JP2000178865A - 衛生材用不織布 - Google Patents

衛生材用不織布

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JP2000178865A
JP2000178865A JP10354435A JP35443598A JP2000178865A JP 2000178865 A JP2000178865 A JP 2000178865A JP 10354435 A JP10354435 A JP 10354435A JP 35443598 A JP35443598 A JP 35443598A JP 2000178865 A JP2000178865 A JP 2000178865A
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fibers
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polymer
staple fibers
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Koichi Nagaoka
孝一 長岡
Atsushi Matsunaga
篤 松永
Hironobu Ishiwatari
裕信 石渡
Norihisa Yoshida
典古 吉田
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排泄した液体を吸収層に速やかに移行させ、
使用時に不快感を与えず、かつ肌の敏感な人がかぶれ等
を起こすことなく使用できる衛生材の表面材として使用
できる不織布を提供することを目的とするものである。 【解決手段】 ポリアミド系重合体とポリエステル系重
合体からなる分割型二成分系複合短繊維の分割により発
現した繊度0.5デニール以下の極細割繊短繊維と、吸
水性を有する短繊維とが三次元的に交絡してなることを
特徴とする衛生材用不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理用ナプキン、
使い捨てオムツ等に用いる衛生材用の不織布に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】衛生材の表面材には、柔軟性に優れ、ま
た安価であることからポリオレフィン系の合成繊維から
なる不織布が多く用いられている。しかし、ポリエチレ
ンやポリプロピレン等のポリオレフィン系の合成繊維
は、疎水性であるため、排泄した液体を表面材下の吸収
層にすばやく移行させることができず、表面材を構成す
る繊維間空隙に残るため、使用者に不快さを感じさせる
原因となる。また、表面材を構成する繊維の繊度は、2
デニール程度のものであり、肌の敏感な人はかぶれ等が
生じるという問題がある。
【0003】また、肌が敏感な人のために、肌にやさし
い繊維である天然繊維の木綿を表面材に用いることが考
えられるが、木綿は吸水性が高いため、排泄する液体量
が多量となると、木綿自体が排泄液を保持するため、使
用者は濡れ等を感じ不快となるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点を
解決し、排泄した液体を吸収層に速やかに移行させ、使
用時に不快感を与えず、かつ肌の敏感な人でもかぶれ等
を起こすことなく使用できる衛生材の表面材として使用
できる不織布を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために鋭意検討の結果、表面材の構成繊維とし
て、親水機能を有する合成繊維と吸水性を有する繊維と
を混綿した不織布を衛生材の表面材に用いると、液体透
過性(ストライクスルー性)および液戻り性(リウェッ
ト性)の両者共に優れることを見出し、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、ポリアミド系重合体とポリエ
ステル系重合体からなる分割型二成分系複合短繊維の分
割により発現した繊度0.5デニール以下の極細割繊短
繊維と、吸水性を有する短繊維とが三次元的に交絡して
なることを特徴とする衛生材用不織布を要旨とするもの
である。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明に使用する分割型二成分系複合短繊維につ
いて説明する。該分割型二成分系複合短繊維は、ポリア
