JP3803394B2 - アゾ化合物及び該化合物を用いた偏光フィルム - Google Patents

アゾ化合物及び該化合物を用いた偏光フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規なアゾ化合物、その金属錯塩化合物及びこれらを含む水溶性アゾ染料並びに該染料を高分子フィルムに二色性染料として含有、配向させた、高い偏光度を有する偏光フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
偏光フィルムに使用される偏光素子としては、従来、ヨウ素が用いられ、最近は有機系の染料の使用も検討されている。
【0003】
しかしながら、従来使用されているヨウ素は、高い偏光性能を有するが、昇華性が大きいために偏光素子として偏光フィルムに含有せしめた時、その耐熱性が劣るという欠点も有する。
【0004】
この欠点を改良するために、特公平2−61988号公報(CA114(4):25812b)、特公平4−50944号公報(CA104(10):70283j)、特公平4−61893号公報(CA104(10):69953w)、USP−4,514,559、特開平2−269136号公報(USP−5,007,942)、特開平2−222459号公報(USP−5,272,259)、特開平4−226162号公報(USP−5,122,557)、特開平3−68902号公報(CA115(12):115333w)及び特開平3−89203号公報(CA114(10):83482e)等に、有機系染料を偏光素子とした耐熱性を改良した偏光フィルムが提案されている。しかし、かかる偏光フィルムは、偏光性能の点で、必ずしも満足できるものではないのが実状である。
【0005】
以上のことから、染料系偏光フィルムでヨウ素系偏光フィルム並の偏光性能を示す染料の開発が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高分子フィルムを基材とした偏光フィルムに好適なアゾ化合物、及び該化合物を配向して含有せしめることにより、優れた偏光性能および耐熱性能を有する高性能な偏光フィルムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アゾ化合物を偏光素子として用いた偏光フィルムにおいて、偏光性能及び耐湿熱性の高い偏光フィルムを得るべく鋭意検討した結果、本発明に至った。即ち、本発明は、
(i) 下記一般式(2)または(3)で表されるアゾ化合物、
ii 上記の化合物を含む水溶性染料、
iii 上記の化合物が、高分子フィルムに、配向して含有される偏光フィルム、
iv 高分子フィルムが、2〜9倍の延伸倍率で延伸して得られたものである iii
の偏光フィルム、
(v) 高分子フィルムが、セルロース樹脂またはエチレン、プロピレン、アクリル酸、マレイン酸アクリルアミド等で変性されていてもよいポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール樹脂から選ばれる少なくとも1種である iii の偏光フィルム、
vi ii の水溶性染料で染色した高分子フィルムを2〜9倍の延伸倍率で延伸する偏光フィルムの製造方法、に関するものである。
【0009】
【化5】
Figure 0003803394
(式中、R8及びR9は各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数1〜2のアルコキシ基又はアセチルアミノ基を、R10は水素原子、カルボキシル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基を、R11は水素原子、水酸基、アミノ基、メチルアミノ基、β-ヒドロキシエチルアミノ基、アセチルアミノ基又はフェニル核がニトロ基、アミノ基、水酸基、炭素数1〜2のアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基又は塩素原子によって置換されてもよいフェニルアミノ基又はベンゾイルアミノ基を、R12は水素原子、水酸基、炭素数1〜2のアルキル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基を、pは0又は1を、qは0、1又は2を、Mは銅、ニッケル、亜鉛または鉄を示す。)
【0010】
【化6】
Figure 0003803394
(式中、R8及びR9は各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数1〜2のアルコキシ基又はアセチルアミノ基を、R10は水素原子、カルボキシル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基を、R11は水素原子、水酸基、アミノ基、メチルアミノ基、β-ヒドロキシエチルアミノ基、アセチルアミノ基又はフェニル核がニトロ基、アミノ基、水酸基、炭素数1〜2のアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基又は塩素原子によって置換されてもよいフェニルアミノ基又はベンゾイルアミノ基を、pは0又は1を、qは0、1又は2を、Mは銅、ニッケル、亜鉛または鉄を示す。)
【0015】
