二硫酸となる(3)。
O → OH・+H+e(1)
HSO → HSO・ +e(2)
2HSO・ →H (3)
また、炭酸や炭酸塩を被処理水中に添加させた場合には、次式に示すように、ペルオキソ化合物として過炭酸が生成し、この過炭酸の強い酸化力によって水処理が行われる。
2CO 2−→C 2− +2e
アノード分極される側の電極は導電性ダイヤモンド電極又は二酸化鉛電極であることが好ましい。ペルオキソ化合物前駆体からペルオキソ化合物への電極酸化は、高い電位において行われるため、広い電位窓を持つ導電性ダイヤモンド電極や二酸化鉛電極用いることにより、ペルオキソ化合物を効率よく生成させることができる。
ここで、導電性ダイヤモンド電極とは、ダイヤモンドにホウ素等の異元素をドーピングしたり、ダイヤモンドの表面を水素化したりして、電気導電性を付与したダイヤモンド電極をいう。導電性ダイヤモンドはその化学的安定性のため、従来の電極では得ることのできなかった広い電位領域、特に貴の電位域で安定に作動し、電極‐溶液界面に大きな電位差を付与することができる。このためOH・、H2O2、オゾンなどの活性酸素種を生成するのに十分貴な電位を保持させることができる。このため、導電性ダイヤモンド電極を用いることにより、炭酸イオンや硫酸イオン等のペルオキソ化合物前駆体を効率よく酸化し、強力な酸化剤であるペルオキソ化合物を生成させることができる。さらにはOH・、H、オゾンなどの他の活性酸素種も電極反応により生成し、これらの活性酸素種によって、被処理水中の汚染物質を効率よく分解することができる。導電性ダイヤモンドであることの証明は、X線回折やラマン分光光度計を用いて容易に行うことができる。ただし、導電性ダイヤモンドは、通常の非導電性のダイヤモンドと比較して、ピーク位置が少しシフトしたり、ブロードになったりすることがある。この理由は、導電性ダイヤモンドでは、導電性を上げるためにホウ素等の不純物がドープされているからである。
本発明においては、電流の向きを交番させながら水処理を行うことが好ましい。被処理水に含まれる成分によっては、電極に堆積物(スケール)が付着することがある。例えば、カルシウムイオンなどは陰極にスケールとなって付着し、電極の性能を著しく低下させる。電流の向きを交番させながら水処理を行えば、このようなスケールの付着が防止され、電極の性能低下を防ぐことができる。
また、本発明においては、電極間にプロトン伝導膜が挿入されていることも好ましい。こうであれば、被処理水の導電率に影響されることなく電気分解を行うことができる。すなわち、被処理水中に非導電性の混入物が多量に含まれていたり、ペルオキソ化合物前駆体やその他の可溶性電解質の添加量が少なかったりして、被処理液の導電性が低下したとしても、プロトン伝導膜を介して電流を流すことができるからである。このため、強力な酸化剤であるペルオキソ化合物を炭酸イオンや硫酸イオン等のペルオキソ化合物前駆体から多量に生成させることができる。さらにはOH・、H、オゾンなどの他の活性酸素種も多量に発生させることができる。このため、これらの活性酸素種によって、被処理水中の汚染物質を効率よく分解することができる。
プロトン伝導膜としては、デュポン社製のナフィオン(登録商標)等を用いることができる。
本発明の電解式水処理方法は、被処理水として塗装ブース循環水に好適に用いることができる。発明者らの試験結果によれば、塗装ブース循環水には酪酸や吉草酸等の悪臭物質が含まれており、本発明の電解式水処理方法を塗装ブース循環水に適用することにより、これらの物質を短時間で分解することができる。
