JP2005213620A - 次亜塩素酸生成方法及び該装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な装置でかつ消費電力を抑えて効率よく次亜塩素酸を生成することを可能とした次亜塩素酸生成方法及び該装置を提供する。
【解決手段】 電解処理槽15内の処理対象液に配設された電極13、14と、該電極間に電気信号を印加する電気信号発生器11とを有する次亜塩素酸生成装置10において、前記電気信号発生器11は、陽極13の電極電位がヒドロキシラジカル若しくは塩素ラジカルを含む活性ラジカル種の生成反応に適した電気化学的電位以上となるような電気信号で、かつ直流成分、パルス成分、若しくは直流成分とパルス成分を重畳した成分のうち何れか一である電気信号を発生させる構成であり、前記処理対象液中の陽極13近傍に、前記電気信号に基づく電気化学反応により前記活性ラジカル種を生成し、前記活性ラジカル種から次亜塩素酸の中間体を形成させ、該中間体と酸素とを反応させて次亜塩素酸を生成する反応場を形成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、塩化物イオンが溶解した水溶液から次亜塩素酸を生成する次亜塩素酸生成方法及び該装置に関する。
従来より、廃水処理設備での殺菌、消毒処理や海水構造物への生物の付着防止等に利用される次亜塩素酸は、塩化物イオンを含有した排水、海水、又は食塩等の塩化物イオンを添加した水溶液を電気分解して生成されている。この電気分解に使用される装置は、電極にチタン若しくはチタン合金を用い、さらに陽極側の電極には白金、酸化ルテニウム、酸化イリジウム等の金属触媒を含有させ、これら複数の電極を電解処理槽内に対向配置した構造が多く用いられている。
電解処理槽内における電極−溶液間の固液界面又はその近傍では、下記式(1)に示される電気分解反応により塩素が発生し、さらに下記式(2)に示されるように加水分解により次亜塩素酸が生成される。
2Cl → Cl+2e …(1)
Cl+HO → HClO+H+Cl …(2)
このように、塩化物イオンを含有する水溶液を電気分解して2電子反応により次亜塩素酸を生成する方法は、例えば非特許文献1等に記載されるように多数開示されている。
電気分解により次亜塩素酸を生成する際には電極反応効率が重要とされている。そこで、より塩素発生効率が高い電極の構造が特許文献1及び特許文献2により提案されている。特許文献1には、チタン又はチタン基合金よりなる電極基体を多孔性白金により被膜し、白金被膜層上に酸化イリジウム、酸化タンタル、白金複合体を担持させた電極が開示されている。また、特許文献2には、チタニウム基材上に、酸化イリジウム及び/又は白金合金被膜層を順に形成した電極が開示されている。これらの電極構造により、電極反応が高くかつ長寿命な電極を提供することができる。
電解水の基礎と利用技術 松尾昌樹 技報堂 2000 特開平8−170187号公報 特開2001−262388号公報
このように、従来の次亜塩素酸の生成反応は上記式(1)、(2)に示されるように電解法によるものであった。そして、反応効率を向上させるために各種金属を担持させた電極構造等のように、様々な技術が提案されている。本発明では更なる反応効率の向上を目的として、上記反応とともに、他の反応経路により次亜塩素酸を生成する反応を誘起させ、簡単な装置でかつ消費電力を抑えて効率よく次亜塩素酸を生成することを可能とした次亜塩素酸生成方法及び該装置を提供することを目的とする。
本発明者らは次亜塩素酸の生成反応が、上記した2電子反応のほかに、下記式(3)、(4)に示されるように1電子反応でも可能であることを見出した。即ち、水溶液中にヒドロキシラジカル及び塩素ラジカルの少なくとも何れかの活性ラジカル種を生成して下記式(3)の平衡を成立させ、塩化物イオン濃度、水酸化物イオン濃度をバランスさせることにより、中間体であるHOClラジカルを形成する。
・OH+Cl ⇔ HOCl ⇔ Cl・+OH …(3)
さらに、中間体であるHOClは、酸素が存在すると下記式(4)のように反応が進行する。
HOCl+O ⇔ HOCl+O …(4)
このように、従来の2電子反応に加えて、上記したように1電子反応を進行させることにより従来に比べて次亜塩素酸の生成効率を飛躍的に向上させることができる。