ミド系重合体とポリエステル系重合体から構成される。
分割型二成分系複合短繊維の具体例としては、図1〜2
に示した如き横断面を持つものが好ましい。これは、分
割型二成分系複合短繊維を構成するポリアミド系重合体
とポリエステル系重合体とが共に繊維の表面に露出して
おり、かつ繊維の断面内において、一方の重合体が他方
の重合体により分割割繊可能な形に仕切られているもの
である。
【0007】ポリアミド系重合体とポリエステル系重合
体とは、互いに非相溶性の繊維形成性重合体であるの
で、複合短繊維に衝撃を与えたときに容易に分割して各
重合体からなる極細割繊短繊維を発現する。
【0008】ポリアミド系重合体からなる繊維は、合成
繊維のなかでは公定水分率が高く、親水性を有するた
め、排出された液体をすばやく構成繊維間に取込み、表
面材の下の吸収層へ移行させることが可能となる。一
方、ポリエステル系重合体からなる繊維は、機械的強力
に優れるので、得られる不織布もまた機械的強力に優れ
たものとなる。
【0009】本発明に使用しうるポリアミド系重合体の
例としては、ナイロン−4、ナイロン−46、ナイロン
−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−
11、ナイロン−12やポリメタキシレンアジパミド
(MXD−6)、ポリパラキシレンデカンアミド(PX
D−12)、ポリビスシクロヘキシルメタンデカンアミ
ド(PCM−12)又はこれらのモノマーを構成単位と
する共重合ポリアミドがある。
【0010】本発明に使用しうるポリエステル系重合体
の例としては、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸もしくはアジピン酸、セバシン酸など
の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル類と、ア
ルコール成分としてエチレングリコール、ジエチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジオ
ール化合物とから合成されるホモポリエステルないしは
共重合ポリエステルであり、このホモポリエステルない
しは共重合ポリエステルにパラオキシ安息香酸、5−ナ
トリウムスルフォイソフタール酸、ポリアルキレングリ
コール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA等が
添加あるいは共重合されていてもよい。
【0011】なお、上記重合体には、本発明の効果を損
なわない範囲内で、艶消し剤、顔料、防炎剤、消臭剤、
帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、親水
剤等の任意の添加物が添加されていてもよい。
【0012】後工程で不織布に熱処理をする場合は、分
割型二成分系複合短繊維を構成するポリアミド系重合体
とポリエステル系重合体との融点差は、30〜180℃
であることが望ましい。両者の融点差が30℃未満であ
ると、熱処理の際、低融点の重合体のみでなく高融点の
重合体も軟化または溶融することとなり、柔軟性を有す
る不織布が得られにくく、かぶれ等の原因となる恐れが
あるため好ましくない。一方、融点差が180℃を超え
ると、両重合体を溶融複合紡糸する際に低融点の重合体
が熱劣化を起こしやすく、現実的に複合短繊維を製造し
にくくなるため好ましくない。
【0013】分割型二成分系複合短繊維の単糸繊度は、
1〜12デニールであることが好ましい。単糸繊度が1
デニール未満になると、溶融紡糸する際の紡糸口金の単
孔当たりの吐出量が低下し、生産量が低下する傾向にあ
り、また、生産量を向上させるために、紡糸口金の孔数
を増加させると、紡糸工程が不安定になる。一方、単糸
繊度が12デニールを超えると、溶融紡糸された糸条の
冷却不足により引き取りが困難になる傾向にあり、ま
た、糸条の冷却を促進させるため、紡糸口金の孔数を減
らすと、生産量が低下する。
【0014】分割型二成分系複合短繊維は、後の分割割
繊処理により、両重合体の境界で分割され、ポリアミド
系重合体からなる極細割繊短繊維またはポリエステル系
重合体からなる極細割繊短繊維が発現する。本発明にお
いて、分割割繊により発現する極細割繊短繊維の単糸繊
度は、0.5デニール以下が好ましく、より好ましくは
0.05〜0.5デニール、さらに好ましくは0.1〜
0.3デニールである。単糸繊度が0.05デニール未
