JP2004300620A - 液吸収体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊度が7dtex未満である繊維で構成された繊維集合物からなり、前記繊維集合物のうち少なくとも30mass%は、繊維表面の少なくとも一部が、熱可塑性樹脂と親水性化合物との加熱溶融混合樹脂で覆われた親水性繊維であり、かつ、前記親水性繊維には、親水性親油性比(Hydrophile−Lipophile Balance、以下「HLB」という。)が10以上である界面活性剤を0.01〜5mass%付着させることによって、前記繊維集合物の密度が0.05〜0.25g/cm3という比較的低密度でも、寸法安定性、吸保液性、及び繰り返し性のすべてに優れた液吸収体を得ることができる。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の親水性繊維を含む繊維集合物からなる液吸収体に関する。特に、吸液時の寸法安定性に優れ、液体の吸収、拡散、保液性(以下「吸保液性」という。)のいずれにも優れ、さらに繰り返し使用しても、吸保液性低下の小さい(以下、「繰り返し性」という。)液吸収体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液吸収体として様々なものが提案されている。一般に、液吸収体には、液体を速やかに吸収、拡散し、且つ、一旦吸収した液体を保持する性能(吸保液性)の優れたものが要望されている。また、液吸収体には、保液時に膨潤しない寸法安定性に優れたものも要望されている。そのような用途として、例えば、インクジェットプリンター等の、印字用インクを印字ユニットの多数のノズル小孔から記録媒体へ噴射し付着させて、ドット記録を行う記録装置に用いる廃インク吸収体がある。廃インク吸収体は、前記記録装置において、一定の印刷機能を維持するため、印刷後のノズルをふき取ったり、印刷前にノズルからごく僅かのインクを吐出させて洗浄しているが、このとき発生したインクを吸収するために使用されるものである。このような記録装置は、近年小型化が進んでいるため、廃インク吸収体の設置スペースが小さく、インク吸収時に膨潤するとケースにひび割れが発生する恐れがあるため、膨潤の生じない寸法安定性に優れたものが要望されている。
【0003】
さらに、液吸収体には、一定期間吸液保持したり、繰り返し吸液しても吸保液性の低下しにくいもの(繰り返し性)も要求されており、前記記録装置等のように、インクの吸液、液吸収体の乾燥、インクの吸収というサイクルが繰り返される用途においては、特に必要とされている。
【0004】
そこで、上記問題を解決するために、様々な液吸収体が提案されている。例えば、特開平11−217761号公報(特許文献1)では、合成繊維及び/又は天然繊維と吸水性繊維と極細繊維を混綿、カーディング後、ニードルパンチを施し、吸水性繊維をウェブ内に封じ込めることによって、寸法安定性を改善し、また、吸水性繊維と極細繊維を使用することによって、吸液性、吸液保持性の両方を改善することが提案されている。特開平9−158024号公報(特許文献2)では、天然セルロース繊維及び/又は合成繊維と熱融着物質と、増粘性物質を混合し、前記熱融着物質の融点以上に加熱し、増粘性物質をウェブ中に固着することによって、前記増粘性物質が吸水し膨潤しても、寸法安定性、及び垂直吸液保持性に優れた液吸収体を得ることが提案されている。
【0005】
一方、吸水性繊維や増粘性物質を必須としないものも提案されている。特開2000−96406号公報(特許文献3)では、熱融着繊維のみで構成することによって寸法安定性を改善する廃液吸収体が提案されている。特開2002−212869号公報(特許文献4)では、繊維径1〜7dtexの繊維を用い、熱融着及び熱圧着を施し、密度0.15g/cm3以上に調整することによって、インク等の拡散吸収力、及び実効吸収力を改善するシート状繊維集合体が提案されている。また、シート形成後、シート状繊維集合体に浸透助剤を付与することによって、浸透性を向上させることも提案されている。特開2002−339219号公報(特許文献5)では、鞘成分を低融点の熱可塑性樹脂、芯成分が高融点の熱可塑性樹脂からなる芯鞘型複合繊維から得られたウェブまたは不織布を加熱圧縮し、密度0.1〜0.6g/cm3に調整することによって、吸液性機能を改善する多孔性圧縮繊維材が提案されている。また、不織布に対しグラフト重合処理等の親水処理を施すことによって、吸水性能を向上させることが提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−217761号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平9−158024号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2000−96406号公報
