JPH0791761B2 - 湿熱接着不織布及びその製造方法 - Google Patents
湿熱接着不織布及びその製造方法Info
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- JPH0791761B2 JPH0791761B2 JP62071141A JP7114187A JPH0791761B2 JP H0791761 B2 JPH0791761 B2 JP H0791761B2 JP 62071141 A JP62071141 A JP 62071141A JP 7114187 A JP7114187 A JP 7114187A JP H0791761 B2 JPH0791761 B2 JP H0791761B2
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- fibers
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はエチレンビニルアルコール共重合体繊維を含む
不織布及びその製造方法に関する。
不織布及びその製造方法に関する。
(従来の技術) エチレンビニルアルコール共重合体(以下EVOHと略記す
る)を溶融紡糸してなる繊維は親水性に優れ,この繊維
による織編物,不織布,は同じ目付の他の繊維によるも
のに比べ多量の水を抱水することができるうえ耐薬品
性,生体適合性,化学反応性にも優れた性質をもってい
るので,広い用途が期待されている。
る)を溶融紡糸してなる繊維は親水性に優れ,この繊維
による織編物,不織布,は同じ目付の他の繊維によるも
のに比べ多量の水を抱水することができるうえ耐薬品
性,生体適合性,化学反応性にも優れた性質をもってい
るので,広い用途が期待されている。
EVOHの親水性と融点の低さとはビニルアルコールとエチ
レンの量によって逆の関係がみられる。すなわちビニル
アルコールが多くエチレンが少ないと親水性は増すが融
点が高く,ビニルアルコールが少なくエチレンが多いと
親水性は悪いが融点が下がるという関係である。
レンの量によって逆の関係がみられる。すなわちビニル
アルコールが多くエチレンが少ないと親水性は増すが融
点が高く,ビニルアルコールが少なくエチレンが多いと
親水性は悪いが融点が下がるという関係である。
不織布を製造する方法として構成繊維の一つに低融点繊
維を使用しこれを熱溶融して構成繊維間を接着する方法
があるが,EVOH繊維を使いこの方法で不織布を製造する
とエチレンの量を多くしなければならず,目的とする親
水性が得にくい欠点があった。
維を使用しこれを熱溶融して構成繊維間を接着する方法
があるが,EVOH繊維を使いこの方法で不織布を製造する
とエチレンの量を多くしなければならず,目的とする親
水性が得にくい欠点があった。
そこで,特開昭57−66200により開示された技術ではEVO
H繊維に吸水させると繊維が膨潤するので融点以下の温
度でも湿熱接着が可能であるとされている。しかし同技
術は湿熱接着のためにEVOH繊維が飽和吸水率(30℃で水
中24時間浸漬後の値)の70%以上吸水していることが不
可欠で,この条件下で始めて通常の乾燥条件でしかも融
点以下で湿熱接着が可能になっている。このため繊維ウ
ェブを熱処理する前に長時間水中に浸漬する必要があっ
た。
H繊維に吸水させると繊維が膨潤するので融点以下の温
度でも湿熱接着が可能であるとされている。しかし同技
術は湿熱接着のためにEVOH繊維が飽和吸水率(30℃で水
中24時間浸漬後の値)の70%以上吸水していることが不
可欠で,この条件下で始めて通常の乾燥条件でしかも融
点以下で湿熱接着が可能になっている。このため繊維ウ
ェブを熱処理する前に長時間水中に浸漬する必要があっ
た。
従って上記,特開昭57−66200による方法では抄紙法に
よる不織布,すなわち紙しか得られていない。湿潤した
EVOH繊維をカードにかけウェブにすることはできないの
で,従来の吸水接着方法では嵩高性,柔軟性のある不織
布を得ることはできなかったのである。
よる不織布,すなわち紙しか得られていない。湿潤した
EVOH繊維をカードにかけウェブにすることはできないの
で,従来の吸水接着方法では嵩高性,柔軟性のある不織
