JPH0794039A - 電力ケーブル - Google Patents
電力ケーブルInfo
- Publication number
- JPH0794039A JPH0794039A JP26149093A JP26149093A JPH0794039A JP H0794039 A JPH0794039 A JP H0794039A JP 26149093 A JP26149093 A JP 26149093A JP 26149093 A JP26149093 A JP 26149093A JP H0794039 A JPH0794039 A JP H0794039A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- eva
- group
- component containing
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- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、架橋ポリエチレン電力ケーブルな
どにおいて、半導電層の改善を図った電力ケーブルを提
供することを目的とするものである。 【構成】 本発明は、かゝる目的を達成するため、EV
A系の樹脂材料30〜60重量部に対して、アクリル酸
エステルとC=O基を含む樹脂成分を70〜40重量部
添加してなる混和物をベース材料とする半導電層を有す
ることを特徴とする電力ケーブルにあり、上記アクリル
酸エステルとC=O基を含む樹脂成分のバランスよい添
加により、良好な混練性が得られ、この結果、酸の生成
などが効果的に押さえられるため、導体や銅テープなど
の腐食が効果的に防止できると同時に、良好な剥離性と
共に適度の接着性も得られるため、コロナ放電などの発
生も効果的に防止できる。
どにおいて、半導電層の改善を図った電力ケーブルを提
供することを目的とするものである。 【構成】 本発明は、かゝる目的を達成するため、EV
A系の樹脂材料30〜60重量部に対して、アクリル酸
エステルとC=O基を含む樹脂成分を70〜40重量部
添加してなる混和物をベース材料とする半導電層を有す
ることを特徴とする電力ケーブルにあり、上記アクリル
酸エステルとC=O基を含む樹脂成分のバランスよい添
加により、良好な混練性が得られ、この結果、酸の生成
などが効果的に押さえられるため、導体や銅テープなど
の腐食が効果的に防止できると同時に、良好な剥離性と
共に適度の接着性も得られるため、コロナ放電などの発
生も効果的に防止できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋ポリエチレン電力
ケーブルなどにおいて、半導電層の改善を図った電力ケ
ーブルに関するものである。
ケーブルなどにおいて、半導電層の改善を図った電力ケ
ーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電力ケーブルの絶縁体として架橋
ポリエチレン(XLPE)が広く使用され、また、この
種のケーブルの半導電層には、絶縁体との剥離性を容易
にしたタイプがあり、このようなタイプの半導電層とし
ては一般にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系
の樹脂をベース材料として用いている。そして、このE
VA系の樹脂の場合、絶縁体に対して上記した良好な剥
離性を保持するためには、絶縁体との極性の度合いを強
くする必要があり、このため、一般にVA%(酢酸ビニ
ル含有量)の高いものを使用する必要があった。
ポリエチレン(XLPE)が広く使用され、また、この
種のケーブルの半導電層には、絶縁体との剥離性を容易
にしたタイプがあり、このようなタイプの半導電層とし
ては一般にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系
の樹脂をベース材料として用いている。そして、このE
VA系の樹脂の場合、絶縁体に対して上記した良好な剥
離性を保持するためには、絶縁体との極性の度合いを強
くする必要があり、このため、一般にVA%(酢酸ビニ
ル含有量)の高いものを使用する必要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、VA%の高
いEVA系の樹脂を使用すると、混練が困難となって発
熱し易く、この発熱があると、熱分解などよって酸(酢
酸など)が生じ易く、ケーブル構成要素である導体や銅
テープなどを腐食させるなどの問題があった。このた
め、酸吸収剤としてMgOなどを添加する方法が考えら
れているが、この酸吸収剤を添加すると、当該酸吸収剤
が核となって水トリーが発生するというような新たな問
題が発生する恐れがあった。かといって、VA%が低目
のEVA系樹脂を用いた場合、上述したように絶縁体と
半導電層との接着力が強くなって(剥離性が悪くなっ
て)、作業性が低下などの問題が生じる。
いEVA系の樹脂を使用すると、混練が困難となって発
熱し易く、この発熱があると、熱分解などよって酸(酢
酸など)が生じ易く、ケーブル構成要素である導体や銅
テープなどを腐食させるなどの問題があった。このた
め、酸吸収剤としてMgOなどを添加する方法が考えら
れているが、この酸吸収剤を添加すると、当該酸吸収剤
が核となって水トリーが発生するというような新たな問
題が発生する恐れがあった。かといって、VA%が低目
のEVA系樹脂を用いた場合、上述したように絶縁体と
半導電層との接着力が強くなって(剥離性が悪くなっ
て)、作業性が低下などの問題が生じる。
