JPH0796278B2 - 透明導電性積層体の製造方法 - Google Patents

透明導電性積層体の製造方法

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JPH0796278B2
JPH0796278B2 JP4239145A JP23914592A JPH0796278B2 JP H0796278 B2 JPH0796278 B2 JP H0796278B2 JP 4239145 A JP4239145 A JP 4239145A JP 23914592 A JP23914592 A JP 23914592A JP H0796278 B2 JPH0796278 B2 JP H0796278B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばエレクトロルミ
ネッセンス表示装置などに好適な透明導電性積層体の製
造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】例えば、液晶ディスプレイ用の電極、エ
レクトロルミネッセンス表示装置用の電極、光導電性感
光体用の電極を始め、フラウン管、各種測定器の窓部分
の静電遮蔽層、帯電防止層、発熱体などの電気・電子分
野において、透明導電膜(透明導電性積層体)が広く利
用されている。
【0003】これらのうち、選択的光透過性を有する透
明導電性積層体は、その赤外光反射能によって太陽エネ
ルギー利用の為のコレクタ用窓材として、又は建物の窓
材として応用されている。又、情報処理の発展に伴って
ブラウン管に代わる表示装置としてエレクトロルミネッ
センス、液晶、プラズマ、強誘電体を用いた各種の固体
ディスプレイが開発されており、これらのディスプレイ
には透明電極が必ず用いられる。
【0004】更に、電気信号と光信号との相互作用又は
相互変換による新しい電気光学素子や記録材料が今後の
情報処理技術にとって有用視されて来ているが、これに
も透明性及び導電性を兼備した膜が必要とされる。一
方、こうした透明導電性積層体は、自動車や飛行機など
における凝結防止用の窓ガラスとして、或いは高分子や
ガラス等の帯電防止膜、太陽エネルギーの拡散防止用の
透明断熱窓としても利用可能である。
【0005】特に、近年、液晶ディスプレイ、エレクト
ロルミネッセンス、プラズマディスプレイ、エレクトロ
クロミックディスプレイ、蛍光表示装置などにおいては
高画素表示の要求が高まっており、これに伴って透明導
電層からなる電極によって画素部を構成すると共に、金
属層からなる低抵抗電極によって信号印加ラインを構成
し、画像の表示速度の向上と画像の改良とを図ることが
提案されている。
【0006】しかしながら、従来のエレクトロルミネッ
センス表示装置においては、電極の低抵抗化が不十分で
あり、又、エレクトロルミネッセンス発光層と透明導電
層との接着強度が不十分な為、両者の間で剥離が起き、
動作時の発光ムラが生じる等の問題が有ることが判って
来た。
【0007】
【発明の開示】本発明の目的は、例えばエレクトロルミ
ネッセンス表示装置において電極占有面積の大きな場合
でも光透過率が高く、かつ、発光層との接着強度が充分
あり、発光ムラが起き難く、更にはシート抵抗が低い透
明導電性積層体、更には該透明導電性積層体を用いたエ
レクトロルミネッセンス表示装置を提供するものであ
る。
【0008】この本発明の目的は、有機高分子基体上に
インジウム、錫、アンチモンの少なくとも一種類の酸化
物からなる透明導電層を形成した後、この透明導電層上
に厚さ200Å以下の金属層を被着することを特徴とす
る透明導電性積層体の製造方法によって達成される。
【0009】本発明における図1に示される如くの透明
導電性積層体1を構成する各層の材料について述べる
と、以下の通りである。透明導電性積層体1を構成する
基体2の材料としては、ポリイミド、ポリエーテルスル
ホン、ポリスルホンを始めとしてポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート、ポリジアリルフタレート、ポリカーボネート等
のポリエステル系樹脂、及び芳香族ポリアミド、ポリア
ミド、ポリプロピレン、セルローストリアセテート等が
挙げられる。これらは、勿論、ホモポリマー、コポリマ
ーとして単独またはブレンドしても使用し得る。その
他、耐熱性に優れた有機高分子化合物であれば特には限
定しないが、80℃以上の耐熱性のあるものが好まし
