JP3657070B2 - 透明感熱記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した改善された感熱記録媒体に関し、特にグラビア印刷、オフセット印刷およびスクリーン印刷の製版用版下フィルム(画像形成用)シート、捺染用スクリーン印刷の製版用版下フィルム(画像形成用)シート、更にはオーバーヘッドプロジェクト(以下、OHPと略す)用画像形成用フィルムシートやCAD用画像形成用フィルム、ハロゲン化銀感光材料用の版下フィルム等として有用な感熱記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子供与性呈色性化合物(以下、発色剤とも言う)と電子受容性化合物(以下、顕色剤とも言う)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く知られている。
近年においては、用途も拡大化しオーバーヘッドプロジェクター用、ジアゾの第2原図用、又は設計図面用と要求があり、更には、グラビア印刷、オフセット印刷およびスクリーン印刷の製版用版下フィルムとして、写真ポストカード用の文字部の版下フィルム等、光透過性感熱記録媒体に対する需要もあり、このような用途の拡大に伴って利用形態も多様化し、また、そのため感熱記録媒体に対する性能要求も厳しいものがある。
【0003】
例えば版下フィルムとして用いる場合には、(1)版下フィルムの紫外光を遮光すべき部分の紫外波長域における遮光性、および透過すべき部分の透過性、(2)温度、湿度、光の影響下で、紫外波長域における遮光性および透過性が必要な時間のあいだ問題になるほど変化しない(保存性)、(3)何枚かの版下フィルム重ね合わせてズレやミスを検査するときの見やすさ(検図性)、(4)寸法精度、(5)解像性、(6)繰り返し使用に耐える物理的強度、等に対する特性要求を満たす必要があるが、要求される性能レベルもさらに高度になってきている。
【0004】
一方、このような光透過性感熱記録媒体に対する別の性能要求として、記録媒体の充分な耐カール特性がある。すなわち、感熱記録媒体はその製造時、例えば下塗層、感熱記録層、オーバーコート層等が塗布、乾燥処理される際に加熱下に塗布機からの種々の力を受け、また塗工液中の溶媒浸漬、塗布層材料の乾燥収縮によっても多大の影響を受けて塗布カールを生じ、また、その後も貯蔵中に例えばロール状に巻かれた製品にも巻きぐせカールを生じ、さらに場合によっては、感熱記録装置における記録時にも熱及び記録装置中での曲げ等によりカールを生じるという問題を生じるおそれがあるが、このようなカール問題を生じないことが当然、性能として要求される。
【0005】
特に感熱記録装置の小型化、高精密化、高速化に伴ってカールを生じない感熱記録媒体に対する要求はより厳しくなってきているが、逆に感熱記録媒体に対してはより薄手のものとすること、サイズについても例えばA0版のようにより大きなサイズのもの或いはA5版程度のより小さなサイズのもの等に対する要求も多くなってきており、これらはまたカールの原因となり易い。加えて前記高コントラスト高解像度等の画質要求のレベルが高くなるにつれて塗工回数が増える傾向にあり、塗工回数の増加はまたカール生成因ともなるが、こうした要求特性を全て満足する版下フィルム用の感熱記録媒体は現在得られていない。
【0006】
また、サーマルヘッドで直接記録することのできる透明感熱記録媒体としては、特願昭61−121875号公報及び特開平1−99873号公報で提案されている。しかし、これらの透明感熱記録媒体を製造するには、発色剤をマイクロカプセル化し、更に、水に難溶又は不溶の有機溶剤に溶解させた顕色剤とを乳化分散した乳化分散物から成る塗布液を、透明支持体に塗布して作製するなどかなり複雑な工程が必要である等の製造上に問題があり、また、上記性能特性が不充分という問題がある。
【0007】
一方感熱記録材料の分野においては従来はむしろ、発色層が可塑剤に接触しないようにするため種々の工夫が行なわれてきた。例えば特開昭59−67082号公報及び特開昭63−236681号公報には感熱記録層における結合剤樹脂成分を架橋剤で架橋させることにより可塑剤との接触による発色像の褪色を防止することが記載されており、特開昭57−105392号公報及び特開昭58−193189号公報には感熱発色層上に硬化型シリコン等の保護層を設けることにより可塑剤との接触による発色像の褪色を防止することが記載されている。
【0008】
特開昭64−90791号、特開平1−99873号、特開平1−101186号及び特開平1−135684号公報にはOHP用感熱発色層に燐酸エステル(燐酸トリフエニル、燐酸トリクレジル、燐酸ブチル、燐酸オクチル、燐酸クレジルジフェニル)、フタル酸エステル(フタル酸ジブチル、フタル酸−2−エチルヘキシル、フタル酸エチル、フタル酸オクチル、フタル酸ブチルベンジル)、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、安息香酸エステル(安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸イオペンチル、安息香酸ベンジル)、アビエチン酸エステル(アビエチン酸エチル、アビエチン酸ベンジル)、アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、アゼライン酸ジオクチル、クエン酸トリブチル、ラウリン酸モノエステル及びジエステル、オレイン酸モノエステル及びジエステル等の高沸点エステルを使用するものが示されているが、これら高沸点エステルは、O/W型エマルジョンからマイクロカプセル型の感熱記録層を製造する際の水中微小油滴成分としての役割を果たすものにすぎない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、上記従来技術における問題点を改善し、コントラスト、解像力に優れ高感度であり、かつ、経時的に熱感度変化が少ない、カールを生じない光透過性感熱記録媒体、特に例えばロール状に作製されながら巻きぐせカールが生じず、シート状にカットしても巻きぐせカールが大きくなく、記録媒体を2枚以上重ね合わせた場合など作業がしにくい等の問題の生じない光透過性感熱記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような本発明の目的は、(1)「透明支持体上に、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物及び常温での屈折率が1.45〜1.60のバインダー樹脂を主成分とする感熱記録層を設け、更に該感熱記録層とほぼ同一の屈折率を持つ保護層を設けた感熱記録媒体において、感熱記録層中に可塑剤を含有させたことを特徴とする透明感熱記録媒体」、(2)「可塑剤が一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)で示されるものであることを特徴とする前記(1)記載の透明感熱記録媒体。
