JPH0792531B2 - 偏光板 - Google Patents

偏光板

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JPH0792531B2
JPH0792531B2 JP33021387A JP33021387A JPH0792531B2 JP H0792531 B2 JPH0792531 B2 JP H0792531B2 JP 33021387 A JP33021387 A JP 33021387A JP 33021387 A JP33021387 A JP 33021387A JP H0792531 B2 JPH0792531 B2 JP H0792531B2
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伸治 鈴木
達也 沼
秀夫 壇上
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は染料で塗布されてなる偏光板に関し更に詳しく
は任意の方向に偏光性を与え、偏光部分が連続的にパタ
ーン化された偏光板に関する。
従来の技術 従来、偏光板を製造する代表的な方法としては、延伸ポ
リビニルアルコール膜をヨウ素で着色したのち透明基板
に貼着する方法がある。この種の偏光板は高い偏光度、
透過率の均一性、材質の安定性において優れている。し
かし、この偏光板は、ポリビニルアルコール膜の延伸方
向にのみ偏光性が得られるものであり、この延伸が通常
一方向にしか出来ないため、偏光方向も一方向に限定さ
れ、円状、放射状、波状等の偏光板を製造することが出
来ないという欠点がある。
従って、この種の偏光板を用いて例えば偏光軸が放射状
に伸びた偏光板を得るには、扇状形に切断された。半径
方向に偏光性を有する多数の偏光板を円状に貼着する等
の方法を採用しなければならないため、製作も困難であ
り、高価なものとなり、且つ連続的な偏光軸をもった偏
光板が得られにくいという欠点がある。
一方、ガラス、有機膜等に偏光性を直接形成させる方法
としては、例えば米国特許第2,400,877号等に記載され
ている方法がある。この方法は、ガラス、或いは有機膜
を予め、布、紙、バフ等でラビングしておき、その後、
二色性色素コーティングしてラビングされた方向に二色
性色素を配向させる方法である。
この方法は、二色性色素をコーティングする前に、ガラ
ス、或いは有機膜にラビング処理を行い、このラビング
方向に二色性色素を配向させるものであり、ラビング方
向を任意に変えることにより、連続的にパターン化され
た、むらの少ない偏光板を形成することが出来る。しか
し該米国特許記載の二色性色素を用いてガラス或いは有
機膜に偏光性を直接形成させた場合、偏光能が低く、コ
ントラストが優れないという欠点がある。
発明が解決しようとする問題点 偏光能が高く、コントラストに優れ、任意の方向に偏光
性を与え、偏光部分が連続的にパターン化された、むら
の少ない偏光板が望まれている。
問題点を解決するための手段 染料を用いた偏光板において、偏光軸が任意の方向であ
って、偏光能力が高く、コントラストの優れた偏光板を
得るべく鋭意研究を重ねた結果本発明に到った。即ち、
本発明は(I) 〔式(I)において、Aは水酸基、アミノ基又はスルホ
ン酸基で置換されていてもよいナフチル基を、Bは低級
アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基若しくはスルホ
ン酸基で置換されていてもよいフェニレン基又はナフチ
レン基を、Rは水素原子、メチル基、アセチル基、カル
バモイル基、置換されていてもよいフエニル基又はベン
ゾイル基を表す。〕で表される化合物で塗布されてなる
偏光板を提供する。
本発明で用いる式(I)で表される化合物は、一般的に
は次の方法によって製造出来る。即ち、式(II) A−NH2 (II) 〔式(II)において、Aは水酸基、アミノ基又はスルホ
ン酸基で置換されていてもよいナフチル基を表す。〕で
表される化合物を常法によりジアゾ化し、式(III) B−NH2 (III) 〔式(III)において、Bは低級アルキル基、低級アル
コキシ基、水酸基若しくはスルホン酸基で置換されてい
てもよいフェニレン基又はナフチレン基を表す。〕で表
される化合物にカップリングし、式(IV) A−N=N−B−NH2 (IV) 〔式(IV)中、A及びBは前記と同じ意味を表す。〕で
表される化合物を製造する。更に、式(IV)の化合物を
常法によりジアゾ化して式(V) 〔式(V)において、Rは水素原子、メチル基、アセチ
ル基、カルバモイル基、置換されていてもよいフエニル
