JPH09150157A - 水処理装置 - Google Patents
水処理装置Info
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- JPH09150157A JPH09150157A JP7308016A JP30801695A JPH09150157A JP H09150157 A JPH09150157 A JP H09150157A JP 7308016 A JP7308016 A JP 7308016A JP 30801695 A JP30801695 A JP 30801695A JP H09150157 A JPH09150157 A JP H09150157A
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- water
- treated water
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Abstract
(57)【要約】
【課題】処理水に電気エネルギを作用させ水素の発生を
促進しながらも酸素の発生を抑制することによって酸化
還元電位を引き下げる水処理装置を提供する。 【解決手段】一対の作用電極2,3が処理槽1中の処理
水に浸漬される。両作用電極2,3には電源装置5によ
り電圧が印加される。この電圧は両作用電極2,3間に
分解電圧未満の電圧を印加する。したがって、処理水に
電気エネルギが作用するものの、酸素は発生せず処理水
中において遊離している水素イオンが負極となる作用電
極付近に集まって水素が発生する。
促進しながらも酸素の発生を抑制することによって酸化
還元電位を引き下げる水処理装置を提供する。 【解決手段】一対の作用電極2,3が処理槽1中の処理
水に浸漬される。両作用電極2,3には電源装置5によ
り電圧が印加される。この電圧は両作用電極2,3間に
分解電圧未満の電圧を印加する。したがって、処理水に
電気エネルギが作用するものの、酸素は発生せず処理水
中において遊離している水素イオンが負極となる作用電
極付近に集まって水素が発生する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水に電場を作用さ
せることにより水の酸化還元電位を制御する水処理装置
に関するものである。
せることにより水の酸化還元電位を制御する水処理装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、水処理装置としては、水に磁
場を作用させる技術、水に遠赤外線を作用させる技術、
水に天然石を接触させる技術、水に電場を作用させる技
術などが知られている。たとえば、水に磁場を作用させ
る技術としては、特公平4−62796号公報に開示さ
れたものがある。これは、中空に形成され浮動状態に配
置されている多極の磁石に流体を通過させることによっ
て磁石を微振動させるものであり、流体の持つ運動エネ
ルギを電気エネルギに変化させて流体分子の持つ内部エ
ネルギを励起させることで、流体や流体中の有機物に物
理的変化をもたらすというものである。
場を作用させる技術、水に遠赤外線を作用させる技術、
水に天然石を接触させる技術、水に電場を作用させる技
術などが知られている。たとえば、水に磁場を作用させ
る技術としては、特公平4−62796号公報に開示さ
れたものがある。これは、中空に形成され浮動状態に配
置されている多極の磁石に流体を通過させることによっ
て磁石を微振動させるものであり、流体の持つ運動エネ
ルギを電気エネルギに変化させて流体分子の持つ内部エ
ネルギを励起させることで、流体や流体中の有機物に物
理的変化をもたらすというものである。
【0003】また、水に遠赤外線を作用させる技術とし
ては、特開平1−194989号公報に開示されたもの
がある。これは、光や温度のような外部エネルギによっ
て遠赤外線を放射する放射体とミネラル成分を供給する
成分供給体とを筒状体の中に収納し、筒状体内に通水す
るものであって、遠赤外線の照射とミネラル成分の供給
とによって水を活性化するというものである。
ては、特開平1−194989号公報に開示されたもの
がある。これは、光や温度のような外部エネルギによっ
て遠赤外線を放射する放射体とミネラル成分を供給する
成分供給体とを筒状体の中に収納し、筒状体内に通水す
るものであって、遠赤外線の照射とミネラル成分の供給
とによって水を活性化するというものである。
【0004】さらに、水に天然石を接触させるものとし
ては、天然石としてトルマリンを用いるものが提案され
ている。これは、トルマリンを水と接触させることによ
り接触界面で電気分解を生じさせて水の物性を変化させ
るというものである。水に電場を作用させる技術として
は、特開平5−228475号公報に記載されたものが
ある。これは、水中に配置した一対の作用電極間に交流
電圧を印加するとともに、水中に別に配置した1ないし
2個の電極を接地することにより、交流電圧の印加され
ている作用電極から接地された電極に水の整流作用によ
る直流電流を流し、この直流電流により水を電気分解し
て水の酸化還元電位を引き下げるというものである。上
記公報に記載のものでは、交流電圧は10〜50Vの電
圧で30〜50kHzの高周波を用いている。
ては、天然石としてトルマリンを用いるものが提案され
ている。これは、トルマリンを水と接触させることによ
り接触界面で電気分解を生じさせて水の物性を変化させ
るというものである。水に電場を作用させる技術として
は、特開平5−228475号公報に記載されたものが
ある。これは、水中に配置した一対の作用電極間に交流
電圧を印加するとともに、水中に別に配置した1ないし
2個の電極を接地することにより、交流電圧の印加され
ている作用電極から接地された電極に水の整流作用によ
る直流電流を流し、この直流電流により水を電気分解し
て水の酸化還元電位を引き下げるというものである。上
記公報に記載のものでは、交流電圧は10〜50Vの電
圧で30〜50kHzの高周波を用いている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した各種技術のう
ち、磁場、遠赤外線、天然石を用いる技術は、いずれも
水に作用するエネルギが小さいものであるから、大量の
水を一度に処理することができないという問題がある。
一方、電場を用いた技術は、水に大きなエネルギを作用
させることが可能であるから、大量の水を処理すること
ができるのであるが、電気分解によって処理水のpHが
大きく変化してしまったり、作用電極が溶解するという
問題が生じるおそれがある。
ち、磁場、遠赤外線、天然石を用いる技術は、いずれも
水に作用するエネルギが小さいものであるから、大量の
水を一度に処理することができないという問題がある。
一方、電場を用いた技術は、水に大きなエネルギを作用
させることが可能であるから、大量の水を処理すること
