JP3324943B2 - ガラス基板乃至シリコン基板洗浄用水の製造装置 - Google Patents

ガラス基板乃至シリコン基板洗浄用水の製造装置

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JP3324943B2
JP3324943B2 JP27765396A JP27765396A JP3324943B2 JP 3324943 B2 JP3324943 B2 JP 3324943B2 JP 27765396 A JP27765396 A JP 27765396A JP 27765396 A JP27765396 A JP 27765396A JP 3324943 B2 JP3324943 B2 JP 3324943B2
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淳 北田
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体製造工程にお
ける洗浄に適した電解イオン水の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な電解装置は、所定の電解槽に電
解質水溶液を貯留してこれに陽極および陰極を挿入し、
陽極が挿入された陽極側電解質水溶液と陰極が挿入され
た陰極側電解質水溶液を多孔性の隔膜により隔離した構
造を有し、その陽極および陰極に電流を通じることによ
り電解イオン水を製造する。このようにして製造される
電解イオン水には種々のものがあり、その種類に応じて
様々な用途に適用されている。
【0003】ここで、電解装置により製造される電解イ
オン水は、本来的にマイルドであり、扱いやすく、使用
後の処理も容易であるという利点を有しているので、数
多く潜在している未開発の用途を発見しそれを応用する
ことは産業上重要な意義を有する。例えば、従来の精密
機器洗浄剤の多くは本来的に劇薬(例えば、硫酸+過酸
化水素からなる溶液、或いは塩酸+過酸化水素からなる
溶液が使用されている)であり、廃棄する際に問題を生
じていたことから、これに代替することができるような
電解イオン水を開発することができれば、その意義は極
めて大きい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
現状に鑑みてなされたものであり、低コストで容易かつ
無害に半導体基板などを洗浄し得る電解イオン水を製造
することができる電解イオン水の製造装置を提供するこ
とを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、多孔性
の中性膜により隔離された電解質水溶液中にそれぞれ挿
入されている陽極および陰極に電流を通じることにより
電解イオン水を製造にあたって、多穴状の陰極を用いて
水の電気分解を行うと、その陰極側電解イオン水は、中
性状態よりも水酸化物イオンが多いものになると共に、
そこには飽和濃度もしくはそれに近い濃度の水素ガスが
溶解していることが判明し、しかもその陰極側電解イオ
ン水は容易かつ無害に半導体基板などを洗浄し得る能力
を備えていることも判明して、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】このような現象については従来は全く知ら
れていなかったことに加え、従来の方法(即ち、水素ガ
スのバブリングや加圧などにより弱アルカリ水に水素を
溶解させる方法)では、本発明に係る電解イオン水と同
等の水を得ることはできないのである。
【0007】具体的には、本発明に係るガラス基板洗浄
用水の製造装置とは、電解槽と、該電解槽に貯留された
電解質水溶液と、該電解質水溶液に挿入された電極と、
前記電解質水溶液を陽極側と陰極側とに隔離する多孔性
の隔膜と、を備え、前記電極に電流を通じることにより
電解イオン水を製造する装置であって、前記電極の内、
少なくとも陰極に貫通穴が開口しており、その貫通穴の
内径は0.1〜10mmであるとともに、その貫通穴の
開口面積の合計が電極板の片側面積15〜55%であ
り、かつ、前記多孔性の隔膜が中性膜であるとともに、
その孔径が0.04〜20μmであることを特徴とす
る。
【0008】また、本発明に係るシリコン基板洗浄用水
の製造装置は、電解槽と、該電解槽に貯留された電解質
水溶液と、該電解質水溶液に挿入された電極と、前記電
