JP5079440B2 - 板状不織繊維構造体およびこれからなるシート状蝶番ならびにこれを備える物品 - Google Patents

板状不織繊維構造体およびこれからなるシート状蝶番ならびにこれを備える物品 Download PDF

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Description

本発明は、鞄の蓋や家の扉、あるいは間仕切壁や屏風等の、特定の屈曲部位を中心に回転軌道を描くように動く部材を可動状態で固定するための係合材であり、主として繊維のみで構成されると共に、軽量且つ充分な係合状態を確保することが可能な繰り返し曲げ性を有する板状不織繊維構造体に関する。
例えば、鞄の蓋、間仕切壁、ドアあるいは屏風のような、板材の一端同士あるいは鞄本体や家の柱などにつなぎ、その少なくとも一方の板材を回転させる事で該板材の向きを変えながら使用しようとした場合、その回転部に金属製、樹脂製などの剛性を有する板とこの板を一つの軸で回転できるように固定し、更にこの板を係合したい物品にネジ等により固定する事により可動状態で固定する部品、いわゆる蝶番が使用されるのが一般的である。
通常、このような目的のためには、可動部においていわゆる蝶番が使用される。これは板材や固定部に蝶番をネジ止めするための2枚の蝶番板とこれらが回転するように連結する軸とからなる。
蝶番は、金属である場合が多く、この場合、例えば扉と扉枠との回転連結部との間の全長に渡ってつなごうとすると非常に重量が重くなるとともに、その回転軸において極めて高い寸法精度必要となる。また、材料の金属が錆たり、曲げ伸ばし動作の時にきしみ音が発生して問題になる場合がある。
更には、蝶番は、特に折れ曲がった時に、軸部が扉及び扉枠に接触しないようにするために、これらの間に隙間をあけたり、或いはこの隙間が生じたりしないように扉や扉枠を複雑な形状に加工することが必要になるという問題がある。
これらの問題を解決する手段として、特許文献1のように紙蝶番と呼ばれるシート状蝶番を使用する方法があるが、この使用法は、あくまでも屏風のような全ての板が同一の平面上において、離れずに開閉できるようにする事が主目的であり、例えば扉のように非連結端が常時宙に浮いた状態で維持される必要がある場合には強度が不足し、連結部の蝶番が変形してその端が床等の扉下部に接触してしまう場合がある。あるいは使用中にかかる力により該部が破損する場合がある。更に、該蝶番が水にぬれた場合、更に強度低下し、変形、破損しやすくなるので、屋外や湿度の高い場所での使用が制限される。
また、特許文献2には、発泡樹脂製の板材のような脆弱な板材を用いても蝶番が脱落する事無く強固に固定され得る構造を確保するため、これら板材に接着剤を介して貼付する事で板同士を揺動自在に連結する合成樹脂シートが開示されている。この樹脂シートの詳細については何ら説明がなされていないが、図面や軽量な発泡樹脂製板材ボードを軽量な樹脂シートで連結するというこの発明の目的から、フィルム状シートの形状をしていると推定できる。フィルム状シートを用いる場合、その曲げ位置を一箇所に決めて連結した板を揺動するようにした場合、その曲げ位置に揺動の度に曲げ伸ばし動作が集中し、容易に劣化し、破断てしまう、一方、この曲げ伸ばし動作部分の劣化を抑えるためには、可塑剤添加やその厚さを薄くすることにより改良可能であるが、この場合には揺動動作の精度を出すことが難しくなる。
また、この発明の蝶番を、特許文献2の図5、7あるいは8のように、曲面を持たせることで曲げ伸ばし部が一箇所に集中しないようにする事で揺動動作に伴う曲げ伸ばしに伴う劣化を抑えることが可能である。しかしながら、このような使い方では、連結部の曲げ伸ばし部が一定せず、動きによるぶれ、いわゆる「遊び」が大きく、幅を持って揺動するため扉を扉枠に納めるような正確な位置が決まらない。或いは特に板材の重量が大きくなると顕著になるが、片持ちで開閉する通常の扉とした時に、該蝶番部が歪み、非連結部端が床に接触するなどして使用が困難なことが容易に推定できる。
また、該部が充分な強度を保持するように、蝶番である樹脂シートを厚くすることも考えられるが、この場合は樹脂シートの応力が高く、揺動のために力が必要になるため、特に軽量な板材を使用する場合には、任意の位置に屏風を広げる事が困難になる。

特開2006−077558号公報 特開2002−272579号公報
本発明の課題は、高い剛性を有し、かつ形態安定性に優れるシート状蝶番に適した板状不織繊維構造体を提供することである。
そして、従来多く用いられている金属製の蝶番が固定板部と回転軸とから組み合わされた可動連結体に対し、単一の板材からなり、そしてその可動部位が、その取付け環境に応じてその位置を取付け時に任意に設定することが可能で、軽量で、更には、開閉動作に伴う回転軸の摩擦による軋み音の発生や、酸化劣化による錆びの発生がなく、これらを防ぐためのメンテナンスを必要としないシート状蝶番を提供する事である。
また該シート状蝶番を備える物品を提供することである。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、繊維が湿熱接着性樹脂を表面に有した繊維で構成した不織繊維構造体において、その繊維間接着を充分に確保することにより、高い剛性を実現でき、かつ形態安定性にも優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明が提供する板状不織繊維構造体は、湿熱接着樹脂をポリエステル系繊維或いはポリオレフィン系繊維の表面に被覆してなる湿熱接着性繊維を少なくとも80%以上含み、該繊維の繊維径が1〜10dtexである板状の不織繊維構造体であって、該板状不織繊維構造体を構成する繊維の繊維充填率が40〜85%の割合で厚さ方向に均一に接着していると共に、0.2〜0.7g/cmの見掛密度、および0.5〜5mmの厚さを有している。
また本発明の第2の発明が提供する板状不織繊維構造体は、第1の発明が提供する板状不織繊維構造体の主面上を分断するように直線状の折り曲げ部を有し、該の折り曲げ部における155度屈曲応力が5.0mm以下であると共に、任意の折り目において1万回曲げ伸ばしした後の折り目における屈曲部引裂強度が3.0N以上である。
また本発明の第3の発明が提供するシート状蝶番は、第2の発明が提供する板状不織繊維構造体の前記折り曲げ部を稼動部とし、該板状不織繊維構造体の主面上に該稼動部を挟むように、それぞれ少なくとも1つの固定部を有するシート状蝶番である。
