JP3263121B2 - 水溶性アゾ染料及び該染料を用いた偏光フィルム - Google Patents

水溶性アゾ染料及び該染料を用いた偏光フィルム

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JP3263121B2
JP3263121B2 JP12053592A JP12053592A JP3263121B2 JP 3263121 B2 JP3263121 B2 JP 3263121B2 JP 12053592 A JP12053592 A JP 12053592A JP 12053592 A JP12053592 A JP 12053592A JP 3263121 B2 JP3263121 B2 JP 3263121B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規アゾ化合物を含む
水溶性アゾ染料並びに該染料を高分子フィルムに二色性
色素として吸着、配向させた、高い偏光度を有する偏光
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】偏光フィルムに使用される偏光素子とし
ては、従来、ヨウ素が用いられ、最近は有機系の染料の
使用も検討されている。しかしながら、従来使用されて
いるヨウ素は、高い偏光性能を有するが、昇華性が大き
いために偏光素子として偏光フィルムに含有せしめた
時、その耐熱性、耐湿性等の耐久性が劣るという欠点も
有する。この欠点を改良するために、特開平3−689
02号公報及び特開平3−89203号公報等に、有機
系染料を偏光素子とした耐熱性を改良した偏光フィルム
が提案されている。しかし、かかる偏光フィルムは偏光
性能の点で必ずしも満足できるものではないのが実情で
ある。
【0003】また、有機系染料を偏光素子とした偏光フ
ィルムにおいて、青色成分の染料としてC.I.Direct Blu
e 202 等が良く知られており、良く使用されている。し
かしながら、この染料の大きな欠点は、主原料であるジ
アニシジンが特定化学物質であるため、ジアニシジンの
使用に当たっては法規制を強く受け、極めて厳重な防護
設備のもとに作業する必要がある等の安全管理面及び生
産効率向上にとって大きな制約要因を有している。以上
のことから、染料系偏光フィルムでヨウ素系偏光フィル
ム並の偏光性能を示し、且つジアニシジンなどの特定化
学物質を使用することのない染料の開発が望まれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高分
子フィルムを基材とした偏光フィルムに好適な水溶性ア
ゾ染料及び該染料を配向して、含有せしめることによ
り、優れた偏光性能および耐熱性能を有する高性能な偏
光フィルムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討した結果、染料を偏光素子と
して用いた偏光フィルムにおいて、偏光性能の高い偏光
フィルムを得ることができ、本発明に至った。即ち、本
発明は、下記一般式(1)(化2)で表される新規ア
ゾ化合物、
【0006】
【化2】 (式中、R1 及びR2 は、各々独立に水素原子、水酸
基、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数1〜2のアルコ
キシ基又は炭素数1〜2のアシルアミノ基を、R3は水
素原子、カルボキシル基又は炭素数1〜2のアルコキシ
基を、R4 は水素原子、水酸基、アミノ基、メチルアミ
ノ基、β- ヒドロキシエチルアミノ基、炭素数1〜2の
アシルアミノ基又はフェニル核がニトロ基、アミノ基、
水酸基、炭素数1〜2のアルキル基、カルボキシル基、
スルホン酸基又は塩素原子によって置換されてもよいフ
ェニルアミノ基又はベンゾイルアミノ基を、R5 は水素
原子、水酸基、炭素数1〜2のアルキル基又は炭素数1
〜2のアルコキシ基を、pは0又は1を、qは0、1又
は2を、Mは遷移金属原子であって、銅、ニッケル、亜
鉛または鉄をそれぞれ示す。)
【0007】 項記載の新規アゾ化合物を含む水溶
性染料、 項記載の新規アゾ化合物を含む偏光フィ
ルム、 項記載の水溶性染料で染色した高分子フィ
ルムを2〜9倍の延伸倍率で延伸することにより得られ
る偏光フィルムの製造方法、高分子フィルムが、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニル
