JPH0792699A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH0792699A
JPH0792699A JP23523493A JP23523493A JPH0792699A JP H0792699 A JPH0792699 A JP H0792699A JP 23523493 A JP23523493 A JP 23523493A JP 23523493 A JP23523493 A JP 23523493A JP H0792699 A JPH0792699 A JP H0792699A
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JP
Japan
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photoconductive layer
charge
layer
photosensitive member
electrophotographic
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Application number
JP23523493A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Ebine
俊裕 海老根
Hiromichi Arakawa
博道 荒川
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 結着樹脂中に電荷発生物質を分散させた光導
電層を有する単層型電子写真感光体において、23℃・
50%R.H.の環境下で、4×105 V/cmの電界を
印加した時の光導電層の電荷の移動度の値が、 1×1
-5cm2/V・秒以上である電子写真感光体、正帯電型
の場合光導電層表面のイオン化ポテンシャルの値が、大
気中光電子放出法による測定で5.4eV以上である前
記電子写真感光体、及び1cm2 当たりの電気抵抗値が1
×1010Ω以下の中間層を有する前記電子写真感光体。 【効果】 複写機、プリンタ等から繰り返し安定した高
品質印字画像を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、LDプリン
タ、LEDプリンタ、LCDプリンタ等に使用される電
子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスを用いた複写機、プリ
ンタ等に搭載される電子写真感光体に対しては、下記に
示す特性全般を満足することが必要である。 (1)暗所において適当な電位に帯電できるだけの帯電
能を有する。 (2)暗所における電荷の保持能力が大きい。 (3)光照射によって、速やかに、且つ、充分に電荷を
逸脱できるだけの光感度を有する。 (4)適当な面積を持つ電子写真感光体が容易に作製で
きる。 (5)繰り返し安定性に優れる。 (6)耐久性に優れる。 (7)安価である。 (8)無毒である。
【0003】これらの特性は、感光体に使用される素
材、即ち、電荷発生物質、バインダー樹脂等により大き
く支配される。従って、現在はこれらの素材の新規開発
に注力している研究者が多く、また、これらの素材に対
して量子化学理論の導入による分子デザインや最終的に
得られる感光体に対して、その光導電現象を物性面から
基礎物理学的に解析を行なう研究者も増え、上記特性を
充分に満足できる高性能な感光体設計が可能になりつつ
ある。
【0004】現在、電子写真感光体としては、成膜の容
易性、毒性、生産性やコスト面からのメリット、また使
い易さ等の理由により、無機化合物系の感光体より有機
化合物系の感光体の利用が主流を占めている。更には、
光感度、繰り返し安定性等の電子写真特性を向上させる
目的で、電荷発生機能と電荷輸送機能を個々に分担させ
た機能分離型の積層有機感光体が広く使われている。
【0005】しかしながら、当該積層有機感光体は、機
能を分離することによって感光体特性の向上が認められ
るものの、現段階では、電荷輸送能を担う電荷輸送物質
が実用的な面を考慮した場合、正孔キャリアを輸送する
材料のみしか使われていないために、一般に負帯電型の
電子写真感光体としての利用が多い。この結果、印字プ
ロセス中にオゾンが多量に発生する等の問題が出てく
る。また、積層にすることによって、電荷発生層、電荷
輸送層の各諸物性の適合性検討の必要性、例えば、感度
支配因子として電荷発生能、電荷輸送能の他に電荷の注
入過程の考慮等、更には、感光体作製工程における塗工
回数の増加等、様々な欠点も有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような欠点を克服
するために、例えば、オゾンの発生抑制に対しては正帯
電型の単層感光体による対処等に代表されるように、単
層型の有機感光体の開発に大きな力が注がれているが、
当該単層型感光体は充分な感度が得られない、インダク
ション効果に起因して光応答性が遅い、繰り返し特性が
不安定等の問題が現在に至っても残存しており、充分実
用に耐え得る感光体は得られていない。本発明が解決し
ようとする課題は、充分な感度を有し、且つ、繰り返し
安定性に優れ、しかも反転現像方式の電子写真プロセス
で見られる逆極性電圧印加に起因する転写チャージ疲労
を回避した高品質な印字画像を出力する単層型電子写真
感光体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らが上記課題を
解決するために鋭意検討を行なった結果、以下に示す手
段を講じることによって上記課題を解決することに成功
した。
【0008】1.高感度化並びに繰り返し特性の安定化
については、光導電層に於ける電荷の移動度の値を、2
3℃・50%R.H.の環境下で4×105V/cmの電
界を印加した時に、1×10-5cm2/V・秒以上とす
る。
【0009】2.感度を損なうことなく、正帯電型感光
体の繰り返し特性を更に安定化させるには、23℃・5
0%R.H.の環境下に於ける光導電層表面のイオン化
ポテンシャルの値を、大気中光電子放出法による測定で
5.4eV以上とする。
【0010】3.感度、繰り返し安定性を損なうことな
く、反転現像用感光体の耐転写チャージ特性を強化する
には、導電性支持体と光導電層の間に、23℃・50%
R.H.の環境下に於ける1cm2 当たりの電気抵抗値が
1×1010Ω以下の中間層を設ける。
【0011】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、(1)導電性支持体上に結着樹脂中に電荷発生物質
を分散させた光導電層を有する単層型電子写真感光体で
あって、23℃・50%R.H.の環境下で、4×10
5 V/cmの電界を印加した時の光導電層の電荷の移動度
の値が、 1×10-5cm2/V・秒以上であることを特徴
とする電子写真感光体、(2)23℃・50%R.H.
