JP3345197B2 - 電解イオン水の製造法 - Google Patents

電解イオン水の製造法

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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電解イオン水の製造法に
関し、特に半導体や液晶分野で有用な洗浄力を有する酸
化還元電位の高い電解イオン水の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI製造プロセスにおいて、ウエハ表
面の汚染を極力防止する必要があり、従来から化学的、
物理的な種々の方法により洗浄されている。例えば、イ
オン性汚染は純水による洗浄で除去でき、イオン化傾向
が低い金属の汚染に対しては無機酸−過酸化水素等の酸
性酸化剤を用い溶解させて除去するのが一般的である。
また、有機物は、通常、有機溶剤を用い溶解除去してい
た。しかし、近年、有機溶剤のトリクロロエチレンやフ
ロンは発ガン性や成層圏のオゾン分解等の環境汚染が問
題となり、有機溶剤等薬剤による洗浄が地球規模で見直
されており、また、半導体製造コストの低減化要請か
ら、従来の薬液を殆ど使用しない新しい洗浄方法の開発
が進められている。例えば、特開平5−339769号
公報では、半導体製造分野等で用いられる純水または超
純水中の溶存酸素を低減させる方法として、純水または
超純水を低電圧で電解処理し、還元性が強く溶存酸素が
著しく低い陰極液を回収する方法及びそのための電解槽
が提案されている。この純水の電解処理は、所定構造の
電解槽を用いて純水の純度を高めるものである。また、
「NIKKEI MICRODEVICES(日経マイ
クロデバイス)」1993年6月号第71頁(日本経済
新聞社発行)には、電解イオン水によるシリコンウエハ
の洗浄が提案されている。この電解イオン水によるシリ
コンウエハ洗浄は、経験的に酸化還元電位(Oxida
tion ReductionPotential、以
下ORPとする。)の高い液が大きな洗浄力を有するこ
とが知られており、ORPが高い電解液を洗浄液として
利用するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記提案で洗浄液とし
て使用される電解イオン水は、一般に、陰極室及び陽極
室の2室を有する電解槽の各電極室に塩化アンモニウム
水溶液を供給して電解処理する2室法電解法で製造され
る。この場合、電解槽の各電極室間の隔膜としては、通
常、中性膜が使用されている。しかしながら、発明者に
よれば、上記電解処理による電解イオン水の製造を工業
的規模での実施において、安全性に問題があることが知
見された。即ち、電極液に含有される電解質が塩化アン
モニウムであるため、陽極室において陽極で生成する塩
素分とアンモニウムイオンが反応して爆発性の高い三塩
化窒素が生成し陽極から発生するガス中に混入するおそ
れがある。三塩化窒素は、光照射、95℃以上の加熱、
または脂肪族等の有機物との接触により激しく爆発する
性質を有し、小規模な電解イオン水の生産では殆ど問題
が生じないが、工業的に行う大規模な電解処理において
は、三塩化窒素が多量に発生するおそれもあり爆発の危
険性が極めて高くなる。また、その防止のためには、電
解装置内への有機物の混入を厳しく制限したり、且つ、
厳密に除去する等の厳格な管理が必要となり、経費も嵩
むことになり工業的実現性に乏しい。更に、従来の電解
処理では、電極室の隔膜として中性隔膜を使用している
ため、陽極室や陰極室で生成した有効成分が互いに反対
の電極室に拡散し分解され、所定の洗浄力を有する電解
液を得るためには大量の電力を必要とした。本発明は、
従来の電解処理による電解イオン水の製造における上記
問題に鑑み、三塩化窒素が生成することなく工業的に電
解イオン水を電解処理により製造することを目的とす
る。更に、所定の電解イオン液を電力の消費を抑制し効
率的に生成することを目的とする。上記目的達成のた