【0009】
【特許文献4】
特開2002−212869号公報
【0010】
【特許文献5】
特開2002−339219号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの材料は以下のような問題がある。まず、特開平11−217761号公報では、吸液時に吸水性繊維が膨潤するが、吸収体自体が膨潤しないため、繊維間空隙が極めて小さくなり、吸液性が阻害され、液が吸収体表面から吸収されにくくなる。また、液供給量が多くなると液体が溢れ出す恐れがある。特開平9−158024号公報も同様に、増粘性物質そのものが吸水性を有するため、吸液時に膨潤し繊維間空隙が極めて小さくなり、吸液性が阻害されるといった問題がある。
【0012】
これに対し、特開2000−96406号公報、特開2002−212869号公報、及び特開2002−339219号公報では、吸水性物質を必須としないものが提案されている。しかしながら、膨潤の小さい繊維、特に疎水性繊維を使用した場合、繊維自体の濡れ性や吸液性が極めて小さいため、吸保液性は、繊維間空隙の大きさ、いわゆる毛細管現象のみに依存するため、特開2002−212869号公報、及び特開2002−339219号公報のように、単繊維繊度や密度を調整することによって、毛細管現象を大きくすることが試みられている。しかしながら、吸保液性の良好な液吸収体を得るには、密度を相当大きくする必要があり、目付アップによるコストアップや、高密度化のための工程が必要であったりして、簡易に製造することができなかった。また、高密度化により保液量が減少する問題もあり、単に、高密度にするのみでは吸保液性に優れる液吸収体を得ることができなかった。
【0013】
また、液浸透性を向上するために、特開2002−212869号公報では、シート形成後に浸透助材を付与し繊維の濡れ性を向上させているが、吸液時に前記浸透助材が繊維表面より脱落するため、特に繰り返し性が極端に低下するものであった。特開2002−339219号公報においては、不織布に対しグラフト重合処理等の親水処理を施し、吸水性能を向上させることが開示されているが、やはり、吸保液性、繰り返し性のすべてに優れる液吸収体を得ることはできなかった。特に、前記不織布が厚みの大きいものであれば、グラフト重合むらが発生し易くなり、吸保液性に優れる液吸収体を得ることは困難であった。
【0014】
本発明は、これらの実情を鑑みてなされたものであり、従来の液吸収体に代わる、寸法安定性、吸保液性、及び繰り返し性のすべてに優れた液吸収体を安価に提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の液吸収体は、繊度が7dtex未満である繊維で構成された繊維集合物からなる液吸収体であって、前記繊維集合物の少なくとも30mass%が、繊維表面の少なくとも一部が、熱可塑性樹脂と親水性化合物との加熱溶融混合樹脂で覆われた親水性繊維であり、かつ、前記親水性繊維には、親水性親油性比(HLB)が10以上である界面活性剤が0.01〜5mass%付着しており、かつ、前記繊維集合物の密度が0.05〜0.25g/cm3であることを特徴とする。
【0016】
本発明で言う繊維集合物とは、不織布、織物、編物、紙等、繊維で構成される集合物のすべてを指す。
【0017】
本発明で言う液とは、水、および水溶液のことである。
【0018】
前記親水性化合物は、前記熱可塑性樹脂に対し0.3〜10mass%加熱溶融混合されていることが好ましい。
【0019】
前記親水性化合物は、架橋ポリアルキレンオキサイドであることが好ましい。
【0020】
本発明の液吸収体を構成する繊維は、同族系樹脂のみからなることが好ましい。
【0021】
前記親水性繊維は、ポリオレフィン系繊維であることが好ましい。
【0022】
前記繊維集合物が、構成繊維をニードルパンチにより三次元的に交絡して得られる不織布であることが好ましい。
【0023】
前記繊維集合物が、構成繊維に熱融着繊維を含み、熱接着して得られる不織布であることが好ましい。
【0024】
本発明の液吸収体は、前記親水性繊維を少なくとも80mass%含む繊維集合物で構成されたインク吸収体であることが好ましい。
【0025】
本発明の液吸収体は、前記親水性繊維を少なくとも80mass%含む繊維集合物で構成されたインクジェットプリンター用廃インク吸収体であることが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、上記目的を達成するため鋭意研究を進めた結果、寸法安定性、吸保液性、及び繰り返し性のすべてに優れた液吸収体を得るには、前記液吸収体を構成する繊維の少なくとも一種類に、膨潤が小さく、濡れ性、および液保持性に優れ、且つ水洗によって親水性が消失しない特定の親水性繊維を使用すればよいことを知った。このような膨潤の小さい繊維を使用することによって、液吸収体自体はもちろんのこと、構成繊維間空隙が変化しないため、吸液性を阻害せず、さらに、濡れ性、および液保持性に優れ、且つ繰り返し親水性を有する親水性繊維を使用することによって、吸保液性、繰り返し性共に優れる液吸収体が得られることが判明し本発明に至った。