ができるのであるが、電気分解によって処理水のpHが
大きく変化してしまったり、作用電極が溶解するという
問題が生じるおそれがある。
【0006】また、上述した各技術はいずれも処理水の
水質が処理後の水質に大きく影響し、満足な処理結果を
得られないことがある。本発明は上記事由に鑑みて為さ
れたものであり、その目的は、電気エネルギを用いて大
量の水を処理しながらも処理水のpHを安定的に制御で
きるようにし、とくに水素の発生を促進しながらも酸素
の発生を抑制することによって酸化還元電位を引き下げ
ることができるようにし、また処理水の水質によらずに
所望の処理結果を得ることができるようにした水処理装
置を提供することにある。
水質が処理後の水質に大きく影響し、満足な処理結果を
得られないことがある。本発明は上記事由に鑑みて為さ
れたものであり、その目的は、電気エネルギを用いて大
量の水を処理しながらも処理水のpHを安定的に制御で
きるようにし、とくに水素の発生を促進しながらも酸素
の発生を抑制することによって酸化還元電位を引き下げ
ることができるようにし、また処理水の水質によらずに
所望の処理結果を得ることができるようにした水処理装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、処
理槽中の処理水に浸漬された一対の作用電極と、作用電
極間に印加する電圧を出力する電源装置とを備え、電源
装置は両作用電極間に分解電圧未満の電圧を印加するこ
とを特徴とする。この構成によれば、両作用電極間には
分解電圧以下の電圧か印加していないから、酸素は発生
せず処理水中において遊離している水素イオンが負極と
なる作用電極付近に集まって水素が発生する。つまり、
水素の放出により処理水の酸化還元電位を引き下げるこ
とができる。
理槽中の処理水に浸漬された一対の作用電極と、作用電
極間に印加する電圧を出力する電源装置とを備え、電源
装置は両作用電極間に分解電圧未満の電圧を印加するこ
とを特徴とする。この構成によれば、両作用電極間には
分解電圧以下の電圧か印加していないから、酸素は発生
せず処理水中において遊離している水素イオンが負極と
なる作用電極付近に集まって水素が発生する。つまり、
水素の放出により処理水の酸化還元電位を引き下げるこ
とができる。
【0008】請求項2の発明では、処理水に浸漬された
一対の作用電極および接地電極と、接地電極と各作用電
極との間に印加する電圧を出力する電源装置とを備え、
電源装置は、接地電極に対して正電位となる作用電極に
は酸素が発生する分解電圧未満の電位差で電圧を印加
し、接地電極に対して負電位となる作用電極には水素が
発生する分解電圧以上の電位差で電圧を印加することを
特徴とする。
一対の作用電極および接地電極と、接地電極と各作用電
極との間に印加する電圧を出力する電源装置とを備え、
電源装置は、接地電極に対して正電位となる作用電極に
は酸素が発生する分解電圧未満の電位差で電圧を印加
し、接地電極に対して負電位となる作用電極には水素が
発生する分解電圧以上の電位差で電圧を印加することを
特徴とする。
【0009】この構成によれば、接地電極と一方の作用
電極との間には水素を発生させるに十分な電位差で電圧
が印加され、接地電極と他方の作用電極との間には酸素
を発生させない程度の電位差で電圧が印加されるから、
水素のみが発生して酸素は発生せず、結果的に処理水の
酸化還元電位が引き下げられる。請求項3の発明では、
請求項1または請求項2の発明において、電源装置は、
作用電極への印加電圧の極性を周期的に反転させる。
電極との間には水素を発生させるに十分な電位差で電圧
が印加され、接地電極と他方の作用電極との間には酸素
を発生させない程度の電位差で電圧が印加されるから、
水素のみが発生して酸素は発生せず、結果的に処理水の
酸化還元電位が引き下げられる。請求項3の発明では、
請求項1または請求項2の発明において、電源装置は、
作用電極への印加電圧の極性を周期的に反転させる。
【0010】この構成では、作用電極への印加電圧を長
時間に亙って一定に保つことがないから、分極による電
流の減少がなく水素の発生量を維持することができる。
つまり、水の処理効率を高い状態に保つことができる。
請求項4の発明では、請求項1または請求項2の発明に
おいて、電源装置は、作用電極への印加電圧の波形を1
0Hz〜100kHzの周波数である複数の波形を組み
合わせたものとすることを特徴とする。
時間に亙って一定に保つことがないから、分極による電
流の減少がなく水素の発生量を維持することができる。
つまり、水の処理効率を高い状態に保つことができる。
請求項4の発明では、請求項1または請求項2の発明に
おいて、電源装置は、作用電極への印加電圧の波形を1
0Hz〜100kHzの周波数である複数の波形を組み
合わせたものとすることを特徴とする。
【0011】この構成では複数の波形を組み合わせるこ
とによって電圧印加波形を設定するから、組み合わた波
形および周波数成分の制御によって、水素発生に寄与し
ない無駄なエネルギがかかる時間を低減して水質の改善
効果を一層高めることができる。請求項5の発明では、
請求項1または請求項2の発明において、電極の材料は
水素過電圧が小さくかつ酸素過電圧の大きい材料である
ことを特徴とする。
とによって電圧印加波形を設定するから、組み合わた波
形および周波数成分の制御によって、水素発生に寄与し
ない無駄なエネルギがかかる時間を低減して水質の改善
効果を一層高めることができる。請求項5の発明では、
請求項1または請求項2の発明において、電極の材料は
水素過電圧が小さくかつ酸素過電圧の大きい材料である
ことを特徴とする。
【0012】この構成では、分解電圧の理論値からのず
れを加味して電極材料を選択するから、水素の発生効率
をより高くし、また酸素の発生をより抑制することがで
き、結果的に水質を効率よく改善することができる。請
求項6の発明では、請求項1ないし請求項5の発明にお
いて、電気分解により処理水のpHを調整する電解槽が
処理槽とは別に設けられ、処理槽と電解槽との間で処理
水が循環されることを特徴とする。
れを加味して電極材料を選択するから、水素の発生効率
をより高くし、また酸素の発生をより抑制することがで
き、結果的に水質を効率よく改善することができる。請
求項6の発明では、請求項1ないし請求項5の発明にお
いて、電気分解により処理水のpHを調整する電解槽が
処理槽とは別に設けられ、処理槽と電解槽との間で処理
水が循環されることを特徴とする。
【0013】請求項7の発明では、請求項1ないし請求
項5の発明において、pH調整剤を処理水に溶解させる
ことにより処理水のpHを調整するpH調整装置が処理
槽とは別に設けられ、処理槽とpH調整装置との間で処
理水が循環されることを特徴とする。請求項6、7の構
成では、分解電圧がpHに依存することを利用し、処理
水のpHを調整することによって、水素の発生効率を一
層高めることができる。
項5の発明において、pH調整剤を処理水に溶解させる