又、本発明の一般式(2)で表されるアゾ化合物は、通常のアゾ染料の製法に従い公知のジアゾ化、カップリング法で製造することが出来る。
即ち、一般式(6)で表されるアミノスチルベン類を公知の方法、例えば鉱酸中0〜30℃で亜硝酸ソーダを用いてテトラゾ化し、一般式(7)で表されるナフタレン類と温度0〜30℃、pH5〜10でカップリングして、遊離酸の形で一般式(8)で表されるアゾ化合物が得られる。勿論、これ以外の製造ルートによっても、本発明のアゾ化合物は製造することができる。
【0016】
【化9】
Figure 0003803394
(式中、R8、R9およびR12は一般式(2)と同じ意味を表す。)
【0017】
【化10】
Figure 0003803394
(式中、R10、R11、pおよびqは一般式(2)と同じ意味を表す。)
【0018】
【化11】
Figure 0003803394
(式中、R8、R9、R10、R11、R12、pおよびqは一般式(2)と同じ意味を表す。)
【0019】
上記の如く得られた一般式(8)で表されるアゾ化合物は、次の方法によって容易に遷移金属錯化を受け、本発明の一般式(2)で表される遷移金属含有アゾ化合物を得ることができる。
【0020】
例えば、一般式(8)で表されるアゾ化合物を水又は/及び親水性溶媒中、例えばエチレングリコール、エチルセルソルブ類と水との混合溶媒中に、溶解又は分散し、アルカリ性において、好ましくはアンモニア、又はモノエタノールアミン、ジエタノールアミンの存在下に、50〜100℃好ましくは90℃以上の温度において硫酸銅、塩化銅、テトラミン銅、酢酸銅、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸鉄、塩化鉄の水溶液を作用させることによって目的とする一般式(2)で表される遷移金属含有アゾ化合物を得ることができる。
【0021】
一般式(2)で表わされる化合物は、好ましくは、R11が水素原子、水酸基、アミノ基、メチルアミノ基、β−ヒドロキシエチルアミノ基、アセチルアミノ基、フェニルアミノ基又はベンゾイルアミノ基である化合物である。
【0022】
又、本発明の一般式(3)で表されるアゾ化合物は、通常のアゾ染料の製法に従い公知のジアゾ化、カップリング法で製造することが出来る。
即ち、一般式(9)で表されるジアミノスチルベン類を公知の方法、例えば鉱酸中0〜30℃で亜硝酸ソーダを用いてテトラゾ化し、一般式(10)で表されるナフタレン類と温度0〜30℃、pH5〜10でカップリングして、遊離酸の形で一般式(11)で表されるアゾ化合物が得られる。勿論、これ以外の製造ルートによっても、本発明のアゾ化合物は製造することができる。
【0023】
【化12】
Figure 0003803394
(式中、R8およびR9は一般式(3)と同一の意味を表す。)
【0024】
【化13】
Figure 0003803394
(式中、R10、R11、pおよびqは一般式(3)と同じ意味を表す。)
【0025】
【化14】
Figure 0003803394
(式中、R8、R9、R10、R11、pおよびqは、一般式(3)と同じ意味を表す。)
【0026】
上記の如く得られた一般式(11)で表されるアゾ化合物は、次の方法によって容易に遷移金属錯化を受け、本発明の一般式(3)で表される遷移金属含有アゾ化合物を得ることができる。
【0027】
例えば、一般式(11)で表されるアゾ化合物を水又は/及び親水性溶媒中、例えばエチレングリコール、エチルセルソルブ類と水との混合溶媒中に、溶解又は分散し、アルカリ性において、好ましくはアンモニア、又はモノエタノールアミン、ジエタノールアミンの存在下に、50〜100℃好ましくは90℃以上の温度において硫酸銅、塩化銅、テトラミン銅、酢酸銅、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸鉄、塩化鉄の水溶液を作用させることによって目的とする一般式(3)で表される遷移金属含有アゾ化合物を得ることができる。
【0028】
一般式(3)で表わされる化合物は、好ましくは、R11が水素原子、水酸基、アミノ基、メチルアミノ基、β−ヒドロキシエチルアミノ基、アセチルアミノ基、フェニルアミノ基又はベンゾイルアミノ基である化合物である。
【0029】
本発明の一般式(2)及び(3)で表されるアゾ化合物は、通常、ナトリウム塩として利用するが、その他、遊離酸として、或いは、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、アルキルアミン類、エタノールアミン類の塩としても利用することができる。
【0030】
本発明において、一般式(6)及び(9)で表されるジアミノスチルベン類は、常法により製造できる。例えば、代表的には、工業化学雑誌,73巻,1号,187〜194頁(1970年)、或いは、Indian Journal of Chemistry, vol.25B.May 1986, p.485〜488に記載されている公知の方法と同様にして製造することができる。
【0031】