【0027】
以下、本発明の液吸収体について詳細に説明する。
【0028】
本発明の液吸収体は、吸液時膨潤の小さい繊維で構成される繊維集合物であって、前記吸液時膨潤の小さい繊維は、温度25℃、湿度65%下での水分率(いわゆる公定水分率。以下、「公定水分率」いう。)と7mass%以下、かつ、脱塩水へ5分間浸漬し、取り出した直後の、繊維断面積の膨潤率(以下、「膨潤率」という。)が50vol%以下であることが重要である。より好ましい公定水分率の上限は、5mass%である。さらに好ましい公定水分率の上限は、3mass%である。最も好ましい公定水分率の上限は、1mass%である。また、より好ましい膨潤率の上限は、20vol%である。さらに好ましい膨潤率の上限は、10vol%である。最も好ましい膨潤率の上限は、5vol%である。公定水分率が7mass%を超えたり、膨潤率が50vol%を超えると、吸液時に単繊維の膨潤が大きくなりすぎるため、液吸収体自体が膨潤して寸法安定性が悪くなったり、また、構成繊維間が小さくなりすぎて、吸液性が阻害されたりする傾向がある。
【0029】
このような繊維としては、上記の性質を有するものであれば何れの樹脂で製造された繊維であっても良い。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体、ポリ4−メチルペンテン−1、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペートなどの脂肪族ポリエステル、ポリエチレンテレフタレートサクシネートのような芳香族−脂肪族ポリエステルおよびこれらの共重合体等が挙げられる。ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、およびこれらの共重合体等が挙げられる。
【0030】
また、近年の環境問題の高まりの中で、リサイクル性に優れた液吸収体の要望が大きくなっている。したがって、構成する全繊維が同族系樹脂であることが、リサイクルの際の分別が不要となるため好ましい。中でも、ポリオレフィン系樹脂であれば、使用後の洗浄が簡便であったり、速乾性があったり、また、有害物質をほとんど含まないため、比較的容易にリサイクルできるためより好ましい。また、生分解性繊維であれば堆肥化可能であり、また、焼却する場合においても燃焼エネルギーが小さいためこれも好ましい。
【0031】
本発明で言う同族系樹脂とは、ポリオレフィン系樹脂同士、ポリエステル系樹脂同士、ポリアミド系樹脂同士のように、分子構造の同様な樹脂のことを指す。分子構造が同様であれば、再生が容易であるからである。さらに、本発明においては、生分解性樹脂を使用してもよく、この場合は、堆肥化処理が可能であるため分子構造は異なっていても同族系と呼ぶことにする。
【0032】
繊維の形態は、上記の樹脂よりなる単一繊維であっても、複合繊維であっても良く、断面形状も、円形、中空、異型、星形、扁平等何れであっても良い。複合繊維である場合は、同心円型、偏心芯鞘型、並列型、海島型、分割型等何れであっても良い。鞘成分に低融点樹脂、芯成分に高融点樹脂を配した芯鞘型の熱可塑性複合繊維を使用すると、熱接着繊維として好適に使用できるため、寸法安定性のより一層の向上や剛性、毛羽防止性、単繊維脱落による発塵防止性、表面平滑性等に優れた液吸収体を得ることができる。また、海島型や、分割型複合繊維を用いると、容易に極細繊維を得ることができるため、毛細管現象が向上し、吸保液性をより向上させることができる。複合繊維の場合の複合比は特に限定する必要はなく、製造工程性や用途によって任意に決めればよいが、75:25〜25:75(容積比)であることが製造工程上好ましい。
【0033】
本発明の液吸収体は、構成する繊維のうち少なくとも30mass%が、繊維表面の少なくとも一部が、熱可塑性樹脂と親水性化合物との加熱溶融混合樹脂で覆われた親水性繊維であることが必要である。好ましい前記親水性繊維の含有量の下限は、50mass%である。より好ましい前記親水性繊維の含有量の下限は、80mass%であり、最も好ましくは、すべてが前記親水性繊維で構成されていることである。前記親水性繊維の含有量が30mass%未満であると、吸保液性、繰り返し性共に優れた液吸収体を得ることができない。
【0034】