一般式(I)
(R1O)3−P=O
(式中、R1は炭素数1〜12のアルキル基及び置換基を有してもよいフェニル基を表わす)
一般式(II)
【0011】
【化1】
(式中、R2は炭素数1〜12のアルキル基を表わし、R3は炭素数1〜12のアルキル基及び置換基を有してもよいアラルキル基を表わす)
一般式(III)
【0012】
【化2】
(式中、R4は炭素数1〜12のアルキル基を表わす)
【化3】
一般式(IV)
(式中、R5は炭素数12〜22のアルキル基を表わし、R6は炭素数2〜18のアルキル基を表わす)
一般式(V)
R 7 −OCO−(CH 2 )n−COO−R 7
(式中、R7は炭素数1〜12のアルキル基を表わし、nは4〜8の整数を表わす)
【化4】
一般式(VI)
(式中、R8は水素原子又はアセチル基を表わし、R9は炭素数1〜12のアルキルを表わす)」、(3)「可塑剤が、該感熱記録層中に0.1〜30重量%含有させたことを特徴とする前記(1)又は(2)記載の透明感熱記録媒体」によって達成される。
【0013】
以下、本発明の光透過性感熱記録媒体について詳細に説明する。
本発明で用いられる電子供与性呈色性化合物は、それ自体無色あるいは淡色の染料前駆体であり、特に限定されず、従来公知のフルオラン系化合物があり、具体例としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
【0014】
【化5】
(式中R1、R2はそれぞれアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を、R3は水素原子、アルキル基、アルコキシアルキル基またはアラルキル基を表わす)
一般式(A)の具体例としては次のようなものが挙げられる。
【0015】
【表1】
このような発色剤は特開平3−244587号公報に示されている。
3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン
3−ジ−n−ブチルアミノ−7−アニリノフルオラン
3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(oークロルアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(oークロルアニリノ)フルオラン
3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−n−ブチル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
【0016】
3−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−シクロヘキシル−N−メチル)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−pートリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−2−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−テトラヒドロフルフリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(mートリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(αーフェニルエチルアミノ)フルオラン
3−(N−pートリル−N−エチルアミノ)−7−(αーフェニルエチルアミノ)フルオラン等がある。
【0017】
2−(oークロロフェニルアミノ)−6−エチルアミノ−7−メチルフルオラン
2−(oークロロフェニルアミノ)−6−n−ブチルアミノ−7−メチルフルオラン
2−(oーフロロフェニルアミノ)−6−エチルアミノ−7−メチルフルオラン
2−(oークロロフェニルアミノ)−6−n−ブチルアミノフルオラン
2−(oークロロフェニルアミノ)−6−n−ヘキシルアミノフルオラン
2−(oークロロフェニルアミノ)−6−n−オクチルアミノフルオラン
2−(o−フロロフェニルアミノ)−6−イソアミルアミノフルオラン
2−(oーフロロフェニルアミノ)−6−n−オクチルアミノフルオラン
2−(oーニトロフェニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン
2−(oーニトロフェニルアミノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン
2−(oーニトロフェニルアミノ)−6−(N−エチル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン
2−(oーニトロフェニルアミノ)−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン
2−アミノ−6−ジエチルアミノフルオラン
2−アミノ−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン
2−アミノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン
2−アミノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン
【0018】
2−アミノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン
2−アミノ−3−メトキシ−6−ジエチルアミノフルオラン
2−アミノ−3−メトキシ−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン
2−メチルアミノ−6−n−ブチルアミノフルオラン
2−n−ブチルアミノ−6−n−ブチルアミノフルオラン
2−n−オクチルアミノ−6−エチルアミノフルオラン
2−n−オクチルアミノ−3−メチル−6−n−ブチルアミノフルオラン
2−フェニルアミノ−6−エチルアミノフルオラン
2−フェニルアミノ−6−n−ブチルアミノフルオラン
2−フェニルアミノ−6−n−オクチルアミノフルオラン
2−フェニルアミノ−3−メチル−6−n−ブチルアミノフルオラン
2−フェニルアミノ−3−メチル−6−エチルアミノフルオラン
2−フェニルアミノ−3−メチル−6−n−ヘキシルアミノフルオラン
【0019】
2−フェニルアミノ−3−メチル−6−n−アミルアミノフルオラン
2−フェニルアミノ−3−メチル−6−イソアミルアミノフルオラン
2−フェニルアミノ−3−メチル−6−n−オクチルアミノフルオラン
2−フェニルアミノ−3−メトキシ−6−n−ブチルアミノフルオラン
2−フェニルアミノ−3−メトキシ−6−n−ヘキシルアミノフルオラン
2−(3’,4’−ジクロロフェニルアミノ)−6−エチルアミノ−7−メチルフルオラン
2−(3’,4’−ジクロロフェニルアミノ)−6−n−ブチルアミノ−7−メチルフルオラン