ことにより処理水のpHを調整するpH調整装置が処理
槽とは別に設けられ、処理槽とpH調整装置との間で処
理水が循環されることを特徴とする。請求項6、7の構
成では、分解電圧がpHに依存することを利用し、処理
水のpHを調整することによって、水素の発生効率を一
層高めることができる。
【0014】請求項8の発明では、請求項1ないし請求
項5の発明において、処理槽内の処理水の酸化還元電位
を表示する酸化還元電位計を備えることを特徴とする。
この構成では、酸化還元電位計により処理水が所望の酸
化還元電位になっているか否かを容易に管理することが
できる。請求項9の発明では、請求項1ないし請求項5
の発明において、処理槽内の処理水の酸化還元電位を計
測する酸化還元電位計と、処理水の酸化還元電位が設定
された目標値に近づくように電源装置の出力電圧および
通電時間をフィードバック制御する制御装置とを備える
ことを特徴とする。
項5の発明において、処理槽内の処理水の酸化還元電位
を表示する酸化還元電位計を備えることを特徴とする。
この構成では、酸化還元電位計により処理水が所望の酸
化還元電位になっているか否かを容易に管理することが
できる。請求項9の発明では、請求項1ないし請求項5
の発明において、処理槽内の処理水の酸化還元電位を計
測する酸化還元電位計と、処理水の酸化還元電位が設定
された目標値に近づくように電源装置の出力電圧および
通電時間をフィードバック制御する制御装置とを備える
ことを特徴とする。
【0015】この構成では、処理水の酸化還元電位を計
測し、かつ電源装置の出力電圧や電極への電圧印加時間
をフィードバック制御するから、酸化還元電位を目標値
に制御するのが容易になる。
測し、かつ電源装置の出力電圧や電極への電圧印加時間
をフィードバック制御するから、酸化還元電位を目標値
に制御するのが容易になる。
【0016】
(実施形態1)本実施形態は、図1に示すように、処理
槽1に導入された処理水の中に一対の作用電極2,3を
配置したものであり、作用電極2,3が電源装置5に接
続されることにより作用電極2,3間に直流電圧が印加
される。
槽1に導入された処理水の中に一対の作用電極2,3を
配置したものであり、作用電極2,3が電源装置5に接
続されることにより作用電極2,3間に直流電圧が印加
される。
【0017】ところで、一般に電気分解の定常状態にお
ける電圧−電流特性は、図2のようになることが知られ
ている。すなわち、作用電極2,3間の電圧が比較的低
い領域(図2の電圧Vsより低い領域)では電解生成物
(酸素や水素)は発生せず電圧の上昇に伴う電流の増加
率も小さいが、作用電極2,3間の電圧が高い領域(図
2の電圧Vs以上の領域)では電解生成物が定常的に発
生するようになって電流の増加率が大きくなる。ここ
に、電圧Vsは分解電圧であって電解生成物が定常的に
発生する最小電圧を意味する(電流の増加率が小さい領
域から電流の増加率が大きくなる領域への過渡領域では
電圧変化に伴って電流が指数関数的に増加する領域があ
り、過渡領域を越えるとほぼ直線的に電流が増加するこ
とが知られており、この直線部分の延長線上で分解電圧
を規定することもあるが、本発明では電解生成物の発生
により分解電圧を規定する)。
ける電圧−電流特性は、図2のようになることが知られ
ている。すなわち、作用電極2,3間の電圧が比較的低
い領域(図2の電圧Vsより低い領域)では電解生成物
(酸素や水素)は発生せず電圧の上昇に伴う電流の増加
率も小さいが、作用電極2,3間の電圧が高い領域(図
2の電圧Vs以上の領域)では電解生成物が定常的に発
生するようになって電流の増加率が大きくなる。ここ
に、電圧Vsは分解電圧であって電解生成物が定常的に
発生する最小電圧を意味する(電流の増加率が小さい領
域から電流の増加率が大きくなる領域への過渡領域では
電圧変化に伴って電流が指数関数的に増加する領域があ
り、過渡領域を越えるとほぼ直線的に電流が増加するこ
とが知られており、この直線部分の延長線上で分解電圧
を規定することもあるが、本発明では電解生成物の発生
により分解電圧を規定する)。
【0018】すなわち、作用電極2,3間の電圧が分解
電圧Vsより低い領域では、作用電極2,3間に形成さ
れる容量成分への充電電流と水に含まれる不純物の作用
電極反応による電流が流れ、分解電圧Vs以上の領域で
はイオンの移動による電流が流れるのである。分解電圧
Vs以上では陽極となる作用電極付近から酸素が発生
し、陰極となる作用電極付近では水素が発生する。
電圧Vsより低い領域では、作用電極2,3間に形成さ
れる容量成分への充電電流と水に含まれる不純物の作用
電極反応による電流が流れ、分解電圧Vs以上の領域で
はイオンの移動による電流が流れるのである。分解電圧
Vs以上では陽極となる作用電極付近から酸素が発生
し、陰極となる作用電極付近では水素が発生する。
【0019】本実施形態は、作用電極2,3への印加電
圧を分解電圧Vs未満に設定している点を要旨とするも
のであり、上述したように、この電圧領域では基本的に
は電解生成物は発生しない。しかしながら、水中には解
離した水素イオンが存在しており、作用電極2,3間の
電圧が分解電圧V未満であっても水素イオンは陰極にお
いて還元されることになる。つまり、 2H+ +2e- →H2 という反応により水素イオンは陰極付近で水素になる。
このように、酸素を発生させることなく水素を発生させ
ることができるから、水は全体として酸化還元電位が下
がるのであって、pHが大きく変動することがなく水質
を改善することができる。
圧を分解電圧Vs未満に設定している点を要旨とするも
のであり、上述したように、この電圧領域では基本的に
は電解生成物は発生しない。しかしながら、水中には解
離した水素イオンが存在しており、作用電極2,3間の
電圧が分解電圧V未満であっても水素イオンは陰極にお
いて還元されることになる。つまり、 2H+ +2e- →H2 という反応により水素イオンは陰極付近で水素になる。
このように、酸素を発生させることなく水素を発生させ
ることができるから、水は全体として酸化還元電位が下
がるのであって、pHが大きく変動することがなく水質
を改善することができる。
【0020】本実施形態において、作用電極2,3とし
て白金を用い、作用電極2,3間の距離を10mmと
し、処理槽1に酸化還元電位(ORP)が350mV
(基準電極:銀・塩化銀電極)の水道水を満たして作用
電極2、3間に5Vの電圧を30分間印加したところ、
処理槽1の中の水の酸化還元電位は0mV(基準電極:
銀・塩化銀電極)になった。
て白金を用い、作用電極2,3間の距離を10mmと
し、処理槽1に酸化還元電位(ORP)が350mV
(基準電極:銀・塩化銀電極)の水道水を満たして作用
電極2、3間に5Vの電圧を30分間印加したところ、
処理槽1の中の水の酸化還元電位は0mV(基準電極:
銀・塩化銀電極)になった。
【0021】ここで、作用電極の材料は白金に限定され