満であると、現実的に紡糸が困難となり分割型二成分系
複合短繊維が安価で合理的に得にくい。また、十分に分
割割繊を行うことが困難となる傾向にある。一方、0.
5デニールを超えると、柔軟性に劣り、肌触りが悪く粗
硬感を感じ、また、使用時の肌のかぶれ等の原因となる
可能性がある。
【0015】分割型二成分系複合短繊維は、一般に以下
の如き方法で製造される。すなわち、従来公知の溶融複
合紡糸法で紡糸され、横吹付や環状吹付等の従来公知の
冷却装置を用いて、吹付風により冷却された後、油剤を
付与し引き取りローラーを介して未延伸糸として巻取機
に巻取られる。引き取りローラー速度は500m/分〜
2000m/分である。巻取られた未延伸糸を複数本引
き揃え、公知の延伸機にて周速の異なるローラー群の間
で延伸される。次いで、前記延伸トウを押し込み式捲縮
付与装置にて捲縮を付与した後、所定の繊維長に切断し
て短繊維を得ることができる。なお、要求される用途に
より延伸トウに素材の融点以下の温度で熱セットを施し
てもよい。
【0016】次に本発明に用いる吸水性を有する短繊維
について説明する。吸水性を有する短繊維としては、特
に公定水分率が5%以上の繊維を用いることが好まし
い。公定水分率が5%以上の繊維としては、天然繊維と
して木綿、麻、羊毛、短繊維状に裁断されたシルク繊
維、再生繊維としてビスコースレーヨン、キュプラレー
ヨン、銅アンモニアレーヨン、溶剤紡糸されたレーヨン
等が挙げられる。本発明においては、特に、肌に触れた
ときの触感、かぶれにくさを考慮して、天然繊維である
木綿、シルク繊維が好適に用いることができる。 本発
明の衛材用不織布は、吸水性を有する短繊維が30〜7
0重量%の割合で混綿されていることが好ましい。吸水
性を有する短繊維が30重量%未満では、液体透過性に
劣る傾向となる。一方、吸水性を有する短繊維が70重
量%を超えると、吸い込んだ液体等を表面材で保持して
しまい、肌に濡れ感があり不快感を覚える傾向となる。
【0017】本発明の衛材用不織布の目付は、適宜選択
すればよいが、15〜80g/m2の範囲であればよ
い。目付が15g/m2 未満であると、嵩高性が劣る傾
向となり、一方、目付が80g/m2を超えると、特に
コンパクト性が希求される生理用ナプキン等には適さな
いものとなる。
【0018】液体透過性を向上させるために、また、液
体以外の粘性物をすばやく透過させることを目的とし
て、本発明の衛材用不織布に、1個の孔面積が0.2〜
1.0mm2 である孔が、配設密度25〜100個/c
2 で配すことが好ましい。この孔は、高圧液体流処理
工程で付与することができ、不織布の厚み方向に貫通し
ている開孔であるが、孔内に少量の繊維が存在している
ものであってもよい。不織布にこのような孔が配される
ことにより、孔が凹部を形成し、孔を取り巻く縁(開孔
間の非開孔部)が凸部を形成するごとく不織布は凹凸構
造を有するものとなる。直接肌には凸部のみが接する点
接触となるため、かぶれにくく、また濡れ感等による不
快感が減少する傾向となる。
【0019】1個の孔面積が0.2mm2未満、または
配設密度25個/cm2 未満であると、不織布に孔が形
成されている効果が薄れる。一方、1個の孔面積が1.
0mm2 を超えると、透過したものが視覚できるため隠
蔽性に劣り、ひどい場合は、孔を通じて一旦吸収した液
体と再度接することになる。配設密度100個/cm 2
を超えると、不織布の形態安定性が劣る傾向となる。
【0020】次に、本発明の衛材用不織布の製造方法に
関して説明する。本発明では、まず、分割型二成分系複
合短繊維と吸水性を有する短繊維とを(好ましくは70
/30〜30/70重量%の混綿率で)混綿し、カード
法やエアレイ法等を用いて所定の目付の不織ウエブを作
製することができる。カード法ではカード機を用いて、
構成繊維の配列度合を種々選択することができる。構成
繊維の配列パターンとしては、構成繊維が一方向に配列
したパラレルウエブ、パラレルウエブがクロスレイドさ
れたウエブ、構成繊維がランダムに配列したランダムウ
エブあるいは両者の中程度に配列したセミランダムウエ
ブ等が挙げられる。
【0021】次に、得られた不織ウエブに高圧液体流処
理を施して、分割型二成分系複合短繊維を分割させて極
細割繊短繊維を発現させると共に構成繊維同士を三次元
的に交絡させる。ここでいう三次元的な交絡とは、不織
ウエブを構成している繊維相互間が不織布の縦/横の方
向のみでなく不織布の厚み方向に対しても交絡し一体化