本発明の電解式水処理方法では、被処理水に含まれる成分によっては、電極に堆積物(スケール)が付着することがある。例えば、被処理水に含まれるカルシウムイオンなどはカソード電極にスケールとなって付着し、電極の電気伝導性を低下させ、浴電圧が高くなり、円滑な電極反応が妨げられる。このため、スケールの付着しやすいカソード側の電極を超音波振動させるための、超音波発生手段を設けることが好ましい。こうであれば、超音波発生手段を駆動させてカソード側の電極を振動させることにより、スケールが付着し難くなる。また、たとえスケールが付着したとしても、超音波振動によって剥離させることができる。超音波発生手段としては、強誘電体のPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、チタン酸バリウム、水晶波発振子等を用いることができる。超音波発生手段は、処理水中に投入する投げ込み型の超音波発生器でも良いが、カソード側の不溶性電極に固定すれば、振動が直接不溶性電極に伝達されるため、スケール除去効果が高くなり好適である。また、超音波は連続で振動させてもよいが、断続的に振動させてもよい。あるいは超音波の周波数を変化させてもよい。スケールが付着した電極をアノード分極させるとスケール除去が促進されるが、その際にのみ、超音波振動させても効果的である。また、超音波印加時に、印加する電圧を時々交番させると特に効果が向上する。
以下、本発明を具体化した実施例について詳述する。
実施例1及び実施例2の電解式水処理方法は、塗装ブース循環水を模した模擬被処理水について、本発明の電解式水処理方法を適用したものである。すなわち、塗装ブース循環水には、表1に示すように、各種の脂肪族カルボン酸が悪臭原因物質として含まれている。これらカルボン酸の中から、代表的な悪臭原因物質であるn−酪酸を水に添加し、これを模擬被処理水として実施した。
Figure 2008132468
(実施例1)
実施例1では、0.1Mに調製した硫酸ナトリウムにn‐酪酸を200ppmとなるように調製した溶液を用いて電解式水処理を行った。硫酸ナトリウムがペルオキソ化合物前駆体である。電極は、図1に示すように、ホウ素がドーピングされた導電性ダイヤモンド電極1(縦50mm×横10mm×幅2mm)と、白金電極2(縦50mm×横10mm×幅0.5mm)とを厚さ2mmの多孔性スペーサー3を間に挟んでサンドイッチ構造とし、上記の調製溶液100mlを入れたビーカー4の中に浸漬した。そして、直流電源5に両電極を接続し、導電性ダイヤモンド電極1がアノード、白金電極2がカソードとなるように、両極間に20Vの電圧を付与し、電解式水処理を行った。電解時間は10分、20分、40分及び60分とした。
(実施例2)
実施例2では、ペルオキソ化合物前駆体として炭酸ナトリウムを用い、0.1Mに調製した炭酸ナトリウムにn‐酪酸を200ppmとなるように調製した溶液を用いて、電解式水処理を行った。電極の構成及び他の電解条件については、実施例1と同様であり、説明を省略する。
(比較例1)
比較例1では、n‐酪酸を200ppmとなるように調製した溶液を用いて、添加物(電解質)を添加しない系で電解式水処理を行った。電極の構成及び他の電解条件については、実施例1と同様であり、説明を省略する。
<結 果>
(導電率の測定)
まず、電解式水処理を行う前の各調製溶液について、導電率計で導電率を測定したところ、実施例1及び実施例2では約10000μS/cm、比較例1では約60μS/cmとなり、ペルオキソ化合物前駆体の添加によって導電率を大幅に高めることができることが分かった。このことから、硫酸ナトリウムや炭酸ナトリウム等のペルオキソ化合物前駆体の添加により、溶液抵抗による電圧降下を小さくし、電極−溶液間に大きな電位を付与できることが分かった。
(n‐酪酸濃度の経時変化)
実施例1及び実施例2について、n‐酪酸濃度の経時変化を液体クロマトグラフィーを用いて測定した。その結果、図2に示すように、実施例1では40分間の電解時間でn−酪酸濃度がほぼ0となり、実施例2では60分の電解時間でn−酪酸濃度が0となることが分かった。これに対し、比較例1では、n−酪酸濃度はほとんど変化せず、分解されないことが分かった。
(オゾンの確認)
比較例1における1分間の電解を行った被処理水について、200〜300nmにおけるUVスペクトルを測定した。オゾンは水中では258nmに最大吸収を有することが知られており、図3に示すように測定結果も258nm付近に極大吸収を有し、オゾンが発生していることが確認された。また、実施例1について、電流1.5Aで1分間の電気分解を行い、KI法によってオゾン濃度を測定した。その結果、オゾン濃度は4.1ppmであった。