るものではなく、また、作用電極2,3への印加電圧も
分解電圧Vs未満であればよい。たとえば、0.1Mの
硫酸水溶液のようにイオン強度の大きな処理水に対して
は、2.5V未満の電圧を印加する。また、処理水が水
道水であればイオン強度は小さいから、作用電極2,3
への印加電圧は一般には10V未満に設定すればよい。
るものではなく、また、作用電極2,3への印加電圧も
分解電圧Vs未満であればよい。たとえば、0.1Mの
硫酸水溶液のようにイオン強度の大きな処理水に対して
は、2.5V未満の電圧を印加する。また、処理水が水
道水であればイオン強度は小さいから、作用電極2,3
への印加電圧は一般には10V未満に設定すればよい。
【0022】ところで、上述のように作用電極2,3へ
の印加電圧の極性を固定して処理水に直流電圧を印加し
続けると作用電極2,3において分極が生じ、電圧を一
定に保っているとすれば図3に示すように作用電極2,
3の電流が時間の経過とともに減少する。つまり、電流
が減少することによて水素の発生量も減少することにな
る。そこで、図4に示すように、作用電極2,3間の電
流が減少し始める前に作用電極2,3への印加電圧の極
性を反転させることにより、水素の発生量の減少を防止
することができる。このように、作用電極2,3への印
加電圧の極性を比較的短時間で反転させるように電源装
置5を構成することによって、水素の発生を持続させる
ことができるのである。
の印加電圧の極性を固定して処理水に直流電圧を印加し
続けると作用電極2,3において分極が生じ、電圧を一
定に保っているとすれば図3に示すように作用電極2,
3の電流が時間の経過とともに減少する。つまり、電流
が減少することによて水素の発生量も減少することにな
る。そこで、図4に示すように、作用電極2,3間の電
流が減少し始める前に作用電極2,3への印加電圧の極
性を反転させることにより、水素の発生量の減少を防止
することができる。このように、作用電極2,3への印
加電圧の極性を比較的短時間で反転させるように電源装
置5を構成することによって、水素の発生を持続させる
ことができるのである。
【0023】(実施形態2)本実施形態では、図5に示
すように、実施形態1の構成に対して処理槽1内に接地
電極4を付加した構成を有する。接地電極4は図5では
処理槽1の底部に配置され、作用電極2,3は接地電極
4よりも上方に配置される。本実施形態のように接地電
極4を設けると、各作用電極2,3と接地電極4との間
の電圧によって図6に示すような電圧−電流特性を持つ
ことになる。つまり、作用電極2,3に接地電極4に対
する正電圧が印加されるか負電圧が印加されるかに応じ
て、図6の右半分と左半分とのいずれかの特性を示すこ
とになる。分解電圧Vs+ 以上の正電圧が印加されると
作用電極の近傍から酸素が発生し、分解電圧Vs- 以下
の負電圧が印加されると作用電極の近傍から水素が発生
する。ここにおいて、本発明は水の酸化還元電位を引き
下げることを目的としているから、水素を発生させ酸素
は発生させないように電解を行なうことが望ましい。そ
こで、正電圧が印加される作用電極3に対しては分解電
圧Vs+ 未満の電圧を印加することにより酸素を発生さ
せず、負電圧が印加される作用電極2に対しては分解電
圧Vs- 以下(絶対値が|Vs- |以上)の電圧を印加
することにより水素を発生させるのである。その結果、
水素のみが発生して酸化還元電位を下げることができる
のである。
すように、実施形態1の構成に対して処理槽1内に接地
電極4を付加した構成を有する。接地電極4は図5では
処理槽1の底部に配置され、作用電極2,3は接地電極
4よりも上方に配置される。本実施形態のように接地電
極4を設けると、各作用電極2,3と接地電極4との間
の電圧によって図6に示すような電圧−電流特性を持つ
ことになる。つまり、作用電極2,3に接地電極4に対
する正電圧が印加されるか負電圧が印加されるかに応じ
て、図6の右半分と左半分とのいずれかの特性を示すこ
とになる。分解電圧Vs+ 以上の正電圧が印加されると
作用電極の近傍から酸素が発生し、分解電圧Vs- 以下
の負電圧が印加されると作用電極の近傍から水素が発生
する。ここにおいて、本発明は水の酸化還元電位を引き
下げることを目的としているから、水素を発生させ酸素
は発生させないように電解を行なうことが望ましい。そ
こで、正電圧が印加される作用電極3に対しては分解電
圧Vs+ 未満の電圧を印加することにより酸素を発生さ
せず、負電圧が印加される作用電極2に対しては分解電
圧Vs- 以下(絶対値が|Vs- |以上)の電圧を印加
することにより水素を発生させるのである。その結果、
水素のみが発生して酸化還元電位を下げることができる
のである。
【0024】たとえば、処理槽1の水のpHが7で酸化
還元電位350mVであるときに、作用電極2に−2V
の電圧を印加するとともに作用電極3に+0.5Vの電
圧を印加する状態を30分間継続したところ、処理槽1
の水の酸化還元電位は−10mVになった。ここに、各
作用電極2,3に印加する電圧は水素が発生する分解電
圧Vs- (=0.413V(基準電極:標準水素電
極))と、酸素が発生する分解電圧Vs + (=0.81
6V(基準電極:標準水素電極)とに基づいて上述の関
係に設定される。
還元電位350mVであるときに、作用電極2に−2V
の電圧を印加するとともに作用電極3に+0.5Vの電
圧を印加する状態を30分間継続したところ、処理槽1
の水の酸化還元電位は−10mVになった。ここに、各
作用電極2,3に印加する電圧は水素が発生する分解電
圧Vs- (=0.413V(基準電極:標準水素電
極))と、酸素が発生する分解電圧Vs + (=0.81
6V(基準電極:標準水素電極)とに基づいて上述の関
係に設定される。
【0025】本実施形態においても実施形態1と同様に
各作用電極2,3に印加する電圧の極性が固定的に設定
されていると分極が生じて電流が減少することにより水
素の発生量が時間経過とともに減少することになる(図
7に作用電極2,3への印加電圧と電流との関係の変化
を示す)。そこで、作用電極2,3への印加電圧をそれ
ぞれ図8(a)(b)に示すように設定しておくと、接
地電極4に対して作用電極2,3の一方が正極のときに
他方が負極になるという関係を保ちながらも電流の流れ
る向きを時間経過とともに変化させることができ、分極
を生じさせることなく水素の発生を維持することができ
る。
各作用電極2,3に印加する電圧の極性が固定的に設定
されていると分極が生じて電流が減少することにより水
素の発生量が時間経過とともに減少することになる(図
7に作用電極2,3への印加電圧と電流との関係の変化
を示す)。そこで、作用電極2,3への印加電圧をそれ
ぞれ図8(a)(b)に示すように設定しておくと、接
地電極4に対して作用電極2,3の一方が正極のときに
他方が負極になるという関係を保ちながらも電流の流れ
る向きを時間経過とともに変化させることができ、分極
