JP2003178628A - ワイヤーハーネス保護材及びこれを用いたワイヤーハーネス - Google Patents

ワイヤーハーネス保護材及びこれを用いたワイヤーハーネス

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイヤーハーネスの電線束中の電線、好適に
はノンハロゲン系樹脂を被覆した電線の劣化を著しく促
進させることのないテープ状のワイヤーハーネス保護材
及びこれを用いたワイヤーハーネスを提供すること。 【解決手段】 ノンハロゲン系樹脂又は塩化ビニル樹脂
からなるテープ状の基材の少なくとも一方の面にアクリ
ル酸樹脂を主成分とする粘着剤が塗布されてなるワイヤ
ーハーネス保護材とする。好適には、粘着剤及び/又は
基材中に老化防止剤及び/又は銅害防止剤が含有され、
老化防止剤含有率は、このワイヤーハーネス保護材が捲
着される電線束中のノンハロゲン系樹脂を被覆した電線
の被覆材中の老化防止剤含有率に対し10%〜500%
の範囲内とされ、銅害防止剤含有量は、粘着剤樹脂成分
100重量部に対し0.001〜5重量部の範囲内、基
材樹脂成分100重量部に対し0.001〜5重量部の
範囲内とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤーハーネス
保護材及びこれを用いたワイヤーハーネスに関し、更に
詳しくは、自動車、電化製品等の配線に用いられるワイ
ヤーハーネスにおける電線束の外周を保護するのに好適
なワイヤーハーネス保護材及びこれを用いたワイヤーハ
ーネスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車や電化製品等を中心に高性
能、高機能化が急速に進められており、それに伴い自動
車や電化製品等には様々なエレクトロニクス設備が搭載
されるようになっている。そしてこれらの設備を正確に
作動させるため、自動車や電化製品等の内部配線には複
数の電線が使用されている。
【0003】一般に、これら複数の電線は、電線束とし
てひとまとまりに束ねられ、いわゆるワイヤーハーネス
の形態で使用される。このワイヤーハーネスとは、組立
電線とも言われ、複数の電線を予め配線に必要な形態に
組み上げておくもので、必要な分岐、端末へのコネクタ
付け等を施した上で、テープ状、チューブ状またはシー
ト状等の種々の形状からなるワイヤーハーネス保護材が
電線束の外周に巻装されて形成されるものである。
【0004】上記ワイヤーハーネスに使用される電線と
しては、柔軟性や成形性等を付与する目的で可塑剤や熱
安定剤等の添加剤を添加したポリ塩化ビニル等の塩化ビ
ニル樹脂を銅等からなる導体の外周に被覆した電線(以
下「PVC系電線」という)等が広く使用されている。
【0005】またテープ状のワイヤーハーネス保護材と
しては、例えば、天然ゴムや合成ゴム等に粘着付与剤や
可塑剤等を配合した粘着剤をポリ塩化ビニル等の塩化ビ
ニル樹脂からなるテープ状の基材の表面に塗布した粘着
テープ(以下「PVC系粘着テープ」という)等が広く
使用されている。
【0006】しかしながら、このように汎用樹脂として
広く使用されている塩化ビニル樹脂は、分子構造中にハ
ロゲン元素を有しているため、自動車の火災時や電化製
品の焼却廃棄時等の燃焼時に有害なハロゲン系ガスを大
気中に放出し、環境汚染の原因になるという問題点を有
している。
【0007】そのため最近、環境対策の一環として、P
VC系電線やPVC系粘着テープ等に使用されている塩
化ビニル樹脂をノンハロゲン系樹脂等に代替えすること
が盛んに行われている。
【0008】この種の代替え樹脂としては、例えば、オ
レフィン樹脂に難燃剤、老化防止剤、銅害防止剤等を所
定量添加したノンハロゲン難燃性オレフィン樹脂が有力
な代替え候補として検討されている。
【0009】このような背景から、ワイヤーハーネスに
おける電線としては、PVC系電線が単独で使用される
ことはもちろんのこと、ノンハロゲン系樹脂を銅等から
なる導体の外周に被覆した電線(以下「HF系電線」と
いう)とPVC系電線とが混在した状態で使用された
り、HF系電線が単独で使用されたりするといったこと
が生じ得る状況になっている。
【0010】他方、テープ状のワイヤーハーネス保護材
についても、同様に、PVC系粘着テープが単独で使用
されることはもちろんのこと、基材をノンハロゲン系樹
脂に置換した粘着テープ(以下「HF系粘着テープ」と
いう)とPVC系粘着テープとが混在した状態で使用さ
れたり、HF系粘着テープが単独で使用されたりすると
いったことが生じ得る状況になっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車用の
ワイヤーハーネスは、エンジン回り等の過酷な環境下で
使用されることから、耐熱老化性が品質上重要な要素の
一つとなっている。
【0012】通常、塩化ビニル樹脂材料の耐熱老化性能
は、塩化ビニル樹脂材料に含まれる可塑剤が時間の経過
とともに揮散されていき材料が硬化することにより材料
伸びが低下していくことに支配されている。これに対し
例えば、ノンハロゲン難燃性オレフィン樹脂等のオレフ
ィン樹脂材料の耐熱老化性能は、オレフィン樹脂材料に
含まれる老化防止剤が時間の経過とともに消費されてい
き材料が変質することにより材料伸びが低下していくこ
とに支配されている。
【0013】しかしながら、発明者らが、HF系電線単
独からなる電線束、HF系電線とPVC系電線とが混在
した状態の電線束の外周にそれぞれPVC系粘着テープ
を巻き付けてワイヤーハーネスを作製し、熱老化試験を
実施したところ、各ワイヤーハーネス中のHF系電線の
耐熱老化性能は、HF系電線単体の耐熱老化性能と比較
して著しく劣ることが判明した。
【0014】また、HF系電線単独からなる電線束、H
F系電線とPVC系電線とが混在した状態の電線束の外
周にそれぞれHF系粘着テープを巻き付けてワイヤーハ
ーネスを作製し、同様に熱老化試験を実施してもやは
り、各ワイヤーハーネス中のHF系電線の耐熱老化性能
は、HF系電線単体の耐熱老化性能と比較して著しく劣
ることが判明した。
【0015】そこで発明者らは、テープ状のワイヤーハ
ーネス保護材を各種電線束の外周に捲着してなるワイヤ
ーハーネス中の各種電線の劣化について調査したとこ
ろ、以下のことが原因ではないかと見当をつけるに至っ
た。
【0016】すなわち、テープ状のワイヤーハーネス保
護材は、既に上述したように、基材の表面に粘着剤が塗
布された構造を有しているため、このワイヤーハーネス
保護材が各種電線束の外周に巻き付けられると、電線束
と粘着剤とは直接接触する。そのため、粘着剤中に含ま
れる粘着付与剤や可塑剤等がHF系電線の被覆材中に移
り拡散、浸透する、いわゆる移行が生じる。
【0017】通常、HF系電線の被覆材中には、電線特
性を損なわない範囲で老化防止剤や銅害防止剤等が所定
量添加されていることが多いが、例えば、粘着付与剤や
可塑剤が被覆材中に移行した場合には、被覆材中に予め
含まれている老化防止剤が粘着付与剤や可塑剤に溶解し
て抽出され、この抽出された老化防止剤を含んだ粘着付
与剤や可塑剤がワイヤーハーネス保護材側へ再移行する
といった現象が生じる。
【0018】そのため、HF系電線の被覆材中に含まれ
ている老化防止剤は、この粘着付与剤や可塑剤の移行に
起因して通常想定される経時的減少量を越えて減少す
る。これにより、ワイヤーハーネス中のHF系電線の耐
熱老化性能は、HF系電線単体の耐熱老化性能と比較し
て著しく劣ることとなる。
【0019】また、被覆材中に移行した粘着付与剤や可
塑剤は、HF系電線の導体が銅系材料からなる場合にそ
の銅に作用し、触媒作用を有する銅イオンを発生させ
る。通常、HF系電線単体の被覆材中に生じた銅イオン
は、被覆材中に予め含まれている銅害防止剤によりキレ
ート化合物として捕捉されるので、その触媒作用は失わ
れるが、粘着剤中の粘着付与剤や可塑剤により銅のイオ
ン化が促進されると、銅害防止剤が通常想定される量以
上に消費されて不足した状態になる。
【0020】そのため、銅害防止剤に対して余剰となっ
た銅イオンがキレート化合物として安定化されず、触媒
作用を有する銅イオンにより被覆材であるノンハロゲン
系樹脂の化学結合が切断されて劣化が促進される。これ
により、ワイヤーハーネス中のHF系電線の耐熱老化性
能は、HF系電線単体の耐熱老化性能と比較して著しく
劣ることとなる。
【0021】この種の劣化は、粘着剤に含まれる粘着付
与剤や可塑剤ばかりでなく、その他の粘着剤に含まれる
被覆材劣化作用を有する低分子量化合物又は粘着剤が熱
により分解して生成した分解生成物(以下「粘着剤側劣
化促進因子」という)によっても起こり得る。したがっ
て、テープ状のワイヤーハーネス保護材においては、電
線束表面に直接粘着接触する粘着剤が電線の劣化に特に
大きな影響を及ぼしているものと考えられる。
【0022】尚、PVC系粘着テープのように、基材に
可塑剤等を含む場合にあっては、基材中に含まれる可塑
剤その他の基材中に含まれる被覆材劣化作用を有する低
分子量化合物又は基材が熱により分解して生成した分解
生成物(以下「基材側劣化促進因子」という)が粘着剤
を介して電線の被覆材中に移行することによっても、同
様の劣化を少なからず起こし得る。
【0023】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、ワイヤーハーネスの電線束中の電線、特に好適には
ノンハロゲン系樹脂を被覆した電線の劣化を著しく促進
させることのないテープ状のワイヤーハーネス保護材及
びこれを用いたワイヤーハーネスを提供することにあ
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、請求項1に記載のワイヤーハーネス保護材は、塩化
ビニル樹脂コンパウンドよりハロゲン元素の含有率が少
ない若しくはハロゲン元素を含まないノンハロゲン系樹
脂又は塩化ビニル樹脂からなるテープ状の基材の少なく
とも一方の面にアクリル酸樹脂を主成分とする粘着剤が
塗布されてなることを要旨とするものである。
【0025】請求項1に記載のワイヤーハーネス保護材
によれば、ノンハロゲン系樹脂又は塩化ビニル樹脂から
なるテープ状の基材の少なくとも一方の面に塗布される
粘着剤がアクリル酸樹脂を主成分としているので、電線
束中の電線の劣化を著しく促進させることがない。
【0026】すなわち、アクリル酸樹脂は、それ自体が
粘着性、柔軟性を有しているので、従来のゴム系樹脂等
を主成分とした粘着剤のように、粘着剤中に粘着付与剤
や可塑剤等の被覆材劣化作用を有する低分子量化合物を
添加する必要がなく、例えこれらが添加されるような場
合であっても、従来の粘着剤に比較して少量で済み、ま
た、粘着剤自体が加熱されて生成する分解生成物の単位
時間当たりの生成量も従来の粘着剤に比較して非常に少
ない。
【0027】そのため特に、粘着剤に含まれる粘着付与
剤、可塑剤その他の粘着剤に含まれる被覆材劣化作用を
有する低分子量化合物又は粘着剤が熱により分解して生
成した分解生成物(粘着剤側劣化促進因子)が電線の被
覆材中へ移行するのを阻止する又は抑制することが可能
となる。したがって、移行に起因する電線束中の電線の
劣化を著しく促進させることがない。
【0028】請求項2に記載のワイヤーハーネス保護材
は、請求項1に記載のものであって、前記粘着剤及び/
又は前記基材中には、老化防止剤及び/又は銅害防止剤
が含有されていることを要旨とするものである。
【0029】請求項2に記載のワイヤーハーネス保護材
によれば、粘着剤側劣化促進因子や基材側劣化促進因子
に起因して被覆材中の老化防止剤がワイヤーハーネス保
護材側へ再移行してくるような場合であっても、粘着剤
及び/又は基材中に予め老化防止剤が含有されている場
合には、ワイヤーハーネス保護材側と被覆材側との間に
おける老化防止剤の濃度勾配を小さくすることができる
ので、被覆材側の老化防止剤がワイヤーハーネス保護材
側へ移行するのを阻止する又は抑制することが可能とな
る。