従って本発明は、塩化物イオンが存在する液相中にヒドロキシラジカル若しくは塩素ラジカルを含む活性ラジカル種を生成させ、酸素存在下で液相中の塩化物イオン濃度を調整して前記活性ラジカル種から次亜塩素酸の中間体を形成させ、該中間体と酸素とを反応させることにより次亜塩素酸を生成することを特徴とする。
本発明において、前記活性ラジカル種を生成する手段としては、例えば電気化学反応、光触媒を利用した反応、オゾン若しくは過酸化水素等の添加による反応、紫外線照射による反応などが挙げられる。また、イオン濃度を調整する手段として、pH値を制御するようにしても良い。
かかる方法を好適に達成するためには、HOCl、ヒドロキシラジカル若しくは塩素ラジカルを含む活性ラジカル種の寿命が短いため、次亜塩素酸生成に必要となるヒドロキシラジカル、塩化物イオン、酸素(液性状によっては塩素ラジカル、水酸化物イオン、酸素の場合もありうる。)を電極の固液界面近傍で隣接させて存在させ、上記式(3)を促進させることが重要である。即ち、固液界面で活性ラジカル種を発生させ、塩化物イオンを含有させた溶液で式(3)の反応を促進し、さらに式(4)を促進させるために酸素分子を吸着又は引き付けておくことが考えられる。
最も好適にこれらの反応を促進させる方法としては、電気化学的な反応場を利用すると良い。電気化学的反応場では、ヒドロキシラジカルは陽極において下記式(5)、(6)の反応により生成し、塩化物イオンは電気泳動により必然的に陽極に引き付けられる。
OH− → ・OH+e …(5)
O → ・OH+H+e …(6)
よって、活性ラジカル種の生成反応及び次亜塩素酸の生成反応が固液界面近傍で隣接して行なわれるため、これらの反応が促進され、次亜塩素酸の生成効率が向上する。
従って本発明は、電解処理槽内の処理対象液に対向して浸漬された電極間に電気信号を印加し、該処理対象液の電気化学反応により次亜塩素酸を生成する次亜塩素酸生成方法であって、
陽極の電極電位が前記活性ラジカル種の生成反応に適した電気化学的電位以上となるように電気信号を印加するとともに、該電気信号が、直流成分、パルス成分、若しくは直流成分とパルス成分を重畳した成分のうち何れか一であることを特徴とする。
これによれば、電極電位を制御することにより酸素発生等の競合反応を抑制することができ、上記式(5)、(6)、(3)、(4)の1電子反応が促進され、上記式(1)、(2)に示される従来の2電子反応のみの場合に比べて大幅に次亜塩素酸の生成効率が向上する。
また、前記陽極が、導電性電極基板に酸化物質を担持させ、該酸化物質の上にPt、Pd、Agの何れか一を分散担持させた構造であることを特徴とし、さらに前記酸化物質が、Si、Ti、Pb、Sn、V、Irの何れか一以上の元素を含むことを特徴とする。これにより、活性ラジカル種が生成し易い電極構造とすることができ、上記式(3)、(4)の反応を容易に進行させることができる。
さらにまた、前記電解処理槽内の陽極近傍に酸素若しくは空気を供給することが好適である。これにより、上記式(4)の反応が促進される。
また、上記した発明を好適に実施する装置として、
塩化物イオンを含む処理対象液が貯水された電解処理槽と、該処理対象液に対向して浸漬された複数の電極と、該電極間に電気信号を印加する電気信号発生器とを有し、前記処理対象液の電気化学反応により次亜塩素酸を生成する次亜塩素酸生成装置において、
前記電気信号発生器は、陽極の電極電位がヒドロキシラジカル若しくは塩素ラジカルを含む活性ラジカル種の生成反応に適した電気化学的電位以上となるような電気信号で、かつ直流成分、パルス成分、若しくは直流成分とパルス成分を重畳した成分のうち何れか一である電気信号を発生させる構成であり、
前記処理対象液中の陽極近傍に、前記電気信号に基づく電気化学反応により前記活性ラジカル種を生成し、酸素存在下でイオン濃度を調整して前記活性ラジカル種から次亜塩素酸の中間体を形成させ、該中間体と酸素とを反応させて次亜塩素酸を生成する反応場を形成したことを特徴とする。
このとき、前記陽極が、導電性電極基板に酸化物質を担持させ、該酸化物質の上にPt、Pd、Agの何れか一を分散担持させた構造とし、さらに、前記酸化物質が、Si、Ti、Pb、Sn、V、Irの何れか一以上の元素を含むことが好ましい。
さらにまた、前記反応場に酸素若しくは空気を供給する手段を設けることが好適である。
