JP2004195346A - 電気化学的水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オキソ酸イオンを含有する循環水を、導電性ダイヤモンド陽極1を有する電極を有する電解槽3を使用して電気化学的に処理する。循環水中の微生物は陽極や陰極2に接触して直接殺菌されることに加えて、導電性ダイヤモンド陽極による効果的な陽極酸化で生成するペルオキソ酸が二次的に微生物の殺菌を行い、効率的な循環水の殺菌処理が実現する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却水、プール水、噴水及び公衆浴場水等の循環水を含む処理対象水を電気化学的に殺菌処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷却塔、プール、噴水及び公衆浴場などで使用される循環水はその中に細菌(バクテリア)、藻類、原生動物、ウイルス等の微生物が発生しやすく、該循環水は長時間或いは長期間に亘り循環使用されるため前記微生物は繁殖して循環水を汚染する。繁殖した微生物のうち、藻類は循環水配管内を閉塞させるなど循環処理装置の機能を阻害するといった問題点があった。特に冷却水では、藻類の僅かな繁殖であっても熱交換機の熱交換効率を低下させるといった問題点があった。又繁殖した細菌などは循環水の利用者や循環水の近くを通過する人に感染する可能性があり、近年では特にレジオネラ菌による死亡事例も報告されており、大きな社会問題となっている。
【0003】
例えば非特許文献1に記載されているように、酸化剤には細胞壁や細胞膜に作用して細胞の構造を破壊する、透過機能に障害を引き起こす、或いは酵素を酸化する等々の作用による殺菌効果があることが広く知られている。循環水の殺菌処理では、次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カルシウムなどの塩素系酸化剤、過酸化水素やオゾンなどの酸素系酸化剤を添加することによる殺菌が実施又は試みられている。中でも次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系酸化剤による方法は広く普及している。
循環水にこれらの酸化剤を添加する場合にも目的とする殺菌効果は得られるが、循環水に有機物が含有されていると、酸化剤による殺菌後も有機物が十分に分解されないため微生物が繁殖し易い環境にあり、殺菌効果を維持するためには酸化剤を添加し続ける必要があり、経済的でなかった。
【0004】
塩素系酸化剤を用いる場合には、危険な塩素系殺菌剤を貯蔵する必要があるのみならず、殺菌効果を高めるために液のpHを酸性側に制御する必要があり、必ずしも簡便な方法とは言い難かった。又塩素系酸化剤の分解生成物である塩素イオンの蓄積は循環系配管の腐食や伝導度上昇による熱効率低下の原因となるため、循環水の一部又は全量を定期的に交換する必要があり、水の使用量が増加するという問題もあった。更に塩素系酸化剤が循環水中の有機物と反応してトリハロメタン等の有機塩素化合物を生成し、該有機塩素化合物による人体及び、海域、湖沼及び河川など排出先の生態系への影響が問題視されている。
過酸化水素は、分解生成物が残留せず、又トリハロメタンなどの有害な有機塩素化合物を生成しないため、殺菌用として有利な薬剤であるが、塩素系酸化剤と比べて殺菌効果が小さいため、大量の過酸化水素を必要とし、その貯蔵や経済性に問題があった。
【0005】
オゾンは過酸化水素等と同様に、分解生成物が残留せず、又トリハロメタンなどの有害な有機塩素化合物を生成しない特徴を有し、且つオンサイトで容易に合成できるため貯蔵の必要がない有利な方法である。しかしながら循環水中の微生物を殺菌するためには、水に溶解する必要があり、オゾンの溶解度が低いことが効果的な処理を行うための障害になっていた。又大気中に漏洩したオゾンは異臭を発するのみならず人体に有害であるため、分解処理が必要であり、装置を煩雑にし、安全な循環水処理が行い難かった。
循環水に僅かな食塩を添加して電解を行うことにより殺菌作用を有する次亜塩素酸を発生させ、その殺菌作用により微生物を殺菌する方法が開示されている(特許文献1)。更に塩酸を電解して生成する塩素ガスを水道水に吸収させて次亜塩素酸を含む酸性水を生成し、この酸性水で殺菌を行う方法も提案されている(特許文献2)。これらの方法は、酸化剤使用量、水使用量、酸化剤の貯蔵や操作性の問題の解決は図られているが、塩素系酸化剤を使用するために、トリハロメタン生成の可能性が解決されていない。
