JP2006205016A - オゾン水を得る方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オゾンによって確実に水中の微生物等を殺菌できるオゾン濃度を有するオゾン水を得る方法を提供する。
【解決手段】 陽極と接液部がポリアニリンとされた陰極とを電解質物質を溶解した用水中に配置し、該用水を空気曝気して溶存酸素濃度を上昇させた状態で、陽極と陰極との間に通電して、陽極側で遊離塩素イオンと溶存酸素を酸化してオゾンとを発生させ、ポリアニリン陰極表面で溶存酸素を還元して生成するスーパーオキシドを酸化してオゾンを発生させ、通電電流密度を制御して陰極側で消滅する遊離塩素イオン量よりも消滅するオゾン量を少なくしてオゾンが溶存した水を得る
【選択図】 図1

Description

本発明は、水の殺菌システムに用い得るオゾン水を得る方法に関し、更に詳しくは、殺菌剤等を使用することなく、人体に安全で、効率よく雨水等中の菌類を殺菌することができる水殺菌システムに用い得るオゾン水を得る方法に関するものである。
雨水は、溶質物がきわめて少ない超軟水であり、限りなく純水に近い水である。そして、溶質物の少ない水は濾過や浄化がしやすく、有害な塩素やその他の化学物質を使わずに処理できる可能性があり、また、こうした特質をもつ雨水は、きわめて安全な水資源として再生することができ、さらに、再生された雨水は使用用途も広く、洗浄水や飲用水としての利用にも適している。したがって、濾過および水質維持等をしっかりとした手法で実現しさえすれば、雨水は、植木用の散水や、洗車、サニタリーの用水、さらには台所や飲用水等に至るまで、あらゆる用途の生活水として利用の可能性がある。このような雨水のもつ特性を積極的に活用するため、種々の殺菌システムが採用されている。
例えば、飲料水等の浄化処理においては、その脱色、COD低減又は殺菌のために、塩素などの薬剤を投入する方法が取られている。水道法施行規則では、一般細菌及び大腸菌群の水質基準を満たす上で、給水栓末端で遊離残留塩素0.1ppm以上という塩素濃度基準値が定められている。これを達成するために、上水源の汚染の進行に伴い、より多くの塩素の注入を余儀なくされてきたが、最近になって、多量の塩素注入により残留塩素から有機系塩素化合物(例えばトリハロメタン)などの危険物質が生成する可能性が指摘され、塩素注入は禁止される傾向にある。このため、水処理(殺菌)の問題点を解決するために塩素添加に代わる新規な水処理法が提案されている。
例えば、ポリアニリンが用水中の溶存酸素を還元することによりスーパーオキシドが発生することを利用して、このスーパーオキシドで用水を殺菌する方法及びこれに用いる用水処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、用水中に陽極と表面にポリアニリンを接触させた陰極とを配置し、前記陽極と陰極間を間歇的にまたは連続的に通電しながら前記ポリアニリンが前記用水中の溶存酸素を還元することにより生成するスーパーオキシドにより前記用水中に含まれる微生物を殺菌する用水の殺菌方法である。
このように、特許文献1記載の用水の殺菌方法及びこれに用いる用水処理装置は、作業上危険を伴ったり、有害ガスを発生したりすることなく、用水中の微生物を殺菌することができる用水の殺菌方法である。然しながら、この中で示されている陽極と陰極間に流す電流は、陰極にてポリアニリンの還元反応(再生反応)が安定に行なわれるに必要なできるだけ低い電流で良く、電流密度(絶対値)で、0.01〜100mμA/cm程度にすると記載されており、このような低い電流密度の通電条件では、連続的に効果的な用水の浄化作用が得られないという問題点がある。また、逆に電流密度を大きくすると電極の耐久性に問題がある。
一方、オゾンは、その脱臭効果や殺菌効果を利用して、水処理や食品の殺菌、空気の清浄化などに用いられている。