解質水溶液を陽極側と陰極側とに隔離する多孔性の隔膜
と、を備え、前記電極に電流を通じることにより電解イ
オン水を製造する装置であって、前記電極の内、少なく
とも陰極に貫通穴が開口しており、その貫通穴の内径は
0.1〜10mmであるとともに、その貫通穴の開口面
積の合計が電極板の片側面積15〜55%であり、か
つ、前記多孔性の隔膜が中性膜であるとともに、その孔
径が0.04〜20μmであることを特徴とする。
【0009】[電極]ここで、陰極に貫通穴が無い場合
にはガス発生が少なく、本発明の中枢をなす陰極側電解
イオン水への水素の溶解が不十分となり、本発明に係る
電解イオン水を得ることはできない。その一方で、陰極
をメッシュ(即ち、貫通穴を極端に多くした場合と同様
の状態)にしてしまうと、水素ガスの泡の成長が早す
ぎ、発生した水素ガスが直ちに巨大な泡となって陰極側
電解イオン水の外に逃げてしまうこととなるので、本発
明に係る電解イオン水を得ることができなくなる。従っ
て、電極の全ての貫通穴の開口面積の合計は、当該電極
板の片側面積の15%から55%であることが好まし
い。また、貫通穴の内径は、0.1mm〜10mmであ
ることが好ましく、2mm〜4mmであれば更に好まし
い。
【0010】電極は、白金等の不活性な金属でその表面
が覆われていることが好ましい。
【0011】陽極と陰極の間の距離は、2mm〜10m
mであることが好ましく、3mm〜5mmであれば更に
好ましい。
【0012】[多孔性の隔膜]多孔性の隔膜の孔径は、
0.04μm〜20.0μmであることが好ましい。ま
た、多孔性の隔膜の孔径は0.04μm〜10.0μm
でれば更に好ましく、0.04μm〜3.0μmであれ
ば一層好ましい。本発明に係る多孔性の隔膜は多孔性の
中性膜であり、その材質としては、例えば、ポリハロゲ
ン化ビニル又はポリハロゲン化ビニリデン(いずれも、
ハロゲン置換の数は問わない。また、直鎖のみならず、
枝分かれのあるものも含む。)などをあげることができ
る。より具体的には、ポリエステル不織布もしくはポリ
エチレンスクリーンを骨材としたポリ塩化ビニル製のも
のやポリ塩化ビニリデン製のもの、あるいは、ポリ弗化
ビニル製のものもしくはポリ弗化ビニリデン製のものな
どをあげることができる。これらには、酸化チタン等を
添加してもよい。
【0013】なお、イオン交換膜や高分子膜では、本発
明に係る負極還元水(後述)を製造することはできな
い。
【0014】[反応温度]本発明に係る基板洗浄用水の
製造装置においては、電解質水溶液の温度が40℃以下
に制御されることが好ましく、更に10℃以下に制御さ
れれば一層好ましい。なお、このような温度制御は、サ
ーモスタット等を備え、電解質水溶液の温度を40℃以
下もしくは10℃以下に制御する温度制御装置を取り付
けることにより容易に行うことができる。
【0015】[原料水]本発明に係る基板洗浄用水の製
造装置では、基板洗浄用水にはできるだけ不純物を含ま
ないほうが好ましいことから、超純水をベースとする電
解質水溶液から基板洗浄用水を製造することが望まし
い。
【0016】また、電解質水溶液には、所定の電解質を
添加することもできる。所定の電解質としては、アンモ
ニウムイオンを含む電解質が好ましく、アンモニウムイ
オンのカウンターアニオンとしては塩化物イオンもしく
は水酸化物イオンが適切である。因みに、電解質は10
〜2000ppmの濃度で電解質水溶液に含まれている
ことが好ましく、10〜1000ppmであれば更に好
ましく、10〜600ppmであれば一層好ましい。先
の例で言えば、10〜2000ppmのアンモニウムイ
オンを含む電解質水溶液であることが好ましく、10〜
1000ppmであれば更に好ましく、10〜600p
pmであれば一層好ましい。
【0017】なお、超純水に電解質としてNH4 Cl
(塩化アンモニウム)又はNH4 OH(水酸化アンモニ
ウム)を10〜600ppmの割合で溶解した液を用い
て生成した負極還元水は、半導体製造工程における洗浄
に特に適しており、従来よりも優れた洗浄効果を得ると
共に、洗浄対象物を損なわない洗浄を行うことが可能に
なる。
【0018】[負極還元水]本発明に係る電解イオン水
は、本発明に係る製造装置により特に製造されるもので
あって、塩基性を有すると共に、強力な還元力を有す
る。また、pHメーターによる実測値から算出した水酸
化物イオン濃度と、弱塩基滴定法により求めた水酸化物
