JPH0796670A - 透明感熱記録媒体 - Google Patents

透明感熱記録媒体

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JPH0796670A
JPH0796670A JP5280174A JP28017493A JPH0796670A JP H0796670 A JPH0796670 A JP H0796670A JP 5280174 A JP5280174 A JP 5280174A JP 28017493 A JP28017493 A JP 28017493A JP H0796670 A JPH0796670 A JP H0796670A
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JP
Japan
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recording medium
transparent
recording layer
resin
thermosensitive recording
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JP5280174A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Goto
寛 後藤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サーマルヘッド等通常の熱転写プリンタで十
分印字が可能であり、2色画像形成に優れ、また熱感
度、及び発色画像濃度が向上し、しかも容易に製造する
ことができる透明感熱記録媒体を提供する。 【構成】 透明性支持体上に、電子供与性呈色性化合
物、炭素数16〜24の直鎖状アルキル基又は炭素数1
4〜24のα−ヒドロキシ置換直鎖状アルキル基を有す
るホスホン酸、及び常温での屈折率が1.45〜1.6
0でかつ分子内に水酸基を有するバインダー樹脂を含有
する感熱記録層を設け、更に該記録層上に、常温での屈
折率が1.45〜1.60の樹脂を主成分とする保護層
を設けた透明感熱記録媒体において、該支持体両面に該
感熱記録層を設けたことを特徴とする透明感熱記録媒
体、及び該ホスホン酸の平均粒子径が1μm以下である
ことを特徴とする透明感熱記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子供与性呈色性化合
物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した感熱
記録媒体に関し、特にオーバーヘッドプロジェクター
(以下、OHPと略す)用の画像形成用フィルムシート
及びCAD用画像形成用フィルムシートとして有用な透
明感熱記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子供与性呈色性化合物(以下、
発色剤とも言う)と電子受容性化合物(以下、顕色剤と
も言う)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広
く知られている。近年においては、用途も拡大化しオー
バーヘッドプロジェクター用又はジアゾの第2原図用、
更には設計図面用と要求がある。
【0003】サーマルヘッドで直接記録することのでき
る透明感熱記録媒体としては、特願昭61−12187
5号及び特開平1−99873号で提案されている。し
かし、これらの透明感熱記録媒体を製造するには、発色
剤をマイクロカプセル化し、更に、水に難溶又は不溶の
有機溶剤に溶解させた顕色剤とを乳化分散した乳化分散
物から成る塗布液を、透明支持体に塗布して作製するな
どかなり複雑な工程が必要である等の製造上に問題があ
り、また、透明性が不充分という問題があり、更に一般
に使用されているパーソナルワープロ用熱転写プリンタ
では十分印字できないという問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発色剤と顕
色剤との間の反応を利用した感熱記録媒体において、従
来技術に見られる前記問題点を解決し、熱感度、及び発
色画像濃度が向上し、しかも透明性の優れた透明感熱記
録媒体、及び2画像形成用として優れた透明感熱記録媒
体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、透明支
持体上に、電子供与性呈色性化合物、下記一般式(I)
(化1)又は一般式(II)(化2)で表わされる有機
リン酸化合物、及び常温での屈折率が1.45〜1.6
0であり、かつ分子内に水酸基を有するバインダー樹脂
を主成分とする感熱記録層を設け、更に該記録層上に、
常温での屈折率が1.45〜1.60の樹脂を主成分と
する保護層を設けた透明感熱記録材料において、該感熱
記録層を透明支持体両面に設けたことを特徴とする透明
感熱記録媒体、及び
【化1】 (式中、Rは炭素数16〜24の直鎖状アルキル基を表
わす。)
【化2】 (式中、R′は炭素数13〜23の直鎖状アルキル基を
表わす。) 前記支持体両面に設けた感熱記録層が、互いに異なった
色に発色する感熱記録層であることを特徴とする前記透
明感熱記録媒体が提供される。また、透明支持体上に、
電子供与性呈色性化合物、前記一般式(I)(化1)又
は一般式(II)(化2)で表わされる有機リン酸化合
物、及び常温での屈折率が1.45〜1.60であり、
かつ分子内に水酸基を有するバインダー樹脂を主成分と
する感熱記録層を設け、更に該記録層上に、常温での屈
折率が1.45〜1.60の樹脂を主成分とする保護層
を設けた透明感熱記録媒体において、該有機リン酸化合
物の平均粒径が1μm以下であることを特徴とする透明
感熱記録媒体、及び前記有機リン酸化合物が、1μm以
上の粒子径を有する粒子を含まないことを特徴とする前
記透明感熱記録媒体が提供される。
【0006】即ち、本発明者らは、前記課題を解決すべ
く鋭意研究を重ねた結果、透明支持体上に、電子供与性
呈色性化合物、前記特定の有機リン酸化合物、及び常温
での屈折率が1.45〜1.60であり、かつ分子内に
水酸基を有するバインダー樹脂を含有する感熱記録層を
設け、更に該記録層上に、常温での屈折率が1.45〜
1.60の樹脂を主成分とする保護層を設けた透明感熱
記録媒体において、該感熱記録層を透明支持体両面に設
けたことにより、優れた2色画像を形成しうること、或
いは前記有機リン酸化合物の平均粒子径を1μm以下、
特に粒子径1μm以上の粒子を含ませないことにより透
明感熱記録媒体の熱感度及び発色画像濃度が向上し、通
常の熱転写プリンタで十分印字が可能になること、しか
もこれら透明感熱記録媒体の製造も容易であることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】次いで、本発明の透明感熱記録媒体につい
て詳細に説明する。本発明で用いられる発色剤は、それ
自体無色あるいは淡色の染料前駆体であり、特に限定さ
れず、従来公知のもの、例えば、トリフェニルメタンフ
タリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン
系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラク
タム系化合物、スピロピラン系化合物、インドリノフタ
リド系化合物等である。
【0008】本発明で用いられる特に好ましい発色剤は
フルオラン系化合物であり、具体例としては、例えば以