の環境下における光導電層表面のイオン化ポテンシャル
の値が、大気中光電子放出法による測定で5.4eV以
上であり、且つ帯電電荷の極性が正である前記(1)記
載の電子写真感光体及び(3)導電性支持体と光導電層
の間に、23℃・50%R.H.の環境下における1cm
2 当たりの電気抵抗値が1×1010Ω以下の中間層を有
する前記(1)及び(2)記載の電子写真感光体を提供
する。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。23℃・
50%R.H.の環境下で、4×105 V/cmの電界を
印加した時の電荷の移動度の値が 1×10-5cm2/V・
秒以上である光導電層を有する電子写真感光体、或いは
更に光導電層表面のイオン化ポテンシャルの値が、大気
中光電子放出法による測定で5.4eV以上であり、且
つ帯電電荷の極性が正である電子写真感光体は、電荷発
生物質単独、或いは、必要に応じて電荷輸送物質を適宜
組み合わせることによって得られる。
【0013】本発明の光導電層に用いられる電荷発生物
質としては、正帯電型感光体に用いられる正孔輸送能を
有する電荷発生物質と、負帯電型感光体に用いられる電
子輸送能を有する物質とがあるが、本発明では両者とも
用いることができる。
【0014】正孔輸送能を有する電荷発生物質として
は、例えば、フタロシアニン系顔料、ピレン系顔料等の
種々の有機顔料や、アモルファスセレン等の無機材料を
挙げることができる。
【0015】また、電子輸送能を有する電荷発生物質と
しては、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、
インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料等の種々の有機顔
料や、更にアモルファスシリコン、硫化カドミウム、酸
化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料を挙げることができる。
【0016】電荷発生物質は、ここに挙げたものに限定
されるものではなく、その使用に際しては単独、或いは
2種類以上混合して用いることができる。また、必要に
応じて1種類或いは2種類以上の低分子電荷輸送物質を
添加したり、或いは、結着樹脂としての機能も併用した
高分子電荷輸送物質を使用することもできる。
【0017】これらの材料は導電性支持体上にバインダ
ー樹脂に分散され塗布されることにより成膜されて用い
られる。
【0018】電荷発生物質とバインダー樹脂との使用割
合は、重量比で2:1〜1:5の範囲が好ましい。
【0019】また、低分子電荷輸送物質とバインダー樹
脂との使用割合は、重量比で2:1〜1:2の範囲が好
ましく、電荷発生物質と結着樹脂機能併用高分子電荷輸
送物質との使用割合は、重量比で2:1〜1:5の範囲
が好ましい。
【0020】電荷輸送物質としては、電子を輸送する物
質と正孔を輸送する物質の2種類に分類されるが、本発
明の感光体には両者とも使用することができる。
【0021】電子輸送物質としては、例えば、クロラニ
ル、ブロモアニル、テトラシアノエチレン、テトラシア
ノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレ
ノン、9−ジシアノメチレン−2,4,7−トリニトト
フルオレノン、9−ジシアノメチレン−2,4,5,7
−テトラノトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラ
ニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサン
トン、テトラニトロカルバゾールクロラニル、2,3−
ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、2,4,7
−トリニトロ−9,10−フェナントレンキノン、テト
ラクロロ無水フタール酸、ジフェノキノン誘導体等の有
機化合物や、テルル、セレン−テルル合金、硫化アンチ
モン等の無機材料が挙げられる。
【0022】正孔輸送物質としては、低分子化合物で
は、例えば、ピレン、N−エチルカルバゾール、N−イ
ソプロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール、
p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドジフェニ
ルヒドラゾン、p−N,N−ジエチルアミノベンズアル
デヒドジフェニルヒドラゾン、p−N,N−ジフェニル
アミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、等のヒ
ドラゾン類、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾ
ール類、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノスチ
リル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリ
ン等のピラゾリン類、トリフェニルアミン、N,N,
N’,N’−テトラフェニル−1,1’−ジフェニル−
4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’