2−(3’−クロロ−4’−フロロフェニルアミノ)−6−エチルアミノ−7−メチルフルオラン
2−(N’−メチル−N−3’−クロロフェニルアミノ)−6−エチルアミノ−7−メチルフルオラン
2−(N−エチル−N−3’−クロロフェニルアミノ)−6−エチルアミノ−7−メチルフルオラン
2−(N−メチル−N−4’−クロロフェニルアミノ)−6−エチルアミノ−7−メチルフルオラン
【0020】
2−フェニルアミノ−3−メチル−6−エチルアミノ−7−メチルフルオラン
2−フェニルアミノ−3−メチル−6−n−ブチルアミノ−7−メチルフルオラン
2−フェニルアミノ−3−エチル−6−エチルアミノ−7−メチルフルオラン
2−ベンジルアミノ−3−メチル−6−エチルアミノ−7−メチルフルオラン
2−フェニルアミノ−3−クロロ−6−エチルアミノ−7−メチルフルオラン
2−フェニルアミノ−3−クロロ−6−n−ブチルアミノ−7−メチルフルオラン
2−ベンジルアミノ−3−クロロ−6−エチルアミノ−7−メチルフルオラン等が挙げられる。
【0021】
本発明において、前記発色剤を発色させる顕色剤としては、一般的な溶剤に対して不溶又は難溶性のフェノール性化合物及び有機リン酸化合物が好ましく、例えばフェノール性化合物の具体例としては、没食子酸化合物、プロトカテキュ酸化合物、ビス(ヒドロキシフェニル)酢酸等が挙げられ、また有機リン酸化合物の具体例としては、アルキルホスホン酸化合物、αーヒドロキシアルキルホスホン酸等が挙げられる、これらの内、有機リン酸化合物が地肌かぶり、熱感度の点で優れている。
【0022】
有機リン酸化合物の特に好ましいものとしては、下記一般式(4)又は一般式(5)で示されるホスホン酸が用いられる。
【0023】
【化6】
(式中、Rは炭素数16〜24の直鎖状アルキル基を表わす)
【0024】
【化7】
(式中、R’は炭素数13〜23の直鎖状アルキル基を表わす)
【0025】
前記一般式(4)で表わされるホスホン酸の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸等がある。
前記一般式(5)で表わされるホスホン酸の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
αーヒドロキシテトラデシルホスホン酸、αーヒドロキシルヘキサデシルホスホン酸、αーヒドロキシオクタデシルホスホン酸、αーヒドロキシエイコシルホスホン酸、αーヒドロキシテトラコシルホスホン酸等がある。
本発明において、顕色剤は単独もしくは二種以上混合して適用される。また、発色剤についても同様に単独もしくは二種以上混合して適用することができる。
【0026】
本発明で用いられる顕色剤の平均粒子径については、10μm以下のものが好ましく、1μm以下でかつ1μmより大きい粒子径の粒子を含まないものが更に好ましく、感熱記録媒体の感熱度及び解像度を向上させることができる。
【0027】
感熱記録層に用いるバインダー樹脂としては、前記発色剤と前記顕色剤とが熱エネルギー等の力で発色反応が生じた場合、顕色剤プロトンがアタックして、開環発色指せた染料発色体の回りをプロトンリッチにして発色体を安定に保ち、さらに発色体が消色しにくい環境を有する材料が好ましく、例えば、バインダー樹脂中に水酸基又はカルボン酸基を含有する化合物であり、また、常温での屈折率が1.45〜1.60の範囲の化合物である。
【0028】
このようなバインダー樹脂としては、例えばポリビニルブチラール(1.48〜1.49)、ポリビニルアセタール(1.50)、エポキシ樹脂(1.55〜1.61)、エチルセルロース(1.46〜1.49)、セルロースアセテート(1.46〜1.50)、セルロースアセテートブチレート(1.46〜1.49)、セルロースアセテートプロピオネート(1.46〜1.49)、ニトロセルロース(1.49〜1.51)等が挙げられる。
【0029】
さらに、本発明の感熱記録媒体の耐光性向上は、光安定化剤を感熱記録層又は保護層中に含有させることにより達成される。本発明に使用される光安定化剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素の消光剤、スーパーオキシドアニオンの消光剤が用いられる。
【0030】
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,1,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ヘプトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3,6−ジクロル−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3,6−ジクロル−4−エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メチルアクリルオキシ)プロポキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジターシャリーブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ターシャリーブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシ)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジターシャリーブチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−ターシャリーブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5−エトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート、pーオクチルフェニルサリシレート、pーターシャリーブチルフェニルサリシレート、カルボキシルフェニルサリシレート、メチルフェニルサリシレート、ドデシルフェニルサリシレートなどのサルチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤、あるいはpーメトキシベンジリデンマロン酸ジメチルエステル、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、3,5−ジターシャリーブチル−pーヒドロキシ安息香酸、紫外線により転位してベンゾフェノンとなるレゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジターシャリーブチルフェニル、3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等がある。
【0031】