【0006】
酸化剤を用いない殺菌方法として、電解による殺菌が知られている。例えば特許文献3には、電解による殺菌効果は、微生物が電極や溶液中を流れる電流と接触することによって、又電極表面で酸化還元反応を受けることによって高まり、微生物の活動が弱まったり死滅したりすることを明らかにしている。水溶液の電解は、水の電解反応、即ち酸素発生反応と水素発生反応を伴う。水の電解のうちガス発生に使用されるエネルギーは、微生物殺菌に関しては効果がなく、電気化学的水処理における経済性低下の根源になっている。
【0007】
特許文献4は、電気化学的水処理での電流効率低下の原因である水の分解反応を抑えるために、陽極電位を0.2〜1.2Vvs.SCEに、又陰極電位を0〜−1.0Vvs.SCEに制御することが有効であることを開示している。更に特許文献4は、三次元電極を用いる方法を開示している。この方法では系に流れる電流が微小であるために、殺菌効率の多くは微生物が電極表面と接触することに依存し、この接触機会を増大させるために表面積の大きい三次元電極を使用していると推定される。しかしこの方法では、エネルギー利用率は改善されるものの、死滅した微生物の屍骸が三次元構造を有する電極に堆積し、定期的にこれを除去する必要があり、必ずしも簡便な方法ではなかった。
【0008】
電解を進行させるためには、陽極及び陰極の使用が必須であるが、電解の進行に伴って電極が劣化し、電極成分の脱離や溶解が、特に陽極においてしばしば発生する。被処理水を電気化学的に処理する場合、該被処理水が新たな汚染源となることは許容されない。従って従来使用できる陽極としては、脱離成分が人体に無害な高純度炭素系電極、比較的安定な白金電極や貴金属被覆金属電極のみであった。
【0009】
又ペルオキソ酸の一種である過硫酸をオキソ酸の一種である硫酸を導電性ダイヤモンド電極を使用する電解酸化により製造する方法は特許文献5に記載の通り公知であるが、その用途に関しては記載されていない。
【0010】
【非特許文献1】
強酸性電解水の基礎知識、松本洋ら、オーム社(1997)
【特許文献1】
特開平11−319840号公報
【特許文献2】
特開平8−229564号公報
【特許文献3】
特開昭63−258688号公報
【特許文献4】
特開平6−63558号公報
【特許文献5】
特開2001−192874号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の被処理水の殺菌処理では、危険な酸化剤を運搬し又は貯蔵する必要があり、又酸化剤の分解が不十分であると循環水の排出先を二次汚染する虞があった。
本発明は、循環水等の処理対象水を殺菌処理する際に、これらの問題点を生じさせることなく、簡便、安全且つ経済的に実施できる方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、オキソ酸イオンを含有する処理対象水を、少なくとも陽極として導電性ダイヤモンドを有する電極を使用して電気化学的に処理することを特徴とする処理対象水の電気化学的処理方法である。
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは鋭意検討を進めた結果、微生物を含む循環水等の処理対象水を電気化学的に殺菌処理する際に、該処理対象水にオキソ酸イオンが溶解していて、この処理対象水を、少なくとも陽極として導電性ダイヤモンドを有する電極を使用して電気化学的に処理すると、前記オキソ酸イオンからペルオキソ酸イオンが電解生成し、このペルオキソ酸イオンが二次的に前記微生物を殺菌して、通常の電解殺菌に加えて薬剤による殺菌が相乗されて極めて効率的な殺菌処理が行えることを見出し本発明に至った。
【0014】
本発明による処理対象水の殺菌処理では、塩素イオンを含有しない又は僅かにしか含有しない、つまり主にオキソ酸を含む水溶液を電解してペルオキソ酸イオンを生成し、このペルオキソ酸イオンで処理対象水を処理する。
本発明は電解で酸化剤を生成させる点においては特許文献1と類似する方法であるが、生成する酸化剤が塩素系でなく、トリハロメタン等の有害な有機塩素化合物を実質的に生成することがなく、安全且つ簡便に処理対象水を殺菌処理できる点で従来技術と相違している。
【0015】