前記親水性繊維の表面の少なくとも一部は、前記親水性化合物と前記熱可塑性樹脂との加熱溶融混合物で覆われたものである。加熱溶融混合とは、前記親水性化合物と前記熱可塑性樹脂とを前記熱可塑性樹脂の融点以上の温度下で、溶融状態で混合することであり、前記親水性化合物を前記熱可塑性樹脂内へ固定することができるため、前記親水性化合物が吸液しても単繊維の膨潤が極めて小さく、繊維間空隙を小さくすることがない。さらに、親水性を消失することがない。したがって、吸保液性、繰り返し性共に優れた液吸収体を得ることができるのである。溶融加熱混合方法としては公知の何れの方法であっても構わないが、押し出し機を使用するのが一般的である。前記加熱溶融混合樹脂は、前記親水性繊維表面の一部を覆っていれば親水性を発現し得るが、より多く覆うと吸保液性、および繰り返し性に優れることは言うまでもなく、好ましくは繊維表面の50%覆うことが好ましく、最も好ましくは100%覆うことが好ましい。
【0035】
本発明に使用する親水性化合物は、親水性を示すものであれば、常温で液体、ゲル、固体等公知の何れであっても良いが、なかでも樹脂1gあたりの吸水能力が5〜500gである吸水性樹脂を使用すれば、より繰り返し性や保液性を向上させることができ好ましい。吸水性樹脂を使用することによって、繊維表面に付着した液体を強固に保持することができるため保液性を向上することができる。好ましい吸水性樹脂の例としては、例えば、ポリアルキレンオキサイド、ポリオキシエチレン架橋物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合物、セルロース架橋物、ビニルアルコール−ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリル酸およびその塩類、カルボキシメチルセルロース等のカルボキシポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリメタアクリルアミド系、ポリメタクリル酸エステル系、スチレン系ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよびその共重合ポリエステル、ポリ(N−ビニルアセトアミド)系樹脂が挙げられる。なかでも、ポリアルキレンオキサイド、イソブチレン−無水マレイン酸共重合物、ポリ(N−ビニルアセトアミド)系樹脂のような水に難溶性の吸水性樹脂を使用すれば、液保持能力を大きくしたり、液接触時に前記親水性化合物の繊維表面からの流出を少なくすることができるため、保液性や繰り返し性をさらに向上することができる。
【0036】
前記水難溶性の吸水性樹脂が、部分的に、たとえばジイソシアネート化合物、トリイソシアネート化合物などで架橋された熱可塑性のポリアルキレンオキサイドであれば、吸水性を維持しつつ、吸液時の水難溶性をさらに向上することができる(いわゆるゲル強度が増す)ため、繊維表面に付着した液をより強固に保持することができ、保液性、繰り返し性をさらに向上することができ、好ましい。また、さらに、前記熱可塑性ポリアルキレンオキサイドは熱可塑性を有するため、加熱溶融混合時の流動性、曳糸性等良好な繊維生産性を与えることができ、好ましい。さらに、熱可塑性樹脂とより均一に加熱溶融混合することができるため、より均一な親水性表面をもつ親水性繊維が得られ好ましい。
【0037】
また、前記熱可塑性を有する親水性化合物を使用することにより、前記親水性化合物を熱可塑性樹脂内へより均一に固定することができるため、吸液時単繊維自身の膨潤をより小さくすることができ、吸収体の寸法安定性、および吸液性をより向上させることができ、好ましい。
【0038】
前記親水性化合物の混合量は、0.3〜10mass%であることが好ましい。より好ましい混合量の下限は、0.5mass%である。より好ましい混合量の上限は、8mass%である。さらに好ましい混合量の下限は、0.7mass%である。さらに好ましい混合量の上限は、6mass%である。前記親水性化合物の混合量が0.3mass%未満であると、吸保液性、および繰り返し性共に低下する傾向がある。前記親水性化合物の混合量を10mass%を超えて混合しても、親水性はそれ以上向上しないため、経済的に良くない傾向がある。
【0039】
本発明に用いる親水性繊維は、さらに、親水性親油性比(HLB値)が10以上である界面活性剤が0.01〜5mass%付着していることが必要である。HLB値とは、界面活性剤の親水基と親油基のバランスを表す方法として、1940年にCriffinが発表したものであり、HLB値が大きいほど親水基が多い、すなわち親水性が高いことを示す指標である。HLB値は、本発明においては大きければ大きいほど濡れ性が大きくなるため好ましく、吸液性をより大きくすることができるが、あまりに大きいと、その親水性の高さゆえに、界面活性剤が吸収体作製時や使用時に、機台や機器などの金属部分に付着した場合、金属を腐食させる可能性があるため、好ましい上限は、25である。より好ましいHLB値の上限は、20である。HLB値の好ましい下限は、13である。より好ましいHLB値の下限は、15である。HLB値が10未満であると、吸液性、および保液性共に低下する傾向がある。