酸化防止剤、老化防止剤としては例えば、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリターシャリーブチルフェノール、スチレン化フェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−ターシャリーブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、テトラキス−{メチレン(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)}メタン、pーヒドロキシフェニル−3−ナフチルアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、チオビス(βーナフトール)、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンズイミダゾール、アルドール−2−ナフチルアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピネート、トリス(4−ノニルフェノール)ホスファイト等がある。
【0032】
一重項酸素の消光剤としてはカロテン類、色素類、アミン類、フェノール類、ニッケル錯体類、スルフィド類等があるが、例えば、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、βーカロテン、1,3−シクロヘキサジエン、2−ジエチルアミノメチルフラン、2−フェニルアミノメチルフラン、9−ジエチルアミノメチルアントセラセン、5−ジエチルアミノメチル−6−フェニル−3,4−ジヒドロキシピラン、ニッケルジメチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケル3,5−ジ−tーブチル−4−ヒドロキシベンジル−oーエチルホスホナート、ニッケル3,5−ジ−tーブチル−4−ヒドロキシベンジル−oーブチルホスホナート、ニッケル{2,2’−チオビス(4−tーオクチルフェノラート)}(n−ブチルアミン)、ニッケル{2,2’−チオビス(4−tーオクチルフェノラート)}(2−エチルヘキシルアミン)、ニッケルビス(2,2’−チオビス(4−tーオクチルフェノラート)}、ニッケルビス{2,2’−スルホンビス(4−オクチルフェノラート)}、ニッケルビス(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル−N−n−ブチルアルドイミン)、ニッケルビス(ジチオベンジル)、ニッケルビス(ジチオビアセチル)等がある。
【0033】
スーパーオキシアニオンの消光剤としては、スーパーオキシドジスムターゼとコバルト[III]及びニッケル[II]の錯体等があるが、これらの例が本発明を限定するものではない。これらは単独又は二種以上混合して使用される。
【0034】
本発明の感熱記録媒体の基体は透明支持体であり、常温での屈折率が1.45〜1.60の範囲のものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブリレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム或いは、これらを貼り合わせた透明支持体を使用するのが一般的である。
【0035】
本発明の感熱記録層中に用いられる可塑剤としては、一般的に使用されるプラスチック用の可塑剤が挙げられ、好ましくは該感熱記録層中に含有されているバインダー樹脂と相溶性が良い化合物がカール防止効果を示すものであり、最も好ましくは、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)で示されるものである。
一般式(I)
(R1O)3−P=O
(式中、R1は炭素数1〜12のアルキル基及び置換基を有してもよいフェニル基を表わす)
【0036】
【化1】
一般式(II)
(式中、R2は炭素数1〜12のアルキル基を表わし、R3は炭素数1〜12のアルキル基及び置換基を有してもよいアラルキル基を表わす)
【0037】
【化2】
(式中、R4は炭素数1〜12のアルキル基を表わす)
【0038】
【化3】
一般式(IV)
(式中、R5は炭素数12〜22のアルキル基を表わし、R6は炭素数2〜18のアルキル基を表わす)
一般式(V)
R 7 −OCO−(CH 2 )n−COO−R 7
(式中、R7は炭素数1〜12のアルキル基を表わし、nは4〜8の整数を表わす)
【0039】
【化4】
(式中、R8は水素原子又はアセチル基を表わし、R9は炭素数1〜12のアルキル基を表わす)
である。
【0040】
一般式(I)の具体例としては、リン酸トリエチル、リン酸トリ−n−ブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシルが挙げられ、一般式(II)の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−n−ヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジシクロヘキシルが挙げられ、一般式(III)具体例としては、トリメリット酸トリメチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸トリ−n−ブチル、トリメリット酸トリ−n−ヘキシル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリデシルが挙げられ、一般式(IV)の具体例としては、オレイン酸エチル、オレイン酸−n−ブチル、オレイン酸−n−ヘキシル、オレイン酸−n−オクチル、オレイン酸−n−ドデシル、ドデシル酸−n−ブチル、ドデシル酸−n−ヘキシル、ドデシル酸−n−オクチル、アビエチン酸メチルが挙げられ、一般式(V)の具体例としては、アジピン酸エチル、アジピン酸ジ−n−ブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジ−n−ブチル、アゼライン酸ジ−n−ヘキシル、アゼライン酸ジ−エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジ−n−ブチル、セバシン酸ジ−n−ヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルが挙げられ、また、一般式(VI)の具体例としては、クエン酸トリエチル、クエン酸トリ−n−ブチル、クエン酸トリ−n−ヘキシル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ−n−ブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシルが挙げられる。
【0041】
また、上記以外の可塑剤の具体例としては、グリセリンモノオレイン酸エステル、ジエチレングリコールベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラート、アセチルシノール酸メチル、アセチルシノール酸−n−ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、塩素化パラフィン、塩素化ビフェニル、2−ニトロビフェニル、ヒマシ油、綿実油、フマル酸ジ−n−ブチル、マレイン酸ジ−n−ブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタアクリル酸−2−エチルヘキシル、メタアクリル酸−n−ドデシル等が挙げられる。