また本発明の第4の発明が提供する物品は、第3の発明が提供するシート状蝶番の稼動部を挟むそれぞれ少なくとも1つの固定部に、それぞれ第1の部材と第2の部材とを固定することでなる事を特徴とする物品である。
また本発明の第5の発明が提供する物品は、前記第1の部材が蓋部材であり、前記第2の部材が開口部を有する箱状の収納部材であり、前記蓋部材が前記収納部材の開口部を覆うように配置されたことを特徴とする第4の発明が提供する物品である。
また本発明の第6の発明が提供する物品は、前記第1の部材が板状部材であり、前記第1の部材は少なくとも1つの前記稼動部と垂直な平面を有することを特徴とする第4の発明が提供する物品である。
また本発明の第7の発明が提供する物品は、前記第2の部材が板状部材であり、前記蝶番の固定部が第1の部材および/または前記第2の部材の端部付近に該端部と前記稼動部とが略平行になるように固定されてなり、前記第2の部材は少なくとも1つの前記稼動部と垂直な平面を有するとともに、該平面は前記第1の部材が有する稼動部と垂直な平面と同一の仮想平面内にあることを特徴とする第6の発明が提供する物品である。
本発明の第1の発明が提供する板状不織繊維構造体は、湿熱接着性樹脂でその表面を被覆した湿熱接着性繊維を少なくとも80%以上含み、その繊維充填率が40〜85%の割合で厚さ方向に均一に接着していることでより高い剛性を有し、かつ形態安定性に優れる板状不織繊維構造体を実現できる。また、湿熱接着性繊維の繊維径が1〜10dtexで、また見掛密度が0.2〜0.7g/cmであり、厚さが0.5〜5mmなので、高い強度と軽量性を実現できる。また該以上の点から板状不織繊維構造体は以上の点からシート状蝶番に適している。
また本発明の第2の発明が提供する板状不織繊維構造体は、主面上を分断するように155度屈曲応力が5.0N/25mm以下であると共に、1万回曲げ伸ばし動作を繰り返した後の折り曲げ部における屈曲部引裂強度が5.0N以上である直線状の折り曲げ部を有しているので、折り曲げが容易で、耐久性の高い、折り曲げ用途に適した板状不織繊維構造体である。
また本発明の第3の発明が提供するシート状蝶番は、請求項2に記載の板状不織繊維構造体の前記折り曲げ部を稼動部とし、該板状不織繊維構造体の主面上に該稼動部を挟むように、それぞれ少なくとも1つの固定部を有するので、単一の板材からなり、そしてその可動部位が、その取付け環境に応じてその位置を取付け時に任意に設定することが可能で、軽量で、更には、開閉動作に伴う回転軸の摩擦による軋み音の発生や、酸化劣化による錆びの発生がなく、これらを防ぐためのメンテナンスを必要としないシート状蝶番を実現する。
また本発明の第4の発明が提供する物品は第3の発明が提供するシート状蝶番の稼動部を挟むそれぞれ少なくとも1つの固定部に、それぞれ第1の部材と第2の部材とを固定することでなる事で、該稼動部を軸として第1の部材と第2の部材が稼動し、この際開閉動作に伴う回転軸の摩擦による軋み音の発生や、酸化劣化による錆びの発生がなく、これらを防ぐためのメンテナンスを必要としない物品である。
また本発明の第5の発明が提供する物品は第4の発明が提供する物品の、前記第1の部材が蓋部材であり、前記第2の部材が開口部を有する箱状の収納部材であり、前記蓋部材が前記収納部材の開口部を覆うように配置されたことで、第2の部材の中に必要な物品等を収納し、かつ必要としない物品等の侵入や、収納した物品等の脱落を防ぐことができる。例えば、蓋付き箱、鞄、開閉扉つき家具、建物、乗り物などの用途に好適である。
また本発明の第6の発明が提供する物品は第4の発明が提供する物品の、前記第1の部材が板状部材であり、前記第1の部材は少なくとも1つの前記稼動部と垂直な平面を有することで、前記平面によって第1の部材の回転方向の運動時に第1の部材が破損しにくいだけでなく、前記平面を下にすることで立てることが容易となる。例えば、蓋付き箱、開閉扉つき家具、建物、乗り物などの用途に好適である。
また本発明の第7の発明が提供する物品は第6の発明が提供する物品の、前記第2の部材が板状部材であり、前記蝶番の固定部が第1の部材および/または前記第2の部材の端部付近に該端部と前記稼動部とが略平行になるように固定されてなるので、第1の部材および/または前記第2の部材の広い範囲を一体に稼動できるだけでなく、板状部材同士の運動を阻害しない。また前記第2の部材は少なくとも1つの前記稼動部と垂直な平面を有するとともに、該平面は前記第1の部材が有する稼動部と垂直な平面と同一の仮想平面内にあることで、第1の部材および第2の部材の回転方向の運動時に部材が破損しにくいだけでなく、平面を下にして部材を立てることが一層容易となる。例えば屏風、間仕切り材、ノートパソコン、携帯電話などの用途に好適である。
〔板状不織繊維構造体およびシート状蝶番〕
本発明の板状不織繊維構造体は、湿熱接着性繊維を含み、かつ不織繊維構造を有している。この板状不織繊維構造体は、前記湿熱接着性繊維の融着により繊維が固定された板状体であり、構成繊維の配列とこれら繊維同士の接着状態を所定の範囲とすることにより、高い剛性と優れた形態安定性を有すると共に優れた軽量性の有する板状不織繊維構造体である。
そして本発明の板状不織繊維構造体を用いて少なくとも2つの物品を係合するとともに、これら係合した物品の間で特定の曲げ位置を設定し、この位置において多数回の曲げ伸ばし動作を繰り返すことが可能な耐久性のあるシート状蝶番である。
このシート状蝶番は、後述するように前記湿熱接着性繊維を含むウェブに高温水蒸気を作用させ、湿熱接着性繊維の融点以下の温度で接着作用を発現し、繊維同士が言わば「スクラム」を組むように繊維同士を部分的に接着させることにより得られる板状不織繊維構造体である。この繊維構造体の任意の位置に折り目を設ける事により、固定の軸を待たないにも関わらず精度の高い動きを実現するシート状蝶番である。
本発明のシート状蝶番の稼動部は主面のどこであってもよいが、通常は主面の面積を2分する真中付近であることで、固定部の耐久性上有利である。
本発明のシート状蝶番の固定部は部材にシート状蝶番を固定する部分であり、釘やネジで固定するための穴に類するものや、接着剤による固定に好適な平面や粘着性を有する面であっても良い。
〔物品〕