下のようなものが挙げられる。 3,6−ジメトキシフルオラン 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン 3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン 3−ジメチルアミノ−7−クロルフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−クロルフルオラン 3−ジメチルアミノ−7−メチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラ
ン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ブロムフルオラ
ン 3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−ブロムフ
ルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−8−メチルフルオラ
ン 3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−8−メチルフ
ルオラン 3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン 3−ジ−n−ブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン 3−(N−n−ブチル−N−メチルアミノ)−7,8−
ベンゾフルオラン 3−(N−n−ブチル−N−エチルアミノ)−7,8−
ベンゾフルオラン 3−(N−iso−ブチル−N−エチルアミノ)−7,
8−ベンゾフルオラン 3−ジ−iso−ブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオ
ラン 3−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)−7,
8−ベンゾフルオラン 3,6−ビス(ジフェニルアミノ)フルオラン 3,6−ビス(N−ビフェニル−N−フェニルアミノ)
フルオラン 3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン 3−ジ−n−ブチルアミノ−7−アニリノフルオラン 3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−7−ア
ニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン 3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミ
ノフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(O−クロルアニリノ)フル
オラン 3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(O−クロルアニリ
ノ)フルオラン 3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン 3−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン 3−(N−iso−プロピル−N−メチルアミノ)−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−n−ブチル−N−エチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−(N−iso−ブチル−N−メチルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−シクロヘキシル−N−メチル)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン 3−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−(N−P−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−(N−2−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)
−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−テトラヒドロフルフリル−N−エチルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−
ジメチルアニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニル
エチルアミノ)フルオラン 3−(N−P−トリル−N−エチルアミノ)−7−(α
−フェニルエチルアミノ)フルオラン等がある。
【0009】本発明において、前記発色剤を発色させる
顕色剤としては、下記一般式(I)(化1)又は一般式
(II)(化2)で示されるホスホン酸が用いられる。
【化1】 (式中、Rは炭素数16〜24の直鎖状アルキル基を表
わす。)
【化2】 (式中、R′は炭素数13〜23の直鎖状アルキル基を
表わす。)
【0010】前記一般式(I)で表されるホスホン酸の
具体例としては、以下の化合物が挙げられる。ヘキサデ
シルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシル
ホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホ
ン酸等がある。また、前記一般式(II)で表されるホ
スホン酸の具体例としては、以下の化合物が挙げられ
る。α−ヒドロキシテトラデシルホスホン酸、α−ヒド
ロキシルヘキサデシルホスホン酸、α−ヒドロキシオク
タデシルホスホン酸、α−ヒドロキシエイコシルホスホ
ン酸、α−ヒドロキシドコシルホスホン酸、α−ヒドロ
キシテトラコシルホスホン酸等がある。本発明におい
て、顕色剤は単独もしくは二種以上混合して適用され
る。また、発色剤についても同様に単独もしくは二種以
上混合して適用することができる。
【0011】感熱記録層に用いるバインダー樹脂として
は、その屈折率が常温で1.45〜1.60の範囲で、
しかも分子内に水酸基を有するものが用いられる。この
ようなバインダー樹脂としては、例えば、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルアセタール、エポキシ樹脂、エチ
ルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、エチルヒドロキシセルロース等が挙げられ
る。
【0012】本発明では必要に応じて塗布特性或いは記
録特性の向上のために、例えば、分散剤、高分子カチオ
ン系導電剤、発色画像安定剤等を感熱記録層中に含有さ
せることができる。更に、本発明の感熱記録媒体の耐光
性を向上させるためには、光安定化剤を感熱記録層中に
含有させることができる。本発明に使用される光安定化
剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、
一重項酸素の消光剤、スーパーオキシドアニオンの消光
剤が用いられる。
【0013】紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オク
トキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒド
ロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−
4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,1,