オゾンの製造方法としては放電式がよく知られているが、空気を原料として用いる場合では、酸素だけでなく窒素も酸化してしまう。それ故、生成したオゾン中には、窒素酸化物量がオゾン量の約1/3程度含まれるオゾンとなってしまい、消費電力の割に得られるオゾン量が少ないという問題点がある。更に、オゾン発生装置は、極めて高い電圧によって放電する箇所があるので、電波障害や人体への感電の危険がある等の問題点があることは良く知られている。
他のオゾン製造方法としては、水の電気分解による方法が知られているが、放電式に比べて更にオゾン生成の電力効率が低いという問題点がある(例えば特許文献2参照。)。上記従来の水電解法では、陽極で溶存 酸素が酸化されてオゾンが発生する。発生したオゾンは、陰極に移動して陰極に触れて還元され分解する。ただ、発生オゾン量が若干分解オゾン量を上回るため、時間とともに水中の溶存オゾン量は増大されていく。しかしながら、発生したオゾンが分解される分だけ生成量が少なくなることになり、やはり消費電力の割に得られるオゾン量が少ないという問題点がある。
しかるに、本発明者は、陽極と接液部がポリアニリンとされた陰極とを食塩水中に配置して通電する方法においては、所定の電流密度で通電すると、特許文献1に記載されている通り殺菌力を有するスーパーオキシドが発生するが、別の電流密度で通電すれば、更に殺菌力が強いオゾンが発生ししかも溶存オゾン濃度が経時的に増加すること見いだした。
即ち、所定の電流密度で通電すると、陰極は通電によってポリアニリンが酸化された状態となる。酸化された状態のポリアニリンは、溶存酸素に触れてこれを酸化し、オゾンが発生する。ポリアニリンは酸化状態から還元されて、元の無電荷の状態に戻る。無電荷になったポリアニリンは、通電により直ちに酸化された状態になる。引き続き、通電を継続すると、ポリアニリンが酸化され、これに溶存酸素が触れてオゾンとなり、ポリアニリンが元の無電荷状態に還元されるという反応を繰り返す。
陰極の接液部が金属や炭素材料の場合では、陽極で発生し陰極に移動したオゾンは陰極に接触して全て還元されるが、接液部がポリアニリンである陰極の場合は、オゾンの還元とポリアニリンの還元とに消費される。従って、同じ電流値で比較すると、陰極において消費されるオゾン量は陰極の接液部がポリアニリンである場合の方が少なくなる。ポリアニリンの還元に電子が消費されない時には、ポリアニリンは酸化状態であり、陽極から陰極に移動してきたオゾンを還元して分解することはなく、陰極により分解されたオゾンからの酸素を酸化して、溶存オゾン濃度の低下を防止できるのである。
従って、接液部がポリアニリンとされた陰極においては、ポリアニリンの酸化と還元とが繰り返し行われるので、通常の材料の電極と比較して、陽極で生成され陰極に移動してきたオゾンを分解する量は少なくなる。その結果、溶存オゾン濃度が高くなるのである。
陽極で発生するオゾンが陰極に移動する速度は、陰極で発生するスーパーオキシドが陽極に移動する速度より早く、経時的にオゾンが蓄積され、溶存オゾン濃度が増大していく。本発明では、同一電極内でのオゾンの発生量が瞬間的に最大になることに着目してなされたものである。
特開平10−99863号公報(第1頁〜第17頁) 特開平10−121283号公報([0002]段落)
本発明は、オゾンによって確実に雨水等中の微生物等を殺菌できるオゾン濃度を有するオゾン水を得る方法を提供し、もって、薬液の取り扱いの必要がなく、安全で、確実に雨水等中の微生物を殺菌することができ、しかも電極の耐久性が良好な水殺菌システムに用いうるオゾン水を得る方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための、請求項1記載のオゾン水を得る方法は、陽極と接液部がポリアニリンとされた陰極とを、電解質物質を溶解した用水中に配置し、該用水を空気曝気して溶存酸素濃度を上昇させた状態で、陽極と陰極との間に通電して、陽極側で遊離塩素イオンと溶存酸素を酸化してオゾンとを発生させ、ポリアニリン陰極表面で溶存酸素を還元して生成するスーパーオキシドを酸化してオゾンを発生させ、通電電流密度を制御して陰極側で消滅する遊離塩素イオン量よりも消滅するオゾン量を少なくしてオゾンが溶存した水を得ることを特徴とする。
