JPH06283260A - 透明面状ヒーター及びその製造法 - Google Patents

透明面状ヒーター及びその製造法

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JPH06283260A
JPH06283260A JP5189560A JP18956093A JPH06283260A JP H06283260 A JPH06283260 A JP H06283260A JP 5189560 A JP5189560 A JP 5189560A JP 18956093 A JP18956093 A JP 18956093A JP H06283260 A JPH06283260 A JP H06283260A
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JP
Japan
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transparent
electrode
layer
planar heater
metal
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Application number
JP5189560A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Takase
三男 高瀬
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
Hisahiro Momo
寿浩 百々
Shin Fukuda
福田  伸
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 透明高分子基板上の、全面に透明導電層、
両端に金属電極層、全面もしくは一部に透明保護層を順
次設けた構成を有し、透明導電層に電圧を印加するため
の電極が、真空成膜法を基本とするドライプロセスと無
電解メッキもしくは電解メッキを基本とするウエットプ
ロセスを組み合わせて形成されることを特徴とする面状
透明ヒーター。 【効果】 信頼性が極めて高く、電極層形成工程にお
ける生産性が著しく向上した、液晶表示パネルに好適に
用いることができる透明面状ヒーターが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窓部分に使用される透
明な面状ヒーターに関し、特に、液晶表示素子、冷蔵シ
ョーケース、冷凍ショーケース、自動車用デフロスター
などに使用される透明面状ヒーターに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍、冷蔵ショーケースは、その
窓部を構成するガラス表面への結露防止をする必要があ
り、このためガラス表面に透明導電膜を形成し、これに
所定の電力を印加して窓面を加熱することが行われてい
る。また、近年、液晶表示素子の需要が大きくなってい
るが、寒冷地で使用した場合に液晶の動作が遅くなる等
の問題があり、液晶表示素子にも温度制御用の透明面状
ヒーターを備えることの必要性が高まってきた。従来、
寒冷地などの条件下で使用される液晶表示素子として
は、例えば特開昭58−126517号公報に提案され
るように、メッシュ状の発熱抵抗体を配置して加熱する
ものがあった。しかしこの方法では、液晶素子全体を均
一に加熱することは困難であり、また、不透明な金属か
らなる発熱抵抗体が液晶表示を見る際の邪魔になったり
する不都合がある。透明基板上に透明導電膜を形成した
透明な発熱体は、例えば米国特許4,952,783号
公報が提案されている。このような発熱体の構成の一例
が図1に示されている。すなわち、透明基板51上の全
面に透明導電膜52が形成され、透明導電膜52に電力
を供給するための一対の電極53が透明導電膜52の両
端部に設けられている。さらに、透明導電膜52や電極
53を保護するための透明保護層54が、発熱体の全面
に設けられている。ここで電極53は、透明導電膜52
上に、銀ペースト等の導電性塗料をスクリーン印刷法等
によって塗布し、更に熱処理を行なうことで形成されて
いる。さらに電極の信頼性を向上するために、特開平4
−289685号公報には、金属箔を導電性塗料で挟み
込んだ構成の電極が開示されている。しかしながら、こ
の種の透明面状ヒーターにおいて電極を銀ペースト等の
導電性塗料で構成した場合、透明導電膜の抵抗に比較し
て導電性塗料自身の抵抗が大きいことや、電極と透明導
電膜との間の接触抵抗が高くなりやすいという問題点が
ある。接触抵抗が大きくなると、透明面状ヒーターの大
型化にともない、透明導電膜内での通電状態が不均一と
なって発熱量の不均一が生じ、透明面状ヒーター全体が
均一に昇温しないという問題や、電極接点近傍部分に電
流集中が起こって透明面状ヒーターの電極近傍が異常発
熱し、断線する等の問題がある。前述の特開平4−28
9685号公報に示されるような電極とした場合、通電
状態の不均一さの改善はなされるものの、透明導電膜と
電極との密着性が不十分であって使用中に両者が剥がれ
易い等の問題や、電極を形成するための製作工程が複雑
となりかつ作業性が悪いので製品のコストアップにつな
がるなどの問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、導電
性塗料を使用しない電極を有し、透明導電膜への電極形
成方法が改善され、高い生産性で製造できる透明面状ヒ
ーターを提供することにある。本発明の別の目的は、導
電性塗料を用いることなく電極が形成され、かつ、生産
性が向上した透明面状ヒーター製造法を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意検討した結果、透明基板上に設け
られた透明導電膜を発熱面として使用し、前記透明導電
膜に通電するための一対の電極を備えた透明面状ヒータ
ーにおいて、前記電極が金属で構成され、かつドライプ
ロセスの中から選ばれた方法とウェットプロセスの中か
ら選ばれた方法とを組み合わせることによって形成する
ことにより、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、透明基板上に設けら
れた透明導電膜を発熱面として使用し、前記透明導電膜
に通電するための一対の電極を備えた透明面状ヒーター
において、前記電極が金属で構成され、かつドライプロ
セスの中から選ばれた方法とウェットプロセスの中から
選ばれた方法とを組合せることによって形成されている
ことを特徴とする透明面状ヒーター、であり、または、
透明基板上に設けられた透明導電膜を発熱面として使用
し、前記透明導電膜に通電するための一対の電極を備え
た透明面状ヒーターにおいて、前記透明導電膜上に設け
られ実質的に透光性の金属薄膜層を有し、前記電極が前
記金属薄膜層上に形成されていることを特徴とする透明
面状ヒーター、であり、または、前記透明面状ヒーター
であって、前記電極が形成されない部分に前記金属薄膜
層を被覆する第1の透明保護層と、前記電極および前記
第1の透明保護層を被覆する第2の透明保護層とを有す
る透明面状ヒーター、であり、または、前記金属薄膜層
が銅、ニッケル、クロム、パラジウム、鉛、白金、金、
銀のうち少なくとも1種を含む金属又は合金からなるこ
とを特徴とする透明面状ヒーター、であり、または、前
記電極が銅、ニッケル、クロム、金、スズ、鉛、銀、は
んだのうちの少なくとも1種含む金属又は合金からなる
単層体または積層体であることを特徴とする透明面状ヒ
ーター、であり、または、前記金属薄膜層が、厚さ0.