4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−n−ヘプトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−3,6−ジクロル−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−3,6−ジクロル−4−エトキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキ
シ−3−メチルアクリルオキシ)プロポキシベンゾフェ
ノンなどのべンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’
−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジターシ
ャリ−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−ターシャリ−ブチル−5’
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−4’−オクトキシ)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジタ−シャリ−
ブチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(3’−ターシャリ−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’
−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−5−エトキシフェニル)ベンゾ
トリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、フェニルサリシレート、P−オクチルフェニルサリ
シレート、P−ターシャリ−ブチルフェニルサリシレー
ト、カルボキシルフェニルサリシレート、メチルフェニ
ルサリシレート、ドデシルフェニルサリシレートなどの
サルチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤、あるいは
P−メトキシベンジリデンマロン酸ジメチルエステル、
2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニ
ルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフ
ェニルアクリレート、3,5−ジターシャリ−ブチル−
P−ヒドロキシ安息香酸、紫外線により転位してベンゾ
フェノンとなるレゾシノールモノベンゾエート、2,4
−ジターシャリ−ブチルフェニル、3,5−ジターシャ
リ−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等がある。
【0014】酸化防止剤、老化防止剤としては例えば、
2,6−ジターシャリ−ブチル−4−メチルフェノー
ル、2,4,6−トリターシャリーブチルフェノール、
スチレン化フェノール、2,2’−メチレンビス(4−
メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,
4’−イソプロピリデンビスフェノール、2,6−ビス
(2’−ヒドロキシ−3’−ターシャリーブチル−5’
−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4,4’
−チオビス−(3−メチル−6−ターシャリーブチルフ
ェノール)、テトラキス−{メチレン(3,5−ジター
シャリ−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメー
ト)}メタン、パラヒドロキシフェニル−3−ナフチル
アミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキ
ノリン、チオビス(β−ナフトール)、メルカプトベン
ゾチアゾール、メルカプトベンズイミダゾール、アルド
ール−2−ナフチルアミン、ビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)セパケート、2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、
ジラウリル−3,3’チオジプロピオネート、ジステア
リル−3,3’−チオジプロピネート、トリス(4−ノ
ニルフェノール)ホスファイト等がある。
【0015】一重項酸素の消光剤としてはカロテン類、
色素類、アミン類、フェノール類、ニッケル錯体類、ス
ルフィド類等があるが、例えば、1,4−ジアザビシク
ロ(2,2,2)オクタン、β−カロテン、1,3−シ
クロヘキサジエン、2−ジエチルアミノメチルフラン、
2−フェニルアミノメチルフラン、9−ジエチルアミノ
メチルアントセラセン、5−ジエチルアミノメチル−6
−フェニル−3,4−ジヒドロキシピラン、ニッケルジ
メチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカ
ルバメート、ニッケル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル−O−エチルホスホナート、ニッケル
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−O
−ブチルホスホナート、ニッケル{2,2’−チオビス
(4−t−オクチルフェノラート)}(n−ブチルアミ
ン)、ニッケル{2,2’−チオビス(4−t−オクチ
ルフェノラート)}(2−エチルヘキシルアミン)、ニ
ッケルビス{2,2’−チオビス(4−t−オクチルフ
ェノラート)}、ニッケルビス{2,2’−スルホンビ
ス(4−オクチルフェノラート)}、ニッケルビス(2
−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル−N−n−ブチル
アルドイミン)、ニッケルビス(ジチオベンジル)、ニ
ッケルビス(ジチオビアセチル)等がある。
【0016】スーパーオキシアニオンの消光剤として
は、スーパーオキシドジスムターゼとコバルト〔II
I〕及びニッケル〔II〕の錯体等があるが、これらの
例が本発明を限定するものではない。これらは単独又は
2種以上混合して使用される。
【0017】本発明の感熱記録媒体の基体は透明支持体
であり、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロ
ース等のセルロース誘導体フィルム、ポリプロピレン、
ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレ
ンフィルム或いは、これらを貼り合わせた透明支持体を
使用するのが一般的である。
【0018】本発明における保護層のない感熱記録媒体
において、その感熱記録層は、微細な顕色剤がバインダ
ー樹脂中に分散されているが、表面及び内部が不均一と
なり、この記録層空隙に存在する空気と記録層の屈折率
差で光散乱が生じ、不透明である。しかし、この不透明
な記録層上に、常温での屈折率が感熱記録層のバインダ
ー樹脂のそれと同一範囲の1.45〜1.60の範囲に
ある樹脂を均一に塗布、乾燥(硬化)することにより、
記録層の空隙及び凹凸がなくなり平滑化され、光の散乱
が減り透明な記録媒体が得られる。ここに形成された保
護層は記録媒体の透明化に寄与するだけでなく、耐薬品
性、耐水性、耐摩擦性、耐光性及びヘッドマッチング性
の向上にも大きな効果を示し、高性能な透明感熱記録媒
体の構成要素として不可欠である。
【0019】本発明の保護層には、水溶性樹脂や疎水性
樹脂を主体として形成された被膜や、紫外線硬化性樹脂
又は電子線硬化性樹脂を主体として形成した被膜等が包
含される。このような保護層の形成により、有機溶剤、
可塑剤、油、汗、水等の接触によっても、実用上問題な
い記録媒体を得ることができる。また、有機又は無機フ
ィラー及び滑剤を含有させることにより、サーマルヘッ