【0040】
本発明の液吸収体では、前記親水性化合物に、親水性の大きな界面活性剤を組み合わせれば、前記熱可塑性樹脂に加熱溶融混合された前記親水性化合物が前記界面活性剤を強固に付着し保持するという、相乗効果が働くため、吸保液性の優れた液吸収体を得ることができる。特に、前記親水性化合物に、水難溶度の大きいものを選択した場合、親水性の大きい界面活性剤との相乗効果がより大きなものとなり、また、前記親水性化合物の水難溶度が大きくなるにつれて、前記界面活性剤を保持する機能が増すため、液接触時に、前記界面活性剤が脱落しにくくなり、繰り返し性もより一層優れた液吸収体を得ることができる。
【0041】
前記界面活性剤としては、その種類は特に限定されず、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤が使用できる。これらの中でも、構成繊維の着色防止性、経済性の点でノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、および両性界面活性剤が好ましい。特に、本発明の液吸収体を製造するにあたって、カードウェブを使用する場合、アニオン系界面活性剤を用いれば、吸液性を維持しつつ、カード通過性を向上させることができる。アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルフォスフェート、アルキルスルホネート、そのエチレンオキサイド付加体等が挙げられ、アルキル基の炭素数が少ないほどHLBが向上し吸液性が向上するため、炭素数12以下のアルキルを使用することがより好ましい。ノニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルエステル、そのエチレン付加体、ノニルフェノールのようなアルキルフェノールのエチレンオキサイド付加体、第一級または、第2級アルコールのエチレンオキサイド付加体等が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインのようなベタイン化合物等が挙げられる。もちろん、これらのもの以外でも使用して良いことは言うまでもない。
【0042】
前記界面活性剤は、前記親水性繊維のみに付与されていてもかまわないが、吸保液性、および繰り返し性を最も優れたものにするためには、構成繊維全体に付与することが好ましい。
【0043】
前記界面活性剤は、吸収体使用時に繊維に付着していればよいため、その付与時期は繊維製造時であっても、繊維集合物製造時であっても、製造後であっても、使用時に繊維表面に付着していれば、いずれの段階であってもかまわない。付与方法は、たとえば、ロールオイリング法、スプレー法による噴霧、パット法による含浸等で処理しても良いし、あるいはこれらの方法を併用しても構わない。
【0044】
本発明の液吸収体に使用する繊維の繊度は、7dtex未満であることが必要である。好ましい繊度の上限は、3.5dtexである。より好ましい繊度の上限は、2.5dtexである。最も好ましい繊度の上限は、1.5dtexである。繊度は小さければ小さいほど毛細管現象が大きくなるため、吸保液性に優れた液吸収体を低密度で得ることができる。つまり、低目付化が可能となるため、単繊維使用量が少量で済み、安価に液吸収体を製造することができる。この傾向は、前記親水性繊維でより顕著な傾向を示し、前記親水性繊維の繊度が小さいほど、吸保液性のより優れた液吸収体を低密度で得ることができる。繊度が7dtex以上になると、前記親水性繊維を使用しても毛細管現象が働きにくくなるため、繊維密度を相当大きくしても吸液性が悪くなる傾向にある。また、繊維密度を大きくしすぎると、空隙率が小さくなるため保液量が小さくなる傾向があるため、吸保液性が悪くなる傾向がある。
【0045】
本発明に用いる繊維は、本発明の作用効果、即ち、吸保液性、および繰り返し性を妨げない範囲で、種々の添加剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、中和剤、可塑剤、滑剤、核剤、結晶化促進剤、帯電防止剤、防曇剤、有機充填剤、無機充填剤、顔料、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤などが配合、若しくは付着していてもよい。
【0046】