(ペルオキソ二硫酸の確認)
実施例1において、添加した硫酸ナトリウムからペルオキソ化合物が発生していることを確認するため、KIを用いた酸化還元滴定を行った。ペルオキソ二硫酸は酸化電位がオゾンより高いため(ペルオキソ二硫酸:+2.05V、オゾン:+1.24V、参考:アトキンス 物理化学(上)第6版、東京化学同人(2001))、強酸性下でないとヨウ素が遊離しない。このことを利用し、実施例1において1分間の電解を行った被処理水について、強酸性及び暗所下で反応させ、数十分放置した後、チオ硫酸ナトリウムを用いて滴定した。また、中性下において同様の滴定を行い、その値と強酸性下での値との差をペルオキソ二硫酸に基づく値とした。その結果、ペルオキソ二硫酸の濃度は14ppmであった。
以上の結果から、実施例1及び実施例2の電解式水処理方法では、電解によって少なくともオゾン及びペルオキソ化合物が生成し、これらの活性酸素種が被処理水中のn−酪酸を急速に分解することが分かった。n−酪酸は塗装ブース循環水中の悪臭成分の一種であり、その他の悪臭原因となっているn−酪酸と同様に1価の低級カルボン酸である吉草酸、プロピオン酸なども同様に分解することができる。
なお、上記実施例1及び実施例2において導電性ダイヤモンド電極1と、白金電極2との間に挟んだ多孔性スペーサー3の替わりに、ナフィオン(登録商標)膜を挿入してもよい。こうであれば、被処理水中に非導電性の混入物が多量に含まれていたり、ペルオキソ化合物前駆体やその他の可溶性電解質の添加量が少なかったりして、被処理液の導電性が低下したとしても、大きな電流を流すことが可能となり、時間当たりのペルオキソ化合物の発生量を多くすることができる。さらにはOH・、H、オゾンなどの他の活性酸素種も多量に発生させることができる。このため、これらの活性酸素種によって、被処理水中の汚染物質を効率よく分解することができる。
また、上記実施例1及び実施例2では、電流の向きは一定としたが、電流の向きを交番させながら水処理を行ってもよい。例えば、被処理水中にカルシウムイオンが存在すると陰極に集まり、不溶性塩を形成して電極にスケールとして付着し、電極性能を低下させる。そこで、電極間に交番電流を付与すれば、電極に堆積物(スケール)が付着し難くなり、スケール付着による電極性能の低下を防止することができる。
さらには、被処理水の導電率が低い場合には、適宜、電極間距離を縮めたり、印加電圧を高くする等によって、被処理水の処理能力を高めることもできる。また、ペルオキソ化合物前駆体以外の電解質を添加して、被処理水の導電性を高めることも効果的である。このような電解質としては、食塩、塩化アンモニウム、塩酸、塩化カリウムなどの塩化物、アンモニア水、苛性ソーダ、水酸化カリウムなど電解質等が挙げられる。
(実施例3)
実施例3では、図4及び図5に示す電解ユニット10を用いて電解処理を行った。この電解ユニット10は、長方形板状(長さ330mm、幅70mm、厚さ0.5mm)の白金電極11と、白金電極11に対して約2mmの間隔で平行に対面する2枚の導電性ダイヤモンド電極12a、12b(長さ230mm、幅70mm、厚さ0.5mm)とが固定治具13a、13bによって固定されている。白金電極11の一面側の上端からやや下方には、超音波発振素子15周波数42kHz、出力 35Wがエポキシ接着剤14によって固定されている。また、白金電極11、導電性ダイヤモンド電極12a、12b及び超音波発振素子15はリード線11a、12c、12d、15a、15bを介して図示しない電源に接続されている。
上記のように構成された電解ユニット10をシャーレ形状の透明容器16に入れ、電解ユニット10の下端をエポキシ接着剤で固定し、さらに透明容器16の上端に容器蓋17を接着剤で接続して一体とした(内容量1L)。容器蓋17の上端は孔17aが設けられており、孔17aには排気管18が接続されている。また、容器蓋17の側壁には流入管17bと、図示しない流出管とが接続されており、流入管17b及び流出管は図示しない循環ポンプに接続されている。