ド等との接触で生ずるスティッキングなどの問題もな
く、信頼性及びヘッドマッチング性にすぐれた感熱記録
媒体を得ることができる。
【0020】次に、本発明の保護層について詳述する。
本発明の保護層で用いるバインダーとしては、その屈折
率が常温で1.45〜1.60のバインダー樹脂を用い
る。このような樹脂としては、水溶性樹脂の他、水性エ
マルジョン、疎水性樹脂及び紫外線硬化性樹脂さらに電
子線硬化性樹脂等が包含される。水溶性樹脂の具体例と
しては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニ
ルアルコール、セルロース誘導体(メチルセルロース、
メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース
等)、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン−無
水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、変性ポリ
アクリルアミド、メチルビニルエーテル−無水マレイン
酸共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン、ポリビニル
アルコール/アクリルアミドブロック共重合体、メラミ
ン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹
脂等が挙げられる。水性エマルジョン用の樹脂または疎
水性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリウレ
タン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタ
ジエン/アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、ポリア
クリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル共
重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビ
ニル共重合体等が挙げられる。これらは、単独もしくは
混合して使用され、更に必要に応じては硬化剤を添加し
て樹脂を硬化させても良い。
【0021】次に、本発明の保護層として、もっとも好
ましい紫外線硬化性樹脂及び電子線硬化性樹脂について
詳細に説明する。保護層の形成に用いられる紫外線硬化
性樹脂としては紫外線照射により重合反応を起こし、硬
化して樹脂となるモノマー又はオリゴマー(又はプレポ
リマー)であればその種類は制限されず、公知の種々の
もの全て使用できる。このようなモノマー又はオリゴマ
ーとしては、(ポリ)エステルアクリレート、(ポリ)
ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリブ
タジエンアクリレート、シリコーンアクリレート等やメ
ラミンアクリレートがある。(ポリ)エステルアクリレ
ートは1,6−ヘキサジオール、プロピレングリコール
(プロピレンオキサイドとして)、ジエチレングリコー
ル等の多価アルコールとアジピン酸、無水フタル酸、ト
リメリット酸等の多塩基酸とアクリル酸とを反応させた
ものである。その構造例を(a)〜(c)に示す。
【0022】(a)アジピン酸/1,6−ヘキサジオー
ル/アクリル酸
【化3】 n:1〜10の整数を示す。 (b)無水フタル酸/プロピレンオキサイド/アクリル
【化4】 l:1〜10の整数を示す。 m:1〜10の整数を示す。 n:1〜10の整数を示す。 (c)トリメット酸/ジエチレングリコール/アクリル
【化5】
【0023】(ポリ)ウレタンアクリレートはトリレン
ジイソシアネート(TDI)のようなイソシアネートを
基とする化合物にヒドロキシ基を有するアクリレートを
反応させたものである。その構造例を(d)に示す。
尚、HEAは2−ヒドロキシエチルアクリレート、HD
Oは1,6−ヘキサンジオール、ADAはアジピン酸の
略である。 (d)HEA/TDI/HDO/ADA/HDO/TD
I/HEA
【化6】 n:1〜10の整数を示す。
【0024】エポキシアクリレートは、構造から大別し
てビスフェノールA型、ノボラック型、脂環型とがあ
り、これらエポキシ樹脂のエポキシ基をアクリル酸でエ
ステル化し官能基をアクリロイル基としたものである。
その構造例を(e)〜(g)に示す。 (e)ビスフェノールA−エピクロルヒドリン型/アク
リル酸
【化7】 n:1〜15の整数を示す。 (f)フェノールノボラック−エピクロルヒドリン型/
アクリル酸
【化8】 n:0〜5の整数を示す。 (g)脂環型/アクリル酸
【化9】 R:−(CH2)n−を示し、nは1〜10の整数を示
す。
【0025】ポリブタジエンアクリレートは、末端OH
基含有1,2ポリブタジエンにイソシアネートや1,2
−メルカプトエタノール等を反応させてから、更にアク
リル酸等を反応させたものである。その構造例を(h)
に示す。 (h)
【化10】
【0026】シリコーンアクリレートは、例えば、有機
官能性トリメトキシシランとシラノール基含有ポリシロ
キサンとの縮合反応(脱メタノール反応)によりメタク
リル変性したものであり、その構造例を(i)に示す。 (i)
【化11】 nは10〜14の整数を示す。
【0027】紫外線硬化性樹脂を使用するときは、溶剤
を使用する場合があるが、この場合の溶剤としては、例
えば、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、トルエン、ベンゼン等の有機溶剤が挙げられる。
又、これらの溶剤の代わりに、取り扱いを容易にするた
め反応性希釈剤として光重合性モノマーを使用すること
ができる。
【0028】光重合性モノマーとしては、2−エチルヘ
キシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ブ
トキシエチルアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリット
トリアクリレート等が挙げられる。
【0029】次いで、電子線硬化性樹脂について述べ
る。電子線硬化性樹脂も特に種類は制限されないが、特
に好ましい電子線硬化性樹脂としては、ポリエステルを
骨格とする5官能以上の分枝状分子構造を有する電子線
硬化性樹脂(以降「電子線硬化性アクリル変性ポリウレ
タン樹脂」という。)及びシリコーン変性電子線硬化性
樹脂を主成分としたものである。
【0030】電子線硬化性アクリル変性ポリウレタン樹
脂は、例えば次のようにして製造することができる。即
ち1,4−ブタンジオールとアジピン酸との反応生成
物、或いはプロピレングリコールとアジピン酸との反応
生成物(以上はポリエステル骨格部分に相当するもの
等)のポリエステルジオールとポリエーテルトリオール
との混合物に、ジイソシアネートとアクリル系2重結合
を有する化合物とを加えて反応させることにより製造す
ることができる。ポリエステルジオールとポリエーテル
トリオールとの混合物に代えて、例えばポリエ−テルジ
オールとポリエーテルトリオールとの混合物、ポリエス
テルジオールとポリエステルトリオールとの混合物、ポ
リエーテルジオールとポリエステルトリオールとの混合
物が用いられる。ここで、ジイソシアネートとしては、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、メチレンビス(4−フェニルイソシアネ
ート)等が、また、アクリル系2重結合を有する化合物
としては2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が例示でき
る。なお、ポリエステルジオールは例えばアデカニュー
エースY4−30(旭電化工業社製)として、また、ポ
