JPH11209627A - 半導電性樹脂組成物およびそれを用いた電力ケーブル - Google Patents

半導電性樹脂組成物およびそれを用いた電力ケーブル

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JPH11209627A
JPH11209627A JP912298A JP912298A JPH11209627A JP H11209627 A JPH11209627 A JP H11209627A JP 912298 A JP912298 A JP 912298A JP 912298 A JP912298 A JP 912298A JP H11209627 A JPH11209627 A JP H11209627A
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JP
Japan
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graphite
resin composition
encapsulated
semiconductive
power cable
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Application number
JP912298A
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Inventor
Hiroyuki Miyata
裕之 宮田
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力ケーブルの外部半電導層等に用いられる
半導電性樹脂組成物として、導電性に優れ、かつ押出加
工性にも優れたものを得る。 【解決手段】 ベース樹脂に、カプセル化黒鉛を配合し
た半導線性樹脂組成物を提供し、これを電力ケーブルの
外部半導電層として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導電性樹脂組成
物およびそれを外部半導電層に用いた電力ケーブルに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、架橋ポリエチレンを絶縁体と
する電力ケーブル(CVケーブル)が広く使用されてお
り、このような電力ケーブルでは、絶縁体上に外部半導
電層が設けられている。この外部半導電層には、絶縁体
との剥離が容易なタイプと、困難なタイプがあり、剥離
が容易なタイプの外部半導電層には、主にエチレンー酢
酸ビニル共重合体等からなるベース樹脂にカーボンブラ
ックを添加した半導電性樹脂組成物が用いられている。
【0003】上記半導電性樹脂組成物に必要な導電率を
得るためには、一般にベース樹脂に、導電剤としてカー
ボンブラックを配合している。該カーボンブラックとし
ては、アセチレンブラックや、ケッチェンブラックなど
が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記カ
ーボンブラックとしてアセチレンブラックを用いた場合
においては、電力ケーブルの外部半導電層に必要な導電
率を得るために、半導電性樹脂組成物として必要とされ
る体積抵抗率を得るためには、ベース樹脂100重量部
に対して、40〜50重量部を添加する必要があり、そ
のために、押出加工性に劣り、押出加工する際の加工条
件に制約があった。また、上記カーボンブラックとして
ケッチェンブラックを使用した場合には、ケッチェンブ
ラックが凝集性を有するため、外部半電導層に微細な突
起ができやすいという問題があった。外部半導電層にで
きたこのような小さな突起は、電力ケーブルの電気性能
を低下させてしまう。
【0005】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、電力ケーブルの外部半導電層に用いられる半導電性
樹脂組成物として、導電性に優れ、かつ押出加工性にも
優れた半導電性樹脂組成物を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の半導電性樹脂組
成物は、ベース樹脂に、カプセル化黒鉛を配合すること
を前記課題の解決手段とした。また、本発明の電力ケー
ブルは、この半導電性樹脂組成物を外部半導電層に用た
ものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の半導電性樹脂組成物は、ベース樹脂にカプセル
化黒鉛を配合してなるものである。
【0008】本発明に用いられるカプセル化黒鉛とは、
黒鉛の表面全てをスチレンやアクリル酸エステルのモノ
マー等を重合して得られた絶縁性プラスチック薄膜によ
り被覆したものである。一般に、黒鉛は、炭素系導電剤
としてはカーボンブラックよりも優れた導電性を有する
ものであるが、樹脂組成物にそのまま配合しても親和性
が低く分散性に劣るため、導電剤としては実用化されて
いない。しかし、この黒鉛を絶縁性プラスチック薄膜に
より被覆してカプセル化することにより、優れた導電性
付与能力を有するものとなる。よって、これを樹脂に配
合した樹脂組成物においては導電性を示すようになる。
【0009】このカプセル化黒鉛は、一定粒度に調整さ
れた黒鉛の共存下において、スチレンやアクリル酸エス
テルなどモノマーを重合することによって得られる絶縁
性プラスチック薄膜によって被覆したものである。中身
となる黒鉛としては、特に限定されず、天然黒鉛でも、
人工黒鉛でも、二次加工されたものでもよい。カプセル
化黒鉛の製造方法としては、一般の重合装置を用いてお
こなう。まず、予め重合容器に水と界面活性剤を入れて
おき、撹拌しながら黒鉛を加える。これに、前記モノマ
ーと重合開始剤を加える。すると、絶縁性プラスチック
薄膜が黒鉛表面を被覆するようになる。これを数時間撹
拌後に、重合禁止剤を入れ重合反応を停止させ、黒鉛だ
けを濾過で分離して洗浄乾燥させることによってカプセ
ル化黒鉛を得ることができる。
【0010】上述のカプセル化黒鉛をベース樹脂に配合
することにより、本発明の半導電性組成物を得ることが
できる。その配合量としては、ベース樹脂100重量部
に対して、カプセル化黒鉛を30〜50重量部配合する
ことが好ましい。30重量部未満であると、半導電性樹
脂組成物として必要な導電性を与えることができず、5
0重量部を越えると、押出成形時の押出加工性に劣るこ
ととなる。
【0011】本発明に用いられるベース樹脂としては、
エチレンー酢酸ビニル共重合体が主として用いられる。
このエチレンー酢酸ビニル共重合体としては、特に制限