を生じさせることなく水素の発生を維持することができ
る。
【0026】たとえば、作用電極2,3に印加する電圧
を負側では−2V、正側では+0.5Vと設定し、この
状態を30分間継続することによって処理槽1の中の処
理水の酸化還元電位を350mVから−50mVまで引
き下げることができた。本実施形態においても実施形態
1と同様に作用電極2,3に印加する電圧の変化の波形
は図8のように正弦波状に限定されるものではなく、図
9(a)〜(d)に示すにような各種波形を採用するこ
とができる。また、10Hz〜100kHzの正弦波、
パルス波、矩形波、鋸歯状波を組み合わせることによっ
て作用電極2,3に印加する電圧の波形を生成すること
ができる。
を負側では−2V、正側では+0.5Vと設定し、この
状態を30分間継続することによって処理槽1の中の処
理水の酸化還元電位を350mVから−50mVまで引
き下げることができた。本実施形態においても実施形態
1と同様に作用電極2,3に印加する電圧の変化の波形
は図8のように正弦波状に限定されるものではなく、図
9(a)〜(d)に示すにような各種波形を採用するこ
とができる。また、10Hz〜100kHzの正弦波、
パルス波、矩形波、鋸歯状波を組み合わせることによっ
て作用電極2,3に印加する電圧の波形を生成すること
ができる。
【0027】たとえば、図9(d)の波形は60Hz、
10kHz、30kHzの周波数成分を合成することに
より生成した波形であって、この波形で中心電圧を−
0.5Vとし振幅を±1.5Vとして(つまり、正側で
+1V、負側で−2V)作用電極2,3および接地電極
4に30分間印加したところ、pHが7の処理水の酸化
還元電位が350mV(基準電極:銀・塩化銀電極)か
ら−30mV(基準電極:銀・塩化銀電極)になった。
このように作用電極2,3に印加する電圧波形の周波数
成分や波形を制御することにより、水素の発生に寄与す
るエネルギの割合を大きくすることが可能になる。
10kHz、30kHzの周波数成分を合成することに
より生成した波形であって、この波形で中心電圧を−
0.5Vとし振幅を±1.5Vとして(つまり、正側で
+1V、負側で−2V)作用電極2,3および接地電極
4に30分間印加したところ、pHが7の処理水の酸化
還元電位が350mV(基準電極:銀・塩化銀電極)か
ら−30mV(基準電極:銀・塩化銀電極)になった。
このように作用電極2,3に印加する電圧波形の周波数
成分や波形を制御することにより、水素の発生に寄与す
るエネルギの割合を大きくすることが可能になる。
【0028】なお、作用電極2,3に負電圧を印加する
際に接地電極4との電位差が分解電圧Vs- (=0.4
13V)以下となる電圧を印加すれば水の分極を促進す
るが、この電圧を長時間に亙って印加し続けるとエネル
ギが損失する(酸化還元電位を制御しない状態で通電さ
れる)。したがって、常時は上記条件の電圧を作用電極
2,3および接地電極4に印加する。
際に接地電極4との電位差が分解電圧Vs- (=0.4
13V)以下となる電圧を印加すれば水の分極を促進す
るが、この電圧を長時間に亙って印加し続けるとエネル
ギが損失する(酸化還元電位を制御しない状態で通電さ
れる)。したがって、常時は上記条件の電圧を作用電極
2,3および接地電極4に印加する。
【0029】作用電極2,3および接地電極4の材料に
ついては以下のように選択される。すなわち、水の電気
分解では主として次のような反応が生じている。 2H+ +2e- →H2 (1) H2 O→(1/2)O2 +2H+ +2e- (2) 両反応による分解電圧EはpHに依存し、それぞれ理論
値は次のようになる。 E=E0 −0.059pH (3) E=E0 +1.23−0.059pH (4) ただし、E0 は標準電極電位である。理論的には(3)
(4)式で表された分解電圧Eの電位差が各作用電極
2,3と接地電極4との間に生じると電気分解が生じる
のであるが、実際には作用電極2,3および接地電極4
を形成する材科の種類によって電気分解の生じる電圧に
はずれがある。このずれの電圧をそれぞれ水素過電圧お
よび酸素過電圧と呼ぶことにすれば、水素過電圧の小さ
い作用電極ほど水素が発生するときの接地電極との電位
差を小さくすることが可能になり、酸素過電圧が大きい
作用電極ほど酸素が発生するときの接地電極との電位差
を大きくすることができる。
ついては以下のように選択される。すなわち、水の電気
分解では主として次のような反応が生じている。 2H+ +2e- →H2 (1) H2 O→(1/2)O2 +2H+ +2e- (2) 両反応による分解電圧EはpHに依存し、それぞれ理論
値は次のようになる。 E=E0 −0.059pH (3) E=E0 +1.23−0.059pH (4) ただし、E0 は標準電極電位である。理論的には(3)
(4)式で表された分解電圧Eの電位差が各作用電極
2,3と接地電極4との間に生じると電気分解が生じる
のであるが、実際には作用電極2,3および接地電極4
を形成する材科の種類によって電気分解の生じる電圧に
はずれがある。このずれの電圧をそれぞれ水素過電圧お
よび酸素過電圧と呼ぶことにすれば、水素過電圧の小さ
い作用電極ほど水素が発生するときの接地電極との電位
差を小さくすることが可能になり、酸素過電圧が大きい
作用電極ほど酸素が発生するときの接地電極との電位差
を大きくすることができる。
【0030】本発明は水素の発生を促進し、酸素の発生
を抑制することが目的であるから、水素の発生を促進す
るために水素過電圧の小さい材料を選択し、酸素の発生
を抑制するために酸素過電圧の大きい材料を選択するの
が望ましい。このような材料として白金を選択すること
ができるが、水素過電圧の小さい材料としては、白金以
外にもパラジウム、ルテニウム、ロジウム、金、鉄、コ
バルト、銀、ニッケルなどを用いることができ、酸素過
電圧の大きい材料としては、白金のほか金、カドニウム
などを用いることができる。さらに、両条件を満たす材
料として、白金、イリジウム、チタン、パラジウム、
鉄、金ないしそれらを含有する材料を用いるのが望まし
い。また、これらの材料は板材であっても、メッキや焼
成品であってもよい。
を抑制することが目的であるから、水素の発生を促進す
るために水素過電圧の小さい材料を選択し、酸素の発生
を抑制するために酸素過電圧の大きい材料を選択するの
が望ましい。このような材料として白金を選択すること
ができるが、水素過電圧の小さい材料としては、白金以
外にもパラジウム、ルテニウム、ロジウム、金、鉄、コ
バルト、銀、ニッケルなどを用いることができ、酸素過
電圧の大きい材料としては、白金のほか金、カドニウム
などを用いることができる。さらに、両条件を満たす材
料として、白金、イリジウム、チタン、パラジウム、
鉄、金ないしそれらを含有する材料を用いるのが望まし
い。また、これらの材料は板材であっても、メッキや焼
成品であってもよい。