リエーテルトリオールは例えばサンニックスTP−40
0、サンニックスGP−3000(以上、三洋化成社
製)等として入手しうる。
【0031】この電子線硬化性アクリル変性ポリウレタ
ン樹脂のポリエステル部分の分子量は、耐熱スリップ層
に要求される柔軟性及び強靭をもたせるために、200
0〜4000の範囲が好ましい。また、電子線硬化性ア
クリル変性ポリウレタン樹脂全体の分子量は、前記と同
様な理由により、20000〜50000の範囲が好ま
しい。なお、この樹脂においては、官能基数を5個以上
望ましくは7〜13個もたせることにより、硬化促進及
び硬度向上等の効果をもたらすことができる。
【0032】一方、シリコーン変性電子線硬化性樹脂は
下記化12で表わされるものである。
【化12】 (ただし、上記式中、Rは−(CH2)−n(n=0〜
3)、TDIは2,4−トリレンジイソシアネート、H
EMは2−ヒドロキシエチルアクリレートを示し、x=
50〜100 y=3〜6である。) このシリコーン変性電子線硬化性樹脂は被膜性に優れて
いるため均一で薄い被膜を良好に形成することができ、
また、シリコーン官能基を有しているためスベリ効果が
優れている。
【0033】電子線硬化性アクリル変性ポリウレタン樹
脂と電子線硬化性シリコーン変性樹脂とを併用して使用
する場合、その割合は電子線硬化性アクリル変性ポリウ
レタン樹脂100重量部に対し電子線硬化性シリコーン
変性樹脂30重量部までの範囲で、好ましくは5〜20
重量部の範囲で添加されることが望ましい。
【0034】本発明の保護層においては、その形成過程
にあって硬化を促進し、耐熱効果を向上させるために、
多官能電子線硬化性モノマーを併用するのが望ましい。
このモノマーは架橋促進剤として作用し、複雑で高密度
の架橋構造を形成する上で有利である。このようなモノ
マーの具体例としては、トリメチロールプロパントリア
クリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサトリアクリレート等が挙げられ
る。そして、このモノマーは電子線硬化性アクリル変性
ポリウレタン樹脂100重量部に対し50重量部までの
範囲で、好ましくは20〜50重量部の範囲で添加する
ことが好ましい。50重量部より多いと潤滑効果が弱ま
り、スベリ効果が低下する。
【0035】また別の本発明における保護層はホスファ
ゼン系樹脂であり下記化13で示されるホスファゼン骨
格を有する繰り返し単位を有するものであり、耐熱性に
おいて極めて優れている。
【化13】 具体的には、下記化14で示されるものが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【化14】 化14で表わされるホスファンゼン系樹脂、例えばAが
メタアクリロイルオキシエチル基で、b=0の樹脂は、
下記化15で表わされる化合物の開環重合により製造す
ることができる。
【化15】 前記化14で表わされるボスファンゼン系樹脂のように
重合硬化性基を有する場合は、紫外線、電子線、加熱等
で硬化することにより、更に機械的強度、硬度、耐熱性
が向上する。
【0036】更に、本発明の感熱記録媒体のヘッドマッ
チング性向上は、保護層中に透明性を低下させない程度
に有機又は無機フィラー及び滑性添加剤を含有させるこ
とにより達成される。本発明に使用される有機フィラー
としては、ポリオレフィン粒子、ポリスチレン粒子、尿
素−ホルムアルデヒド樹脂粒子、又はプラスチック微小
中空球体粒子等が挙げられ、無機フィラーとしては、水
酸化アルミニウム、重質及び軽質炭酸カルシウム、酸化
亜鉛、酸化チタン、硫黄バリウム、シリカゲル、コロイ
ダルシリカ(10〜50μm)、アルミナゾル(10〜
200μm)、活性白土、タルク、クレーチタンホワイ
ト、カオリナイト、焼成カオリナイト、ケイソウ土、合
成カオリナイト、ジルコニウム化合物、ガラス微小中空
球体等が挙げられ、特にフィラーの形状が球形であり、
Si樹脂、フッ素樹脂のような滑性を有するものが望ま
しい。また滑性添加剤としてはシリコーンオイル、界面
活性剤、有機塩類、ワックス類等の滑剤や滑性フィラー
等が挙げられる。シリコーンオイルとしては、ジメチル
ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチ
ルハイドロジエンポリシロキサン、アルキル変性ポリシ
ロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、カルボキシル変
性ポリシロキサン、アルコール変性ポリシロキサン等が
挙げられる。
【0037】界面活性剤としては、通常市販されている
カルボン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、スル
ホン酸塩、高級アルコールのリン酸エステルおよびその
塩を挙げることができる。これらの化合物の具体例とし
ては、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウ
ム、オレイン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エ
ステルナトリウム、ミリスチルアルコール硫酸エステル
ナトリウム、セチルアルコール硫酸エステルナトリウ
ム、ステアリルアルコール硫酸エステルナトリウム、オ
レイルアルコール硫酸エステルナトリウム、高級アルコ
ールのエチレンオキサイド付加体の硫酸エステルナトリ
ウム、オクチルスルホン酸ナトリウム、デシルスルホン
酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、オクチ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリ
ウム、ノニルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシ
ルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレ
ンスルホン酸カリウム、N−オレオイル−N−メチルタ
ウリンナトリウム、テトラエトキシラウリルアルコール
酸エステル、リン酸モノステアリルエステルナトリウ
ム、リン酸ジステアリルエステルナトリウムなどを挙げ
ることができるが、これらに限定されるものではない。
【0038】また、前記有機塩類としては、たとえば、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの金
属石鹸、へキシルアンモニウムクロライド、スルホサリ
チル酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、コハク酸カリ
ウム、安息香酸カリウム、アジピン酸カリウムなどの塩
類が挙げられる。
【0039】更にワックスとしては、天然ワックスとし
て、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライス
ワックス、みつろう、ラノリンワックス、モンタンワッ
クス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワッ
クス、合成ワックスとしてはポリエチレンワックス、硬
化ひまし油またはその誘導体、脂肪酸アミド等が挙げら
れる。保護層中に占める滑剤の量は0.001〜15.
0重量%が適当である。これより多いと保護層の機械的
強度が劣り、これより少ないと滑剤の効果がなくなって
しまう。
【0040】本発明の透明感熱記録媒体は、顕色剤のみ
を有機溶剤中で均一に分散し、順次発色剤、バインダー
樹脂を均一混合して感熱記録層塗布液を調整するか、有
機溶剤にバインダー樹脂を溶解したバインダー樹脂溶液
中で顕色剤を均一分散し、発色剤等を均一混合して感熱
記録層塗布液を調整するか、或いは発色剤及び顕色剤を