【0042】
これらの可塑剤は、感熱記録層中に0.1〜30重量%の使用範囲である。0.1重量%未満であると所期の目的のために効果がなく、30重量%を越えて使用すると、層全体の物理的強度が小さくなり、またコスト上昇につながる。
【0043】
感熱記録層との間には接着層を設けることが好ましい。接着層の材料としては、一般的にアクリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等、及びこれらを硬化した樹脂が用いられる。
【0044】
保護層のない感熱記録において、その感熱記録層は、微細な顕色剤がバインダー樹脂中に分散されているため、表面及び内部が不均一となり、この記録層の凹凸及び空隙に存在する空気と記録層の屈折率差で光散乱が生じ、不透明又は半透明である。しかし、本発明の感熱記録媒体の如く、この不透明又は半透明の発色層上に、常温での屈折率が感熱記録層のバインダー樹脂のそれと同一範囲にある樹脂を均一に塗布、乾燥(硬化)することにより、発色層の空隙及び凹凸がなくなり平滑化され、光の散乱が減り透明な記録媒体が得られる。ここに形成された保護層は記録媒体の透明化に寄与するだけでなく、耐薬品性、耐水性、耐摩擦性、耐光性及びヘッドマッチング性の向上にも大きな効果を示し、高性能な透明感熱記録媒体の構成要素として極めて有効である。
【0045】
本発明の保護層には、水溶性樹脂や疎水性樹脂を主体として形成された被膜や、紫外線硬化性樹脂又は電子線硬化性樹脂を主体として形成した被膜等が包含される。このような保護層の形成により、有機溶剤、可塑剤、油、汗、水等の接触によっても、実用上問題ない記録媒体を得ることができる。また、有機又は無機フィラー及び滑剤を含有させることにより、サーマルヘッド等との接触で生ずるスティッキングなどの問題もなく、信頼性及びヘッドマッチング性に優れた感熱記録媒体を得ることができる。
【0046】
次に、本発明の保護層について詳述する。
本発明の保護層を構成する樹脂としては、感熱記録層を構成するバインダー樹脂と同一の屈折率を有する樹脂を用いる。
ここで屈折率が同一であるとは、実質的に同一であることを意味し、±5%程度相違する場合も含むものである。その屈折率は常温で1.45〜1.60の樹脂が好ましい。
【0047】
このような樹脂としては、水溶性樹脂の他、水性エマルジョン、疎水性樹脂及び紫外線硬化性樹脂更に電子線硬化性樹脂等が包含される。水溶性樹脂の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、セルロース誘導体(メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミド、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン、ポリビニルアルコール/アクリルアミドブロック共重合体、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。水性エマルジョン用の樹脂又は疎水性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらは、単独若しくは混合して使用され、更に必要に応じては硬化剤を添加して樹脂を硬化させてもよい。
【0048】
次に、本発明の保護層として、もっとも好ましい紫外線硬化性樹脂及び電子線硬化性樹脂について詳細に説明する。
保護層の形成に用いられる紫外線硬化性樹脂としては紫外線照射により重合反応を起こし、硬化して樹脂となるモノマー又はオリゴマー(又はプレポリマー)であればその種類が制限されず、公知の種々のもの全て使用できる。このようなモノマー又はオリゴマーとしては(ポリ)エステルアクリレート、(ポリ)ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレート等やメラミンアクリレートがある。(ポリ)エステルアクリレートは1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール(プロピレンオキサイドとして)、ジエチレングリコール等の多価アルコールとアジピン酸、無水フタル酸、トリメリット酸等の多塩基酸とアクリル酸とを反応させたものである。その構造例を(a)〜(c)に示す。
(a)アジピン酸/1,6−ヘキサンジオール/アクリル酸
【0049】
【化8】
(b)無水フタル酸/プロピレンオキサイド/アクリル酸
【0050】
【化9】
(c)トリメット酸/ジエチレングリコール/アクリル酸
【0051】
【化10】
【0052】
(ポリ)ウレタンアクリレートは、トリレンジイソシアネート(TDI)のようなイソシアネート基を持つ化合物に、ヒドロキシル基を持つアクリレートを反応させたものである。その構造例を(d)に示す。なお、HEAは2−ヒドロキシエチルアクリレート、HDOは1,6−ヘキサンジオール、ADAはアジピン酸の略である。
(d)HEA/TDI/HDO/ADA/HDO/TDI/HEA
【0053】
【化11】
【0054】
エポキシアクリレートは、構造から大別してビスフェノールA型、ノボラック型及び脂環型があり、これらエポキシ樹脂のエポキシ基をアクリル酸でエステル化し官能基をアクリロイル基としたものである。その構造例を(e)〜(g)に示す。
(e)ビスフェノールA−エピクロルヒドリン型/アクリル酸
【0055】
【化12】
(f)フェノールノボラック−エピクロルヒドリン型/アクリル酸
【0056】
【化13】
(g)脂環型/アクリル酸
【0057】
【化14】
【0058】
ポリブタジエンアクリレートは、末端OH基含有1,2ポリブタジエンにイソシアネートや1,2−メルカプトエタノール等を反応させてから、更にアクリル酸等を反応させたものである。その構造例を(h)に示す。
(h)
【0059】
【化15】
シリコーンアクリレートは、例えば、有機官能性トリメトキシシランとシラノール基含有ポリシロキサンとの縮合反応(脱メタノール反応)によりメタクリル変性したものであり、その構造例を(i)に示す。
(i)
【0060】
【化16】
【0061】
紫外線硬化性樹脂を使用するときは、溶剤を使用する場合があるが、この場合の溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、ベンゼン等の有機溶剤が挙げられる。又、これらの溶剤の代わりに、取り扱いを容易にするため反応性希釈剤として光重合性モノマーを使用することができる。
【0062】