本発明の物品の第1の部材および第2の部材は特に限定はなく、前記シート状蝶番の固定部に固定できればよい。また一方が布など可撓性、変形性を有していても良く、変形困難なものであっても良いが、双方に可撓性、変形性がない場合は、少なくとも一方の部材はその端部付近でシート状蝶番に固定されることが望ましい。
〔湿熱接着性繊維〕
本発明の板状不織繊維構造体に用いる湿熱接着性繊維の表面を被覆する湿熱接着性樹脂としては、約95〜100℃の熱水で軟化して自己接着または他の繊維に接着する樹脂成分であることや、過熱蒸気により容易に実現できる温度において、流動ないし容易に変形して接着機能を発現可能なチレンービニルアルコール系共重合体であることが必要である
ここで、湿熱接着性樹脂としていられるエチレン−ビニルアルコール系共重合体として、ポリビニルアルコールにエチレン単位が10〜60モル%共重合されたものが用いられる。特にエチレン単位が30〜50モル%共重合されたものが、不織布の加工性を確保する上で好ましい。また、ビニルアルコール部分は95モル%以上の鹸化度を有するものが好ましい。エチレン単位が多いことにより、湿熱接着性を有するが、熱水溶解性はないという特異な性質が得られる。重合度は必要に応じて選択できるが、通常は400〜1500程度である。
エチレン単位の含有量が10モル%未満の場合、エチレン−ビニルアルコール系共重合体が、低温の水で容易に膨潤・ゲル化してしまい、水に一度濡れると形態が変わってしまう場合がある。また、60モル%を超えると吸湿性が低下し、湿熱による繊維融着が発現しにくくなるため、実用性のある硬度を確保できなくなる場合がある。
本発明の板状不織繊維構造体に用いる湿熱接着性樹脂に被覆されるポリエステル系繊維としてはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、フタル酸、α,β−(4−カルボフェノキシ)エタン、4,4−ジカルボキシジフェニル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオールからなる繊維形成性のポリエステルを挙げることができ、構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレート単位であることが好ましい。
本発明の板状不織繊維構造体に用いる湿熱接着性樹脂に被覆されるポリオレフィン系繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、或いはこれらの共重合体からなる繊維がもちいることができる。このうちポリプロピレン樹脂からなる繊維が最も好ましい。
一方、湿度変化に対する形態安定性を重視する場合には、吸湿性の低い疎水性繊維を使用するのが好ましい。これらの繊維は、湿度による形態変化が非常に少ないので、より安定した形態を確保できる。
この場合、湿熱接着性繊維の混率は、80質量%以上であり、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上である。湿熱接着性繊維の割合が多いほど、後の繊維固定処理によりシート状蝶番としたときに必要な硬さを確保することが容易になる。しかしながら、この繊維が80質量%未満になると、繊維固定処理で繊維を充分に固定することが困難となり、蝶番として使用した場合に硬さが不足し、扉等の板材を正確に動かす精度が得られなくなる。
本発明の湿熱接着繊維は、これを構成する湿熱接着樹脂と非湿熱接着性繊維であるポリエステル系繊維あるいはポリオレフィン系繊維とで構成された複合繊維であり、これらの樹脂の割合(質量比)は構造(例えば、芯鞘型構造)に応じて選択でき、湿熱接着性樹脂が表面に存在すれば特に限定されないが、例えば、湿熱接着性樹脂/非湿熱接着性樹脂=90/10〜10/90(例えば60/40〜10/90)、好ましくは80/20〜15/85、更に好ましくは60/40〜20/80程度である。湿熱接着樹脂の割合が少なすぎると、繊維表面の長さ方向に連続して湿熱接着性樹脂を存在させる事が困難となり、湿熱接着性が低下する。また、湿熱接着樹脂の割合が大きすぎると、繊維を紡糸するときに繊維形状を安定に確保することが困難となり、安定に製造できなくなるため好ましくない。
更に、繊維の平均繊度は、実際に使用する用途や必要な強度等に応じて、例えば、1〜10dtexの範囲から選択でき、好ましくは2〜8dtexであり、更に好ましくは2〜7dtexである。繊維径が1dtexに満たない場合には、必要な強度を確保することが困難になる可能性が生ずる。一方で、繊維が太すぎると、今度は繊維の融着点を充分に確保することができなくなり、やはり、必要な強度を確保することが困難になる可能性がある。
さらには、抗菌性、消臭性有する繊維を混合して機能性を付与したり、あるいは着色繊維を混合して色や意匠性を付与するなど、必要に応じて他の繊維を混合してもよいが、非湿熱接着性繊維の平均繊度及び平均繊維長は、湿熱接着性繊維と同様である。
〔板状不織繊維構造体の特性〕
本発明の板状不織繊維構造体は、その剛性と形態安定性を実現するために、繊維ウェブを構成する繊維の配列状態および接着状態を適度に調整する必要がある。すなわち、構成繊維が概ね不織布シート面に対して平行に配列しさらにこれら繊維同士をできるだけそれらの交点において接着させることが重要である。特に、繊維同士が「スクラム」を組んだような構造を有し、かかる構造が厚さ方向に沿って均一に分布するような形態とすることが望ましい。これは、厚さ方向(シート面に対し垂直方向)に沿って配向している繊維が多く存在すると周辺に繊維配列の乱れが生じて不織布内に不要な空隙を生じ、シートの硬さを低減させてしまうからである。従って、できるだけこの空隙を少なくすることが必要であり、このために繊維を可能な限りシート面に対して平行に配列させることが望ましい。
なお、ここでいう「概ねシート面に対し平行に配列している」とは、例えばニードルパンチ不織布のように、局部的に多数の繊維が厚さ方向に沿って配列している部分が繰り返し存在するようなことがない状態を示す。より具体的には、不織布における任意の断面を顕微鏡観察した際に、その面方向に対して概ね垂直に、表から裏まで連続して延びる繊維の存在割合が10%以下である状態をいう。
更には、本発明の第2の発明が提供する板状不織繊維構造体は、これを構成する繊維が、主にこの板状不織繊維構造体の折り曲げ部に対して交差する方向に、折り曲げ部に交叉するように配列している事が好ましい。これは、折り曲げ部において、繊維間接着と繊維そのものによりシートの曲げ強度および曲げ耐久性を確保するためでもある。