バインダー樹脂と共に有機溶剤中で均一に分散し、感熱
記録層塗布液を調整するか、いずれかの方法で均一分散
した塗布液を、透明支持体上に塗布乾燥して感熱記録層
を設け、更にその上に樹脂を主成分とする保護層を設け
ることによって製造される。また透明支持体の両面に、
特に異なった色に発色する感熱記録層、保護層を設ける
ことにより、2色画像を形成しうる透明感熱記録媒体を
製造することができる。
【0041】バインダー樹脂を溶解する有機溶媒として
は、ジブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、
ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、メチルプロピルケトン等のケトン類、酢酸エ
チル、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、酢酸n−
ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素類があリ、単独又は混合して用いら
れる。
【0042】保護層の塗工方法、塗工量に特別な制限は
ないが、塗工量については、保護層としての性能及び経
済性を考慮すると、記録媒体上に塗布厚が0.1〜20
μmの範囲、更に望ましくは塗布厚が0.5〜10μm
の範囲内が、保護層としての性能が充分発揮され、記録
媒体の性能を落さない厚さ範囲である。
【0043】本発明の透明感熱記録媒体の記録画像の形
成は、使用目的によって異なるが、熱ペン、サーマルヘ
ッド、レーザー加熱、光を用いたサーマルエッチング等
特に制限されない。しかし、実用上好ましくは、サーマ
ルヘッドによる画像形成、光(可視光、赤外光を含む白
色光)を用いたサーマルエッチングによる画像形成が有
用である。
【0044】次に、本発明の透明支持体の両面に感熱記
録層を設けた透明感熱記録媒体を用いて画像を形成する
方法について、図1、2及び3に基づいて説明する。先
ず、本発明の透明感熱記録媒体は、透明支持体1、該支
持体1の両面に設けた感熱記録層2、3及び保護層4、
5から構成されている。この透明感熱記録媒体を用いて
画像を形成する方法としては、例えば以下の方法が挙げ
られる。
【0045】画像形成方法(1)−(図1に示す) 工程(A) 透明感熱記録媒体の片面の感熱記録層2側に、支持体7
上にカーボンブラックを含む画像6を形成させた正像原
稿13を重ね合わせ、透明感熱記録媒体の方向からラン
プ8でフラッシュ光、強い白色光等を照射し、正像原稿
13のカーボンブラックを含む画像のカーボンブラック
部分を発熱させ、発生する熱により、感熱記録層2を部
分的にサーマルエッチングして発色画像(a)9を形成
させる。 工程(B) 次いで、透明感熱記録媒体の感熱記録層3側から、サー
マルヘッド10を用いて発色画像(b)11を形成させ
る。以上のとおり、工程(A)、(B)により、2色画
像(a)、(b)を形成するこどができる。
【0046】画像形成方法(2)−(図2に示す) 工程(C) 透明感熱記録媒体の片面の感熱記録層2側に、支持体7
上にカーボンブラックを含む画像6を形成させた正像原
稿13を重の合わせ、透明感熱記録媒体の方向からラン
プ8でフラッシュ光、強い白色光等を照射し、正像原稿
13のカーボンブラックを含む画像のカーボンブラック
部分を発熱させ、発生する熱により感熱記録層2を部分
的にサーマルエチングして発色画像(a)9を形成させ
る。 工程(D) 次いで、透明感熱記録媒体の他の片面の感熱記録層3側
に、支持体7上にカーボンブラックを含む画像6を形成
させた逆像原稿14を重ね合わせ、以下工程Cと同様に
して発色画像(c)12を形成させる。以上のとおり、
工程(C)、(D)により、2色画像(a)、(c)を
形成することができる。
【0047】画像形成方法(3)−(図3に示す) 工程(E) 透明感熱記録媒体の感熱記録層3側から、サーマルヘッ
ド10を用いて、発色画像(b)11を形成する。 工程(F) 次いで、透明感熱記録媒体の感熱記録層2側から、サー
マルヘッド10を用いて発色画像(d)15を形成させ
る。以上のとおり、工程(E)、(F)により、2色画
像(b)、(d)を形成させる。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明する。なお、以下における部及び%はいずれも重量
基準である。
【0049】実施例1 〔記録層形成用塗布液A〕下記組成物をボールミルで充
分分散して、オクタデシルホスホン酸の平均粒子径が3
μm程度になるように調製し、記録層形成用塗布液Aを
作製した。 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 10部 オクタデシルホスホン酸 30部 ポリビニルブチラール 15部 (電気化学工業社製 デンカブチラール#3000−2) トルエン/メチルエチルケトン(1/1)混合液 285部 〔記録層形成用塗布液B〕下記組成物をボールミルで充
分分散して、オクタデシルホスホン酸の平均粒子径が3
μm程度になるように調製し、記録層形成用塗布液Bを
作製した。 3−(N−iso−ブチル−N−エチルアミノ)−7,8 −ベンズフルオラン 10部 オクタデシルホスホン酸 30部 ポリビニルブチラール 15部 (電気化学工業社製 デンカブチラール#3000−2) トルエン/メチルエチルケトン(1/1)混合液 285部 〔保護層形成用塗布液〕下記組成物を均一に分散して、
保護層形成用塗布液を作成した。 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチル 溶液(大日本インキ化学社製 ユニディックC7−157) 100部 シリコン樹脂の52%キシレン溶液 (ビックケミー・ジャパン社製 Byk−344) 3部 酢酸エチル 50部 〔透明感熱記録媒体の作製〕100μmの透明ポリエス
テルフィルムA面に記録層形成用塗布液Aをワイヤーバ
ーを用いて塗布厚5.5μmとなるように塗布、乾燥
し、同様に透明ポリエステルフィルムB面に、記録層形
成用塗布液Bをワイヤーバーを用いて塗布厚5.5μm
となるように塗布、乾燥して、両面に記録層を形成し
た。更に、両面の記録層上に順次、保護層形成用塗布液
をワイヤーバーを用いて、塗布・加熱乾燥後、80W/
cmの紫外線ランプで硬化させ、両面にそれぞれ約5μ
m厚の保護層を設け、透明感熱記録媒体を作製した。
【0050】実施例2 〔記録層形成用塗布液A〕下記組成物をボールミルで充
分分散して、オクタデシルホスホン酸の平均粒子径が3
μm程度になるように調製し、記録層形成用塗布液Aを
作製した。 3,6−ビス(ジフェニルアミノ)フルオラン 10部 オクタデシルホスホン酸 30部 ポリビニルブチラール 15部 (電気化学工業社製 デンカブチラール#3000−2) トルエン/メチルエチルケトン(1/1)混合液 285部 〔記録層形成用塗布液B〕下記組成物をボールミルで充
分分散して、エイコシルホスホン酸の平均粒子径が2μ
m程度になるように調製し、記録層形成用塗布液Bを作
製した。 3−(N−iso−アミルN−エチルアミノ)−7,8 −ベンズフルオラン 10部 エイコシルホスホン酸 30部 ポリビニルブチラール 15部 (電気化学工業社製 デンカブチラール#3000−2) トルエン/メチルエチルケトン(1/1)混合液 285部 〔保護層形成用塗布液〕下記組成物を均一に分散して、
保護層形成用塗布液を作成した。 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチル 溶液(大日本インキ化学社製 ユニディックC7−157) 100部 シリコン樹脂の52%キシレン溶液 (ビックケミー・ジャパン社製 Byk−344) 3部 酢酸エチル 50部 〔透明感熱記録媒体の作製〕100μmの透明ポリエス