又処理対象水中に有機物が溶解している状態は微生物の増殖に対して好環境であり、このような処理対象水を、導電性ダイヤモンド電極を使用する本発明により電気化学的に処理すると、有機物濃度が低減され、微生物の繁殖を効果的に抑制できる。
有機物を溶解した処理対象水を電気化学的に処理して前記有機物を二酸化炭素や炭酸イオン等の無機性炭素に酸化分解せしめることは理論的には可能である。しかし従来の循環水等の電解殺菌処理装置で使用されている炭素系電極、白金電極及び貴金属被覆金属電極は酸素過電圧が低いため、酸素発生反応が優先し、有機物を無機性炭素に変化させる効率は極めて低かった。更に前記白金電極等を陽極として使用し、オキソ酸からペルオキソ酸を電解合成するためには、酸素過電圧を上昇させる成分を添加する等の限られた電解条件が必要であり、処理対象水の殺菌を目的とする本発明では、この限られた電解条件を満たすことは困難である。
【0016】
これに対し、導電性ダイヤモンド電極は酸素過電圧が高く、有機物が導電性ダイヤモンド電極表面で生成する酸素により直接酸化分解する。
更に導電性ダイヤモンド電極を用いてオキソ酸を含む水を電解すると、処理対象水利用の目的から逸脱しない条件でペルオキソ酸を合成し得ることが見出された。
ペルオキソ酸は酸化剤であり微生物を殺菌する能力があるため、通常の陽極反応で得られる酸素の場合と異なり、消費された電力が無駄にならない。従ってこれら酸化剤の生成を前述の酸素発生反応と共存させて、好ましくは酸素発生に優先させることで効率的な微生物の殺菌及び有機物濃度の低下による微生物繁殖の抑制が可能になる。
【0017】
本発明で使用する導電性ダイヤモンド電極は、通常電極基体上に炭素源となる有機化合物の還元析出物であるダイヤモンドを担持して製造される。基体の材質及び形状は材質が導電性であれば特に限定されず、導電性シリコン(単結晶、多結晶、アモルファス状等)、炭化珪素、チタン、ニオブ、タンタル、カーボン、ニッケル等から成る板状、棒状、メッシュ状、棒状、パイプ状、ビーズ等の球状、或いは例えばビビリ繊維焼結体である多孔性板等が使用できる。該基体へのダイヤモンドの担持法も特に限定されず、公知の任意のものを使用できる。代表的な導電性ダイヤモンド製造方法としては、熱フィラメントCVD(化学蒸着)法、マイクロ波プラズマCVD法、プラズマアークジェット法及び物理蒸着(PVD)法等がある。この他に超高圧で製造される合成ダイヤモンド粉末を樹脂等の結着剤を用いて基体に担持したダイヤモンド電極も使用可能であり、特に電極表面にフッ素樹脂等の疎水性成分が存在すると処理対象のオキソ酸イオンを捕捉しやすくなり反応効率が向上する。
【0018】
前記熱フィラメントCVD法は例えば次のようにして実施する。炭素源であるアルコール等の有機化合物を、ダイヤモンドを担持させる電極基体を設置した水素ガス等の還元雰囲気に保持し、炭素ラジカルが生成する温度である1800〜2400℃に昇温する。その後該還元雰囲気の温度を600〜950℃のダイヤモンドが析出しやすい温度まで降温させる。この際の水素ガスに対する有機化合物のガス濃度は好ましくは約0.1〜10容量%、供給速度は反応容器のサイズにもよるが通常は0.01〜10リットル/分、圧力は約2000〜100000Paである。
【0019】
本発明方法で使用する導電性ダイヤモンド電極のダイヤモンド粒子の粒径は約0.01〜100μmであり、この粒径の粒子を担持して好ましくは0.1 〜100μm、更に好ましくは1〜10μmの膜厚のダイヤモンド層を形成する。この膜厚は基体への電解液の浸入を防ぐために適切な厚さである。
このダイヤモンドに導電性を付与するために、原子価の異なる元素を微量添加する。硼素や燐や窒素が好ましい添加元素であり、これらの元素のダイヤモンド中への添加量は好ましくは1〜100000ppm 、更に好ましくは100 〜10000 ppm である。この添加元素の原料として毒性の少ない酸化硼素や五酸化二リンなどが使用できる。
これらのダイヤモンド以外に、炭素粉末を原料に超高圧で製造される合成ダイヤモンド粉末やこれを樹脂などの結着剤を用いて基体に担持した電極も使用可能である。
【0020】
本発明で使用する陰極は電解液に対する耐性があれば特に制限はなく、鉛、ニッケル、ニッケル合金、チタン、ジルコニウム、黒鉛、白金、導電性ダイヤモンド等が使用できる。又陰極の形状も制限がなく、板状、棒状、メッシュ状あるいは、例えばビビリ繊維燒結体である多孔性板等が使用できる。
【0021】