アセタール、ポリビニルブチラール、あるいはそれらを
エチレン、プロピレン、アクリル酸、マレイン酸アクリ
ルアミド等で変性したもの、セルロース樹脂からなる群
より選ばれた少なくとも1種である項記載の偏光フィ
ルムの製造方法に関する。
【0008】本発明の一般式(1)で表される新規アゾ
化合物は、通常のアゾ染料の製法に従い公知のジアゾ
化、カップリング法で製造することが出来る。即ち、一
般式(2)(化3)
【0009】
【化3】 (式中、R2 は一般式(1)と同じ意味を表す。)で表
される4-アセチルアミノアニリン類を公知の方法、例え
ば鉱酸中0〜30℃で亜硝酸ソーダを用いてジアゾ化
し、一般式(3)(化4)
【0010】
【化4】 (式中、R1 およびR5 は一般式(1)と同じ意味を表
す。)で表されるアニリン類と温度0〜30℃、pH3〜
5でカップリングさせた後、加水分解して下記一般式
(4)(化5)で表されるモノアゾ化合物を得ることが
出来る。
【0011】
【化5】 (式中、R1 、R2 およびR5 は一般式(1)と同じ意
味を表す。)又、一般式(2)の4-アセチルアミノアニ
リン類の代わりに対応する4-ニトロアニリン類を使用し
た場合には、前記同様ジアゾ化、カップリングした後、
加水分解の代わりに、例えば硫化アルカリによる還元を
実施することにより、一般式(4)のモノアゾ化合物が
得られる。
【0012】更に、上記の如く得られた一般式(4)で
表されるモノアゾ化合物を公知の方法、例えば鉱酸中0
〜30℃で亜硝酸ソーダを用いてテトラゾ化し、一般式
(5)(化6)
【0013】
【化6】 (式中、R3 、R4 、pおよびqは一般式(1)と同じ
意味を表す。)で表されるナフタレン類と温度0〜30
℃、pH5〜10でカップリングして、遊離酸の形で一般
式(6)(化7)
【0014】
【化7】 (式中、R1 〜R5 、pおよびqは一般式(1)と同じ
意味を表す。)で表されるアゾ化合物が得られる。勿
論、これ以外の製造ルートによっても、一般式(6)で
表されるアゾ化合物は製造できる。
【0015】上記の如く得られた一般式(6)で表され
るアゾ化合物は、次の方法によって容易に遷移金属錯化
を受け、本発明の一般式(1)で表される遷移金属含有
アゾ染料を得ることができる。例えば、一般式(6)で
表されるアゾ化合物を水又は/及び親水性溶媒中、例え
ばエチレングリコール、エチルセルソルブ類と水との混
合溶媒中に、溶解又は分散し、アルカリ性において、好
ましくはアンモニア、又はモノエタノールアミン、ジエ
タノールの存在下に、50〜100℃好ましくは90℃
以上の温度において硫酸銅、塩化銅、テトラミン銅、酢
酸銅、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、硫
酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸鉄、塩化鉄の水溶液を作用させ
ることによって目的とする一般式(1)で表される遷移
金属含有アゾ染料を得ることができる。
【0016】本発明の一般式(1)で表されるアゾ化合
物は、通常ナトリウム塩として利用するが、それらは遊
離酸として、或いは、カリウム塩、リチウム塩、アンモ
ニウム塩、アルキルアミン類、エタノールアミン類の塩
としても利用することが出来る。
【0017】本発明において、一般式(2)で表される
4-アセチルアミノアニリン類の具体的な例としては、4-
アセチルアミノ-3- メトキシアニリン、4-アセチルアミ
ノ-3- エトキシアニリン、4-アセチルアミノ-3- ヒドロ
キシアニリン、4-アセチルアミノ-2,5- ジメトキシアニ
リン、4-アセチルアミノ-2,5- ジエトキシアニリン、4-
アセチルアミノ-5- メトキシ-2- メチルアニリン等が挙
げられる。又、一般式(3)で表されるアニリン類の具
体的な例としては、o-トルイジン、m-トルイジン、p-キ
シリジン、m-アニシジン、m-アセチルアミノアニリン、
m-アセチルアミノ-o- アニシジン、アニリン等が挙げら
れる。
【0018】又、一般式(5)で表されるナフタレン類
の具体的な例としては、1-ヒドロキシ-6- アミノナフタ
レン-3- スルホン酸(以下J酸と略す。)N-フェニルJ
酸、N-メチルJ酸、N-アセチルJ酸、N-メチル-N- アセ
チルJ酸、N-ベンゾイルJ酸、N-(3- または4-カルボキ
シフェニル) J酸、N-(3- または4-スルホフェニル)J
酸、N-(4- アミノ-3- スルホフェニル) J酸、N-(4- ヒ