した構造とし、嵩高性を有する不織布とする。
【0022】高圧液体流処理を施すための高圧液体流装
置としては、例えば、孔径が0.05〜1.5mm、特
に0.1〜0.4mmの噴射孔を孔間隔0.05〜5m
mで一列あるいは複数列に多数配列した装置を用いる。
噴射孔から高圧力で噴射させて得られる水流すなわち高
圧液体流を噴射し、多孔性支持部材上に載置した不織ウ
エブに衝突させる。分割型二成分系複合短繊維は、高圧
液体流による衝撃によって、極細割繊短繊維を発現し、
かつ構成繊維同士が三次元的に交絡一体化する。
【0023】噴射孔の配列は、不織ウエブの進行方向と
直行する方向に列状に配列する。高圧液体流としては、
常温あるいは温水を用いることができる。噴射孔と不織
ウエブとの間の距離は、10〜150mmとするのが良
い。この距離が10mm未満であると、この処理により
得られる不織布の地合が乱れ、一方、この距離が150
mmを超えると、液体流が不織ウエブに衝突したときの
衝撃力が低下して、分割割繊及び交絡一体化が十分に施
されない傾向にある。
【0024】この高圧液体流の処理圧力は、20〜20
0kg/cm2Gの高圧液体流を噴出するのが良い。高
圧液体流の圧力が20kg/cm2G未満であると、分
割割繊及び交絡一体化が十分に施されず、本発明が目的
とする不織布を得ることができない。但し、本発明の不
織布には、分割型二成分系複合短繊維が十分に分割され
ず一部残存するものも包含される。逆に、高圧液体流の
圧力が200kg/cm2Gを超えると水圧による打撃
により、極端な場合には構成繊維が切断されて、得られ
る不織布は表面に毛羽を有するものとなる傾向にあり好
ましくない。
【0025】高圧液体流処理を施すに際して用いる不織
ウエブを担持する多孔性支持部材としては、メツシユス
クリーンや有孔板等が挙げられ、高圧液体流が不織ウエ
ブと支持部材を貫通するものを用いる。
【0026】この工程において不織ウエブを担持する多
孔性支持材を適宜選択することにより、不織布に孔を付
与することができ、多孔性支持材の組織等により孔の面
積および孔配設密度が決定される。メツシユスクリーン
の網糸の太さ、組織にもよるが、孔を付与するには、1
5〜30メツシユ(15〜30本/インチ)のメツシユ
スクリーンを用いることが好ましい。メツシユスクリー
ンの網糸の組織は、綾、畦等の組織が通常用いられる
が、本発明の目的を達成する範囲であれば柄や模様を有
するものでもよい。また、メツシユスクリーンに限らず
目的とする孔を付与できるもの、例えば、有孔板に多数
の突起を有するもの等であればよい。これによると、突
起に対応した孔を不織布に付与することができる。
【0027】高圧液体流処理工程において、不織布に、
複合繊維の分割割繊を行い、かつ繊維同士を交絡させる
工程と、孔を付与する工程とは、同時に行っても別工程
でもよい。同時におこなう場合は、前記孔を付与するた
めの多孔性支持材に混綿した不織ウエブを載置し、高圧
液体流を噴射することにより、複合繊維の分割割繊およ
び繊維同士の交絡、そして繊維の再配列による孔の付与
を同時に行う。別工程で行う場合は、まず孔を付与しな
い多孔性支持材(例えば、50メツシユ以上の比較的細
かいメツシユスクリーン)上に混綿した不織ウエブを載
置し、高圧液体流で噴射することにより、複合繊維の分
割割繊および繊維同士の交絡を行わせ、次に、交絡した
不織布に前記孔を付与するための多孔性支持材に載置
し、再度高圧液体流を噴射することにより、繊維の再配
列による孔の付与を行う。
【0028】なお、不織ウエブの片面より高圧液体流処
理を施した後、引き続き交絡の施された不織ウエブを反
転して高圧液体流処理を施すことにより、表裏共に緻密
に交絡した不織布を得ることができるので、不織布の用
途に応じて、また、不織ウエブの目付の大きいもの等に
適用すればよい。
【0029】高圧液体流処理を施した後、処理後の不織
布から過剰水分を除去する。この過剰水分を除去するに
際しては、公知の方法を採用することができる。例え
ば、マングルロール等の絞り装置を用いて過剰水分をあ
る程度機械的に除去し、引き続きサクシヨンバンド方式
の熱風循環式乾燥機等の乾燥装置を用いて残余の水分を
除去する。
【0030】さらに、不織布表面の毛羽立ち防止の目的
で、三次元的に交絡させた不織布に熱処理を施して、少
なくとも不織布表面の低融点重合体を軟化または溶融さ
せて構成繊維同士を熱接着させてもよい。熱接着させる
方法としては、熱風処理により構成繊維同士の交点を軟