基又はベンゾイル基を表す。〕で表される化合物とカッ
プリングするとによって製造する。もちろん、これ以外
の製造ルートによっても式(I)で表される化合物を製
造することが出来る。
式(I)で表される化合物は通常ナトリウム塩として利
用するが、それらは遊離酸として、或いは、カリウム
塩、リチウム塩、アンモニウム塩、アルキルアミン類、
エタノールアミン類の塩として利用することがで出来
る。
式(II)で表される化合物の具体例としては、 等を挙げることが出来る。(式中「S」は「SO3H」を意
味する。以下同じ。) 式(III)で表される化合物の具体例としては、 等を挙げることが出来る。
式(V)で表される化合物の具体例としては、 等を挙げることが出来る。
式(I)で表される化合物は単独で使用されるほかそれ
ら同志あるいは、他の染料と配合することにより種々の
色相を有する偏光板を製造することが出来る。
本発明の偏光板は、一般的には予めラビング処理を施し
た基材上に、式(I)で表される化合物を含有した溶液
を塗布することにより得られる。
本発明の偏光板に用いられる基材としては、ガラスの
他、トリアセチルセルローズフィルム(以下TACフィル
ムという)、ジアセチルセルローズフィルム、セルロー
ズアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、塩化ビ
ニールフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレ
ンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエチレンフィル
ム、ポリエーテルスルホンフィルム、アクリル系フィル
ム等が用いられるが、これらのうち好ましものは、TAC
フィルム、ポリエステルフィルム等を挙げることができ
る。これらの基材は場合により、コロナ処理、シランカ
ップリング処理等の表面処理を行ってから用いることが
出来る。
ラビング剤としては、布、紙、皮革、綿、フェルト、バ
フ等を、場合によりクレー、ジルコニア、アルミナ等の
研磨剤と共に用いることが出来る。また、ラビングの程
度はラビング剤によって異なるが、ラビングの回数は1
〜30回が望ましい。
式(I)で表される化合物を溶かすための溶剤としては
水及び水と混合しうる有機溶剤類が適しその具体例とし
ては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソ
プロピルアルコール、エチレングリコール等のアルコー
ル類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソ
ルブ類、アセトン、ジメチルホルムアミド等の単独又は
二種以上の混合溶剤を挙げることが出来る。
式(I)で表される化合物を溶解すべき濃度は溶媒によ
り異なるが、0.5〜10%が望ましい。
更に、場合により界面活性剤等の添加剤を加えることが
出来る。
式(I)で表される化合物溶液を基材に塗布する塗布法
としては例えば、バーコーター、スプレー、ロール等の
コート法にて塗布出来る。コート時の温度は通常0〜80
℃、好ましくは25〜40℃である。乾燥温度は通常25〜12
0℃、好ましくは50〜80℃である。
このようにして製造された偏光板はそのまま使用される
他、耐久性を要求される分野においてはポリエステル、
塩化ビニール、トリアセチルセルローズ、アクリル樹
脂、ポリエーテルスルホン等の支持フィルムを接着した
り、特殊アクリル樹脂等でコーティングして高耐久性の
偏光板として使用に供される。
本発明の偏光板は各種ディスプレイ、装飾材料、透過防
止、フィルター等に用いることができる。
以下実施例により本発明を更に詳しく説明する。尚、実
施例においては部は重量部をあらわしスルホン酸基は遊
離酸の形で表すものとする。また、SはSO3Hを表すもの
とする。なお、波長380〜700nmの範囲で求めた三刺激値
をY値で表し、そのうち二枚を平行位に配した場合をY
11、二枚を直行位に配した場合をY⊥で表すと平均偏光
率ρはY11、Y⊥を用いて次式によって定義される。
特に有彩色の偏光板の場合、極大吸収波長λmaxでの偏
光率ρ(max)はその波長での平行位透過率T11(ma
x)、直行位透過率T⊥(max)を用いて次式によって表
すことも出来る。
なおC.I.はカラーインデックスの意味である。
実施例1. 水100部に式 で表される染料を5部、非イオン性界面活性剤エマルゲ
ン920(花王アトラス社製)0.5部を加え、加熱溶解後冷
却し、瀘過して不溶解分を除去することにより染料溶液
を得た。
TACフィルム(厚さ80μ)の全面を縦方向にフェルトで1
