JP4076207B2 - ワイヤハーネス保護材及びそれを用いたワイヤハーネス - Google Patents

ワイヤハーネス保護材及びそれを用いたワイヤハーネス Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤハーネス保護材及びそれを用いたワイヤハーネスに関し、さらに詳しくは、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂絶縁電線、あるいはハロゲン元素を含まないかハロゲン元素の含有量がPVC電線よりも低いノンハロゲン(HF)系絶縁電線による電線束、あるいはこれらの電線が混在した状態での電線束の周囲に被覆されて好適に用いられるテープ状のワイヤハーネス保護材、及びその保護材が特にそのようなノンハロゲン系絶縁電線を含む電線束の周囲に被覆材として用いられたワイヤハーネスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のワイヤハーネスは、例えば、自動車用あるいは電気・電子機器などの配線に用いられ、一般には複数本の電線を束ね、この電線束の周囲に粘着剤付きテープを巻き付けたり、あるいは、絶縁チューブに電線束を通して保護したり、あるいは又、シート状のものを巻いたりしたものが広く使用されている。
【0003】
このようなワイヤハーネスにおいて、用いられる電線としては、従来よりポリ塩化ビニル(PVC)樹脂の絶縁材料が難燃性に優れ、また耐摩耗性や引張強さ等の機械的特性あるいは柔軟性や加工性等の各種特性を備えることから電線被覆材として一般的に用いられている。
【0004】
一方、近年では、このPVC樹脂がハロゲン元素を含むために自動車の火災時や電気・電子機器の焼却廃棄処分時に有害なハロゲン系ガスを大気中に放出し、環境汚染の原因になるという問題から、これに代わる絶縁材料としてノンハロゲン系の電線被覆材も開発されてきている。
【0005】
そのノンハロゲン系の電線被覆材としては、代表的なものにハロゲン元素を含まないポリオレフィン系樹脂を主成分としたものが種々提案されており、例えば、本件出願人によるポリオレフィン系樹脂を主成分とするもの、これに酸変性ポリマーを配合したもの、あるいはさらに難燃剤として金属水和物などを配合したものなどが挙げられる。
【0006】
一方、ワイヤハーネス保護材としての上記した粘着剤付きテープ、絶縁チューブ、シート状のものなどもPVC樹脂を主成分としたものが従来より一般的に用いられてきたが、近年ではやはり電線被覆材と同様に環境問題を配慮したノンハロゲン系のものも種々提案されてきている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際これらのノンハロゲン(HF)系絶縁電線やPVC系絶縁電線が単独で電線束として束ねられ使用されることもあれば、あるいはこれらの異種電線が混在した状態で束ねられて使用されることもある。
【0008】
またワイヤハーネス保護材もPVC系のものが用いられるか、HF系のものが用いられるかは定かではなく、PVC系電線の電線束にPVC系保護材が被覆されずにHF系保護材が被覆されることもあれば、逆にHF系電線の電線束にHF系保護材が被覆されずにPVC系保護材が被覆されることもある。
【0009】
あるいは又、PVC系電線とHF系電線とが混在して束ねられている場合もあり、そのような場合にその保護材としては、PVC系の保護材が用いられることもあれば、HF系の保護材が用いられることもあり、これらの作業は専ら現場に委ねられていることが多い。
【0010】
そのような時に、PVC絶縁電線には、電線被覆材の主成分であるPVC樹脂に柔軟性を付与し材料の加工性を改善したり、あるいは材料コストを下げるために、樹脂との混合性も良く、耐水性や電気絶縁性などにも優れた可塑剤が配合されており、老化防止剤が添加されることは一般にはなく、一方、HF系絶縁電線には、電線被覆材に材料の経時的劣化を阻止するため老化防止剤が添加されることが多い。
【0011】
そのような状況において電線と保護材との組合せによって種々の問題が生じることがわかった。例えば、PVC絶縁電線単独の電線束にPVC系保護材を被覆した時は問題がないが、HF系保護材を用いるとHF保護材の劣化が早く、またHF系絶縁電線単独の電線束にHF系保護材を被覆した時は問題ないが、PVC系保護材を用いるとHF系電線の電線被覆材の劣化が激しく、特に高温環境下での長期間の使用に耐え得ないという問題が生じた。
【0012】
またPVC絶縁電線とHF系絶縁電線とが混在使用される場合もPVC系保護材で被覆した場合にはHF系電線の電線被覆材の劣化が生じてHF系電線の寿命が短くなるという問題があり、HF系保護材で被覆した場合にはHF系保護材の劣化が生じることがわかった。
【0013】
そこで本発明者らは種々実験を重ねた結果、電線と保護材との組合せによっては特にHF系絶縁電線の電線被覆材に含有される老化防止剤が保護材側へ溶出してその含有量が経時的に減少し劣化が促進されることを推定し、本発明に至ったものである。
【0014】
本発明の解決しようとする課題は、PVC絶縁電線やノンハロゲン(HF)系絶縁電線が単独で、あるいは混在状態で電線束として束ねられるワイヤハーネスの保護材としてテープ状に巻き付けられる粘着剤付きテープ状のものであって、特にHF系絶縁電線が単独で、あるいはPVC電線と混在状態で束ねられたときにこのHF系絶縁電線の電線被覆材の品質劣化を防止し、恒久的かつ安定的使用を実現するワイヤハーネス保護材を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明のワイヤハーネス保護材は、ノンハロゲン系絶縁電線のみからなる電線束、又はポリ塩化ビニル系絶縁電線とノンハロゲン系絶縁電線とが混在した電線束の周りに巻回されるワイヤーハーネス保護材において、ノンハロゲン系樹脂を主成分とする基材の表面に粘着剤層が付与されたテープ状のものであって、その基材及び着剤層に老化防止剤が含有され、その基材及び粘着剤層に含有される老化防止剤の含有量が、この保護材によって被覆される電線束のうちノンハロゲン系絶縁電線の電線被覆材に含有される老化防止剤の含有量に対して10〜500%相当量の配合割合とされていることを要旨とするものである。
【0017】
着剤付きテープの基材に用いられるノンハロゲン(HF)系樹脂主成分として、オレフィン系のプロピレンポリマー(ホモポリマーおよびプロピレンランダム又はブロックコポリマー)、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなど)、ポリブテンポリマー、エチレン共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体など)、オレフィン系エラストマー(ポリプロピレン−エチレン/プロピレン共重合体など)、またはこれら共重合体中の不飽和二重結合を水素添加により飽和した共重合体などが好適なものとして用いられる。これらポリマーは、単独で、または2種以上の混合物として用いることができ、これに老化防止剤が配合されることになる。
【0018】
そしてHF系粘着剤付きテープ、これに難燃剤として水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水和物等のハロゲンを含まない難燃剤が添加され、さらに必要に応じて加工助剤などを添加したり、さらには架橋を施し耐熱性を向上させることもあるが、難燃剤として臭化物系のものを用いてもよく、あるいはPVC樹脂よりはハロゲン化率の低いハロゲン含有の樹脂を用いて難燃性を付与するものも概念的には本発明に含まれるものである。
【0019】
そして本発明では、この粘着剤付きテープの基材のみならず、その基材表面に付与される粘着剤層にも老化防止剤を配合することにより、VC樹脂により電気導体が被覆されたPVC絶縁電線、あるいはハロゲン元素を含まない若しくはハロゲン元素の含有量が低い絶縁樹脂材料により電気導体が被覆されたノンハロゲン(HF)系絶縁電線が単独で、あるいは混在状態で束ねられたワイヤハーネスの保護材として用いられた時に、これらの電線の電線被覆材、特にHF系絶縁電線の電線被覆材に予め配合されている老化防止剤の溶出が回避され、経時的劣化が阻止されるものである。
【0020】
この場合に粘着剤付きテープの基材及び粘着剤層に含有される老化防止剤の含有量は、少なくともそのHF系絶縁電線の電線被覆材に含有される老化防止剤の含有量に対して10%〜500%相当量の配合割合とされていることが望ましく、好ましくは10%〜150%の範囲で含有されているのが良い。この老化防止剤の適正量は、電線被覆材中の老化防止剤の含有量、あるいはワイヤハーネスの使用環境温度などにも依るが、比較的低い温度(100℃程度)ではこの範囲の確保により充分対応できるものである。これが比較的高い温度(120〜150℃程度)では老化防止剤の配合割合を高めとするのが望ましい。
【0021】
これにより電線被覆材、特にHF系絶縁電線の電線被覆材に含まれる老化防止剤がワイヤハーネス保護材へ拡散移動してその電線の劣化(老化)させることが阻止される。またHF系絶縁電線が老化防止剤の配合されていないPVC絶縁電線との混在使用によりHF系電線の電線被覆材からPVC電線の電線被覆材へ移行することもあり得るが、そのような場合にもワイヤハーネス保護材に配合される老化防止剤がHF電線の電線被覆材へ補充されてHF電線の劣化が阻止されることにもなる。
【0022】