い。
【0010】基体2面上に設けられる透明導電層3の材
料としては、インジウム、錫、アンチモンの群の中から
選ばれる少なくとも一種類の酸化物からなるものが挙げ
られる。代表的なものとしては、酸化インジウム、酸化
錫、酸化インジウム−錫混合体、酸化錫−アンチモン混
合体が挙げられる。透明導電層3面上に設けられる金属
層4の材料としては、インジウム、錫、カドミウム、亜
鉛、チタン、アンチモン、アルミニウム、タングステ
ン、モリブデン、クロム、タンタル、ニッケル、白金、
金、銀、銅、パラジウム等が挙げられる。
【0011】透明導電性積層体1の製造方法としては、
すなわち透明導電層3の形成は、インジウム、錫、イン
ジウム−錫合金、錫−アンチモン合金あるいは前記の酸
化物材料を蒸発源としたスパッタ法や反応蒸着法、ある
いは前記材料の低級酸化物を同様に被着させ、この被着
層を加熱酸化、放電酸化、溶液酸化の少なくとも一つの
手段で酸化処理する方法、又はスプレー塗布などの方法
によれば良く、又、金属層4の形成はスパッタ法や蒸着
法などの方法によれば良い。
【0012】そして、上記のようにして構成された有機
高分子化合物からなる透明絶縁性基体2上に透明導電層
3を形成した後、この透明導電層3上に厚さ200Å以
下の金属層4を被着させてなる透明導電性積層体1と、
金属電極層6上に電気保護層としての絶縁層7と発光層
8とが被着されてなる発光層を設けた積層体5とを、図
2に示す如く、金属層4と発光層8とが貼り合わされる
ように加圧・加熱ローラ9によって一体化し、エレクト
ロルミネッセンス表示装置を得たのである。
【0013】この際、金属層4の厚さが200Å以下で
あると、金属層4を設けたことによって光透過率が低下
するものの、その程度は若干低下する程度に過ぎず、そ
して透明導電性積層体1と積層体5との接着強度は増す
ことが見出された。又、金属層4の厚さが200Åを越
え、特に、250Å以上になると、シート抵抗は低下す
るものの、光透過率及び接着強度は大幅に低下する傾向
の有ることが見出された。
【0014】尚、金属が大気中に放置されていると、通
常、表面には数十Åの酸化膜が形成、例えばアルミニウ
ムでは約20Å、銀では約10Å、錫では約50Å、銅
では約40Åの自然酸化膜が形成されることが知られて
おり、従って本発明における金属層4も表面に自然酸化
膜が形成されているものもあり、この時、金属層4の厚
さを100Å以下のものにしていると、金属層4の大半
は自然酸化状態のものとなっていると予想される。
【0015】上記のような有機高分子基体上に透明導電
層3を形成した後、この透明導電層3上に前記金属層4
を被着させてなる透明導電性積層体1は、所定のマスク
を用いて金属層4と透明導電層3とを重ね切りエッチン
グすることによって所定のパターンに容易にパターニン
グすることが出来る。図3はパターニングされた透明導
電性積層体の一例を示す平面図、図4は図3におけるI
V−IV線での断面図である。絶縁性透明基体2上に
は、透明導電層3とその上に被着された金属層4とが所
定パターンに配置され、各画素の一端から透明導電性積
層体1の端部に向かってパターニングされた配線3a,
3bが延設されている。
【0016】通常、透明導電性積層体の特性としては、
光透過率(550mμの波長の光)が50%以上、好ま
しくは80%以上、シート抵抗は1.5kΩ/□以下、
好ましくは1000Ω/□以下、発光層を設けた積層体
との接着強度は200g/2.5cm以上であることが
望まれており、このような要望についても本発明の透明
導電性積層体1は満足している。
【0017】以下、実施例により具体的に説明する。
【0018】
【実施例】
〔実施例1〕基体2として厚さ75μmのポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルムを用い、そして酸化
インジウムと酸化錫との混合体(ITO、混合比は95
重量部:5重量部)からなる厚さ500Åの透明導電層
3をITOターゲット又はインジウムと錫(90重量
部:10重量部)合金ターゲットを用いた直流反応スパ
ッタリング(Arガス圧が10-3Torr)によって形
成し、その上に厚さ0〜800Åの錫からなる金属層4
を蒸着法(真空度が10-5〜10-6Torr)によって
形成して透明導電性積層体1を構成した。
【0019】この透明導電性積層体1のシート抵抗及び
光透過率を測定したので、その結果を図5に示す。尚、
金属層4の厚さは、蒸着速度計指示値及び蒸着時間から