5nm〜20nmの厚みの金属層をドライプロセスによ
って前記透明導電膜上に設けたものであることを特徴と
する透明面状ヒーター、であり、または、前記第2の透
明保護層及び/または前記透明基板に接着層が設けられ
ていることを特徴とする透明面状ヒーター、である。
【0006】本発明はまた、透明基板上に設けられた透
明導電膜を発熱面として使用し、前記透明導電膜に通電
するための一対の電極を備えた透明面状ヒーターの製造
法において、前記透明導電膜が形成された透明基板を使
用し、前記電極が形成されるべき部位以外をマスクしな
がら物理的方法により前記透明導電膜上に金属層を形成
する第1の工程と、前記金属層に電圧を印加する電気め
っきにより前記金属層上に金属を堆積させて前記電極を
形成する第2の工程と、前記透明導電膜および前記電極
上に透明保護層を設ける第3の工程とを有することを特
徴とする透明面状ヒーターの製造法、であり、または、
透明基板上に設けらた透明導電極膜を発熱面として使用
し、前記透明導電極膜に通電するための一対の電極を備
えた透明面状ヒーターの製造法において、前記透明導電
極膜が形成された透明基板を使用し、前記透明基板上に
ドライプロイセスによって金属または合金を付着させ実
質的に透光性の金属薄膜層を形成する第1の工程と、前
記電極が形成される部位以外の場所に透明保護層を設け
る第2の工程と、湿式めっき法によって前記電極を前記
金属薄膜層上に形成する第3の工程とを有することを特
徴とする透明面状ヒーターの製造法、であり、または、
前記金属薄膜層の厚さが0.5nm〜20nmであるこ
とを特徴とする透明面状ヒーターの製造法、であり、ま
たは、前記湿式めっき法が電気めっき法であることを特
徴とする透明面状ヒーターの製造法、であり、または、
前記湿式めっき法が無電解めっき法であることを特徴と
する透明面状ヒーターの製造法、であり、または、前記
第3の工程において無電解めっき法と電気めっき法とが
組み合わされて前記電極が形成されることを特徴とする
透明面状ヒーターの製造法、であり、また前記第2の工
程が、紫外線硬化型レジストインキ、電子線硬化型レジ
ストインキ、熱硬化型レジストインキ、紫外線硬化型樹
脂、電子線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂のうちいずれかの
もの/またはそれらの組合せ又は混合物を塗布硬化させ
ることによって行われることを特徴とする透明面状ヒー
ターの製造法、であり、または、前記第2の工程が、接
着層を有する透明フィルムを積層させることによって行
われることを特徴とする透明面状ヒーターの製造法、で
あり、または、前記第2の工程が、ドライフィルムを積
層硬化させることによって行われることを特徴とする透
明面状ヒーターの製造法、であり、または、前記第2の
工程が、塗料を塗布積層させることによって行われるこ
とを特徴とする透明面状ヒーターの製造法、であり、ま
たは、前記金属薄膜層がアルカリ性溶液に可溶な金属と
アルカリ性溶液に不溶な金属との合金からなり、前記第
2の工程を実施する前に、アルカリ溶液処理を行うこと
を特徴とする透明面状ヒーターの製造法、である。かく
して、透明導電膜上に密着性の良い電極を設けると共
に、第1の透明保護層を用いて電極の位置決定と透明導
電膜の保護層とを兼用した作用効果を奏せしめることが
出来るものであって、作業効率と信頼性を格段に高めた
透明面状ヒーターの製造法が提供されるものである。
【0007】以下、図面を参照しつつ本発明の好まし
い、実施の一例を説明する。まず、添付図面について説
明するに、図1は、従来例または比較例を示す構成の断
面図であり、図2は、本発明の構成の平面図、図3は、
本発明の好ましい構成の一例を示す図2のA−A線での
断面図であり、図4は、本発明の構成の斜視図であり、
図5は、本発明の他の好ましい一例を示す構成の断面図
である。図2、図3、図4に示される透明面状ヒーター
1は、略4角形の面状のものであって、プラスチック等
からなる透明基板2と、透明基板2の主面上に順次積層
された透明導電膜3および金属薄膜層4と、透明導電膜
3に通電するために金属薄膜層4上であってヒーター1
の両端部に設けられた一対の電極5と、金属薄膜層4の
表面で電極5が形成されない部分を被覆する第1の透明
保護層6と、電極5および第1の透明保護層6を覆う第
2の透明保護層7とによって、構成されている。電極5
は細長い形状であって、その一端が接続部5aとなって
いる。接続部5aは、電極5に電圧を印加するための電
線などが接続される部位であり、接続部5aの上には第
2の透明保護層7は設けられていない。図2、図4に示
されるように、接続部5aはヒーター1の本体部分から
面内方向に突出している。金属薄膜層4は、透明導電膜
3上に、蒸着粒子のエネルギーが特定の値以上、好まし
くは1eV以上となる、ドライプロセスから選ばれた方
法により形成される。金属薄膜層4の厚さは、例えば、
0.5nm〜20nmである。電極5は、金属薄膜層4
の表面であって電極5が形成される領域以外の部位に第
1の透明保護層6を形成した後に、金属薄膜層4の表面
に無電解めっき法や電気めっき法等のウェットプロセス
から選ばれた方法により形成される。第2の透明保護層
7は、電極5や透明導電膜3の機械的、化学的な保護の
ために設けられるものであって、樹脂またはフィルムか