光重合性モノマーとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシエルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールポロパントリアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレート等が挙げられる。
【0063】
次いで、電子線硬化性樹脂について述べる。電子線硬化性樹脂も特に種類は制限されないが、特に好ましい電子線硬化性樹脂としては、ポリエステルを骨格とする5官能以上の分枝構造を有する電子線硬化性樹脂(以降「電子線硬化性アクリル変性ポリウレタン樹脂」という。)及びシリコーン変性電子線硬化性樹脂を主成分としたものである。
【0064】
電子線硬化性アクリル変性ポリウレタン樹脂は、例えば次のようにして製造することができる。即ち、1,4−ブタンジオールとアジピン酸との反応生成物、或いは、プロピレングリコールとアジピン酸との反応生成物(以上はポリエステル骨格部分に相当するもの等)のポリエステルジオールとポリエーテルトリオールとの混合物に、ジイソシアネートとアクリル系2重結合を有する化合物とを加えて反応させることにより製造することができる。
ポリエステルジオールとポリエーテルトリオールとの混合物に代えて、例えばポリエーテルジオールとポリエーテルトリオールとの混合物、ポリエステルジオールとポリエステルトリオールとの混合物、ポリエーテルジポールとポリエステルトリオールとの混合物が用いられる。
ここで、ジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルイソシアネート)等が、また、アクリル系2重結合を有する化合物としては2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が例示できる。なお、ポリエステルジオールは例えば、アデカニューエースY4−30(旭電化工業社製)として、また、ポリエーテルトリオールは例えばサンニックスTP−400、サンニックスGP−3000(以上、三洋化成社製)等として入手しうる。
【0065】
この電子線硬化性アクリル変性ポリウレタン樹脂のポリエステル部分の分子量は、耐熱スリップ層に要求される柔軟性及び強靱をもたせるために、2000〜4000の範囲が好ましい。また、電子線硬化性アクリル変性ポリウレタン樹脂全体の分子量は、前記と同様な理由により、20000〜50000の範囲が好ましい。なお、この樹脂においては、官能基数を5個以上望ましくは7〜13個もたせることにより、硬化促進及び硬度向上等の効果をもたらすことができる。
【0066】
一方、シリコーン変性電子線硬化性樹脂は下記化17で表わされるものである。
【0067】
【化17】
(ただし、上記式中、Rは−(CH2)−n(n=0〜3)、TDIは2,4−トリレンジイソシアネート、HEMは2−ヒドロキシエチルアクリレートを示し、x=50〜100 y=3〜6である)
このシリコーン変性電子線硬化性樹脂は被膜性に優れているため均一で薄い被膜を良好に形成することができ、また、シリコーン官能基を有しているためスベリ効果が優れている。
【0068】
電線硬化性アクリル変性ポリウレタン樹脂と電子線硬化性シリコーン変性樹脂とを併用して使用する場合、その割合は電子線硬化性アクリル変性ポリウレタン樹脂100重量部に対し電子線硬化性シリコーン変性樹脂30重量部までの範囲で、好ましくは5〜20重量部の範囲で添加されることが望ましい。
【0069】
本発明の保護層においては、その形成過程にあって硬化を促進し、耐熱効果を向上させるために、多感能電子線硬化性モノマーを併用するのが望ましい。このモノマーは架橋促進剤として作用し、複雑で高密度の架橋構造を形成する上で有利である。
このようなモノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサトリアクリレート等が挙げられる。
そして、このモノマーは電子線硬化性アクリル変性ポリウレタン樹脂100重量部に対し50重量部までの範囲で、好ましくは20〜50重量部の範囲で添加することが好ましい。50重量部より多いと、潤滑硬化が弱まりスベリ効果が低下する。
【0070】
また別の本発明における保護層はホスファゼン系樹脂であり下記化18で示されるホスファゼン骨格を有する繰り返し単位を有するものであり、耐熱性において極めて優れている。
【化18】
−(P=N)−
具体的には、下記化19で示されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【化19】
−[NP(A)a(B)b]n−
(式中、a,b;a>0,b≧0であり、かつa+b=2を満たす実数、A;はメタアクリロイルオキシエチル基等の重合硬化性基、Bは、
【0071】
【化20】
ここでR1〜R5はそれぞれ水素原子、塩素原子、臭素原子或いは炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基を示し、Mは酸素原子、硫黄原子或いはイミノ基を示す。)
【0072】
化19で表わされるホスファゼン系樹脂、例えばAがメタアクリロイルオキシエチル基で、b=0の樹脂は、下記化21で示される化合物の開環重合により製造することができる。
【0073】
【化21】
【0074】
前記化19で表わされるホスファゼン系樹脂のように重合硬化性基を有する場合は、紫外線、電子線、加熱等で硬化することにより、更に機械的強度、硬度、耐熱性が向上する。
【0075】
本発明の保護層にも感熱記録層と同様に、耐光性向上のため、光安定化剤を含有させることができる。本発明で使用される光安定化剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素の消光剤、スーパーオキシドアニオンの消光剤であり、これらは前記感熱記録層に用いられるものと同一ものもが用いられる。
【0076】
更に、本発明の感熱発色フィルムのヘッドマッチング性向上は、保護層中に透明性を低下させない程度に有機又は無機フィラー及び滑性添加剤を含有させることにより達成される。
本発明に使用される有機フィラーとしては、ポリオレフィン粒子、ポリスチレン粒子、尿素−ホルムアルデヒド樹脂粒子、又はプラスチック微小中空球体粒子等が挙げられ、無機フィラーとしては、水酸化アルミニウム、重質及び軽質炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、硫黄バリウム、シリカゲル、コロイダルシリカ(10〜50mμ)、アルミナゾル、(10〜200mμ)、活性白土、タルク、クレーチタンホワイト、カオリナイト、焼成カオリナイト、ケイソウ土、合成カオリナイト、ジルコニウム化合物、ガラス微小中空球体等が挙げられ、特にフィラーの形状が球形であり、Si樹脂、フッ素樹脂のような滑性を有するものが望ましい。
また滑性添加剤としてはシリコーンオイル、界面活性剤、有機塩類、ワックス類等の滑性フィラー等が挙げられる。シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、カルボキシロキサン、アルコール変性ポリシロキサン等が挙げられる。