本発明方法で使用できる電解槽は、陽極及び陰極のみを配置した無隔膜の1室型電解槽でも、陽極と陰極の間に磁性隔膜やイオン交換膜などの隔膜を設置して陽極室及び陰極室に区画された2室型電解槽でも良い。
電解槽材料としては、電解液に対する耐久性、安定性の観点から、ガラスライニング材料、カーボン、耐食性の優れたチタン、ステンレス及びPTFE樹脂などが好ましく使用できるが、処理対象の性状及び操作性等から適宜決定すれば良い。
本発明における電解条件は特に限定されないが、微生物の電気化学的酸化分解とペルオキソ酸の電気化学的合成を効率的に行う観点からは、電流密度が0.01〜10A/dm2程度、電解温度が5〜50℃程度が望ましい。電気化学的処理前の処理対象水中のオキソ酸濃度は1000ppm以下が好ましい。1000ppmを超えると循環水等の処理対象水の配管の腐食原因になることがあり、又濃度が高過ぎて冷却水の電気伝導度を管理する循環水等の処理対象水として利用できなくなることがある。
【0022】
このような電解槽にオキソ酸イオンを含む処理対象水を供給しながら両極間に通電して電解を行うと、水の放電による酸素発生反応及び水素発生反応が、それぞれ陽極及び陰極で起こり、更に酸素過電圧の高い導電性ダイヤモンドを有する陽極により前記オキソ酸がペルオキソ酸に酸化される。又処理対象水中の微生物の酸化分解及び還元分解がそれぞれ陽極及び陰極で起こり、前記処理対象水中に有機物が含有されていると該有機物の酸化分解及び還元分解がそれぞれ陽極及び陰極で起こる。
この場合の、つまりオキソ酸を含む処理対象水を導電性ダイヤモンド電極を用いて電解する際の微生物の殺菌メカニズムは、電極表面接触による直接殺菌、オキソ酸の電解酸化反応で生成するペルオキソ酸等の酸化剤による殺菌、及びペルオキソ酸の加水分解生成物である過酸化水素による殺菌等が、それぞれ同時に又は逐次的に進行していると考えられる。従ってそれぞれの寄与率を特定できないが、オキソ酸を含有させた処理対象水を、導電性ダイヤモンドを有する電極を少なくとも陽極として用いて電解することにより微生物の殺菌効率が向上し、更に処理対象水中に有機物が存在する場合には、有機物濃度が減少して微生物の繁殖を抑制できる。
【0023】
本発明方法では、処理対象水の供給方式として、処理対象水の配管に直接電解槽を接続して処理対象水の全量を電解槽に供給して電解殺菌する方式と、処理対象水配管にバイパスを設けて一部の処理対象水のみを電解槽に供給して電解殺菌する方式がある。いずれを採用するかは、処理対象水量、オキソ酸添加の有無等により適宜決定すれば良い。つまり処理対象水量が非常に多く処理対象水全量を電解槽に供給することが困難な場合、及び処理対象水に当初からオキソ酸が含まれず処理対象水にオキソ酸を添加する必要がある場合には、処理対象水の一部を電解槽に供給して電解殺菌を行えば良い。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に添付図面に基づいて本発明方法による循環水等の処理対象水の電気化学的処理の一実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】
図1は、本発明方法の循環水の電気化学的処理方法の一実施形態を示す概略図である。
図1の循環水の電気化学的処理システムは、導電性ダイヤモンドを電極物質として有する陽極1と同様に導電性ダイヤモンドを電極物質として有する陰極2を内部に有する無隔膜電解槽3と、貯留タンク4とを有している。電解槽3と循環タンク4の間の配管には循環ポンプ5が配置され、循環水が両者間を循環するように構成されている。循環水のオキソ酸が含有されていない場合には、配管に分枝するよう接続されたオキソ酸添加装置6によりオキソ酸を供給する。
【0026】
このような電気化学的処理システムにおいて、貯留タンク4内の循環水を配管内を循環させながらオキソ酸添加装置6からオキソ酸を供給し、オキソ酸イオンを含有する循環水として電解槽3に供給する。この電解槽3内では導電性ダイヤモンド陽極1によりオキソ酸イオンが酸化されて殺菌力を有するペルオキソ酸イオンに変換され、このペルオキソ酸イオンにより循環水中の微生物が殺菌される。更に電解槽3内の陽極1は酸化的に、又陰極2は還元的に微生物の殺菌を行う。この循環水中に有機物が溶解していると微生物繁殖に良好な環境を提供することになるが、該有機物は電解槽3の陽極1や陰極2に接触して二酸化炭素等に分解するため、微生物繁殖の抑制が更に促進される。