以上記載のごとく本発明によれば、活性ラジカル種を生成し、これを基に1電子反応により次亜塩素酸を生成しているため、従来の2電子反応に比べて次亜塩素酸の生成効率を大幅に向上させることができる。また、電気化学的な反応場を利用することにより、活性ラジカル種、各種イオン、酸素を隣接させることができるため、活性ラジカル種の生成反応及び次亜塩素酸の生成反応を円滑に進行させることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施形態に係る次亜塩素酸生成装置の概略構成図、図2は図1の別の実施形態に係る次亜塩素酸生成装置の概略構成図、図3は本実施形態に係る次亜塩素酸生成装置を用いた時の次亜塩素酸の生成量と電流効率を示す。
まず、図1を参照して本実施形態に係る次亜塩素酸生成装置の構成について説明する。図1の次亜塩素酸生成装置は、実施例1乃至4に適用されるものである。かかる次亜塩素酸生成装置10は、電気信号波形を生成する関数発生器11と、電気信号を所定の電流条件に増幅する電力増幅器12と、対象処理水を貯水する電解処理槽15と、該電解処理槽15内に対向配置された陽極13及び陰極14と、を主要構成としている。対象処理水は、各種工場から排出された廃水、海水、又は食塩等の塩化物イオンを添加した水溶液を用いることができる。前記関数発生器11は、直流成分からなる電気信号の他、パルス成分からなる電気信号やこれらを重畳した波形を生成可能である。
また、前記電極13、14はチタン若しくはチタン合金等の導電性材料からなる基板を用い、陽極13は誘電体としての酸化物質を担持させ、さらにその上に貴金属であるPt、Pd、Agの少なくとも何れかを分散担持させた構造とする。このとき、前記誘電体としてはSi、Ti、Pb、Sn、V、Irの何れか一種類以上の酸化物を担持させることが好ましい。
本実施形態では、不図示の直流電源に接続した前記関数発生器11により、直流成分、パルス成分、又はこれらを重畳させた波形を有する電気信号を生成し、前記電力増幅器12により所定の電流条件まで増幅させて電極間に電気信号を印加する。そして、これらにより前記陽極13が下記式(5)、(6)の反応を生起する酸化還元電位となるように制御し、電極近傍にヒドロキシラジカル(・OH)を発生させる。
OH− → ・OH+e …(5)
O → ・OH+H+e …(6)
ヒドロキシラジカルの発生とともに、処理対象液中に存在する塩化物イオンは電気泳動により陽極13側に引き付けられ、前記発生したヒドロキシラジカルと反応して、下記反応式(3)によりHOClラジカルが生成する。
・OH+Cl ⇔ HOCl ⇔ Cl・+OH …(3)
ここで生成したHOClは、酸素の存在下により下記式(4)のように反応が進行する。
HOCl+O ⇔ HOCl+O …(4)
このとき、本実施例5に適用される図2に示した次亜塩素酸生成装置10のように、酸素発生器17と配管接続した散気管16を電解処理槽15の底部に配設し、該散気管16より酸素を曝気することもできる。これにより反応場に酸素が十分に存在することとなり上記式(4)の反応が促進される。
尚、本実施形態において、従来と同様の反応である下記式(1)、(2)も同時に進行していることは勿論である。
2Cl → Cl+2e …(1)
Cl+HO → HClO+H+Cl …(2)
このように、電極電位を制御することにより酸素発生等の競合反応を抑制することができ、上記反応式(5)、(6)、(3)、(4)の1電子反応が促進され、反応式(1)、(2)に示される従来の2電子反応のみの場合に比べて大幅に次亜塩素酸の生成効率が向上する。
ここで、電気信号とする直流成分、パルス成分、及び直流成分とパルス成分を重畳させた成分の特徴を以下に示す。
直流成分を印加する方式では、通常の導電性電極を使用した場合、上記式(1)、(2)の反応式による次亜塩素酸の発生、及び下記式(7)による酸素発生が起こり、ヒドロキシラジカルを生成する電極電位まで上げることが困難である。
2HO → O(g)+4H
+4e …(7)
また、電極表面近傍に電気二重層が形成され、反応場に電界が形成されにくく、イオンの泳動が起こり難いといった問題がある。これは、電極に電圧を印加して時間が経過すると、両極の表面付近に正電荷の薄い層と負電荷の薄い層が向かい合った状態の電気二重層が形成され、これにより水溶液の大部分が電気的に電位差が存在しない状態となってしまうためである。