この時折り曲げ部に交叉する繊維は折り曲げ部断面に存在する繊維の40〜90%程度である事が好ましい。更には、50〜80%であることがより好ましく、60〜80%であることが最も好ましい。この繊維が、40%未満であると、折り曲げ部での曲げ伸ばしが続いた場合に繊維間接着が剥離し、シートが破損する可能性が高くなる。また、90%を超えると、今度は、曲げ方向と垂直の方向にシートが破損しやすくなる。
本発明のシート状蝶番は、例えばアタッシュケースやトランクケース状の旅行鞄のように、鞄容器本体と蓋部が蝶番で連結されると共にこのシート状蝶番の屈曲−伸長により鞄の蓋の開閉を支持する物であり蓋部の重量や開閉時の応力或いは運搬時に鞄にかかる応力に耐えることが必要である。あるいは室内の間仕切やドアの開閉の目的で使用した場合に、間仕切り材やドアの重みに耐えてこれらの連結状態を維持できる硬さが必要である。この硬さや耐久性を確保するためには、該接着点がウェブ表面から中央、そして反対側の表面に至るまで、厚さ方向に沿って均一に分布していることが好ましい。この接着点が表面あるいは中央に集中してしまうと、十分な曲げ硬さを確保することが困難であるばかりでなく、接着点の少ない所の形態安定性が不足する可能性が高くなり、耐久性を確保できない場合がある。
本発明において、繊維が融着している程度を反映する指標として不織繊維構造体の断面(厚さ方向の断面)における繊維および融着により形成された繊維束の形成する断面の占める面積比率、すなわち、繊維充填率を用いることができる。更に、これら構成繊維の繊維充填率は該構造体の厚さ方向表面付近、中央部、そして反対表面付近の、各領域における繊維充填率はそれぞれ40〜85%であり、かつ該繊維充填率の最大値と最小値の比(最小値/最大値)(繊維充填率が最大の領域に対する最小の領域の比率)が例えば50%以上(例えば50〜100%)、好ましくは55〜99%、更に好ましくは60〜98%(特に70〜97%)程度である。本発明では、この繊維充填率が厚さ方向においてこのような均一性を有しているため、曲げ伸ばし動作による屈曲部を形成しやすく、耐久性を保持できるのである。なお、本発明にいう繊維充填率は後述する方法により測定する。
更に、本発明の板状不織繊維構造体においては、厚さ方向の断面において、融着していない繊維、すなわち単繊維(単繊維断面)の存在頻度が少ないことが好ましく、このことは構造体内のより多くの繊維が融着していることを示しており、例えば、その断面の任意の1mmに存在する単繊維の存在頻度が100個/mm以下、好ましくは60個/mm以下(例えば、1から60個/mm)、さらに好ましくは25個/mm以下(例えば、3〜25個/mm)であることが好ましい。
なお、本発明では、前記単繊維の存在頻度は、次のようにして測定する。すなわち、繊維構造体断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真の中から選んだ1mmに相当する範囲を観察し、単繊維断面の数を数える。写真の中から、任意の数ヶ所(例えば無作為に選択した10箇所)について同様に観察し、単繊維断面の単位面積あたりの平均値を単繊維の存在頻度とする。この時断面において、単繊維の状態である繊維の数を全て数える。すなわち完全に単繊維状態にある繊維以外に数本の繊維が融着した繊維があっても、断面において融着部分から離れて単繊維の状態にある繊維は単繊維として数える。
このような繊維接着構造により、本発明の板状不織繊維構造体は、その使用においてかかる様々な力に耐えることが可能となるために、充分な引張応力を有している事が重要であり、特にシート状蝶番用途に好適であるためには、
この値は、50N/5cm以上である事が好ましく、より好ましくは75N/5cm以上であり、更に好ましくは100N/5cm以上であり、最も好ましくは100〜200N/5cmである。
この値が50N/5cmに満たない場合には、例えば、鞄に使用した場合に、鞄の中の荷物の重さに耐え切れずに破損したり、扉の場合においても、扉の自重に耐えられずに扉の下端が床面に当たってしまう可能性が生ずる。一方、200N/5cm以上の強度を保持させるためには、本発明の蝶番の目付あるいは厚さを極めて大きくする事が必要となり、本発明の目的を達成できなくなる可能性が高くなる。
またこのような繊維接着構造により、本発明の板状不織繊維構造体は、その使用においてかかる様々な力に耐えることが可能となるために、充分な耐久性を有している事が重要であり、特にシート状蝶番用途に好適であるためには、1万回曲げ伸ばし動作を繰り返した後の折り曲げ部における屈曲部引裂強度が5N以上であることが望ましく、好ましくは10N以上であり、更に好ましくは15N以上であり、最も好ましくは20N以上である。
一方、本発明のシート状蝶番は、従来の蝶番と異なり、その稼動部に軸を持たないためシートの任意の位置を稼動部として使用可能である。あらかじめ折り曲げ位置(稼動部)を決めておき、一般的な金属の蝶番と同様にその折り曲げ位置にあわせて、板材や扉が動くように固定し使用することは当然として、一方で、板材や扉等の可動部やこれらの固定部に取付けた後、折り目をつける事で折り曲げ位置を確定することも可能であり、より自由度の大きな取付け方法が可能になる。
そしてこの稼動部の設定においては、一度目的の位置で屈曲させ、折り畳む事で折り目をつける事で、折り曲げ位置(稼動部)を明確にする事が必要である。このときに、大掛かりな道具を使うことなく比較的弱い力で目的の可動位置を設定することが可能であることが好ましい。したがって、該シート状蝶番は、少なくとも一方向における曲げ応力が25MPa以下であることが好ましい。また、好ましくは20MPa以下であり、さらに好ましくは0.5MPa〜20MPaである。この曲げ応力が0.5MPaに満たない場合、簡単に折れすぎて、本来目的としている曲げ位置を確定し、折り目をつけるときに目的以外の曲げ位置ができてしまうため好ましくない。一方、シート状蝶番としての曲げ応力が高いほどシート状蝶番の形態が安定し、好ましいが、使用時の作業性において、25MPaを超えると、硬すぎるため、該シート状蝶番の曲げ位置を確定することが困難となり好ましくない。
更に、曲げ位置を確定した後は、その位置で、容易に仕切り材の角度変更や扉の開閉が行なえるよう、弱い力で扉等が回転動作可能になる事が必要である。
すなわち、一度折り曲げた後の曲げ応力は、5.0N/25mm以下である事が好ましく、より好ましくは3.0N/25mm以下であり、更に好ましくは2.0N/25mm以下であり、より好ましくは2.0〜0.1N/25mmである。