なお、粘着剤付きテープの基材や粘着剤層に含有される老化防止剤の含有量が10%未満であると発明の効果が充分に発揮できず、500%を超えると加工性が著しく悪くなるのでその範囲であることが望まれるものである。そしてまた、ワイヤハーネス保護材としての粘着剤付きテープの基材と粘着剤層に含有される老化防止剤は互いに同種のものであって、しかもノンハロゲン(HF)系絶縁電線あるいはPVC絶縁電線の電線被覆材に配合される老化防止剤とも同種であることが最も望ましい。この老化防止剤には、フェノール系やベンゾイミダゾール系その他各種のものが適用されるが、お互いに同種類のものを用いることによりPVC絶縁電線、ノンハロゲン系絶縁電線、及びワイヤハーネス保護材間の相互の老化防止剤の溶出移動が一層効果的に阻止されることとなる。
【0023】
一方、本発明は、上記した粘着剤付きテープが保護材として用いられたワイヤハーネスそのものにも特徴を有するものであり、その場合そのワイヤハーネスは、特にハロゲン元素を含まない若しくはハロゲン元素の含有量が低い絶縁樹脂材料により電気導体が被覆されたノンハロゲン(HF)系絶縁電線が単独で電線束として束ねられ、あるいはポリ塩化ビニル(PVC)樹脂により電気導体が被覆された塩化ビニル(PVC)絶縁電線との混在状態で束ねられた電線束の周囲に上述した粘着剤付きテープ状のワイヤハーネス保護材が巻き付けられて被覆されているものに有効であることは、上述したことからも明らかである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の各種の実施例について詳細に説明する。
初めに、以下に説明する本発明の各種実施例に用いられる絶縁材料被覆電線として次の3種類のものを用意することとした。一つは、ノンハロゲン(HF)系絶縁電線として電線被覆材にハロゲン元素を全く含まないものである。その電線被覆材の材料組成を表1に示す。このHF系電線の電線被覆材は、表1に示されるように、ポリオレフィン系のポリプロピレン樹脂を主成分とし、このポリプロピレン樹脂100重量部に対して難燃剤として水酸化マグネシウムが80重量部、そして老化防止剤(フェノール系又はベンゾジアゾール系)が3重量部配合されたものを用いた。老化防止剤の配合量は、全体重量に対して、1.64wt%となっている。これは流動性を有するポリプロピレン樹脂に対する含有率としては1%に相当する。
【0025】
【表1】
Figure 0004076207
【0026】
2つめは、ポリ塩化ビニル(PVC)絶縁電線であって電線被覆材に老化防止剤が全く配合されていないものであり、その材料組成を表2に示したように、ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1300)100重量部に対して可塑剤としてDINP(ジイソノニルフタレート)40重量部、充填剤として炭酸カルシウム20重量部、安定剤として亜鉛・カルシウム系のものが5重量部配合されたものを用いた。
【0027】
【表2】
Figure 0004076207
【0028】
3つめは、ポリ塩化ビニル(PVC)絶縁電線であって電線被覆材に老化防止剤を配合したものである。その材料組成は、表3に示したように、ポリ塩化ビニル樹脂(分子量1300)100重量部に対して可塑剤としてDINP(ジイソノニルフタレート)40重量部、充填剤として炭酸カルシウム20重量部、安定剤として亜鉛・カルシウム系のものが5重量部のほか、老化防止剤が4.5重量部配合されたものを用いた。老化防止剤の配合量は、全体重量に対して、2.65wt%となっている。これは流動性を有するPVC樹脂と可塑剤(DINP)と安定剤の合計量に対する含有率としては、3%に相当するものである。
【0029】
【表3】
Figure 0004076207
【0030】
そしてこれら3種類の絶縁電線は、いずれも直径0.32mmの軟銅線を7本撚り合わせて外径約1.0mmの銅撚線に形成した電気導体の周囲に上記の表1〜表3に示したそれぞれの絶縁材料により被覆したものであって、例えば、1番目のHF電線であれば、7本の撚線からなる電気導体の周囲に表1に示したポリオレフィン系樹脂材料を2軸混練機で混合温度250℃で混合してペレタイザにてペレット状の組成物としたものを押し出し機を用いて0.3mm厚さに押し出し加工して電線被覆層を形成したものである。その際の押し出し温度は、250℃としている。
【0031】
また、2番目と3番目のPVC電線であれば、7本の撚線からなる電気導体の周囲に表2あるいは表3に示したPVC樹脂材料を2軸混練機で混合温度180℃で混合してペレタイザにてペレット状の組成物としたものを押し出し機を用いて0.3mm厚さに押し出し加工して電線被覆層を形成している。その押し出し温度は、180℃である。
【0032】
次に各種実施例に供したワイヤハーネス保護材の組成について説明する。上述した各種絶縁電線の束に被覆されるワイヤハーネス保護材としての粘着剤付きテープの組成を次の表4、及び表5に示す。
【0033】
初めに表4は、PVC樹脂系の粘着剤付きテープに老化防止剤が配合されたものであって、PVC樹脂をベースとした基材の片側表面全体にスチレンブタジエンゴム(SBR)や天然ゴム(NR)などのゴム系材料による粘着剤を付与したものである。
【0034】
具体的には、このPVC系粘着剤付きテープの基材は、PVC樹脂100重量部に対して可塑剤としてDOP(ジオクチルフタレート)60重量部、充填剤20重量部、安定剤5重量部を配合し、これに老化防止剤が全く配合されていないもの(従来品)、老化防止剤が適当量配合されているもの(本実施例品1〜5)、及び老化防止剤が過剰に配合されているもの(比較例品1)を用意することにした。なお、基材の厚さは0.11mmである。
【0035】
また基材面に付与される粘着剤は、SBR(スチレンブタジエンゴム)70重量部に対してNR30重量部、亜鉛華20重量部、ロジン系樹脂80重量部配合され、これに従来品では老化防止剤が全く配合されておらず、本実施例品1〜5には老化防止剤を適当量配合し、比較例品1では過剰に配合することとした。なお、基材の厚さは、0.11mm、粘着剤層の厚さは、0.02mmであり、基材と粘着剤層とのトータルの厚さは、0.13mmとなっている。
【0036】
この表4に示した各本実施例品1〜5、及び比較例品1に記載した10%相当量、100%相当量、150%相当量、250%相当量、500%相当量、600%相当量という数字は、このPVC系粘着剤付きテープの基材に含まれる老化防止剤の含有率をこのテープの基材の組成物であるPVC樹脂と可塑剤(DOP)と安定剤の合計量に対して求め(例えば本実施例品2の基材では、5÷(100+60+5)×100=約3.0%)、表1に示したHF電線の被覆材に含まれる老化防止剤のポリプロピレン樹脂に対する含有率(3÷100×100=約3%)との対比で求めた値を示している。「100%相当量」とは、略等量の割合で配合されていることを意味している。
【0037】
また、このPVC系粘着剤付きテープの粘着剤層に含まれる老化防止剤の配合量は、この粘着剤層の組成物であるSBRとNRとロジン系樹脂の合計量に対して求めた含有率の値が、このテープの基材中の老化防止剤の含有率と略同じ値となるように定めており、これはHF電線の被覆材に含まれる老化防止剤の含有率とも略同じ値であるから、したがって本実施例品2の粘着剤層にも100%相当量、配合されているということになる。
【0038】
そしてこのようにテープの基材に含有される老化防止剤の含有率をPVC樹脂と可塑剤(DOP)の合計量に対して求め、粘着剤層に含有される老化防止剤の含有率をSBRとNRとロジン系樹脂との合計量に対して求めることとしたのは、基材及び粘着剤層のそれぞれの材料中における老化防止剤の流動性(溶出性)がこれらの組成物の影響を受けることを考慮したものである。HF電線の電線被覆材に含まれる老化防止剤の含有率についても同様の考えに依るものである。
【0039】
【表4】
Figure 0004076207
【0040】
次の表5は、ノンハロゲン(HF)系の粘着剤付きテープに老化防止剤が配合されたものであって、ポリオレフィン樹脂をベースとした基材の片側表面全体にスチレンブタジエンゴム(SBR)や天然ゴム(NR)などのゴム系材料による粘着剤を付与したものである。
【0041】
具体的には、このHF系粘着剤付きテープの基材として、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して臭素系の難燃剤を3重量部、さらに三酸化アンチモン1.5重量部配合したものをベースとし、老化防止剤を全く配合していないもの(従来品)、老化防止剤を適当量配合したもの(本実施例品6〜10)、及び老化防止剤が過剰に配合されたもの(比較例品2)を用意した。
【0042】
そして基材面に付与される粘着剤は表4に示したPVC系粘着剤付きテープの場合と同じ、つまりSBR(スチレンブタジエンゴム)70重量部に対してNR30重量部、亜鉛華20重量部、ロジン系樹脂80重量部配合され、これに従来品では老化防止剤が全く配合されておらず、本実施例品6〜10には老化防止剤を適当量配合し、比較例品2では過剰に配合することとした。なお、このテープの場合も、基材層の厚さは、0.11mm、粘着剤層の厚さは、0.02mmであり、基材と粘着剤層とのトータルの厚さは、0.13mmとなっている。
【0043】
このHF系粘着剤付きテープの場合も、基材及び粘着剤層にそれぞれ配合される老化防止剤の配合割合を、本実施例品6〜10では10%相当量、100%相当量、150%相当量、250%相当量、500%相当量、比較例品2では600%相当量となるようにした。
【0044】
【表5】
Figure 0004076207
【0045】
次に各種の実施例について説明する。
〔実施例1〕
これは、表1に示したノンハロゲン(HF)系絶縁電線単独の電線束に、表4に示した各種組成のPVC系粘着剤付きテープ(従来品、本実施例品1〜5、比較例品1)をワイヤハーネス保護材として巻き付けた各種供試試料(サンプル)を作成し、これらの供試サンプルについていろいろな確認試験を行ったものである。その結果を表6に示す。