らなる可視光線透過率が例えば70%以上のものであ
る。
【0008】このように透明面状ヒーターを構成するこ
とにより、透明導電膜に損傷を与えることなく、透明導
電膜上に金属からなる電極を実質的に直接形成しうるこ
とになるから、電極と透明導電膜との電気的接続が良好
なものとなって両者間の接触抵抗が小さくなり、透明面
状ヒーターとしての性能が向上し、信頼性も格段に向上
する。電極と透明導電膜との電気的接続性や密着性をさ
らに良好なものとするためには、金属薄膜層として、ア
ルカリ性溶液に可溶な金属とアルカリ性溶液に不溶な金
属との合金を用い、この合金膜を形成した後、アルカリ
処理により合金膜に空孔を形成したものを使用すること
が望ましい。このような金属薄膜層の形成後、めっきに
よって電極を設ければよい。また、第1の透明保護層
は、電極の形成されるべき位置を決定するとともに透明
導電膜の保護も行うこととなり、透明面状ヒーター製造
時の作業効率も格段に高められる。
【0009】図5は、本発明の他の好ましい一例を示す
構成の断面図である。プラスチック等からなる透明基板
2と、透明基板2の主面上に順次積層された透明導電膜
3および金属薄膜層4と、透明導電膜3に通電するため
に金属薄膜層4上であってヒーター1の両端部に設けら
れた一対の電極5と、金属薄膜層4の表面で電極5が形
成されない部分を被覆する第1の透明保護層6と、電極
5および第1の透明保護層6を覆う第2の透明保護層7
と、透明基板2の透明導電膜3の反対側に接着層8と、
セパレータ9とによって、構成されている。接着層8
は、本透明面状ヒーターを他の部材に固定するときに使
用されるものであり、目的に応じてセパレータを積層し
ておくことが好ましい。図5において、接着層8は透明
基板2に接して設けられているが、使用目的により第2
の透明保護層の上に設けても良いのである。この場合、
接着層8の保護膜としてPETやポリエチレンフィルム
を接着層8の上に積層して保護膜ないしはセパレータ9
とすることが好ましい。保護膜9は使用時には剥離して
使用する。
【0010】本発明においてドライプロセスとは、非溶
液中で膜を形成する方法であって、真空蒸着法、イオン
プレーティング法、スパッタリング法、分子線エピタキ
ー法(MBE)等の物理的蒸着法やCVD法、MOCV
D法、プラズマCVD法等の化学堆積法が挙げられる。
また、ウェットプロセスとは、溶液中で膜を形成するも
のであって、特に、湿式めっきである電気めっき、無電
解めっき(化学めっき)を指すものである。
【0011】本発明において透明基板としては、波長が
400nm〜800nmの可視光線領域において光線透
過率が70%以上、より好ましくは80%以上の基板で
あって、ガラスの他、透明なプラスチックフィルムを用
いることが出来る。薄さ、可撓性、耐衝撃性、連続生産
性などの面から、透明基板としてはプラスチックフィル
ムが好ましく用いられる。透明基板を構成するフィルム
の素材として好ましいプラスチックを例示するならば、
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン
ナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリアミ
ド、ポリエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスル
フォン(PES)、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン
(PEEK)、ポリイミド、アラミドなどのホモポリマ
ーまたはコポリマーからなるものが挙げられる。本発明
に用いられるプラスチックフィルムの厚みは、通常は5
〜500μmであり、好ましくは10〜200μmであ
り、さらに好ましくは50〜150μmである。
【0012】本発明おいて透明導電膜としては、酸化
スズ、酸化インジウム等の化合物半導体、金、銀、
銅、パラジウム等の単体または合金からなる金属薄膜、
金、銀、銅、パラジウム等の単体または合金からなる
金属薄膜と酸化インジウムや酸化チタンなどの高屈折率
薄膜をサンドイッチ状構造に積層されたもの、などが用
いられる。透明性および導電性からの構造の積層体が
望ましく、好ましい積層体を例示するならば、銀薄膜を
酸化インジウムまたはITO(酸化インジウム+酸化ス
ズ)ではさみこんだものが挙げられる。この時、通電に
よる透明導電膜の劣化防止の観点から、導電性、透明性
を損なわない範囲で、銀薄膜中に金、銅、パラジウム等
の金属を含ませることが好ましい。透明導電膜を透明基
板上に形成する方法としては、スプレ−法、塗布法の
他、物理的蒸着法等の公知の方法が利用できる。ここ
で、物理的蒸着法とは、減圧下もしくは真空下で金属等
の薄膜を形成する方法であって、真空蒸着法、スパッタ
リング法、イオンプレ−ティング法、イオンビ−ムアシ
スト蒸着法、イオンクラスタ−ビ−ム法等が例示され
る。
【0013】本発明において金属薄膜層としては、銅、
ニッケル、パラジウム、クロム、金、銀、鉛、白金等、
通常の電極材料として用いられる金属が用いられる。金
属薄膜層に電極を直接形成しても透明面状ヒーターとし
て充分な性能を有しているが、透明導電膜と電極との電
気的接続特性及び密着性をさらに向上させるために、ア
ルカリ性溶液に可溶な金属とアルカリ性溶液に不溶な金