−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル
−4,4’−ジアミン等のアミン類、ビス(4−ジエチ
ルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン等のフ
ェニルメタン類、4,4−ジフェニル−1,1−ビス
(4’−N,N−ジエチルアミノフェニル)−1,3−
ブタジエン等のブタジエン類等が挙げられる。また、高
分子化合物としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバ
ゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアンスラセン、
ポリビニルアクリジン、ピレン−ホルムアルデヒド樹
脂、メチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、エチ
ルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニル
メタンポリマー、ポリシラン等が挙げられる。
【0023】電荷輸送物質はここに挙げたものに限定さ
れるものではない。
【0024】光導電層の膜厚は5〜50μmの範囲が好
ましい。
【0025】バインダーとしては、疎水性で、電気絶縁
性のフィルム形成可能な高分子重合体を用いるのが好ま
しい。このような高分子重合体としては、例えば、ポリ
カーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリス
チレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエン
共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコ
ン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹
脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカル
バゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマ
ール、ポリスルホン等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。これらのバインダーは、単独又は2
種類以上混合して用いられる。
【0026】また、これらのバインダーとともに可塑
剤、増感剤、表面改質剤等の添加剤を使用することもで
きる。
【0027】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−ターフェニル、ジブチルフタレー
ト、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタ
レート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾ
フェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0028】増感剤としては、例えば、クロラニル、テ
トラシアノエチレン、メチルバイオレット、ローダミン
B、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリリウム染
料、チアピリリウム染料等が挙げられる。
【0029】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0030】本発明に用いられる導電性支持体の材料と
しては、例えば、アルミニウム、銅、マンガン、シリコ
ン、マグネシウム、亜鉛、ステンレス、クロム、チタ
ン、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、
金、白金等の金属又はこれらの合金の金属シリンダ、或
いは導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物
やアルミニウム、パラジウム、金等の金属又はこれらの
合金を電解重合、化学重合、気相重合、塗料塗布、蒸
着、或いはラミネートした紙、プラスチックフィルム等
又は、これらに対して表面酸化処理したもの等が挙げら
れるが、ここに挙げたものに限定されるものではない。
【0031】更に本発明においては、基体と光導電層と
の接着性の向上と併せて基体から光導電層への自由電荷
の注入を阻止するため、基体と光導電層の間に、必要に
応じて接着剤層或いはバリア層(下引層)を設けること
もできる。これらの層に用いられる材料としては、前記
バインダーに用いられる高分子化合物の他、カゼイン、
ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、
フェノール樹脂、ポリアミド、ポリイミド、カルボキシ
−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテッ
クス、ポリウレタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化
チタン等が挙げられる。
【0032】これらの材料は塗料化して塗布されるか、
真空蒸着、スパッタリング、CVD法等の手段により成