【0046】
試験の内容としては、表1に示したHF系電線30本を一つに束ね、その周りに表4に示した各種組成のPVC系粘着剤付きテープをその粘着剤層面を内側にしてハーフラップ巻きしたものを供試サンプルとして用意する。そしてこれらの供試サンプルを150℃の恒温槽に96時間放置し、その後恒温槽から取り出し、テープを剥がしてHF電線をそれぞれ10φマンドレルに巻き付け、その時にHF電線の電線被覆材に亀裂が生じるか否かについてクラック有り/無しの目視による確認テストを行い、あるいはその粘着剤付きテープそのものの電線束への巻き付け作業性などについて判定を行ったものである。
【0047】
その結果、マンドレルへの巻き付けテストでは、従来のPVCテープ(老化防止剤なし)ではHF電線に亀裂が入り不良(×)と判定され、その他の供試サンプル(本実施例品1〜5、比較例品1)では、HF電線に亀裂が入ることはなかった(○印)。一方、テープそのものの巻き付け作業性については、PVCテープに過剰の老化防止剤が配合されている比較例品1はHF電線には亀裂が生じなかったもののテープ巻き付け作業性が悪い(×)と判定された。また、テープ製造時に粘着剤塗布もやり難く、塗糊性が悪いとの評価でもあった。それに対して本実施例品1〜5はいずれもマンドレルへの巻き付けテストでHF電線に亀裂が生じることはなく(○)、またテープ巻き付け作業性も良好であり(○)、テープ製造時の粘着剤塗糊性も良好(○)との判定が得られ、総合評価として良好である(○)との結果が得られた。
【0048】
【表6】
Figure 0004076207
【0049】
結果の考察:このような結果が得られた理由としては、初めに従来のPVCテープ(老化防止剤なし)の場合にマンドレル巻き付けテストにおいてHF電線に亀裂が生じたのは、この供試サンプル(ワイヤハーネス)が150℃の高温環境下に曝されたことによってHF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤がPVCテープ側へ移行し、HF電線の電線被覆材中の老化防止剤の含有量が減少したことに依るものと考えられる。メカニズム的にはPVCテープの基材に含まれる可塑剤が粘着剤層を介してHF電線の電線被覆材中に混入し、あるいはテープの粘着剤層に含まれるロジン系樹脂などがHF電線の電線被覆材中に混入し、HF電線の老化防止剤がその可塑剤や粘着剤組成物を媒体としてPVCテープの粘着剤層や更にPVCテープの基材中に溶け込むという現象が生じていると解される。
【0050】
そしてこれに対して本実施例品1〜5の場合には、予めPVCテープの基材及び粘着剤層に老化防止剤が適当量(10%相当量〜500%相当量)配合されているためにこのワイヤハーネスが高温(150℃)環境下に曝されてもHF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤がPVCテープ側へ移行しない。そのためにHF電線の電線被覆材の劣化が阻止されたものと考えられるものである。
【0051】
ちなみに本実施例品1の場合、PVCテープの基材及び粘着剤層に含有される老化防止剤の配合割合が、HF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤に対して10%相当量であるから、HF電線の老化防止剤がPVCテープ側へ若干量移行することは考えられるが、この確認試験では問題ないということが証明された。
【0052】
また本実施例品2の場合は、PVCテープ側の老化防止剤の配合割合がHF電線側の老化防止剤に対して100%相当量(等量)ということで均衡しているから、HF電線からPVCテープ側への老化防止剤の移行もその逆も理論上は生じないことになる。
【0053】
そして本実施例品3〜5の場合は、PVCテープ側の老化防止剤の配合割合が、HF電線側の老化防止剤に対して150%相当量〜500%相当量と多少多めであることから、理論上はPVCテープ側の老化防止剤がHF電線側へ移行することが考えられる。但し、多少HF電線側へ老化防止剤が移行し、その電線被覆材中の老化防止剤の含有量が増えたとしてもHF電線の品質維持の点では全く問題のないことである。
【0054】
なお、比較例品1のように、PVCテープ側の老化防止剤の配合量が過度(600%相当量)になると、老化防止剤そのものの特性からテープの巻き付け作業性が悪くなり、また基材への粘着剤の塗糊性も悪いために実用的でない。
【0055】
〔実施例2〕
これは、表1に示したノンハロゲン(HF)系絶縁電線単独の電線束に、表5に示した各種組成のノンハロゲン(HF)系粘着剤付きテープ(従来品、本実施例品6〜10、比較例品2)をワイヤハーネス保護材として巻き付けた各種供試試料(サンプル)を作成し、これらの供試サンプルについて実施例1と同様の確認試験を行ったものである。実施例1との違いはPVCテープに代えてHF系テープを用いた点である。その結果を表7に示す。
【0056】
試験の内容としては、実施例1に倣って表1に示したHF系電線30本を一つに束ね、その周りに表5に示した各種組成のHF系粘着剤付きテープをその粘着剤層面を内側にしてハーフラップ巻きしたものを供試サンプルとして用意する。そしてこれらの供試サンプルを150℃の恒温槽に96時間放置し、その後恒温槽から取り出し、テープを剥がしてその時にテープに亀裂が生じるか否かを判定し、次いでHF電線をそれぞれ10φマンドレルに巻き付け、その時にHF電線の電線被覆材に亀裂が生じるか否かを目視確認により判定した。またその粘着剤付きテープそのものの電線束への巻き付け作業性などについても判定を行ったものである。
【0057】
その結果、マンドレルへの巻き付けテストでは、従来のHFテープ(老化防止剤なし)ではHF電線に亀裂が入り不良(×)と判定され、その他の供試サンプル(本実施例品6〜10、比較例品2)では、HF電線に亀裂が入ることはなかった(○印)。また、電線束からテープを剥がした時に従来品にはテープそのものにも亀裂が入っていることが確認された。一方、テープの巻き付け作業性については、HFテープに過剰の老化防止剤が配合されている比較例品2はHF電線には亀裂が生じなかったもののテープ巻き付け作業性が悪い(×)と判定された。また、テープ製造時に粘着剤塗布もやり難く、塗糊性が悪いとの評価でもあった。それに対して本実施例品6〜10はいずれもマンドレルへの巻き付けテストでHF電線に亀裂が生じることはなく(○)、テープそのものに亀裂が生じることもなかった。またテープ巻き付け作業性も良好であり(○)、テープ製造時の粘着剤塗糊性も良好(○)との判定が得られ、総合評価として良好である(○)との結果が得られた。
【0058】
【表7】
Figure 0004076207
【0059】
結果の考察:このような結果が得られた理由としては、初めに従来のHFテープ(老化防止剤なし)の場合にマンドレル巻き付けテストにおいてHF電線に亀裂が生じたのは、この供試サンプル(ワイヤハーネス)が150℃の高温環境下に曝されたことによってHF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤がHFテープ側へ移行し、HF電線の電線被覆材中の老化防止剤の含有量が減少したことに依るものと考えられる。メカニズム的にはHF電線の電線被覆材中に含有される老化防止剤がHFテープの粘着剤層に含有されるロジン系樹脂などを媒体としてその粘着剤層や更にHFテープの基材中に溶け込むという現象が生じていると解される。
【0060】
またHFテープに亀裂が生じたことについては、HF電線の電線被覆材からHFテープ側へ老化防止剤の溶け込みがあったとしてもHFテープ側の含有率としては低いためにHFテープが高温環境下で耐久性を維持するまでには至らず、HFテープそのものの劣化が生じたためであると解される。
【0061】
そしてこれに対して本実施例品6〜10の場合には、予めHFテープの基材及び粘着剤層に老化防止剤が適当量(10%相当量〜500%相当量)配合されているためにこのワイヤハーネスが高温(150℃)環境下に曝されてもHF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤がHFテープ側へ移行しない。そのためにHF電線の電線被覆材の劣化が阻止されたものと考えられるものである。
【0062】
ちなみに本実施例品6の場合、HFテープの基材及び粘着剤層に含有される老化防止剤の配合割合が、HF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤に対して10%相当量であるから、HF電線の老化防止剤がHFテープ側へ若干量移行することは考えられるが、品質的には問題ないということが証明された。
【0063】
また本実施例品7の場合は、HFテープ側の老化防止剤の配合割合がHF電線側の老化防止剤に対して100%相当量(等量)ということで均衡しているから、HF電線からHFテープ側への老化防止剤の移行もその逆も理論上は生じないことになる。
【0064】
そして本実施例品8〜10の場合は、HFテープ側の老化防止剤の配合割合が、HF電線側の老化防止剤に対して150%相当量〜500%相当量と多少多めであることから、理論上はHFテープ側の老化防止剤がHF電線側へ移行することが考えられるが、多少HF電線側へ老化防止剤が移行し、その電線被覆材中の老化防止剤の含有量が増えたとしてもHF電線の品質維持の点では全く問題のないことである。
【0065】
なお、比較例品2のように、HFテープ側の老化防止剤の配合量が過度(600%相当量)になると、老化防止剤そのものの特性からテープの巻き付け作業性が悪くなり、また基材への粘着剤の塗糊性も悪いことは、PVCテープについて表6で説明したことと同じである。