属からなる合金または混合層を透明導電膜の上に形成し
た後、アルカリ性溶液処理を行なってアルカリ性溶液に
可溶な金属を溶解することによって、多数の空孔のある
金属薄膜層を形成することが望ましい。アルカリ性溶液
に可溶な金属としては、アルミニウム、亜鉛、スズ、鉛
等の一般にアルカリ性水溶液に溶解する金属が挙げら
れ、アルカリ性溶液に不溶な金属としては、銅、ニッケ
ル、パラジウム、クロム、金、白金等が挙げられる。金
属によっては、錯体を形成して溶解する特殊な場合もあ
るので、金属薄膜層として形成する金属は適宜選択する
ことができ、また、アルカリ性溶液処理の処理液を適宜
選択することができる。なお、アルカリ性溶液に不溶な
金属は25atm%以上含まれることが好ましい。
【0014】金属薄膜層は、透明導電膜上に蒸着粒子
が、直接的にもしくは間接的に電磁界からエネルギーを
得る、ドライプロセスから選ばれた方法により形成され
る。直接的にエネルギーを得るとは、イオンが電磁界中
で受ける力により加速されエネルギーを得ることを意味
する。間接的にエネルギーを得るとは、直接的にエネル
ギーを得た粒子から、衝突過程を通してエネルギーを得
ることを意味する。前述の過程により蒸着粒子が得るエ
ネルギーは、好ましくは0.5eV以上100eV以下
であり、より好ましくは、1eV以上50eV以下であ
る。0.5eV以下では金属薄膜層の密着力が充分でな
いことが多く、100eV以上では蒸着粒子により薄膜
がスパッタリングされる過程が顕著になってくる。な
お、前述の範囲のエネルギーを持たない粒子が、金属薄
膜層を作製するための蒸着粒子中に数%乃至数10%混
在してもよい。金属薄膜層の具体的な形成方法を例示す
るならば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパ
ッタリング法、分子線エピタキー法(MBE)、CVD
法、MOCVD法、プラズマCVD法等の方法が挙げら
れ、透明基板の耐熱温度等に応じて適宜選択することが
出来る。金属薄膜層のより好ましい形成方法として、蒸
着粒子のエネルギーが特定の値、例えば1eV以上とな
るようなスパッタリング法、イオンプレーティング法、
イオンビームアシスト蒸着法、イオンクラスタービーム
法、イオン蒸着薄膜形成法等イオンを用いた方法が挙げ
られる。
【0015】金属薄膜層は、透明導電膜上に均一な連続
層として形成されることが望ましいが、形成する厚さに
応じ、透明導電膜上に島状に形成されてもよく、また、
透明導電膜上に局部的に形成されても良い。金属薄膜層
の厚さは、0.5nm〜20nmが望ましい。膜厚が
0.5nm未満の場合には、めっき処理によって形成さ
れる電極の厚みが不均一になり易い。また、20nmを
越える場合には、可視光線透過率が著しく低下し、透明
面状ヒーターの光線透過率が損なわれ、本発明の目的に
そぐわなくなる。
【0016】本発明におけるアルカリ性溶液処理として
は、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等、水
酸化物の溶液の他、アンモニア溶液やアミン類等、pH
イオンメーター等のイオンメーターの測定値でpH11
〜pH13程度を示すアルカリ性水溶液中に、1分間〜
10分間程度浸漬する処理が挙げられる。この処理によ
り、金属薄膜層に含まれるアルカリ性溶液に可溶な金属
が溶解し、多数の空孔を有する金属薄膜層を形成され
る。アルカリ性溶液処理の後、電気めっきの前に蒸留水
等によって洗浄することが好ましい。
【0017】本発明に用いられる第1の透明保護層とし
ては、550nmの波長の光線透過率が少なくとも70
%以上、好ましくは80%以上であり、かつめっき処理
時に耐えうるような保護層であれば如何なるものであっ
てもよい。このような第1の透明保護層としては、例え
ば、従来公知のUV硬化型のレジストインキを塗布硬化
せしめたもの、電子線硬化型のレジストインキを塗布硬
化せしめたもの、熱硬化型のレジストインキを塗布硬化
せしめたもの、UV硬化型樹脂を塗布硬化せしめたも
の、電子線硬化型樹脂を塗布硬化せしめたもの、熱硬化
型樹脂を塗布硬化せしめたものの他、ドライフィルムな
どが挙げられる。この他、耐水性、耐薬品性のある透明
な膜が得られるものであれば、第1の透明保護層として
使用でき、例えば、透明な塗料、硬化性モノマーまたは
オリゴマー、ポリエステル等のプラスチックフィルムに
接着剤を塗布したものや、エチレン−酢酸ビニル共重合
体等の自己粘着性を有するフィルムを積層して、第1の
透明保護層を形成することができる。第1の透明保護層
の厚みは、通常1μm〜100μm、好ましくは5μm
〜50μmであり、さらに好ましくは10μm〜30μ
mである。
【0018】本発明において電極としては、めっきによ
って堆積させることの出来る金属であればいずれのもの
も使用できるが、電気的特性や耐久性の観点から、銅、
銀、金、ニッケル、クロム、スズ、鉛、はんだを少なく
とも1種を含む金属又はこれら金属の合金の単層または
積層体からなることが好ましい。電極の厚みは、透明導
電膜が発熱面として機能できるだけの電流が流すことが
できるだけの厚みがあれば良く、0.5μm以上あるこ
とが好ましい。
【0019】さらに、電極および第1の透明保護層の機
械的保護、水分などによる腐食防止等の化学的保護の為
に、電極や第1の透明保護層の上を覆うように第2の透