即ち、代表的には、一般式(12)で表される化合物と一般式(13)で表される化合物を、ピペリジン等の塩基の存在下に、N,N-ジメチルホルムアミド等の非プロトン性の極性溶媒中、100〜200℃の温度において反応するか、または、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(BTEA)等の触媒の存在下に、アルカリ水溶液中、10〜100℃の温度において反応して、一般式(14)で表される化合物が得られる。
【0032】
【化15】
Figure 0003803394
【0033】
【化16】
Figure 0003803394
【0034】
【化17】
Figure 0003803394
(式中、R1、R2、R3及びR4は一般式(1)と同じ意味を表す。)
【0035】
更に、一般式(14)で表される化合物のニトロ基を公知の方法で還元して、目的とする一般式(6)及び(9)で表されるジアミノスチルベン類を得ることができる。
【0036】
又、一般式(7)及び(10)で表されるナフタレン類の具体的な例としては、1-ヒドロキシ-6-アミノナフタレン-3-スルホン酸(以下J酸と略す。)N-フェニルJ酸、N-メチルJ酸、N-アセチルJ酸、N-メチル-N-アセチルJ酸、N-ベンゾイルJ酸、N-(3-または4-カルボキシフェニル)J酸、N-(3-または4-スルホフェニル)J酸、N-(4-アミノ-3-スルホフェニル)J酸、N-(4-ヒドロキシ-3-カルボキシフェニル)J酸、N-(4-アミノベンゾイル)J酸、N-(4-アミノ-3-スルホベンゾイル)J酸、N-(4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾイル)J酸、N-(4-ニトロフェニル)J酸、N-(4-ニトロベンゾイル)J酸、N-(4-アミノ-3-メチルベンゾイル)J酸、N-(3または4-カルボキシベンゾイル)J酸、N-(3-または4-カルボキシベンゾイル)J酸、N-(3-または4-スルホベンゾイル)J酸、N-(β-ヒドロキシエチル)J酸、
【0037】
1-ヒドロキシ-7-アミノナフタレン-3-スルホン酸(以下γ酸と略す。)、N-フェニルγ酸、N-メチルγ酸、N-アセチルγ酸、N-メチル-N-アセチルγ酸、N-ベンゾイルγ酸、N-(3-または4-カルボキシフェニル)γ酸、N-(3-または4-スルホフェニル)γ酸、N-(4-アミノ-3-スルホフェニル)γ酸、N-(4-ヒドロキシ-3-カルボキシフェニル)γ酸、N-(4-アミノベンゾイル)γ酸、N-(4-アミノ-3-スルホベンゾイル)γ酸、N-(4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾイル)γ酸、N-(4-ニトロフェニル)γ酸、N-(4-ニトロベンゾイル)γ酸、N-(4-アミノ-3-メチルベンゾイル)γ酸、N-(3または4-カルボキシベンゾイル)γ酸、N-(3-または4-カルボキシベンゾイル)γ酸、N-(3-または4-スルホベンゾイル)γ酸、N-(β-ヒドロキシエチル)γ酸、
【0038】
1-ヒドロキシ-8-アミノナフタレン-3,6-ジスルホン酸(以下H酸と略す。)、N-アセチルH酸、N-ベンゾイルH酸、N-(p-トルエンスルホニル)H酸、N-(ベンゼンスルホニル)H酸、N-(p-クロルベンゾイル)H酸、
【0039】
1-ヒドロキシ-8-アミノナフタレン-3,5-ジスルホン酸(以下K酸と略す。)、N-アセチルK酸、
1-ヒドロキシ-8-アミノナフタレン-5,7-ジスルホン酸、1-ヒドロキシ-7-アミノナフタレン-3,6-ジスルホン酸,N-(p-メチルフェニル)J酸、1-ナフトール-3,6-ジスルホン酸、1-アミノ-2-エトキシナフタレン-6-スルホン酸等が挙げられる。これらの一部は市販されている。
【0040】
本発明の偏光フィルムに用いる高分子フィルムとしては、親水性高分子フィルムが好ましく、その素材の具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、あるいはそれらをエチレン、プロピレン、アクリル酸またはマレイン酸アクリルアミド等で変性したもの、またはセルロース樹脂等が挙げられる。これらの高分子重合体は、水あるいは親水性有機溶剤への溶解性が良好であり、本発明の化合物との相溶性も良好である上、製膜性に優れ且つ製膜後延伸配向させたときに本発明の化合物が配向し易い点で特に有用である。
【0041】
上記の高分子重合体及び本発明の化合物を用いて、本発明の偏光フィルムを製造する方法としては、▲1▼高分子重合体を製膜してフィルムとし、フィルムを延伸した後、本発明の化合物で染色する方法、▲2▼高分子重合体を製膜してフィルムとし、本発明の化合物で染色した後、染色フィルムを延伸する方法、▲3▼高分子重合体の溶液に本発明の化合物を添加し、原液染色で製膜した染色フィルムを延伸する方法、等を挙げることができる。
【0042】
上記▲3▼の染色フィルムの製造方法は、一般的に以下の方法によって行うことができる。即ち、高分子重合体を水及び/又はアルコール、グリセリン、ジメチルホルムアミド等の親水性有機溶媒に溶解し、本発明の化合物を添加して原液染色を行い、この染色原液を流延法、溶液塗布法、押出法等により製膜して染色フィルムを製造する。
【0043】
溶媒に溶解させる高分子重合体の濃度としては、高分子重合体の種類によっても異なるが、5〜30wt%、好ましくは10〜20wt%である。また、溶媒に溶解する本発明の化合物の濃度としては、高分子重合体の種類、化合物の種類、製膜したときのフィルム厚みあるいは偏光フィルムとしたときの要求性能等によって変わるが、高分子重合体に対して0.1〜5wt%、好ましくは0.8〜2.5wt%程度である。