め、発明者は、三塩化窒素の生成が酸性下でアンモニウ
ムイオンと塩素分との反応により生起することを鑑み、
電解処理において塩素を発生することなく、且つ、陽極
室が酸性とならないようにする方法を鋭意検討し本発明
に到った。本発明は、爆発の危険性がある従来法の欠点
を克服し安全で、更に、電力使用量の少ない電解イオン
水の製造方法を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、陽イオ
ン交換膜を隔膜として形成された電極室を有する電解槽
において、陽極室、または、陽極室及び陰極室の双方
に、第4級アンモニウム化合物を含有する水溶液を供給
して電気分解することを特徴とする電解イオン水の製造
法が提供される。上記本発明において、第4級アンモニ
ウム化合物がテトラアルキルアンモニウム化合物及びテ
トラアルキルアルカノールアンモニウム化合物の少なく
とも1種であることが好ましい。また、上記テトラアル
キルアンモニウム化合物が塩化テトラアルキルアンモニ
ウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、炭酸テトラ
アルキルアンモニウム及び炭酸水素テトラアルキルアン
モニウムから選ばれたものであり、また、上記テトラア
ルキルアルカノールアンモニウム化合物が、塩化アルキ
ルアルカノールアンモニウム、水酸化アルキルアルカノ
ールアンモニウム、炭酸アルキルアルカノールアンモニ
ウム及び炭酸水素テトラアルキルアルカノールから選ば
れたものであることが好ましい。更に、第4級アンモニ
ウム化合物を含有する水溶液が、第4級アンモニウム化
合物を1ミリモル/リットル〜100ミリモル/リット
ル含有することが好ましい。
【0005】
【作用】本発明は上記のように構成され、電極室を陽イ
オン交換膜を隔膜として用いて形成すると共に、電極室
に第4級アンモニウム化合物を含有する水溶液を供給す
るため、電極室にアンモニウムイオンが存在することが
なく三塩化窒素が生成されないため安全な操業が可能で
ある。また、隔膜が陽イオン交換膜であるため、各電極
室中のイオン成分が拡散することがなく、ORPの高い
洗浄力の大きい電解液を低い電力原単位で得ることがで
きる。
【0006】以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明において、電気分解処理に供する水溶液に含有さ
れる第4級アンモニウム化合物としては、アンモニウム
イオンの4つの水素原子をアルキル基またはアルキルア
ルコキシル基で置換したテトラアルキルアンモニウム化
合物及びテトラアルキルアルカノールアンモニウム化合
物が好適に用いられる。従来用いられていた電解質の塩
化アンモニウムに比し、第4級アンモニウム化合物は、
陽イオンとして水素イオンの代わりに第4級アンモニウ
ムイオンを与えることができ、陰極液中にOH基が含有
され、pH値が高くなりORP値の高い陰極電解液を得
ることができ好ましい。第4級アンモニウムイオンの対
の陰イオンとしては、塩素イオン、水酸化イオン、炭酸
イオン、炭酸水素イオン等が好適であり、一方、硝酸イ
オン及び硫酸イオンは電極液のORPが高くなく好まし
くない。上記好ましい陰イオンのうち特に塩素イオンが
好ましい。塩素イオンは、陽極で酸化され塩素、塩素
酸、次亜塩素酸を生成し、ORP値の大きな電解液とな
るためである。上記テトラアルキルアンモニウム化合物
として、塩化テトラアルキルアンモニウム、水酸化テト
ラアルキルアンモニウム、炭酸テトラアルキルアンモニ
ウム、炭酸水素テトラアルキルアンモニウムを挙げるこ
とができ、また、テトラアルキルアルカノールアンモニ
ウム化合物として、塩化アルキルアルカノールアンモニ
ウム、水酸化アルキルアルカノールアンモニウム、炭酸
アルキルアルカノールアンモニウム、炭酸水素テトラア
ルキルアルカノールを挙げることができる。これらテト
ラアルキルアンモニウム化合物及びテトラアルキルアル
カノールアンモニウム化合物のアルキル基またはアルキ