【0004】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
て行われたものであって、EVA系樹脂のベース材料
に、EVA系の樹脂を含まない樹脂として、アクリル酸
エステルとC=O基を含む樹脂成分をバランスよく配合
することにより、良好な特性の半導電層を得るようにし
た電力ケーブルを提供せんとするものである。
て行われたものであって、EVA系樹脂のベース材料
に、EVA系の樹脂を含まない樹脂として、アクリル酸
エステルとC=O基を含む樹脂成分をバランスよく配合
することにより、良好な特性の半導電層を得るようにし
た電力ケーブルを提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用】かゝる本
発明のより具体的な構成は、EVA系の樹脂材料30〜
60重量部に対して、アクリル酸エステルとC=O基を
含む樹脂成分を70〜40重量部添加してなる混和物を
ベース材料とする半導電層を有することを特徴とする電
力ケーブルにある。
発明のより具体的な構成は、EVA系の樹脂材料30〜
60重量部に対して、アクリル酸エステルとC=O基を
含む樹脂成分を70〜40重量部添加してなる混和物を
ベース材料とする半導電層を有することを特徴とする電
力ケーブルにある。
【0006】本発明で使用する半導電層のEVA系の樹
脂材料とは、EVA単独のものや、当該EVAを含む混
合樹脂、さらには当該EVAと同種系統の樹脂の総称を
いい、そのVA%(酢酸ビニル含有量)が高目のものが
好ましく、例えば25〜50%程度のものがよい。
脂材料とは、EVA単独のものや、当該EVAを含む混
合樹脂、さらには当該EVAと同種系統の樹脂の総称を
いい、そのVA%(酢酸ビニル含有量)が高目のものが
好ましく、例えば25〜50%程度のものがよい。
【0007】さらに、このEVA系の樹脂材料に添加さ
れるアクリル酸エステルとC=O基を含む樹脂として
は、例えばエルバロイHP(商品名、三井デュポン社
製)などが挙げられる。そして、この樹脂の配合量を、
EVA系の樹脂材料30〜60重量部に対して、70〜
40重量部としたのは、その添加量がEVA系樹脂材料
60重量部に対して40重量部(40/60)未満と少
なくなると、良好な混練性や剥離性が得られなくなり、
また、その添加量がEVA系樹脂材料30重量部に対し
て70重量部(70/30)を越えるようになると、逆
に接着力が弱くなり過ぎてコロナが発生し易くなり好ま
しくないからである。
れるアクリル酸エステルとC=O基を含む樹脂として
は、例えばエルバロイHP(商品名、三井デュポン社
製)などが挙げられる。そして、この樹脂の配合量を、
EVA系の樹脂材料30〜60重量部に対して、70〜
40重量部としたのは、その添加量がEVA系樹脂材料
60重量部に対して40重量部(40/60)未満と少
なくなると、良好な混練性や剥離性が得られなくなり、
また、その添加量がEVA系樹脂材料30重量部に対し
て70重量部(70/30)を越えるようになると、逆
に接着力が弱くなり過ぎてコロナが発生し易くなり好ま
しくないからである。
【0008】いずれにしても、このようにアクリル酸エ
ステルとC=O基を含む樹脂成分をEVA系の樹脂材料
にバランスよく添加することにより、先ず、良好な混練
性が得られるようになるため、例えばVA%が高目のE
VA系の樹脂を用いてもあまり発熱がなく、酸の生成な
どが効果的に押さえられるため、導体や銅テープなどの
腐食が効果的に防止できる。もちろんこのアクリル酸エ
ステルとC=O基を含む樹脂成分の添加により、高目の
VA%のEVA系樹脂の使用であっても、極端に接着性
が低下することなく、必要な接着性が得られるため、結
果としてコロナ放電などの発生も効果的に防止できる。
ステルとC=O基を含む樹脂成分をEVA系の樹脂材料
にバランスよく添加することにより、先ず、良好な混練
性が得られるようになるため、例えばVA%が高目のE
VA系の樹脂を用いてもあまり発熱がなく、酸の生成な
どが効果的に押さえられるため、導体や銅テープなどの
腐食が効果的に防止できる。もちろんこのアクリル酸エ
ステルとC=O基を含む樹脂成分の添加により、高目の
VA%のEVA系樹脂の使用であっても、極端に接着性
が低下することなく、必要な接着性が得られるため、結
果としてコロナ放電などの発生も効果的に防止できる。
【0009】なお、本発明に係る半導電層においては、
上記ベース材料に対して、カーボンブラックや酸化防止
剤、加工助剤、架橋剤、架橋助剤など、さらには、その
他の必要な添加剤を適宜添加することができる。
上記ベース材料に対して、カーボンブラックや酸化防止
剤、加工助剤、架橋剤、架橋助剤など、さらには、その
他の必要な添加剤を適宜添加することができる。
【0010】
【実施例】次に、表1に示した配合によって、本発明に
係る電力ケーブルの半導電層用シート(実施例1〜5)
と、本発明の条件を欠く電力ケーブルの半導電層用シー
ト(比較例1〜3)を試作し、これらの各シートを架橋
ポリエチレン(XLPE)の絶縁体シートに貼り合わ
せ、この各貼り合わせシートについて、その接着性(剥
離強度)を調べると共に、上記各半導電層用シート作成
時における混練性(押出性)について調べ、その結果を
同表に併記した。なお、同表の混練性試験において、○
は良好な混練が可能なことを示し、△は打粉により混練
が可能なことを示し、×はブロッキングが激しく混練が
殆ど不可能であることを示している。
係る電力ケーブルの半導電層用シート(実施例1〜5)
と、本発明の条件を欠く電力ケーブルの半導電層用シー
ト(比較例1〜3)を試作し、これらの各シートを架橋
ポリエチレン(XLPE)の絶縁体シートに貼り合わ