【0044】
上記▲1▼及び▲2▼におけるフィルムの染色方法は、一般的に以下の方法によって行うことができる。即ち、本発明の化合物をフィルムに対して0.1〜5wt%、好ましくは0.8〜2.5wt%含む染浴に、必要に応じて塩化ナトリウム、ボウ硝等の無機塩、界面活性剤等の染色助剤を加えた後、20〜80℃、好ましくは30〜50℃で1〜60分間、好ましくは3〜20分間高分子フィルムを浸漬して染色し、乾燥する。
【0045】
上記▲1▼、▲2▼及び▲3▼における延伸の方法としては、湿式法にて引っ張り延伸を行う方法、乾式法にて引っ張り延伸を行う方法、乾式法にてロール間圧縮延伸を行う方法等があり、いずれの方法を用いて行ってもよい。延伸倍率は2〜9倍にて行われるが、ポリビニルアルコール及びその誘導体を用いた場合は、2.5〜6倍の範囲が好ましい。
【0046】
延伸、配向処理したあとで、該延伸フィルムの耐水性向上と偏光性向上の目的でホウ酸処理を実施する。ホウ酸処理により、偏光フィルムの光線透過率と偏光度が向上する。ホウ酸処理の条件は、用いる親水性高分子重合体の種類、化合物の種類によって異なるが、一般的には、ホウ酸濃度としては1〜15wt%、好ましくは3〜10wt%、また処理温度としては30〜80℃、好ましくは、40〜80℃の範囲にあることが望ましい。ホウ酸濃度が1wt%以下、温度が30℃以下の場合は処理効果が小さく、また、ホウ酸濃度が15wt%以上、温度80℃以上の場合は偏光フィルムがもろくなり易い。
【0047】
一般式(2)または(3)で表されるアゾ化合物は、単独で又はそれら同士で混合して使用できる他、更にはこれらの化合物と他の染料と配合することにより種々の色相に染色された高偏光度の偏光フィルムを製造することができる。
【0048】
この場合に用いる染料としては、本発明に用いる化合物の吸収波長領域と異なる波長領域に吸収を有する染料であって、二色性の高いものであれば、どんなものでもよいが、特に好ましい染料としては、カラー.インデックス.ジェネリック.ネーム(C.I.Generic Name)で表して、次のようなものが例示される。例えば、C.I.Direct Yellow 12、C.I.Direct Yellow 44、
C.I.Direct Yellow 28、C.I.Direct Yellow 142、C.I.Direct Red 2、
C.I.Direct Red 79、C.I.Direct Red 81、C.I.Direct Red 247、
C.I.Direct Vioret 9、C.I.Direct Vioret 51、C.I.Direct Orenge 26、
C.I.Direct Orenge 39、C.I.Direct Orenge 107、C.I.Direct Blue 1、
C.I.Direct Blue 71、C.I.Direct Blue 78、C.I.Direct Blue 168、
C.I.Direct Brouwn 106、C.I.Direct Brouwn 223、C.I.Direct Green 85、
C.I.Direct Black 17、C.I.Direct Black 19、等である。
【0049】
特に多用されるグレーまたはブラック用の配合成分として、一般式(2)又は(3)で表される化合物を使用した場合、優れた偏光性能及び好ましい吸収特性を示す偏光フィルムが得られる。また、その耐湿熱性も優れている。
【0050】
このようにして製造した偏光フィルムは、種々の加工を施して使用することができる。例えば、フィルム又はシートにしてそのまま使用する他、使用目的によっては、トリアセテート、アクリル又はウレタン系等のポリマーによりラミネーションして保護層を形成し、或いは、偏光フィルムの表面に蒸着、スパッタリングまたは塗布法により、インジウム−スズ系酸化物等の透明導電性膜を形成して実用に供する。
【0051】
【実施例】
以下に、本発明を具体例によって説明するが、これらは例示的なものであり、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、実施例1〜26は、参考例である。実施例中、部は重量部を示す。なお、本発明における偏光度とは次の方法によって測定した値である。即ち、2枚の偏光フィルムを延伸方向が平行となるべく重ねて分光光度計の光路におき、測定した可視領域最大吸収波長での光線透過率(Tp)および2枚の偏光フィルムを延伸方向が直交すべく重ねて測定した同波長での光線透過率(Tc)より次式を用いて偏光度(V)を算出した。
【0052】
【数1】
Figure 0003803394
【0053】
実施例1
4, 4'−ジアミノスチルベン-2塩酸塩10部(0.035mol)を水200部に懸濁し、濃塩酸14.6部を加え、更に氷で5〜10℃に冷却した後、亜硝酸ナトリウム5.2部(0.075mol)を加えて1時間テトラゾ化を行った。次いで、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を除去した。このテトラゾニウム塩の水溶液を、1−アミノ−8−ナフトール−2,4−ジスルホン酸モノナトリウム26.6部(0.078mol)を3.3%苛性ソーダ水溶液550部に溶解した液中に、5〜10℃で滴下してカップリングさせた。2時間かき混ぜた後、塩化ナトリウム大過剰を加え塩析し、一晩かき混ぜてから濾過し、3%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥して下記式(15)で表されるアゾ化合物28部を得た。収率91.8%。