膜されて使用される。
【0033】接着剤或いはバリアとしての機能を付与す
る物質はここに挙げたものに限定されるものではなく、
その使用に際しては単独、或いは2種類以上混合して用
いることができる。
【0034】接着剤層或いはバリア層を設ける場合の膜
厚は0.01〜1μmの範囲が好ましく、また本層の電
気抵抗値は前述した値の範囲とする。
【0035】単層型感光体を塗工によって形成する場
合、上記の電荷発生剤や電荷輸送物質をバインダー等に
混合したものを溶剤に溶解した塗料を用いるが、これら
の材料を溶解する溶剤は、材料の種類によって異なる
が、接着剤層或いはバリア層等の下層を溶解しないもの
の中から選択することが好ましい。また、接着剤層或い
はバリア層を塗工によって形成する場合についても、上
記のバインダー等を溶剤に溶解した塗料を用いるが、バ
インダーを溶解する溶剤は、バインダーの種類によって
異なるが、導電性支持体等の下層を溶解しないものの中
から選択することが好ましい。具体的な有機溶剤として
は、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソル
ブ等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステ
ル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキ
シド及びスルホン類;塩化メチレン、クロロホルム、四
塩化炭素、1,1,2−トリクロロエタン等の脂肪族ハ
ロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、o−キシレ
ン、p−キシレン、m−キシレン、モノクロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン等の芳香族類等が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。これらの溶剤は、単
独又は2種類以上混合して用いられる。
【0036】塗工法としては、例えば、浸積コーティン
グ法、スプレーコーティング法、スピンコーティング
法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング
法、ブレードコーティング法、ローラコーティング法、
カーテンコーティング法等のコーティング法を用いるこ
とができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、これにより本発明が実施例に限定されるもの
ではない。尚、実施例中「部」は「重量部」を示す。
【0038】(合成例1)フタロジニトリル13gとα
−クロルナフタレン1,000mlとの混合物中に、窒素
気流下で29.4mlの四塩化チタンを滴下した後、徐々
に昇温し、200〜220℃で4時間攪拌した。反応終
了後、放冷し、130℃になったところで熱時濾過し、
熱α−クロルナフタレンで洗浄して、ジクロルチタニウ
ムフタロシアニン粗生成物を得た。これをメタノールで
数回洗浄し、更に80℃熱水洗浄を数回行ない、濾過乾
燥して、チタニルフタロシアニン粗生成物を得た。チタ
ニルフタロシアニン粗生成物のうち100gを、予め0
℃に冷却した95%硫酸2,000g中に1時間かけて
添加し、更に温度を0℃に保ちながら3時間攪拌し、ス
ラリー状物とした。このスラリーを、予め0℃に冷却し
た蒸留水20リットル中に激しく攪拌しながら20分か
けて注入した。この時、温度は5℃以下に保った。注入
終了後、3〜5℃で、更に1時間攪拌した後、静置し減
圧濾過を行なった。得られた青色湿ケーキをアンモニア
水で洗浄し、更に、蒸留水で数回洗浄した後、濾過し
て、中性青色湿ケーキ620gを得た。得られた湿ケー
キ100gとオルトジクロルベンゼン600gとを混合
した後、攪拌しながら昇温し、50℃で更に4時間攪拌
を行なった。その後、攪拌しながら放冷し、室温付近ま
で冷却した。内容物のうち、200gを取り出し、オル
トジクロルベンゼン150gに注ぎ込み1時間攪拌し
た。更に、この混合物をサンドグラインドミルで6時間
磨砕処理を行なった。これを乾燥して、結晶型チタニル
フタロシアニンを得た。この結晶型チタニルフタロシア
ニンのX線回折スペクトルを図1に示した。
【0039】(合成例2)フタロジニトリル40g、四
塩化チタン18g及びα−クロルナフタレン500mlの
混合物を窒素気流下、240〜250℃で3時間加熱攪
拌して反応を完結させた後、反応混合物を濾過して、ジ
クロルチタニウムフタロシアニンを得た。得られたジク
ロルチタニウムフタロシアニンを濃アンモニア水300
ml及びピリジン300mlと共に1時間加熱還流して結晶
型チタニルフタロシアニンを得た。この結晶型チタニル
フタロシアニンのX線回折スペクトルを図2に示した。
【0040】(試料調製例1)合成例1で得た結晶型チ
タニルフタロシアニン4.2部及びポリエステル(商品
名「バイロン200」東洋紡績(株)製)21部を、塩化
メチレン71.4部及び1,1,2−トリクロロエタン
47.6部から成る混合液に添加し、サンドミル中で分
散、混合して電荷発生物質分散液を得た。
【0041】(試料調製例2)試料調製例1において、
合成例1で得た結晶型チタニルフタロシアニンに代えて
合成例2で得た結晶型チタニルフタロシアニンを用いた