布を得ることはできなかったのである。
(発明が解決すべき問題点) 本発明はEVOH繊維を用い,繊維を湿式抄紙によらずカー
ドにより解繊してウェブを形成した後,繊維間を熱融着
した嵩高性,柔軟性のあるしかも十分な強力をもった不
織布を得ることを目的とするものである。
ドにより解繊してウェブを形成した後,繊維間を熱融着
した嵩高性,柔軟性のあるしかも十分な強力をもった不
織布を得ることを目的とするものである。
(問題点を解決する手段) 本発明者等はEVOH繊維の特質に着目し,ポリビニルアル
コールとエチレンの割合がある範囲内において,不織布
として所望の親水性を得られ,比較的低い温度でしかも
繊維内に吸水させずとも,濃度の高い水蒸気があれば湿
熱接着可能であることを見出し,本発明に至った。
コールとエチレンの割合がある範囲内において,不織布
として所望の親水性を得られ,比較的低い温度でしかも
繊維内に吸水させずとも,濃度の高い水蒸気があれば湿
熱接着可能であることを見出し,本発明に至った。
すなわち,本発明の第1の発明は,エチレンモル比(E
モル%)が20≦E<55,ケン化度98%以上のエチレンビ
ニルアルコール共重合体を第1成分,他の熱可塑性重合
体を第2成分とし,第1成分と第2成分の構成比が20:8
0〜80:20の割合である複合繊維を30%以上含む繊維ウェ
ブからなる湿熱接着不織布である。
モル%)が20≦E<55,ケン化度98%以上のエチレンビ
ニルアルコール共重合体を第1成分,他の熱可塑性重合
体を第2成分とし,第1成分と第2成分の構成比が20:8
0〜80:20の割合である複合繊維を30%以上含む繊維ウェ
ブからなる湿熱接着不織布である。
EVOH繊維のエチレンモル比(Eモル%)が20以上必要で
ある理由はEVOH繊維の紡糸性に問題があるからである。
E=20のときEVOHの融点は207℃であり,5分以上滞留す
るとゲル化が始まる温度は240.2℃と測定される。この
範囲内で安定して溶融紡糸するには融点より少なくとも
20℃は高い温度すなわち227℃は必要であるから,とり
得る温度範囲は240.2−227=13.2(℃)と狭くなり,溶
融紡糸時に少なくともこの程度のとり得る温度範囲が望
ましいからであり,他の熱可塑性重合性と複合紡糸する
にもこれ以上温度範囲が狭くては,安定に紡糸すること
が難しいからである。
ある理由はEVOH繊維の紡糸性に問題があるからである。
E=20のときEVOHの融点は207℃であり,5分以上滞留す
るとゲル化が始まる温度は240.2℃と測定される。この
範囲内で安定して溶融紡糸するには融点より少なくとも
20℃は高い温度すなわち227℃は必要であるから,とり
得る温度範囲は240.2−227=13.2(℃)と狭くなり,溶
融紡糸時に少なくともこの程度のとり得る温度範囲が望
ましいからであり,他の熱可塑性重合性と複合紡糸する
にもこれ以上温度範囲が狭くては,安定に紡糸すること
が難しいからである。
またEが大きいほどEVOHの融点は低くなるが,親水性は
悪くなるので,本発明の目的とする湿熱接着性繊維を得
るためE<55とした。
悪くなるので,本発明の目的とする湿熱接着性繊維を得
るためE<55とした。
EVOHのケン化度が98%以上である理由は98%より低いと
溶融樹脂が発泡しやすく紡糸工程で糸切れが多くなるた
めである。
溶融樹脂が発泡しやすく紡糸工程で糸切れが多くなるた
めである。
EVOHと複合繊維を作る他の熱可塑性樹脂はポリプロピレ
ン,ポリブチレンテレフタレート,ナイロン6及びナイ
ロン66が都合良く用いられ,ポリエチレンテレフタレー
トも適用できる。
ン,ポリブチレンテレフタレート,ナイロン6及びナイ
ロン66が都合良く用いられ,ポリエチレンテレフタレー
トも適用できる。
EVOHは単独でも紡糸可能だが,繊維強力が弱く紡糸工程
上糸切れ等のトラブルも多いので,本発明では上記の熱
可塑性樹脂との複合繊維を用いるが,EVOH(第1成分)
と他の熱可塑性重合体(第2成分)の複合比を20:80〜8
0:20としたのは第1成分が20%未満では湿熱接着力が劣
り,80%を超える場合は繊維強力が劣るからである。
上糸切れ等のトラブルも多いので,本発明では上記の熱
可塑性樹脂との複合繊維を用いるが,EVOH(第1成分)