なお循環水が大量である場合には、循環配管中に一点鎖線で示したバイパス管7を接続し、一部の循環水のみを電解槽3内に導き殺菌処理を行うようにしても良い。
【0027】
次に本発明に係る循環水等の処理対象水の電気化学的処理に関する実施例及び比較例を記載するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0028】
[実施例1]
総面積3cm2で厚さ3mmのシリコン基板に、エチルアルコールを炭素源とする熱フィラメントCVD法により、10μm厚でB/C濃度が10000ppmのダイヤモンド層を形成して陽極及び陰極とした。
これらの陽極及び陰極を使用して、図1に示した無隔膜電解槽を組立て、循環水の殺菌処理を行った(図1中のオキソ酸添加装置及びバイパス管は設置しなかった)。
【0029】
塩化物イオンを5ppm含む冷却塔冷却水100Lを貯留タンクに導入した後、硫酸水素ナトリウム10gを溶解して試験液を調製した。この時点での一般細菌数は4.6×103/mLであった。
循環ポンプを使用して、この試験液を電解槽と貯留タンク間を流量が1リットル/分となるように循環させながら、電解槽に電流密度が3A/dm2となるように1時間通電し、その後、一般細菌数を測定したところ2.7×102/mLに減少していた。
【0030】
[実施例2]
溶解させる硫酸水素ナトリウムの量を100gとしたこと以外は実施例1と同一条件で循環水の電気化学的処理を行ったところ、1時間通電後の一般細菌数は87/mLに減少していた。
【0031】
[比較例1]
硫酸水素ナトリウムを溶解させなかったこと以外は実施例1と同一条件で循環水の電気化学的処理を行ったところ、1時間通電後の一般細菌数は8.5×102/mLに減少していた。
【0032】
[比較例2]
電解槽の陽極及び陰極として白金電極を使用したこと以外は実施例1と同一条件で循環水の電気化学的処理を行った。なお硫酸水素ナトリウムの添加量が0g、10g及び100gの3種類の試験液について実験を行った。
処理前の試験液中の一般細菌数は4.3×103/mL、硫酸水素ナトリウムの添加量が0g、10g及び100gの試験液の処理後のそれぞれの一般細菌数は順に、2.1×103/mL、1.2×103/mL及び1.5×103/mLであった。
【0033】
[実施例3]
3日間放置した塩化物イオンを10ppm含む風呂水100Lを貯留タンクに入れた後、炭酸水素ナトリウム10g及び100gを溶解して2種類の試験液を調製した。この時点での一般細菌数は3.2×102/mLであった。
実施例1と同じシステムを採用し、循環ポンプを使用して、2種類の試験液を別個に電解槽と貯留タンク間を流量が1リットル/分となるように循環させながら、電解槽に電流密度が1A/dm2となるように4時間通電し、その後、一般細菌数を測定したところ、炭酸水素ナトリウム10g溶解では56/mL、炭酸水素ナトリウム100g溶解ではゼロであった。
【0034】
[比較例3]
炭酸水素ナトリウムを溶解させなかったこと以外は実施例3と同一条件で循環水の電気化学的処理を行ったところ、4時間通電後の一般細菌数は1.0×102/mLであった。
【0035】
[比較例4]
電解槽の陽極及び陰極として白金電極を使用したこと以外は実施例3と同一条件で循環水の電気化学的処理を行った。なお炭酸水素ナトリウムの添加量が0g、10g及び100gの3種類の試験液について実験を行った。
処理前の試験液中の一般細菌数は3.8×102/mL、炭酸水素ナトリウムの添加量が0g、10g及び100gの試験液の処理後のそれぞれの一般細菌数は順に、1.5×102/mL、1.8×102/mL及び1.1×102/mLであった。
【0036】
[実施例4]
濾過処理を行った塩化物イオンを5ppm含む池の水をトールビーカーに入れ、ホットプレート上で10分間の加熱煮沸処理を行った後、1g/Lとなるように炭酸水素ナトリウムを加えた試験液を1L調製した。
次に電解有効面積が0.25dm2の導電性ダイヤモンド電極を陽極及び陰極に用いてその極間距離を1mmに調整した後、前記トールビーカーの中央に固定し、電解槽に電流密度が1A/dm2となるように3時間通電し電解処理を行った。その後、処理済の試験液に一般細菌を加え35℃の恒温槽に入れて3日間培養し、培養前後の一般細菌数の測定及びTOC分析を行った。
培養前の菌数は1.2×102/mL、培養後の菌数は6.8×102/mLであった。又電解前のTOCは35ppm、電解処理後のTOCは8ppmであった。