特に5.0N/25mm以上の曲げ応力を有する場合は、蓋や扉の開閉に力を必要としすぎて開閉しにくくなるため好ましくない。
本発明のシート状蝶番は、従来の金属製蝶番のような別部材からなる軸部を有していなくてもよいが、構成する繊維の融着程度と構成繊維間の空隙とのバランスにより、耐久性のある曲げ伸ばし動作を実現するのである。すなわち、この曲げ位置における最初の曲げ動作により、弱い接着部分が外れたり、空隙が歪むなどして、シートの折り曲げ位置を確定し、折り目を確保するが、この動作において、大部分の接着は維持され、強度を維持するのである。そしてその後の曲げ伸ばし動作においても、同様に繊維間隙が歪む事で曲げ動作を発現するため、構成繊維および樹脂への負荷が最小限に抑えられるため、空隙を持たない通常の樹脂フィルムあるいはシートを蝶番として使用したものに比べ曲げ伸ばし動作による劣化は少ない。
すなわち、本発明のシート状蝶番は、一度曲げ伸ばし動作を行なった時に、構成繊維がその空隙内で動くと共に動いた繊維の逃げ込む空間を確保するため、2回目以降の曲げ伸ばし動作において抵抗は非常に小さくなる。そして、2回目以降の曲げ伸ばし動作において、この曲げ位置における繊維は、屈曲動作を繰り返すのではなく、元々そこに存在し、曲げ動作にあわせて変形させられた空隙への繊維自由部分の移動により、曲げ部が変形―回復動作を繰り返して曲がるため、軽い応力で曲げる事が可能であり、さらには非常に多くの曲げ伸ばし動作に対して劣化することなく耐えるのである。
さらには、本発明のシート状蝶番が180度曲がろうとした場合、曲げ部の繊維が入り込む空隙が、その繊維で満たされ、更にその繊維が入り込む空隙がなくなるため、繊維同士が緩衝し、曲げ動作を緩和する力が働く、このため、例えば鞄の蓋を開けるときに、鞄の蓋が鞄をおいた床やテーブル等の表面に衝突する力を緩和したり、或いは扉の場合には、これを大きく開いた時に扉と壁とが強く衝突する事を回避できる。
この場合、曲がりきった時の応力として、折り曲げ部における175度曲げ応力を用いることができ、この力が折り曲げ部における155度曲げ応力曲げ伸ばし応力の動作の1.3倍以上である事で緩和力が得られ、この値は、好ましくは1.5倍以上であり、より好ましくは2倍以上である。実際の曲げ止り効果としては、ドアや蓋の重さにより違いを生ずるため、明確な上限を規定できないが、1.5倍以下の場合には、極めて軽量な蓋やドアであったとしても、その動きを軽減する事が極めて困難であると予想できる。
また、本発明のシート状蝶番は充分な軽量性および曲げ部の充分な空隙を確保するために、0.05〜0.7g/cmの密度を有するものであり、好ましくは、0.08〜0.5g/cmであり、さらに好ましくは0.10〜0.35g/cmである。密度が0.05g/cm未満の場合には、軽量性を有するものの、十分な曲げ硬さを確保することが難しく、逆に0.5g/cmを超えると、硬さは十分確保できるものの、軽量性のある不織布とは言い難くなってしまう。
また、本発明のシート状蝶番の目付は、50〜10000g/mの範囲にあることが好ましく、より好ましくは、150〜8000g/mであり、さらに好ましく300〜6000g/mである。目付が50g/m未満の場合は、蝶番としての形態安定性を確保することが難しく、また、目付が10000g/mを超えると、ウェブが厚すぎて湿熱加工において、過熱蒸気が充分にウェブ内部に入り込めず厚さ方向に均一な構造体とする事が困難になる場合がある。
このようなシート状蝶番の厚さは、0.5〜10mmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.5〜5mmであり、さらに好ましくは1〜3mmである。厚さが0.5mmより薄い場合には、やはり硬さの確保が難しくなり、厚さが10mmを超える場合には、折り曲げ位置を決める事が困難になるばかりか、曲げた時の折れ目においてシートの潰れを伴うため折り目を形成し維持することが困難となり取扱性が低下し好ましくない。
本発明のシート状蝶番は、軽量性を確保するためにその構造において多くの空隙を有するものであり、これにより通気性を保持している。このことは、例えば、本発明のシート状蝶番を、その部分が見えるような使い方をする際、化粧フィルムを貼るなどして見栄えを良くするのであるが、本発明のシート状蝶番の有する通気性によりフィルム内の空気が反対側に抜けることによるフィルム貼付後のフィルムの浮き、剥がれを回避できるというメリットがある。また、貼り付けたフィルムの粘着剤が表面の構成繊維に貼り付くとともに、繊維空隙に楔の如く入り込むことで強固な接着を実現できるというメリットもある。
この通気性については、フラジール法による通気度で0.1cm/cm/秒以上であることが好ましく、さらに好ましくは、1〜250cm/cm/秒であり、最も好ましくは5〜200cm/cm/秒である。通気度が0.1cm/cm/秒未満の場合は、空気が本発明のシート状蝶番を通過するために外部から圧力を加える必要が生じ、自然な空気の出入が行なえないため好ましくない。一方、通気度が250cm/cm/秒を超えると、通気性が高くなるが、不織布内の繊維空隙が大きくなりすぎ、十分な曲げ応力を確保できなくなるケースが生ずるため好ましくない。
〔製法〕
次に、本発明のシート状蝶番の製造法について説明する。
本発明の板状不織繊維構造体の製造方法では、まず、湿熱接着性繊維あるいは湿熱接着性樹脂を一成分とする複合繊維をウェブ化し、このウェブの繊維を固定して目的のシート状蝶番とするのであるが、ウェブ形成に関しては、特に限定される事は無く、スパンボンド法、メルトブロー法のような直接法を用いてもよいし、ステープル繊維を用いてカード法、エアレイ法などの乾式法を用いてウェブを形成してもよい。ステープル繊維ウェブとしては、ランダムウェブ、セミランダムウェブ、パラレルウェブ、クロスラップウェブ等が好ましく用いられる。
次に得られた繊維ウェブは、ベルトコンベアにより次工程へ送られ、次いで過熱蒸気(高圧スチーム)流に晒されることで、本発明の硬質不織布が得られる。ここで使用するベルトコンベアは、基本的には加工に用いる繊維ウェブをその形態を乱すことなく運搬できるものであれば特に限定はないが、エンドレスコンベアが好適に用いられる。もちろん一般的な単独のベルトコンベアであってもよいし、必要に応じてもう一台のベルトコンベアを用意し、両コンベアの間にウェブを挟むようにして運搬する方法でもよい。このようにすることでウェブを処理する際に、処理に用いる水、過熱蒸気あるいはコンベアの振動などの外力により、運搬してきたウェブの形態が変形するのを抑えるのである。また、処理後の不織布の密度や厚さをこのベルトの間隔を調整することにより制御することも可能になる。