本発明における電極は、陽極としてはチタン板、チタン板の表面に白金のような貴金属をコートしたもの、カーボン板、フェルトなどの炭素系材料などが用いられる。導電時に溶出することがない物質であれば良い。
陰極は、陰極は接液部がポリアニリンである金属や炭素材料とされる。例えば一例として、白金などの金属板に、ポリアニリン担持カーボンマットが積層されて構成されたものなどが挙げられる。
陽極と陰極には、各々通電のための導線が接続されている。ポリアニリン担持カーボンマットは、カーボンマット基材上にポリアニリンを担持させて用いる。炭素材料の基材としては、カーボンペーパー、カーボンクロス、フェルト、カーボン板などでも良い。これらの炭素系材料が焼成された黒鉛質カーボン材料であると、材料中のバインダー成分、サイジング成分などの有機成分が焼成分解され、有機成分の劣化による陰極の部分剥離などを防止できる点で好ましい。
ポリアニリンの担持方法は適当な溶剤(例えば、メチルピロリドン等)にポリアニリンを溶解あるいは分散させ、基材に含浸させ溶剤を完全に揮発させることで作製することができる。
陰極の補強として、多孔性金属板が樹脂製ボルトなどで取り付けられていると、通電性が向上する点で好ましい。多孔性金属板としては、メッシュ、パンチングメタル、エクスバンドメタルなどが挙げられ、用いられる材料としては、例えば、ステンレス、銅、白金などが挙げられるが、耐食性など耐久性の点でステンレスが好ましい。
陽極と陰極は一定間隔で配置される。電極間距離は1〜20mmが好ましい。電極間の距離は電流値に影響を及ぼすので、狭い方がランニングコストの面で好ましい。20mmを超えると電流値の低下が著しい。また、あまり間隔が狭く1mmに満たないと電極同士の接触、短絡の危険性が高くなる。これを防止するためには陽極と陰極との間にイオン透過性の隔膜を配して、電極同士が接触されないようにして貼り併せる隔膜式電解槽もあるが、一般的に用いられている分離膜は高価なものであり、また、電極の接触により破れる場合があり、その場合には電極同士の接触による短絡の危険性もあるので、本発明に用いることは望ましくない。
更に発生するオゾンやその他の電解物質例えば遊離塩素イオンや水素等あるいは還元された酸素が大気中に漏れ出たり、水中で異常反応したりしないように、区画したり、電極の周囲にセパレーターを設けても良い。
さらに、通電性を良好にするために白金線やメッシュのようなものを電極面に貼り合わせてもよい。陰極、この場合、ポリアニリン電極は直接電源に接続される。通電は連続的でも間歇的でもかまわない。通常連続的に電解した場合、カルシウム等の付着物によって通電量の低下が見られるが、本システムでは、溶存酸素濃度を向上するために行う空気曝気によって剥離効果が高いとともに、ポリアニリンの作用により非常に付着しにくい結果が得られている。雨水中のカルシウム等のカチオン量が非常に多い場合には間歇的に通電してもよい。
また、通電量は、陽極と陰極間を通電する電流密度が1〜100mA/cmとなるように設定される。電流密度が1mA/cm未満では酸化還元反応を起すエネルギーレベルに達せず、殺菌種であるオゾンの発生は非常に少なく十分な浄化作用を有するとは言えず、また、100mA/cmを超えると、それほど殺菌性能は変わらないが電極自体の能力限界、耐久性を損なうと共に、ランニングコストが高くなるので適当ではない。電流密度の制御は、一般的な通電電圧の制御で行なわれれば良い。
陰極にポリアニリンを担持させて用いる場合も同様の電流密度が設定される。還元型ポリアニリンは水中の溶存酸素に電子を与えて溶存酸素をオゾンに変換する。一方、ポリアニリンは電子を奪われることで酸化型ポリアニリンに変化する。そこで、通電して電子をポリアニリンに与えることにより再びポリアニリンは還元型に変化する。このサイクルを繰り返すことにより連続的に活性酸素を発生することができるようになる。