イオン濃度とが相違するという特異な性質を有してい
る。この意味で、本発明に係る製造装置により製造され
る本発明に係る電解イオン水を特に負極還元水と呼ぶ。
この負極還元水の特異な性質について、水酸化物イオン
と溶存水素との複合体の存在を想定し、そこから理論的
裏付けをしようとする努力もなされているが、負極還元
水の性質を裏付ける決定的な理論は確立されていない。
【0019】上記特質との関係で、本発明に係る装置に
より製造される電解イオン水(即ち、負極還元水)は、
溶存水素が0.01ppm以上であることが基板洗浄用
水として好ましい。また、溶存水素が0.03ppm以
上であれば更に好ましく、0.05ppm以上であれば
一層好ましい。負極還元水のpHは、7.2〜12.0
の間であることが基板洗浄用水として好ましく、pHが
7.4〜10.0の間であれば更に好ましく、pHが
8.5〜9.5の間であれば一層好ましい。
【0020】[基板、基板洗浄用水]本発明の範囲に
は、上記の装置によって製造される基板洗浄用水及びそ
の同等物、並びに、該基板洗浄用水で基板を処理する工
程を含む基板の洗浄方法も含まれる。なお、ここで言う
「基板」には、ガラス基板やシリコン基板など、精密機
器に使用される一般的な基板が含まれる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電解イオン水
製造装置及びそれに関連する事項の実施の形態につい
て、図を参照しながら説明する。
【0022】[電解イオン水製造装置の原理]図1に示
されるように、電解槽1には、電解に供する液(即ち、
電解質水溶液)2が満たされており、これが隔膜6によ
り陽極電解液2aと陰極電解液2bとに分けられてい
る。隔膜6は多孔性中性膜からなり、この膜を水は自由
に流通することができる。
【0023】陽極電解液2a及び陰極電解液2bには、
それぞれ陽極4及び陰極5が挿入されており、両電極に
はそれぞれ貫通穴7が設けられている(図2)。穿設す
る貫通穴7の大きさは直径を2〜4mm程度であり、穿
設する穴の合計面積は、板状電極の片面の面積に対して
5%〜55%になるようする。ここで、電極は、陽極4
および陰極5のいずれも、チタン製板材に白金メッキし
たものを使用する。先に述べたように、両電極には多数
の貫通穴7が穿設されているが、両電極の白金メッキ
は、貫通穴7の穿設後に行い、穿設部分にも白金メッキ
が施されるようにする。なお、貫通穴7は、本来は陰極
5にしか設ける必要のないものであるところ、陽極4に
も設けるのは、後述するスぺーサ10取付の便宜のため
である。
【0024】[バッチ式電解イオン水製造装置]本発明
に係る電解イオン水製造装置のうち、バッチ式(貯め置
き式)のものは、陽極4、隔膜6そして陰極5を、一対
の隔膜フレーム9により挟み込んだもの(図3)を、電
解槽1中央の所定の位置に設けられたガイド溝に差し込
むことにより作成される(図4)。
【0025】この実施の形態では、陽極4、隔膜6及び
陰極5を、一対の隔膜フレーム9により挟み込む場合
に、陽極4及び陰極5の間に所定の距離を保持するため
に、スぺーサ10を使用している。スぺーサ10は、電
気絶縁性材料で構成されており、陽極4及び陰極5に穿
設された多数の貫通穴7の内、約10〜30%に相当す
る部分に取り付ける。その際、スぺーサ10の取り付け
に使用する貫通穴7を除いた残りの貫通穴7の合計面積
が、電極板の片面面積の5%〜55%の範囲内に収まる
ようにする。
【0026】[連続式電解イオン水製造装置]本発明に
係る電解イオン水製造装置のうち、連続式のものは、図
5に示されるように、複数の陽極4及び陰極5を、隔膜
6を介して交互に積層した電極スタックを、電解槽ケー
ス11でケーシングした構造を有する。電極スタックと
電解槽ケース11の間には隔膜フレーム9が介在されて
いる。このような形態では、隔膜6の両側には、スぺー
サ10を取り付けた陽極4及び陰極5が位置するように
してそれぞれ配設されていることとなり、隔膜フレーム
9によって隔膜6及び両電極4,5が一体形成されるこ
とになる。その際、陽極電極4にも陰極5に配設したス
ぺーサ10に対応する位置にスペーサ10を設けるが、
陽極4の形状そのものは陰極電極5と同一(例えば、直
径2〜4mmの穴を設ける等)である必要はなく、自由
な形状のものを使用することが可能である。
【0027】[スペーサ]スペーサ10によって隔膜6
と電極4,5間は常に一定の距離が確実に保持される。