0回ラビングし、その後一定間隔で横方向に20回ラビン
グした後、水洗、乾燥した。得られたフィルム上に前記
染料溶液をバーコーターで塗布した後、60℃で乾燥する
ことによって偏光板の極大吸収波長λmaxは575nm、単板
透過率T1(max)は41.1%で、そのρ(max)は70.5%で
あった。
このものはディスプレイとして用いられる。
本実施で使用した染料は次のように製造した。
水150部に2−アミノナフタレン4,8−ジスルホン酸30.3
部を加え、10%苛性ソーダ水溶液16.9部を加え、氷で10
℃以下に冷却し、濃塩酸22部を加えてジアゾ化する。ジ
アゾ化が終了したら、スルファミン酸を加え、過剰の亜
硝酸イオンを消去する。別に水120部、濃塩酸11.8部よ
りなる塩酸水溶液にクレンジン14.4部を溶解しその液を
20%ソーダ灰水溶液でpH3を保ちながら、前記ジアゾ液
に注加し、1時間攪拌する。その後20%ソーダ灰水溶液
を徐々に加え、pH4とし、一夜攪拌する。塩析後、過
するとモノアゾ化合物(次式)40.6部を得た。
水300部に前記化合物40.6部を加え、10%苛性ソーダ水
溶液で溶解した後、40%亜硝酸ソーダ水溶液15.2部を加
え、氷で10℃以下に冷却し、濃塩酸19.8部を加えてジア
ゾ化する。ジアゾ化が終了したらスルファミン酸を加
え、過剰の亜硝酸イオンを消去する。別に、水400部に
フエニルJ酸28.4部を加え、10%苛性ソーダ水溶液で溶
解し、ソーダ灰12gを加えた後、氷で10℃に冷し、前記
ジアゾ液を注加し、1時間攪拌する、塩析、過すると
下記化合物65部が得られた。
実施例2. 水95部、イソプロピルアルコール5部の混合溶媒に式 で表される染料を3部加え、加熱溶解後冷却し、瀘過し
て不溶解分を除去することにより染料溶液を得た。
TACフィルム(厚さ80μ)の全面を縦方向に工業用ワイ
ピング材キムワイプ(十條キンバリー社製、ワイパーS
−200)で10回ラビングし、その後一定間隔で横方向に2
0回ラビングした後水洗、乾燥した。得られたフィルム
上に前記染料溶液をバーコーターで塗布した後、60℃で
乾燥することによって偏光板を得た。得られた偏光板の
極大吸収波長λmaxは565nm、単板透過率T1(max)は40.
0%で、そのρ(max)は70.0%であった。
実施例3. 水100部に式 で表される染料を5部、非イオン性界面活性剤エマルゲ
ンL−70(花王アトラス社製)0.5部を加え、加熱溶解
後冷却し、瀘過して不溶解分を除去することにより染料
溶液を得た。
TACフィルム(厚さ80μ)を実施例2と同様にラビング
した後、水洗、乾燥した。得られたフィルム上に前記染
料溶液をバーコーターで塗布した後、熱風ドライヤーで
40℃で乾燥することによって偏光板を得た。
得られた偏光板の極大吸収波長λmaxは555nm、単板透過
率T1(max)は41.1%で、そのρ(max)は65.5%であっ
た。
実施例4. メタノール100部に式 で表される染料を1部加え、加熱溶解後冷却し、瀘過し
て不溶解分を除去することにより染料溶液を得た。
TACフィルム(厚さ80μ)を実施例2と同様にラビング
した後、水洗、乾燥した。得られたフィルム上に前記染
料溶液をバーコーターで塗布した後、60℃で乾燥するこ
とによって偏光板を得た。
得られた偏光板の極大吸収波長λmaxは560nm、単板透過
率T1(max)は42.3%で、そのρ(max)は60.0%であっ
た。
実施例5〜10. 実施例2において使用された染料に替えてA,B,Rが第1
表に示すものである下記式(VI)に相当する染料を用い
た他は実施例と同様の方法により偏光板を得た。得られ
た偏光板の極大吸収波長λmax、単板透過率T1(max)、
ρ(max)を表にした。
発明の効果 偏光軸が任意の方向に、かつ連続的にパターン化された
高い偏光率を有する偏光板が容易にかつ安価に製作出来
るようになった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) 〔式(I)において、Aは水酸基、アミノ基又はスルホ
    ン酸基で置換されていてもよいナフチル基を、Bは低級
    アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基若しくはスルホ
    ン酸基で置換されていてもよいフェニレン基又はナフチ
    レン基を、Rは水素原子、メチル基、アセチル基、カル
    バモイル基、置換されていてもよいフエニル基又はベン
    ゾイル基を表す。〕で表される化合物で塗布されてなる
    偏光板。
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