【0030】また、粘着剤及び/又は基材中に予め銅害
防止剤が含有されている場合には、この銅害防止剤が被
覆材中へ移行するので、被覆材中に発生した銅イオンに
より消費された銅害防止剤を充足することができ、銅害
を回避することが可能となる。
【0031】したがって、粘着剤の主成分にアクリル酸
樹脂を用いた効果と、被覆材側の老化防止剤の減少や銅
害を回避することができる効果との相乗効果により、移
行に起因する電線の劣化を効率良く防止することが可能
となる。
【0032】請求項3に記載のワイヤーハーネス保護材
は、請求項2に記載のものであって、前記粘着剤及び/
又は前記基材中に含まれる老化防止剤の含有率は、この
ワイヤーハーネス保護材が捲着される電線束中の電線で
あって、老化防止剤を含む前記ノンハロゲン系樹脂を被
覆した電線の被覆材中に含まれる老化防止剤の含有率に
対し10%〜500%の範囲内とされ、前記銅害防止剤
の含有量は、前記粘着剤中にあっては、粘着剤樹脂成分
100重量部に対し0.001〜5重量部の範囲内、前
記基材中にあっては、基材樹脂成分100重量部に対し
0.001〜5重量部の範囲内とされていることを要旨
とするものである。
【0033】請求項3に記載のワイヤーハーネス保護材
によれば、粘着剤及び/又は基材中に含まれる老化防止
剤の含有率が、このワイヤーハーネス保護材が捲着され
る電線束中の電線であって、老化防止剤を含むノンハロ
ゲン系樹脂を被覆した電線の被覆材中に含まれる老化防
止剤の含有率に対し10%〜500%の範囲内とされて
いるので、ワイヤーハーネス保護材側と被覆材側との間
における老化防止剤の濃度平衡が保たれ、被覆材側の老
化防止剤がワイヤーハーネス保護材側へ移行するのを効
果的に阻止する又は抑制することが可能となる。
【0034】また、銅害防止剤の含有量が、粘着剤中に
あっては、粘着剤樹脂成分100重量部に対し0.00
1〜5重量部の範囲内、基材中にあっては、基材樹脂成
分100重量部に対し0.001〜5重量部の範囲内と
されているので、被覆材中へ銅害防止剤を補給する効果
が大きく、また、ワイヤーハーネス保護材自体の品質を
損なうこともない。
【0035】したがって、粘着剤の主成分にアクリル酸
樹脂を用いた効果と、被覆材側の老化防止剤の減少や銅
害を回避することができる効果との相乗効果がより高ま
り、移行に起因する電線の劣化を一層効率良く防止する
ことが可能となる。
【0036】請求項4に記載のワイヤーハーネス保護材
は、請求項3に記載のものであって、前記粘着剤及び/
又は前記基材中に含まれる老化防止剤と前記電線の被覆
材中に含まれる老化防止剤とは同種類のものであること
を要旨とするものである。
【0037】請求項4に記載のワイヤーハーネス保護材
によれば、粘着剤及び/又は基材中に含まれる老化防止
剤と電線の被覆材中に含まれる老化防止剤とが同種類の
ものであるので、ワイヤーハーネス保護材側と被覆材側
との間における老化防止剤の濃度平衡を得やすく、被覆
材側の老化防止剤がワイヤーハーネス保護材側へ移行す
るのを一層効果的に阻止する又は抑制することが可能と
なる。
【0038】請求項5に記載のワイヤーハーネスは、請
求項1乃至4に記載のワイヤーハーネス保護材を電線束
の外周に捲着してなることを要旨とするものである。
【0039】請求項5に記載のワイヤーハーネスによれ
ば、電線束中における電線が著しく劣化することがな
く、長期に亘り品質を維持可能なワイヤーハーネスを得
ることが可能となる。
【0040】請求項6に記載のワイヤーハーネスは、請
求項1乃至4に記載のワイヤーハーネス保護材を、老化
防止剤を含み、塩化ビニル樹脂コンパウンドよりハロゲ
ン元素の含有率が少ない又はハロゲン元素を含まないノ
ンハロゲン系樹脂を被覆した電線を少なくとも有する電
線束の外周に捲着してなることを要旨とするものであ
る。
【0041】請求項6に記載のワイヤーハーネスによれ
ば、特に電線束がノンハロゲン系樹脂を被覆した電線と
塩化ビニル樹脂を被覆した電線とが混在した状態からな
る場合であっても、ノンハロゲン系樹脂を被覆した電線
が著しく劣化することがなく、長期に亘り品質を維持可
能なワイヤーハーネスを得ることが可能となる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態について
詳細に説明する。本発明に係るワイヤーハーネス保護材
は、ワイヤーハーネスの電線束の外周に捲着されるもの
であって、ノンハロゲン系樹脂又は塩化ビニル樹脂から
なるテープ状の基材の少なくとも一方の面にアクリル酸
樹脂を主成分とする粘着剤を備えている。
【0043】ここで粘着剤の主成分であるアクリル酸樹
脂とは、アクリル酸若しくはアクリル酸エステルを主単
量体とする単独重合体又はそれら主単量体と他の単量体
との共重合体をいい、これらは1又は2以上混合された
混合体であっても良い。
【0044】具体的には、アクリル酸エステルとして
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチル
ヘキシル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリ
ル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸テトラフル
フリール、アクリル酸イソノニル等が挙げられる。
【0045】また、他の単量体としては、酢酸ビニル、
アクリロニトリル、アクリルアミド、スチレン、メタク
リル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸イソプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、
メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、無水マレイ
ン酸、イタコン酸、1,3−ブタンジオールジアクリレ
ート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、ポリエチレングリコールジアクリレート等が挙
げられる。
【0046】これらのアクリル酸樹脂は、粘着性、弾力
性、コスト面等を勘案し、用途に応じて種々組成するこ
とができるものであるが、中でもタッキネス、粘着力、
コスト面に優れることから、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルを主単量
体とする単独重合体又はそれら主単量体と酢酸ビニル、
メタクリル酸メチルとの共重合体を好適に用いることが
できる。また、これらアクリル酸樹脂は、エマルジョン
型、溶剤型、架橋型いずれのものであっても良く、特に
限定されるものではない。尚、これらのアクリル酸樹脂
には、必要に応じて粘着付与剤、可塑剤、軟化剤等の各
種添加剤が添加されていても良く、特に限定されるもの
ではない。
【0047】次に、上記粘着剤が塗布されるテープ状の
基材を形成する樹脂としては、ノンハロゲン系樹脂又は
塩化ビニル樹脂のいずれをも用いることができる。
【0048】ここでノンハロゲン系樹脂とは、塩化ビニ
ル樹脂に可塑剤、安定剤、充填剤等を配合、混練し、成
形しやすい形状にした成形材料、いわゆる塩化ビニル樹
脂コンパウンドよりもハロゲン元素の含有率が少ない又
はハロゲン元素を含まない樹脂をいう。
【0049】すなわち、本願におけるノンハロゲン系樹
脂には、ハロゲン元素を全く含まない樹脂ばかりでな
く、塩化ビニル樹脂コンパウンドよりもハロゲン元素の
含有率が少ない範囲内で樹脂構造中にハロゲン元素を含
む樹脂又はこの樹脂若しくはハロゲン元素を全く含まな
い樹脂中にハロゲン元素を含む難燃剤等の各種添加剤が
添加された樹脂といった、いわゆる低ハロゲン系樹脂を
も概念的に含むものである。
【0050】このようなノンハロゲン系樹脂としては、
具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレ
ン−エチレン共重合体等のオレフィン樹脂等に水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム等のハロゲン元素を含
まない難燃剤又はテトラブロモビスフェノールA、その
誘導体等の臭素元素等のハロゲン元素を含む難燃剤や、
フェノール系、アミン系等の老化防止剤、トリアジン系
誘導体等の銅害防止剤等を添加したノンハロゲン難燃性
オレフィン樹脂等を好適に挙げることができるが、これ
以外のノンハロゲン系樹脂を用いても良く、特に限定さ
れるものではない。
【0051】他方、塩化ビニル樹脂とは、塩化ビニルの
単独重合体又は塩化ビニルを主成分とする共重合体をい
い、これらが1又は2以上混合された混合体であっても
良い。具体的には、ポリ塩化ビニル、エチレン塩化ビニ
ル共重合体、プロピレン塩化ビニル共重合体等が挙げら
れる。
【0052】そして、このような粘着剤及び/又は基材
中には、少なくとも老化防止剤及び/又は銅害防止剤が
所定量含有されていることが好ましい。
【0053】本発明に係るワイヤーハーネス保護材にお
いて老化防止剤及び/又は銅害防止剤が含有されている
とは、上記粘着剤及び/又は基材に使用する各種樹脂が
他の用途として一般的に使用される際に、各樹脂中に老
化防止剤や銅害防止剤を含有させる必要がないとされる
のが通常である場合であっても、含有させることを意味
するものである。
【0054】例えば、一般的にポリ塩化ビニルには、可
塑剤や熱安定剤等の添加剤が添加されていることが多
く、老化防止剤等が添加されることはないが、本発明に
係るワイヤーハーネス保護材の基材としてポリ塩化ビニ
ルを使用する際には、老化防止剤等が所定量添加される
ことが好ましいということになる。
【0055】ここで、老化防止剤とは、高分子材料のお
かれた環境要因と時間の経過により、高分子材料の物理
的性状、化学的性状が変化し、性能が低下する老化現象
を抑制又は遅延させるために添加される有機化合物をい
う。具体的には、テトラキス−[メチレン−3−
(3’,5’−ジ−第三−ブチル−4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート等のフェノール系や、4,4’−ジ
オクチルジフェニルアミン、N−フェニル−N’−1,
3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン等のアミ
ン系の老化防止剤等が挙げられる。尚、これら老化防止
剤は、1又は2以上添加されていても良く、特に限定さ
れるものではない。
【0056】そして、粘着剤及び/又は基材中に含まれ
る老化防止剤の含有率としては、このワイヤーハーネス
保護材が捲着される電線束中の電線であって、老化防止
剤を含むノンハロゲン系樹脂を被覆した電線の被覆材中
に含まれる老化防止剤の含有率に対し10%〜500%
の範囲内とされていることが好ましい。
【0057】10%未満である場合には、発明の効果が
十分に発揮できなくなる傾向があり、500%を越える
と作業性が悪化する傾向があり実用に耐えなくなるので
好ましくない。より好ましくは、被覆材側の老化防止剤
がワイヤーハーネス保護材側へ移行するのをより効果的
に阻止する観点から、10%〜150%の範囲内とされ
ていることが好ましい。またこの際、粘着剤及び/又は
基材中に含まれる老化防止剤と電線の被覆材中に含まれ
る老化防止剤とは同種類のものであることが好ましい。
【0058】上記において、老化防止剤を含むノンハロ
ゲン系樹脂を被覆した電線の被覆材中に含まれる老化防
止剤の含有率とは、被覆材を構成する有機成分(被覆材
を構成する有機成分のうち、老化防止剤は除く)に対す
る老化防止剤の割合をいう。したがって、被覆材中に含
まれる老化防止剤の含有率が、例えば3%である場合、
粘着剤及び/又は基材中には、粘着剤及び/又は基材中
に含まれる老化防止剤の含有率が0.3%〜15%相当
となるように老化防止剤が添加されることとなる。
【0059】他方、銅害防止剤とは、銅を主体とした導
体の外周に被覆される電線の被覆材中に通常添加される