算出したものである。又、錫層の厚さが0,400Å,
600Å,800Åの各点は比較の透明導電性積層体に
ついての値である。
【0020】同図から、錫層の厚さを200Å以下とす
れば、50%以上の光透過率の得られることが判る。
又、シート抵抗は錫層の厚さが薄くなるにつれて増加す
るが、薄くしても1000Ω/□を越えることはないこ
とも判る。又、この透明導電性積層体1の表面をESC
Aにより測定したので、その結果を図6に示す。これに
よれば、Sn3d5/2 の結合エネルギーが486.4e
Vであることから、金属層4の表面は酸化錫の状態にな
っていることが判る。これは、金属が通常有する自然酸
化膜であり、通常、数十Åのものであり、本実施例にお
ける金属層4にあっても自然酸化膜を有していると考え
られる。
【0021】〔実施例2〕厚さ0.2mmのアルミニウ
ムプレート6上に、BaTiO3 粉末を樹脂分散し、ワ
イヤーバーによって厚さ数μmに塗布乾燥し、更にその
上に硫化亜鉛及びマンガン粉末をシアノエチル化セルロ
ース等のセルロース系樹脂中に分散させてなる塗布液を
塗布・乾燥して、厚さ数十μmの発光層8を設けた積層
体5(図2参照)を用意した。発光層8は、前述の通
り、粉末分散層で形成されている為、数十μmの凹凸形
状の表面を有している。
【0022】そして、この発光層8を設けた積層体5と
前記実施例1の透明導電性積層体1(錫の金属層4の厚
さは20Å)とを、金属層4と発光層8とを合わせて加
熱・加圧ローラ9によって接着一体化し、エレクトロル
ミネツセンス表示装置とした。但し、ローラ圧力は1K
g/cm、ローラ温度は150℃、透明導電性積層体1
及び発光層を設けた積層体5の幅寸法はいずれも2.5
cmである。
【0023】この透明導電性積層体1のシート抵抗は3
30Ω/□、光透過率は82%であった。かくして得ら
れたエレクトロルミネッセンス表示装置を、東洋計測器
株式会社製テンシロンUTM−III型180°ピール
試験機によって上記接着部の接着強度を測定した。測定
方法の概要は、図7に示す如く、発光層8を設けた積層
体5の一端を固定し、透明導電性積層体1を180°方
向に引張って両者を剥し、引張距離と剥離に要した荷
重、すなわち接着強度との関係を求める方法である。
【0024】試験結果は図8に曲線aで示す通りであ
る。引張距離1mm以下で剥離荷重が小さくなっている
が、これは試験機のチャック部(図示せず)の遊びに基
くもので、真の荷重を示すものではない。同図には、比
較の為に、錫の金属層4を設けず、その他の条件は同様
にして得たエレクトロルミネッセンス表示装置について
同様の試験を行った結果を曲線bで併記してある。
【0025】比較の透明導電性積層体を使用したエレク
トロルミネッセンス表示装置では接着強度が70〜12
0g/2.5cmの間で変化しており、満足し得る接着
強度を示していない。これに対して、本発明のエレクト
ロルミネッセンス表示装置では、接着強度が250g/
2.5cm程度も有り、充分な接着強度を示している。
【0026】〔実施例3〕実施例2において、透明導電
層3を厚さ500ÅのITOとし、金属層4をインジウ
ムで厚さ300Å以下にした他は同様にし、エレクトロ
ルミネッセンス表示装置を得た。そして、このエレクト
ロルミネッセンス表示装置におけるシート抵抗、光透過
率、及び接着強度を測定したので、その結果を図9に示
す。
【0027】尚、金属層4を設けない場合の値は、破線
で示す矢印に括弧を付して記入した(以下、同様)。 〔実施例4〕実施例3において、金属層4を錫で厚さ6
00Å以下にした他は同様にし、エレクトロルミネッセ
ンス表示装置を得た。
【0028】そして、このエレクトロルミネッセンス表
示装置におけるシート抵抗、光透過率、及び接着強度を
測定したので、その結果を図10に示す。 〔実施例5〕実施例3において、金属層4をアルミニウ
ムで厚さ600Å以下にした他は同様にし、エレクトロ
ルミネッセンス表示装置を得た。
【0029】そして、このエレクトロルミネッセンス表
示装置におけるシート抵抗、光透過率、及び接着強度を
測定したので、その結果を図11に示す。 〔実施例6〕実施例3において、金属層4を銅で厚さ4
00Å以下にした他は同様にし、エレクトロルミネッセ
ンス表示装置を得た。
【0030】そして、このエレクトロルミネッセンス表
示装置におけるシート抵抗、光透過率、及び接着強度を
測定したので、その結果を図12に示す。 〔実施例7〕実施例3において、金属層4をクロムで厚