明保護層を設けることが好ましい。第2の透明保護層に
は、550nmの波長の光線透過率が少なくとも70%
以上、さらに好ましくは80%以上であるものが使用さ
れる。第2の透明保護層は、透明基板として用いたのと
同種のプラスチックフィルムを接着剤を用いて積層する
ことによって形成できるし、あるいは、ポリエステル、
ポリオレフィン、アクリル樹脂などの有機物や、シリコ
ーン系ハードコート剤、シリカゾル剤等を塗布して形成
することできる。第2の透明保護層としてプラスチック
フィルムを用いる場合には、透明性のある一般の粘着剤
や接着剤を使用することが出来る。好ましい接着剤を例
示するならば、アクリル系の感圧粘着剤、シアノアクリ
レート系反応型接着剤が望ましい。第2の透明保護層の
厚みとしては、通常1μm〜200μmであり、好まし
くは2μm〜100μmであり、さらに好ましくは5μ
m〜50μmである。
【0020】本発明の透明面状ヒーターを支持体に接着
する場合に用いられる接着層としては、透明性のある一
般の粘着剤や接着剤を使用することが出来る。好ましい
接着剤を例示するならば、アクリル系の感圧粘着剤、シ
アノアクリレート系反応型接着剤を用いることが出来
る。接着剤面は、必要に応じてセパレータを積層してお
くことが出来、製品を搬送する場合には、接着剤面が付
着しないようにしておくことが望ましい。セパレータと
しては、通常使用される離型紙の他、ポリプロピレンフ
ィルム、ポリエステルフィルム等を用いることが出来
る。セパレータの厚みとしては、通常10μm〜200
μmであり、好ましくは2μm〜100μmであり、さ
らに好ましくは5μm〜50μmである。以下、実施例
により本発明の実施の態様の一例を説明する。
【0021】
【実施例】
実施例1 可視光線透過率89%、100μm厚のポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム上に、DCマグネトロ
ンスパッタリング法により、酸化インジウム(In2
3 )(40nm)/銀(13nm)/酸化インジウム
(40nm)からなる透明導電膜を形成した。更に同法
により銅からなる金属薄膜層を2nmの厚みで透明導電
膜の全面に堆積し、積層体を形成した。得られた積層体
の金属薄膜層の上に、電極形成領域部を除いてUV(紫
外線)硬化型透明レジストインキを塗布硬化し、第1の
透明保護層を形成した。
【0022】その後、pH4.5のスルファミン酸ニッ
ケルめっき浴で電気めっきを行い20μm厚みのニッケ
ル膜を形成し、電極とした。電極の大きさは125mm
(長さ)×4mm(幅)であり、電極間の距離は90m
mであった。さらに電極の接続部を残して20μm厚み
の粘着剤付きの25μm厚みのPETを積層し、第2の
透明保護層とした。以上により図2〜図4に記載する構
成の透明面状ヒーターとした。形成された透明面状ヒー
ターの両電極間の抵抗は4Ωであった。この透明面状ヒ
ーターを−20℃の恒温槽内に入れて放置し、その後、
13V、3.3Aの電力を投入したところ、1分間で+
2℃まで表面温度が上昇した。すなわち温度上昇分は2
2℃であった。
【0023】実施例2 可視光線透過率88%、100μm厚みのPETフィル
ム上に高周波イオンプレーティング法により酸化チタン
(TiO2 )(30nm)/銀(13nm)/酸化チタ
ン(30nm)の積層型の透明導電膜を形成した。この
透明導電膜上に同法により、パラジウムからなる金属薄
膜層を2nmの厚み相当で形成し、積層体を得た。得ら
れた積層体の金属薄膜層の上に、電極形成領域部を除い
て熱硬化型透明レジストインキを塗布硬化し、第1の透
明保護層を形成した。その後、pH4のスルファミン酸
ニッケルめっき浴で電気めっきを行い15μm厚みのニ
ッケル膜を形成し、電極とした。電極の大きさは125
mm(長さ)×4mm(幅)であり、電極間の距離は9
0mmであった。さらに電極の接続部を残してハードコ
ート層を有する20μm厚みのアクリル系粘着剤付きP
ETフィルム(25μm厚)を積層し、第2の透明保護
層を形成し、図2〜図4に記載の構成の透明面状ヒータ
ーとした。形成された透明面状ヒーターの両電極間の抵
抗は5Ωであった。この透明面状ヒーターを−20℃の
恒温槽内で13V、2.6Aの電力を投入したところ1
分間で+3℃まで表面温度が上昇した。
【0024】実施例3 可視光線透過率89%、100μm厚みのPETフィル
ム上にDCマグネトロンスパッタリング法により酸化イ
ンジウム(40n)/銀(13nm)/酸化インジウム
(40nm)の積層膜からなる透明導電膜を形成し、更
に同法により金属薄膜層として厚さ1nm相当の銅を設
けた。次に、125mm(長さ)×90mm(幅)の大
きさに切出し、両電極の幅が各々4mm幅になるように
電極形成領域部を除いてUV硬化型アクリル樹脂レジス
トインキを塗布硬化し、第1の透明保護層を形成した。
その後、pH12の無電解めっき浴で0.1μmの銅膜
を形成し、次いでpH6の無電解ニッケルめっき浴で1
μmのニッケル膜を銅膜上に形成し、さらにこのニッケ
ル膜をめっき用の電極として硫酸銅溶液中で電気めっき
を行い、15μm厚みの銅膜を設け、ヒーターの電極を
形成した。電極の接続部を残し、5μm厚みのエポキシ
系接着剤を介し25μm厚みのPETを積層して第2の
透明保護層を形成し、図2〜図4に記載の構成の透明面