そして、電極4,5の全面にわたって均等に分布して配
設された多数のスぺーサ10によって隔膜6を両面から
挟んで保持するようにしたことにより、電極4,5及び
隔膜6が大きい場合でも、隔膜フレーム9変形による電
極4,5と隔膜6との距離変化に起因する電気分解の効
率低下、あるいは隔膜6と電極4,5との直接接触によ
る隔膜6の焼損などの不具合を生ずることがない。
【0028】上述したように、連続式の電解イオン水製
造装置においても、陽極4及び陰極5の間に所定の距離
を保持するために、スぺーサ10が使用されている。連
続式であるとバッチ式であるとを問わず、本発明に係る
電解イオン水製造装置において好適なスペーサ10の構
成は次の通りである。
【0029】まず、図6に示すように、この実施の形態
で使用されるスペーサ10は、電極と隔膜との間に保持
すべき距離に等しい厚さの平板状部と該平板状部に垂直
方向をなして形成された突起部とからなるスぺーサ12
と、上記スぺーサ12の突起部に嵌合あるいは螺合し、
電極と隔膜あるいは電極と電解槽との間に保持すべき距
離に等しい厚さを有するスぺーサ13と、によって構成
されている。
【0030】スペーサ10は、図7(a)に示すように
スぺーサ12の突起部が平滑な面を有する円筒状であ
り、スぺーサ13は単にその突起部に嵌合するのみの構
造のもののほかに、図7(b)に示すようにスぺーサ1
2に形成する突起部をねじ構造とし、スぺーサ13を上
記ねじ構造突起部に螺合するナット状としたものであっ
てもよい。
【0031】[負極還元水]図1において、電解槽1内
に電解液2を注入し、電極4,5に直流電流を流すと、
Cl- 等のマイナスイオンは陰極電極5側から隔膜6を
通じて陽極電極4側に移動し、Na+ 等のプラスイオン
は陽極4側から隔膜6を通じて陰極電極5側に移動す
る。また、陽極4側では、陽極電解液2a中の水酸化物
イオン(OH-)4分子が4個の電子(e‐ )を放出し
て酸素分子(O2 )と水分子(H2 O)とになり、その
反応の進行に応じて水素イオン(H+ )が増加していく
と共に、酸素分子も水に溶解していく。一方、陰極5側
では水に電子(e‐ )が作用し、その中の水素イオン
(H+ )と電子(e‐ )が反応して水素分子(H2
を生成し、これが陰極電解液2b中に溶けこむ。陰極電
解液2b中では、同時に、水素分子(H2 )の発生に伴
って水素イオン(H+ )が減少し、水酸化物イオン(O
- )の濃度が上がっていく。この作用により、陽極側
と陰極側とで水素イオン濃度(pH)に不均衡が生じ、
陽極側は酸性を、陰極側はアルカリ性を示すようになる
が、本発明に係る電解イオン水製造装置を使用すること
により、同時に、陽極電極4側における溶存酸素量も、
陰極5側における溶存水素量も、飽和濃度に限りなく近
い数値を示すことになる。その結果、アルカリ性を示す
と共に、充分な水素分子(H2 )をその中に溶解させて
いる負極還元水が陰極5側で得られることになるのであ
る。
【0032】即ち、既に述べたように、使用する電極の
うち特に陰極電極5に適正な穴(直径が2mm〜4mm
で、穴の面積の合計が電極板の面積に対して5%〜55
%の有効な開口面積とする)を設けることにより、電解
液が電極表裏間を自由に移動し得るようになり、陽極電
極4および陰極電極5において飽和濃度まで溶解した電
解液が容易に低濃度の溶解した液と交換され、電解液中
へのガス溶解およびイオン発生が効率よく行われ、その
結果、負極還元水が陰極側で得られることになるのであ
る。
【0033】[原料水、電解質]本発明に係る電解イオ
ン水製造装置の原料水としては、超純水のほか水道水、
ミネラルウオータをそのままを使用することができる。
しかしながら、基板洗浄用水を製造する場合には超純水
を用いる必要がある。ここで、前記それぞれの原料水に
は、電解質としてNH4 Cl(塩化アンモニウム)もし
くはNH4 OH(水酸化アンモニウム)を10〜600
ppmの割合で混入させてもよい。なお、塩化アンモニ
ウム濃度の調整は、所定量の固体塩化アンモニウムを溶
解させることにより行うことができる。水酸化アンモニ
ウム濃度の調整は、市販のアンモニア水を所定量添加す
ることにより行うことができる。
【0034】[温度制御]本発明に係る電解イオン水製
造装置を駆動させると発熱し、電解液の液温が上昇す
る。しかしながら、水が持つ水素の溶解能力(即ち、水