【0031】(実施形態3)本実施形態では、実施形態
2を用いた水処理装置のシステム構成を示す。図10の
ように、本実施形態では内部空間が隔膜(アルカリ性水
と酸性水とを分離する膜)により仕切られている2槽式
の電解槽10を備え、この電解槽10の一方の室に実施
形態2の処理槽1によって処理した水を循環させる。つ
まり、処理槽1からの水はポンプ11により汲み出され
て電解槽10に導入された後、処理槽1に再び戻される
のである。また、電解槽10の他方の室には補助水槽1
5に溜められている補助水溶液が循環される。つまり、
補助水溶液はポンプ16により汲み出されて電解槽10
に導入され、電解槽10から補助水槽15に戻されるの
である。電解槽10の内部には隔膜を介して電極が配置
されており、電極間に電圧印加装置12からの電圧を印
加することによって電気分解を行なう。つまり、処理槽
1から電解槽10に導入された水のpHが調整される。
2を用いた水処理装置のシステム構成を示す。図10の
ように、本実施形態では内部空間が隔膜(アルカリ性水
と酸性水とを分離する膜)により仕切られている2槽式
の電解槽10を備え、この電解槽10の一方の室に実施
形態2の処理槽1によって処理した水を循環させる。つ
まり、処理槽1からの水はポンプ11により汲み出され
て電解槽10に導入された後、処理槽1に再び戻される
のである。また、電解槽10の他方の室には補助水槽1
5に溜められている補助水溶液が循環される。つまり、
補助水溶液はポンプ16により汲み出されて電解槽10
に導入され、電解槽10から補助水槽15に戻されるの
である。電解槽10の内部には隔膜を介して電極が配置
されており、電極間に電圧印加装置12からの電圧を印
加することによって電気分解を行なう。つまり、処理槽
1から電解槽10に導入された水のpHが調整される。
【0032】実施形態2において説明したように
((3)(4)式)、処理槽1での水処理には処理水の
pHが大きく影響するから、電解槽10において処理水
のpHを小さくすることによって、水素の発生に要する
分解電圧Vs- の絶対値を引下げ、酸素の発生に要する
分解電圧Vs+ を引き上げることができる。たとえば、
pHが7であって酸化還元電位が350mV(基準電
極:銀・塩化銀電極)の処理水を処理槽1において30
分処理した場合には酸化還元電位は−10mVまでしか
下がらないが、電解槽10を用いてpHを調整すること
によってpHを5にすれば、同条件で酸化還元電位を−
100mVまで引き下げることが可能になる。
((3)(4)式)、処理槽1での水処理には処理水の
pHが大きく影響するから、電解槽10において処理水
のpHを小さくすることによって、水素の発生に要する
分解電圧Vs- の絶対値を引下げ、酸素の発生に要する
分解電圧Vs+ を引き上げることができる。たとえば、
pHが7であって酸化還元電位が350mV(基準電
極:銀・塩化銀電極)の処理水を処理槽1において30
分処理した場合には酸化還元電位は−10mVまでしか
下がらないが、電解槽10を用いてpHを調整すること
によってpHを5にすれば、同条件で酸化還元電位を−
100mVまで引き下げることが可能になる。
【0033】(実施形態4)本実施例は実施形態3と同
様に、処理水のpHを調節するようにしたものであっ
て、図11に示すように、実施形態2の水処理装置にお
ける処理槽1の水をポンプ11によって汲み出すとも
に、pH調整装置13を通して処理槽1に戻すようにし
たものである。pH調整装置13は、通水される筒状体
内にpH調整剤を充填したものであって、たとえばpH
調整剤としてアスコルビン酸を用いるとすれば、1リッ
トルの水に1gのアスコルビン酸が溶けるようにしてあ
る。この場合、処理水のpHが7であればpHは5にな
る。pHが7である処理水を実施形態2の条件で30分
間処理したときには酸化還元電位が−10mVにしかな
らなかったが、本実施形態を用いて同条件で処理を行な
ったところ、酸化還元電位は−100mVになった。
様に、処理水のpHを調節するようにしたものであっ
て、図11に示すように、実施形態2の水処理装置にお
ける処理槽1の水をポンプ11によって汲み出すとも
に、pH調整装置13を通して処理槽1に戻すようにし
たものである。pH調整装置13は、通水される筒状体
内にpH調整剤を充填したものであって、たとえばpH
調整剤としてアスコルビン酸を用いるとすれば、1リッ
トルの水に1gのアスコルビン酸が溶けるようにしてあ
る。この場合、処理水のpHが7であればpHは5にな
る。pHが7である処理水を実施形態2の条件で30分
間処理したときには酸化還元電位が−10mVにしかな
らなかったが、本実施形態を用いて同条件で処理を行な
ったところ、酸化還元電位は−100mVになった。
【0034】pH調整剤としては、アスコルビン酸以外
の有機酸を使用可能であって、クエン酸、乳酸なども用
いることができる。また、pH調整剤の形状は、粉末
状、顆粒状、錠剤、水溶液などの形で適用することがで
きる。 (実施形態5)本実施形態は、図12に示すように、実
施形態2の処理槽1において処理水の酸化還元電位を測
定する酸化還元電位計6を設けたものである。酸化還元
電位径6は、処理水に浸漬されて酸化還元電位を検出す
るセンサ部6aと、センサ部6aの出力に基づいて測定
された処理水の酸化還元電位を表示する表示部6bとを
備える。また、表示部6bは表示値に相当する外部信号
を出力する機能も有している。
の有機酸を使用可能であって、クエン酸、乳酸なども用
いることができる。また、pH調整剤の形状は、粉末
状、顆粒状、錠剤、水溶液などの形で適用することがで
きる。 (実施形態5)本実施形態は、図12に示すように、実
施形態2の処理槽1において処理水の酸化還元電位を測
定する酸化還元電位計6を設けたものである。酸化還元
電位径6は、処理水に浸漬されて酸化還元電位を検出す
るセンサ部6aと、センサ部6aの出力に基づいて測定
された処理水の酸化還元電位を表示する表示部6bとを
備える。また、表示部6bは表示値に相当する外部信号
を出力する機能も有している。
【0035】一般に、処理槽1において処理水に電圧を
印加し水素を発生させることによって酸化還元電位を低
下させる処理を行なった場合に、作用電極に印加する電
圧の最適値は処理水の水質に左右され、処理結果が一定
しない。そこで、本実施形態では酸化還元電位を計測し
て表示部6bに表示することにより所望の酸化還元電位
が得られるようにしているのである。
印加し水素を発生させることによって酸化還元電位を低
下させる処理を行なった場合に、作用電極に印加する電
圧の最適値は処理水の水質に左右され、処理結果が一定
しない。そこで、本実施形態では酸化還元電位を計測し
て表示部6bに表示することにより所望の酸化還元電位
が得られるようにしているのである。
【0036】(実施形態6)本実施形態は、図13に示
すように、実施形態5と同様に酸化還元電位計6を設
け、さらに酸化還元電位計6により計測した酸化還元電