本発明の液吸収体の形態としては、繊維集合物であれば不織布、織物、編物等いずれの形態であってもよいが、中でも、繊維長2〜80mm、捲縮数が3〜25個/25mmである短繊維で構成されるカードウェブ、または、エアレイウェブからなる乾式不織布であることが、微細な空隙を多数有し、吸保液性に優れるものが得られるため好ましい。エアレイ不織布はより均一な繊維間空隙を形成させる点で好ましく、カード不織布は液吸収体としての使用時の毛羽や、単繊維脱落による発塵防止性に優れる点で好ましい。繊維長のより好ましい下限は、5mmである。繊維長のさらに好ましい下限は、8mmである。繊維長のより好ましい上限は、70mmである。繊維長のさらに好ましい上限は、60mmである。繊維長が2mm未満であると単繊維脱落が多くなりすぎる傾向がある。繊維長が80mmを超えると均一なウェブの形成が難しくなり、繊維間空隙むらが生じやすくなる。また、捲縮数のより好ましい下限は、5個/25mmである。捲縮数のさらに好ましい下限は、7個/25mmである。捲縮数のより好ましい上限は、23個/25mmである。捲縮数のさらにより好ましい上限は、20個/25mmである。捲縮数が3個/25mm未満であると単繊維同士の絡みが弱くなりすぎて、単繊維脱落が発生しやすくなる。捲縮数が25個/25mmを超えると不織布製造時に繊維が十分開繊しにくく、均一なウェブの形成が難しくなり、繊維間空隙むらが生じやすくなる。
【0047】
前記エアレイウェブやカードウェブは三次元交絡させれば、繊維を液吸収体の厚み方向へも配向することができるため、吸液性が向上し好ましい。前記、三次元交絡の方法としてはニードルパンチ法や水流交絡法が例示できる。これらの中でもニードルパンチ法により繊維を絡合すると、厚み方向の密度ムラの小さい繊維集合体を低密度で得ることができるため、良好な吸保液性を達成することができ好ましい。このニードルパンチ法は常法により行うことができる。
【0048】
本発明の液吸収体は、吸保液性、繰り返し性を所望のものにするため、密度は、0.05〜0.25g/cm3であることが必要である。本発明においては、前記親水性繊維を使用することによって、従来よりも低密度で、吸保液性に優れ、さらに、繰り返し性にも優れる液吸収体を得ることができる。密度の好ましい下限は、0.06g/cm3である。密度のより好ましい下限は、0.07g/cm3である。密度の好ましい上限は、0.2g/cm3である。密度のより好ましい上限は、0.15g/cm3である。密度のさらに好ましい上限は、0.1g/cm3である。密度が0.05g/cm3未満であると、吸液性、保液性共悪くなる傾向がある。密度が0.25g/cm3を超えると、目付が大きくなり繊維使用量が多くなるためコスト高となる。
【0049】
また、本発明の液吸収体に熱融着繊維を使用すれば、繊維集合物中の繊維の交絡部分を固定することができ、より安定した毛細管現象を発揮させることができ、好ましい。また、表面平滑性の向上や、単繊維脱落による発塵防止性にも優れる液吸収体を得ることができる。
【0050】
また、本発明の液吸収体は、必要により、不織布、織物、編物、紙、フィルム等を積層しても構わない。また、液吸収体を構成する繊維、または繊維集合体へは必要により、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、スルホン化処理、フッ素ガス処理、グラフト重合処理等の親水化処理が施されていても構わない。
【0051】
【実施例】
以下、本発明の内容を実施例を挙げて説明する。なお、以下の実施例は本発明を具体的に説明する一例に過ぎないことを付け加えておく。まず、単繊維繊度、融点、公定水分率、繊維の膨潤率(以下単に「膨潤率」という。)、繊維集合体の密度(以下単に「密度」という。)、吸液高さ、吸液率、保液率、繰り返し性は以下の方法により測定した。
(1)単繊維繊度:JIS L 1013に準じて測定した。
(2)融点:JIS K 7121に準じ、DSC法により測定した。
(3)公定水分率:約5gの繊維を十分に開繊したのち、100℃にて6時間乾燥後の絶乾重量(W0(gf))、および温湿度25℃、65%の雰囲気下で24時間放置後の重量(W1(gf))を測定し、下記式にて算出する。
100×(W1−W0)/W0
(4)膨潤率:温湿度25℃、65%の雰囲気下で24時間放置した繊維を、脱塩水中へ5分間浸漬する。浸漬前後の繊維断面積(浸漬前断面積V0(μm2)、浸漬後断面積V1(μm2))を顕微鏡にてn=5で測定し、下記式により算出する。
100×(V1−V0)/V0
(5)密度:得られたサンプルの2.94cN/cm2荷重における厚みと目付から密度を算出した。
(6)吸液高さ:サンプルを長さ150mm×幅80mmのサイズにカットし、その幅方向が水平方向になるように垂直に吊り下げ、下端15mmを脱塩水に浸して、120分間後の吸い上げ高さをmm単位で測定する。
(7)吸液率:サンプルを長さ150mm×幅80mmのサイズにカットし、まず、乾燥重量(W2(gf))、および体積(V2(cm3))を測定する。次に、その幅方向が水平方向になるように垂直に吊り下げ、下端15mmを脱塩水に浸して、120分間後の重量(W3(gf))を測定し、下記式の通り保液率を算出する。
100×(W3−W2)/V2