ドロキシ-3- カルボキシフェニル) J酸、N-(4- アミノ
ベンゾイル)J酸、N-(4- アミノ-3- スルホベンゾイ
ル) J酸、N-(4- ヒドロキシ-3- カルボキシベンゾイ
ル) J酸、N-(4- ニトロフェニル)J酸、N-(4- ニトロ
ベンゾイル) J酸、N-(4- アミノ-3- メチルベンゾイ
ル)J酸、N-(3または4- カルボキシベンゾイル)J
酸、N-(3- または4- カルボキシベンゾイル)J酸、N-
(3- または4- スルホベンゾイル)J酸、N-( β- ヒド
ロキシエチル)J酸、1-ヒドロキシ-7- アミノナフタレ
ン-3- スルホン酸(以下γ酸と略す。)、N-フェニルγ
酸、N-メチルγ酸、N-アセチルγ酸、N-メチル-N- アセ
チルγ酸、N-ベンゾイルγ酸、N-(3- または4-カルボキ
シフェニル) γ酸、N-(3- または4-スルホフェニル) γ
酸、N-(4- アミノ-3- スルホフェニル) γ酸、N-(4- ヒ
ドロキシ-3- カルボキシフェニル) γ酸、N-(4- アミノ
ベンゾイル)γ酸、N-(4- アミノ-3- スルホベンゾイ
ル) γ酸、N-(4- ヒドロキシ-3- カルボキシベンゾイ
ル) γ酸、N-(4- ニトロフェニル)γ酸、N-(4- ニトロ
ベンゾイル) γ酸、N-(4- アミノ-3- メチルベンゾイ
ル)γ酸、N-(3または4- カルボキシベンゾイル)γ
酸、N-(3- または4- カルボキシベンゾイル)γ酸、N-
(3- または4- スルホベンゾイル)γ酸、N-( β- ヒド
ロキシエチル)γ酸、1-ヒドロキシ-8- アミノナフタレ
ン-3,6- ジスルホン酸(以下H酸と略す。)、N-アセチ
ルH酸、N-ベンゾイルH酸、N-(p- トルエンスルホニ
ル)H酸、N-( ベンゼンスルホニル)H酸、N-(p- クロ
ルベンゾイル)H酸、1-ヒドロキシ-8- アミノナフタレ
ン-3,5- ジスルホン酸(以下K 酸と略す。)、N-アセチ
ルK酸、1-ヒドロキシ-8- アミノナフタレン-5,7- ジス
ルホン酸、1-ヒドロキシ-7- アミノナフタレン-3,6- ジ
スルホン酸、 N-(p-メチルフェニル)J酸、1-ナフトー
ル-3,6- ジスルホン酸等が挙げられる。
【0019】本発明の偏光フィルムに用いる高分子フィ
ルムとしては、親水性高分子フィルムが好ましく、その
素材の具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブ
チラール、あるいはそれらをエチレン、プロピレン、ア
クリル酸、マレイン酸アクリルアミド等で変性したも
の、セルロース樹脂等が挙げられる。これらの高分子重
合体は、水あるいは親水性有機溶剤への溶解性が良好で
あり、本発明の染料との相溶性も良好である上、製膜性
に優れ且つ製膜後延伸配向させたときに本発明の染料が
配向し易い点で特に有用である。上記の高分子重合体及
び本発明の染料を用いて本発明の偏光フィルムを製造す
る方法としては、高分子重合体を製膜してフィルムとし
た後、染色する方法又は高分子重合体の溶液に本発明の
染料を添加し、原液染色後製膜する方法等を挙げること
ができる。
【0020】上記の染色及び製膜並びに延伸は、一般的
に下記の方法によって行うことができる。本発明の染料
及び必要に応じて塩化ナトリウム、ボウ硝等の無機塩、
界面活性剤等の染色助剤を加えた染浴中に、20〜80
℃、好ましくは30〜50℃で1〜60分間、好ましく
は3〜20分間高分子フィルムを浸漬して染色し、次い
で必要に応じてホウ酸処理し、乾燥する。或いは、高分
子重合体を水及び/又はアルコール、グリセリン、ジメ
チルホルムアミド等の親水性有機溶媒に溶解し、本発明
の染料を添加して原液染色を行い、この染色原液を流延
法、溶液塗布法、押出法等により製膜して染色フィルム
を製造する。溶媒に溶解させる高分子重合体の濃度とし
ては、高分子重合体の種類によっても異なるが、5〜3
0重量%、好ましくは10〜20重量%である。また、
溶媒に溶解する本発明の染料の濃度としては、高分子重
合体の種類、染料の種類、製膜したときのフィルム厚
み、あるいは偏光フィルムとしたときの要求性能等によ
って変わるが、高分子重合体に対して0.1〜5重量
%、好ましくは0.8〜2.5重量%程度である。
【0021】上記のようにして染色及び製膜して得られ
た未延伸フィルムは、適当な方法によって一軸方向に延
伸する。延伸処理することによって染料分子が配向し、
偏光性能が発現する。一軸に延伸する方法としては、湿