ものであって、触媒作用を有する銅イオンをキレート化
合物として捕捉して安定化させることにより、銅イオン
に起因する被覆材樹脂の劣化、いわゆる銅害を防止する
ために添加されるものをいう。
【0060】具体的には、1,2,3−ベンゾトリアゾ
ール、トリルトリアゾールとその誘導体、トリルトリア
ゾールアミン塩、トリルトリアゾールカリウム塩、3−
(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾー
ル、トリアジン系誘導体、デカメチレンジカルボン酸ジ
サリチロイルヒドラジド等のヒドラジド誘導体、シュウ
酸誘導体、サルチル酸誘導体等が挙げられる。この種の
銅害防止剤としては、ワイヤーハーネス保護材が加熱さ
れた際に容易に溶解し被覆材中へ移行し易くする観点か
ら、低融点型の銅害防止剤が好ましい。尚、これら銅害
防止剤は、1又は2以上添加されていても良く、特に限
定されるものではない。
【0061】そして、粘着剤及び/又は基材中に含まれ
る銅害防止剤の含有量としては、粘着剤中にあっては、
粘着剤樹脂成分100重量部に対し0.001〜5重量
部の範囲内、基材中にあっては、基材樹脂成分100重
量部に対し0.001〜5重量部の範囲内とされている
ことが好ましい。
【0062】0.001重量部未満である場合には、発
明の効果が十分に発揮できない傾向があり、5重量部を
越えると添加剤が樹脂中から表面に析出して結晶化す
る、いわゆるブルームを生じ、品質を損なう傾向がある
ので好ましくない。より好ましくは、被覆材中へ銅害防
止剤を補給する効果を一層高める観点から、0.01重
量部〜5重量部の範囲内とされていることが好ましい。
【0063】次に本発明に係るワイヤーハーネス保護材
の作用について説明する。
【0064】上記ワイヤーハーネス保護材によれば、ノ
ンハロゲン系樹脂又は塩化ビニル樹脂からなるテープ状
の基材の少なくとも一方の面に塗布される粘着剤がアク
リル酸樹脂を主成分としているので、電線束中の電線の
劣化を著しく促進させることがない。
【0065】すなわち、アクリル酸樹脂は、それ自体が
粘着性、柔軟性を有しているので、従来のゴム系樹脂等
を主成分とした粘着剤のように、粘着剤中に粘着付与剤
や可塑剤等の被覆材劣化作用を有する低分子量化合物を
添加する必要がなく、例えこれらが添加されるような場
合であっても、従来の粘着剤に比較して少量で済み、ま
た、粘着剤自体が加熱されて生成する分解生成物の単位
時間当たりの生成量も従来の粘着剤に比較して非常に少
ない。
【0066】そのため特に、粘着剤に含まれる粘着付与
剤、可塑剤その他の粘着剤に含まれる被覆材劣化作用を
有する低分子量化合物又は粘着剤が熱により分解して生
成した分解生成物(粘着剤側劣化促進因子)が電線の被
覆材中へ移行するのを阻止する又は抑制することが可能
となる。したがって、移行に起因する電線束中の電線の
劣化を著しく促進させることがない。
【0067】そして粘着剤及び/又は基材中に予め老化
防止剤が含有されている場合には、粘着剤側劣化促進因
子や基材側劣化促進因子に起因して被覆材中の老化防止
剤がワイヤーハーネス保護材側へ再移行してくるような
場合であっても、ワイヤーハーネス保護材側と被覆材側
との間における老化防止剤の濃度勾配を小さくすること
ができるので、被覆材側の老化防止剤がワイヤーハーネ
ス保護材側へ移行するのを阻止する又は抑制することが
可能となる。
【0068】尚、上記粘着剤側劣化促進因子としては、
具体的には、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂等の粘着付
与剤や、ジオクチルフタレート(DOP)、ジイソノニ
ルフタレート(DINP)、ジブチルフタレート(DB
P)等のフタル酸エステル系等の可塑剤や、天然ゴム、
スチレンブタジエンゴム等の粘着剤主成分樹脂が加熱さ
れて生成した分解生成物等が挙げられる。また、基材側
劣化促進因子としては、具体的には、ジオクチルフタレ
ート(DOP)、ジイソノニルフタレート(DIN
P)、ジブチルフタレート(DBP)等のフタル酸エス
テル系等の可塑剤や、塩化ビニル樹脂、オレフィン樹脂
等の基材が加熱されて生成した分解生成物等が挙げられ
る。
【0069】この際特に、粘着剤及び/又は基材中に含
まれる老化防止剤の含有率が、このワイヤーハーネス保
護材が捲着される電線束中の電線であって、老化防止剤
を含むノンハロゲン系樹脂を被覆した電線の被覆材中に
含まれる老化防止剤の含有率に対し10%〜500%の
範囲内とされている場合には、ワイヤーハーネス保護材
側と被覆材側との間における老化防止剤の濃度平衡が保
たれ、被覆材側の老化防止剤がワイヤーハーネス保護材
側へ移行するのを効果的に阻止する又は抑制することが
可能となる。
【0070】これに加え、粘着剤及び/又は基材中に含
まれる老化防止剤と電線の被覆材中に含まれる老化防止
剤とが同種類のものである場合には、ワイヤーハーネス
保護材と被覆材側との間における老化防止剤の濃度平衡
を得やすく、被覆材側の老化防止剤がワイヤーハーネス
保護材側へ移行するのを一層効果的に阻止する又は抑制
することが可能となる。
【0071】他方、粘着剤及び/又は基材中に予め銅害
防止剤が含有されている場合には、この銅害防止剤が被
覆材中へ移行するので、被覆材中に発生した銅イオンに
より消費された銅害防止剤を充足することができ、銅害
による電線の劣化を回避することが可能となる。
【0072】この際特に、銅害防止剤の含有量が、粘着
剤中にあっては、粘着剤樹脂成分100重量部に対し
0.001〜5重量部の範囲内、基材中にあっては、基
材樹脂成分100重量部に対し0.001〜5重量部の
範囲内とされている場合には、被覆材中へ銅害防止剤を
補給する効果が大きくなり、また、ワイヤーハーネス保
護材自体の品質を損なうこともない。
【0073】したがって、粘着剤及び/又は基材中に老
化防止剤及び/又は銅害防止剤が最適な範囲で含有され
ている場合には、粘着剤の主成分にアクリル酸樹脂を用
いた効果と、被覆材側の老化防止剤の減少や銅害を回避
することができる効果との相乗効果がより高まり、移行
に起因する電線の劣化を一層効率良く防止することが可
能となる。
【0074】次に、上述したワイヤーハーネス保護材を
電線束の外周に捲着してなるワイヤーハーネスについて
説明する。
【0075】本発明に係るワイヤーハーネスにおける電
線束としては、老化防止剤を含むノンハロゲン系樹脂を
被覆した電線が単独で束ねられた電線束、老化防止剤を
含むノンハロゲン系樹脂を被覆した電線と塩化ビニル樹
脂を被覆した電線とが任意の比率で混在した状態で束ね
られた電線束、塩化ビニル樹脂を被覆した電線が単独で
束ねられた電線束等を挙げることが可能であり、特に限
定されるものではないが、特には、上述したワイヤーハ
ーネス保護材の奏する作用効果を十分発揮せしめる観点
から、少なくとも老化防止剤を含むノンハロゲン系樹脂
を被覆した電線が1本以上含まれている電線束が好まし
いと言える。
【0076】尚、老化防止剤を含むノンハロゲン系樹脂
を被覆した電線と塩化ビニル樹脂を被覆した電線とが任
意の比率で混在した状態で束ねられた電線束を用いる場
合には、塩化ビニル樹脂を被覆した電線の被覆材中に、
老化防止剤を含むノンハロゲン系樹脂を被覆した電線の
被覆材中に含まれる老化防止剤の含有率に対し10%〜
500%の範囲内で予め老化防止剤を含有させておくこ
とが好ましい。電線間において生じる移行現象に起因し
て、老化防止剤を含むノンハロゲン系樹脂を被覆した電
線が劣化するのを少しでも防止するためである。
【0077】上記ワイヤーハーネスによれば、電線束中
の電線が劣化することなく、特に電線束中における電線
が、ノンハロゲン系樹脂を被覆した電線と塩化ビニル樹
脂を被覆した電線とが混在している場合であっても、電
線束中におけるノンハロゲン系樹脂を被覆した電線が著
しく劣化することがなく、長期に亘り品質を維持可能な
ワイヤーハーネスを得ることができる。
【0078】
【実施例】以下に本発明を各種実施例により更に詳細に
説明する。
【0079】(電線)初めに、本発明の一実施例に係る
ワイヤーハーネス保護材としての粘着テープが捲着され
る電線束中の電線について説明する。電線としては、以
下の3種類の電線を作製した。
【0080】1種類目は、ハロゲン元素を全く含まない
ノンハロゲン系樹脂を被覆材に用いた電線(以下「HF
系電線」という)である。このHF系電線の被覆材の配
合は、表1に示すように、ポリプロピレン100重量部
に対して難燃剤として水酸化マグネシウム80重量部、
老化防止剤3重量部、銅害防止剤1重量部といった配合
になっている。そしてこのHF系電線の被覆材中に含ま
れる老化防止剤の含有率は、(老化防止剤3重量部)/
(ポリプロピレン100重量部)×100=3%となっ
ている。
【0081】
【表1】
【0082】2種類目は、塩化ビニル樹脂を被覆材に用
いた電線(以下「PVC系電線」という)である。この
PVC系電線の被覆材の配合は、表2に示すように、ポ
リ塩化ビニル(重合度1300)100重量部に対して
可塑剤としてジイソノニルフタレート(DINP)40
重量部、充填剤として炭酸カルシウム20重量部、安定
剤5重量部といった配合になっている。尚、このPVC
系電線の被覆材中には老化防止剤は含有されていない。
【0083】
【表2】
【0084】3種類目は、老化防止剤を含有する塩化ビ
ニル樹脂を被覆材に用いた電線(以下「PVC系電線
(老化防止剤入り)」という)である。このPVC系電
線(老化防止剤入り)の被覆材の配合は、表3に示すよ
うに、ポリ塩化ビニル(重合度1300)100重量部
に対して可塑剤としてジイソノニルフタレート(DIN
P)40重量部、充填剤として炭酸カルシウム20重量
部、安定剤5重量部、老化防止剤4.5重量部といった
配合になっている。そしてこのPVC系電線(老化防止
剤入り)の被覆材中に含まれる老化防止剤の含有率は、
(老化防止剤4.5重量部)/(ポリ塩化ビニル100
重量部+DINP40重量部)×100=3.2%とな
っている。すなわち、HF系電線の被覆材中に含まれる
老化防止剤の含有率3%に対し約100%相当となって
いる。
【0085】
【表3】
【0086】これら3種類の電線は、いずれも直径0.
32mmの軟銅線を7本撚り合わせて断面積0.5mm
(外径約1.0mm)の銅撚線に形成した導体の外周
に、表1〜表3の配合からなる被覆材料をそれぞれ2軸
混練機で混合したものを押し出し機を用いて0.3mm
厚さに押し出し被覆したものである。尚、HF系電線に
ついては混合温度250℃、押し出し温度250℃と
し、PVC系電線及びPVC系電線(老化防止剤入り)
については混合温度180℃、押し出し温度180℃と
した。
【0087】(ワイヤーハーネス保護材としての供試粘
着テープ)次に、本発明の一実施例に係るワイヤーハー
ネス保護材としての供試粘着テープについて説明する。
供試粘着テープとしては、以下の6種類の粘着テープを
作製した。
【0088】1種類目は、老化防止剤を含有する塩化ビ
ニル樹脂からなる基材の片面に老化防止剤を含有するア
クリル酸樹脂を主成分とする粘着剤が塗布されてなる実
施例1〜5のPVC系粘着テープ(以下「PVC系粘着
テープ(老化防止剤入り)」という)である。これら実
施例1〜5のPVC系粘着テープ(老化防止剤入り)の
配合を表4に示す。
【0089】具体的には、実施例1〜5の基材の配合
は、ポリ塩化ビニル(重合度1300)100重量部に
対して可塑剤としてジオクチルフタレート(DOP)6
0重量部、充填剤として炭酸カルシウム20重量部、安
定剤5重量部、そして老化防止剤をそれぞれ0.5、
5、7.5、12.5、25重量部配合したものとなっ
ている。そしてこれら実施例1〜5の基材中に含まれる
老化防止剤の含有率は、それぞれ0.3、3.1、4.
7、7.8、15.6%となっている。すなわち、HF
系電線の被覆材中に含まれる老化防止剤の含有率3%に
対しそれぞれ約10%、100%、150%、250
%、500%相当となっている。尚、基材の厚さは0.