また、殺菌水槽中の処理用水には、導電率を上げて電流値を上昇させるために電解質物質を溶解した水溶液が好ましい。電解質物質としては、電解し易ければ特に限定されず、例えば一例として、塩化ナトリウム(食塩)、塩化カリウム等の無機塩が挙げられる。中でも食塩が、安全性、取り扱いの容易さ、安全性、価格等で、最も好適である。その塩濃度は、塩の種類によって異なるので一概にいえないが、塩濃度が薄すぎる場合は通電性向上の効果が不十分になり、電流値を上昇させる効果がなく、濃すぎると飽和してしまい、未溶解物が電極に付着することがあり、初期から電極の通電性を阻害することがあるので、その都度適宜選択して決められれば良い。
例えば、食塩の場合では、その添加量は、食塩濃度が0.05重量%〜5重量%程度となるようにされれば良い。0.05重量%より少なければ十分な電流効率が得られず、5重量%より大きければ、遊離塩素イオンの発生が多くなりすぎて、溶存オゾン濃度が増大しなくなる虞がある。
電極に通電すると、ポリアニリン陰極から、電子が、電解質を溶解した水を通って陽極に移動する。従って、陽極自体は電子を受容して還元され、陽極に接している水中の溶存酸素は酸化されてオゾンとなる。同時に、水に溶解されている食塩が分解されて塩素イオンを放出し、この塩素イオンが酸化されて塩素ガスとなり、これが水に溶解して次亜塩素酸となり、溶解した次亜塩素酸は遊離塩素イオンを生成する。
陰極のポリアニリンは電子を放出して酸化し、酸化状態のポリアニリンとなる。この時、酸化状態のポリアニリン近傍の溶存酸素が還元されてスーパーオキシドとなると同時に、ポリアニリンは還元されて元の無電荷の状態となる。本発明における所定電圧においては、生成したスーパーオキシドは陽極側に移動するが、その移動速度オゾンが陰極側に移動する速度よりも遅く、又、スーパーオキシドは直ちに未還元の溶存酸素と結合してオゾンを生成する。通電が継続するので、ポリアニリンは再び酸化状態となりこれが繰り返されてオゾンが連続して生成する。
一方、陽極で生成したオゾンと遊離塩素イオンとは、電気的に陰極側に移動する。陰極に到達したオゾンと遊離塩素イオンとは、陰極に触れて電荷を失い、溶存酸素と食塩とに戻る。しかしながら、上述の通り、ポリアニリン陰極においては絶えずオゾンが発生しているので、溶存オゾン濃度の減少は、一般的な金属又は炭素材料性の陰極の場合と比較して、減少する割合が少なく、遊離塩素イオンが消滅しても、なおオゾン濃度が保たれるだけでなく通電と共に増加していくことになる。
通電電圧を高くすれば電流密度が高くなり、オゾンの発生量は増えるが、同時に水の電解が激しくなり、電極から酸素ガス又は水素ガスが発生する。従って、万一近在に火源等があれば爆発等の危険性が高くなる虞があり、電圧が低いと電流密度が下がり、オゾンが発生しなくなる。それゆえ、通電する電流密度を1〜100mA/cmとの範囲で適宜変更して調節し、溶存オゾン濃度をコントロールすることが好ましい。
又、食塩水中の溶存酸素濃度が高い程オゾンの発生量が多くなり、残存する溶存オゾン濃度が高くなる。従って、通電する電気量当たりの発生オゾン量が大きくなるので、陽極とポリアニリン陰極の間に空気又は酸素ガスを吹きこんで曝気し、溶存酸素濃度を上げると良い。
本発明では、陽極と接液部がポリアニリンとされた陰極とを電解質物質を溶解した用水中に配置し、陽極と陰極との間に通電して、陽極で遊離塩素イオンを、陽極とポリアニリン陰極とでオゾンを発生させ、通電電圧を変更して陰極側で消滅する遊離塩素イオン量よりも消滅するオゾン量を少なくするので、少ない通電電気量で、溶存オゾン濃度が高いオゾン水を得ることができる。
又、雨水等の用水に、例えば食塩等を溶解し、更にこの食塩水を空気曝気して溶存酸素濃度を上昇させるので、通電電気量当たりの溶存オゾン濃度が更に増大する。又、連続的に電解した場合に見られる陰極にカルシウム等が付着することによって起こる通電量の低下に対し、本システムでは、空気曝気によって付着物が剥離される効果があり、加えてポリアニリンの作用により非常に付着しにくい効果がある。