ルアルコキシル基のアルキルは、直鎖状で炭素数1〜4
のものが好ましく、より好ましくは炭素数1〜2のメチ
ル基、エチル基である。本発明において、上記第4級ア
ンモニウム化合物の少なくとも1種を含有させた水溶液
を電極室に供給することができる。
【0007】本発明において、上記の第4級アンモニウ
ム化合物を含有する水溶液は、陽極室のみ、または、陽
極室及び陰極室の双方に供給する。ORP値の高い電極
液を得ることができる。第4級アンモニウム化合物含有
水溶液を、陰極室のみに供給することは陽極室へ移動す
るイオンが少なく目的とするORP値が高く洗浄力のあ
る陽極液が得られないので好ましくない。電極室に供給
する第4級アンモニウム化合物含有水溶液は、上記第4
級アンモニウム化合物を1ミリモル/リットル〜100
ミリモル/リットル、好ましくは5ミリモル/リットル
〜20ミリモル/リットル含有する。電極室に供給する
水溶液の第4級アンモニウム化合物の含有濃度が、1ミ
リモル/リットル未満の場合は、電極液、即ち回収する
電解イオン水のORP値が低く洗浄力が乏しいため好ま
しくない。また、含有濃度が100ミリモル/リットル
より濃い場合は、薬剤の使用量が増えるため、使用コス
ト及び/または回収コストが増大し経費が嵩み好ましく
ない。
【0008】本発明の電解槽は、基本的に陽極室及び陰
極室の2室を有する電解セルにより構成される。各電極
室の隔膜としては陽イオン交換膜を使用する。陽イオン
交換膜としては、耐塩素性のあるフッ素樹脂系陽イオン
交換膜が使用でき、官能基としてスルホン酸基とカルボ
ン酸基を有するいずれもが使用できる。特に、電気抵抗
が低いスルホン酸基を有するものがより好ましい。本発
明の電解セルを構成する電極として、陽極にはチタンや
タンタルの上に白金や酸化イリジウムを被覆したもの、
または、白金メッシュが使用される。陰極にはチタンの
上に白金を被覆したもの、または、白金メッシュが使用
される。また、陽極及び陰極とも、ガス抜けがよければ
よく、その形状や形態は特に制限されない。一般に、多
孔性のものを用いることができ、通常、エキスパンドメ
タル、穿孔板、メッシュ、簾状等のものが使用できる。
また、本発明の電解槽の電解セルにおいて、陽イオン交
換膜と各電極との距離を0〜10mm、好ましくは0〜
2mmに構成することが好ましい。陽イオン交換膜と電
極との距離が広いほど電気抵抗が大きくなるため電圧が
高くなり、電解イオン水を製造する電力原単位が悪くな
るので好ましくない。この電気抵抗の増大は、電解液中
の第4級アンモニウム化合物含有水溶液の濃度が低いほ
ど顕著である。本発明において、電解槽を構成するセル
枠、ガスケット、電極、電解液供給ライン等は半導体分
野で問題となる不純物が溶け出さないような材料を使用
する。例えば、セル枠、ガスケット等はPTFE(ポリ
テトラフルオロエチレン)、電解液供給ラインはPFA
(パーフロロアルコキシフッ化プラスチック)等フッ素
系樹脂が好適に使用できる。
【0009】本発明は、上記のように構成された電解槽
に、上記第4級アンモニウム化合物含有水溶液を所定の
電極に供給して電解処理することにより、ORP値の高
い電極液を製造して電解イオン水として回収することが
できる。電解条件は、一般に、電流密度1〜100A/
dm2 、温度0〜50℃、圧力0〜3kg/cm2 G、
電解液供給量1〜1000リットル/Aの範囲から適宜
選択することができる。本発明の電解処理で生成する各
電極液は、それぞれ含有するイオン成分によりその酸化
還元作用が異なり、陽極液は酸化性、陰極液は還元性の
作用をそれぞれ有する。そのため、各特性を発揮させる
ように各別に使用する。例えば、陽極液はシリコンウエ
ハーより金属成分、特に銅成分をよく除去する作用を有
する。また、陰極液はシリコンウエハーより微粒子を除
去する作用がある。なお、陽極液及び陰極液をそれぞれ
シリコンウエハー用洗浄液と適する洗浄力を有するOR
P値(陽極液ではmV,陰極液では−mVで表わされ
る。)の絶対値は、Ag/AgCl電極において500