式法にて引っ張り延伸を行う方法、乾式法にて引っ張り
延伸を行う方法、乾式法にてロール間圧縮延伸を行う方
法等があり、いずれの方法を用いて行ってもよい。延伸
倍率は2〜9倍にて行われるが、ポリビニルアルコール
及びその誘導体を用いた場合は、2.5〜6倍の範囲が
好ましい。
【0022】延伸、配向処理したあとで、該延伸フィル
ムの耐水性向上と偏光性向上の目的でホウ酸処理を実施
する。ホウ酸処理により、偏光フィルムの光線透過率と
偏光度が向上する。ホウ酸処理の条件としては、用いる
親水性高分子重合体の種類、染料の種類によって異なる
が、一般的にはホウ酸濃度としては1〜15重量%、好
ましくは3〜10重量%、また処理温度としては30〜
80℃、好ましくは、40〜80℃の範囲にあることが
望ましい。ホウ酸濃度が1重量%以下、温度が30℃以
下の場合は処理効果が小さく、また、ホウ酸濃度が15
重量%以上、温度80℃以上の場合は偏光フィルムがも
ろくなり好ましくない。
【0023】一般式(1)で表される水溶性染料は、単
独で又はそれら同志で混合して使用できる他、更にはこ
れらの染料と他の染料と配合することにより種々の色相
に染色された高偏光度の偏光フィルムを製造することが
できる。特に多用されるグレー又はブラック用の配合成
分として、一般式(1)で表される水溶性染料を使用し
た場合、優れた偏光性能及び好ましい吸収特性を示す偏
光フィルムが得られる。またその耐湿熱性も優れてい
る。このようにして製造した偏光フィルムは、種々の加
工を施して使用することができる。例えば、フィルム又
はシートにしてそのまま使用する他、使用目的によって
は、トリアセテート、アクリル又はウレタン系等のポリ
マーによりラミネーションして保護層を形成し、或い
は、偏光フィルムの表面に蒸着、スパッタリングまたは
塗布法により、インジウム−スズ系酸化物等の透明導電
性膜を形成して実用に供する。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、これらは例示的なものであり、本発明は、こ
れらに限定されるものではない。なお、本発明における
偏光度とは次の方法によって測定した値である。即ち、
2枚の偏光フィルムを延伸方向が平行となるべく重ねて
分光光度計の光路におき、測定した可視領域最大吸収波
長での光線透過率(T//)および2枚の偏光フィルムを
延伸方向が直交すべく重ねて測定した同波長での光線透
過率(T⊥)より次式(数1)を用いて偏光度(V)を
算出した。
【0025】
【数1】 実施例中、構造式はすべて遊離酸の形で示し、部は重量
部を示す。 実施例1 4-アセチルアミノ-3- メトキシアニリン33部を水65
0部に溶かし、濃塩酸62部を加え、更に氷で5〜10
℃に冷却した後、亜硝酸ナトリウム16部を加えて1時
間ジアゾ化を行った。次いで、スルファミン酸で過剰の
亜硝酸を除去した。この中へo-トルイジン20部を塩酸
水溶液にとかして加えた後、酢酸ナトリウムを加えてpH
4まで中和して2時間カップリングさせた。反応終了
後、濾過して得たプレスケーキを水酸化カリウム120
部を含む水400部とメタノール400部からなる混合
液に溶解し70℃で4時間反応した後、水2リットルに
排出した。析出した結晶を濾過、水洗、乾燥して下記式
(化8)ジアミン48部を得た。
【0026】
【化8】 上記式ジアミン42部を水900部に溶かし、濃塩酸1
00部を加え更に氷で5〜10℃に冷却した後、亜硝酸
ナトリウム30部を加えて1時間ジアゾ化を行った。次
いでスルファミン酸で過剰の亜硝酸を除去した。このジ
アゾニウム塩の水溶液を1-ヒドロキシ-8- アミノナフタ
レン-3,6- ジスルホン酸106部を10%炭酸ナトリウ
ム水溶液1000部に溶解した液中に、5〜10℃で滴
下してカップリングさせた。2時間かきまぜたのち塩化
ナトリウム大過剰を加え塩析し、一晩かきまぜてから濾
過し、3%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥して下
記式(化9)で表されるアゾ染料141部を得た。
【0027】
【化9】 上記式で表されるアゾ染料10部を水200部に溶か
し、モノエタノールアミン10部を加えたのち硫酸銅
3.4部の水溶液を加えて90℃で3時間加熱した。塩
化ナトリウム大過剰を加え塩析し、一晩かきまぜてから
濾過し、3%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥して