【0077】
界面活性剤としては、通常市販されているカルボン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、スルホン酸塩、高級アルコールのリン酸エステルおよびその塩を挙げることができる。これらの化合物の具体例としては、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、ミリスチルアルコール硫酸エステルナトリウム、セチルアルコール硫酸エステルナトリウム、ステアリルアルコール硫酸エステルナトリウム、オレイルアルコール硫酸エステルナトリウム、高級アルコールのエチレンオキサイド付加体の硫酸エステルナトリウム、オクチルスルホン酸ナトリウム、デシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ノニルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸カリウム、N−オレオイル−N−メチルタウリンナトリウム、テトラエトキシラウリルアルコール酸エステル、リン酸モノステアリルエステルナトリウム、リン酸ジステアリルエステルナトリウムなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0078】
また、前記有機塩類としては、たとえば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの金属石鹸、ヘキシルアンモニウムクロライド、スルホサリチル酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、コハク酸カリウム、安息香酸カリウム、アジピン酸カリウムなどの塩類が挙げられる。
【0079】
更にワックスとしては、天然ワックスとして、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、みつろう、ラノリンワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、合成ワックスとしてはポリエチレンワックス、硬化ひまし油またはその誘導体、脂肪酸アミド等が挙げられる。保護層中に占める滑剤の量は0.001〜15.0重量%が適当である。これより多いと保護層の機械的強度が劣り、これより少ないと滑剤の効果がなくなってしまう。
【0080】
本発明の感熱記録フィルムは、顕色剤のみを有機溶剤中で均一に分散し、順次発色剤、バインダー樹脂を均一混合して感熱記録層塗布液を調整するか、有機溶剤にバインダー樹脂を溶解したバインダー樹脂溶液中で顕色剤を均一分散し、発色剤等を均一混合して感熱記録層塗布液を調整するか、或いは発色剤及び顕色剤をバインダー樹脂と共に有機溶剤中で均一に分散し、感熱記録層塗布液を調整するか、いずれかの方法で均一分散した塗布液を、透明支持体片面、或いは両面上に塗布乾燥して感熱記録層を設け、更にその上に樹脂を主成分とする保護層を設けることによって製造される。
【0081】
バインダー樹脂を溶解する有機溶媒としては、ジブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類があり、単独又は混合して用いられる。
【0082】
保護層の塗工方法、塗工量に特別な制限はないが、塗工量については、保護層としての性能及び経済性を考慮すると、記録媒体上に塗布厚が0.1〜20μmの範囲、更に望ましくは塗布厚が0.5〜10μmの範囲内が、保護層としての性能が充分発揮され、発色フィルムの性能を落さない厚さ範囲である。
【0083】
本発明の透明感熱記録媒体の記録画像の形成は、使用目的によって異なるが、熱ペン、サーマルヘッド、レーザー加熱、光を用いたサーマルエッチング等特に制限されない。しかし、実用上好ましくは、サーマルヘッドによる画像形成が有用である。
【0084】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって、さらに詳細に説明する。なお、以下における部および%はいずれも重量基準である。
参考例1
下記組成物を卓上型ボールミルで分散し、オクタデシルホスホン酸の平均粒子径が約0.3μmまで分散して、可塑剤として、リン酸トリ−n−ブチルを5部添加して、記録層塗布液とした。
【0085】
【0086】
下記組成物を均一に分散して、保護層塗布液を調整した。
【0087】
【0088】
[透明感熱記録媒体の作製]
75μmのHMWポリエステルフィルム(テイジン社製)に、記録層塗布液をワイヤーバーを用いて、塗布膜厚が約8.0μmとなるように塗布・乾燥して感熱記録層を設け、更に記録層上に保護層塗布液をワイヤーバーを用いて塗布・乾燥後、80W/cmの紫外線ランプで硬化させ、約3.0μm厚の保護層を設け、さらに保護層上に滑性層塗布液を塗布・乾燥して約1μm厚の滑性層を設け、参考例1の感熱記録媒体を作製した。
【0089】
参考例2
下記組成物を卓上型ボールミルで分散し、オクタデシルホスホン酸の平均粒子径が約0.3μmまで分散して、可塑剤として、フタル酸ジメチル4部を添加して、記録層塗布液とした。
【0090】
【0091】
下記組成物を均一に分散して、保護層塗布液を調整した。
【0092】
【0093】
[透明感熱記録媒体の作製]
75μmのメリネックス705ポリエステルフィルム(ICIジャパン社製)の片面に、帯電防止層塗布液をワイヤーバーを用いて、塗布・乾燥して約0.3μm厚の帯電防止層を設けた。次いで反対面に記録層塗布液をワイヤーバーを用いて塗布膜厚が約8.0μmとなるように塗布・乾燥して感熱記録層を設け、更に記録層上に保護層塗布液をワイヤーバーを用いて塗布・乾燥後、80W/cmの紫外線ランプで硬化させ、約3.0μm厚の保護層を設け、参考例2の感熱記録媒体を作製した。
【0094】
実施例1
下記組成物を卓上型ボールミルで分散し、エイコシルホスホン酸の平均粒子径が約0.3μmまで分散して、可塑剤として、トリメリット酸トリ−n−ブチルを6部添加して、記録層塗布液とした。
【0095】
【0096】
下記組成物を均一に分散して、保護層塗布液を調整した。
【0097】
【0098】
【0099】
[透明感熱記録媒体の作製]
75μmのメリネックス705ポリエステルフィルム(ICIジャパン社製)の片面に、帯電防止層塗布液をワイヤーバーを用いて、塗布・乾燥して約0.3μm厚の帯電防止層を設けた。反対面に記録層塗布液をワイヤーバーを用いて塗布膜厚が約8.0μmとなるように塗布・乾燥して感熱記録層を設け、更に記録層上に保護層塗布液をワイヤーバーを用いて塗布・乾燥後、80W/cmの紫外線ランプで硬化させ、約2.0μm厚の保護層を設け、さらに保護層上に滑性層塗布液を塗布・乾燥して約1.5μmの滑性層を設け、実施例1の感熱記録媒体を作製した。
【0100】
参考例3
下記組成物を卓上型ボールミルで分散し、オクタデシルホスホン酸の平均粒子径が約0.3μmまで分散して、可塑剤として、オレイン酸−n−ブチルを5部添加して、記録層塗布液とした。