されないが、好ましくはその酢酸ビニルの含有量が10
〜45重量%、より好ましくは14〜30重量%の範囲
のものが用いられる。酢酸ビニル含有が10重量%未満
のものでは、電力ケーブルの外部電導層としたときに架
橋ポリエチレンの絶縁体との剥離性が低下し(接着性が
良くなって)、剥離作業が困難となる。また、45重量
%を越えると、その軟化温度が大きく低下し、常温以上
での温度において絶縁体と良好に密着してしまい、不都
合となる。また、エチレンー酢酸ビニル共重合体として
は、そのメルトフローレート(MFR)が2〜400の
範囲のものが、電力ケーブルの外部半導層として用いた
ときの機械的特性などの点から好ましい。
【0012】また、本発明の半導電性樹脂組成物には、
酸化防止剤、架橋剤、架橋助剤、充填剤などの添加剤を
適宜添加することができる。
【0013】本発明の半導電性樹脂組成物においては、
導電剤としてカプセル化黒鉛を用いたものであるので、
少量の添加にもかかわらず、導電性に優れ、かつ加工性
に優れたものとなる。よって、従来使用されるカーボン
ブラックの添加量に比べ、少ない配合量において所望の
導電率を得ることができ、また、カーボンブラックにお
いては押出加工性に問題が生じる添加量であっても、カ
プセル化黒鉛の場合においてはその押出加工性は良好で
あり押出加工時の条件を制限する必要はない。このよう
なことから、電力ケーブルの外部半導電層として好適に
用いられる。
【0014】本発明の電力ケーブルは、上述の導電剤と
してカプセル化黒鉛を使用した半導電性樹脂組成物をそ
の外部半導電層として用い、押出被覆することにより得
ることができる。
【0015】
【実施例】以下、実施例を示して本発明について具体的
に説明する。ベース樹脂として、酢酸ビニル含有量が2
8重量%で、メルトフローレート4であるエチレンー酢
酸ビニル共重合体(EVA)を用い、導電剤としてカプ
セル化黒鉛またはアセチレンブラックを用いて、表2に
示す配合量(単位は重量部とする)により配合して、実
施例1〜3、比較例1〜5の半導電性樹脂組成物を得
た。
【0016】上記実施例1〜3、比較例1〜5の半導電
性樹脂組成物について、加工性と導電性を評価した。
【0017】(加工性)加工性については、スクリュー
径25mmφの小型押出機を用いて、上記実施例1〜
3、比較例1〜5の半導電性樹脂組成物を押出成形し、
紐状物とした。そして、この紐状物の表面状態を目視に
より観察し、その表面状態がザラザラ状で突起物が認め
られるものを加工性の不良なものとして「×」とし、滑
らかな状態で、突起物が認められないものを加工性の良
好なものとして「○」として評価した。結果を表1に示
す。
【0018】(導電性)導電性については、半導電性樹
脂組成物の体積抵抗率を測定し評価した。まず、実施例
1〜3、比較例1〜5の半導電性樹脂組成物から、それ
ぞれ厚さ1.0±0.2mmのプレスシートを作製し、
このプレスシートから2cm×10cmの測定用試料を
2枚ずつ切り出し作製した。ついで、図1に示すように
上記測定用試料1を2枚重ねて、その両端2,3をアル
ミ箔で巻いてクリップ4,4で留め、これを電極とし、
試験片10を作製した。ついで、この試験片10を、図
2に示すような空気恒温槽5内に設置された体積抵抗率
が1012Ω−cmである表面のきれいな絶縁板6上にお
き、温度60℃±0.5℃において、30分間放置し
た。ついで、体積抵抗率測定装置としてホイートストン
ブリッジ7を用い、試験片10の抵抗値を測定した。そ
して、この抵抗値から以下の計算式(I)により体積抵
抗率を算出した。
【0019】ρ=d×w×R/l・・・(I) ρ:体積抵抗率 (Ωーcm) d:試験片の厚さ (cm) w:試験片の幅 = 2(cm) R:抵抗測定値 (Ω) l:電極間の長さ=10(cm) このとき、試験片10の厚さは、測定用試料1の幅の中
央の長さ方向に5カ所測定箇所を設け、その厚さを測定
し、その算術平均値を試験片10の厚さとする。ただ
し、5カ所の測定値は、平均値の±10%の範囲でなけ
ればならない。このように算出された体積抵抗率は、導
電率に関係し、この値が低いほうが導電性が高いとされ
る。
【0020】これらの結果を表1に示す。また導電性に
おける評価は、体積抵抗率が104〜105Ωーcmのも
のを導電性が高いものとして「○」とし、体積抵抗率が
105Ωーcmを越えるものを導電性が低いものとして
「×」として評価した。
【0021】
【表1】
【0022】これらの結果から本発明の実施例において
は、導電性、加工性ともに優れていることがわかる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明の半導電性樹
脂組成物は、ベース樹脂にカプセル化黒鉛を配合したも
のであるので、導電性に優れ、かつ加工性に優れる。よ
って、電力ケーブルの外部半導電層などとして好適に用
いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における体積抵抗率を測定す
るための試験片の設置方法を示した概略構成図である。
【図2】 本発明の実施例における体積抵抗率の測定方
法を説明するための概略構成図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース樹脂に、カプセル化黒鉛を配合し
    たことを特徴とする半導電性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導電性樹脂組成物を外
    部半導電層に用いてなることを特徴とする電力ケーブ
    ル。
JP912298A 1998-01-20 1998-01-20 半導電性樹脂組成物およびそれを用いた電力ケーブル Withdrawn JPH11209627A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004250643A (ja) * 2003-02-21 2004-09-09 Misato Kk 電磁波吸収構造物とその製造方法
KR100750946B1 (ko) 2005-01-25 2007-08-22 삼성토탈 주식회사 초고속 압출코팅용 에틸렌비닐아세테이트 수지

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004250643A (ja) * 2003-02-21 2004-09-09 Misato Kk 電磁波吸収構造物とその製造方法
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Effective date: 20050405