mV以上が好ましい、より好ましくは800mV以上で
ある。また、陽極液と陰極液とが混合されるとそれぞれ
の洗浄能力を失い易く、混合しないようにする必要があ
る。本発明において、上記のようにして電解液を電解イ
オン水として回収し、シリコンウエハ等の洗浄液として
使用した洗浄廃液は不純物により汚染されており、排水
処理工程へ排出されるか、第4級アンモニウムイオン回
収工程へ送り処理した後でなければ、本発明の電解処理
に再使用することはできない。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。但し、本発明は下記実施例により制限されるもの
でない。 実施例1 通電寸法100mm×100mmの2室電解槽を構成し
た。セル枠はPTFE製、ガスケットはゴアテックス
(ジャパンゴアテックス社製)、陽イオン交換膜はナフ
ィオンNE−350(デュポン社製)、陽極と陰極は共
に白金メッシュ(田中貴金属社製、純度99.95%、
網目80メッシュ)を使用した。また、隔膜の陽イオン
交換膜と各電極との距離はそれぞれ0mmとした。上記
のように構成された電解槽の陽極室と陰極室に、含有濃
度10ミリモル/リットルの水酸化テトラメチルアンモ
ニウム水溶液を100リットル/時間の流量で供給し、
通電量10A、温度25〜26℃、圧力1.5kg/c
2 の条件で電解処理した。その結果、電解電圧は4.
1Vであり、生成した陽極液及び陰極液のORP値は、
それぞれ900mV(vs.Ag/AgCl)及び−8
00mv(vs.Ag/AgCl)であった。また、陽
極の発生ガス中の三塩化窒素の濃度は不検出(1mg/
3 以下)であった。
【0011】実施例2 含有濃度10ミリモル/リットルの塩化テトラメチルア
ンモニウム水溶液を電極室に供給した以外は、実施例1
と同様に電解処理した。その結果、電圧は4.5Vであ
り、生成した陽極液と陰極液のORP値はそれぞれ10
00mV、−800mVであった。また、陽極の発生ガ
ス中の三塩化窒素は、同様に不検出であった。
【0012】実施例3 含有濃度20ミリモル/リットルの炭酸テトラエチルア
ンモニウム水溶液を電極室に供給した以外は、実施例1
と同様に電解処理した。その結果、電圧は4.4Vであ
り、生成した陽極液と陰極液のORP値はそれぞれ10
00mV、−800mVであった。また、陽極の発生ガ
ス中の三塩化窒素は同様に不検出であった。
【0013】実施例4 含有濃度20ミリモル/リットルの塩化テトラエチルア
ンモニウム水溶液を電極室に供給した以外は、実施例1
と同様に電解処理した。その結果、電圧は4.4Vであ
り、生成した陽極液と陰極液のORP値はそれぞれ11
00mV、−850mVであった。また、陽極の発生ガ
ス中の三塩化窒素は同様に不検出であった。
【0014】実施例5 含有濃度20ミリモル/リットルの塩化テトラメチルア
ンモニウム水溶液を100リットル/時間の流量で陽極
室に供給し、陰極室には超純水(比抵抗18MΩ−cm
のもの)を流量100リットル/時間で供給した以外
は、実施例1と同様に電解処理した。その結果、電圧は
4.8Vであり、生成した陽極液と陰極液のORP値は
それぞれ1200mV、−900mVであった。また、
陽極の発生ガス中の三塩化窒素は不検出であった。
【0015】実施例6 含有濃度20ミリモル/リットルの炭酸水素テトラメチ
ルアンモニウム水溶液を陽極室に供給した以外は、実施
例5と同様に電解処理した。その結果、電圧は4.5V
であり、生成した陽極液と陰極液のORP値はそれぞれ
1100mV、−850mVであった。また、陽極の発
生ガス中の三塩化窒素は不検出であった。
【0016】実施例7 含有濃度20ミリモル/リットルの塩化コリン(塩化ト
リメチルエタノールアンモニウム)水溶液を電極室に供
給した以外は、実施例1と同様にして電解処理した。そ
の結果、電圧は4.4Vであり、生成した陽極液と陰極
液のORP値はそれぞれ930mV、−820mVであ
った。また、陽極の発生ガス中の三塩化窒素は不検出で
あった。