位に基づいて電源装置5の出力電圧を制御装置7によっ
てフィードバック制御するものである。すなわち、所望
の酸化還元電位を制御装置7に目標値として設定してお
けば、酸化還元電位計6での測定値に基づいて電源装置
5の出力電圧を制御し、最終的に目標値である酸化還元
電位が得られるように自動制御するのである。ここに、
制御装置7は目標値が達成できるように、処理時間を延
長したり短縮したりする機能と作用電極2,3に印加す
る電圧を調整する機能とを有する。
すように、実施形態5と同様に酸化還元電位計6を設
け、さらに酸化還元電位計6により計測した酸化還元電
位に基づいて電源装置5の出力電圧を制御装置7によっ
てフィードバック制御するものである。すなわち、所望
の酸化還元電位を制御装置7に目標値として設定してお
けば、酸化還元電位計6での測定値に基づいて電源装置
5の出力電圧を制御し、最終的に目標値である酸化還元
電位が得られるように自動制御するのである。ここに、
制御装置7は目標値が達成できるように、処理時間を延
長したり短縮したりする機能と作用電極2,3に印加す
る電圧を調整する機能とを有する。
【0037】
【発明の効果】請求項1の発明は、処理槽中の処理水に
浸漬された一対の作用電極と、作用電極間に印加する電
圧を出力する電源装置とを備え、電源装置は両作用電極
間に分解電圧未満の電圧を印加するものであり、両作用
電極間には分解電圧以下の電圧か印加していないから、
酸素は発生せず処理水中において遊離している水素イオ
ンが負極となる作用電極付近に集まって水素が発生する
のであって、水素の放出により処理水の酸化還元電位を
引き下げることができるという利点がある。
浸漬された一対の作用電極と、作用電極間に印加する電
圧を出力する電源装置とを備え、電源装置は両作用電極
間に分解電圧未満の電圧を印加するものであり、両作用
電極間には分解電圧以下の電圧か印加していないから、
酸素は発生せず処理水中において遊離している水素イオ
ンが負極となる作用電極付近に集まって水素が発生する
のであって、水素の放出により処理水の酸化還元電位を
引き下げることができるという利点がある。
【0038】請求項2の発明は、処理水に浸漬された一
対の作用電極および接地電極と、接地電極と各作用電極
との間に印加する電圧を出力する電源装置とを備え、電
源装置は、接地電極に対して正電位となる作用電極には
酸素が発生する分解電圧未満の電位差で電圧を印加し、
接地電極に対して負電位となる作用電極には水素が発生
する分解電圧以上の電位差で電圧を印加するものであ
り、接地電極と一方の作用電極との間には水素を発生さ
せるに十分な電位差で電圧が印加され、接地電極と他方
の作用電極との間には酸素を発生させない程度の電位差
で電圧が印加されるから、水素のみが発生して酸素は発
生せず、結果的に処理水の酸化還元電位が引き下げられ
るという利点がある。
対の作用電極および接地電極と、接地電極と各作用電極
との間に印加する電圧を出力する電源装置とを備え、電
源装置は、接地電極に対して正電位となる作用電極には
酸素が発生する分解電圧未満の電位差で電圧を印加し、
接地電極に対して負電位となる作用電極には水素が発生
する分解電圧以上の電位差で電圧を印加するものであ
り、接地電極と一方の作用電極との間には水素を発生さ
せるに十分な電位差で電圧が印加され、接地電極と他方
の作用電極との間には酸素を発生させない程度の電位差
で電圧が印加されるから、水素のみが発生して酸素は発
生せず、結果的に処理水の酸化還元電位が引き下げられ
るという利点がある。
【0039】請求項3の発明は、作用電極への印加電圧
の極性を周期的に反転させるから、作用電極への印加電
圧を長時間に亙って一定に保つことがなく、結果的に分
極による電流の減少がなく水素の発生量を維持すること
ができ、水の処理効率を高い状態に保つことができると
いう利点がある。また、作用電極が均等に用いられるこ
とによって作用電極の腐食や溶質の付着が抑制される。
の極性を周期的に反転させるから、作用電極への印加電
圧を長時間に亙って一定に保つことがなく、結果的に分
極による電流の減少がなく水素の発生量を維持すること
ができ、水の処理効率を高い状態に保つことができると
いう利点がある。また、作用電極が均等に用いられるこ
とによって作用電極の腐食や溶質の付着が抑制される。
【0040】請求項4の発明は、作用電極への印加電圧
の波形を10Hz〜100kHzの周波数である複数の
波形を組み合わせたものとしているから、組み合わた波
形および周波数成分の制御によって、水素発生に寄与し
ない無駄なエネルギがかかる時間を低減して水質の改善
効果を一層高めることができる。請求項5の発明は、電
極の材料として水素過電圧が小さくかつ酸素過電圧の大
きい材料を選択するものであり、分解電圧の理論値から
のずれを加味して電極材料を選択するから、水素の発生
効率をより高くし、また酸素の発生をより抑制すること
ができ、結果的に水質を効率よく改善することができる
という利点を有する。
の波形を10Hz〜100kHzの周波数である複数の
波形を組み合わせたものとしているから、組み合わた波
形および周波数成分の制御によって、水素発生に寄与し
ない無駄なエネルギがかかる時間を低減して水質の改善
効果を一層高めることができる。請求項5の発明は、電
極の材料として水素過電圧が小さくかつ酸素過電圧の大
きい材料を選択するものであり、分解電圧の理論値から
のずれを加味して電極材料を選択するから、水素の発生
効率をより高くし、また酸素の発生をより抑制すること
ができ、結果的に水質を効率よく改善することができる
という利点を有する。
【0041】請求項6の発明は、電気分解により処理水
のpHを調整する電解槽が処理槽とは別に設けられ、処
理槽と電解槽との間で処理水が循環されるものであり、
請求項7の発明は、pH調整剤を処理水に溶解させるこ
とにより処理水のpHを調整するpH調整装置が処理槽
とは別に設けられ、処理槽とpH調整装置との間で処理
水が循環されるものであり、いずれの発明も分解電圧が
pHに依存することを利用し、処理水のpHを調整する
ことによって、水素の発生効率を一層高めることができ
るという利点がある。
のpHを調整する電解槽が処理槽とは別に設けられ、処
理槽と電解槽との間で処理水が循環されるものであり、
請求項7の発明は、pH調整剤を処理水に溶解させるこ
とにより処理水のpHを調整するpH調整装置が処理槽
とは別に設けられ、処理槽とpH調整装置との間で処理
水が循環されるものであり、いずれの発明も分解電圧が
pHに依存することを利用し、処理水のpHを調整する
ことによって、水素の発生効率を一層高めることができ
るという利点がある。
【0042】請求項8の発明は、処理槽内の処理水の酸
化還元電位を表示する酸化還元電位計を備えるものであ
り、酸化還元電位計により処理水が所望の酸化還元電位
になっているか否かを容易に管理することができるとい
う利点がある。請求項9の発明は、処理槽内の処理水の