11mmとした。
【0090】他方、実施例1〜5の粘着剤の配合は、エ
マルジョン型アクリル酸樹脂100重量部に対して老化
防止剤をそれぞれ0.3、3、4.5、7.5、15重
量部配合したものとなっている。そしてこれら実施例1
〜5の粘着剤中に含まれる老化防止剤の含有率は、それ
ぞれ0.3、3、4.5、7.5、15%となってい
る。すなわち、HF系電線の被覆材中に含まれる老化防
止剤の含有率3%に対しそれぞれ10%、100%、1
50%、250%、500%相当となっている。尚、粘
着剤の厚さは0.02mmとした。
【0091】これら実施例1〜5に対し、比較として、
基材及び粘着剤中に含まれる老化防止剤の含有率が、H
F系電線の被覆材中に含まれる老化防止剤の含有率3%
に対し約600%相当としたものを比較例1とした。ま
た、基材に老化防止剤を全く配合せず、かつ、粘着剤と
してエマルジョン型アクリル酸樹脂の代わりにスチレン
ブタジエンゴム70重量部、天然ゴム30重量部、亜鉛
華20重量部、ロジン系樹脂80重量部を配合したもの
を従来品1とした。
【0092】
【表4】
【0093】2種類目は、老化防止剤を含有するノンハ
ロゲン系樹脂からなる基材の片面に老化防止剤を含有す
るアクリル酸樹脂を主成分とする粘着剤が塗布されてな
る実施例6〜10のHF系粘着テープ(以下「HF系粘
着テープ(老化防止剤入り)」という)である。これら
実施例6〜10のHF系粘着テープ(老化防止剤入り)
の配合を表5に示す。
【0094】具体的には、実施例6〜10の基材の配合
は、ポリオレフィン100重量部に対して臭素系難燃剤
3重量部、三酸化アンチモン1.5重量部、そして老化
防止剤をそれぞれ0.4、3.5、5.5、8、16重
量部配合したものとなっている。そしてこれら実施例6
〜10の基材中に含まれる老化防止剤の含有率は、それ
ぞれ0.4、3.4、5.3、7.8、15.5%とな
っている。すなわち、HF系電線の被覆材中に含まれる
老化防止剤の含有率3%に対しそれぞれ約10%、10
0%、150%、250%、500%相当となってい
る。尚、基材の厚さは0.11mmとした。
【0095】他方、実施例6〜10の粘着剤の配合は、
エマルジョン型アクリル酸樹脂100重量部に対して老
化防止剤をそれぞれ0.3、3、4.5、7.5、15
重量部配合したものとなっている。そしてこれら実施例
1〜5の粘着剤中に含まれる老化防止剤の含有率は、そ
れぞれ0.3、3、4.5、7.5、15%となってい
る。すなわち、HF系電線の被覆材中に含まれる老化防
止剤の含有率3%に対しそれぞれ10%、100%、1
50%、250%、500%相当となっている。尚、粘
着剤の厚さは0.02mmとした。
【0096】これら実施例6〜10に対し、比較とし
て、基材及び粘着剤中に含まれる老化防止剤の含有率
が、HF系電線の被覆材中に含まれる老化防止剤の含有
率3%に対し約600%相当としたものを比較例2とし
た。また、基材に老化防止剤を全く配合せず、かつ、粘
着剤としてエマルジョン型アクリル酸樹脂の代わりにス
チレンブタジエンゴム70重量部、天然ゴム30重量
部、亜鉛華20重量部、ロジン系樹脂80重量部を配合
したものを従来品2とした。
【0097】
【表5】
【0098】3種類目は、銅害防止剤を含有する塩化ビ
ニル樹脂からなる基材の片面に銅害防止剤を含有するア
クリル酸樹脂を主成分とする粘着剤が塗布されてなる実
施例11〜15のPVC系粘着テープ(以下「PVC系
粘着テープ(銅害防止剤入り)」という)である。これ
ら実施例11〜15のPVC系粘着テープ(銅害防止剤
入り)の配合を表6に示す。
【0099】具体的には、実施例11〜15の基材の配
合は、ポリ塩化ビニル(重合度1300)100重量部
に対して可塑剤としてジオクチルフタレート(DOP)
60重量部、充填剤として炭酸カルシウム20重量部、
安定剤5重量部、そして銅害防止剤をそれぞれ0.00
2、0.016、1.6、4.8、8重量部配合したも
のとなっている。すなわち、基材中に含まれる銅害防止
剤の含有量は、基材樹脂成分(ポリ塩化ビニル及びDO
P)100重量部に対しそれぞれ0.001、0.0
1、1、3、5重量部となっている。尚、基材の厚さは
0.11mmとした。
【0100】他方、実施例11〜15の粘着剤の配合
は、エマルジョン型アクリル酸樹脂100重量部に対し
て銅害防止剤をそれぞれ0.001、0.01、1、
3、5重量部配合したものとなっている。すなわち、粘
着剤中に含まれる銅害防止剤の含有量は、粘着剤樹脂成
分(エマルジョン型アクリル酸樹脂)100重量部に対
しそれぞれ0.001、0.01、1、3、5重量部と
なっている。尚、粘着剤の厚さは0.02mmとした。
【0101】これら実施例11〜15に対し、比較とし
て、基材及び粘着剤中に含まれる銅害防止剤が、基材及
び粘着剤樹脂成分100重量部に対し7重量部としたも
のを比較例3とした。また、基材に銅害防止剤を全く配
合せず、かつ、粘着剤としてエマルジョン型アクリル酸
樹脂の代わりにスチレンブタジエンゴム70重量部、天
然ゴム30重量部、亜鉛華20重量部、ロジン系樹脂8
0重量部を配合したものを従来品3とした。
【0102】
【表6】
【0103】4種類目は、銅害防止剤を含有するノンハ
ロゲン系樹脂からなる基材の片面に銅害防止剤を含有す
るアクリル酸樹脂を主成分とする粘着剤が塗布されてな
る実施例16〜20のHF系粘着テープ(以下「HF系
粘着テープ(銅害防止剤入り)」という)である。これ
ら実施例16〜20のHF系粘着テープ(銅害防止剤入
り)の配合を表7に示す。
【0104】具体的には、実施例16〜20の基材の配
合は、ポリオレフィン100重量部に対して臭素系難燃
剤3重量部、三酸化アンチモン1.5重量部、そして銅
害防止剤をそれぞれ0.001、0.01、1、3.
1、5.2重量部配合したものとなっている。すなわ
ち、基材中に含まれる銅害防止剤の含有量は、基材樹脂
成分(ポリオレフィン及び臭素系難燃剤)100重量部
に対しそれぞれ0.001、0.01、1、3、5重量
部となっている。尚、基材の厚さは0.11mmとし
た。
【0105】他方、実施例16〜20の粘着剤の配合
は、エマルジョン型アクリル酸樹脂100重量部に対し
て銅害防止剤をそれぞれ0.001、0.01、1、
3、5重量部配合したものとなっている。すなわち、粘
着剤中に含まれる銅害防止剤の含有量は、粘着剤樹脂成
分(エマルジョン型アクリル酸樹脂)100重量部に対
しそれぞれ0.001、0.01、1、3、5重量部と
なっている。尚、粘着剤の厚さは0.02mmとした。
【0106】これら実施例16〜20に対し、比較とし
て、基材及び粘着剤中に含まれる銅害防止剤が、基材及
び粘着剤樹脂成分100重量部に対し7重量部としたも
のを比較例4とした。また、基材に銅害防止剤を全く配
合せず、かつ、粘着剤としてエマルジョン型アクリル酸
樹脂の代わりにスチレンブタジエンゴム70重量部、天
然ゴム30重量部、亜鉛華20重量部、ロジン系樹脂8
0重量部を配合したものを従来品4とした。
【0107】
【表7】
【0108】5種類目は、老化防止剤及び銅害防止剤を
含有する塩化ビニル樹脂からなる基材の片面に老化防止
剤及び銅害防止剤を含有するアクリル酸樹脂を主成分と
する粘着剤が塗布されてなる実施例21〜25のPVC
系粘着テープ(以下「PVC系粘着テープ(老化防止剤
及び銅害防止剤入り)」という)である。これら実施例
21〜25のPVC系粘着テープ(老化防止剤及び銅害
防止剤入り)の配合を表8に示す。
【0109】具体的には、実施例21〜25の基材の配
合は、ポリ塩化ビニル(重合度1300)100重量部
に対して可塑剤としてジオクチルフタレート(DOP)
60重量部、充填剤として炭酸カルシウム20重量部、
安定剤5重量部、老化防止剤5重量部、そして銅害防止
剤をそれぞれ0.002、0.016、1.6、4.
8、8重量部配合したものとなっている。すなわち、こ
れら実施例21〜25の基材中に含まれる老化防止剤の
含有率は、HF系電線の被覆材中に含まれる老化防止剤
の含有率3%に対し約100%相当となっている。ま
た、基材中に含まれる銅害防止剤の含有量は、基材樹脂
成分(ポリ塩化ビニル及びDOP)100重量部に対し
それぞれ0.001、0.01、1、3、5重量部とな
っている。尚、基材の厚さは0.11mmとした。
【0110】他方、実施例21〜25の粘着剤の配合
は、エマルジョン型アクリル酸樹脂100重量部に対し
て老化防止剤を3重量部、そして銅害防止剤をそれぞれ
0.001、0.01、1、3、5重量部配合したもの
となっている。すなわち、これら実施例21〜25の粘
着剤中に含まれる老化防止剤の含有率は、HF系電線の
被覆材中に含まれる老化防止剤の含有率3%に対し約1
00%相当となっている。また、粘着剤中に含まれる銅
害防止剤の含有量は、粘着剤樹脂成分(エマルジョン型
アクリル酸樹脂)100重量部に対しそれぞれ0.00
1、0.01、1、3、5重量部となっている。尚、粘
着剤の厚さは0.02mmとした。
【0111】これら実施例21〜25に対し、比較とし
て、基材及び粘着剤中に含まれる銅害防止剤が、基材及
び粘着剤樹脂成分100重量部に対し7重量部としたも
のを比較例5とした。また、基材に老化防止剤及び銅害
防止剤を全く配合せず、かつ、粘着剤としてエマルジョ
ン型アクリル酸樹脂の代わりにスチレンブタジエンゴム
70重量部、天然ゴム30重量部、亜鉛華20重量部、
ロジン系樹脂80重量部を配合したものを従来品5とし
た。
【0112】
【表8】
【0113】6種類目は、老化防止剤及び銅害防止剤を
含有するノンハロゲン系樹脂からなる基材の片面に老化
防止剤及び銅害防止剤を含有するアクリル酸樹脂を主成
分とする粘着剤が塗布されてなる実施例26〜30のH
F系粘着テープ(以下「HF系粘着テープ(老化防止剤
及び銅害防止剤入り)」という)である。これら実施例
26〜30のHF系粘着テープ(老化防止剤及び銅害防
止剤入り)の配合を表9に示す。
【0114】具体的には、実施例26〜30の基材の配
合は、ポリオレフィン100重量部に対して臭素系難燃
剤3重量部、三酸化アンチモン1.5重量部、老化防止
剤3.5重量部、そして銅害防止剤をそれぞれ0.00
1、0.01、1、3.1、5.2重量部配合したもの
となっている。すなわち、これら実施例26〜30の基
材中に含まれる老化防止剤の含有率は、HF系電線の被
覆材中に含まれる老化防止剤の含有率3%に対し約10
0%相当となっている。また、基材中に含まれる銅害防
止剤の含有量は、基材樹脂成分(ポリオレフィン及び臭
素系難燃剤)100重量部に対しそれぞれ0.001、
0.01、1、3、5重量部となっている。尚、基材の
厚さは0.11mmとした。
【0115】他方、実施例26〜30の粘着剤の配合
は、エマルジョン型アクリル酸樹脂100重量部に対し
て老化防止剤を3重量部、そして銅害防止剤をそれぞれ
0.001、0.01、1、3、5重量部配合したもの
となっている。すなわち、これら実施例26〜30の粘
着剤中に含まれる老化防止剤の含有率は、HF系電線の
被覆材中に含まれる老化防止剤の含有率3%に対し10
0%相当となっている。また、粘着剤中に含まれる銅害
防止剤の含有量は、粘着剤樹脂成分(エマルジョン型ア
クリル酸樹脂)100重量部に対しそれぞれ0.00
1、0.01、1、3、5重量部となっている。尚、粘
着剤の厚さは0.02mmとした。
【0116】これら実施例26〜30に対し、比較とし
て、基材及び粘着剤中に含まれる銅害防止剤が、基材及
び粘着剤樹脂成分100重量部に対し7重量部としたも
のを比較例6とし、また、基材に老害防止剤及び銅害防
止剤を全く配合せず、かつ、粘着剤としてエマルジョン
型アクリル酸樹脂の代わりにスチレンブタジエンゴム7
0重量部、天然ゴム30重量部、亜鉛華20重量部、ロ
ジン系樹脂80重量部を配合したものを従来品6とし
た。
【0117】
【表9】
【0118】(電線束)次に、本発明の一実施例に係る
ワイヤーハーネス保護材としての供試粘着テープが捲着
される電線束について説明する。電線束としては、以下
の3種類の電線束を作製した。
【0119】1種類目は、表1に示した被覆材が被覆さ
れたHF系電線30本を一つに束ねた電線束(以下「H
F系電線単独電線束」という)である。
【0120】2種類目は、表2に示した被覆材が被覆さ
れたPVC系電線と、表1に示した被覆材が被覆された
HF系電線を所定の混在比率で一つに束ねた電線束(以
下「PVC系電線及びHF系電線の混在電線束」とい
う)である。この際、混在比率としては、PVC系電線
とHF系電線の比率(本)が、29(本):1(本)の
場合、20(本):10(本)の場合、1(本):29
(本)の場合の3パターン用意した。
【0121】3種類目は、表3に示した被覆材が被覆さ
れたPVC系電線(老化防止剤入り)と、表1に示した
被覆材が被覆されたHF系電線を所定の混在比率で一つ
に束ねた電線束(以下「PVC系電線(老化防止剤入
り)及びHF系電線の混在電線束」という)である。こ
の際、混在比率としては、PVC系電線(老化防止剤入
り)とHF系電線の比率(本)が、29(本):1
(本)の場合、20(本):10(本)の場合、1
(本):29(本)の場合の3パターン用意した。
【0122】尚、2種類目及び3種類目において、1本
のみが異種電線の場合は、その電線が一応供試粘着テー
プの粘着剤に接触するように束ね、また、20(本):
10(本)の場合は、異種電線が分散状態で束ねられる
ように配慮した。 (供試ワイヤーハーネス)
【0123】次に、本発明の一実施例に係るワイヤーハ
ーネス保護材としての供試粘着テープを電線束の外周に
捲着してなる供試ワイヤーハーネスについて説明する。
上記にて説明したように、供試粘着テープが6種類、電