ウェブに蒸気を供給するための蒸気噴射装置は、一方のコンベア内に装着され、コンベアネットを通してウェブに蒸気を供給する。反対側のコンベアには、サクションボックスを装着してもよい。この場合には、ウェブを通過した過剰の蒸気を吸引排出することができる。さらには、ウェブの表と裏を一度に蒸気処理してしまうために、蒸気噴射装置を設置してあったコンベアの下流側にサクションボックスを装着し、反対側のコンベア内に蒸気噴射装置を設置してもよい。下流部の蒸気噴射装置とサクションボックスがない場合、不織布の表と裏を蒸気処理したければ、一度処理した不織布の表裏を反転させて再度処理装置内を通過させることで代用できる。
コンベアに用いるエンドレスベルトは、ウェブの運搬や高温蒸気処理の妨げにならなければ、特に限定されるものではない。ただし、過熱蒸気処理をした場合、その条件により不織布表面にベルトの表面形状が転写される場合が生ずるので、場合に応じて適宜選択する。特に、表面の平坦な不織布を得たい場合は、メッシュの細かいネットを使用すればよい。この場合、90メッシュ程度が上限である。これ以上のメッシュの細かなものは、通気性が低く、高温蒸気が通過し難くなり好ましくない。また、ベルト材質は、蒸気処理に対する耐熱性等の観点より、金属、耐熱処理したポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、あるいはポリアリレートや全芳香族系ポリエステル等の耐熱性樹脂よりなるメッシュベルトが好ましく用いられる。
次に、このウェブはコンベアにより運搬され、ノズルから噴出される高速過熱蒸気流の中を通過する際、吹き付けられた高温蒸気により繊維同士の3次元的接着が行なわれる。
この高温蒸気は、気流であるため被処理体であるウェブ中の繊維を(水流絡合処理や、ニードルパンチ処理の様に)大きく移動させることなく、ウェブ内部へ進入する。このウェブ中への蒸気流の進入作用および湿熱作用によって、蒸気流がウェブ内に存在する各繊維の表面を湿熱状態で効率的に覆い、均一な熱接着が可能になると考えられる。また、この処理は高速気流下で極めて短時間に行われるため、蒸気の繊維表面への熱伝導は速いが、繊維内部への熱伝導はさほど速くなく、そのため過熱蒸気の圧力や熱により、処理されるウェブ自体の厚みが損われるような変形も起こりにくい。その結果、ウェブを潰すことなく、表面および厚さ方向における接着の程度が概ね均一になるように湿熱接着される。
このとき、ウェブを挟んでノズルと反対側のエンドレスベルトの裏側をステンレス板等にし、蒸気が通過できない構造とすれば、被処理体であるウェブを通過した蒸気がここで反射するので、蒸気の保温効果によってより強固に接着される。逆に軽度の接着が必要な場合には、サクションボックスを配置し、余分な水蒸気を室外へ排出してもよい。
水蒸気を噴射するためのノズルは、所定のオリフィスが幅方向に連続的に並んだプレートやダイスを用い、これを供給されるウェブの幅方向にオリフィスが並ぶように配置すればよい。この時、オリフィス列は1列以上あればよく、複数列が並行した配列であってもよい。もちろん、一列のオリフィス列を有するノズルダイを複数台並列に設置しても構わない。
例えば、プレートにオリフィスを開けたタイプのノズルを使用する場合、プレートの厚さは、0.5〜1.0mm程度のものが主に用いられる。この場合には、オリフィスの径やピッチに関しては、目的とする繊維固定ができる条件であれば特に制限はないが、通常、直径0.05〜2.0mmのものを使用するケースが多く、好ましくは0.1〜1.0mm、より好ましくは0.2〜0.5mmである。一方、オリフィスのピッチについては、通常0.5〜3.0mmで使用するケースが多いが、好ましくは1.0〜2.5mm、より好ましくは1.0〜1.5mmである。
オリフィスの径が0.05mmより小さい場合には、ノズルの加工精度が低くなり、加工が困難になるという設備的な問題点と、目詰まりを起こしやすくなるという運転上の問題点が生じるため好ましくない。逆に、2.0mmを超える場合には、十分な水蒸気噴射力を得ることが難しくなってしまうため好ましくない。一方、ピッチが0.5mm未満の場合は、ノズル孔が密になりすぎるため、ノズルそのものの強度が低下してしまい好ましくない。一方で、ピッチが3mmを超えるような場合には、過熱蒸気がウェブに十分当らなくなるケースが出てくるため、十分なウェブ強度を確保しにくいという問題点がある。
また、繊維接着に使用する高温蒸気についても、目的とする繊維固定が実現できれば特に限定はなく、使用する繊維の材質や形態により設定すればよいが、圧力0.1MPa〜2.0MPaの蒸気を用いることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5MPaであり、さらに好ましくは0.3〜1.0MPaである。例えば、蒸気の圧力が高すぎたり、強すぎる場合には、ウェブを形成する繊維が動いてしまい、地合の乱れを生じたり、繊維が溶融しすぎて部分的に繊維形状を保持できなくなるという問題を生ずる可能性がある。
また、圧力が弱すぎる場合は、繊維の融着に必要な熱量を被処理物に与えることができなくなったり、水蒸気がウェブを貫通できず、厚さ方向に繊維融着斑を生ずる等の問題が発生したり、ノズルからの蒸気の均一噴出の制御が困難になる等の不具合が発生しやすくなる。
必要であれば、コンベアベルトに所定の凹凸柄や文字や絵等を付与しておき、これらを転写させることで得られる製品に意匠性を付与することも可能である。
また、他の資材と積層したり、成型加工により希望の形態とすることも可能である。
このようにして繊維ウェブの繊維を部分的に湿熱接着した後、不織布に水分が残留する場合があるので、必要に応じてウェブを乾燥しなければならない。乾燥に関しては、乾燥用加熱体に接触した不織布表面が、乾燥後にフィルム化せずに繊維形態を維持していることが必要であり、これが達成できるのであれば特に方法は問わない。従って、従来から不織布の乾燥に使用されるシリンダー乾燥機やテンターのような大掛かりな乾燥設備を使用しても構わないが、残留している水分は微量であるケースが多く、比較的軽度な乾燥手段により乾燥可能なレベルである際には、遠赤外線照射、マイクロ波照射、あるいは電子線照射等の非接触法や熱風を吹きつける方法等が好ましい。