さ500Å以下にした他は同様にし、エレクトロルミネ
ッセンス表示装置を得た。尚、金属層4の形成はスパッ
タによるものである。
【0031】そして、このエレクトロルミネッセンス表
示装置におけるシート抵抗、光透過率、及び接着強度を
測定したので、その結果を図13に示す。 〔実施例8〕実施例7において、金属層4をパラジウム
で厚さ400Å以下にした他は同様にし、エレクトロル
ミネッセンス表示装置を得た。
【0032】そして、このエレクトロルミネッセンス表
示装置におけるシート抵抗、光透過率、及び接着強度を
測定したので、その結果を図14に示す。 〔実施例9〕実施例4において、透明導電層3を直流反
応スパッタ法により形成した厚さ700Åの酸化錫とア
ンチモンとの混合体(アンチモン2重量%)とした他は
同様にし、エレクトロルミネッセンス表示装置を得た。
【0033】そして、このエレクトロルミネッセンス表
示装置におけるシート抵抗、光透過率、及び接着強度を
測定したので、その結果を図15に示す。 〔実施例10〕実施例5において、透明導電層3を実施
例9と同様にした他は同様にし、エレクトロルミネッセ
ンス表示装置を得た。但し、アルミニウム層の厚さは3
00Å以下である。
【0034】そして、このエレクトロルミネッセンス表
示装置におけるシート抵抗、光透過率、及び接着強度を
測定したので、その結果を図16に示す。又、上記実施
例3〜実施例10の結果を纏めて表1及び表2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】そして、これら実施例の結果から、次のこ
とが理解される。 (1) 金属層4の厚さが或る値を越えると光透過率が
低下するが、200Å以下のものであれば50%以上の
光透過率を確保でき、そして金属層4の厚さが100Å
以下であれば光透過率は75%以上となり、金属層4の
厚さが50Å以下であれば光透過率は80%以上とな
る。 (2) 金属層4の厚さが薄くなるとシート抵抗が高く
なるものの、如何に薄くなってもシート抵抗は1000
Ω/□以下である。 (3) 接着強度は金属層4の厚さが50Å〜100Å
の範囲で極大値を示し、これより厚くなると、接着強度
は低下するものの、金属層4の厚さが200Å以下であ
れば200g/2.5cm以上の接着強度が確保され
る。金属層4の厚さが1Å〜2Åといった薄い場合で
も、200g/2.5cm以上の接着強度が確保され
る。 (4) 接着強度の観点からみれば、金属層4の厚さは
3Å以上、さらに望ましくは5Å以上とするのが好まし
い。光透過率の観点からみれば、金属層4の厚さは20
0Å以下、望ましくは100Å以下、さらに望ましくは
50Å以下であることが好ましい。従って、最も好まし
い金属層4の厚さは5Å〜50Åである。
【0038】接着強度は金属層4が厚くなるにつれて増
し、そして極大値を示し、低下する傾向を有している理
由は、次のように考えられる。発光層8を設けた積層体
5と透明導電性積層体1とが強固に接着する為には、
(a) 両者の間の馴染み性(発光層8がローラ加熱に
より軟化した際の両者の濡れ性)が良好であること、
(b) 両者の接触面積が大きいことの条件が満たされ
ることが必要である。
【0039】ところで、透明導電性積層体1に金属層4
を設けず、発光層8と透明導電層3とを直接に接着させ
た場合、透明導電性積層体1はフレキシブル性を有し、
発光層8表面の凹凸形状とローラ加圧時の接触面積を大
きく出来るものの、透明導電層3は高い酸化状態のもの
で構成されているから、発光層8と透明導電層3との馴
染み性が劣り、接着強度は高くならない。
【0040】これに対して、透明導電性積層体1に金属
層4を設け、発光層8と透明導電層3とを金属層4を介
して接着させた場合、金属層4は薄いことから透明導電
性積層体1のフレキシブル性の低下は少なく、発光層8
表面の凹凸形状とローラ加圧時の接触面積を充分に確保
でき、かつ、発光層8の金属層4に対する馴染み性が良
い為、接着強度は高い。
【0041】尚、透明導電性積層体1に金属層4を設け
るにしても、これが薄すぎる場合には、金属層4の形成
が不完全になって、部分的に形成されず、金属層4の存
在による効果が充分に発揮されず、あるいは形成される
金属層4は透明導電層3との密着性が完全ではなく、金
属層4が透明導電層3から剥離し易い為、接着強度が低
下する。
【0042】又、金属層4が厚くなり過ぎると、透明導
電性積層体1のフレキシブル性が低下し、発光層8表面