化または溶融した低融点の重合体により熱接着させる方
法が好ましい。熱風処理としては、乾熱熱風循環方式の
ものが効果的に用いられ、少なくとも低融点の重合体が
溶融または軟化する温度で熱処理を施す。具体的には、
低融点の重合体の融点または軟化点を(Tm)℃とした
ときに、(Tm+5)℃〜(Tm+25)℃の熱風を吹
きつけるのがよい。この温度範囲を採用することによ
り、低融点の重合体のみを溶融または軟化させ、かつ他
の構成繊維に対して熱による影響を及ぼすことなく柔軟
性を保持した不織布を得ることができる。(Tm+5)
℃未満であると、低融点の重合体が十分に溶融または軟
化しないため熱接着効果が薄くなる。一方、(Tm+2
5)℃を超えると、低融点の重合体が軟化流動し、不織
布がフイルム化して粗硬感が感じられるものとなり、ま
た、高融点の重合体までもが溶融または軟化すると、柔
軟性、ソフト感の乏しいものとなり、さらにはかぶれの
原因にもなる恐れがある。
【0031】本発明の衛材用不織布に対し柔軟性を向上
させるために上野山機工(株)製のカムフイツト機によ
る柔軟加工機を用いてもよい。
【0032】
【実施例】次に、実施例に基づき本発明をより具体的に
説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限
定されるものではない。
【0033】実施例において、各特性値の測定を次の方
法によって実施した。 (1)重合体の融点(℃):パーキンエルマー社製DS
C−2型の示差走査型熱量計を用い、昇温速度20℃/
分で測定した融解吸熱ピークの最大値を与える温度を融
点とした。
【0034】(2)ポリエステルの相対粘度(イ):フ
エノールと四塩化エタンの等重量混合液を溶媒とし、こ
の溶媒100ccに試料0.5gを溶解し温度20℃の
条件で常法により求めた。
【0035】(3)ナイロン6の相対粘度(ロ):96
%硫酸100ccに試料1gを溶解し、温度25℃の条
件で常法により求めた。
【0036】(4)引張強力(kg/5cm幅):JI
S L−1096に記載のストリツプ法に準じ、最大引
張強力を測定した。すなわち、幅5cm、長さ15cm
の試験片10個用意し、定速伸長型引張試験機(テンシ
ロンUTM−4−1−100東洋ボールドウイン社製)
を用いて、掴み間隔10cm、引張速度10cm/分の
条件で最大引張強力を測定し、試料10個の平均値を不
織布の引張強力(kg/5cm幅)とした。
【0037】(5)圧縮剛軟度(g):幅5cm,長さ
5cmの試料片を5個用意し、試料の長手方向に曲げて
円筒状物とし、各々その端部を接合したものを剛軟度測
定試料とした。定速伸張型引張試験機(テンシロンUT
M−4−1−100 東洋ボールドウイン社製)を用い
て圧縮速度5cm/分で圧縮し、得られた最大荷重値の
平均値を不織布の圧縮剛軟度(g)とした。
【0038】(6)ストライクスルー性(sec):濾
紙(ADVANTEC No.2)を3枚重ね、その上
に測定試料を置く。測定試料上に5mlの1.0wt%
Nacl水溶液を落し、測定試料上のNacl水溶液が
吸収されるまでの時間を測定した。5枚の試料について
行い、その平均値を求めた。
【0039】(7)リウェット性(g):前記ストライ
クスルー性測定後の試料上に300g/100cm2
重りを載せて3分間静置した後、重りを外し、あらかじ
め重量を測定した濾紙(ADVANTEC No.2)
2枚を重ねて試料の上に置き、さらに3000g/10
0cm2の重りを載せ、30秒後、測定試料上に重ねた
2枚の濾紙の増加重量を測定した。5枚の試料について
行い、その平均値を求めた。
【0040】実施例1 ナイロン6(融点225℃、相対粘度2.6)とポリエ
チレンテレフタレート(融点258℃、相対粘度1.3
8)とからなり、繊維断面形状として両重合体を円周方
向に交互配列せしめた図1に示す如き分割数20の割繊
型複合断面形状を有する分割型二成分系複合短繊維を得
た。すなわち、両重合体の複合比率を50:50(重量
比)とし、単孔吐出量0.95g/分、温度285℃で
溶融紡糸を行った。割繊型複合紡糸口金より紡糸された
糸条を冷却後、引き取り速度1000m/分のロールを
介して未延伸糸として巻き取った。次いで、公知の延伸
機を用いて該未延伸糸トウを3.0倍に延伸した後、押
し込みクリンパーに導き捲縮を付与した後にカットし、
繊度3デニール、51mmの分割型二成分系複合短繊維
を得た。
【0041】一方、吸水性を有する短繊維としては、平