〔産業上の利用可能性〕
このようにして製造した本発明のシート状蝶番は、従来の蝶番と概ね同様な用途に使用可能であり、部材の一端を回転状態に動くように固定するためのものであり、可動連結部に使用するのであれば、特に限定することなく使用可能なものであるが、湿熱接着性繊維を主体とした構成により得られる軽量性や通常の金属や樹脂板と軸とからなる蝶番のような軸部の飛び出しがない、回転軸(ピン)を使用しない蝶番である。
このため、本発明のシート状蝶番は、運搬時の軽量性や収納時等に折り畳んだ場合に不要な飛び出し部を形成しないことを必要とする扉、屏風や間仕切、鞄や容器の蓋などに使用するために有利である。
更に、軽量であるため扉或いは蓋の可動係合部において蝶番として機能すると共に、その可動係合部を形成する一辺において、通常の蝶番であればそこに生ずる隙間およびこの隙間からの異物の侵入や、その隙間から内部が見える事が問題になるケースがあるが、本発明の蝶番であれば、その辺全長に渡る蝶番として使用する事で、連結部隙間をカバーすることが可能である。
更に、本発明のシート状蝶番は、繊維シートからなっており、従来の金属蝶番と異なり、必ずしもビスで固定する必要はなく、鞄に縫製して固定する事も可能である。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例における各物性値は、以下の方法により測定した。
(1)エチレン−ビニルアルコール系共重合体のメルトインデックス(MI)
JIS K6760に準じ、190℃、2.16kg荷重の条件下、メルトインデクサーを用いて測定した。
(2)目付(g/m
JIS L1913に準じて測定した。
(3)厚み(mm)、密度
JIS L1913に準じて厚みを測定し、この値と(2)の方法で測定した目付とから密度を算出した。
(4)通気度
JIS L1096に準じ、フラジール形法にて測定した。
(5)曲げ応力
JIS K7017に記載の方法のうちA法(3点曲げ法)に準じて測定した。この時、測定サンプルは25mm幅×80mm長のものを用い、支点間距離を50mmとし、試験速度2mm/分にて測定を行なった。本発明では、この測定結果チャートにおける最大応力(ピーク応力)を曲げ応力とした。なお、曲げ応力測定は、MD方向およびCD方向について測定した。ここで、MD方向とは、測定サンプルの長辺に対しウェブ流れ方向(MD)が平行となるよう測定サンプルを採取した状態といい、一方、CD方向とは、測定サンプルの長辺に対しウェブ幅方向(CD)が平行となるよう測定サンプルを採取した状態をいう。
(6)155度屈曲部応力、175度屈曲応力
JIS K6400−2「7.3圧縮たわみ測定 B法」を応用し、40mmΦの加圧板を100mm/分の速度で動かし、目的の位置での応力を測定した。
すなわち、本測定では、サンプルとして、25mm幅×80mm長のサンプルを長さ方向中央にて1/2に折り曲げた後、この上に2kgの錘を載せ24時間放置することで、明確な折り目を付けた。
このサンプルを約45度の折り曲げ角度となる様に開き、この上端に圧縮子中央が接するように圧縮試験機に配し、圧縮子と接しない方の側を試験機面に両面テープで接着固定した。そしてこの状態からサンプルの曲げ角度が25度となるまで押し下げた時の応力を「155度屈曲応力」、更に、この角度が5度となるまで押し下げた時の応力を「175度屈曲応力」とした。
(7)繊維充填率繊維断面充填率
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織繊維ボード断面を100倍に拡大した写真を撮影した。この写真にトレース紙を重ね、透過光を用いて写真の撮影領域と繊維(束)断面をトレースした。
このトレース図を、イメージアナライザー(東洋紡績社製)を用いて、CCDカメラからコンピュータに取り込み、画像を二値化したのち、観察した画像断面積における繊維断面積の占める割合を求め、百分率であらわした。
この観察は、繊維ボード断面を厚さ方向に3等分し、3等分した各領域(表面、中央、反対面)において1mmの面積に相当する領域についてそれぞれ行ない、任意の3ヶ所の平均値を繊維断面充填率とした。
さらに、3等分した各領域についてそれぞれ繊維断面充填率を求め、その最大値に対すると最小値の割合(最小値/最大値)も併せて求めた。
ただし、各写真の観察領域において、繊維断面の一部しか写っていない場合でも、観察領域に含まれる部分を繊維断面積として測定した。
(8)引張強度
JIS L1913「一般短繊維不織布試験方法」に準じて、不織布流れ(MD)方向、及び幅(CD)方向について測定した。
(9)1万回折り曲げ後引裂強度
(6)のサンプルを、平面状に開いた状態から175度折り曲げた状態まで折り曲げ、これを平面上に開く動作を1回と数え、これを1万回繰り返した後の該折り曲げ部における引裂き強度を、JIS L1913「一般短繊維不織布試験方法」に準じて、不織布流れ(MD)方向、及び幅(CD)方向について測定した。
(実施例1)
湿熱性接着性繊維として、芯成分がポリエチレンテレフタレート、鞘成分がエチレン−ビニルアルコール系共重合体(エチレン含有量44モル%、鹸化度98.4モル%、芯鞘比50/50)である芯鞘型複合ステープル繊維(クラレ社製、「ソフィスタ」、3dtex、51mm長、捲縮数21個/インチ、捲縮率13.5%)を準備した。
上記芯鞘型複合ステープル繊維を用いて、カード法により目付約100g/mのウェブを作製し、このウェブを5枚重ねて合計目付512g/mのカードウェブとした。
このカードウェブを、50メッシュ、幅500mmのステンレス製エンドレス金網を装備したベルトコンベアに移送した。なお、該ベルトコンベアの金網の上部には同じ金網が装備されており、それぞれが同じ速度で同方向に回転し、これら両金網の間隔を任意に調整可能なベルトコンベアを使用した。
次いで、ベルトコンベアに備えられた蒸気噴射装置へカードウェブを導入し、該装置から0.4MPaの過熱蒸気をカードウェブに対し垂直に噴出して蒸気処理を施し、本発明の硬質不織布を得た。該蒸気噴射装置は、一方のコンベア内に、コンベアネットを介して過熱蒸気をウェブに向かって吹き付けるようにノズルが設置され、もう一方のコンベアにサクション装置が設置されている。また、この噴射装置のウェブ進行方向下流側には、ノズルとサクション装置の配置が逆転した組合せである噴射装置がもう一つ設置されている。