テルフィルムA面に記録層形成用塗布液Aをワイヤーバ
ーを用いて塗布厚5.5μmとなるように塗布、乾燥
し、同様に透明ポリエステルフィルムB面に、記録層形
成用塗布液Bをワイヤーバーを用いて塗布厚5.5μm
となるように塗布、乾燥して、両面に記録層を形成し
た。更に、両面の記録層上に順次、保護層形成用塗布液
をワイヤーバーを用いて、塗布・加熱乾燥後、80W/
cmの紫外線ランプで硬化させ、両面にそれぞれ個々約
5μm厚の保護層を設け、透明感熱記録媒体を作製し
た。
【0051】応用例1 実施例1の透明感熱記録媒体A面とPPC複写機で作製
した正像原稿を重ね合わせ、3M Transparency Maker
(3M社製)を用い、透明感熱記録媒体B面から強い光
を当て、該記録媒体A面に黒色画像を記録した。次い
で、該記録媒体B面をサーマルヘッドを用いた熱転写プ
リンタ(リコー社製NL−1プリンタ)で赤色の正像画
像を記録し、黒、赤の2色画像を形成した。
【0052】応用例2 実施例2の透明感熱記録媒体A面とPPC複写機で作製
した正像原稿を重ね合わせ、3M Transparency Maker
(3M社製)を用い、透明感熱記録媒体B面から強い光
を当て、該記録媒体A面に青色画像を記録した。次い
で、該記録媒体B面とPPC複写機で作製した逆像原稿
を重ね合わせ、3M Transparency Maker (3M社製)
を用い、該記録媒体A面から強い光を当て、該記録媒体
B面に赤色画像を記録し、青、赤の2色画像を形成し
た。
【0053】応用例3 実施例1の透明感熱記録媒体A面を、サーマルヘッドを
用いた印字装置で、黒色の正像画像を記録し、次いで、
該記録媒体B面を、同様のサーマルヘッドを用い印字装
置で、赤色の逆像画像を記録し、黒、赤の2色画像を形
成した。
【0054】実施例3 〔記録層形成用塗布液〕下記組成物を卓上型ボールミル
で分散し、オクタデシルホスホン酸の平均粒子径が約
0.7μm(1μm以上の粒子を一部含む)まで分散し
た。 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 10部 オクタデシルホスホン酸 30部 ポリビニルブチラール 15部 (電気化学工業社製 デンカブチラール#3000−2) 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジターシャリーブチル フェニル)ベンゾトリアゾール 0.5部 2,4,6−トリターシャリーブチルフェノール 0.5部 トルエン/メチルエチルケトン(1/1)混合液 285部 〔保護層形成用塗布液〕下記組成物を均一に分散して、
保護層形成用塗布液を作成した。 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチル 溶液(大日本インキ化学社製 ユニディックC7−157) 100部 シリコン樹脂の52%キシレン溶液 (ビックケミー・ジャパン社製 Byk−344) 4部 酢酸エチル 50部 〔透明感熱記録媒体の作製〕100μmの透明ポリエス
テルフィルムに記録層形成用塗布液をワイヤーバーを用
いて塗布膜厚6.0μmとなるように塗布、乾燥して感
熱記録媒層を形成した。更に、感熱記録層上に、保護層
形成用塗布液をワイヤーバーを用いて、塗布し、加熱乾
燥後80W/cmの紫外線ランプで硬化させ、約5μm
厚の保護層を設け、透明感熱記録媒体を作製した。
【0055】実施例4 〔記録層形成用塗布液〕下記組成物を卓上型ボールミル
で分散し、オクタデシルホスホン酸の平均粒子径が約
0.3μm(1μm以上の粒子を含まない)まで分散し
た。 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 10部 オクタデシルホスホン酸 30部 ポリビニルブチラール 15部 (電気化学工業社製 デンカブチラール#3000−2) 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジターシャリーブチル フェニル)ベンゾトリアゾール 0.5部 2,4,6−トリターシャリーブチルフェノール 0.5部 トルエン/メチルエチルケトン(1/1)混合液 285部 〔保護層形成用塗布液〕下記組成物を均一に分散して、
保護層形成用塗布液を調整した。 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチル 溶液(大日本インキ化学社製 ユニディックC7−157) 100部 シリコン樹脂の52%キシレン溶液 (ビックケミー・ジャパン社製 Byk−344) 4部 酢酸エチル 50部 〔透明感熱記録媒体の作製〕100μmの透明ポリエス
テルフィルムに記録層形成用塗布液をワイヤーバーを用
いて塗布膜厚6.0μmとなるように塗布、乾燥して感
熱記録媒層を形成した。更に、感熱記録層上に、保護層
形成用塗布液をワイヤーバーを用いて、塗布し、加熱乾
燥後80W/cmの紫外線ランプで硬化させ、約5μm
厚の保護層を設け、透明感熱記録媒体を作製した。
【0056】実施例5 〔記録層形成用塗布液〕下記組成物を卓上型ボールミル
で分散し、エイコシルホスホン酸の平均粒子径が約0.
3μm(1μm以上の粒子を含まない)まで分散した。 3,6−ビス(ジフェニルアミノ)フルオラン 10部 エイコシルホスホン酸 30部 ポリビニルブチラール 15部 (電気化学工業社製 デンカブチラール#3000−2) 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジターシャリーブチル フェニル)ベンゾトリアゾール 0.5部 2,4,6−トリターシャリーブチルフェノール 0.5部 トルエン/メチルエチルケトン(1/1)混合液 285部 〔保護層形成用塗布液〕下記組成物を均一に分散して、
保護層形成用塗布液を作成した。 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチル 溶液(大日本インキ化学社製 ユニディックC7−157) 100部 シリコン樹脂の52%キシレン溶液 (ビックケミー・ジャパン社製 Byk−344) 4部 酢酸エチル 50部 〔透明感熱記録媒体の作製〕100μmの透明ポリエス
テルフィルムに記録層形成用塗布液をワイヤーバーを用
いて塗布膜厚6.0μmとなるように塗布、乾燥して感
熱記録媒層を形成した。更に、感熱記録層上に、保護層
形成用塗布液をワイヤーバーを用いて、塗布し、加熱乾
燥後80W/cmの紫外線ランプで硬化させ、約5μm
厚の保護層を設け、透明感熱記録媒体を作成した。
【0057】実施例6 〔記録層形成用塗布液〕下記組成物を卓上型ボールミル
で分散し、α−ヒドロキシエイコシルホスホン酸の平均
粒子径が約0.2μm(1μm以上の粒子を含まない)
まで分散した。 3−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ) 10部 −7,8−ベンゾフルオラン α−ヒドロキシエイコシルホスホン酸 30部 ポリビニルブチラール 15部 (電気化学工業社製 デンカブチラール#3000−2) トルエン/メチルエチルケトン(1/1)混合液 285部 〔保護層形成用塗布液〕下記組成物を均一に分散して、
保護層形成用塗布液を作成した。 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の 100部 75%酢酸ブチル溶液(大日本インキ化学社製 ユニディックC7−157) シリコン樹脂の52%キシレン溶液 4部 (ビックケミー・ジャパン社製 Byk−344) 酢酸エチル 50部 〔透明感熱記録媒体の作製〕100μmの透明ポリエス
テルフィルムに記録層形成用塗布液をワイヤーバーを用
いて塗布膜厚6.0μmとなるように塗布、乾燥して感
熱記録媒層を形成した。更に、感熱記録層上に、保護層
形成用塗布液をワイヤーバーを用いて、塗布し、加熱乾