と他の熱可塑性重合体(第2成分)の複合比を20:80〜8
0:20としたのは第1成分が20%未満では湿熱接着力が劣
り,80%を超える場合は繊維強力が劣るからである。
このような複合繊維を30%以上含む繊維ウェブは複合繊
維の融点以下の温度で湿熱接着することができる。30%
以下でも不織布は形成できるが,不織布としての強力が
不足する。以下その製造方法について説明する。
維の融点以下の温度で湿熱接着することができる。30%
以下でも不織布は形成できるが,不織布としての強力が
不足する。以下その製造方法について説明する。
本発明の第2の発明は,エチレンモル比(Eモル%)が
20≦E<55,ケン化度が98%以上のエチレンビニルアル
コール共重合体を第1成分,他の熱可塑性重合体を第2
成分とし,第1成分と第2成分の構成比が20:80〜80:20
の割合である。複合繊維を30%以上含む繊維ウェブを湿
熱接着する不織布の製法において,該繊維ウェブにその
重量の30%以上の水を付与した後,該繊維ウェブの両面
に接触する加熱体により,T≧1.17+46.5,T<1.9E+245,
T<2.13E+59.4の範囲内にある加熱温度(T℃)に加熱
し,繊維間を湿熱接着することを特徴とする湿熱接着不
織布の製造方法である。
20≦E<55,ケン化度が98%以上のエチレンビニルアル
コール共重合体を第1成分,他の熱可塑性重合体を第2
成分とし,第1成分と第2成分の構成比が20:80〜80:20
の割合である。複合繊維を30%以上含む繊維ウェブを湿
熱接着する不織布の製法において,該繊維ウェブにその
重量の30%以上の水を付与した後,該繊維ウェブの両面
に接触する加熱体により,T≧1.17+46.5,T<1.9E+245,
T<2.13E+59.4の範囲内にある加熱温度(T℃)に加熱
し,繊維間を湿熱接着することを特徴とする湿熱接着不
織布の製造方法である。
第1の発明の構成をもつ複合繊維は融点以下の温度でも
充分な水蒸気の存在下で膨潤ゲル化し他の繊維と接着す
る。その温度(T℃)は複合繊維の第1成分であるEVOH
のエチレンとビニルアルコールの成分比によって変化す
るが,T≧1.17E+46.5であればウェブに含まれる水分の
蒸気により短時間で接着させることができるEVOH複合繊
維は湿熱下できわめて接着性に富み金属にもよく接着
し,温度が高すぎると加熱体へ粘着が著るしくなるの
で,T<2.13E+59.4及びT<−1.9E+245(融点)の範囲
内にあることが必要である。
充分な水蒸気の存在下で膨潤ゲル化し他の繊維と接着す
る。その温度(T℃)は複合繊維の第1成分であるEVOH
のエチレンとビニルアルコールの成分比によって変化す
るが,T≧1.17E+46.5であればウェブに含まれる水分の
蒸気により短時間で接着させることができるEVOH複合繊
維は湿熱下できわめて接着性に富み金属にもよく接着
し,温度が高すぎると加熱体へ粘着が著るしくなるの
で,T<2.13E+59.4及びT<−1.9E+245(融点)の範囲
内にあることが必要である。
第1図のグラフにEVOH繊維の第1成分のエチレンモル比
(Eモル%)と不織布の湿熱接着温度(T℃)の関係を
示す。加熱温度は融点を超えない範囲で,しかも加熱体
に粘着しない範囲の温度である。すなわち,20≦E<55
の範囲内では20≦E<46のとき(2.13E+59.4)℃より
低く,46≦E<55のとき(−1.9E+245)℃(融点)より
低い温度である。またEVOH繊維を水分の存在下に膨潤さ
せうる温度は(1.17E+46.5)℃以上で,グラフの斜線
部分が接着可能な温度範囲である。
(Eモル%)と不織布の湿熱接着温度(T℃)の関係を
示す。加熱温度は融点を超えない範囲で,しかも加熱体
に粘着しない範囲の温度である。すなわち,20≦E<55
の範囲内では20≦E<46のとき(2.13E+59.4)℃より
低く,46≦E<55のとき(−1.9E+245)℃(融点)より
低い温度である。またEVOH繊維を水分の存在下に膨潤さ
せうる温度は(1.17E+46.5)℃以上で,グラフの斜線
部分が接着可能な温度範囲である。
EVOH繊維は単に加熱され温度が上昇するだけでは膨潤ゲ
ル化させることはむずかしく繊維ウェブの両面が加熱体