【0037】
[比較例5]
電解槽の陽極及び陰極として白金電極を使用したこと以外は実施例4と同一条件で循環水の電気化学的処理を行い、一般細菌数とTOCの測定を行った。
培養前の菌数は1.1×102/mL、培養後の菌数は4.2×103/mLであった。又電解前のTOCは38ppm、電解処理後のTOCは30ppmであった。
【0038】
[実施例5]
電解有効面積が0.14dm2の導電性ダイヤモンド電極を、陽極及び陰極に用い、極間距離を1mmとした電解槽に、純水に炭酸水素ナトリウム440ppm、塩化ナトリウム8ppmを溶解させた溶液を160L/Hで供給しながら、5A/dm2の電流密度で電解し処理した。前記溶液に、レジオネラ菌を注入して室温で1時間放置し、生菌数を測定した。初期の菌数が4400万CFU/Lであったのに対し、1時間後には1100万CFU/Lに減少し、不活性率は75%となった。2時間後には400万CFU/Lに減少し、不活性率は90%となった。
【0039】
[比較例6]
炭酸水素ナトリウムを添加しなかったこと以外は実施例5と同様の条件で電解処理したところ、1時間後の菌数は3300万CFU/Lであり、不活性率は25%であった。
【0040】
前記実施例及び比較例から、導電性ダイヤモンド電極を使用した場合には、オキソ酸イオンの添加量に比例して殺菌効果が高くなることが確認された。一方、白金電極を用いた実施例では、オキソ酸イオンを添加しても殺菌効果は実質的に変化が無かった。
池の水の電解処理を行った実施例4及び比較例5により、導電性ダイヤモンド電極を用いた電解処理は微生物の繁殖抑制効果があることも立証された。つまり実施例4では電解前のTOC35ppmが電解処理により8ppmに減少したのに対し、比較例5では電解前のTOC38ppmが電解処理により30ppmまでしか減少しなかった。これは実施例4で使用した導電性ダイヤモンド電極によってTOC成分が分解され、微生物の繁殖抑制効果が現れたと推測できる。
更に実施例5及び比較例6から、導電性ダイヤモンド電極がペルオキソ酸の生成並びに水の酸化による活性種の生成能力が高いことが推測でき、これらの酸化剤及び活性種がレジオネラ菌の殺菌に有効であることが明らかになった。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、オキソ酸イオンを含有する処理対象水を、少なくとも陽極として導電性ダイヤモンドを有する電極を使用して電気化学的に処理することを特徴とする電気化学的水処理方法である。
本発明により処理対象水を電気化学的に処理すると、処理対象水中の微生物が直接陽極及び陰極に接触して酸化的及び還元的に殺菌されるとともに、処理対象水中のオキソ酸が導電性ダイヤモンド電極である陽極で酸化されて殺菌能力の高いペルオキソ酸を生成し、このペルオキソ酸も微生物の死滅に貢献して、効率的な水処理が実現できる。
更に前記処理対象水中に微生物の繁殖に適した有機物が含有されている場合に、この有機物が導電性ダイヤモンド電極により分解されて、微生物の繁殖抑制になる環境が提供される。又前記ペルオキソ酸の分解生成物である過酸化水素も有機物分解に寄与する。
従って、危険性の高い酸化剤を保持する必要が無く、簡便、安全、且つ経済的に処理対象水の電気化学的処理を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の循環水の電気化学的処理方法の一実施形態を示す概略図。
【符号の説明】
1 導電性ダイヤモンド陽極
2 陰極
3 無隔膜電解槽
4 貯留タンク
5 循環ポンプ
6 オキソ酸添加装置
7 バイパス管
Claims (5)
- オキソ酸イオンを含有する処理対象水を、少なくとも陽極として導電性ダイヤモンドを有する電極を使用して電気化学的に処理することを特徴とする電気化学的水処理方法。
- 処理対象水が循環水である請求項1に記載の電気化学的水処理方法。
- 処理対象水が有機物を含んでいる請求項1又は2に記載の電気化学的水処理方法。
- 処理対象水の一部又は全量を電気化学的に処理する請求項1から3までのいずれかに記載の方法。
- オキソ酸イオン源が、硫酸、炭酸、酢酸、硼酸、燐酸及びこれらの塩から成る群から選択される請求項1から4までのいずれかに記載の方法。
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