の凹凸形状とローラ加圧時の接触面積を充分に確保でき
なくなり、接着強度が低下する。尚、前記実施例の外、
金属層4の形成にスパッタ法を用い、かつ、その材料に
下記の金属を用いた場合の結果は以下の通りであった。
【0043】金属層材料にカドミウムや亜鉛を用いた場
合は、金属層材料に錫を用いた場合と概ね同程度の結果
が得られ、金属層材料にチタン、アンチモン、タングス
テン、白金、金、銀、モリブデン、タンタル、ニッケル
を用いた場合は、金属層材料にクロムやパラジウムを用
いた場合と概ね同程度の結果が得られた。そして、前記
の実施例は、いずれも透明導電層表面の全領域にわたっ
て金属層を設けた例であるが、この金属層は接着力が満
足し得る範囲(例えば、透明導電層表面の50%以上)
で設けることも可能である。
【0044】又、前記の実施例は、いずれも基体、透明
導電層及び金属層のみからなる透明導電性積層体につい
ての例であるが、基体と透明導電層との間、又は透明導
電層と金属層との間、或いは基体の透明導電層被着面と
は反対側の面上に、例えば紫外線吸収フィルタ層、反射
防止膜、補水層等の他の層を設けることも可能である。
【0045】又、金属層材料を、例えばアルミニウムと
した場合は、金属層表面に自然酸化によるアルミナの薄
層が形成されるが、このような薄い酸化被膜の存在は、
シ−ト抵抗、光透過率、接着強度に悪影響を及ぼすこと
は殆どなく、一向に差支えない。
【0046】
【効果】本発明による透明導電性積層体は、光透過率が
高く、かつ、発光層との接着強度が充分にあって、発光
ムラが起き難く、更にはシート抵抗が低いといった特長
を奏する。従って、エレクトロルミネッセンス表示装置
用の透明導電性積層体として用いた場合には、表示パタ
ーンの輝度やコントラストが良好であり、発光層と透明
導電層との剥離が起き難く、輝度ムラが生じず、長時間
にわたって鮮明な画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】透明導電性積層体の断面図
【図2】透明導電性積層体と発光層を設けた積層体との
接着を示す説明図
【図3】透明導電層と金属層とをパターニングした透明
導電性積層体の平面図
【図4】図3におけるIV−IV線での断面図
【図5】金属層の厚さとシート抵抗及び光透過率との関
係を示すグラフ
【図6】金属層を有する透明導電性積層体のESCAに
よる分析データ
【図7】ピールテストを説明する説明図
【図8】ピールテストにおける引張距離と剥離荷重との
関係を示すグラフ
【図9】金属層の厚さとシート抵抗、光透過率及び接着
強度との関係を示すグラフ
【図10】金属層の厚さとシート抵抗、光透過率及び接
着強度との関係を示すグラフ
【図11】金属層の厚さとシート抵抗、光透過率及び接
着強度との関係を示すグラフ
【図12】金属層の厚さとシート抵抗、光透過率及び接
着強度との関係を示すグラフ
【図13】金属層の厚さとシート抵抗、光透過率及び接
着強度との関係を示すグラフ
【図14】金属層の厚さとシート抵抗、光透過率及び接
着強度との関係を示すグラフ
【図15】金属層の厚さとシート抵抗、光透過率及び接
着強度との関係を示すグラフ
【図16】金属層の厚さとシート抵抗、光透過率及び接
着強度との関係を示すグラフ
【符号の説明】
1 透明導電性積層体 2 基体 3 透明導電層 4 金属層 5 積層体 8 発光層 9 加圧・加熱ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 5/14 A (56)参考文献 特開 昭52−212228(JP,A) 特開 昭53−112492(JP,A) 特開 昭58−31743(JP,A) 特公 昭52−25868(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機高分子基体上にインジウム、錫、ア
    ンチモンの少なくとも一種類の酸化物からなる透明導電
    層を形成した後、この透明導電層上に厚さ200Å以下
    の金属層を被着することを特徴とする透明導電性積層体
    の製造方法。
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JPS6013244B2 (ja) * 1977-03-14 1985-04-05 帝人株式会社 透明導電性被膜を有する成型物の製造方法

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