により接触されていることが必要である。
ル化させることはむずかしく繊維ウェブの両面が加熱体
により接触されていることが必要である。
加熱体はロール,平板,コンベア等であって,繊維ウェ
ブを両面から狭む形で加熱するが,その圧力は10g/cm2
程度以上であればよい。加熱体ウェブ両面共に加熱する
ことがウェブの厚み方向に均一に接着を起こさせるが,
片側のみの加熱で,もう一方の面は単に支持体としての
働きをするものであってもよい。いずれの方法をとるか
は目的とする不織布の用途により選択すればよい。
ブを両面から狭む形で加熱するが,その圧力は10g/cm2
程度以上であればよい。加熱体ウェブ両面共に加熱する
ことがウェブの厚み方向に均一に接着を起こさせるが,
片側のみの加熱で,もう一方の面は単に支持体としての
働きをするものであってもよい。いずれの方法をとるか
は目的とする不織布の用途により選択すればよい。
第2,3図に本発明の加熱方法の一例を示す。第2図は熱
ロール(1)により繊維ウェブ(2)を挾持,加熱する
方式で繊維ウェブ(2)は前もってスプレー(3)によ
り水分を与えられ,熱ロール(1)により前記温度範囲
に加熱され接着し不織布(4)となって巻き取られる。
ロール(1)により繊維ウェブ(2)を挾持,加熱する
方式で繊維ウェブ(2)は前もってスプレー(3)によ
り水分を与えられ,熱ロール(1)により前記温度範囲
に加熱され接着し不織布(4)となって巻き取られる。
第3図は熱シリンダー(5)で加熱する方式である。繊
維ウェブ(2)はスプレー(3)により水分を与えられ
た後,熱シリンダー(5)で予熱され,水分が30%以上
である間に加圧ロール(6)で押さえられ,このときEV
OH繊維が膨潤ゲル化し不織布(4)を形成して巻き取ら
れる。
維ウェブ(2)はスプレー(3)により水分を与えられ
た後,熱シリンダー(5)で予熱され,水分が30%以上
である間に加圧ロール(6)で押さえられ,このときEV
OH繊維が膨潤ゲル化し不織布(4)を形成して巻き取ら
れる。
(発明の作用) 本発明の方法はEVOH繊維の内部に水分が吸収されている
必要はなく,その周囲に水分か付着している状態であれ
ばよい。このような状態にある繊維ウェブを上記の方法
で加熱体に挾持すれば瞬間的に発生する水蒸気は加熱体
により繊維ウェブ内に封じ込められ,EVOH繊維を瞬時に
膨潤ゲル化させ接着させることが本発明の大きな特色で
ある。
必要はなく,その周囲に水分か付着している状態であれ
ばよい。このような状態にある繊維ウェブを上記の方法
で加熱体に挾持すれば瞬間的に発生する水蒸気は加熱体
により繊維ウェブ内に封じ込められ,EVOH繊維を瞬時に
膨潤ゲル化させ接着させることが本発明の大きな特色で
ある。
本発明に用いるエチレンモル比20〜55%のEVOH繊維は極
めて親水性に富むから繊維ウェブに与えられた水分を繊
維の周囲に吸着させるので上記方法に良好に用いられ
る。
めて親水性に富むから繊維ウェブに与えられた水分を繊
維の周囲に吸着させるので上記方法に良好に用いられ
る。
(発明の効果) 本発明による不織布は融点よりも低い温度で湿熱接着に
より製造できるばかりでなく,得られた不織布も湿熱接
着が可能であり,その接着の相手となるものはポリエス
テル,ナイロンなどの合成繊維や綿,レーヨンなどの天
然繊維の織物,不織布であれば衣料品のアップリケ,芯
地等に使用できる。その他,紙,木材,金属にも少量の
水分で湿熱接着ができるから,建築用,自動車の内装
材,断熱材として使用できる。
より製造できるばかりでなく,得られた不織布も湿熱接
着が可能であり,その接着の相手となるものはポリエス
テル,ナイロンなどの合成繊維や綿,レーヨンなどの天
然繊維の織物,不織布であれば衣料品のアップリケ,芯
地等に使用できる。その他,紙,木材,金属にも少量の
水分で湿熱接着ができるから,建築用,自動車の内装
材,断熱材として使用できる。
また不織布の他の構成繊維を適宜選択することによって
親水性,耐薬品性の良好な不織布を得れば衛生材料,工
業用フィルター,電池セパレーターとしても有用であ
る。
親水性,耐薬品性の良好な不織布を得れば衛生材料,工
業用フィルター,電池セパレーターとしても有用であ
る。
また本発明による不織布の強度は,繊維方向に対し直角