均繊度1.5デニール、平均繊維長24mmの木綿の晒
し綿を用いた。
【0042】木綿と分割型二成分系複合短繊維とを、木
綿:複合短繊維=30:70(重量%)の割合で均一に
混綿し、ランダムカード機を用いて目付30g/m2
不織ウエブを作成した。引き続き、得られた不織ウエブ
を移動する100メッシュの金属製ネット上に載置し、
不織ウエブの上方50mmの位置より、噴射孔径0.1
mm、噴射孔間隔0.6mmで一列に配置された噴射孔
から、噴射圧力80kg/cm2Gの高圧液体流によ
り、複合短繊維を割繊させるとともに構成繊維同士を交
絡せしめた不織布を得た。次いで、この交絡処理された
不織布より余剰の水分を公知の水分除去装置であるマン
グルロールにより除去し、乾燥機により乾燥を行った
後、ロール状に巻き取った。
【0043】得られた不織布を電子顕微鏡で観察した結
果、複合短繊維が割繊してなるナイロン6、ポリエチレ
ンテレフタレートからなる極細割繊短繊維の繊度は、各
々0.15デニールであった。
【0044】実施例2 木綿と分割型二成分系複合短繊維との混綿比率を、木
綿:複合短繊維=50:50(重量%)とした以外は実
施例1と同様にして目付30g/m2の不織布を得た。
【0045】実施例3 木綿と分割型二成分系複合短繊維との混綿比率を、木
綿:複合短繊維=70:30(重量%)とした以外は実
施例1と同様にして目付30g/m2の不織布を得た。
【0046】実施例4 高圧液体流処理の際、24メッシュの金属製ネットを用
いた以外は実施例1と同様にして目付30g/m2の不
織布を得た。
【0047】実施例5 実施例1で得られた混綿不織布に、シュリンクドライヤ
ーを用いて温度210℃で熱風融着加工を施して熱融着
不織布を得た。
【0048】比較例1 分割型二成分系複合短繊維として、低融点重合体として
ポリプロピレン(融点160℃、MFR20g/10
分)を用いた繊維とした以外は実施例1と同様にして不
織布を得た。 得られた不織布を電子顕微鏡で観察した
結果、複合短繊維が割繊してなるポリプロピレン、ポリ
エチレンテレフタレートからなる極細割繊短繊維の繊度
は、各々0.15デニールであった。
【0049】なお、分割型二成分系複合短繊維は以下の
ごとく作成した。すなわち、両重合体の複合比率を5
0:50(重量比)とし、単孔吐出量0.98g/分、
温度285℃で溶融紡糸を行った。割繊型複合紡糸口金
より紡糸された糸条を冷却後、引き取り速度1000m
/分のロールを介して未延伸糸として巻き取った。次い
で、公知の延伸機を用いて該未延伸糸トウを3.1倍に
延伸した後、押し込みクリンパーに導き捲縮を付与した
後にカットし、繊度3デニール、51mmの分割型二成
分系複合短繊維を得た。
【0050】比較例2 実施例1において、分割型二成分系複合短繊維に替えて
ポリエチレンテレフタレートからなる丸断面、平均繊度
1.5デニール、平均繊維長38mmの短繊維を用いた
以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。
【0051】なお、短繊維は以下のごとく作成した。す
なわち、単孔吐出量0.48g/分、温度285℃で溶
融紡糸を行った。割繊型複合紡糸口金より紡糸された糸
条を冷却後、引き取り速度1000m/分のロールを介
して未延伸糸として巻き取った。次いで、公知の延伸機
を用いて該未延伸糸トウを3.0倍に延伸した後、押し
込みクリンパーに導き捲縮を付与した後にカットし、繊
度1.5デニール、38mmの分割型二成分系複合短繊
維を得た。比較例3実施例1において、木綿を混綿せず
分割型二成分系複合短繊維のみからなる不織ウエブを用
いた以外は実施例1と同様にして不織布を得た。
【0052】実施例1〜5、比較例1〜3の性能を表1
に示す。
【0053】
【表1】
【0054】実施例1〜5の不織布は、分割型二成分系
複合短繊維より発現した極細割繊短繊維と木綿とが機械
的に交絡してなるものであるので、肌触りが良好で柔軟
性に富み、また極細繊維による緻密な交絡により機械的
強力に優れ、さらには、ストライクスルー性、リウェッ
ト性にも優れるものであった。開孔を付与した実施例4
の不織布は、特にストライクスルー性に優れ、熱処理を
施した実施例5の不織布は、毛羽立ち性に優れ、ストラ
イクスルー性、リウェット性が向上していた。
【0055】実施例4で得られた開孔を有する本発明の
不織布の孔面積と孔配設密度は、下記の方法にて測定し