線束が3種類あるため、供試ワイヤーハーネスとしては
全ての組合せである18種類作製した。
【0124】具体的には、HF系電線単独電線束に対
し、実施例1〜5のPVC系粘着テープ(老化防止剤入
り)を捲着した実施例W1〜W5のワイヤーハーネス、
実施例6〜10のHF系粘着テープ(老化防止剤入り)
を捲着した実施例W6〜W10のワイヤーハーネス、実
施例11〜15のPVC系粘着テープ(銅害防止剤入
り)を捲着した実施例W11〜W15のワイヤーハーネ
ス、実施例16〜20のHF系粘着テープ(銅害防止剤
入り)を捲着した実施例W16〜W20のワイヤーハー
ネス、実施例21〜25のPVC系粘着テープ(老化防
止剤及び銅害防止剤入り)を捲着した実施例W21〜W
25のワイヤーハーネス、実施例26〜30のHF系粘
着テープ(老化防止剤及び銅害防止剤入り)を捲着した
実施例W26〜W30のワイヤーハーネスである。尚、
比較例1〜6、従来品1〜6の各粘着テープをそれぞれ
捲着したワイヤーハーネスを比較として用いた。
【0125】また、PVC系電線及びHF系電線の混在
電線束に対し、実施例1〜5のPVC系粘着テープ(老
化防止剤入り)を捲着した実施例W31〜W35のワイ
ヤーハーネス、実施例6〜10のHF系粘着テープ(老
化防止剤入り)を捲着した実施例W36〜W40のワイ
ヤーハーネス、実施例11〜15のPVC系粘着テープ
(銅害防止剤入り)を捲着した実施例W41〜W45の
ワイヤーハーネス、実施例16〜20のHF系粘着テー
プ(銅害防止剤入り)を捲着した実施例W46〜W50
のワイヤーハーネス、実施例21〜25のPVC系粘着
テープ(老化防止剤及び銅害防止剤入り)を捲着した実
施例W51〜W55のワイヤーハーネス、実施例26〜
30HF系粘着テープ(老化防止剤及び銅害防止剤入
り)を捲着した実施例W56〜W60のワイヤーハーネ
スである。尚、比較例1〜6、従来品1〜6の各粘着テ
ープをそれぞれ捲着したワイヤーハーネスを比較として
用いた。
【0126】そしてまた、PVC系電線(老化防止剤入
り)及びHF系電線の混在電線束に対し、実施例1〜5
のPVC系粘着テープ(老化防止剤入り)を捲着した実
施例W61〜W65のワイヤーハーネス、実施例6〜1
0のHF系粘着テープ(老化防止剤入り)を捲着した実
施例W66〜W70のワイヤーハーネス、実施例11〜
15のPVC系粘着テープ(銅害防止剤入り)を捲着し
た実施例W71〜W75のワイヤーハーネス、実施例1
6〜20のHF系粘着テープ(銅害防止剤入り)を捲着
した実施例W76〜W80のワイヤーハーネス、実施例
21〜25のPVC系粘着テープ(老化防止剤及び銅害
防止剤入り)を捲着した実施例W81〜W85のワイヤ
ーハーネス、実施例26〜30のHF系粘着テープ(老
化防止剤及び銅害防止剤入り)を捲着した実施例W86
〜W90のワイヤーハーネスである。尚、比較例1〜
6、従来品1〜6の各粘着テープをそれぞれ捲着したワ
イヤーハーネスを比較として用いた。
【0127】(試験方法)そして上記のとおり作製した
供試ワイヤーハーネスを用いて種々の確認試験を行っ
た。確認試験の内容としては、各供試ワイヤーハーネス
を150℃の恒温槽に96時間(hr)放置し、その後
恒温槽から取り出してそれぞれ供試粘着テープを剥が
し、各電線束中の電線をそれぞれ10φマンドレルに巻
き付け、電線の被覆材に亀裂が生じるか否か目視にて確
認した。そしてこの試験結果に、供試ワイヤーハーネス
の作製時における供試粘着テープの電線束への巻き付け
作業性の良/不良、供試粘着テープ作製時の粘着剤の塗
糊性の良/不良についての試験結果も合わせ総合評価を
行ったものである。尚、供試粘着テープの内、銅害防止
剤を添加したものについては、外観評価も行っている。
【0128】(試験結果) 1.HF系電線単独電線束にPVC系粘着テープ(老化
防止剤入り)を捲着したワイヤーハーネス(以下単に
「HF系電線単独電線束×PVC系粘着テープ(老化防
止剤入り)」と表記し、特に示さない限り、他のワイヤ
ーハーネスについても同様に表記する)
【0129】HF系電線単独電線束×PVC系粘着テー
プ(老化防止剤入り)の試験結果を表10に示す。その
結果、マンドレルへの巻き付け試験においては、従来品
W1のワイヤーハーネス中のHF系電線に亀裂が入り不
良と判定された。これは、従来品1のPVC系粘着テー
プの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因子及び基材に
含まれる基材側劣化促進因子がHF系電線の被覆材中へ
移行するのを阻止することができなかったためと解され
る。
【0130】これに対して実施例W1〜5のワイヤーハ
ーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け試験
でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、実施
例1〜5のPVC系粘着テープ(老化防止剤入り)の粘
着剤にエマルジョン型アクリル酸樹脂を用いているの
で、粘着剤に含まれる粘着剤側劣化因子がHF系電線の
被覆材中へ移行することがなかったためと解される。更
に、粘着剤及び基材中に予め老化防止剤が好適な範囲で
含有されているので、基材側劣化促進因子がHF系電線
の被覆材中へ移行しても、これに起因して被覆材中の老
化防止剤が減少してしまうことが阻止又は抑制されたこ
とにもよると解される。
【0131】他方、テープ巻き付け作業性及び塗糊性に
ついては、比較例1のPVC系粘着テープ(老化防止剤
入り)が不良と判定された。これは、過剰の老化防止剤
が配合されていたためと解される。これに対して実施例
1〜5のPVC系粘着テープ(老化防止剤入り)は、テ
ープ巻き付け作業性及び塗糊性ともに良好との判定が得
られた。これは、好適な範囲で老化防止剤が配合されて
いたためと解される。以上により、上記本発明品は全体
として総合評価が良好(○)と判定された。
【0132】
【表10】
【0133】2.HF系電線単独電線束×HF系粘着テ
ープ(老化防止剤入り)
【0134】HF系電線単独電線束×HF系粘着テープ
(老化防止剤入り)の試験結果を表11に示す。その結
果、マンドレルへの巻き付け試験においては、従来品W
2のHF系電線に亀裂が入り不良と判定された。これ
は、従来品2のHF系粘着テープの粘着剤に含まれる粘
着剤側劣化促進因子がHF系電線の被覆材中へ移行する
のを阻止することができなかったためと解される。
【0135】また、従来品2のHF系粘着テープ自体に
も亀裂が入り不良と判定された。これは、従来品2のH
F系粘着テープの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因
子が基材中へ移行してしまったたためと解される。
【0136】これに対して実施例W6〜10のワイヤー
ハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け試
験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、実
施例6〜10のHF系粘着テープ(老化防止剤入り)の
粘着剤にエマルジョン型アクリル酸樹脂を用いているの
で、粘着剤に含まれる粘着剤側劣化因子がHF系電線の
被覆材中へ移行することがなかったためと解される。
【0137】他方、テープ巻き付け作業性及び塗糊性に
ついては、比較例2のHF系粘着テープ(老化防止剤入
り)が不良と判定された。これは、過剰の老化防止剤が
配合されていたためと解される。これに対して実施例6
〜10のHF系粘着テープ(老化防止剤入り)は、テー
プ巻き付け作業性及び塗糊性ともに良好との判定が得ら
れた。これは、好適な範囲で老化防止剤が配合されてい
たためと解される。以上により、上記本発明品は全体と
して総合評価が良好(○)と判定された。
【0138】
【表11】
【0139】3.HF系電線単独電線束×PVC系粘着
テープ(銅害防止剤入り)
【0140】HF系電線単独電線束×PVC系粘着テー
プ(銅害防止剤入り)の試験結果を表12に示す。その
結果、マンドレルへの巻き付け試験においては、従来品
W3のワイヤーハーネス中のHF系電線に亀裂が入り不
良と判定された。これは、従来品3のPVC系粘着テー
プの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因子及び基材に
含まれる基材側劣化促進因子がHF系電線の被覆材中へ
移行するのを阻止することができなかったためと解され
る。
【0141】これに対して実施例W11〜15のワイヤ
ーハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け
試験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、
実施例11〜15のPVC系粘着テープ(銅害防止剤入
り)の粘着剤にエマルジョン型アクリル酸樹脂を用いて
いるので、粘着剤に含まれる粘着剤側劣化因子がHF系
電線の被覆材中へ移行することがなかったためと解され
る。更に、粘着剤及び基材中に予め銅害防止剤が好適な
範囲で含有されているので、HF系電線の被覆材中に銅
害防止剤が補給され、基材側劣化促進因子がHF系電線
の被覆材中へ移行しても、これに起因して被覆材中の銅
害防止剤が減少してしまうことが阻止又は抑制されたこ
とにもよると解される。
【0142】他方、テープ巻き付け作業性、テープ外観
及び塗糊性については、比較例3のPVC系粘着テープ
(銅害防止剤入り)が不良と判定された。これは、過剰
の銅害防止剤が配合されていたためと解される。これに
対して実施例11〜15のPVC系粘着テープ(銅害防
止剤入り)は、テープ巻き付け作業性、テープ外観及び
塗糊性ともに良好との判定が得られた。これは、好適な
範囲で銅害防止剤が配合されていたためと解される。以
上により、上記本発明品は全体として総合評価が良好
(○)と判定された。
【0143】
【表12】
【0144】4.HF系電線単独電線束×HF系粘着テ
ープ(銅害防止剤入り)
【0145】HF系電線単独電線束×HF系粘着テープ
(銅害防止剤入り)の試験結果を表13に示す。その結
果、マンドレルへの巻き付け試験においては、従来品W
4のHF系電線に亀裂が入り不良と判定された。これ
は、従来品4のHF系粘着テープの粘着剤に含まれる粘
着剤側劣化促進因子がHF系電線の被覆材中へ移行する
のを阻止することができなかったためと解される。
【0146】また、従来品4のHF系粘着テープ自体に
も亀裂が入り不良と判定された。これは、従来品4のH
F系粘着テープの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因
子が基材中へ移行してしまったたためと解される。
【0147】これに対して実施例W16〜20のワイヤ
ーハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け
試験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、
実施例16〜20のHF系粘着テープ(銅害防止剤入
り)の粘着剤にエマルジョン型アクリル酸樹脂を用いて
いるので、粘着剤に含まれる粘着剤側劣化因子がHF系
電線の被覆材中へ移行することがなかったためと解され
る。
【0148】他方、テープ巻き付け作業性、テープ外観
及び塗糊性については、比較例4のHF系粘着テープ
(銅害防止剤入り)が不良と判定された。これは、過剰
の銅害防止剤が配合されていたためと解される。これに
対して実施例16〜20のHF系粘着テープ(銅害防止
剤入り)は、テープ巻き付け作業性、テープ外観及び塗
糊性ともに良好との判定が得られた。これは、好適な範
囲で銅害防止剤が配合されていたためと解される。以上
により、上記本発明品は全体として総合評価が良好
(○)と判定された。
【0149】
【表13】
【0150】5.HF系電線単独電線束×PVC系粘着
テープ(老化防止剤及び銅害防止剤入り)
【0151】HF系電線単独電線束×PVC系粘着テー
プ(老化防止剤及び銅害防止剤入り)の試験結果を表1
4に示す。その結果、マンドレルへの巻き付け試験にお
いては、従来品W5のワイヤーハーネス中のHF系電線
に亀裂が入り不良と判定された。これは、従来品5のP
VC系粘着テープの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進
因子及び基材に含まれる基材側劣化促進因子がHF系電
線の被覆材中へ移行するのを阻止することができなかっ
たためと解される。
【0152】これに対して実施例W21〜25のワイヤ
ーハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け
試験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、
実施例21〜25のPVC系粘着テープ(老化防止剤及
び銅害防止剤入り)の粘着剤にエマルジョン型アクリル
酸樹脂を用いているので、粘着剤に含まれる粘着剤側劣
化因子がHF系電線の被覆材中へ移行することがなかっ
たためと解される。
【0153】更に、粘着剤及び基材中に予め老化防止剤
及び銅害防止剤が好適な範囲で含有されているので、基
材側劣化促進因子がHF系電線の被覆材中へ移行して
も、被覆材中の老化防止剤の減少や、銅イオンによる銅
害の発生を回避するできたことによる効果も大きかった
ものと解される。
【0154】他方、テープ巻き付け作業性、テープ外観
及び塗糊性については、比較例5のPVC系粘着テープ
(老化防止剤及び銅害防止剤入り)が不良と判定され
た。これは、過剰の銅害防止剤が配合されていたためと