次式(7)(化10)で表されるトリスアゾ染料9部を
得た。
【0028】
【化10】 このトリスアゾ染料の0.3g/lの染浴を調製し42
℃に保持し、厚さ 750μのポリビニルアルコールを浸漬
し2分間染色した。濡れたままの染色フィルムを3%ホ
ウ酸水溶液中で43℃で5倍に延伸しこの状態のまま水
洗、乾燥して青色の偏光フィルムを製造した。その偏光
フィルムの吸収極大λmax での偏光度Vを測定した結
果、単板透過率42%、λmax は680nmでVは9
9.5%であった。
【0029】実施例2 実施例1に於いて1-ヒドロキシ-8- アミノナフタレン-
3,6- ジスルホン酸の代わりに1-ヒドロキシ-8- アミノ
ナフタレン-5,7- ジスルホン酸106部または1-ヒドロ
キシ-7- アミノナフタレン-3- スルホン酸79部を、硫
酸銅の代わりに硫酸ニッケル3.4部または硫酸亜鉛
3.3部を使用して、それぞれ式(8)(化11)、式
(9)(化12)で表されるアゾ染料を得た。
【0030】
【化11】
【0031】
【化12】 これらのアゾ染料の水溶液で、実施例1と同様にポリビ
ニルアルコールフィルムを処理し偏光フィルムを製造し
た。式(8)の染料は、青色でその偏光フィルムの吸収
極大λmax での偏光度Vを測定した結果、単板透過率4
2%、λmax 685nmでVは99.0%であった。式
(9)の染料は青色でその偏光フィルムの吸収極大λ
max での偏光度Vを測定した結果、単板透過率42%、
λmax 680nmでVは98.0%であった。
【0032】実施例3 3-メトキシ-4- ニトロアニリン34部を水680部に溶
かし、濃塩酸62部を加え更に氷で5〜10℃に冷却し
た後、亜硝酸ナトリウム16部を加えて1時間ジアゾ化
を行った。次いでスルファミン酸で過剰の亜硝酸を除去
した。この中へアニリン19部を塩酸水溶液にとかして
加えた後、酢酸ナトリウムを加えてpH4まで中和して2
時間カップリングさせた。反応終了後、濾過して得たプ
レスケーキをエタノール1000部に溶解し、水硫化ソ
ーダ48部を溶かした20%水溶液を滴下後70℃で1
時間反応させた。反応終了後、水2リットルに排出し析
出した結晶を濾過、水洗、乾燥して下記式(化13)ジ
アミン49部を得た。
【0033】
【化13】 上記式ジアミン40部を水900部に溶かし、濃塩酸1
00部を加え更に氷で5〜10℃に冷却した後、亜硝酸
ナトリウム30部を加えて1時間ジアゾ化を行った。次
いでスルファミン酸で過剰の亜硝酸を除去した。このジ
アゾニウム塩の水溶液をN-フェニルJ酸104部を10
%炭酸ナトリウム水溶液1000部に溶解した液中に、
5〜10℃で滴下してカップリングさせた。2時間かき
まぜたのち塩化ナトリウム大過剰を加え塩析し、一晩か
きまぜてから濾過し、3%塩化ナトリウム水溶液で洗浄
し、乾燥して下記式(化14)で表されるトリスアゾ染
料135部を得た。
【0034】
【化14】 上記式で表されるトリスアゾ染料10部を水200部に
溶かし、モノエタノールアミン9部を加えたのち硫酸銅
3部の水溶液を加えて90℃で3時間加熱した。塩化ナ
トリウム大過剰を加え塩析し、一晩かきまぜてから濾過
し、3%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥して次式
(10)(化15)で表されるアゾ染料9部を得た。
【0035】
【化15】 このトリスアゾ染料の0.3g/lの染浴を調製し、実
施例1と同様にポリビニルアルコールフィルムを処理し
青紫色の偏光フィルムを製造した。その偏光フィルムの
吸収極大λmax での偏光度を測定した結果、単板透過率
42%、λmaxは635nmでVは99%であった。
【0036】実施例4〜13 実施例1〜3と同様な方法により、第1表(表1〜表
3)に示した一般式(1)(化16)の染料を製造し
た。表中、色相、λmax 、単板透過率、偏光度は共にP
VAフィルムを染色した時のものを示す。
【0037】
【化16】
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】比較例1 実施例1において合成した染料の代わりにC.I.Direct B
lue 202 (下記構造式A)(化17)で表される染料を
使用する以外は、実施例1と同様にして偏光フィルムを
得た。極大吸収波長695nm、単板透過率42%におけ
る偏光度は95%であり、本発明の染料より劣ってい
た。
【0042】
【化17】