状ヒーターとした。得られた透明面状ヒーターの両電極
間の抵抗は4Ωであった。この透明面状ヒーターを−2
0℃の恒温槽内に入れて放置し、その後13V、3.3
Aの電力を投入したところ1分間で+2℃まで表面温度
が上昇した。
【0025】実施例4 可視光線透過率89%、100μm厚みのPETフィル
ム上にRFマグネトロンスパッタリング法により酸化チ
タン(30nm)/銀(13nm)/酸化インジウム
(40nm)の積層膜からなる透明導電膜を形成し、更
に同法によりパラジウムを1.5nmの厚み相当で設け
て金属薄膜層を形成した。次に、125mm(長さ)×
90mm(幅)の大きさに切出し、電極形成部以外に熱
硬化型透明エポキシアクリレートを塗布硬化し、第1の
透明保護層を形成した。その後、pH10の無電解銅め
っき浴で0.1μmの銅膜を形成し、続いてpH4の無
電解ニッケルめっき浴で1μmのニッケル膜を銅膜上に
形成し、さらにこのニッケル膜をめっき用の電極として
硫酸銅溶液中で電気めっきを行い、厚さ20μmの銅膜
を設け、電極を形成した。電極の接続部を残し、ハード
コート層を有する5μm厚みのエポキシ系接着剤を介し
て25μm厚みのPETフィルムを積層して第2の透明
保護層を形成し図2〜図4に記載の透明面状ヒーターと
した。得られた透明面状ヒーターの両電極間の抵抗は5
Ωであった。この透明面状ヒーターを−20℃の恒温槽
内で13V、2.6Aの電力を投入したところ1分間で
+2℃まで表面温度が上昇した。
【0026】実施例5 可視光線透過率89%、50μm厚みのポリエーテルス
ルフォン(PES)フィルム上にDCマグネトロンスパ
ッタリング法により酸化インジウム(40n)/銀(1
5nm)/酸化インジウム(40nm)の積層膜からな
る透明導電膜を形成し、更に同法により銅を2nmの厚
み相当で設け金属薄膜層を形成した。200mm(長
さ)×90mm(幅)の大きさに切出し、両端各4mm
幅を入力用の電極部とし、この電極部以外にUV硬化型
透明レジストインキを塗布硬化して第1の透明保護層を
形成した。その後、pH12の無電解銅めっき浴で0.
1μmの銅膜を形成し、次いでpH6の無電解ニッケル
めっき浴で1μmのニッケル膜を銅膜上に形成し、更に
このニッケル膜をめっき電極として硫酸銅溶液中で電気
めっきを行い20μmの銅膜を設け、電極とした。電極
の接続部を残し、UV硬化型アクリル樹脂を20μm厚
みで塗布硬化して、第2の透明保護層を形成した。これ
により透明面状ヒーターが完成した。完成された透明面
状ヒーターの両電極間の抵抗は3Ωであった。この透明
面状ヒーターを−20℃の恒温槽内に入れて放置し、そ
の後、13V、4.2Aの電力を投入したところ1分間
で+20℃まで表面温度が上昇した。
【0027】実施例6 可視光線透過率89%、100μm厚のPET上にDC
マグネトロンスパッタリング法により酸化インジウム
(40nm)/銀(13nm)/酸化インジウム(40
nm)の積層膜からなる透明導電膜を形成した。更に同
法により銅(50%)−アルミニウム(50%)からな
る金属薄膜層を2nmの厚さで形成し、積層体とした。
得られた積層体をpH11の水酸化ナトリウム水溶液で
3分間処理した後、蒸留水で洗浄、乾燥した。その後、
電極形成領域部を除いてUV硬化型透明レジストインキ
を塗布硬化し、第1の透明保護層を形成した。その後、
pH4.5のスルファミン酸ニッケルめっき浴で電気め
っきを行い20μm厚みのニッケル膜を形成し、電極と
した。電極の大きさは125mm(長さ)×4mm
(幅)であり、電極間の距離は90mmであった。更に
電極の接続部を残して、20μm厚みの粘着剤付きの2
5μm厚のPETフィルムを積層し、第2の透明保護層
を形成した。これにより透明面状ヒーターが完成した。
この透明面状ヒーターの両電極間の抵抗は4Ωであっ
た。この透明面状ヒーターを−20℃の恒温槽内に入れ
て放置し、その後、13V、3.3Aの電力を投入した
ところ1分間で+2℃まで表面温度が上昇した。
【0028】実施例7 可視光線透過率89%、100μm厚みのPETフィル
ム上に高周波イオンプレーティングより酸化チタン(3
0nm)/銀(13nm)/酸化チタン(30nm)の
積層体が形成された透明導電膜を形成した。該透明導電
膜上に同法によりパラジウム(25%)−亜鉛(75
%)からなる金属薄膜層を4nmの厚み相当で形成し
た。得られた積層体を、pH13の水酸化ナトリウム水
溶液で2分間処理した後、蒸留水で洗浄、乾燥させた。
そして、電極形成領域部以外に熱硬化型透明レジストイ
ンキを塗布硬化し第1の保護層を形成した。その後、p
H4のスルファミン酸ニッケルめっき浴で電気めっきを
行い15μm厚みのニッケル膜を形成し電極とした。電
極の大きさは125mm(長さ)×4mm(幅)であ
り、電極間の距離は90mmであった。電極の接続部を
残してハードコート層を有する20μm厚みのアクリル
系粘着剤付きPETフィルム(25μm厚み)を積層
し、第2の透明保護層を積層した。これにより透明面状
ヒーターが完成した。得られた透明面状ヒーターの両電
極間の抵抗は5Ωであった。この透明面状ヒーターを−
20℃の恒温槽内に放置し、13V、2.6Aの電力を
投入したところ1分間で+1℃まで表面温度が上昇し
た。
【0029】実施例8 可視光線透過率89%、50μm厚みのPESフィルム
上に、DCマグネトロンスパッタリング法により酸化イ