方向の引張強力を裂断長で表すとほぼ0.5km以上にな
り,上記いずれの用途にも充分に耐えうるものである。
方向の引張強力を裂断長で表すとほぼ0.5km以上にな
り,上記いずれの用途にも充分に耐えうるものである。
尚,裂断長は巾50mmの試料の引張強力(g)を目付(g/
m2)で除した値(km)をとった。
m2)で除した値(km)をとった。
(実施例) EVOH繊維としてエチレンモル比E=29,38及び47のEVOH
を各々第1成分,ポリプロピレンを第2成分とし,第1
成分を鞘成分に,第2成分を芯成分として複合比50/50
(重量比)の鞘芯型複合繊維を紡糸温度240℃で紡糸し,
120〜130℃で乾熱延伸し,親水性油剤中を通して機械捲
縮を付与したものを乾燥し,繊度2デニール,カット長
5mmの3種類のエチレンモル比の異なるステープルを作
り以下の各実施例に用いた。
を各々第1成分,ポリプロピレンを第2成分とし,第1
成分を鞘成分に,第2成分を芯成分として複合比50/50
(重量比)の鞘芯型複合繊維を紡糸温度240℃で紡糸し,
120〜130℃で乾熱延伸し,親水性油剤中を通して機械捲
縮を付与したものを乾燥し,繊度2デニール,カット長
5mmの3種類のエチレンモル比の異なるステープルを作
り以下の各実施例に用いた。
実施例−1 E=29,のEVOH繊維100%からなる目付30g/m2のカードウ
ェブを作り,サポート紙上に固定して霧吹きを用いて30
g/m2の水を噴霧した後直径165mmのフラット熱ロール間
を押し圧10kg/cm2,加工速度5m/minで2回通して湿熱接
着した。ロール温度は70℃から10℃毎に昇温させ,各温
度毎に試料をとり繊維の方向に対し直角方向の引張強力
を測定し,裂断長を求めた。本発明方法による加熱湿度
範囲は80.4〜121.1℃である。加熱温度と裂断長を表−
1に示す。
ェブを作り,サポート紙上に固定して霧吹きを用いて30
g/m2の水を噴霧した後直径165mmのフラット熱ロール間
を押し圧10kg/cm2,加工速度5m/minで2回通して湿熱接
着した。ロール温度は70℃から10℃毎に昇温させ,各温
度毎に試料をとり繊維の方向に対し直角方向の引張強力
を測定し,裂断長を求めた。本発明方法による加熱湿度
範囲は80.4〜121.1℃である。加熱温度と裂断長を表−
1に示す。
実施例−2 E=38のEVOH繊維を用いて,実施例1と同様の条件で不
織布を作った。本発明による加熱温度範囲は91.0〜140.
3℃である。各加熱温度と裂断長を表−1に示す。
織布を作った。本発明による加熱温度範囲は91.0〜140.
3℃である。各加熱温度と裂断長を表−1に示す。
実施例−3 E=47のEVOH繊維を用いて,実施例1と同様の条件で不
織布を作った。本発明による加熱温度範囲は101.5〜15
5.7℃である。各加熱温度と裂断長を表−1に示す。
織布を作った。本発明による加熱温度範囲は101.5〜15
5.7℃である。各加熱温度と裂断長を表−1に示す。
表−1に示すように,実施例1では加熱温度80℃以下の
とき裂断長0.5kmに至らず,不織布の用途によっては不
適当である。また130℃となるとロールにEVOH繊維が粘
着し満足な不織布が得られない。
とき裂断長0.5kmに至らず,不織布の用途によっては不
適当である。また130℃となるとロールにEVOH繊維が粘
着し満足な不織布が得られない。
同様に実施例2では90℃以下のときに,実施例3では10
0℃以下のときに各々裂断長が小さく不適当であるが,13
0℃でも共に良好に製造できる。
0℃以下のときに各々裂断長が小さく不適当であるが,13
0℃でも共に良好に製造できる。
実施例−4 実施例1と同じ繊維ウェブを,加熱ロールを凹凸のある
直径165mmのスポットボンディング熱ロールと直径165mm
のフラット熱ロールを用いて押し圧20kg/cm2,両ロール
間の間隔0.04mmにした他は実施例1と同様にして不織布
を作った。各加熱温度と裂断長を表−2に示す。
直径165mmのスポットボンディング熱ロールと直径165mm
のフラット熱ロールを用いて押し圧20kg/cm2,両ロール
間の間隔0.04mmにした他は実施例1と同様にして不織布
を作った。各加熱温度と裂断長を表−2に示す。