【0054】
【化18】
Figure 0003803394
Figure 0003803394
【0055】
式(15)の化合物を0.3g/lの染浴に調製し、42℃に保温し、厚さ75μのポリビニルアルコールを浸漬し、2分間染色した。濡れたままの染色フィルムを、3%ホウ酸水溶液中で、43℃で5倍に延伸し、この状態のまま水洗、乾燥して青色の偏光フィルムを製造した。その偏光フィルムの吸収極大λmaxでの偏光度Vを測定した結果、単板透過率43%、λmaxは650nmで、Vは99.4%であった。
【0056】
この偏光フィルムを80℃相対湿度85%の条件下で500時間放置したが、色相の変化及び偏光度の低下は実質的に認められなかった。
【0057】
実施例2
実施例1に於いて、1−アミノ−8−ナフトール−2,4−ジスルホン酸モノナトリウムの代わりに、1−ヒドロキシ−8−アミノナフタレン−3,6−ジスルホン酸モノナトリウム26.6部(0.08mol) を使用して、下記式(16)で表されるアゾ化合物29部を得た。収率95.1%。
【0058】
【化19】
Figure 0003803394
Figure 0003803394
【0059】
式(16)の化合物の水溶液で、実施例1と同様にポリビニルアルコールフィルムを処理し偏光フィルムを製造した。その偏光フィルムは青色で、吸収極大λmaxでの偏光度Vを測定した結果、単板透過率43%、λmaxは630nmで、Vは99.0%であった。
【0060】
この偏光フィルムを80℃相対湿度85%の条件下で500時間放置したが、色相の変化及び偏光度の低下は実質的に認められなかった。
【0061】
実施例3
3−メトキシ−4,4’−ジアミノスチルベン8部(0.033mol)を水160部に懸濁し、濃塩酸20.6部を加え、更に氷で5〜10℃に冷却した後、亜硝酸ナトリウム5.0部(0.072mol)を加えて1時間テトラゾ化を行った。次いで、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を除去した。このテトラゾニウム塩の水溶液を、1−アミノ−8−ナフトール−2,4−ジスルホン酸モノナトリウム25部(0.073mol)を9%炭酸ナトリウム水溶液550部に溶解した液中に、5〜10℃で滴下してカップリングさせた。2時間かき混ぜた後、塩化ナトリウム大過剰を加え塩析し、一晩かき混ぜてから濾過し、3%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥して下記式(17)で表されるアゾ化合物28部を得た。収率94.3%。
【0062】
【化20】
Figure 0003803394
Figure 0003803394
【0063】
式(17)の化合物の水溶液で、実施例1と同様にポリビニルアルコールフィルムを処理し偏光フィルムを製造した。その偏光フィルムは青色で、吸収極大λmaxでの偏光度Vを測定した結果、単板透過率42%、λmaxは660nmで、Vは99.0%であった。
【0064】
この偏光フィルムを80℃相対湿度85%の条件下で500時間放置したが、色相の変化及び偏光度の低下は実質的に認められなかった。
【0065】
実施例4
実施例3に於いて、1−アミノ−8−ナフトール−2,4−ジスルホン酸モノナトリウムの代わりに1−ヒドロキシ−8−アミノナフタレン−3,6−ジスルホン酸モノナトリウム25部(0.073mol)を使用して、下記式(18)で表されるアゾ化合物29部を得た。収率97.6%。
【0066】
【化21】
Figure 0003803394
Figure 0003803394
【0067】
式(18)の化合物の水溶液で、実施例1と同様にポリビニルアルコールフィルムを処理し偏光フィルムを製造した。その偏光フィルムは青色で、吸収極大λmaxでの偏光度Vを測定した結果、単板透過率43%、λmaxは645nmで、Vは99.0%であった。
【0068】
この偏光フィルムを80℃相対湿度85%の条件下で500時間放置したが、色相の変化及び偏光度の低下は実質的に認められなかった。
【0069】
実施例5
3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノスチルベン9部(0.033mol)を水160部に懸濁し、濃塩酸20.6部を加え、更に氷で5〜10℃に冷却した後、亜硝酸ナトリウム5.0部(0.072mol)を加えて1時間テトラゾ化を行った。次いで、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を除去した。このテトラゾニウム塩の水溶液を、1−アミノ−8−ナフトール−2,4−ジスルホン酸モノナトリウム25部(0.073mol)を9%炭酸ナトリウム水溶液550部に溶解した液中に、5〜10℃で滴下してカップリングさせた。2時間かき混ぜた後、塩化ナトリウム大過剰を加え塩析し、一晩かき混ぜてから濾過し、3%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥して次式(19)で表されるアゾ化合物29部を得た。収率94.5%。