以外は、試料調製例1と同様にして電荷発生物質分散液
を得た。
【0042】(試料調製例3)合成例1で得た結晶型チ
タニルフタロシアニン2部及びブチラール樹脂(商品名
「エスレックBH−3」積水化学工業(株)製)2部を、
塩化メチレン156部及び1,1,2−トリクロロエタ
ン104部から成る混合液に添加し、サンドミル中で分
散、混合して電荷発生物質分散液を得た。
【0043】(試料調製例4)試料調製例3において、
合成例1で得た結晶型チタニルフタロシアニンに代えて
合成例2で得た結晶型チタニルフタロシアニンを用いた
以外は、試料調製例3と同様にして電荷発生物質分散液
を得た。
【0044】(試料調製例5)合成例1で得た結晶型チ
タニルフタロシアニン2部及びポリ−N−ビニルカルバ
ゾール(商品名「ツビコール210」(株)アナン製)1
0部を、トルエン76.27部、アセトン9.53部及
びメチルエチルケトン8.14部から成る混合液に添加
し、サンドミル中で分散、混合して電荷発生物質分散液
を得た。
【0045】(試料調製例6)合成例1で得た結晶型チ
タニルフタロシアニン4.2部、ポリエステル(商品名
「バイロン200」東洋紡績(株)製)21部及び式
【0046】
【化1】
【0047】(式中、Meはメチル基を表わす。)で表
わされる正孔輸送材料21部を、塩化メチレン71.4
部及び1,1,2−トリクロロエタン47.6部から成
る混合液に添加し、サンドミル中で分散、混合して電荷
発生物質分散液を得た。
【0048】(試料調製例7)合成例1で得た結晶型チ
タニルフタロシアニン4.2部とポリエステル(商品名
「バイロン200」東洋紡績(株)製)21部及び式
【0049】
【化2】
【0050】(式中、Meはメチル基を表わす。)で表
わされる正孔輸送材料21部を、塩化メチレン71.4
部及び1,1,2−トリクロロエタン47.6部から成
る混合液に添加し、サンドミル中で分散、混合して電荷
発生物質分散液を得た。
【0051】(実施例1)アルミニウムを蒸着したポリ
エステルフィルム上に、試料調製例1で得た分散塗料を
乾燥後の膜厚が15μmとなるように塗布して光導電層
を形成して電子写真感光体を得た。
【0052】(実施例2)実施例1において、試料調製
例1で得た分散塗料に代えて試料調製例3で得た分散塗
料を用いた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体
を得た。
【0053】(比較例1)実施例1において、試料調製
例1で得た分散塗料に代えて試料調製例2で得た分散塗
料を用いた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体
を得た。
【0054】(比較例2)実施例1において、試料調製
例1で得た分散塗料に代えて、試料調製例4で得た分散
塗料を用いた以外は実施例1と同様にして電子写真感光
体を得た。
【0055】(光導電層における電荷のドリフト移動度
の測定)上記実施例1及び2、比較例1及び2におい
て、光導電層の膜厚を5μmとした後、光導電層表面上
に金電極を半透明に真空蒸着して得られた試料を各々実
施試料A、実施試料B、比較試料A及び比較試料Bとし
た。
【0056】これらの試料に対して、TOF(飛翔時
間)法を用いて光導電層の電荷の移動度を測定した。以
下に、本測定における測定方法を示す。
【0057】恒温恒湿槽(23℃・50%R.H.)に
セットした試料に対して、直流電源から金電極を陽極側
として一定の電界(400kV/cm)をステップ印加
し、1秒後に発光するパルス光(30ピコ秒)をライト
ガイドを通して試料表面(金電極側)に対して試料表面
における光強度3.0(μJ/cm2 ・pulse)で照
射した。この時、光源としては色素増感N2レーザを用
い、 光導電層励起パルス光波長を648nmとした。ま
た、クロメル・アルメル熱電対を使って試料の温度を直
接検出し、得られた過渡光電流波形を、ストレージ・オ
シロスコープにデジタル記憶させ、コントローラにより
データ解析を実施した。なお、ロード抵抗は、測定回路
の時定数を充分小さくするために、2000Ωと小さな
値とした。
【0058】以上の条件下における測定で得られたトラ
ンジット・タイム(走行時間)の値から、各試料の電荷
(正孔)の移動度を算出した結果を表1に示した。
【0059】
【表1】
【0060】(電気特性の測定1)次に、実施例1〜4
で得た電子写真感光体の電子写真特性を、静電複写紙試
験装置MODEL SP−428((株)川口電機製作所
製)を用いて評価した。測定方法は、電子写真感光体を
装置に装着し、暗所で印加電圧+6kVのコロナ放電に
より帯電させ、 帯電直後の表面電位をV0として感光体
の帯電能の評価に用いた。次に、10秒間、暗所に放置
した後の電位を測定しV10とし、 V10/V0比率によっ
て電荷の保持能を評価した。次いで、感光体表面におけ
る光強度が1μW/cm2で、 波長778nmの単色光を照
射することにより感光体の表面電位を減衰させ15秒後
の表面電位を測定し、残留電位VRとした。また、 感光
体表面電位がV10の半分の値に減衰するのに必要なエネ
ルギーE1/2(半減露光量) 及びV10の1/5の値に減
衰するのに必要なエネルギーE1/5 により感度を評価し
た。尚、測定環境を温度23℃、相対湿度50%R.