なお、水蒸気噴射ノズルの孔径は0.3mmであり、該ノズルがコンベア幅方向に1mmピッチで1列に並べられたものを使用した。加工速度は3m/分であり、ノズルとサクション側のコンベアベルトとの距離は2mmとした。
得られた板状不織繊維構造体は、ボード形状を有し、一般的な不織布に比べ非常に硬く、曲げ応力ピークを超えても破壊せず、極端な応力の低下もなかった。またさらに、形態保持性試験を行なっても形状の変化はなく、質量も減少しなかった。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1で使用した繊維ウェブを10枚重ねとしたこと以外は実施例1と同じ方法で実施例2の不織繊維構造体を得た。結果を表1に示す。
得られた板状不織繊維構造体は、ボード形状を有し、一般的な不織布に比べ非常に硬く、曲げ応力ピークを超えても破壊せず、極端な応力の低下もなかった。またさらに、形態保持性試験を行なっても形状の変化はなく、質量も減少しなかった。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1で使用した繊維ウェブを2枚重ねとし、高温蒸気により処理する際のコンベア間隔を0.3mmとしたこと以外は実施例1と同じ方法で実施例2の不織繊維構造体を得た。結果を表1に示す。
得られた板状不織繊維構造体は、ボード形状を有し、一般的な不織布に比べ非常に硬く、曲げ応力ピークを超えても破壊せず、極端な応力の低下もなかった。またさらに、形態保持性試験を行なっても形状の変化はなく、質量も減少しなかった。結果を表1に示す。
(実施例4)
MB実施例1の樹脂、エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂(MI=100)と高密度ポリエチレン樹脂(MI=20)を用い、各々押出機を用いて220℃で溶融混練し、溶融した樹脂をメルトブローダイヘッドに導き、ギヤポンプで計量し、直径0.5mmφの孔内に外径0.30mmΦ内径0.25mmΦの孔を有する2重管状のノズル孔を1.50mmピッチで一列に並べたメルトブローノズルから吐出させ、同時にこの溶融樹脂に220℃の熱風を噴射して吐出した繊維流を成形コンベア上に捕集し、高密度ポリエチレン樹脂が芯、エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂が鞘となるような芯鞘複合繊維からなる複合繊維メルトブローン不織布を得た。このときの樹脂の単孔吐出量は0.5g/分/孔であり、熱風量は0.20Nm/分/cm幅であり、ノズルと捕集コンベア間の距離は30cmであった。
また、この時メルトブロー装置のノズル直下に二次エア吹付装置を設置した設備を用いて、メルトブロー繊維流中に、1m/分/cm幅の流量で、15℃の空気流を吹き付けた。
得られたメルトブローン不織布は、目付213g/mを有し、繊維径20.2μm、通気度63cm/cm/秒を有していた。このウェブを実施例1と同じく5枚重ねとし、実施例1と同条件下で高温蒸気処理を行ない、本発明の硬質不織布を得た。結果を表1に示す。
(比較例1)
芯成分がポリエチレンテレフタレート、鞘成分が低密度ポリエチレン(MI=11)である芯鞘型複合繊維(2.2dtex、51mm長)を用いて目付約100g/mのウェブを作製し、7枚重ねとしたこと以外は、実施例1と同様にして不織繊維構造体を得た。結果を表1に示す。
この構造体は、繊維接着により不織布の形状を維持していたものの、いわゆる不織布の形状を有しており、非常に柔らかく、いわゆるボード状にはならなかった。
(比較例2)
実施例1の湿熱接着繊維と芯成分がポリエチレンテレフタレート、鞘成分が低密度ポリエチレン(MI=11)である芯鞘型複合繊維(2.2dtex、51mm長)を60/40の比率で混合した繊維を用い、実施例1と同様にして比較例1の不織繊維構造体を得た。
この構造体は、外観上はボード状の形態を有していたが、非常に柔らかく、一度曲げた後の屈曲応力が非常に低かった。
以上の実施例、比較例の結果を表1にまとめた。
Figure 0005079440

Claims (7)

  1. エチレン単位が10〜60モル%共重合されたエチレンービニルアルコール系共重合体からなる湿熱接着性樹脂をポリエステル系繊維あるいはポリオレフィン系繊維の表面に被覆してなる湿熱接着性繊維を少なくとも80%以上含み、該繊維の繊維径が1〜10dtexである板状の不織繊維構造体であって、該板状不織繊維構造体を構成する繊維の繊維充填率が40〜85%の割合で厚さ方向に均一に接着しているとともに、0.2〜0.7g/cmの見掛密度、および0.5〜5mmの厚さを有するシート状蝶番用板状不織繊維構造体。
  2. 前記板状不織繊維構造体の主面上を分断するように直線状の折り曲げ部を有し、該折り曲げ部における155度屈曲応力が5.0N/25mm以下であると共に、1万回曲げ伸ばし動作を繰り返した後の折り曲げ部における屈曲部引裂強度が5.0N以上であることを特徴とする請求項1に記載のシート状蝶番用板状不織繊維構造体。
  3. 請求項2に記載の板状不織繊維構造体の前記折り曲げ部を稼動部とし、該板状不織繊維構造体の主面上に該稼動部を挟むように、それぞれ少なくとも1つの固定部を有するシート状蝶番。
  4. 請求項3に記載のシート状蝶番の稼動部を挟むそれぞれ少なくとも1つの固定部に、それぞれ第1の部材と第2の部材とを固定することでなる事を特徴とする物品。
  5. 前記第1の部材が蓋部材であり、前記第2の部材が開口部を有する箱状の収納部材であり、前記蓋部材が前記収納部材の開口部を覆うように配置されたことを特徴とする請求項4に記載の物品。
  6. 前記第1の部材が板状部材であり、前記第1の部材は少なくとも1つの前記稼動部と垂直な平面を有することを特徴とする請求項4に記載の物品。
  7. 前記第2の部材が板状部材であり、前記蝶番の固定部が第1の部材および/または前記第2の部材の端部付近に該端部と前記稼動部とが略平行になるように固定されてなり、前記第2の部材は少なくとも1つの前記稼動部と垂直な平面を有するとともに、該平面は前記第1の部材が有する稼動部と垂直な平面と同一の仮想平面内にあることを特徴とする請求項6に記載の物品。
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