以上のように構成された実施例3の電解式水処理装置モデルを用い、実施例1と同様、0.1Mに調製した硫酸ナトリウムにn‐酪酸を200ppmとなるように調製した溶液の電解式水処理を行った。すなわち、調製した溶液を循環ポンプで循環しながら投入電力10Wで導電性ダイヤモンド電極12a、12bをアノード、白金電極11をカソードとなるように直流電流を流し、長期間の電解処理を行った。なお、電解処理中は超音波発振素子15を連続して駆動させた。水道水のカルシウム濃度は32mg/L(炭酸カルシウム換算)であった。
(比較例2)
比較例2では、実施例3と同じ電解処理装置を用い、超音波発振素子15を駆動させることなく長期間の電解処理を行った。その他の条件は実施例3と同様であり、説明を省略する。
<結 果>
その結果、実施例3では、n−酪酸の濃度が僅か5分間の電解で、当初濃度の200ppmから、数ppmまで濃度が低下していることが分かった。また、被験者3名による人体による臭覚テストでも3名全員がほとんど悪臭を感じないという結果となった。さらには、12時間という長期間の電解処理を行ったにもかかわらず、白金電極へのスケールの付着はほとんど認められらなかった。
これに対して、比較例2では、6時間という長期間の電解処理を行った後の白金電極表面は、カルシウムスケールの付着が著しく、電流値も当初の20Aから9Aへと低下した。
この発明は上記発明の実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本発明は、塗装ブース循環水を含めて、広く一般の廃水処理に利用可能である。
実施例1及び実施例2に用いた電解式水処理装置の模式図である。 電解時間とn−酪酸濃度との関係を示すグラフである。 比較例1の電解処理を行った被処理水のUV測定結果を示すグラフである。 実施例3に係る電解ユニットの断面図である。 実施例3に係る電解ユニットの正面図である。 実施例3に用いた電解式水処理装置モデルの断面図である。
符号の説明
1…導電性ダイヤモンド電極
2…白金電極
3…多孔性スペーサー
4…ビーカー
5…直流電源
15…超音波発振素子(超音波発生手段)

Claims (9)

  1. 被処理水中に少なくとも2本の電極を浸漬し、該電極間で電流を流すことによって水処理を行う電解式水処理方法において、
    前記被処理水に、電極酸化によってペルオキソ化合物となるペルオキソ化合物前駆体を添加することを特徴とする電解式水処理方法。
  2. ペルオキソ化合物前駆体の添加は、被処理水の導電率が500μS/cm以上となるように行われることを特徴とする請求項1記載の電解式水処理方法。
  3. 被処理水には、ペルオキソ化合物前駆体として硫酸、硫酸塩、炭酸及び炭酸塩の少なくとも1種が添加されることを特徴とする請求項1又は2記載の電解式水処理方法。
  4. アノード分極される側の電極は導電性ダイヤモンド電極又は二酸化鉛電極であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の電解式水処理方法。
  5. 電流の向きを交番させながら水処理を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の電解式水処理方法。
  6. 電極間にプロトン伝導膜が挿入されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の電解式水処理方法。
  7. 被処理水は塗装ブース循環水であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の電解式水処理方法。
  8. カソード分極される側の電極を超音波振動させるための超音波発生手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の電解式水処理方法。
  9. 超音波発生手段はカソード側の電極に固定されていることを特徴とする請求項8記載の電解式水処理方法。
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