【0066】
〔実施例3〕
これは、表2に示したPVC電線(老化防止剤なし)に表1に示したノンハロゲン(HF)系絶縁電線が混在した状態の電線束に、表4に示した各種組成のPVC系粘着剤付きテープ(従来品、本実施例品1〜5、比較例品1)をワイヤハーネス保護材として巻き付けた各種供試サンプルについて確認試験を行ったものである。その結果を表8に示す。
【0067】
試験の内容としては、PVC電線(老化防止剤なし)とHF系電線との混在本数の比が、29本:1本、20本:10本、1本:29本の3種類の電線束を用意し、それぞれの電線束の周りに表4に示した各種組成のPVC系粘着剤付きテープをその粘着剤層面を内側にしてハーフラップ巻きして供試サンプルとした。この場合、1本のみが異種電線(PVC電線又はHF電線)の場合はその電線が一応粘着剤テープに接触するように束ね、また20本:10本の場合は異種電線がバラバラに分散状態で束ねられるように配慮した。
【0068】
そしてこれらの供試サンプルを150℃の恒温槽に96時間放置し、その後恒温槽から取り出し、テープを剥がしてHF電線をそれぞれ10φマンドレルに巻き付け、その時にHF電線の電線被覆材に亀裂が生じるか否か、あるいはその粘着剤付きテープそのものの電線束への巻き付け作業性などについて判定を行ったものである。
【0069】
その結果、マンドレルへの巻き付けテストでは、従来のPVCテープ(老化防止剤なし)では29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線に亀裂が入り不良(×)と判定され、その他の供試サンプル(本実施例品1〜5、比較例品1)では、29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線に亀裂が入ることはなかった(○印)。一方、テープそのものの巻き付け作業性については、PVCテープに過剰の老化防止剤が配合されている比較例品1はHF電線には亀裂が生じなかったもののテープ巻き付け作業性が悪い(×)と判定された。また、テープ製造時に粘着剤塗布もやり難く、塗糊性が悪いとの評価でもあった。これに対して本実施例品1〜5は29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もマンドレルへの巻き付けテストでHF電線に亀裂が生じることはなく(○)、またテープ巻き付け作業性も良好であり(○)、テープ製造時の粘着剤塗糊性も良好(○)との判定が得られ、総合評価として良好である(○)との結果が得られた。
【0070】
【表8】
Figure 0004076207
【0071】
結果の考察:このような結果が得られた理由としては、表6の実験結果でも述べたように、従来のPVCテープ(老化防止剤なし)の場合にHF電線に亀裂が生じたのは、HF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤が高温環境下に曝されることによってPVCテープ側へ移行し、HF電線の電線被覆材中の老化防止剤の含有量が減少したことに依るものと考えられる。やはりメカニズム的にはPVCテープの基材に含まれる可塑剤が粘着剤層を介してHF電線の電線被覆材中に混入し、あるいはテープの粘着剤層に含まれるロジン系樹脂などがHF電線の電線被覆材中に混入することによりHF電線の老化防止剤がその可塑剤や粘着剤組成物を媒体としてPVCテープの粘着剤層や更にPVCテープの基材中に溶け込むという現象が生じていると解される。
【0072】
そしてこの実験例では、PVC電線(老化防止剤なし)とHF電線とが混在状態で束ねられているため、PVC電線とHF電線との接触面ではHF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤がPVC電線の電線被覆材に溶け込む現象が生じ、PVC電線とHF電線との本数の比が29本:1本の場合は特にHF電線の亀裂が激しくなる傾向にあると推定されるものであった。これに対しては、PVC電線の電線被覆材に予め老化防止剤を配合しておくことが有効であると思われた。
【0073】
これに対して本実施例品1〜5の場合には、予めPVCテープの基材及び粘着剤層に老化防止剤が適当量(10%相当量〜500%相当量)配合されているためにHF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤がPVCテープ側へ移行することはなく、PVC電線とHF電線との本数が29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線の電線被覆材の劣化が阻止されたものと考えられる。ただ、この場合もPVC電線には老化防止剤が配合されていないのでHF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤がPVC電線の電線被覆材に溶け込む現象が生じると考えられるが、いずれの実施例においても問題がなかったということは、直接的に高温に曝される粘着剤テープと電線との間でそのような老化防止剤の移行現象が生じやすいのではないかと解される。
【0074】
なお、本実施例品1の場合、他の実施例品2〜5に較べてPVCテープの基材及び粘着剤層に含有される老化防止剤の配合割合が、HF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤に対して10%相当量と低いことから、HF電線の老化防止剤がPVCテープ側へ若干量移行することが考えられるし、HF電線の老化防止剤がPVC電線の電線被覆材中へ溶け込むおそれがあるため10%相当量は下限に近い数値と考えられる。
【0075】
また本実施例品3〜5の場合は、PVCテープ側の老化防止剤の配合割合が、HF電線側の老化防止剤に対して150%相当量〜500%相当量と多少多めであることから、PVCテープ側の老化防止剤がHF電線側へ移行し、またHF電線からPVC電線へ老化防止剤が一部溶け込んでいくことが考えられるが、このような状態ではHF電線の電線被覆材中の老化防止剤の含有量が減少することは考え難く、HF電線の品質維持の点では全く問題のないことである。
【0076】
〔実施例4〕
これは、表2に示したPVC電線(老化防止剤なし)に表1に示したノンハロゲン(HF)系絶縁電線が混在した状態の電線束に、表5に示した各種組成のノンハロゲン(HF)系粘着剤付きテープ(従来品、本実施例品6〜10、比較例品2)をワイヤハーネス保護材として巻き付けた各種供試サンプルについて確認試験を行ったものである。実施例3との違いは、PVCテープではなくてHF系テープを用いた点である。その結果を表9に示す。
【0077】
試験の内容としては、実施例3の場合と同様、PVC電線(老化防止剤なし)とHF系電線との混在本数の比が、29本:1本、20本:10本、1本:29本の3種類の電線束を用意し、それぞれの電線束の周りに表5に示した各種組成のHF系粘着剤付きテープをその粘着剤層面を内側にしてハーフラップ巻きして供試サンプルとした。この場合も、1本のみが異種電線(PVC電線又はHF電線)の場合はその電線が一応粘着剤テープに接触するように束ね、また20本:10本の場合は異種電線がバラバラに分散状態で束ねられるように配慮した。
【0078】
そしてこれらの供試サンプルを150℃の恒温槽に96時間放置し、その後恒温槽から取り出し、テープを剥がしてHF電線をそれぞれ10φマンドレルに巻き付け、その時にHF電線の電線被覆材に亀裂が生じるか否か、あるいはその粘着剤付きテープそのものの電線束への巻き付け作業性などについて判定を行ったものである。
【0079】
その結果、マンドレルへの巻き付けテストでは、従来のHFテープ(老化防止剤なし)では29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線に亀裂が入り不良(×)と判定され、その他の供試サンプル(本実施例品6〜10、比較例品2)では、29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線に亀裂が入ることはなかった(○印)。また電線束からテープを剥がした時にHFテープそのものに亀裂が入っていることも確認された。一方、テープそのものの巻き付け作業性については、HFテープに過剰の老化防止剤が配合されている比較例品2はHF電線には亀裂が生じなかったもののテープ巻き付け作業性が悪い(×)と判定された。また、テープ製造時に粘着剤塗布もやり難く、塗糊性が悪いとの評価でもあった。これに対して本実施例品6〜10は29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もマンドレルへの巻き付けテストでHF電線に亀裂が生じることはなく(○)、テープそのものに亀裂が生じることもなかった。またテープ巻き付け作業性も良好であり(○)、テープ製造時の粘着剤塗糊性も良好(○)との判定が得られ、総合評価として良好である(○)との結果が得られた。
【0080】
【表9】
Figure 0004076207
【0081】
結果の考察:このような結果が得られた理由としては、他の実験結果(例えば、表7)でも述べたように、従来のHFテープ(老化防止剤なし)の場合にHF電線に亀裂が生じたのは、HF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤が高温環境下に曝されることによってHFテープ側へ移行し、HF電線の電線被覆材中の老化防止剤の含有量が減少したことに依るものと考えられる。メカニズム的にはHFテープの粘着剤層に含まれるロジン系樹脂などがHF電線の電線被覆材中へ溶け込み、代わりにHF電線の老化防止剤がその粘着剤組成物を媒体としてHFテープの粘着剤層や更にHFテープの基材中に溶け込むという現象が生じていると解される。