次に、図面を参照して本発明の方法で得るオゾン水を用いて用水を殺菌する実施の形態を、ガラスビーカーを用いて行った実験装置の例で説明する。
図1は、本発明の方法でオゾン水を得るためのオゾン水製造実験装置の一例の断面図である。オゾン水製造装置2は、耐食性に富みかつ電気絶縁性材料で内周面を被覆され、アースされた金属性の容器が好ましく用いられる。本例では容量1リットル(1L)のガラスビーカーである。
ガラスビーカー21内に、長さ100mm、幅60mm、厚さ0.5mmの白金コートチタン板製の陽極22と、陽極22の両側に、長さ100mm、幅60mm、厚さ0.5mmのカーボン板233の表面をポリアニリン234でコートした陰極2枚231、232とを、陽極22面と陰極231又は232面とが面間距離が10mmの間隔となるように平行に並べて配置されている。対面する電極同士は、電極の四隅に長さ10mmの短尺プラスチックパイプ4個(24)を配置して固定し、スペーサーとした。両側の陰極231、232を覆って、電極への給電体兼カーボン板保護材として、ステンレススチール製エキスパンドメタル25がカーボン板の周りに巻き回わされている。
電極22、231、232が完全に浸るように、ビーカー21に0.8重量%の食塩水1Lを満たし、陽極と陰極との間に散気管26を配置して、溶存酸素濃度を上げるためにコンプレッサーで1.5L/分の割合で空気が散気される。
図示していない電源装置によって、陽極と陰極に直流電流を通電し目的の電流密度となるように電圧を調節する。
図2は、得られたオゾン水で用水を殺菌する実施の一例のフロー図である。本例では、オゾン水製造装置2基を用いた例を示しているが、オゾン水製造装置は必ずしも2基に限定されることはなく、1基でも3基以上でも良いことはいうまでもない。
図2において、食塩水タンク1から供給される食塩水がオゾン水製造装置21、22に接続され、オゾン水製造装置21、22から出たオゾン水が殺菌される用水タンク3に導かれている。オゾン水製造装置21、22はいずれも同じ仕様の装置である。まず、第1のオゾン水製造装置21で所定濃度のオゾン水を生成させ、これを用水タンク3に注入して用水の殺菌を行う。第1のオゾン水製造装置21得られたオゾン水を使用している間に、第2のオゾン水製造装置22でオゾン水を製造し、第2のオゾン水製造装置22に所定濃度のオゾン水が得られたらこれを用水タンク3に注入し、第1のオゾン水製造装置21のオゾン水の注入を停止する。以下これを繰り返し、第1のオゾン水製造装置21と第2のオゾン水製造装置22を交互に使用して、連続して用水タンク3内の用水の殺菌を行う要にする。
(実施例1)
図2に示されるオゾン水製造実験装置を用いてオゾン水を得た。即ち、ガラスビーカー21内に、長さ100mm、幅60mm、厚さ0.5mmの白金コートチタン板製の陽極22と、陽極22の両側に、長さ100mm、幅60mm、厚さ0.5mmのカーボン板233の表面をポリアニリン234でコートした陰極2枚231、232とを、陽極22面と陰極231又は232面とが面間距離が10mmの間隔となるように平行に並べて配置した。対面する電極同士は、電極の四隅に長さ10mmの短尺プラスチックパイプ4個(24)を配置して固定し、スペーサーとした。両側の陰極231、232を覆って、電極への給電体兼カーボン板保護材として、ステンレススチール製エキスパンドメタル25をカーボン板の周りに巻き回した。
電極22、231、232が完全に浸るように、ビーカー21に0.8重量%の食塩水1Lを満たし、陽極と陰極との間に散気管26を配置して、溶存酸素濃度を上げるためにコンプレッサーで1.5L/分の割合で空気を散気した。
この状態で、印加電圧5V、通電時間2時間で通電してサンプリングし、溶存オゾン濃度、溶存遊離塩素イオン濃度を測定した。測定した溶存オゾン濃度、溶存遊離塩素イオン濃度を表1に示す。溶存オゾン濃度はポータブル簡易水質計(笠原社製、O3-2Z 型)を用いて比色試験法で測定した。溶存遊離塩素イオン濃度は簡易水質計(共立理化学研究所社製)を用いて比色試験法で遊離残留塩素濃度を測定した。なお、5V通電時の電流密度は、18mA/cmであった。