【0070】
【化22】
Figure 0003803394
Figure 0003803394
【0071】
式(19)の化合物の水溶液で、実施例1と同様にポリビニルアルコールフィルムを処理し偏光フィルムを製造した。その偏光フィルムは青色で、吸収極大λmaxでの偏光度Vを測定した結果、単板透過率42%、λmaxは675nmでVは99.0%であった。
【0072】
この偏光フィルムを80℃相対湿度85%の条件下で500時間放置したが、色相の変化及び偏光度の低下は実質的に認められなかった。
【0073】
実施例6
実施例5に於いて、1−アミノ−8−ナフトール−2,4−ジスルホン酸モノナトリウムの代わりに1−ヒドロキシ−8−アミノナフタレン−3,6−ジスルホン酸モノナトリウム25部(0.073mol)を使用して、下記式(20)で表されるアゾ化合物30部を得た。収率97.7%。
【0074】
【化23】
Figure 0003803394
Figure 0003803394
【0075】
式(20)の化合物の水溶液で、実施例1と同様にポリビニルアルコールフィルムを処理し偏光フィルムを製造した。その偏光フィルムは青色で、吸収極大λmaxでの偏光度Vを測定した結果、単板透過率43%、λmaxは660nmで、Vは99.0%であった。
【0076】
この偏光フィルムを80℃相対湿度85%の条件下で500時間放置したが、色相の変化及び偏光度の低下は実質的に認められなかった。
【0077】
実施例7〜26
実施例1〜6と同様な方法により、第1表に示した一般式(1)の化合物を製造した。表中、色相、λmax、単板透過率、偏光度は共にPVAフィルムを染色した時のものを示し、耐湿熱性は偏光フィルムを80℃相対湿度85%の条件下で500時間放置した後、色相の変化及び偏光度の低下が実質的に認められなかったものを○とした。
Figure 0003803394
(式中、R 1 、R 3 は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜2のアルキル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基を、R 2 、R 4 は、各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数1〜2のアルコキシ基又はアセチルアミノ基を、R 5 はアゾ基に対してo−位又はp−位にある水酸基又はアミノ基を、R 6 は水素原子、カルボキシル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基を、R 7 は水素原子、水酸基、アミノ基、メチルアミノ基、β−ヒドロキシエチルアミノ基、アセチルアミノ基又はフェニル核がニトロ基、アミノ基、水酸基、炭素数1〜2のアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基又は塩素原子によって置換されてもよいフェニルアミノ基又はベンゾイルアミノ基を、 p は0又は1を、 q は0、1又は2を示す。)
【0078】
【表1】
Figure 0003803394
【0079】
【表2】
Figure 0003803394
【0080】
【表3】
Figure 0003803394
【0081】
【表4】
Figure 0003803394
【0082】
【表5】
Figure 0003803394
【0083】
実施例27
実施例3記載の式(17)の化合物15部(0.017mol)を水300部に溶かし、モノエタノールアミン10部(0.164mol)、無水硫酸銅5.3部(0.034mol)およびアンモニア水4.2部(0.034mol)を加えて、80℃で8時間加熱した。塩化ナトリウム大過剰を加え塩析し、一晩かきまぜてから濾過し、3%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥して下記式(21)で表されるアゾ化合物15.5部を得た。収率96.2%。
【0084】
【化24】
Figure 0003803394
Figure 0003803394
【0085】
式(21)の化合物の水溶液で、実施例1と同様にポリビニルアルコールフィルムを処理し偏光フィルムを製造した。その偏光フィルムは青色で、吸収極大λmaxでの偏光度Vを測定した結果、単板透過率42%、λmaxは690nmでVは99.5%であった。
【0086】
この偏光フィルムを80℃相対湿度85%の条件下で500時間放置したが、色相の変化及び偏光度の低下は実質的に認められなかった。
【0087】
実施例28
実施例27に於いて、式(17)の化合物の代わりに実施例4記載の式(18)の化合物15部(0.017mol)を、無水硫酸銅の代わりに硫酸ニッケル5.3部(0.038mol)を使用して、下記式(22)で表されるアゾ化合物15部を得た。収率93.8%。
【0088】
【化25】
Figure 0003803394
Figure 0003803394