ンジウム(40nm)/銀+金(3wt%)(15n
m)/酸化インジウム(40nm)の積層膜が形成され
た透明導電膜を形成し、更に同法により銅(50%)−
アルミニウム(50%)からなる金属薄膜層を2nm厚
み相当で形成し、積層体を得た。得られた積層体をpH
13の水酸化ナトリム水溶液で2分間処理した後、蒸留
水で洗浄、乾燥した。その後、電極形成領域部以外にU
V硬化型アクリル系レジストインキを塗布硬化し第1の
保護層を形成し、pH4のスルファミン酸ニッケルめっ
き浴で電気めっきを行い20μm厚みのニッケル膜を形
成した。電極の大きさは35mm(長さ)×4mm
(幅)であり、電極間の距離は90mmであった。さら
に電極の接続部を残してアクリルウレタン系の樹脂層を
積層し、第2の透明保護層を形成した。このようにして
完成した透明面状ヒーターの両電極間の抵抗は5Ωであ
った。この透明面状ヒーターを−20℃の恒温槽内に入
れて放置し、その後、12V、2.4Aの電力を投入し
たところ、1分間で+4℃まで表面温度が上昇した。
【0030】実施例9 可視光線透過率89%、100μm厚のPETフィルム
上にDCマグネトロンスパッタリング法により酸化イン
ジウム(40nm)/銀(13nm)/酸化インジウム
(40nm)からなる透明導電膜を形成した。更に同法
により銅からなる金属薄膜層を2nmの厚みで形成し、
積層体を得た。得られた積層体に対し、電極形成領域部
を除いてUV硬化型透明ウレタンアクリレートを塗布硬
化し、第1の透明保護層を形成した。その後、アルカノ
ールスルフォン酸浴中で電気めっきを行い、約10μm
厚みのすず−鉛合金からなるはんだ層を形成して電極と
した。電極の大きさは125mm(長さ)×4mm
(幅)であり、電極間の距離は90mmであった。次に
電極の接続部を残して、20μm厚みの粘着剤付きの5
0μm厚のPETフィルムを積層し、第2の透明保護層
を形成した。このようにして形成された透明面状ヒータ
ーの両電極間の抵抗は4Ωであった。この透明面状ヒー
ターを−20℃の恒温槽内に入れて放置し、その後、1
3V、3.3Aの電力を投入したところ1分間で+5℃
まで表面温度が上昇した。
【0031】実施例10 可視光線透過率89%、100μm厚のPETフィルム
上に、DCマグネトロンスパッタリング法により透明導
電膜として酸化インジウム+5wt%酸化スズ(IT
O)(400nm)を形成した。更に同法によりニッケ
ルからなる金属薄膜層を2nmの厚み相当で形成し、積
層体を得た。得られた積層体に対し、電極形成領域部を
除いてUV硬化型透明レジストインキを塗布硬化し、第
1の透明保護層を形成した。その後、アルカノールスル
フォン酸浴中で電気めっきを行い、約5μm厚みのスズ
−鉛合金からなるはんだ層を形成して電極とした。電極
の大きさは125mm(長さ)×4mm(幅)であり、
電極間距離は90mmであった。電極の接続部を残し
て、ハードコート層を有する50μm厚のPETフィル
ムを積層し、第2の透明保護層を形成した。このように
して完成した透明面状ヒーターの両電極間の抵抗は7Ω
であった。この透明面状ヒーターを−20℃の恒温槽内
に入れて放置し、その後13V、1.9Aの電力を投入
したところ1分間で15℃の温度上昇があった。
【0032】比較例1 実施例1と同サイズ、同構成のPETフィルム上の透明
導電膜の両端に、4mm幅で導電性塗料(銀ペースト)
を塗布し、透明面状ヒーターの電極とした。これに電力
を投入し、昇温試験を行ったところ、透明面状ヒーター
の電極近傍の透明導電膜が異常発熱し、断線が生じた。
【0033】比較例2 実施例1と同サイズ、同構成のPETフィルム上の透明
導電膜上に、金属薄膜層を形成していないことの他は実
施例1と同様にして、ニッケルからなる電極を形成し、
透明面状ヒーターを得た。この透明面状ヒーターの電極
間抵抗は、10Ωであった。電気めっきにより形成され
たニッケルからなる電極は、透明導電膜より簡単に剥が
れてしまった。
【0034】
【発明の効果】以上の実施例ならびに比較例から明らか
なように、本発明によって、製造工程が改善され、かつ
信頼性の高いパネルヒーターの製造が可能となり、産業
上きわめて有用な発明であると言わざるを得ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1を示す構成の断面図
【図2】本発明の構成の平面図
【図3】本発明の好ましい一例を示す構成の断面図
【図4】本発明の構成の平面図の斜視図
【図5】本発明の好ましい一例を示す構成の断面図
【符号の説明】
1 透明面状ヒーター 2 透明基板 3 透明導電膜 4 金属薄膜層 5 電極 5a 接続部 6 第1の透明保護層 7 第2の透明保護層 8 接着剤層 9 セパレータ 51 透明基板 52 透明導電膜 53 導電性塗料 54 透明保護層
フロントページの続き (72)発明者 福田 伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に設けられた透明導電膜を発
    熱面として使用し、前記透明導電膜に通電するための一
    対の電極を備えた透明面状ヒーターにおいて、前記電極
    が金属で構成され、かつドライプロセスの中から選ばれ
    た方法とウェットプロセスの中から選ばれた方法とを組
    合せることによって形成されていることを特徴とする透