酸化還元電位を計測する酸化還元電位計と、処理水の酸
化還元電位が設定された目標値に近づくように電源装置
の出力電圧および通電時間をフィードバック制御する制
御装置とを備えるものであり、処理水の酸化還元電位を
計測し、かつ電源装置の出力電圧や電極への電圧印加時
間をフィードバック制御するから、酸化還元電位を目標
値に制御するのが容易になるという利点がある。
化還元電位を表示する酸化還元電位計を備えるものであ
り、酸化還元電位計により処理水が所望の酸化還元電位
になっているか否かを容易に管理することができるとい
う利点がある。請求項9の発明は、処理槽内の処理水の
酸化還元電位を計測する酸化還元電位計と、処理水の酸
化還元電位が設定された目標値に近づくように電源装置
の出力電圧および通電時間をフィードバック制御する制
御装置とを備えるものであり、処理水の酸化還元電位を
計測し、かつ電源装置の出力電圧や電極への電圧印加時
間をフィードバック制御するから、酸化還元電位を目標
値に制御するのが容易になるという利点がある。
【図1】実施形態1を示す概略構成図である。
【図2】実施形態1の動作原理を説明する図である。
【図3】実施形態1の動作説明図である。
【図4】実施形態1の動作説明図である。
【図5】実施形態2を示す概略構成図である。
【図6】実施形態2の動作原理を説明する図である。
【図7】実施形態2の動作説明図である。
【図8】実施形態2の動作説明図である。
【図9】実施形態2の動作説明図である。
【図10】実施形態3を示す概略構成図である。
【図11】実施形態4を示す概略構成図である。
【図12】実施形態5を示す概略構成図である。
【図13】実施形態6を示す概略構成図である。
1 処理槽 2 作用電極 3 作用電極 4 接地電極 5 電源装置 6 酸化還元電位計 6a センサ部 6b 表示部 7 制御装置 10 電解槽 13 pH調整装置
Claims (9)
- 【請求項1】 処理槽中の処理水に浸漬された一対の作
用電極と、作用電極間に印加する電圧を出力する電源装
置とを備え、電源装置は両作用電極間に分解電圧未満の
電圧を印加することを特徴とする水処理装置。 - 【請求項2】 処理水に浸漬された一対の作用電極およ
び接地電極と、接地電極と各作用電極との間に印加する
電圧を出力する電源装置とを備え、電源装置は、接地電
極に対して正電位となる作用電極には酸素が発生する分
解電圧未満の電位差で電圧を印加し、接地電極に対して
負電位となる作用電極には水素が発生する分解電圧以上
の電位差で電圧を印加することを特徴とする水処理装
置。 - 【請求項3】 電源装置は、作用電極への印加電圧の極
性を周期的に反転させることを特徴とする請求項1また
は請求項2記載の水処理装置。 - 【請求項4】 電源装置は、作用電極への印加電圧の波
形を10Hz〜100kHzの周波数である複数の波形
を組み合わせたものとすることを特徴とする請求項1ま
たは請求項2記載の水処理装置。 - 【請求項5】 電極の材料は水素過電圧が小さくかつ酸
素過電圧の大きい材料であることを特徴とする請求項1
または請求項2記載の水処理装置。 - 【請求項6】 電気分解により処理水のpHを調整する
電解槽が処理槽とは別に設けられ、処理槽と電解槽との
間で処理水が循環されることを特徴とする請求項1ない
し請求項5記載の水処理装置。 - 【請求項7】 pH調整剤を処理水に溶解させることに
より処理水のpHを調整するpH調整装置が処理槽とは
別に設けられ、処理槽とpH調整装置との間で処理水が
循環されることを特徴とする請求項1ないし請求項5記
載の水処理装置。 - 【請求項8】 処理槽内の処理水の酸化還元電位を表示
する酸化還元電位計を備えることを特徴とする請求項1
ないし請求項5記載の水処理装置。 - 【請求項9】 処理槽内の処理水の酸化還元電位を計測
する酸化還元電位計と、処理水の酸化還元電位が設定さ
れた目標値に近づくように電源装置の出力電圧および通
電時間をフィードバック制御する制御装置とを備えるこ
とを特徴とする請求項1ないし請求項5記載の水処理装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7308016A JPH09150157A (ja) | 1995-11-27 | 1995-11-27 | 水処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7308016A JPH09150157A (ja) | 1995-11-27 | 1995-11-27 | 水処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09150157A true JPH09150157A (ja) | 1997-06-10 |
Family
ID=17975877
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7308016A Withdrawn JPH09150157A (ja) | 1995-11-27 | 1995-11-27 | 水処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09150157A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11300358A (ja) * | 1998-04-24 | 1999-11-02 | Hideo Hayakawa | 水処理方法及びその装置 |
JP2006239531A (ja) * | 2005-03-02 | 2006-09-14 | Hideo Hayakawa | 次亜塩素酸ナトリウム塩を用いた水の浄化方法 |
JP2020028874A (ja) * | 2018-08-21 | 2020-02-27 | 健水ライフサイエンス株式会社 | 微小気泡発生装置 |
-
1995
- 1995-11-27 JP JP7308016A patent/JPH09150157A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11300358A (ja) * | 1998-04-24 | 1999-11-02 | Hideo Hayakawa | 水処理方法及びその装置 |
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JP4596937B2 (ja) * | 2005-03-02 | 2010-12-15 | 英雄 早川 | 次亜塩素酸ナトリウム塩を用いた水の浄化方法 |
JP2020028874A (ja) * | 2018-08-21 | 2020-02-27 | 健水ライフサイエンス株式会社 | 微小気泡発生装置 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030204 |