【0089】
式(22)の化合物の水溶液で、実施例1と同様にポリビニルアルコールフィルムを処理し偏光フィルムを製造した。その偏光フィルムは青色で、吸収極大λmaxでの偏光度Vを測定した結果、単板透過率42%、λmaxは685nmでVは99.0%であった。
【0090】
この偏光フィルムを80℃相対湿度85%の条件下で500時間放置したが、色相の変化及び偏光度の低下は実質的に認められなかった。
【0091】
実施例29
実施例5記載の式(19)の化合物15部(0.016mol)を水300部に溶かし、モノエタノールアミン20部(0.328mol)、無水硫酸銅10.3部(0.065mol)およびアンモニア水8.4部(0.067mol)を加えて、80℃で8時間加熱した。塩化ナトリウム大過剰を加え塩析し、一晩かきまぜてから濾過し、3%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥して下記式(23)で表されるアゾ化合物16部を得た。収率97.3%。
【0092】
【化26】
Figure 0003803394
Figure 0003803394
【0093】
式(23)の化合物の水溶液で、実施例1と同様にポリビニルアルコールフィルムを処理し偏光フィルムを製造した。その偏光フィルムは青色で、吸収極大λmaxでの偏光度Vを測定した結果、単板透過率42%、λmaxは695nmでVは99.5%であった。
【0094】
この偏光フィルムを80℃相対湿度85%の条件下で500時間放置したが、色相の変化及び偏光度の低下は実質的に認められなかった。
【0095】
実施例30 実施例29に於いて、式(19)の化合物の代わりに実施例6記載の式(20)の化合物15部(0.016mol)を、無水硫酸銅の代わりに硫酸亜鉛5.5部(0.038mol)を使用して、下記式(24)で表されるアゾ化合物16部を得た。収率97.0%。
【0096】
【化27】
Figure 0003803394
Figure 0003803394
【0097】
式(24)の化合物の水溶液で、実施例1と同様にポリビニルアルコールフィルムを処理し偏光フィルムを製造した。その偏光フィルムは青色で、吸収極大λmaxでの偏光度Vを測定した結果、単板透過率42%、λmaxは695nmでVは99.0%であった。
【0098】
この偏光フィルムを80℃相対湿度85%の条件下で500時間放置したが、色相の変化及び偏光度の低下は実質的に認められなかった。
【0099】
実施例31〜56
実施例27〜30と同様な方法により、第2表に示した一般式(2)および(3)の化合物を製造した。表中、色相、λmax、単板透過率、偏光度は共にPVAフィルムを染色した時のものを示し、耐湿熱性は偏光フィルムを80℃相対湿度85%の条件下で500時間放置した後、色相の変化及び偏光度の低下が実質的に認められなかったものを○とした。
【0100】
【表6】
Figure 0003803394
【0101】
【表7】
Figure 0003803394
【0102】
【表8】
Figure 0003803394
【0103】
【表9】
Figure 0003803394
【0104】
【表10】
Figure 0003803394
【0105】
【表11】
Figure 0003803394
【0106】
【表12】
Figure 0003803394
【0107】
比較例1
実施例1において合成した化合物の代わりにC.I.Direct Blue 202 (下記構造式A)で表される染料を使用する以外は、実施例1と同様にして偏光フィルムを得た。
【0108】
極大吸収波長695nm、単板透過率43%における偏光度は96%であり、本発明の化合物より劣っていた。
【0109】
【化28】
Figure 0003803394
【0110】
比較例2
実施例2において合成した化合物の代わりに特開平2−222459号公報、実施例2において公開されている下記構造式(B)で表される染料を使用する以外は、実施例2と同様にして偏光フィルムを得た。
【0111】
各々極大吸収波長645nm、単板透過率46%における偏光度は88%であり、本発明の化合物より劣っていた。
【0112】
【化29】
Figure 0003803394
【0113】
比較例3
実施例1と同様の方法により、特開平3−68902号公報、実施例10において公開されている下記構造式(C)0.08wt%、C.I.Direct Red 2を0.045wt%、C.I.Direct Yellow 12を0.006wt%、C.I.Direct Violet 9を0.04wt%の濃度としてニュートラル偏光フィルムを製造した。単板透過率41%における偏光度は97%であった。
【0114】
【化30】
Figure 0003803394
【0115】
一方、式(C)の代わりに本発明の化合物(式(15)の化合物)を0.08wt%の濃度で使用する以外は前記の方法と同様にしてニュートラル偏光フィルムを製造した。単板透過率41%における偏光度は99%であり本発明の偏光フィルムの方が優れていることが判った。
【0116】
また、式(C)の代わりに本発明の化合物(式(21)の化合物)を0.09wt%の濃度で使用する以外は前記の方法と同様にしてニュートラル偏光フィルムを製造した。単板透過率41%における偏光度は99%であり本発明の偏光フィルムの方が優れていることが判った。