せ、この各貼り合わせシートについて、その接着性(剥
離強度)を調べると共に、上記各半導電層用シート作成
時における混練性(押出性)について調べ、その結果を
同表に併記した。なお、同表の混練性試験において、○
は良好な混練が可能なことを示し、△は打粉により混練
が可能なことを示し、×はブロッキングが激しく混練が
殆ど不可能であることを示している。
【0011】
【表1】
【0012】この表1から、本発明に係る電力ケーブル
の半導電層用シート(実施例1〜5)の場合、良好な混
練性と接着性が得られているのに対して、本発明の条件
を欠く電力ケーブルの半導電層用シート(比較例1〜
3)では、混練が困難であったり、あるいは接着不良が
生じるなどの問題があることが判る。
の半導電層用シート(実施例1〜5)の場合、良好な混
練性と接着性が得られているのに対して、本発明の条件
を欠く電力ケーブルの半導電層用シート(比較例1〜
3)では、混練が困難であったり、あるいは接着不良が
生じるなどの問題があることが判る。
【0013】なお、本発明に係る電力ケーブルの場合、
内外部の両半導電層を有するケーブルはもちろんのこ
と、一方のみを半導電層を設けたケーブルについても適
用可能である。
内外部の両半導電層を有するケーブルはもちろんのこ
と、一方のみを半導電層を設けたケーブルについても適
用可能である。
【0014】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る半導電層を有する電力ケーブルによると、EVA
系の樹脂材料にアクリル酸エステルとC=O基を含む樹
脂成分をバランスよく添加してあるため、先ず、良好な
混練性が得られる。この結果、混練時における発熱の低
下が期待でき、酸の生成などが効果的に押さえられるた
め、導体や銅テープなどの腐食が効果的に防止できる。
さらにまた、このアクリル酸エステルとC=O基を含む
樹脂成分のバランスよい添加によって、高目のVA%の
EVA系樹脂の使用が可能となり、この結果、良好な剥
離性と共に適度の接着性も得られるため、コロナ放電な
どの発生も効果的に防止でき、耐圧性に優れた電力ケー
ブルが得られる。
に係る半導電層を有する電力ケーブルによると、EVA
系の樹脂材料にアクリル酸エステルとC=O基を含む樹
脂成分をバランスよく添加してあるため、先ず、良好な
混練性が得られる。この結果、混練時における発熱の低
下が期待でき、酸の生成などが効果的に押さえられるた
め、導体や銅テープなどの腐食が効果的に防止できる。
さらにまた、このアクリル酸エステルとC=O基を含む
樹脂成分のバランスよい添加によって、高目のVA%の
EVA系樹脂の使用が可能となり、この結果、良好な剥
離性と共に適度の接着性も得られるため、コロナ放電な
どの発生も効果的に防止でき、耐圧性に優れた電力ケー
ブルが得られる。
Claims (1)
- 【請求項1】 EVA系の樹脂材料30〜60重量部に
対して、アクリル酸エステルとC=O基を含む樹脂成分
を70〜40重量部添加してなる混和物をベース材料と
する半導電層を有することを特徴とする電力ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26149093A JPH0794039A (ja) | 1993-09-24 | 1993-09-24 | 電力ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26149093A JPH0794039A (ja) | 1993-09-24 | 1993-09-24 | 電力ケーブル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0794039A true JPH0794039A (ja) | 1995-04-07 |
Family
ID=17362639
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26149093A Pending JPH0794039A (ja) | 1993-09-24 | 1993-09-24 | 電力ケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0794039A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100594585B1 (ko) * | 2004-07-13 | 2006-07-03 | 주식회사 일렉콤테프 | 반도전성 테이프 |
US10920051B2 (en) | 2017-04-20 | 2021-02-16 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Resin composition and electrical cable |
-
1993
- 1993-09-24 JP JP26149093A patent/JPH0794039A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100594585B1 (ko) * | 2004-07-13 | 2006-07-03 | 주식회사 일렉콤테프 | 반도전성 테이프 |
US10920051B2 (en) | 2017-04-20 | 2021-02-16 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Resin composition and electrical cable |
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