解される。これに対して実施例21〜25のPVC系粘
着テープ(老化防止剤及び銅害防止剤入り)は、テープ
巻き付け作業性、テープ外観及び塗糊性ともに良好との
判定が得られた。これは好適な範囲で老化防止剤及び銅
害防止剤が配合されていたためと解される。以上によ
り、上記本発明品は全体として総合評価が良好(○)と
判定された。
【0155】
【表14】
【0156】6.HF系電線単独電線束×HF系粘着テ
ープ(老化防止剤及び銅害防止剤入り)
【0157】HF系電線単独電線束×HF系粘着テープ
(老化防止剤及び銅害防止剤入り)の試験結果を表15
に示す。その結果、マンドレルへの巻き付け試験におい
ては、従来品W6のワイヤーハーネス中のHF系電線に
亀裂が入り不良と判定された。これは、従来品6のHF
系粘着テープの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因子
がHF系電線の被覆材中へ移行するのを阻止することが
できなかったためと解される。
【0158】また、従来品6のHF系粘着テープ自体に
も亀裂が入り不良と判定された。これは、従来品6のH
F系粘着テープの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因
子が基材中へ移行してしまったたためと解される。
【0159】これに対して実施例W26〜30のワイヤ
ーハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け
試験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、
実施例26〜30のHF系粘着テープ(老化防止剤及び
銅害防止剤入り)の粘着剤にエマルジョン型アクリル酸
樹脂を用いているので、粘着剤に含まれる粘着剤側劣化
因子がHF系電線の被覆材中へ移行することがなかった
ためと解される。
【0160】他方、テープ巻き付け作業性、テープ外観
及び塗糊性については、比較例6のHF系粘着テープ
(老化防止剤及び銅害防止剤入り)が不良と判定され
た。これは、過剰の銅害防止剤が配合されていたためと
解される。これに対して実施例26〜30のHF系粘着
テープ(老化防止剤及び銅害防止剤入り)は、テープ巻
き付け作業性、テープ外観及び塗糊性ともに良好との判
定が得られた。これは、好適な範囲で老化防止剤及び銅
害防止剤が配合されていたためと解される。以上によ
り、上記本発明品は全体として総合評価が良好(○)と
判定された。
【0161】
【表15】
【0162】7.〔PVC系電線及びHF系電線の混在
電線束〕×PVC系粘着テープ(老化防止剤入り)
【0163】〔PVC系電線及びHF系電線の混在電線
束〕×PVC系粘着テープ(老化防止剤入り)の試験結
果を表16に示す。その結果、マンドレルへの巻き付け
試験においては、従来品W7の29本:1本、20本:
10本、1本:29本のいずれのワイヤーハーネスの場
合であっても、HF系電線に亀裂が入り不良と判定され
た。これは、従来品1のPVC系粘着テープの粘着剤に
含まれる粘着剤側劣化促進因子及び基材に含まれる基材
側劣化促進因子がHF系電線の被覆材中へ移行するのを
阻止することができなかったためと解される。
【0164】中でも、PVC系電線とHF系電線の比率
が29本:1本のワイヤーハーネスにおいては、特にH
F系電線の劣化が激しくなる傾向が確認された。これ
は、PVC系電線の被覆材中に含まれる可塑剤等がHF
系電線の被覆材中に移行したことに起因するものと解さ
れる。
【0165】これに対して実施例W31〜35のワイヤ
ーハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け
試験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、
実施例1〜5のPVC系粘着テープ(老化防止剤入り)
の粘着剤にエマルジョン型アクリル酸樹脂を用いている
ので、粘着剤に含まれる粘着剤側劣化因子がHF系電線
の被覆材中へ移行することがなかったためと解される。
更に、粘着剤及び基材中に予め老化防止剤が好適な範囲
で含有されているので、基材側劣化促進因子がHF系電
線の被覆材中へ移行しても、これに起因して被覆材中の
老化防止剤が減少してしまうことが阻止又は抑制された
ことにもよると解される。
【0166】ただこの場合も、PVC系電線の被覆材中
に含まれる可塑剤等がHF系電線の被覆材中に移行する
ため、この電線間における移行に起因してHF系電線が
劣化すると考えられるが、いずれの実施例においても問
題がなかったということは、PVC系粘着テープ(老化
防止剤入り)中の老化防止剤がHF系電線の被覆材中に
移行し、被覆材中に老化防止剤が補給されたことによる
と解される。
【0167】他方、テープ巻き付け作業性及び塗糊性に
ついては、比較例1のPVC系粘着テープ(老化防止剤
入り)が不良と判定された。これは、過剰の老化防止剤
が配合されていたためと解される。これに対して実施例
1〜5のPVC系粘着テープ(老化防止剤入り)は、テ
ープ巻き付け作業性及び塗糊性ともに良好との判定が得
られた。これは、好適な範囲で老化防止剤が配合されて
いたためと解される。以上により、上記本発明品は全体
として総合評価が良好(○)と判定された。
【0168】
【表16】
【0169】8.〔PVC系電線及びHF系電線の混在
電線束〕×HF系粘着テープ(老化防止剤入り)
【0170】〔PVC系電線及びHF系電線の混在電線
束〕×HF系粘着テープ(老化防止剤入り)の試験結果
を表17に示す。その結果、マンドレルへの巻き付け試
験においては、従来品W8の29本:1本、20本:1
0本、1本:29本のいずれのワイヤーハーネスの場合
であっても、HF系電線に亀裂が入り不良と判定され
た。これは、従来品2のHF系粘着テープの粘着剤に含
まれる粘着剤側劣化促進因子がHF系電線の被覆材中へ
移行するのを阻止することができなかったためと解され
る。
【0171】中でも、PVC系電線とHF系電線の比率
が29本:1本のワイヤーハーネスにおいては、特にH
F系電線の劣化が激しくなる傾向が確認された。これ
は、PVC系電線の被覆材中に含まれる可塑剤等がHF
系電線の被覆材中に移行したことに起因するものと解さ
れる。
【0172】また、従来品2のHF系粘着テープ自体に
も亀裂が入り不良と判定された。これは、従来品2のH
F系粘着テープの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因
子が基材中へ移行してしまったたためと解される。
【0173】これに対して実施例W36〜40のワイヤ
ーハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け
試験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、
実施例6〜10のHF系粘着テープ(老化防止剤入り)
の粘着剤にエマルジョン型アクリル酸樹脂を用いている
ので、粘着剤に含まれる粘着剤側劣化因子がHF系電線
の被覆材中へ移行することがなかったためと解される。
【0174】ただこの場合も、PVC系電線の被覆材中
に含まれる可塑剤等がHF系電線の被覆材中に移行する
ため、この電線間における移行に起因してHF系電線が
劣化すると考えられるが、いずれの実施例においても問
題がなかったということは、HF系粘着テープ(老化防
止剤入り)中の老化防止剤がHF系電線の被覆材中に移
行し、被覆材中に老化防止剤が補給されたことによると
解される。
【0175】他方、テープ巻き付け作業性及び塗糊性に
ついては、比較例2のHF系粘着テープ(老化防止剤入
り)が不良と判定された。これは、過剰の老化防止剤が
配合されていたためと解される。これに対して実施例6
〜10のHF系粘着テープ(老化防止剤入り)は、テー
プ巻き付け作業性及び塗糊性ともに良好との判定が得ら
れた。これは、好適な範囲で老化防止剤が配合されてい
たためと解される。以上により、上記本発明品は全体と
して総合評価が良好(○)と判定された。
【0176】
【表17】
【0177】9.〔PVC系電線及びHF系電線の混在
電線束〕×PVC系粘着テープ(銅害防止剤入り)
【0178】〔PVC系電線及びHF系電線の混在電線
束〕×PVC系粘着テープ(銅害防止剤入り)の試験結
果を表18に示す。その結果、マンドレルへの巻き付け
試験においては、従来品W9の29本:1本、20本:
10本、1本:29本のいずれのワイヤーハーネスの場
合であっても、HF系電線に亀裂が入り不良と判定され
た。これは、従来品3のPVC系粘着テープの粘着剤に
含まれる粘着剤側劣化促進因子及び基材に含まれる基材
側劣化促進因子がHF系電線の被覆材中へ移行するのを
阻止することができなかったためと解される。
【0179】中でも、PVC系電線とHF系電線の比率
が29本:1本のワイヤーハーネスにおいては、特にH
F系電線の劣化が激しくなる傾向が確認された。これ
は、PVC系電線の被覆材中に含まれる可塑剤等がHF
系電線の被覆材中に移行したことに起因するものと解さ
れる。
【0180】これに対して実施例W41〜45のワイヤ
ーハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け
試験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、
実施例11〜15のPVC系粘着テープ(銅害防止剤入
り)の粘着剤にエマルジョン型アクリル酸樹脂を用いて
いるので、粘着剤に含まれる粘着剤側劣化因子がHF系
電線の被覆材中へ移行することがなかったためと解され
る。更に、粘着剤及び基材中に予め銅害防止剤が好適な
範囲で含有されているので、HF系電線の被覆材中に銅
害防止剤が補給され、基材側劣化促進因子がHF系電線
の被覆材中へ移行しても、これに起因して被覆材中の銅
害防止剤が減少してしまうことが阻止又は抑制されたこ
とにもよると解される。
【0181】ただこの場合も、PVC系電線の被覆材中
に含まれる可塑剤等がHF系電線の被覆材中に移行する
ため、この電線間における移行に起因してHF系電線が
劣化すると考えられるが、いずれの実施例においても問
題がなかったということは、PVC系粘着テープ(銅害
防止剤入り)中の銅害防止剤がHF系電線の被覆材中に
移行し、被覆材中に銅害防止剤が補給されたことによる
と解される。
【0182】他方、テープ巻き付け作業性、テープ外観
及び塗糊性については、比較例3のPVC系粘着テープ
(銅害防止剤入り)が不良と判定された。これは、過剰
の銅害防止剤が配合されていたためと解される。これに
対して実施例11〜15のPVC系粘着テープ(銅害防
止剤入り)は、テープ巻き付け作業性、テープ外観及び
塗糊性ともに良好との判定が得られた。これは、好適な
範囲で銅害防止剤が配合されていたためと解される。以
上により、上記本発明品は全体として総合評価が良好
(○)と判定された。
【0183】
【表18】
【0184】10.〔PVC系電線及びHF系電線の混
在電線束〕×HF系粘着テープ(銅害防止剤入り)
【0185】〔PVC系電線及びHF系電線の混在電線
束〕×HF系粘着テープ(銅害防止剤入り)の試験結果
を表19に示す。マンドレルへの巻き付け試験において
は、従来品W10の29本:1本、20本:10本、1
本:29本のいずれのワイヤーハーネスの場合であって
も、HF系電線に亀裂が入り不良と判定された。これ
は、従来品4のHF系粘着テープの粘着剤に含まれる粘
着剤側劣化促進因子がHF系電線の被覆材中へ移行する
のを阻止することができなかったためと解される。
【0186】中でも、PVC系電線とHF系電線の比率
が29本:1本のワイヤーハーネスにおいては、特にH
F系電線の劣化が激しくなる傾向が確認された。これ
は、PVC系電線の被覆材中に含まれる可塑剤等がHF
系電線の被覆材中に移行したことに起因するものと解さ
れる。
【0187】また、従来品4のHF系粘着テープ自体に
も亀裂が入り不良と判定された。これは、従来品4のH
F系粘着テープの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因
子が基材中へ移行してしまったためと解される。
【0188】これに対して実施例W46〜50のワイヤ
ーハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け
試験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、
実施例16〜20のHF系粘着テープ(銅害防止剤入
り)の粘着剤にエマルジョン型アクリル酸樹脂を用いて
いるので、粘着剤に含まれる粘着剤側劣化因子がHF系
電線の被覆材中へ移行することがなかったためと解され
る。
【0189】ただこの場合も、PVC系電線の被覆材中
に含まれる可塑剤等がHF系電線の被覆材中に移行する
ため、この電線間における移行に起因してHF系電線が
劣化すると考えられるが、いずれの実施例においても問
題がなかったということは、HF系粘着テープ(銅害防
止剤入り)中の銅害防止剤がHF系電線の被覆材中に移
行し、被覆材中に銅害防止剤が補給されたことによると
解される。
【0190】他方、テープ巻き付け作業性、テープ外観
及び塗糊性については、比較例4のHF系粘着テープ
(銅害防止剤入り)が不良と判定された。これは、過剰
の銅害防止剤が配合されていたためと解される。これに
対して実施例16〜20のHF系粘着テープ(銅害防止
剤入り)は、テープ巻き付け作業性、テープ外観及び塗
糊性ともに良好との判定が得られた。これは、好適な範
囲で銅害防止剤が配合されていたためと解される。以上