【0043】比較例2 実施例1と同様の方法により、特開平3−68902号
公報又は、実施例10において公開されている下記構造
式(B)(化18)0.08wt%、C.I.Direct Red2を0.04
5 wt%、 C.I.Direct Yellow 12 を0.006 wt%、C.I.Di
rect Violet 9を0.04wt%の濃度としてニュートラル偏
光フィルムを製造した。単板透過率41%における偏光
度は97%であった。
【0044】
【化18】 一方、式(B)の代わりに本発明の染料、式(7)を0.
09wt% の濃度で使用する以外は前記の方法と同様にして
ニュートラル偏光フィルムを製造した。単板透過率41
%における偏光度は99%であり本発明の偏光フィルム
の方が優れている事が判った。
【0045】
【発明の効果】本発明の新規なアゾ化合物を含んだ水溶
性染料、及びこれを用いた偏光フィルムは、高い熱安定
性並びに高い偏光度を与えるものであり、従来のヨウ素
を用いた偏光フィルムに匹敵する光学特性を示す、とい
う工業的価値ある顕著な効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−12606(JP,A) 特開 昭57−29696(JP,A) 特開 平3−68902(JP,A) 特開 平3−89203(JP,A) 特開 平5−53015(JP,A) 特開 平1−313568(JP,A) 特開 平1−167703(JP,A) 特公 昭35−10329(JP,B1) 特公 昭34−75(JP,B1) 特許109553(JP,C2) 特許110249(JP,C2) 西独国特許出願公告1544559(DE, B) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09B 45/28 C09B 45/32 G02B 5/30 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)(化1)で表される新
    規アゾ化合物。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、各々独立に水素原子、水酸
    基、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数1〜2のアルコ
    キシ基又は炭素数1〜2のアシルアミノ基を、R3は水
    素原子、カルボキシル基又は炭素数1〜2のアルコキシ
    基を、R4 は水素原子、水酸基、アミノ基、メチルアミ
    ノ基、β- ヒドロキシエチルアミノ基、炭素数1〜2の
    アシルアミノ基又はフェニル核がニトロ基、アミノ基、
    水酸基、炭素数1〜2のアルキル基、カルボキシル基、
    スルホン酸基又は塩素原子によって置換されてもよいフ
    ェニルアミノ基又はベンゾイルアミノ基を、R5 は水素
    原子、水酸基、炭素数1〜2のアルキル基又は炭素数1
    〜2のアルコキシ基を、pは0又は1を、qは0、1又
    は2を、Mは遷移金属原子であって、銅、ニッケル、亜
    鉛または鉄をそれぞれ示す。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の新規アゾ化合物を含むこ
    とを特徴とする水溶性染料。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の新規アゾ化合物を含むこ
    とを特徴とする偏光フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の水溶性染料で染色した高
    分子フィルムを2〜9倍の延伸倍率で延伸することによ
    り得られることを特徴とする偏光フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 高分子フィルムが、ポリビニルアルコー
    ル、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポ
    リビニルブチラール、あるいはそれらをエチレン、プロ
    ピレン、アクリル酸、マレイン酸アクリルアミド等で変
    性したもの、セルロース樹脂からなる群より選ばれた少
    なくとも1種である請求項4記載の偏光フィルムの製造
    方法。
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