(比較例1)
テスト1は、食塩濃度0.5重量%とし、陰極をポリアニリンをコートしない陰極即ち表面がカーボンである陰極とした以外は実施例1と同様にして、印加電圧5V、通電時間0.5時間で通電してサンプリングし、溶存オゾン濃度、溶存遊離塩素イオン濃度を測定した。その結果を表1に列記する。なお、5V通電時の電流密度は実施例1と同じであった。
テスト2は、食塩濃度0.5重量%とした以外は実施例1と同様の実験装置で、印加電圧5V、通電時間2時間で通電してサンプリングし、オゾン水の溶存オゾン濃度、溶存遊離塩素イオン濃度を測定した。
テスト3は、陰極をポリアニリンをコートしない陰極即ち表面がカーボンである陰極とし、食塩濃度を0.5重量%とした以外は実施例1と同様にして、印加電圧5V、通電時間2時間で通電してサンプリングし、溶存オゾン濃度、溶存遊離塩素イオン濃度を測定した。その結果を表1に列記する。なお、テスト2、テスト3とも、5V通電時の電流密度は実施例1と同じであった。
Figure 2006205016
(実施例2)
雨水50mlに、食塩濃度0.5重量%とした以外は実施例1と同様の実験装置で、印加電圧5V、通電時間0.2時間で通電して得られたオゾン水20mlを添加し、一般細菌数を測定した。一般細菌数は、日本下水道協会標準寒天培地法によって測定した。測定結果を表2に示す。なお、5V通電時の電流密度は、20mA/cmであった。
(比較例2)
ポリアニリンをコートしない陰極とした以外は実施例2と同様にして、一般細菌数を測定した。なお、5V通電時の電流密度は、21mA/cmであった。測定結果を表2に列記する。
Figure 2006205016
(実施例3)
実施例1と同じオゾン水製造実験装置を用い印加電圧5V、通電時間0.5時間で通電して得られたオゾン水50mLを、蒸留水に大腸菌を混入した人工汚染水1Lに添加して、大腸菌数の数と、遊離塩素イオン濃度を測定した。遊離塩素濃度は前述の方法により測定し、大腸菌数は日本下水道協会LB培地法により測定した。結果を表3に示す。
(比較例3)
オゾン水製造装置として、オゾン発生器(富士電気社製、オゾサイザー、モデルFOP−10)を用いて得たオゾン水(溶存オゾン濃度5ppm)50mLを、実施例3と同じ人工汚染水1Lに添加し、大腸菌数を測定した。結果を表3に列記する。
(比較例4)
塩素系殺菌剤(四国化成社製、商品名ネオクロールニューS)を、実施例3と同じ人工汚染水1Lに投入し、塩素イオン濃度が0.1ppmとなるようにし、同様に大腸菌数を測定した。その結果を表3に列記する。
Figure 2006205016
本発明の活用例として、菌の繁殖することのない長期貯留可能な、雨水貯留槽の水野殺菌に適用することができる。
オゾン水製造装置の一例の断面図である。 オゾン水製造装置で得られるオゾン水を用いて用水を殺菌する装置の一例のフロー図である。
符号の説明
1 食塩水タンク
2 オゾン水製造装置
21 ガラスビーカー
22 陽極
231、232 ポリアニリン被覆陰極
233 カーボン板
234 ポリアニリン
24 短尺プラスチックパイプのスペーサー
25 ステンレススチール製エキスパンドメタルの給電体兼カーボン保護材
26 散気管
3 用水タンク

Claims (1)

  1. 陽極と接液部がポリアニリンとされた陰極とを電解質物質を溶解した用水中に配置し、該用水を空気曝気して溶存酸素濃度を上昇させた状態で、陽極と陰極との間に通電して、陽極側で遊離塩素イオンと溶存酸素を酸化してオゾンとを発生させ、ポリアニリン陰極表面で溶存酸素を還元して生成するスーパーオキシドを酸化してオゾンを発生させ、通電電流密度を制御して陰極側で消滅する遊離塩素イオン量よりも消滅するオゾン量を少なくしてオゾンが溶存した水を得ることを特徴とするオゾン水を得る方法。
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