(8)保液率:サンプルを長さ150mm×幅80mmのサイズにカットし、まず、乾燥重量(W4(gf))、および体積(V3(cm3))を測定する。次に、脱塩水中に10分間浸漬した後、吸水したサンプルの一端に紐を通し、そのまま持ち上げてシート片の対角線が垂直になるように吊り下げ、雫が連続して10分間滴下しなくなるまで放置し、その重量(W5(gf))を測定する。下記式の通り保液率を算出する。
100×(W5−W4)/V2
(9)繰り返し性:長さ150mm×幅80mmのサイズにカットしたサンプルを、脱塩水中に10分間浸漬した後、金網に載せ風乾する。次に、前記風乾サンプルを使用して(5)、(6)、および(7)をそれぞれ同様に算出した。
【0052】
実施例及び比較例に用いられる繊維原料、および界面活性剤を以下のとおり準備した。
【0053】
[繊維1]融点132℃の高密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)製)と、架橋ポリオキシエチレン(住友精化(株)製、商品名「アクアコークTWB」)を99:1の割合で混合したものを鞘成分とし、融点163℃の結晶性ポリプロピレン(日本ポリケム(株)製)を芯成分として、芯鞘複合比50/50(容積比)、紡糸温度270℃で溶融紡糸し、未延伸繊度4dtexの未延伸糸フィラメントを得た。その未延伸糸フィラメントを延伸温度90℃、延伸倍率4倍で延伸し、界面活性剤を付与した後、捲縮を施し、乾燥して、繊度1.4dtex、繊維長38mm、の芯鞘型複合繊維を得た。得られた繊維の公定水分率は0.1mass%、膨潤率は1VOL%であった。
【0054】
[繊維2]高密度ポリエチレンと架橋ポリオキシエチレンの比を90:10とした以外は、繊維1と同様に製造し、芯鞘型複合繊維を得た。得られた繊維の公定水分率は0.2mass%、膨潤率は5VOL%であった。
【0055】
[繊維3]鞘成分を高密度ポリエチレンのみとした以外は、繊維1と同様に製造し、芯鞘型複合繊維を得た。得られた繊維は、公定水分率、および膨潤率共に0mass%、0VOL%であった。
【0056】
[繊維4]未延伸糸フィラメントの繊度を13dtexとした以外は、繊維1と同様の紡糸、延伸を実施し、繊度3.3dtex、繊維長51mmの芯鞘型複合繊維を得た。得られた繊維の公定水分率は0.1mass%、膨潤率は1VOL%であった。
【0057】
[繊維5]未延伸糸フィラメントの繊度を24dtexとした以外は、繊維1と同様の紡糸、延伸を実施し、繊度6.7dtex、繊維長51mmの芯鞘型複合繊維を得た。得られた繊維の公定水分率は0.1mass%、膨潤率は1VOL%であった。
【0058】
[界面活性剤1]C8−12のリン酸エステルカリウム塩を70mass%、プロピレングリコールを15mass%、エチレングリコールモノブチルエーテルを15mass%からなるHLB=17の界面活性剤(ミヨシ油脂(株)製)。
【0059】
[界面活性剤2]ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリルベタイン、変性シリコーン、ペペニン酸アミドを主成分とするHLB=8の界面活性剤(松本油脂製薬(株)製)。
【0060】
[実施例1]
界面活性剤1を0.3mass%付与した繊維1を用い、カーディング、ニードルパンチを施し、目付489g/m2、厚み5mm、密度0.098g/cm3の不織布を得た。このようにして得られた液吸収体の諸特性を表1に示す。この液吸収体は、構成する繊維に、親水性化合物を加熱溶融混合し、HLBの大きい界面活性剤を付着させた、膨潤率の小さい繊維を使用したため、吸保液性、繰り返し性共に優れるものであった。
【0061】
[実施例2]
界面活性剤1を0.3mass%付与した繊維2を用い、カーディング、ニードルパンチを施し、目付507g/m2、厚み4.9mm、密度0.103g/cm3の不織布を得た。このようにして得られた液吸収体の諸特性を表1に示す。この液吸収体は、実施例1と同様に、吸保液性、繰り返し性共に優れるものであった。
【0062】
[実施例3]
界面活性剤1を0.3mass%付与した繊維1を用い、カーディング、ニードルパンチを施し、目付359g/m2、厚み5.1mm、密度0.070g/cm3の不織布を得た。このようにして得られた液吸収体の諸特性を表1に示す。この液吸収体は、実施例1と同様に、吸保液性、繰り返し性共に優れるものであった。
【0063】
[実施例4]
界面活性剤1を0.3mass%付与した繊維4を用い、カーディング、ニードルパンチを施し、目付663g/m2、厚み4.7mm、密度0.141g/cm3の不織布を得た。このようにして得られた液吸収体の諸特性を表1に示す。この液吸収体は、実施例1と同様に、吸保液性、繰り返し性共に優れるものであった。
【0064】
[実施例5]
界面活性剤1を0.3mass%付与した繊維5を用い、カーディング、ニードルパンチを施し、目付1215g/m2、厚み5mm、密度0.243g/cm3の不織布を得た。このようにして得られた液吸収体の諸特性を表1に示す。この液吸収体は、実施例1と同様に、吸保液性、繰り返し性共に優れるものであった。