により、上記本発明品は全体として総合評価が良好
(○)と判定された。
【0191】
【表19】
【0192】11.〔PVC系電線及びHF系電線の混
在電線束〕×PVC系粘着テープ(老化防止剤及び銅害
防止剤入り)
【0193】〔PVC系電線及びHF系電線の混在電線
束〕×PVC系粘着テープ(老化防止剤及び銅害防止剤
入り)の試験結果を表20に示す。その結果、マンドレ
ルへの巻き付け試験においては、従来品W11の29
本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれのワ
イヤーハーネスの場合であっても、HF系電線に亀裂が
入り不良と判定された。これは、従来品15のPVC系
粘着テープの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因子及
び基材に含まれる基材側劣化促進因子がHF系電線の被
覆材中へ移行するのを阻止することができなかったため
と解される。
【0194】中でも、PVC系電線とHF系電線の比率
が29本:1本のワイヤーハーネスにおいては、特にH
F系電線の劣化が激しくなる傾向が確認された。これ
は、PVC系電線の被覆材中に含まれる可塑剤等がHF
系電線の被覆材中に移行したことに起因するものと解さ
れる。
【0195】これに対して実施例W51〜55のワイヤ
ーハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け
試験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、
実施例21〜25のPVC系粘着テープ(老化防止剤及
び銅害防止剤入り)の粘着剤にエマルジョン型アクリル
酸樹脂を用いているので、粘着剤に含まれる粘着剤側劣
化因子がHF系電線の被覆材中へ移行することがなかっ
たためと解される。
【0196】更に、粘着剤及び基材中に予め老化防止剤
及び銅害防止剤が好適な範囲で含有されているので、基
材側劣化促進因子がHF系電線の被覆材中へ移行して
も、被覆材中の老化防止剤の減少や、銅イオンによる銅
害の発生を回避するできたことによる効果も大きかった
ものと解される。
【0197】ただこの場合も、PVC系電線の被覆材中
に含まれる可塑剤等がHF系電線の被覆材中に移行する
ため、この電線間における移行に起因してHF系電線が
劣化すると考えられるが、いずれの実施例においても問
題がなかったということは、PVC系粘着テープ(老害
防止剤及び銅害防止剤入り)中の老害防止剤及び銅害防
止剤がHF系電線の被覆材中に移行し、被覆材中に老化
防止剤及び銅害防止剤が補給されたことによると解され
る。
【0198】他方、テープ巻き付け作業性、テープ外観
及び塗糊性については、比較例5のPVC系粘着テープ
(老化防止剤及び銅害防止剤入り)が不良と判定され
た。これは、過剰の銅害防止剤が配合されていたためと
解される。これに対して実施例21〜25のPVC系粘
着テープ(老化防止剤及び銅害防止剤入り)は、テープ
巻き付け作業性、テープ外観及び塗糊性ともに良好との
判定が得られた。これは好適な範囲で老化防止剤及び銅
害防止剤が配合されていたためと解される。以上によ
り、上記本発明品は全体として総合評価が良好(○)と
判定された。
【0199】
【表20】
【0200】12.〔PVC系電線及びHF系電線の混
在電線束〕×HF系粘着テープ(老化防止剤及び銅害防
止剤入り)
【0201】〔PVC系電線及びHF系電線の混在電線
束〕×HF系粘着テープ(老化防止剤及び銅害防止剤入
り)の試験結果を表21に示す。その結果、マンドレル
への巻き付け試験においては、従来品W12の29本:
1本、20本:10本、1本:29本のいずれのワイヤ
ーハーネスの場合であっても、HF系電線に亀裂が入り
不良と判定された。これは、従来品6のHF系粘着テー
プの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因子がHF系電
線の被覆材中へ移行するのを阻止することができなかっ
たためと解される。
【0202】中でも、PVC系電線とHF系電線の比率
が29本:1本のワイヤーハーネスにおいては、特にH
F系電線の劣化が激しくなる傾向が確認された。これ
は、PVC系電線の被覆材中に含まれる可塑剤等がHF
系電線の被覆材中に移行したことに起因するものと解さ
れる。
【0203】また、従来品6のHF系粘着テープ自体に
も亀裂が入り不良と判定された。これは、従来品6のH
F系粘着テープの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因
子が基材中へ移行してしまったためと解される。
【0204】これに対して実施例W56〜60のワイヤ
ーハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け
試験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、
実施例26〜30のHF系粘着テープ(老化防止剤及び
銅害防止剤入り)の粘着剤にエマルジョン型アクリル酸
樹脂を用いているので、粘着剤に含まれる粘着剤側劣化
因子がHF系電線の被覆材中へ移行することがなかった
ためと解される。
【0205】ただこの場合も、PVC系電線の被覆材中
に含まれる可塑剤等がHF系電線の被覆材中に移行する
ため、この電線間における移行に起因してHF系電線が
劣化すると考えられるが、いずれの実施例においても問
題がなかったということは、HF系粘着テープ(老化防
止剤入り及び銅害防止剤入り)中の老化防止剤及び銅害
防止剤がHF系電線の被覆材中に移行し、被覆材中に銅
害防止剤が補給されたことによると解される。
【0206】他方、テープ巻き付け作業性、テープ外観
及び塗糊性については、比較例6のHF系粘着テープ
(老化防止剤及び銅害防止剤入り)が不良と判定され
た。これは、過剰の銅害防止剤が配合されていたためと
解される。これに対して実施例26〜30のHF系粘着
テープ(老化防止剤及び銅害防止剤入り)は、テープ巻
き付け作業性、テープ外観及び塗糊性ともに良好との判
定が得られた。これは、好適な範囲で老化防止剤及び銅
害防止剤が配合されていたためと解される。以上によ
り、上記本発明品は全体として総合評価が良好(○)と
判定された。
【0207】
【表21】
【0208】13.〔PVC系電線(老化防止剤入り)
及びHF系電線の混在電線束〕×PVC系粘着テープ
(老化防止剤入り)
【0209】〔PVC系電線(老化防止剤入り)及びH
F系電線の混在電線束〕×PVC系粘着テープ(老化防
止剤入り)の試験結果を表22に示す。その結果、マン
ドレルへの巻き付け試験においては、従来品W13の2
9本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの
ワイヤーハーネスの場合であっても、HF系電線に亀裂
が入り不良と判定された。これは、従来品1のPVC系
粘着テープの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因子及
び基材に含まれる基材側劣化促進因子がHF系電線の被
覆材中へ移行するのを阻止することができなかったため
と解される。
【0210】これに対して実施例W61〜65のワイヤ
ーハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け
試験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、
実施例1〜5のPVC系粘着テープ(老化防止剤入り)
の粘着剤にエマルジョン型アクリル酸樹脂を用いている
ので、粘着剤に含まれる粘着剤側劣化因子がHF系電線
の被覆材中へ移行することがなかったためと解される。
更に、粘着剤及び基材中に予め老化防止剤が好適な範囲
で含有されているので、基材側劣化促進因子がHF系電
線の被覆材中へ移行しても、これに起因して被覆材中の
老化防止剤が減少してしまうことが阻止又は抑制された
ことにもよると解される。
【0211】更に上記に加えて、本実施例においては、
PVC系電線(老化防止剤入り)を用いているので、P
VC系電線(老化防止剤入り)の被覆材中に含まれる可
塑剤等がHF系電線の被覆材中に移行しても、電線間に
おける移行に起因するHF系電線の被覆材の劣化を防止
することができたことによる効果も大きかったものと解
される。
【0212】他方、テープ巻き付け作業性及び塗糊性に
ついては、比較例1のPVC系粘着テープ(老化防止剤
入り)が不良と判定された。これは、過剰の老化防止剤
が配合されていたためと解される。これに対して実施例
1〜5のPVC系粘着テープ(老化防止剤入り)は、テ
ープ巻き付け作業性及び塗糊性ともに良好との判定が得
られた。これは、好適な範囲で老化防止剤が配合されて
いたためと解される。以上により、上記本発明品は全体
として総合評価が良好(○)と判定された。
【0213】
【表22】
【0214】14.〔PVC系電線(老化防止剤入り)
及びHF系電線の混在電線束〕×HF系粘着テープ(老
化防止剤入り)
【0215】〔PVC系電線(老化防止剤入り)及びH
F系電線の混在電線束〕×HF系粘着テープ(老化防止
剤入り)の試験結果を表23に示す。その結果、マンド
レルへの巻き付け試験においては、従来品W14の29
本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれのワ
イヤーハーネスの場合であっても、HF系電線に亀裂が
入り不良と判定された。これは、従来品14のHF系粘
着テープの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因子がH
F系電線の被覆材中へ移行するのを阻止することができ
なかったためと解される。
【0216】また、従来品2のHF系粘着テープ自体に
も亀裂が入り不良と判定された。これは、従来品2のH
F系粘着テープの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因
子が基材中へ移行してしまったたためと解される。
【0217】これに対して実施例W66〜70のワイヤ
ーハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け
試験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、
実施例6〜10のHF系粘着テープ(老化防止剤入り)
の粘着剤にエマルジョン型アクリル酸樹脂を用いている
ので、粘着剤に含まれる粘着剤側劣化因子がHF系電線
の被覆材中へ移行することがなかったためと解される。
【0218】更に上記に加えて、本実施例においては、
PVC系電線(老化防止剤入り)を用いているので、P
VC系電線(老化防止剤入り)の被覆材中に含まれる可
塑剤等がHF系電線の被覆材中に移行しても、電線間に
おける移行に起因するHF系電線の被覆材の劣化を防止
することができたことによる効果も大きかったものと解
される。
【0219】他方、テープ巻き付け作業性及び塗糊性に
ついては、比較例2のHF系粘着テープ(老化防止剤入
り)が不良と判定された。これは、過剰の老化防止剤が
配合されていたためと解される。これに対して実施例6
〜10のHF系粘着テープ(老化防止剤入り)は、テー
プ巻き付け作業性及び塗糊性ともに良好との判定が得ら
れた。これは、好適な範囲で老化防止剤が配合されてい
たためと解される。以上により、上記本発明品は全体と
して総合評価が良好(○)と判定された。
【0220】
【表23】
【0221】15.〔PVC系電線(老化防止剤入り)
及びHF系電線の混在電線束〕×PVC系粘着テープ
(銅害防止剤入り)
【0222】〔PVC系電線(老化防止剤入り)及びH
F系電線の混在電線束〕×PVC系粘着テープ(銅害防
止剤入り)の試験結果を表24に示す。マンドレルへの
巻き付け試験においては、従来品W15の29本:1
本、20本:10本、1本:29本のいずれのワイヤー
ハーネスの場合であっても、HF系電線に亀裂が入り不
良と判定された。これは、従来品3のPVC系粘着テー
プの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因子及び基材に
含まれる基材側劣化促進因子がHF系電線の被覆材中へ
移行するのを阻止することができなかったためと解され
る。
【0223】これに対して実施例W71〜75のワイヤ
ーハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け
試験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、
実施例11〜15のPVC系粘着テープ(銅害防止剤入
り)の粘着剤にエマルジョン型アクリル酸樹脂を用いて
いるので、粘着剤に含まれる粘着剤側劣化因子がHF系
電線の被覆材中へ移行することがなかったためと解され
る。更に、粘着剤及び基材中に予め銅害防止剤が好適な
範囲で含有されているので、HF系電線の被覆材中に銅
害防止剤が補給され、基材側劣化促進因子がHF系電線
の被覆材中へ移行しても、これに起因して被覆材中の銅
害防止剤が減少してしまうことが阻止又は抑制されたこ
とにもよると解される。
【0224】更に上記に加えて、本実施例においては、
PVC系電線(老化防止剤入り)を用いているので、P
VC系電線(老化防止剤入り)の被覆材中に含まれる可
塑剤等がHF系電線の被覆材中に移行しても、電線間に
おける移行に起因するHF系電線の被覆材の劣化を防止
することができたことによる効果も大きかったものと解
される。
【0225】他方、テープ巻き付け作業性、テープ外観