【0082】
またHFテープに亀裂が生じたことについては、HF電線の電線被覆材からHFテープ側へ老化防止剤の溶け込みがあったとしてもHFテープ側の含有率としては低いためにHFテープが高温環境下で耐久性を維持するまでには至らず、HFテープそのものの劣化が生じたものと解される。
【0083】
これに対して本実施例品6〜10の場合には、予めHFテープの基材及び粘着剤層に老化防止剤が適当量(10%相当量〜500%相当量)配合されているためにHF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤がHFテープ側へ移行することはなく、PVC電線とHF電線との本数が29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線の電線被覆材の劣化が阻止されたものと考えられる。ただ、この場合もPVC電線には老化防止剤が配合されていないのでHF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤がPVC電線の電線被覆材に溶け込む現象が生じると考えられるが、いずれの実施例においても問題がなかった。
【0084】
なお、本実施例品6の場合、他の実施例品7〜10に較べてHFテープの基材及び粘着剤層に含有される老化防止剤の配合割合が、HF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤に対して10%相当量と低いことから、HF電線の老化防止剤がHFテープ側へ若干量移行することが考えられるし、HF電線の老化防止剤がPVC電線の電線被覆材中へ溶け込むおそれがあるため10%相当量は下限に近い数値と考えられる。
【0085】
また本実施例品8〜10の場合は、HFテープ側の老化防止剤の配合割合が、HF電線側の老化防止剤に対して150%相当量〜500%相当量と多少多めであることから、HFテープ側の老化防止剤がHF電線側へ移行し、またHF電線からPVC電線へ老化防止剤が一部溶け込んでいくことが考えられるが、このような状態ではHF電線の電線被覆材中の老化防止剤の含有量が減少することは考え難く、HF電線の品質維持の点では全く問題のないことである。
【0086】
〔実施例5〕
これは、表3に示したPVC電線(老化防止剤入り)に表1に示したノンハロゲン(HF)系絶縁電線が混在した状態の電線束に、表4に示した各種組成のPVC系粘着剤付きテープ(従来品、本実施例品1〜5、比較例品1)をワイヤハーネス保護材として巻き付けた各種供試サンプルについて確認試験を行ったものである。実施例3との違いは、PVC電線に老化防止剤入りを用いた点である。その結果を表10に示す。
【0087】
試験の内容としては、やはり実施例3の場合と同じように、PVC電線(老化防止剤入り)とHF系電線との混在本数の比が、29本:1本、20本:10本、1本:29本の3種類の電線束を用意し、それぞれの電線束の周りに表4に示した各種組成のPVC系粘着剤付きテープをその粘着剤層面を内側にしてハーフラップ巻きして供試サンプルとした。この場合も、1本のみが異種電線(PVC電線又はHF電線)の場合はその電線が一応粘着剤テープに接触するように束ね、また20本:10本の場合は異種電線がバラバラに分散状態で束ねられるように配慮した。
【0088】
そしてこれらの供試サンプルを150℃の恒温槽に96時間放置し、その後恒温槽から取り出し、テープを剥がしてHF電線をそれぞれ10φマンドレルに巻き付け、その時にHF電線の電線被覆材に亀裂が生じるか否か、あるいはその粘着剤付きテープそのものの電線束への巻き付け作業性などについて判定を行ったものである。
【0089】
その結果、マンドレルへの巻き付けテストでは、従来のPVCテープ(老化防止剤なし)では29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線に亀裂が入り不良(×)と判定され、その他の供試サンプル(本実施例品1〜5、比較例品1)では、29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線に亀裂が入ることはなかった(○印)。一方、テープそのものの巻き付け作業性については、PVCテープに過剰の老化防止剤が配合されている比較例品1はHF電線には亀裂が生じなかったもののテープ巻き付け作業性が悪い(×)と判定された。また、テープ製造時に粘着剤塗布もやり難く、塗糊性が悪いとの評価でもあった。これに対して本実施例品1〜5は29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もマンドレルへの巻き付けテストでHF電線に亀裂が生じることはなく(○)、またテープ巻き付け作業性も良好であり(○)、テープ製造時の粘着剤塗糊性も良好(○)との判定が得られ、総合評価として良好である(○)との結果が得られた。
【0090】
【表10】
Figure 0004076207
【0091】
結果の考察:このような結果が得られた理由としては、他の実験結果(例えば、表8)でも述べたように、従来のPVCテープ(老化防止剤なし)の場合にHF電線に亀裂が生じたのは、HF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤が高温環境下に曝されることによってPVCテープ側へ移行し、HF電線の電線被覆材中の老化防止剤の含有量が減少したことに依るものと考えられる。やはりメカニズム的にはPVCテープの基材に含まれる可塑剤が粘着剤層を介してHF電線の電線被覆材中に混入し、あるいはテープの粘着剤層に含まれるロジン系樹脂などがHF電線の電線被覆材中に混入することによりHF電線の老化防止剤がその可塑剤や粘着剤組成物を媒体としてPVCテープの粘着剤層や更にPVCテープの基材中に溶け込むという現象が生じていると解される。
【0092】
但し、この実験例では、PVC電線に老化防止剤入りが用いられているため、PVC電線(老化防止剤入り)とHF電線とが混在状態で束ねられていても、PVC電線とHF電線との接触面ではHF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤がPVC電線の電線被覆材に溶け込むような現象が生じることはなく、実施例3の場合よりもHF電線の劣化は阻止され、HF電線の寿命延長の傾向にあることが確認された。
【0093】
一方、本実施例品1〜5の場合には、予めPVCテープの基材及び粘着剤層に老化防止剤が適当量(10%相当量〜500%相当量)配合されているためにHF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤がPVCテープ側へ移行することはなく、PVC電線とHF電線との本数が29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線の電線被覆材の劣化が阻止されたものと考えられる。しかも、この場合はPVC電線には老化防止剤が配合されているのでHF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤がPVC電線の電線被覆材に溶け込む現象が生じることはなく、PVC電線に老化防止剤を配合することが有効であることを示唆している。
【0094】
なお、本実施例品1の場合、他の実施例品2〜5に較べてPVCテープの基材及び粘着剤層に含有される老化防止剤の配合割合が、HF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤に対して10%相当量と低いことから、HF電線の老化防止剤がPVCテープ側へ若干量移行することが考えられるが、HF電線の老化防止剤がPVC電線の電線被覆材中へ溶け込むおそれがないため10%相当量というのは若干余裕のある数値と考えている。
【0095】
また本実施例品3〜5の場合は、PVCテープ側の老化防止剤の配合割合が、HF電線側の老化防止剤に対して150%相当量〜500%相当量と多少多めであることから、PVCテープ側の老化防止剤がHF電線側へ移行し、またHF電線からPVC電線へ老化防止剤が溶け込んでいくことはないと考えられるので、このような状態ではHF電線の電線被覆材中の老化防止剤の含有量が減少することは考え難く、HF電線の品質維持の点では全く問題のないことである。
【0096】
〔実施例6〕
これは、表3に示したPVC電線(老化防止剤入り)に表1に示したノンハロゲン(HF)系絶縁電線が混在した状態の電線束に、表5に示した各種組成のノンハロゲン(HF)系粘着剤付きテープ(従来品、本実施例品6〜10、比較例品2)をワイヤハーネス保護材として巻き付けた各種供試サンプルについて確認試験を行ったものである。実施例4との違いは、PVC電線に老化防止剤入りを用いた点であり、また実施例5との違いは、PVCテープではなくてHF系テープを用いた点である。その結果を表11に示す。
【0097】
試験の内容としては、実施例5の場合と同様、PVC電線(老化防止剤入り)とHF系電線との混在本数の比が、29本:1本、20本:10本、1本:29本の3種類の電線束を用意し、それぞれの電線束の周りに表5に示した各種組成のHF系粘着剤付きテープをその粘着剤層面を内側にしてハーフラップ巻きして供試サンプルとした。この場合も、1本のみが異種電線(PVC電線又はHF電線)の場合はその電線が一応粘着剤テープに接触するように束ね、また20本:10本の場合は異種電線がバラバラに分散状態で束ねられるように配慮した。
【0098】
そしてこれらの供試サンプルを150℃の恒温槽に96時間放置し、その後恒温槽から取り出し、テープを剥がしてHF電線をそれぞれ10φマンドレルに巻き付け、その時にHF電線の電線被覆材に亀裂が生じるか否か、あるいはその粘着剤付きテープそのものの電線束への巻き付け作業性などについて判定を行ったものである。