そこで、導電性電極表面に、Si、Ti、Pb、Sn、Ru、V、Irの酸化物のうち、一つ以上の酸化物による触媒層を形成し、上記式(5)、(6)の反応でヒドロキシルラジカルを形成しやすい構造とする。しかしこのままでは、反応が進みにくく電源からの過剰な電流により、上記式(1)、(2)、(7)の反応が引き起こされてしまう。そこで、前記触媒層の表面に貴金属であるPtを担持した電極構造とし、Clイオンを含有した溶液で電解処理することにより、上記式(3)、(4)の反応を容易に進行することが出来る。このとき、直流成分の電圧としては、1〜100V、好ましくは5〜10Vとするのが良い。
パルス成分の電気信号を印加した場合には、電極反応が支配される時間よりも短い間隔で電極間にパルスを印加することにより、容易に電極電位を高い電位に上昇させることができる。また、パルス成分の印加終了後には、正パルス高電圧成分の電気信号により電極表面に集められた反応前駆体としてのイオンが水溶液中に濃度拡散し、減少してしまう前に次のパルス成分を印加するのが好ましい。また、電気二重層が形成されるまでの時間は、パルス成分の電圧値とパルス幅に依存する。そのため、電圧値を決めればパルス幅としては、電気二重層が形成され電気的に充電が完了されるまでの時間で十分である。このとき、高い電圧で電気二重層を形成させるまでの時間よりもパルス幅を長くしてもよい。
このように、電圧、パルス幅、周波数を制御することにより、電極電位を制御することが可能となり、延いては酸素発生等の競合反応を抑制することができ、効率良くヒドロキシラジカルを生成することができる。さらに、反応場に電場が形成されやすいため、イオンの泳動力、特に塩化物イオンの陽極への泳動力が促進し、次亜塩素酸生成反応を促進することができる。パルス成分としては、電圧10〜100V、好ましくは10〜30V、周波数10Hz〜1MHz、好ましくは1kHz〜100kHz、パルス幅1μm〜1msec、好ましくは1μm〜10μmとなるようにパルス成分を印加するのが良い。
さらに、反応場に電場が形成されやすいため、イオンの泳動力、特に塩化物イオンの陽極への泳動力が促進し、次亜塩素酸の生成反応を促進することができる。
しかし、パルス成分のみを印加する場合は印加停止時に電極近傍へ引き寄せられたイオンが、バルクの液中へ拡散してしまう。そのため、直流成分とパルス成分を重畳させた電気信号を印加させ直流成分を印加し続けることで電極近傍へ引き寄せた状態を維持することができる。
重畳する直流成分の電圧値としては、パルス成分の停止後逆電流を抑制する電圧値に設定することにより、逆電流を阻止することができる。そのため、直流成分印加時には電流量が極力抑えられるため、消費電力を最小限にすることができる。また、直流電圧+パルス電圧制御だけでなく、直流電流+パルス電流制御としてもよい。この場合、直流電流設定値としてはゼロ設定とし、逆電流を抑制する制御方法としても良い。
次に反応面として、酸素吸着解離能が高いPt、Pd、Agのうちいずれか一つ以上の貴金属を担持することが必要である。特にPtの介在により上記式(4)の反応式が進行し易くなる。また、導電性電極表面に触媒層として、Si、Ti、Pb、Sn、Ru、V、Irの酸化物のうち、いずれか一種類以上の酸化物を担持した構造とする。酸化物は、酸素過電圧が高く、高効率でヒドロキシラジカルを含む活性ラジカル種を発生させる機能を有したものとする。また、パルス成分による電荷保持を有効とするために誘電体機能を保持する。
かかる実施形態にて説明した装置及び反応条件を用いて次亜塩素酸生成試験を行なった結果を以下、実施例1乃至5に示す。尚、これらの試験条件と試験結果は図3に示し、各試験にて電気信号波形と陽極14の材質を異ならせた時の次亜塩素酸の生成量と電流効率を示す。
本発明の実施例1は、図1に示した次亜塩素酸生成装置を用い、陽極13にはチタン基板表面にSiO、TiO、IrO、Vを分散担持し、その上にPtを担持した部材を使用し、陰極にはチタンを使用して、これら電極間隔を約30mmとして電解処理槽15内に対向して配設した。前記電解処理槽10の処理容積は0.5Lである。