及び塗糊性については、比較例3のPVC系粘着テープ
(銅害防止剤入り)が不良と判定された。これは、過剰
の銅害防止剤が配合されていたためと解される。これに
対して実施例11〜15のPVC系粘着テープ(銅害防
止剤入り)は、テープ巻き付け作業性、テープ外観及び
塗糊性ともに良好との判定が得られた。これは、好適な
範囲で銅害防止剤が配合されていたためと解される。以
上により、上記本発明品は全体として総合評価が良好
(○)と判定された。
【0226】
【表24】
【0227】16.〔PVC系電線(老化防止剤入り)
及びHF系電線の混在電線束〕×HF系粘着テープ(銅
害防止剤入り)
【0228】〔PVC系電線(老化防止剤入り)及びH
F系電線の混在電線束〕×HF系粘着テープ(銅害防止
剤入り)の試験結果を表25に示す。マンドレルへの巻
き付け試験においては、従来品W16の29本:1本、
20本:10本、1本:29本のいずれのワイヤーハー
ネスの場合であっても、HF系電線に亀裂が入り不良と
判定された。これは、従来品4のHF系粘着テープの粘
着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因子がHF系電線の被
覆材中へ移行するのを阻止することができなかったため
と解される。
【0229】また、従来品4のHF系粘着テープ自体に
も亀裂が入り不良と判定された。これは、従来品4のH
F系粘着テープの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因
子が基材中へ移行してしまったたためと解される。
【0230】これに対して実施例W76〜80のワイヤ
ーハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け
試験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、
実施例16〜20のHF系粘着テープ(銅害防止剤入
り)の粘着剤にエマルジョン型アクリル酸樹脂を用いて
いるので、粘着剤に含まれる粘着剤側劣化因子がHF系
電線の被覆材中へ移行することがなかったためと解され
る。
【0231】更に上記に加えて、本実施例においては、
PVC系電線(老化防止剤入り)を用いているので、P
VC系電線(老化防止剤入り)の被覆材中に含まれる可
塑剤等がHF系電線の被覆材中に移行しても、電線間に
おける移行に起因するHF系電線の被覆材の劣化を防止
することができたことによる効果も大きかったものと解
される。
【0232】他方、テープ巻き付け作業性、テープ外観
及び塗糊性については、比較例4のHF系粘着テープ
(銅害防止剤入り)が不良と判定された。これは、過剰
の銅害防止剤が配合されていたためと解される。これに
対して実施例16〜20のHF系粘着テープ(銅害防止
剤入り)は、テープ巻き付け作業性、テープ外観及び塗
糊性ともに良好との判定が得られた。これは、好適な範
囲で銅害防止剤が配合されていたためと解される。以上
により、上記本発明品は全体として総合評価が良好
(○)と判定された。
【0233】
【表25】
【0234】17.〔PVC系電線(老化防止剤入り)
及びHF系電線の混在電線束〕×PVC系粘着テープ
(老化防止剤及び銅害防止剤入り)
【0235】〔PVC系電線(老化防止剤入り)及びH
F系電線の混在電線束〕×PVC系粘着テープ(老化防
止剤及び銅害防止剤入り)の試験結果を表26に示す。
その結果、マンドレルへの巻き付け試験においては、従
来品W17の29本:1本、20本:10本、1本:2
9本のいずれのワイヤーハーネスの場合であっても、H
F系電線に亀裂が入り不良と判定された。これは、従来
品17のPVC系粘着テープの粘着剤に含まれる粘着剤
側劣化促進因子及び基材に含まれる基材側劣化促進因子
がHF系電線の被覆材中へ移行するのを阻止することが
できなかったためと解される。
【0236】これに対して実施例W81〜85のワイヤ
ーハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け
試験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、
実施例21〜25のPVC系粘着テープ(老化防止剤及
び銅害防止剤入り)の粘着剤にエマルジョン型アクリル
酸樹脂を用いているので、粘着剤に含まれる粘着剤側劣
化因子がHF系電線の被覆材中へ移行することがなかっ
たためと解される。
【0237】更に、粘着剤及び基材中に予め老化防止剤
及び銅害防止剤が好適な範囲で含有されているので、基
材側劣化促進因子がHF系電線の被覆材中へ移行して
も、被覆材中の老化防止剤の減少や、銅イオンによる銅
害の発生を回避するできたことによる効果も大きかった
ものと解される。
【0238】また更に上記に加えて、本実施例において
は、PVC系電線(老化防止剤入り)を用いているの
で、PVC系電線(老化防止剤入り)の被覆材中に含ま
れる可塑剤等がHF系電線の被覆材中に移行しても、電
線間における移行に起因するHF系電線の被覆材の劣化
を防止することができたことによる効果も大きかったも
のと解される
【0239】他方、テープ巻き付け作業性、テープ外観
及び塗糊性については、比較例5のPVC系粘着テープ
(老化防止剤及び銅害防止剤入り)が不良と判定され
た。これは、過剰の銅害防止剤が配合されていたためと
解される。これに対して実施例21〜25のPVC系粘
着テープ(老化防止剤及び銅害防止剤入り)は、テープ
巻き付け作業性、テープ外観及び塗糊性ともに良好との
判定が得られた。これは好適な範囲で老化防止剤及び銅
害防止剤が配合されていたためと解される。以上によ
り、上記本発明品は全体として総合評価が良好(○)と
判定された。
【0240】
【表26】
【0241】18.〔PVC系電線(老化防止剤入り)
及びHF系電線の混在電線束〕×HF系粘着テープ(老
化防止剤及び銅害防止剤入り)
【0242】〔PVC系電線(老化防止剤入り)及びH
F系電線の混在電線束〕×HF系粘着テープ(老化防止
剤及び銅害防止剤入り)の試験結果を表27に示す。そ
の結果、マンドレルへの巻き付け試験においては、従来
品W18の29本:1本、20本:10本、1本:29
本のいずれのワイヤーハーネスの場合であっても、各ワ
イヤーハーネス中のHF系電線に亀裂が入り不良と判定
された。これは、従来品6のHF系粘着テープの粘着剤
に含まれる粘着剤側劣化促進因子がHF系電線の被覆材
中へ移行するのを阻止することができなかったためと解
される。
【0243】また、従来品6のHF系粘着テープ自体に
も亀裂が入り不良と判定された。これは、従来品6のH
F系粘着テープの粘着剤に含まれる粘着剤側劣化促進因
子が基材中へ移行してしまったためと解される。
【0244】これに対して実施例W86〜90のワイヤ
ーハーネス中のHF系電線は、マンドレルへの巻き付け
試験でいずれも亀裂が生じることがなかった。これは、
実施例26〜30のHF系粘着テープ(老化防止剤及び
銅害防止剤入り)の粘着剤にエマルジョン型アクリル酸
樹脂を用いているので、粘着剤に含まれる粘着剤側劣化
因子がHF系電線の被覆材中へ移行することがなかった
ためと解される。
【0245】更に上記に加えて、本実施例においては、
PVC系電線(老化防止剤入り)を用いているので、P
VC系電線(老化防止剤入り)の被覆材中に含まれる可
塑剤等がHF系電線の被覆材中に移行しても、電線間に
おける移行に起因するHF系電線の被覆材の劣化を防止
することができたことによる効果も大きかったものと解
される。
【0246】他方、テープ巻き付け作業性、テープ外観
及び塗糊性については、比較例6のHF系粘着テープ
(老化防止剤及び銅害防止剤入り)が不良と判定され
た。これは、過剰の銅害防止剤が配合されていたためと
解される。これに対して実施例26〜30のHF系粘着
テープ(老化防止剤及び銅害防止剤入り)は、テープ巻
き付け作業性、テープ外観及び塗糊性ともに良好との判
定が得られた。これは、好適な範囲で老化防止剤及び銅
害防止剤が配合されていたためと解される。以上によ
り、上記本発明品は全体として総合評価が良好(○)と
判定された。
【0247】
【表27】
【0248】以上実施例について説明したが、本発明は
上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣
旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例え
ば、本実施例では粘着剤としてエマルジョン型アクリル
酸樹脂を用いたが、それ以外にも、溶剤型、架橋型、こ
れらの混合体等であっても良く、特に限定されるもので
はない。
【0249】また、上記実施例においては、ワイヤーハ
ーネスの電線束が、塩化ビニル樹脂を被覆した電線単独
からなる場合について特に言及はしなかったが、勿論、
この場合であっても、本発明に係るワイヤーハーネス保
護材を適用することができるものである。
【0250】
【発明の効果】本発明に係るワイヤーハーネス保護材に
よれば、ワイヤーハーネスの電線束中の電線、特に好適
にはノンハロゲン系樹脂を被覆した電線の劣化を著しく
促進させることのないテープ状のワイヤーハーネス保護
材を得ることができる。また、このワイヤーハーネス保
護材を用いたワイヤーハーネスによれば、長期に亘り品
質を維持可能なワイヤーハーネスを得ることができる。
【0251】そのため、このようなワイヤーハーネス保
護材及びワイヤーハーネスを例えば、自動車のエンジン
回り等の過酷な使用環境下で使用した場合には、信頼性
に極めて優れるなど、産業上の実益は極めて大きなもの
となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 守 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 長谷 達也 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 出口 善晴 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 吉本 潤 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 川北 元也 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 石川 正尚 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 山下 隆通 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 早味 宏 大阪市此花区島屋1−1−3 住友電気工 業株式会社内 Fターム(参考) 4J004 AA10 AA17 AB01 CA03 CA04 CA05 CC02 FA05 4J040 DF011 DF041 HB26 HB33 HB40 HC07 HC08 HC15 HC25 JA09 JB09 KA29 LA07 LA08 NA19 5G309 AA11 5G313 AA10 AB10 AC03 AD01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル樹脂コンパウンドよりハロゲ
    ン元素の含有率が少ない若しくはハロゲン元素を含まな
    いノンハロゲン系樹脂又は塩化ビニル樹脂からなるテー
    プ状の基材の少なくとも一方の面にアクリル酸樹脂を主
    成分とする粘着剤が塗布されてなることを特徴とするワ
    イヤーハーネス保護材。
  2. 【請求項2】 前記粘着剤及び/又は前記基材中には、
    老化防止剤及び/又は銅害防止剤が含有されていること
    を特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネス保護
    材。
  3. 【請求項3】 前記粘着剤及び/又は前記基材中に含ま
    れる老化防止剤の含有率は、このワイヤーハーネス保護
    材が捲着される電線束中の電線であって、老化防止剤を
    含む前記ノンハロゲン系樹脂を被覆した電線の被覆材中
    に含まれる老化防止剤の含有率に対し10%〜500%
    の範囲内とされ、前記銅害防止剤の含有量は、前記粘着
    剤中にあっては、粘着剤樹脂成分100重量部に対し
    0.001〜5重量部の範囲内、前記基材中にあって
    は、基材樹脂成分100重量部に対し0.001〜5重
    量部の範囲内とされていることを特徴とする請求項2に
    記載のワイヤーハーネス保護材。
  4. 【請求項4】 前記粘着剤及び/又は前記基材中に含ま
    れる老化防止剤と前記電線の被覆材中に含まれる老化防
    止剤とは同種類のものであることを特徴とする請求項3
    に記載のワイヤーハーネス保護材。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4に記載のワイヤーハーネ
    ス保護材を電線束の外周に捲着してなるワイヤーハーネ
    ス。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4に記載のワイヤーハーネ
    ス保護材を、老化防止剤を含み、塩化ビニル樹脂コンパ
    ウンドよりハロゲン元素の含有率が少ない又はハロゲン
    元素を含まないノンハロゲン系樹脂を被覆した電線を少
    なくとも有する電線束の外周に捲着してなるワイヤーハ
    ーネス。
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