H.として行なった。
【0061】更に、実施例1と比較例2に対する繰り返
し特性の評価を、暗所放置時間が1秒、露光時間が1
秒、除電露光時間が0.1秒の条件で1000回連続静
電疲労を与え、 直後のV0、V10/V0、VR、E1/2
びE1/5の値を上述した方法と同様に測定することによ
って行なった。この結果を表2に示した。
【0062】
【表2】
【0063】表1及び表2から、23℃・50%R.
H.の環境下で、400kV/cmの電界を印加した時の
光導電層の電荷の移動度の値が、 1×10-5cm2/V・
秒以上である電子写真感光体は、充分な初期感度を有
し、また繰り返し特性も比較的安定であることが理解で
きる。
【0064】(実施例3)アルミニウムを蒸着したポリ
エステルフィルム上に、試料調製例5で得た分散塗料を
乾燥後の膜厚が15μmとなるように塗布して光導電層
を形成して電子写真感光体を得た。
【0065】(実施例4)実施例3において、試料調製
例5で得た分散塗料に代えて試料調製例6で得た分散塗
料を用いた以外は、実施例3と同様にして電子写真感光
体を得た。
【0066】(実施例5)実施例3において、試料調製
例5で得た分散塗料に代えて試料調製例7で得た分散塗
料を用いた以外は、実施例3と同様にして電子写真感光
体を得た。
【0067】(光導電層表面のイオン化ポテンシャルの
測定)実施例1、実施例2、実施例3、実施例4及び実
施例5で得た電子写真感光体に対して、大気中光電子放
出法を用いて光導電層表面のイオン化ポテンシャルを測
定した。本測定は、理研計器(株)製の表面分析装置AC
−1を用いて行ない、23℃・50%R.H.・1気圧
の環境下で、ドライ・エアを試料表面に1kgf/cm2
圧力でフローしながら、 30.0nWの光量で収率の
1/2乗−入射光エネルギープロットよりイオン化ポテ
ンシャルの値を求めた。この結果を表3に示した。
【0068】
【表3】
【0069】(電気特性の測定2)次に、実施例3、実
施例4及び実施例5で得た電子写真感光体の電子写真特
性を電気特性の測定1と同じ条件で測定し、得られた結
果を表4に示した。
【0070】
【表4】
【0071】表2、表3及び表4より、23℃・50%
R.H.の環境下における光導電層表面のイオン化ポテ
ンシャルの値が、大気中光電子放出法による測定で5.
4eV以上の正帯電型感光体は、感度を損なうことな
く、繰り返し特性が極めて安定であることが理解でき
る。
【0072】(実施例6)市販の可溶性ナイロン(商品
名「CM−8000」東レ(株)製)3部をメタノール7
0部、ジクロロメタン15部、n−ブタノール15部に
溶解し、φ30×262mm(肉厚:0.5mm)のアルミ
ニウムシリンダ面上に乾燥後の膜厚が1700オングス
トロームになるように塗布し下引層を形成した。なお、
当該下引層の体積固有抵抗は、23℃・50%R.H.