素の飽和濃度)は水温が低下すればするほど増加する。
これに加えて、本発明に係る負極還元水では、水温低下
により、その中に存在する何らかの還元性イオンの崩壊
を遅らせることができるということが実験から明らかに
なっている。従って、より多くの水素溶解を必要とする
ような場合には、その用途に応じて電解原料液22を予
め冷却し、その温度を保持した状態で電解をするように
するとよい。例えば、半導体製造工程における洗浄用に
使用する場合には、少なくとも40℃以下に制御しなが
ら使用することが好ましい。
【0035】電解液を冷却するために、この実施の形態
では、図8に示されるように、冷却装置25を設けてい
る。このような構成によれば、タンク21に貯留されて
いる電解原料液22は、送水ポンプ23により電解槽1
に送られるが、送られる過程において、電解原料液22
は冷却装置25により冷却されることになる。そして、
電解槽1に供給された電解原料液22は電気分解され、
電解陽極水ノズル26a及び電解陰極水ノズル26bか
ら、それぞれ陽極水及び陰極水が排出される。
【0036】なお、冷却装置25は、図8に示すように
電解槽1に送入する前に独立して設置しても、図9に示
すように電解槽1内に設けるようにしてもよい。冷却装
置25を電解槽1内に設ける場合には、それを冷却管2
7とすると好適である。なお、冷却装置25は、常温で
の電解でも十分に効果が出る用途に使用する場合には設
置しなくてもよい。
【0037】
【実施例】以下、本発明に係る負極還元水の水酸化物イ
オン(OH- )濃度についての実施例を示す。
【0038】500ppmの塩化アンモニウムを含有す
る水を、図4に示される装置を用いて、電流3A、OR
P値700mV以下の条件下で15分電解を行うことに
より、pH9.5の負極還元水を得た。そして、この負
極還元水の水酸化物イオン(OH- )濃度を弱塩基滴定
法により求めた。以下に、その結果を示す。
【0039】
【表1】 滴定前の負極還元水のpHは9.5であるところ、その
水酸化物イオン濃度[OH- ](mol/l)は、以下
に示す水のイオン積(Kw=10-14 、22℃)から求
めることができる。
【0040】
【式1】 ここで、本実験条件下では活量係数fは1と置けるの
で、水酸化物イオン濃度[OH- ](mol/l)は、
以下のように算出される。
【0041】
【式2】 このようにして算出された水酸化物イオン濃度は、弱塩
基滴定法により求めたものと100倍程度のオーダーで
相違する。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば下記のような効果が得ら
れる。
【0043】従来の電解槽の構造においては、陰極側に
移動した水素イオンの多くは水素ガスとして大気中に放
出されていたが、本発明に基づく電解槽の構造によっ
て、従来得られなかった高い効率で水素ガスを溶かし込
んだ状態の電解質溶液(負極還元水)を得ることが可能
になった。
【0044】生成した負極還元水は、系外に排出するに
際して殆ど処理を必要としないことから、処理設備を低
減又は不要とし、稼働費を著しく低廉にすることが可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電解イオン水製造装置の原理図で
ある。
【図2】本発明に係る負極電解水を生成するための陰極
の正面図である。
【図3】本発明に係る負極電解水を生成するための電解
装置の電解単位に係る構造の一例を示す図である。
【図4】本発明に係る負極電解水を生成するためのバッ
チ式電解装置の一例を示す図である。
【図5】本発明に係る負極電解水を生成するための連続
式電解装置の一例を示す図である。
【図6】本発明に係る電解装置で使用されるスペーサの
一例を示す断面図である。
【図7】本発明に係る電解装置で使用されるスペーサの
例を示す図である。
【図8】電解槽とは独立した冷却手段を備えた電解装置
を説明するためのブロック図である。
【図9】電解槽内に冷却手段を備えた電解装置を説明す
るためのブロック図である。
【符号の説明】