【0099】
その結果、マンドレルへの巻き付けテストでは、従来のHFテープ(老化防止剤なし)では29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線に亀裂が入り不良(×)と判定され、その他の供試サンプル(本実施例品6〜10、比較例品2)では、29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線に亀裂が入ることはなかった(○印)。また、電線束からテープを剥がした時にHFテープそのものに亀裂が入っていることも確認された。一方、テープそのものの巻き付け作業性については、HFテープに過剰の老化防止剤が配合されている比較例品2はHF電線には亀裂が生じなかったもののテープ巻き付け作業性が悪い(×)と判定された。また、テープ製造時に粘着剤塗布もやり難く、塗糊性が悪いとの評価でもあった。これに対して本実施例品6〜10は29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もマンドレルへの巻き付けテストでHF電線に亀裂が生じることはなく(○)、テープそのものに亀裂が生じることもなかった。またテープ巻き付け作業性も良好であり(○)、テープ製造時の粘着剤塗糊性も良好(○)との判定が得られ、総合評価として良好である(○)との結果が得られた。
【0100】
【表11】
Figure 0004076207
【0101】
結果の考察:このような結果が得られた理由としては、他の実験結果(例えば、表9)でも述べたように、従来のHFテープ(老化防止剤なし)の場合にHF電線に亀裂が生じたのは、HF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤が高温環境下に曝されることによってHFテープ側へ移行し、HF電線の電線被覆材中の老化防止剤の含有量が減少したことに依るものと考えられる。メカニズム的にはHFテープの粘着剤層に含まれるロジン系樹脂などがHF電線の電線被覆材中へ溶け込み、代わりにHF電線の老化防止剤がその粘着剤組成物を媒体としてHFテープの粘着剤層や更にHFテープの基材中に溶け込むという現象が生じていると解される。
【0102】
またHFテープに亀裂が生じたことについては、HF電線の電線被覆材からHFテープ側へ老化防止剤の溶け込みがあったとしてもHFテープ側の含有率としては低いためにHFテープが高温環境下で耐久性を維持するまでには至らず、HFテープそのものの劣化が生じたものと解される。
【0103】
一方、本実施例品6〜10の場合には、予めHFテープの基材及び粘着剤層に老化防止剤が適当量(10%相当量〜500%相当量)配合されているためにHF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤がHFテープ側へ移行することはなく、PVC電線とHF電線との本数が29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線の電線被覆材の劣化が阻止されたものと考えられる。しかも、この場合はPVC電線には老化防止剤が配合されているのでHF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤がPVC電線の電線被覆材に溶け込む現象が生じることもない。
【0104】
なお、本実施例品6の場合、他の実施例品7〜10に較べてHFテープの基材及び粘着剤層に含有される老化防止剤の配合割合が、HF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤に対して10%相当量と低いことから、HF電線の老化防止剤がHFテープ側へ若干量移行することが考えられるが、HF電線の老化防止剤がPVC電線の電線被覆材中へ溶け込むこともないので10%相当量というのはやはり若干余裕のある数値と考えられる。
【0105】
また本実施例品8〜10の場合は、HFテープ側の老化防止剤の配合割合が、HF電線側の老化防止剤に対して150%相当量〜500%相当量と多少多めであることから、HFテープ側の老化防止剤がHF電線側へ移行し、またHF電線からPVC電線へ老化防止剤が溶け込んでいくこともないので、このような状態ではHF電線の電線被覆材中の老化防止剤の含有量が減少することは考え難く、HF電線の品質維持の点では全く問題のないことである。
【0106】
次にノンハロゲン(HF)系絶縁電線、あるいはPVC絶縁電線の電線被覆材に配合される老化防止剤の配合量を変えることによって電線や保護材の品質安定性にどのような影響があるかについてのテストを行った。上述した表1〜表11までは、HF系電線の電線被覆材に配合される老化防止剤の配合量を3重量部、そしてPVC電線の電線被覆材に配合される老化防止剤の配合量を4.5重量部とし、それぞれの老化防止剤の含有率(ポリプロピレン樹脂等の流動性組成物に対する)を3%としていた(表1、表3を参照)が、以下の実施例では、その老化防止剤の配合量をそれぞれ3分の1の1重量部、1.5重量部とし、老化防止剤の含有率をそれぞれ3分の1の1%としている。表12、及び表13にそれぞれの電線被覆材の材料組成を示している(老化防止剤の含有率が、HF系電線においてはポリプロピレン樹脂に対する配合割合として、またPVC電線においてはPVC樹脂と可塑剤(DINP)と安定剤との合計量に対する配合割合として算出したものであることは、既述した通りである。)。
【0107】
【表12】
Figure 0004076207
【0108】
【表13】
Figure 0004076207
【0109】
またこの場合に使用されるワイヤハーネス保護材しての粘着剤付きPVCテープ、及びノンハロゲン(HF)系粘着剤付きテープの老化防止剤の配合量も減らして本実施例品11〜15では、10%相当量、100%相当量、150%相当量、250%相当量、500%相当量となるように調整し、また比較例品3も600%相当量に調整したものを用意した。表14は粘着剤付きPVCテープの材料組成を示し、表15はHF系粘着剤付きテープの材料組成を示している。
【0110】
【表14】
Figure 0004076207
【0111】
【表15】
Figure 0004076207
【0112】
次に各種の実施例について、上述した表6〜表11に示した結果との対比において説明する。
〔実施例7〕
これは、実施例1と対比されるもので、表12に示したノンハロゲン(HF)系絶縁電線単独の電線束に、表14に示した各種組成のPVC系粘着剤付きテープ(従来品、本実施例品11〜15、比較例品3)をワイヤハーネス保護材として巻き付けた各種供試試料(サンプル)について確認試験を行ったものである。実施例1との違いは、HF系電線に配合される老化防止剤の配合量を少なくし、それに対応してPVCテープの老化防止剤の配合量も少なくしたことである。その結果を表16に示す。
【0113】
試験の内容としては、実施例1の場合と同様、表12に示したHF系電線30本を一つに束ね、その周りに表14に示した各種組成のPVC系粘着剤付きテープをその粘着剤層面を内側にしてハーフラップ巻きしたものを供試サンプルとして用意する。そしてこれらの供試サンプルを150℃の恒温槽とそれよりも温度の低い120℃の恒温槽にそれぞれ96時間放置し、その後恒温槽から取り出し、テープを剥がしてHF電線をそれぞれ10φマンドレルに巻き付け、その時にHF電線の電線被覆材に亀裂が生じるか否かについてクラック有り/無しの目視による確認テストを行い、またその粘着剤付きテープそのものの電線束への巻き付け作業性などについて判定を行った。
【0114】
その結果、マンドレルへの巻き付けテストでは、表16に示したように、HF電線の電線被覆材中の老化防止剤の配合量が1重量部と少ない場合には、150℃×96時間の恒温槽テスト品にはPVCテープ中の老化防止剤の配合量が0〜250%相当量であったものについてHF系電線被覆材に亀裂が確認され、PVCテープ中には老化防止剤が250〜500%相当量配合されることが必要であるとの結果が得られた。また、120℃×96時間の恒温槽テスト品ではPVCテープ中の老化防止剤の配合量が10〜500%相当量のいずれの範囲のものにも電線被覆材に亀裂が生じることはなく、使用環境温度が比較的低い場合には充分に使用に耐え得ることも確認された。
【0115】
この結果から考察されることは、HF電線の電線被覆材に配合される老化防止剤の配合量が少ないほど保護材としての粘着剤付きPVCテープからその電線被覆材へ老化防止剤が移行し易いはずであるが、PVCテープ中の老化防止剤の配合量も少ない場合はPVCテープから電線被覆材への老化防止剤の移行量も少なく、したがってHF電線の電線被覆材に亀裂が入るケースが広がったものと解されるものである。但し、使用環境温度によってHF電線の電線被覆材の劣化の進行度合いは異なり、比較的低い使用環境温度の場合は、PVCテープ中の老化防止剤の配合割合を10%〜500%相当量の範囲とすることで充分に品質が保証されるものである。
【0116】
【表16】
Figure 0004076207
【0117】
〔実施例8〕
これは、実施例2と対比されるもので、表12に示したノンハロゲン(HF)系絶縁電線単独の電線束に、表15に示した各種組成のノンハロゲン(HF)系粘着剤付きテープ(従来品、本実施例品16〜20、比較例品4)をワイヤハーネス保護材として巻き付けた各種供試試料(サンプル)について実施例7と同様の確認試験を行ったものである。実施例7との違いはPVCテープに代えてHF系テープを用いた点である。また実施例2との違いは、HF電線の老化防止剤の配合量が少ないことと、HFテープの老化防止剤の配合量もそれに応じて少なくしたことである。その結果を表17に示す。