実施例−5 実施例2と同じ繊維ウェブを用いて,実施例4と同様に
して不織布を作った。各加熱温度と裂断表を表−2に示
す。
して不織布を作った。各加熱温度と裂断表を表−2に示
す。
実施例−6 実施例3と同じ繊維ウェブを用いて,実施例4と同様に
して不織布を作った。各加熱温度と裂断長を表−2に示
す。
して不織布を作った。各加熱温度と裂断長を表−2に示
す。
実施例4,5,6共に各温度で湿熱接着しているが,実施例
6はEVOH繊維の湿熱接着性が低下するので,スポットボ
ンディング熱ロールにより接着点が少なくなると低温度
域の裂断長が小さくなる。
6はEVOH繊維の湿熱接着性が低下するので,スポットボ
ンディング熱ロールにより接着点が少なくなると低温度
域の裂断長が小さくなる。
実施例−7 実施例2において,水分量を10g/m2にした他は全く同様
の条件で加熱温度も同様に10℃毎に変化させて6種類の
不織布を作った。これら不織布の裂断長は実施例2に比
較して約40%であったがおおむね使用に耐えうるもので
ある。
の条件で加熱温度も同様に10℃毎に変化させて6種類の
不織布を作った。これら不織布の裂断長は実施例2に比
較して約40%であったがおおむね使用に耐えうるもので
ある。
実施例−8 実施例1において繊維ウェブにレーヨン(2デニール,5
5mm)を67%混綿したものを用いた他はすべて実施例1
と同様の条件で不織布をつくった。各加熱温度毎の裂断
長を表−3に示す。
5mm)を67%混綿したものを用いた他はすべて実施例1
と同様の条件で不織布をつくった。各加熱温度毎の裂断
長を表−3に示す。
実施例−9 実施例1において繊維ウェブにポリエステル(2デニー
ル,51mm)を67%混綿したものを用いた他はすべて実施
例1と同様の条件で不織布を作った。各加熱温度毎の裂
断長を表−3に示す。
ル,51mm)を67%混綿したものを用いた他はすべて実施
例1と同様の条件で不織布を作った。各加熱温度毎の裂
断長を表−3に示す。
実施例8,9共にEVOH繊維は33%しか入っていないが,各
加熱温度における不織布の強力は80℃の場合を除いてす
べて使用に耐えうるものである。
加熱温度における不織布の強力は80℃の場合を除いてす
べて使用に耐えうるものである。
第1図はEVOH繊維のエチレンモル比(E%)と不織布の
湿熱接着温度(T℃)の関係を示すグラフである。第2,
3図は本発明の製造方法の実施態様を示すフローチャー
トである。 以下図において,1……熱ロール、2……繊維ウェブ、3
……スプレー、4……不織布、5……熱シリンダー、6
……加圧ロール
湿熱接着温度(T℃)の関係を示すグラフである。第2,
3図は本発明の製造方法の実施態様を示すフローチャー
トである。 以下図において,1……熱ロール、2……繊維ウェブ、3
……スプレー、4……不織布、5……熱シリンダー、6
……加圧ロール
Claims (2)
- 【請求項1】エチレンモル比(Eモル%)が20≦E<5
5,ケン化度98%以上のエチレンビニルアルコール共重合
体を第1成分,他の熱可塑性重合体を第2成分とし,第
1成分と第2成分の構成比が20:80〜80:20の割合である
複合繊維を30%以上含む繊維ウェブからなる湿熱接着不
織布。 - 【請求項2】エチレンモル比(Eモル%)が20≦E<5
5,ケン化度98%以上のエチレンビニルアルコール共重合
体を第1成分,他の熱可塑性重合体を第2成分とし,第
1成分と第2成分の構成比が20:80〜80:20の割合である
複合繊維を30%以上含む繊維ウェブを湿熱接着する不織
布の製法において,該繊維ウェブにその重量の30%以上
の水分を付与した後,該繊維ウェブの両面に接触する加
熱体により,T≧1.17+46.5,T<−1.9E+245,T<2.13E+
59.4の範囲内にある加熱温度(T℃)に加熱し繊維間を
湿熱接着することを特徴とする湿熱接着不織布の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62071141A JPH0791761B2 (ja) | 1987-03-24 | 1987-03-24 | 湿熱接着不織布及びその製造方法 |
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