【0117】
また、式(C)の代わりに本発明の化合物(式(23)の化合物)を0.08wt%の濃度で使用する以外は前記の方法と同様にしてニュートラル偏光フィルムを製造した。単板透過率41%における偏光度は99%であり本発明の偏光フィルムの方が優れていることが判った。
【0118】
【発明の効果】
本発明の新規なアゾ化合物を含んだ水溶性染料、及びこれを用いた偏光フィルムは、高い耐湿熱性並びに高い偏光度を与えるものであり、従来のヨウ素を用いた偏光フィルムに匹敵する光学特性を示す、という工業的価値ある顕著な効果を奏するものである。

Claims (14)

  1. 下記一般式(2)で表されるアゾ化合物。
    Figure 0003803394
    (式中、R8及びR9は各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数1〜2のアルコキシ基又はアセチルアミノ基を、R10は水素原子、カルボキシル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基を、R11は水素原子、水酸基、アミノ基、メチルアミノ基、β-ヒドロキシエチルアミノ基、アセチルアミノ基又はフェニル核がニトロ基、アミノ基、水酸基、炭素数1〜2のアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基又は塩素原子によって置換されてもよいフェニルアミノ基又はベンゾイルアミノ基を、R12は水素原子、水酸基、炭素数1〜2のアルキル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基を、pは0又は1を、qは0、1又は2を、Mは銅、ニッケル、亜鉛または鉄を示す。)
  2. 11が水素原子、水酸基、アミノ基、メチルアミノ基、β−ヒドロキシエチルアミノ基、アセチルアミノ基、フェニルアミノ基又はベンゾイルアミノ基である請求項1記載のアゾ化合物。
  3. 請求項1又は2に記載のアゾ化合物を含むことを特徴とする水溶性染料。
  4. 請求項1又は2に記載のアゾ化合物が、高分子フィルムに、配向して含有されることを特徴とする偏光フィルム。
  5. 高分子フィルムが2〜9倍の延伸倍率で延伸して得られたものである請求項4記載の偏光フィルム。
  6. 高分子フィルムが、セルロース樹脂、あるいは、エチレン、プロピレン、アクリル酸、マレイン酸アクリルアミド等で変性されていてもよいポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタールまたはポリビニルブチラール樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項4記載の偏光フィルム。
  7. 請求項3記載の水溶性染料で染色した高分子フィルムを2〜9倍の延伸倍率で延伸することを特徴とする偏光フィルムの製造方法。
  8. 下記一般式(3)で表されるアゾ化合物。
    Figure 0003803394
    (式中、R8及びR9は各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数1〜2のアルコキシ基又はアセチルアミノ基を、R10は水素原子、カルボキシル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基を、R11は水素原子、水酸基、アミノ基、メチルアミノ基、β-ヒドロキシエチルアミノ基、アセチルアミノ基又はフェニル核がニトロ基、アミノ基、水酸基、炭素数1〜2のアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基又は塩素原子によって置換されてもよいフェニルアミノ基又はベンゾイルアミノ基を、pは0又は1を、qは0、1又は2を、Mは銅、ニッケル、亜鉛または鉄を示す。)
  9. 11が水素原子、水酸基、アミノ基、メチルアミノ基、β−ヒドロキシエチルアミノ基、アセチルアミノ基、フェニルアミノ基又はベンゾイルアミノ基である請求項8記載のアゾ化合物。
  10. 請求項8又は9に記載のアゾ化合物を含むことを特徴とする水溶性染料。
  11. 請求項8又は9に記載のアゾ化合物が、高分子フィルムに、配向して含有されることを特徴とする偏光フィルム。
  12. 高分子フィルムが2〜9倍の延伸倍率で延伸して得られたものである請求項11記載の偏光フィルム。
  13. 高分子フィルムが、セルロース樹脂、あるいは、エチレン、プロピレン、アクリル酸、マレイン酸アクリルアミド等で変性されていてもよいポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタールまたはポリビニルブチラール樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項11記載の偏光フィルム。
  14. 請求項10記載の水溶性染料で染色した高分子フィルムを2〜9倍の延伸倍率で延伸することを特徴とする偏光フィルムの製造方法。
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