1 電解槽 2 電解液 2a 陽極電解液 2b 陰極電解液 4 陽極 5 陰極 6 隔膜 7 貫通穴 9 隔膜フレーム 10 スペーサ 11 電解槽ケース 12,13 スぺーサ 21 タンク 22 電解原料液 23 送水ポンプ 25 冷却装置 26a 電解陽極水ノズル 26b 電解陰極水ノズル 27 冷却管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−260480(JP,A) 特開 平7−263398(JP,A) 特開 平6−277667(JP,A) 特開 平8−71560(JP,A) 特開 平7−308672(JP,A) 特開 平6−121978(JP,A) 実開 昭55−141597(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/46 C25B 11/03

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解槽と、該電解槽に貯留された電解質水
    溶液と、該電解質水溶液に挿入された電極と、前記電解
    質水溶液を陽極側と陰極側とに隔離する多孔性の隔膜
    と、を備え、前記電極に電流を通じることにより電解イ
    オン水を製造する装置であって、 前記電極の内、少なくとも陰極に貫通穴が開口して
    り、その貫通穴の内径は0.1〜10mmであるととも
    に、その貫通穴の開口面積の合計が電極板の片側面積1
    5〜55%であり、かつ、前記多孔性の隔膜が中性膜で
    あるとともに、その孔径が0.04〜20μmである
    とを特徴とするガラス基板洗浄用水の製造装置。
  2. 【請求項2】前記電極の貫通穴の内径が2mmから4m
    mであることを特徴とする請求項記載のガラス基板洗
    浄用水の製造装置。
  3. 【請求項3】前記多孔性の隔膜は、その孔径が0.04
    μm〜3.0μmであることを特徴とする請求項記載
    ガラス基板洗浄用水の製造装置。
  4. 【請求項4】前記多孔性の隔膜は、ポリハロゲン化ビニ
    ル又はポリハロゲン化ビニリデン(いずれも、ハロゲン
    置換の数は問わない。また、直鎖のみならず、枝分かれ
    のあるものも含む。)からなることを特徴とする請求項
    記載のガラス基板洗浄用水の製造装置。
  5. 【請求項5】前記多孔性の隔膜は、ポリ塩化ビニル、ポ
    リ塩化ビニリデン、ポリ弗化ビニル、又はポリ弗化ビニ
    リデンのいずれかからなることを特徴とする請求項3又
    は4記載のガラス基板洗浄用水の製造装置。
  6. 【請求項6】請求項1から5記載のガラス基板洗浄用水
    ガラス基板を処理する工程を含むことを特徴とする
    ラス基板の洗浄方法。
  7. 【請求項7】電解槽と、該電解槽に貯留された電解質水
    溶液と、該電解質水溶液に挿入された電極と、前記電解
    質水溶液を陽極側と陰極側とに隔離する多孔性の隔膜
    と、を備え、前記電極に電流を通じることにより電解イ
    オン水を製造する装置であって、 前記電極の内、少なくとも陰極に貫通穴が開口してお
    り、その貫通穴の内径は0.1〜10mmであるととも
    に、その貫通穴の開口面積の合計が電極板の片側面積1
    5〜55%であり、かつ、前記多孔性の隔膜が中性膜で
    あるとともに、その孔径が0.04〜20μmであるこ
    とを特徴とするシリコン基板洗浄用水の製造装置。
  8. 【請求項8】前記電極の貫通穴の内径が2mmから4m
    mであることを特徴とする請求項6記載のシリコン基板
    洗浄用水の製造装置。
  9. 【請求項9】前記多孔性の隔膜は、その孔径が0.04
    μm〜3.0μmであることを特徴とする請求項6記載
    のシリコン基板洗浄用水の製造装置。
  10. 【請求項10】前記多孔性の隔膜は、ポリハロゲン化ビ
    ニル又はポリハロゲン化ビニリデン(いずれも、ハロゲ
    ン置換の数は問わない。また、直鎖のみならず、枝分か
    れのあるものも含む。)からなることを特徴とする請求
    項8記載のシリコン基板洗浄用水の製造装置。
  11. 【請求項11】前記多孔性の隔膜は、ポリ塩化ビニル、
    ポリ塩化ビニリデン、ポリ弗化ビニル、又はポリ弗化ビ
    ニリデンのいずれかからなることを特徴とする請求項8
    又は9記載のシリコン基板洗浄用水の製造装置。
  12. 【請求項12】請求項7から11記載のシリコン基板洗
    浄用水でシリコン基板を処理する工程を含むことを特徴
    とするシリコン基板の洗浄方法。
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