処理対象液である水溶液は、蒸留水1Lに12gの塩化ナトリウムを添加したNaCl水溶液とした。本実施例1では、電解処理槽15内に処理対象液を注入した後、前記関数発生器11により直流成分の電気信号を発信し、さらに電力増幅器12により所定の電流条件まで増幅し、該電気信号を電極間に印加して試験を行なった。不図示の電源は直流電源を利用する。
このとき電解条件は、電流密度50mA/cm2、電解時間は20分とした。かかる試験結果を図3のNo.1に示す。本実施例では次亜塩素酸濃度が540mg/Lであり、電流効率は2電子反応としたときを100%の電流効率とすると123%であった。これによれば、従来の2電子反応による次亜塩素酸生成反応に加えて、ラジカル経由の1電子反応による次亜塩素酸生成反応が起こっていることがわかる。
本実施例2では、前記実施例1と同様に図1に示した次亜塩素酸生成装置10を用い、実施例1と触媒成分の構成を変更した試験を実施した。図1に示した生成装置10において、陽極13としてチタン基板表面にPbO、Ptを担持した部材を用い、陰極14としてチタンを用いた。これらの電極間隔を30mmとして設置した。電解処理槽15の処理容積は0.5Lである。
そして、前記実施例1と同様の試験条件にて電気分解を行なった結果、図3のNo.2に示されるように、次亜塩素酸濃度が600mg/lであり、電流効率は136%であった。尚、比較電極としてPbO電極を陽極にした場合には70%の電流効率であった。
これによれば、陽極13にPbO2,Ptの触媒成分を担持し、直流成分により電気分解を行った結果、従来の2電子反応による次亜塩素酸生成反応に加えて、ラジカル経由の1電子反応による次亜塩素酸生成反応が起こり、2電子反応による次亜塩素酸生成を電流効率100%とすると、電流効率は136%であった。
本実施例3では、前記実施例1と同様に図1に示した次亜塩素酸生成装置10を用い、電解処理槽15内に、陽極13としてチタン基板表面にSiO、TiO、IrO、Vを分散担持し、その上にPtを担持した部材を使用し、陰極14としてチタンを使用し、電極間隔を30mmとして対向して設置した。電解処理槽15の処理容積は0.5Lである。処理対象液は、蒸留水1Lに12gの塩化ナトリウムを添加したNaCl水溶液とした。
かかる試験は、電解処理槽15内に処理対象液を注入した後、関数発生器11よりパルス成分として電気信号を発信した後、電力増幅器12により所定の電流条件まで増幅し、電極間に電気信号を印加して試験を開始した。
電解条件は、ピーク電流密度:100mA/cm2、周波数:1kHz、デューティ:10%電解時間:100分とした。試験結果を図3のNo.3に示した。次亜塩素酸濃度が730mg/Lであり、電流効率は2電子反応としたときを100%の電流効率とすると166%であった。
本実施例4では、前記実施例1と同様に図1に示した次亜塩素酸生成装置10を用い、電解処理槽15内に、陽極13としてチタン基板表面にSiO、TiO、IrO、Vを分散担持し、その上にPtを担持した部材を使用し、陰極14としてチタンを用いて、電極間隔を30mmとして設置した。電解処理槽15の処理容積は0.5Lである。対象液は、蒸留水1Lに12gの塩化ナトリウムを添加したNaCl水溶液とした。試験は、電解処理槽15内に処理対象液を注入した後、関数発生器11より直流成分とパルス成分の重畳した電気信号を発信した後、電力増幅器12により所定の電流条件まで増幅し、電極間に電気信号を印加して試験を開始した。電解条件は、ピーク電流密度(パルス成分):100mA/cm2、ベース電流密度(直流成分):10μA/cm2,周波数:1kHz、デューティ:10%電解時間:100分とした。
試験結果を図3のNo.4に示した。次亜塩素酸濃度が780mg/Lであり、電流効率は2電子反応としたときを100%の電流効率とすると177%であった。
本実施例5では、図2に示した次亜塩素酸生成装置10を用い、電解処理槽15内に、陽極13としてチタン基板表面にSiO、TiO、IrO、Vを分散担持し、その上にPtを担持した部材を用い、陰極14としてチタンを用いて、電極間隔を30mmとして設置した。電解処理槽15の処理容積は0.5Lである。対象液は、蒸留水1Lに12gの塩化ナトリウムを添加したNaCl水溶液とした。試験は、電解処理槽15内に処理対象液を注入した後、関数発生器11よりパルス成分の電気信号を発信し、電力増幅器12により所定の電流条件まで増幅し、電極間に電気信号を印加したうえで、電解処理槽15下部より酸素発生器17にて発生させた酸素を散気管16を通じて供給して試験を開始した。このとき、酸素の代りに空気を利用しても良い。