【0118】
その結果、やはりマンドレルへの巻き付けテストでは、表17に示しているように、HF電線の電線被覆材中の老化防止剤の配合量が1重量部と少ない場合には、150℃×96時間の恒温槽テスト品にはHF系テープ中の老化防止剤の配合量が0〜250%相当量であったものについてHF系電線被覆材に亀裂が確認され、HF系テープ中には老化防止剤が250〜500%相当量配合されることが必要であるとの結果が得られた。また、120℃×96時間の恒温槽テスト品ではHF系テープ中の老化防止剤の配合量が10〜500%相当量のいずれの範囲のものにも電線被覆材に亀裂が生じることはなく、使用環境温度が比較的低い場合には充分に使用に耐え得ることも確認された。
【0119】
そして現象的には実施例7の場合と同様に、HF電線の電線被覆材に配合される老化防止剤の配合量が少ないほど保護材としてのHF系粘着剤付きテープからその電線被覆材へ老化防止剤が移行し易いはずであるが、HF系テープ中の老化防止剤の配合量も少ない場合はHF系テープから電線被覆材への老化防止剤の移行量も少なく、したがってHF電線の電線被覆材に亀裂が入るケースが広がったものと解されるものである。そして、使用環境温度によってHF電線の電線被覆材の劣化の進行度合いは異なり、比較的低い使用環境温度の場合は、HF系テープ中の老化防止剤の配合割合を10%〜500%相当量の範囲とすることで充分に品質が保証されるものである。
【0120】
なお、この実施例8においては、HF系粘着剤付きテープについても亀裂が生じるか否かを判定したが、老化防止剤の配合量が0〜250%相当量のテープにはテープそのものに亀裂が入り、250〜500%相当量のテープには亀裂が入ることはなかった。テープ基材や粘着剤層に老化防止剤を配合することはテープそのものの劣化を阻止する上で有効であるが、電線被覆材に配合される老化防止剤の配合量が少ない場合には、高めの配合比率でテープ側に老化防止剤を配合しておくことが望ましい。なお、この場合も120℃×96時間の恒温槽テスト品にはそのような影響は全く認められなかった。
【0121】
【表17】
Figure 0004076207
【0122】
〔実施例9〕
これは、実施例3と対比されるもので、表2に示したPVC電線(老化防止剤なし)に表12に示したノンハロゲン(HF)系絶縁電線が混在した状態の電線束に、表14に示した各種組成のPVC系粘着剤付きテープ(従来品、本実施例品11〜15、比較例品3)をワイヤハーネス保護材として巻き付けた各種供試サンプルについて確認試験を行ったものである。実施例3との違いは、やはりHF系電線の老化防止剤の配合量を少なくし、それに対応してPVCテープの老化防止剤の配合量も少なくしたことである。
【0123】
試験の内容としては、実施例3の場合と同様、PVC電線(老化防止剤なし)とHF系電線との混在本数の比が、29本:1本、20本:10本、1本:29本の3種類の電線束を用意し、それぞれの電線束の周りに表14に示した各種組成のPVC系粘着剤付きテープをハーフラップ巻きして供試サンプルとし、1本のみが異種電線(PVC電線又はHF電線)の場合はその電線が粘着剤テープに接触するように束ね、また20本:10本の場合は異種電線がバラバラに分散状態で束ねられるように配慮した。
【0124】
そしてこれらの供試サンプルをやはり150℃の恒温槽と120℃の恒温槽にそれぞれ96時間放置した後取り出し、テープを剥がしてHF電線をそれぞれ10φマンドレルに巻き付け、その時にHF電線の電線被覆材に亀裂が生じるか否かについて目視確認による判定を行ったものである。
【0125】
その結果、表には示さないが、マンドレルへの巻き付けテストでは、HF電線の電線被覆材中の老化防止剤の配合量が1重量部と少ない場合にはPVCテープ中の老化防止剤の配合量が0〜250%相当量だと、150℃×96時間の恒温槽テスト品には29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線に亀裂が入り不良(×)と判定され、120℃×96時間の恒温槽テスト品ではそのようなことはなく、29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線に亀裂が入ることはなかった(○印)。
【0126】
そしてこの結果の考察においても、HF電線の電線被覆材に配合される老化防止剤の配合量が少ないほど保護材としての粘着剤付きPVCテープからその電線被覆材へ老化防止剤が移行し易いはずであるが、PVCテープ中の老化防止剤の配合量も少ない場合はPVCテープから電線被覆材への老化防止剤の移行量も少なく、したがってHF電線の電線被覆材に亀裂が入るケースが広がったものと解されるものである。
【0127】
またこの実験例では、PVC電線(老化防止剤なし)とHF電線とが混在状態で束ねられているため、PVC電線とHF電線との接触面ではHF電線の電線被覆材に含有される老化防止剤がPVC電線の電線被覆材に溶け込む現象が生じ、PVC電線とHF電線との本数の比が29本:1本の場合は特にHF電線の亀裂が激しくなる傾向にあると推定されるものであった。
【0128】
〔実施例10〕
これは、実施例4と対比されるもので、表2に示したPVC電線(老化防止剤なし)に表12に示したノンハロゲン(HF)系絶縁電線が混在した状態の電線束に、表15に示した各種組成のノンハロゲン(HF)系粘着剤付きテープ(従来品、本実施例品16〜20、比較例品4)をワイヤハーネス保護材として巻き付けた各種供試サンプルについて確認試験を行ったものである。実施例9との違いは、PVCテープではなくてHF系テープを用いた点である。また実施例4との違いは、HF電線の老化防止剤の配合量を少なくしたこと、そしてそれに対応してHFテープの老化防止剤の配合量も減らしたことである。
【0129】
試験の内容としては、実施例9の場合と同様、PVC電線(老化防止剤なし)とHF系電線との混在本数の比が、29本:1本、20本:10本、1本:29本の3種類の電線束を用意し、それぞれの電線束の周りに表15に示した各種組成のHF系粘着剤付きテープをハーフラップ巻きして供試サンプルとし、これらの供試サンプルを150℃の恒温槽と120℃の恒温槽にそれぞれ96時間放置し、その後恒温槽から取り出し、テープを剥がしてHF電線をそれぞれ10φマンドレルに巻き付け、その時にHF電線の電線被覆材に亀裂が生じるか否かについてやはり目視確認による判定を行ったものである。
【0130】
その結果、やはり表には示さないが、マンドレルへの巻き付けテストでは、HF電線の電線被覆材中の老化防止剤の配合量が1重量部と少ない場合には、HFテープ中の老化防止剤の配合量が0〜250%相当量だと、150℃×96時間の恒温槽テスト品には29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線に亀裂が入り不良(×)と判定され、120℃×96時間の恒温槽テスト品ではそのようなことはなく、本実施例品29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線に亀裂が入ることはなかった(○印)。
【0131】
この場合の考察としても、HF電線の電線被覆材に配合される老化防止剤の配合量が少ないほど保護材としてのHF系粘着剤付きテープからその電線被覆材へ老化防止剤が移行し易いはずであるが、HF系テープ中の老化防止剤の配合量も少ない場合はHF系テープから電線被覆材への老化防止剤の移行量も少なく、したがってHF電線の電線被覆材に亀裂が入るケースが広がったものと解されるものである。
【0132】
なお、この実施例10の場合も、HF系粘着剤付きテープの老化防止剤の配合量が0〜250%相当量のものにはテープそのものに亀裂が入り、250〜500%相当量のテープには亀裂が入ることはなかった。やはり電線被覆材に配合される老化防止剤の配合量が少ない場合には、高めの配合比率でテープ側に老化防止剤を配合しておくことが高温環境下での使用に耐え得るためには望ましい。しかし、この場合も比較的低温度での使用環境下では全く問題のないことである。
【0133】
〔実施例11〕
これは、実施例5と対比されるもので、表13に示したPVC電線(老化防止剤入り)に表12に示したノンハロゲン(HF)系絶縁電線が混在した状態の電線束に、表14に示した各種組成のPVC系粘着剤付きテープ(従来品、本実施例品11〜15、比較例品3)をワイヤハーネス保護材として巻き付けた各種供試サンプルについて確認試験を行ったものである。実施例9との違いは、PVC電線に老化防止剤入りを用いた点である。また実施例5との違いは、PVC電線及びHF系電線の老化防止剤の配合量を少なくし、PVCテープの老化防止剤もそれに対応して減らしたことである。
【0134】
この場合も試験の内容としては、実施例9の場合と同じように、PVC電線(老化防止剤入り)とHF系電線との混在本数の比が、29本:1本、20本:10本、1本:29本の3種類の電線束を用意し、それぞれの電線束の周りに表14に示した各種組成のPVC系粘着剤付きテープをハーフラップ巻きして供試サンプルとし、やはり1本のみが異種電線(PVC電線又はHF電線)の場合はその電線が粘着剤テープに接触するように束ね、また20本:10本の場合は異種電線がバラバラに分散状態で束ねられるように配慮した。
【0135】
そしてこれらの供試サンプルを150℃の恒温槽と120℃の恒温槽にそれぞれに96時間放置した後取り出し、テープを剥がしてHF電線をそれぞれ10φマンドレルに巻き付け、HF電線の電線被覆材に亀裂が生じるか否かの目視による確認テストを行い、またその粘着剤付きテープそのものの電線束への巻き付け作業性などについて判定を行ったものである。
【0136】