【0065】
[比較例1]
界面活性剤1を0.3mass%付与した繊維3を用い、カーディング、ニードルパンチを施し、目付497g/m2、厚み4.8mm、密度0.104g/cm3の不織布を得た。このようにして得られた液吸収体の諸特性を表1に示す。この液吸収体は、親水性化合物を使用しなかったため、吸液性、特に繰り返し性が悪かった。
【0066】
[比較例2]
界面活性剤1を0.3mass%付与した繊維3を用い、カーディング、ニードルパンチを施し、目付695g/m2、厚み4.6mm、密度0.151g/cm3の不織布を得た。このようにして得られた液吸収体の諸特性を表1に示す。この液吸収体は、比較例2よりも高密度にしたが、やはり、吸液性、特に繰り返し性が悪かった。
【0067】
[比較例3]
界面活性剤2を0.3mass%付与した繊維1を用い、カーディング、ニードルパンチを施し、目付500g/m2、厚み5mm、密度0.100g/cm3の不織布を得た。このようにして得られた液吸収体の諸特性を表1に示す。この液吸収体に使用した界面活性剤は、HLBが低く濡れ性に乏しかったため、特に吸液性が悪かった。
【0068】
[比較例4]
界面活性剤1を0.3mass%付与した繊維1を用い、カーディング、ニードルパンチを施し、目付198g/m2、厚み4.7mm、密度0.042g/cm3の不織布を得た。このようにして得られた液吸収体の諸特性を表1に示す。この液吸収体は、繊維密度が小さすぎたため、毛細管現象の働きが小さくなり、特に吸液性が悪かった。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】
本発明の液吸収体は、構成する繊維に、繊度が7dtex未満、かつ、公定水分率、および膨潤率の小さい繊維を使用することによって、吸液時に液吸収体全体、および繊維間空隙の寸法安定性に優れる液吸収体を得ることができる。さらに、構成する繊維の少なくとも30mass%に、繊維表面の少なくとも一部が、熱可塑性樹脂と親水性化合物との加熱溶融混合樹脂で覆われ、かつ、HLBの大きい界面活性剤を付着させた繊維を使用し、繊維密度を0.05〜0.5g/cm3に調整することによって、前記親水性化合物と前記界面活性剤との相乗効果が働き、吸保液性、繰り返し性共に優れる液吸収体を得ることができる。
つまり、本発明の液吸収体は、吸液後の寸法安定性に優れることはもちろんのこと、繊維間空隙も小さくならないため、供給液量によらず、安定した吸液性を得ることができる。また、前記親水性化合物は前記界面活性剤を保持する働きがあるため、前記親水性繊維は、優れた濡れ性、および液保持性を消失しにくく、構成繊維間の毛細管現象との相互作用によって、繰り返し、吸液性、および保液性に優れる吸液性を得ることができる。本発明の液吸収体は、インクジェットプリンター用の廃インク吸収体はもちろんのこと、芳香剤の芯材、ウェットティッシュ、ワイパー、結露防止パネル、加湿器のエレメント、冷蔵庫の湿度コントローラー、水耕栽培の保液体等へも好適に使用することができる。
Claims (9)
- 繊度が7dtex未満である繊維で構成された繊維集合物からなる液吸収体であって、前記繊維集合物のうち少なくとも30mass%は、繊維表面の少なくとも一部が、熱可塑性樹脂と親水性化合物との加熱溶融混合樹脂で覆われた親水性繊維であり、かつ、前記親水性繊維には、親水性親油性比(Hydrophile−Lipophile Balance、以下「HLB」という。)が10以上である界面活性剤が0.01〜5mass%付着しており、かつ、前記繊維集合物の密度が0.05〜0.25g/cm3である液吸収体。
- 前記親水性化合物が、前記熱可塑性樹脂に対し0.3〜10mass%加熱溶融混合されている請求項1に記載の液吸収体。
- 前記親水性化合物が、架橋ポリアルキレンオキサイドである請求項1または2のいずれかに記載の液吸収体。
- 構成繊維が同族系樹脂のみからなる、請求項1〜3のいずれかに記載の液吸収体。
- 前記親水性繊維が、ポリオレフィン系繊維である、請求項1〜4のいずれかに記載の液吸収体。
- 繊維集合物が、構成繊維をニードルパンチにより三次元的に交絡して得られる不織布である、請求項1〜5のいずれかに記載の液吸収体。
- 繊維集合物が、構成繊維に熱接着繊維を含み、熱接着して得られる不織布である、請求項1〜6のいずれかに記載の液吸収体。
- 前記親水性繊維を少なくとも80mass%含む請求項1〜7のいずれかに記載の繊維集合物で構成されたインク吸収体。
- 前記親水性繊維を少なくとも80mass%含む請求項1〜10のいずれかに記載の繊維集合物で構成されたインクジェットプリンター用廃インク吸収体。
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