電解条件は、ピーク電流密度(パルス成分):100mA/cm2、周波数:1kHz、デューティ:10%電解時間:100分とした。
試験結果を図3のNo.5に示した。次亜塩素酸濃度が810mg/Lであり、電流効率は2電子反応としたときを100%の電流効率とすると184%であった。
この結果、従来の2電子反応による次亜塩素酸生成反応に加えて、ラジカル経由の1電子反応による次亜塩素酸生成反応が起こり、さらに空気を供給することにより反応が促進し、2電子反応による次亜塩素酸生成を電流効率100%とすると、電流効率は184%であった。
これらの試験からも明らかなように、本実施形態によれば従来の1電子反応よりも電流効率が向上し、次亜塩素酸の生成量も増加し、次亜塩素酸の生成反応効率が大幅に向上することがわかる。
本発明の実施形態に係る次亜塩素酸生成装置の概略構成図を示す。 図1の別の実施形態に係る次亜塩素酸生成装置の概略構成図を示す。 本実施形態に係る次亜塩素酸生成装置を用いた時の次亜塩素酸の生成量と電流効率を示す表である。
符号の説明
10 次亜塩素酸生成装置
11 関数発生器
12 電力増幅器
13 陽極
14 陰極
15 電解処理槽
16 酸素発生器
17 散気管

Claims (9)

  1. 塩化物イオンが存在する液相中にヒドロキシラジカル若しくは塩素ラジカルを含む活性ラジカル種を生成させ、酸素存在下で液相中の塩化物イオン濃度を調整して前記活性ラジカル種から次亜塩素酸の中間体を形成させ、該中間体と酸素とを反応させることにより次亜塩素酸を生成することを特徴とする次亜塩素酸生成方法。
  2. 電解処理槽内の処理対象液に対向して浸漬された電極間に電気信号を印加し、該処理対象液の電気化学反応により次亜塩素酸を生成する請求項1記載の次亜塩素酸生成方法であって、
    陽極の電極電位が前記活性ラジカル種の生成反応に適した電気化学的電位以上となるように電気信号を印加するとともに、該電気信号が、直流成分、パルス成分、若しくは直流成分とパルス成分を重畳した成分のうち何れか一であることを特徴とする請求項1記載の次亜塩素酸生成方法。
  3. 前記陽極が、導電性電極基板に酸化物質を担持させ、該酸化物質の上にPt、Pd、Agの何れか一を分散担持させた構造であることを特徴とする請求項2記載の次亜塩素酸生成方法。
  4. 前記酸化物質が、Si、Ti、Pb、Sn、V、Irの何れか一以上の元素からなることを特徴とする請求項3記載の次亜塩素酸生成法方法。
  5. 前記電解処理槽内の陽極近傍に酸素若しくは空気を供給することを特徴とする請求項2記載の次亜塩素酸生成方法。
  6. 塩化物イオンを含む処理対象液が貯水された電解処理槽と、該処理対象液に対向して浸漬された複数の電極と、該電極間に電気信号を印加する電気信号発生器とを有し、前記処理対象液の電気化学反応により次亜塩素酸を生成する次亜塩素酸生成装置において、
    前記電気信号発生器は、陽極の電極電位がヒドロキシラジカル若しくは塩素ラジカルを含む活性ラジカル種の生成反応に適した電気化学的電位以上となるような電気信号で、かつ直流成分、パルス成分、若しくは直流成分とパルス成分を重畳した成分のうち何れか一である電気信号を発生させる構成であり、
    前記処理対象液中の陽極近傍に、前記電気信号に基づく電気化学反応により前記活性ラジカル種を生成し、酸素存在下でイオン濃度を調整して前記活性ラジカル種から次亜塩素酸の中間体を形成させ、該中間体と酸素とを反応させて次亜塩素酸を生成する反応場を形成したことを特徴とする次亜塩素酸生成装置。
  7. 前記陽極が、導電性電極基板に酸化物質を担持させ、該酸化物質の上にPt、Pd、Agの何れか一を分散担持させた構造であることを特徴とする請求項6記載の次亜塩素酸生成装置。
  8. 前記酸化物質が、Si、Ti、Pb、Sn、V、Irの何れか一以上の元素からなることを特徴とする請求項7記載の次亜塩素酸生成法装置。
  9. 前記反応場に酸素若しくは空気を供給する手段を設けたことを特徴とする請求項6記載の次亜塩素酸生成装置。
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