【0101】
【0102】
下記組成物を均一に分散して、保護層塗布液を調整した。
【0103】
【0104】
[透明感熱記録媒体の作製]
75μmのメリネックス705ポリエステルフィルム(ICIジャパン社製)の片面に、帯電防止層塗布液をワイヤーバーを用いて、塗布・乾燥して約0.3μm厚の帯電防止層を設けた。反対面に記録層塗布液をワイヤーバーを用いて塗布膜厚が約8.0μmとなるように塗布・乾燥して感熱記録層を設け、更に記録層上に保護層塗布液をワイヤーバーを用いて塗布・乾燥して約1.5μmの保護層を設け、参考例3の感熱記録媒体を作製した。
【0105】
実施例2
下記組成物を卓上型ボールミルで分散し、オクタデシルホスホン酸の平均粒子径が約0.3μmまで分散して、可塑剤として、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシルを7部を添加して、記録層塗布液とした。
【0106】
【0107】
下記組成物を均一に分散して、保護層塗布液を調整した。
【0108】
【0109】
【0110】
[透明感熱記録媒体の作製]
75μmのメリネックス705ポリエステルフィルム(ICIジャパン社製)の片面に、帯電防止層塗布液をワイヤーバーを用いて、塗布・乾燥して約0.3μm厚の帯電防止層を設けた。次いで反対面に記録層塗布液をワイヤーバーを用いて塗布膜厚が約8.0μmとなるように塗布・乾燥して感熱記録層を設け、更に記録層上に保護層塗布液をワイヤーバーを用いて、塗布・乾燥後、80W/cmの紫外線ランプで硬化させ、約2.0μm厚の保護層を設け、さらに保護層上に滑性層塗布液を塗布・乾燥して約1.5μm厚の滑層を設け、実施例2の感熱記録媒体を作製した。
【0111】
実施例3
下記組成物を卓上型ボールミルで分散し、オクタデシルホスホン酸の平均粒子径が約0.3μmまで分散して、可塑剤として、アセチルクエン酸トリエチルを5部添加して、記録層塗布液とした。
【0112】
【0113】
下記組成物を均一に分散して、保護層塗布液を調整した。
【0114】
【0115】
[透明感熱記録媒体の作製
75μmのメリネックス705ポリエステルフィルム(ICIジャパン社製)の片面に、帯電防止層塗布液をワイヤーバーを用いて、塗布・乾燥して約0.3μm厚の帯電防止層を設けた。反対面に記録層塗布液をワイヤーバーを用いて塗布膜厚が約8.0μmとなるように塗布・乾燥して感熱記録層を設け、更に記録層上に保護層塗布液をワイヤーバーを用いて、塗布・乾燥して約1.5μm厚の滑性層を設け、実施例3の感熱記録媒体を作製した。
【0116】
参考例4
下記組成物を卓上型ボールミルで分散し、オクタデシルホスホン酸の平均粒子径が約0.3μmまで分散して、可塑剤として、ヒマシ油を15部添加して、記録層塗布液とした。
【0117】
【0118】
下記組成物を均一に分散して、保護層塗布液を調整した。
【0119】
【0120】
[透明感熱記録媒体の作製]
75μmのメリネックス705ポリエステルフィルム(ICIジャパン社製)の片面に、帯電防止層塗布液をワイヤーバーを用いて、塗布・乾燥して約0.3μm厚の帯電防止層を設けた。次いで反対面に記録層塗布液をワイヤーバーを用いて塗布膜厚が約8.0μmとなるように塗布・乾燥して感熱記録層を設け、更に記録層上に保護層塗布液をワイヤーバーを用いて、塗布・乾燥後、80W/cmの紫外線ランプで硬化させ、約3.0μm厚の保護層を設け、参考例4の感熱記録媒体を作製した。
【0121】
比較例1
実施例1の記録層に添加したリン酸トリ−n−ブチルを除いた以外、同様にして比較例1の感熱記録媒体を作製した。
比較例2
実施例4の記録層に添加したオレイン酸−n−ブチルを除いた以外、同様にして比較例2の感熱記録媒体を作製した。
【0122】
以上のようにして作製した感熱記録媒体を以下のようにして評価した。
[画像濃度]
大倉電機製感熱印字シュミレーターを用い、下記印字条件で黒ベタを印字した。
(印字条件)
サーマルヘッドドット密度:8dot/mm
印加電力:0.68W/dot
パルス巾:0.60msec
ライン周期:10msec/line
印字長:20cm
印字画像をUVフィルターを使用してX−Rite社製309にて透過濃度を測定した。
【0123】
[カール]
(ロール形成前のカール評価)
80mm×150mmの透明記録媒体を試験片とし、4隅のカールの大きさをJIS1級のスケールで測定し、4点の平均値で示した。
(巻きぐせカール評価)
80mm×150mmの透明記録媒体を試験片とし、外径18mmの紙管に記録面を内側にして、荷重500gの鐘をつるしながら巻きつけた後、30℃で24時間保存する。保存後10分後の、4隅のカールの大きさをJIS1級のスケールで測定し、4点の平均値で示した。
【0124】
[熱感度−1]
画像濃度と同様条件で、パルス巾を0.1〜1.2msecまで0.1msecごとに変更し、階調印字を行ない、飽和濃度に達する印字エネルギーを熱感度の値とした。
[熱感度−2]
熱感度−1と同様の印字サンプルを40℃で120時間保存後、熱感度−1と同様に階調印字を行ない、飽和濃度に達する印字エネルギーを熱感度の値とした。
評価結果を表2に示す。
【0125】
【表2】
【0126】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的に説明したように、本発明は、画像濃度が高く地肌濃度が低くしたがってコントラストに優れ高感度であり、かつ、熱感度変化が少ない、カールを生じない光透過性感熱記録媒体、特にロール状に作製されながら巻きぐせカールが生じず、シート状にカットしても巻きぐせカールが大きくなく、記録媒体を2枚以上重ね合わせた場合など作業がしにくい等の問題の生じない透明感熱記録媒体が得られるという極めて優れた効果を奏する。
Claims (1)
- 透明支持体上に、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物及び常温での屈折率が1.45〜1.60のバインダー樹脂を主成分とする感熱記録層を設け、更に該感熱記録層とほぼ同一の屈折率を持つ保護層を設けた感熱記録媒体において、感熱記録層中に下記一般式(1)、(2)、(3)のいずれかで示される可塑剤を該感熱記録層中に0.1〜30重量%含有させたことを特徴とする透明感熱記録媒体。
一般式(1)
一般式(2)
【化2】
R7−OCO−(CH2)n−COO−R7
(式中、R7は炭素数1〜12のアルキル基を表わし、nは4〜8の整数を表わす)
一般式(3)
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-
1996
- 1996-12-04 JP JP33770596A patent/JP3657070B2/ja not_active Expired - Fee Related
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