【0017】比較例1 含有濃度10ミリモル/リットルの塩化アンモニウム水
溶液を電極室に供給した以外は、実施例1と同様に電解
処理した。その結果、電圧は4.4Vであり、生成した
陽極液と陰極液のORP値はそれぞれ900mV、−7
00mVであった。また、陽極の発生ガス中の三塩化窒
素の濃度は32000mg/m3 であり、爆発の可能性
がある危険な値であった。
【0018】比較例2 電極室隔膜としてPTFE製の中性膜MF−60(湯浅
コーポレーション社製)を使用した以外は、実施例1と
同様に電解処理した。その結果、電圧は6.9Vであ
り、生成した陽極液と陰極液のORP値はそれぞれ60
0mV、−450mVであった。また、陽極発生ガス中
の三塩化窒素は不検出であった。
【0019】比較例3 隔膜として、PTFE製中性膜MF−60(湯浅コーポ
レーション社製商品名)を使用し、且つ、含有濃度10
ミリモル/リットルの塩化アンモニウム水溶液を各電極
室に供給した以外は、実施例1と同様に電解処理した。
その結果、電圧は7.3Vであり、生成した陽極液と陰
極液のORP値はそれぞれ600mV、−470mVで
あった。また、陽極の発生ガス中の三塩化窒素の濃度は
40000mg/m3 であり、爆発の可能性がある危険
な値であった。
【0020】上記実施例及び比較例より明らかなよう
に、電極隔膜に陽イオン交換膜を用い、且つ、第4級ア
ンモニウム化合物を含有させた水溶液を電解液として供
給して電解処理した場合は、陽極ガス中に危険な三塩化
窒素が含まれず、得られた電極液はそれぞれ酸化還元電
位が高く、洗浄能力に優れることが分かる。一方、電極
隔膜を従来と同様に中性膜として、電解液に第4級アン
モニウム化合物を用いた場合は、危険な三塩化窒素の発
生はないが、電極液の洗浄力が高くないことが分かる。
また、電解液に従来の塩化アンモニウム水溶液を用いた
場合は、隔膜を陽イオン交換膜を用いた場合は電極液の
洗浄力は比較的高くなるが、陽極に三塩化窒素が多量に
発生し爆発の危険性のおそれがあり、隔膜を中性膜とす
ると電極液の洗浄力も低く、三塩化窒素の発生も多量で
あり危険であることが分かる。
【0021】
【発明の効果】本発明は、第4級アンモニウム化合物を
支持電解質として含有させた水溶液を電極室に供給し、
電極室隔膜を陽イオン交換膜で構成する2室法電解セル
を用いて電解処理することにより、従来法に比し安全で
且つ低い電力原単位でシリコンウエハーの洗浄液として
の洗浄力に優れる電解イオン水が製造できる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽イオン交換膜を隔膜として形成された
    電極室を有する電解槽において、陽極室、または、陽極
    室及び陰極室の双方に、第4級アンモニウム化合物を
    ミリモル/リットル〜20ミリモル/リットル含有する
    水溶液を供給して電気分解することを特徴とする電解イ
    オン水の製造法。
  2. 【請求項2】 前記第4級アンモニウム化合物が、テト
    ラアルキルアンモニウム化合物及びテトラアルキルアル
    カノールアンモニウム化合物の少なくとも1種である請
    求項1記載の電解イオン水の製造法。
  3. 【請求項3】 前記テトラアルキルアンモニウム化合物
    が、塩化テトラアルキルアンモニウム、水酸化テトラア
    ルキルアンモニウム、炭酸テトラアルキルアンモニウム
    及び炭酸水素テトラアルキルアンモニウムから選ばれる
    請求項2記載の電解イオン水の製造法。
  4. 【請求項4】 前記テトラアルキルアルカノールアンモ
    ニウム化合物が、塩化アルキルアルカノールアンモニウ
    ム、水酸化アルキルアルカノールアンモニウム、炭酸ア
    ルキルアルカノールアンモニウム及び炭酸水素テトラア
    ルキルアルカノールから選ばれる請求項2記載の電解イ
    オン水の製造法。
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