たところ、孔面積が0.8mm2、孔配設密度が28個
/cm2であった。
【0056】孔面積(mm2):万能投影器(日本光学
株式会社製:型式 PROJECTOR V−12)を
用い、50個の開孔の縦方向a、横方向bの長さをmm
単位で小数点以下3桁で測定しa×bを算出し各々50
個の面積の平均値を孔面積(mm2)とした。なお、孔
内に少量の繊維が存在する場合であってもそれは存在し
ないものとして測定した。
【0057】孔配設密度(個/cm2):万能投影器
(日本光学株式会社製:型式 PROJECTOR V
−12)を用い、1cm2中の孔数を10ケ所に亘り数
え、その平均値を配設密度(個/cm2)とした。
【0058】一方、分割型二成分系複合短繊維の構成重
合体としてポリプロピレンとポリエチレンテレフタレー
トとを用いた比較例1の不織布は、公定水分率が0%で
あるポリプロピレン繊維を構成繊維とするものであり親
水性が全くないため、木綿を混綿しているにもかかわら
ず、ストライクスルー性、リウェット性に劣るものであ
った。
【0059】分割型二成分系複合短繊維に替えて1.5
デニールのポリエチレンテレフタレートからなる短繊維
を用いた比較例2の不織布は、本発明の不織布と比較し
て柔軟性と機械的強力に劣るものであった。
【0060】木綿を混綿しなかった比較例3の不織布
は、本発明の不織布と比較してストライクスルー性に劣
るものであった。
【0061】
【発明の効果】本発明の衛生材用不織布は、ポリアミド
系重合体からなる極細割繊短繊維、ポリエステル系重合
体からなる極細割繊短繊維、吸水性を有する短繊維とが
交絡してなる不織布であって、吸水性を有する短繊維
は、繊維自体の親水性が高いため、排出された液体をす
ばやく吸収し、表面材下の吸収層へ液体を移行させるこ
とが可能となる。また、ポリアミド系重合体およびポリ
エステル系重合体は、共に完全な疎水性ではなく、特に
ポリアミド系重合体からなる繊維は、合成繊維のなかで
は公定水分率が高いので、排出された液体をすばやく構
成繊維間に取込み、表面材の下の吸収層へ移行させるこ
とが可能となる。一方、ポリエステル系重合体からなる
繊維は、機械的強力に優れるので、得られる不織布もま
た機械的強力に優れたものとなる。
【0062】そして、ポリアミド系重合体またはポリエ
ステル系重合体からなる極細割繊短繊維は、単糸繊度が
0.5デニール以下であるので、曲げ強度が小さく、柔
軟性に富むので、得られる不織布は、肌触りが良好であ
り、肌の敏感な人や赤ちゃんが使用した場合でもかぶれ
等を起こしにくく、安心して使用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる分割型二成分系複合短繊維
の横断面の一実施模式図である。
【図2】本発明に用いられる分割型二成分系複合短繊維
の横断面の一実施模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 典古 愛知県岡崎市日名北町4−1 ユニチカ株 式会社岡崎工場内 Fターム(参考) 3B029 BB03 BB07 BB08 4C003 BA01 BA08 HA05 HA06 4L047 AA21 AA23 AA27 AB08 BA08 BA22 BB06 BB07 BB09 CA10 CA15 CB07 CB10 CC03 CC04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド系重合体とポリエステル系重
    合体からなる分割型二成分系複合短繊維の分割により発
    現した繊度0.5デニール以下の極細割繊短繊維と、吸
    水性を有する短繊維とが三次元的に交絡してなることを
    特徴とする衛生材用不織布。
  2. 【請求項2】 不織布には1個の孔面積が0.2〜1.
    0mm2である孔が配設密度25〜100個/cm2で配
    され、かつ該開孔間の非開孔部では構成繊維同士が三次
    元的に交絡していることを特徴とする衛生材用不織布。
  3. 【請求項3】 少なくとも不織布表面が、分割型二成分
    系複合短繊維を構成する重合体のうち低い融点を有する
    重合体の軟化または溶融により構成繊維が熱接着してい
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の衛生材用
    不織布。
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