燥後80W/cmの紫外線ランプで硬化させ、約3.5
μm厚の保護層を設け、透明感熱記録媒体を作製した。
【0058】実施例7 〔記録層形成用塗布液〕下記組成物を卓上型ボールミル
で分散し、α−ヒドロキシオクタデシルホスホン酸の平
均粒子径が約0.3μm(1μm以上の粒子を含まな
い)まで分散した。 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 10部 α−ヒドロキシオクタデシルホスホン酸 30部 ポリビニルブチラール 15部 (電気化学工業社製 デンカブチラール#3000−2) トルエン/メチルエチルケトン(1/1)混合液 285部 酢酸エチル 50部 〔保護層形成用塗布液〕下記組成物を均一に分散して、
保護層形成用塗布液を調製した。 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の 100部 75%酢酸ブチル溶液(大日本インキ化学社製 ユニディックC7−157) シリコン樹脂の52%キシレン溶液 4部 (ビックケミー・ジャパン社製 Byk−344) 〔透明感熱記録媒体の作製〕100μmの透明ポリエス
テルフィルムに記録層形成用塗布液をワイヤーバーを用
いて塗布膜厚6.0μmとなるように塗布、乾燥して感
熱記録媒層を形成した。更に、感熱記録層上に、保護層
形成用塗布液をワイヤーバーを用いて、塗布し、加熱乾
燥後80W/cmの紫外線ランプで硬化させ、約3.5
μm厚の保護層を設け、透明感熱記録媒体を作製した。
【0059】比較例1 実施例3のオクタデシルホスホン酸の平均粒子径が約
1.5μmの分散液を用いた以外は実施例3と同様にし
て比較例1の透明感熱記録媒体を作製した。
【0060】比較例2 実施例3のオクタデシルホスホン酸の平均粒子径が約
3.0μmの分散液を用いた以外は実施例3と同様にし
て比較例2の透明感熱記録媒体を作製した。
【0061】〔画像評価〕実施例3〜7及び比較例1〜
2で作製した透明感熱記録媒体を、比較的印加エネルギ
ーが高いリコー製マイリポートNL−1付属熱転写プリ
ンタとリコー製マイリポートNT−350付属熱転写プ
リンタ(高速プリンタ)で印字評価した。 1)発色色調 発色色調を目視で評価した。 2)文字判読性 文字画像を目視で評価した。 3)透過濃度 画像濃度、地肌濃度を透過濃度計X
−Rite 310TR(X−RITE COMPANY
製)で測定した。 ※文字判読性については、5点法で評価した。 以上評価した結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明の透明感熱記録媒体は、透明支持
体上に、顕色剤として前記特定の有機リン酸化合物を含
む常温での屈折率が1.45〜1.60である感熱記録
層、常温での屈折率が1.45〜1.60である保護層
を順次設けた透明感熱記録媒体において、該感熱記録層
を該支持体画面に設けたことにより、OHP用の画像形
成用フィルム、CAD用の画像形成用フィルム等に使用
でき、特に2色画像形成用として有用である。また、記
録層中の有機リン酸化合物の平均粒子径を1μm以下に
したことにより、熱感度が約2倍程度向上し、市販され
ている熱転写プリンタで十分印字発色させることがで
き、OHP用の画像形成用フィルム及びCAD用画像形
成用フィルムとして極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明感熱記録媒体を用いた2色画像形
成方法を示す工程図。
【図2】本発明の透明感熱記録媒体を用いた別の2色画
像形成方法を示す工程図。
【図3】本発明の透明感熱記録媒体を用いた更に別の2
色画像形成方法を示す工程図。
【符号の説明】
1 透明支持体 2 記録層 3 記録層 4 保護層 5 保護層 6 カーボンブラックを含む画像 7 支持体 8 ランプ 9 発色画像(a) 10 サーマルヘッド 11 発色画像(b) 12 発色画像(c) 13 正像原稿 14 逆像原稿 15 発色画像(d)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に、電子供与性呈色性化合
    物、下記一般式(I)(化1)又は一般式(II)(化
    2)で表わされる有機リン酸化合物、及び常温での屈折
    率が1.45〜1.60であり、かつ分子内に水酸基を
    有するバインダー樹脂を主成分とする感熱記録層を設
    け、更に該記録層上に、常温での屈折率が1.45〜
    1.60の樹脂を主成分とする保護層を設けた透明感熱
    記録材料において、該感熱記録層を透明支持体両面に設
    けたことを特徴とする透明感熱記録媒体。 【化1】 (式中、Rは炭素数16〜24の直鎖状アルキル基を表
    わす。) 【化2】 (式中、R′は炭素数13〜23の直鎖状アルキル基を
    表わす。)
  2. 【請求項2】 前記支持体両面に設けた感熱記録層が、
    互いに異なった色に発色する感熱記録層であることを特
    徴とする請求項1記載の透明感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 透明支持体上に、電子供与性呈色性化合
    物、下記一般式(I)(化1)又は一般式(II)(化
    2)で表わされる有機リン酸化合物、及び常温での屈折
    率が1.45〜1.60であり、かつ分子内に水酸基を
    有するバインダー樹脂を主成分とする感熱記録層を設
    け、更に該記録層上に、常温での屈折率が1.45〜
    1.60の樹脂を主成分とする保護層を設けた透明感熱
    記録媒体において、該有機リン酸化合物の平均粒径が1
    μm以下であることを特徴とする透明感熱記録媒体。 【化1】 (式中、Rは炭素数16〜24の直鎖状アルキル基を表
    わす。) 【化2】 (式中、R′は炭素数13〜23の直鎖状アルキル基を
    表わす。)
  4. 【請求項4】 前記有機リン酸化合物が、1μm以上の
    粒子径を有する粒子を含まないことを特徴とする請求項
    3記載の透明感熱記録媒体。
JP5280174A 1993-04-02 1993-10-12 透明感熱記録媒体 Pending JPH0796670A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5280174A JPH0796670A (ja) 1993-06-29 1993-10-12 透明感熱記録媒体
US08/221,669 US5380693A (en) 1993-04-02 1994-04-01 Transparent thermosensitive recording medium

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-185454 1993-06-29
JP18545493 1993-06-29
JP5280174A JPH0796670A (ja) 1993-06-29 1993-10-12 透明感熱記録媒体

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019111726A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 株式会社リコー 感熱記録媒体、感熱記録媒体の製造方法、及び物品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019111726A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 株式会社リコー 感熱記録媒体、感熱記録媒体の製造方法、及び物品

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