の環境下で2.1×1014Ω・cmの値を示した。
【0073】次に、試料調製例1で得た分散塗料を、上
記下引層上に乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗布
して光導電層を形成して電子写真感光体を得た。
【0074】(実施例7)実施例6において、試料調製
例1で得た分散塗料に代えて試料調製例5で得た分散塗
料を用いた以外は、実施例6と同様にして電子写真感光
体を得た。
【0075】(実施例8)実施例6において、試料調製
例1で得た分散塗料に代えて試料調製例7で得た分散塗
料を用いた以外は、実施例6と同様にして電子写真感光
体を得た。
【0076】(比較例3)実施例6において、下引層を
形成しなかった以外は、実施例6と同様にして電子写真
感光体を得た。
【0077】(比較例4)実施例7において、下引層を
形成しなかった以外は、実施例7と同様にして電子写真
感光体を得た。
【0078】(比較例5)実施例8において、下引層を
形成しなかった以外は、実施例8と同様にして電子写真
感光体を得た。
【0079】(電気特性の測定3)これらの試料に対し
てプロセススピードが、3770mm/分の反転現像方式
レーザビームページプリンタを用いて給紙を行ないなが
ら電子写真特性を評価した。但し、スコロトロンからの
コロナ放電直後の感光体表面電位(初期電位)を常温常
湿(23℃/50%R.H.)下でV0=+500Vと
し、 光感度測定のための露光は波長780nmの半導体
レーザを0.6mW(感光体表面において0.5mW)
の強度で行なった。また、電子写真プロセス中は、転写
チャージャーから常時負電荷のコロナ放電が付与されて
おり、この時の転写チャージャーの強度はアルミニウム
ドラム支持体に流れ込む電流値で規定し、−26μAと
した。反転現像方式を採用したプリンタ等では、例え
ば、感光体表面上に形成された正荷電トナー可視像を被
印字体(紙等)に移す「転写」のプロセスでは、感光体
表面帯電電荷の極性(正)と逆極性(負)の電圧を印加
するため、転写プロセス時に被印字体の有無が生じると
被印字体の存在領域に比べて非存在領域の方が感光体に
対する負電荷による負帯電疲労度が大きくなり、結果的
に被印字体の存在領域に対応する感光体表面上の正電荷
密度と被印字体の非存在領域に対応するそれとが異なっ
てくるために印字品質の低下を招く。例えば、ページプ
リンタでは、紙と紙の隙間に対応する感光体領域で転写
チャージャーによる負帯電疲労が大きくなるため、印字
上でスジ状となって現れるという品質低下を招く。
【0080】当該負帯電疲労度は、転写チャージの悪影
響を受けた感光体領域における表面電位変動幅(転写チ
ャージの悪影響を受けた感光体領域における表面電位と
転写チャージの悪影響を受けていない感光体領域におけ
る表面電位の差の絶対値)で定量化できるため、本実験
では負帯電電位疲労度を、転写チャージの悪影響を受け
ていない感光体領域の帯電能からの変動電位|dV0
を用いて評価した。
【0081】常温常湿(23℃/50%R.H.)の環
境下で測定することにより得られた初期と30分繰り返
し後の測定結果を表5に示した。ここで、 V0は転写チ
ャージの悪影響を受けていない感光体の帯電能を表わ
し、 |dV0|は転写チャージの悪影響を受けたことに
よるV0からの変動電位を表わし、VLは100%露光電
位(感度電位)を表わす。
【0082】
【表5】
【0083】表5に示した結果から、 |dV0|が大き
な値を示す程、反転現像印字画像の品質低下が著しくな
ることが理解できる。従って、導電性支持体と光導電層
の間に、23℃・50%R.H.の環境下における1cm
2 当たりの電気抵抗値が1×1010Ω以下の下引層を有
する電子写真感光体は、感度、繰り返し安定性を共に損
なわずに、小さな|dV0|の値を示すので、 繰り返し
の印字プロセスにおいて転写チャージによる負帯電疲労
を回避した高品質な印字画像を与えることが理解でき
る。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、複写機、LDプリン
タ、LEDプリンタ、LCDプリンタ等から繰り返し安
定した高品質な出力印字画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1で得たチタニルフタロシアニンの粉末
X線回折スペクトルである。
【図2】合成例2で得たチタニルフタロシアニンの粉末
X線回折スペクトルである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に結着樹脂中に電荷発生
    物質を分散させた光導電層を有する単層型電子写真感光
    体において、23℃・50%R.H.の環境下で、4×
    105 V/cmの電界を印加した時の光導電層の電荷の移
    動度の値が、1×10-5cm2/V・秒以上であることを
    特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 23℃・50%R.H.の環境下におけ
    る光導電層表面のイオン化ポテンシャルの値が、大気中
    光電子放出法による測定で5.4eV以上であり、且つ
    帯電電荷の極性が正である請求項1記載の電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 導電性支持体と光導電層の間に、23℃
    ・50%R.H.の環境下における1cm2 当たりの電気
    抵抗値が1×1010Ω以下の中間層を有する請求項1又
    は2記載の電子写真感光体。
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