    明面状ヒーター。
  2. 【請求項2】 透明基板上に設けられた透明導電膜を発
    熱面として使用し、前記透明導電膜に通電するための一
    対の電極を備えた透明面状ヒーターにおいて、前記透明
    導電膜上に設けられ実質的に透光性の金属薄膜層を有
    し、前記電極が前記金属薄膜層上に形成されていること
    を特徴とする透明面状ヒーター。
  3. 【請求項3】 前記請求項2記載の透明面状ヒーターで
    あって、前記電極が形成されない部分に前記金属薄膜層
    を被覆する第1の透明保護層と、前記電極および前記第
    1の透明保護層を被覆する第2の透明保護層とを有する
    透明面状ヒーター。
  4. 【請求項4】 前記金属薄膜層が銅、ニッケル、クロ
    ム、パラジウム、鉛、白金、金、銀のうち少なくとも1
    種を含む金属又は合金からなることを特徴とする請求項
    2記載の透明面状ヒーター。
  5. 【請求項5】 前記電極が銅、ニッケル、クロム、金、
    スズ、鉛、銀、はんだのうちの少なくとも1種含む金属
    又は合金からなる単層体または積層体であることを特徴
    とする請求項2記載の透明面状ヒーター。
  6. 【請求項6】 前記金属薄膜層が、厚さ0.5nm〜2
    0nmの厚みの金属層をドライプロセスによって前記透
    明導電膜上に設けたものであることを特徴とする請求項
    2または3記載の透明面状ヒーター。
  7. 【請求項7】 前記第2の透明保護層及び/または前記
    透明基板に接着層が設けられていることを特徴とする請
    求項2または3記載の透明面状ヒーター。
  8. 【請求項8】 透明基板上に設けられた透明導電膜を発
    熱面として使用し、前記透明導電膜に通電するための一
    対の電極を備えた透明面状ヒーターの製造法において、
    前記透明導電膜が形成された透明基板を使用し、前記電
    極が形成されるべき部位以外をマスクしながら物理的方
    法により前記透明導電膜上に金属層を形成する第1の工
    程と、前記金属層に電圧を印加する電気めっきにより前
    記金属層上に金属を堆積させて前記電極を形成する第2
    の工程と、前記透明導電膜および前記電極上に透明保護
    層を設ける第3の工程とを有することを特徴とする透明
    面状ヒーターの製造法。
  9. 【請求項9】 透明基板上に設けらた透明導電極膜を発
    熱面として使用し、前記透明導電極膜に通電するための
    一対の電極を備えた透明面状ヒーターの製造法におい
    て、前記透明導電極膜が形成された透明基板を使用し、
    前記透明基板上にドライプロイセスによって金属または
    合金を付着させ実質的に透光性の金属薄膜層を形成する
    第1の工程と、前記電極が形成される部位以外の場所に
    透明保護層を設ける第2の工程と、湿式めっき法によっ
    て前記電極を前記金属薄膜層上に形成する第3の工程と
    を有することを特徴とする透明面状ヒーターの製造法。
  10. 【請求項10】 前記金属薄膜層の厚さが0.5nm〜
    20nmであることを特徴とする請求項9記載の透明面
    状ヒーターの製造法。
  11. 【請求項11】 前記湿式めっき法が電気めっき法であ
    ることを特徴とする請求項9記載の透明面状ヒーターの
    製造法。
  12. 【請求項12】 前記湿式めっき法が無電解めっき法で
    あることを特徴とする請求項9記載の透明面状ヒーター
    の製造法。
  13. 【請求項13】 前記第3の工程において無電解めっき
    法と電気めっき法とが組み合わされて前記電極が形成さ
    れることを特徴とする請求項9記載の透明面状ヒーター
    の製造法。
  14. 【請求項14】 前記第2の工程が、紫外線硬化型レジ
    ストインキ、電子線硬化型レジストインキ、熱硬化型レ
    ジストインキ、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、
    熱硬化型樹脂のうちいずれかのもの/またはそれらの組
    合せ又は混合物を塗布硬化させることによって行われる
    ことを特徴とする請求項9記載の透明面状ヒーターの製
    造法。
  15. 【請求項15】 前記第2の工程が、接着層を有する透
    明フィルムを積層させることによって行われることを特
    徴とする請求項9記載の透明面状ヒーターの製造法。
  16. 【請求項16】 前記第2の工程が、ドライフィルムを
    積層硬化させることによって行われることを特徴とする
    請求項9記載の透明面状ヒーターの製造法。
  17. 【請求項17】 前記第2の工程が、塗料を塗布積層さ
    せることによって行われることを特徴とする請求項9記
    載の透明面状ヒーターの製造法。
  18. 【請求項18】 前記金属薄膜層がアルカリ性溶液に可
    溶な金属とアルカリ性溶液に不溶な金属との合金からな
    り、前記第2の工程を実施する前に、アルカリ溶液処理
    を行うことを特徴とする請求項9記載の透明面状ヒータ
    ーの製造法。
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