その結果、やはりマンドレルへの巻き付けテストでは、表には示さないが、PVCテープ中の老化防止剤の配合量が0〜250%相当量だと、150℃×96時間の恒温槽テスト品には29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線に亀裂が入り不良(×)と判定され、120℃×96時間の恒温槽テスト品ではそのようなことはなく、本実施例品29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線に亀裂が入ることはなかった。
【0137】
これはHF電線の電線被覆材に配合される老化防止剤の配合量が少ないために、またPVC電線の被覆材の老化防止剤量も少なめであるために、150℃の恒温槽テスト品にはHF電線の電線被覆材の熱による劣化が進行したものと解される。120℃の恒温槽テスト品では問題なかったので比較的低温度での使用環境では使用に耐え得ることは確認された。
【0138】
〔実施例12〕
これは、実施例6と対比されるもので、表13に示したPVC電線(老化防止剤入り)に表12に示したノンハロゲン(HF)系絶縁電線が混在した状態の電線束に、表15に示した各種組成のPVC系粘着剤付きテープ(従来品、本実施例品16〜20、比較例品4)をワイヤハーネス保護材として巻き付けた各種供試サンプルについて確認試験を行ったものである。実施例10との違いは、PVC電線に老化防止剤入りを用いた点であり、また実施例11との違いは、PVCテープではなくてHF系テープを用いた点である。さらに実施例6との違いは、PVC電線、HF系電線ともに老化防止剤の配合量が少なく、それに対応してHF系テープの老化防止剤を少なめに抑えたものである。
【0139】
試験の内容としては、この場合も実施例11と同様、PVC電線(老化防止剤入り)とHF系電線との混在本数の比が、29本:1本、20本:10本、1本:29本の3種類の電線束を用意し、それぞれの電線束の周りに表15に示した各種組成のHF系粘着剤付きテープをハーフラップ巻きして供試サンプルとした。
【0140】
そしてこれらの供試サンプルを150℃の恒温槽と120℃の恒温槽にそれぞれに96時間放置した後取り出し、テープを剥がしてHF電線をそれぞれ10φマンドレルに巻き付け、その時にHF電線の電線被覆材に亀裂が生じるか否かを目視により確認し、またその粘着剤付きテープそのものの電線束への巻き付け作業性などについて判定を行ったものである。
【0141】
その結果、マンドレルへの巻き付けテストでは、やはり表には示さないが、HFテープ中の老化防止剤の配合量が0〜250%相当量だと、150℃×96時間の恒温槽テスト品には29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線に亀裂が入り不良(×)と判定され、120℃×96時間の恒温槽テスト品では本実施例品29本:1本、20本:10本、1本:29本のいずれの場合もHF電線に亀裂が入ることはなかった(○印)。
【0142】
そしてこの場合も、HF電線の電線被覆材に配合される老化防止剤の配合量が少ないために、またPVC電線の被覆材の老化防止剤量も少なめであるために、150℃の恒温槽テスト品にはHF電線の電線被覆材の熱による劣化が進行したものと解される。120℃の恒温槽テスト品では問題なかったので比較的低温度での使用環境では使用に耐え得ることは確認された。
【0143】
次の表18は、電線被覆材中の老化防止剤の配合量が多い場合と少ない場合とで、粘着剤付きテープの老化防止剤の配合割合によって恒温槽テストの結果にどのような違いがあったかをまとめたものである。この表18では、HF系電線の電線被覆材中の老化防止剤の配合量が3重量部の場合と1重量部の場合とで示している。ポリオレフィン樹脂に対する老化防止剤の含有率で表示すると前者が3%、後者が1%に相当することは既述した通りである。また保護材については粘着剤付きPVCテープとHF系粘着剤付きテープとでは10φマンドレルへの巻き付けテストによりHF電線の亀裂の有り/無しの目視確認に差がなかったのでまとめて示している。
【0144】
その結果表18に示されるように、HF電線の電線被覆材中の老化防止剤の配合量が3重量部のものに較べて1重量部と少ない場合には、150℃×96時間の恒温槽テストにおいてPVCテープあるいはHF系テープ中の老化防止剤の配合量が0〜250%相当量と低めであるものについてHF系電線被覆材に亀裂が生じ、テープ中に老化防止剤が250〜500%相当量配合されることが望ましいとの結果が得られた。そして一方、120℃×96時間の恒温槽テストではPVCテープあるいはHF系テープ中の老化防止剤の配合量が10〜500%相当量という広い範囲でHF電線被覆材に亀裂が生じることはなかった。したがって使用環境温度が比較的低い場合にはテープ中の老化防止剤の配合量が低めのものも充分に使用に耐え得るとの結論が得られた。
【0145】
【表18】
Figure 0004076207
【0146】
以上、各種の実施例で説明したように、ワイヤハーネス保護材としての粘着剤付きテープの基材あるいは粘着剤層に老化防止剤を配合することにより、そのワイヤハーネスとしての電線束に含まれるHF系絶縁電線の電線被覆材がたとえ高温度の使用環境で用いられたとしてもその劣化が阻止され、HF電線の耐用期間が充分に得られることになる。
【0147】
また、HF系絶縁電線がPVC絶縁電線と混在状態で使用されることがあってもワイヤハーネス保護材としての粘着剤付きテープ側に老化防止剤を配合しておくことにより、たとえそれがPVCテープであったとしても電線被覆材は保護されることになる。そしてこの時にPVC電線の電線被覆材に老化防止剤が配合されたものであれば、HF系絶縁電線の寿命は更に延びることが期待されるものである。
【0148】
本発明は上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記各種の実施例では、ワイヤハーネス保護材としてPVC樹脂系の代表的組成のもの、及びポリオレフィン系の代表的組成のものを示したが、配合組成を種々変更したものにも適用されることは言うまでもない。また、ポリオレフィン系のワイヤハーネス保護材である粘着剤付きテープの基材には臭素系の難燃剤を少量配合したもの(すなわち、低ハロゲン系のもの)を示したが、全くハロゲン元素を含まないものであっても勿論構わず、要するに本発明の趣旨はワイヤハーネス保護材としてのこれらの粘着剤付きテープ、チューブ、あるいはシート状物について老化防止剤を配合することにより電線被覆材との相互作用で電線被覆材中の老化防止剤がワイヤハーネス保護材側へ拡散移動しないようにすることにある。そしてノンハロゲン系絶縁電線が単独で使用される場合のみならず、PVC絶縁電線とノンハロゲン系絶縁電線とが混在して使用される状態においてもそれぞれの電線間、及び各電線とこれらの電線束をシールする保護材との間の品質劣化の影響を回避し、ワイヤハーネスとしての電線品質の安定、及び電線寿命の延長による恒久的使用を達成することにある。
【0149】
なお、上記実施例では特に説明しなかったが、PVC絶縁電線が単独で使用される場合にもワイヤハーネス保護材に老化防止剤を配合することは意味のあることである。例えば、ノンハロゲン(HF)系のワイヤハーネス保護材に老化防止剤を出来れば多めに配合することにより、多少ワイヤハーネス保護材からPVC電線への老化防止剤の移動があってもワイヤハーネス保護材の品質は維持されることになる。また、PVC絶縁電線でも老化防止剤入りのものが用いられておれば、ワイヤハーネス保護材の耐用期間は更に延び、安定した品質が発揮されるものである。
【0150】
【発明の効果】
本発明のワイヤハーネス保護材によれば、PVC系あるいはノンハロゲン(HF)系の基材に粘着剤が付与される粘着剤付きテープの基材及び粘着剤層に老化防止剤を配合することにより、特に環境問題により開発されたノンハロゲン(HF)系絶縁電線の電線被覆材に配合される老化防止剤の溶出が抑制され、HF系電線の耐用期間が延びるという特有の効果を奏するものである。
【0151】
したがって、このようなワイヤハーネスが例えば、自動車のエンジン回り等の過酷な使用環境下で使用されてもPVC絶縁電線はもとよりノンハロゲン系絶縁電線の品質も保たれ、恒久的・安定的使用が果たされるなど、産業上の実益は極めて大きいものである。

Claims (3)

  1. ノンハロゲン系絶縁電線のみからなる電線束、又はポリ塩化ビニル系絶縁電線とノンハロゲン系絶縁電線とが混在した電線束の周りに巻回されるワイヤーハーネス保護材において、ノンハロゲン系樹脂を主成分とする基材の表面に粘着剤層が付与され、かつ、その基材及び着剤層に老化防止剤が含有され、その基材及び粘着剤層に含有される老化防止剤の含有量が、この保護材によって被覆される電線束のうちノンハロゲン系絶縁電線の電線被覆材に含有される老化防止剤の含有量に対して10〜500%相当量の配合割合とされていることを特徴とするワイヤーハーネス保護材。
  2. 前記ノンハロゲン系樹脂は、オレフィン系のプロピレンポリマーポリエチレンポリブテンポリマー、エチレン共重合体オレフィン系エラストマーまたはこれら共重合体中の不飽和二重結合を水素添加により飽和した共重合体の1種、又は2種以上からなることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス保護材。
  3. 前記請求項1又は2に記載のテープ状のワイヤハーネス保護材がその基材の表面に付与される粘着剤層を内側にしてノンハロゲン系絶縁電線のみからなる電線束、あるいはノンハロゲン系絶縁電線とポリ塩化ビニル系絶縁電線とが混在した電線束の周りにテープ状に巻されているワイヤハーネス。
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