JP2000073267A - 複合不織布およびその製造方法 - Google Patents

複合不織布およびその製造方法

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JP2000073267A
JP2000073267A JP24326498A JP24326498A JP2000073267A JP 2000073267 A JP2000073267 A JP 2000073267A JP 24326498 A JP24326498 A JP 24326498A JP 24326498 A JP24326498 A JP 24326498A JP 2000073267 A JP2000073267 A JP 2000073267A
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fiber
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Nobuo Noguchi
信夫 野口
Katsunori Suzuki
克昇 鈴木
Norihisa Yoshida
典古 吉田
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形態安定性、寸法安定性に優れ、耐摩耗性が
向上したスパンレース不織布を提供する。 【解決手段】 互いに非相溶性である2種の繊維形成性
重合体からなる分割型二成分系複合短繊維が分割割繊に
より発現した単糸繊度が0.5デニール以下の該重合体
からなる極細割繊繊維からなる不織ウェブと、熱接着性
繊維を含む短繊維ウェブとが積層されてなり、構成繊維
同士が三次元に交絡し、かつ熱接着性繊維の熱接着性成
分が溶融または軟化して構成繊維の交点を熱接着してい
る複合不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパンレース不織
布およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高圧液体流の作用により構成繊維同士が
三次元的に交絡してなるスパンレース不織布は、繊維間
空隙が大きく嵩高であり柔軟性に優れるため、各種の用
途に用いられている。また構成繊維の素材としては、天
然繊維や合成繊維等が各種用途に応じて適宜選択されて
用いられている。しかし、スパンレース不織布は、繊維
同士の交絡のみによって不織布化したものであるから、
繊維同士が熱接着によりボンデイングしてなる不織布等
に比べて形態保持性、寸法安定性に劣るものである。
【0003】スパンレース不織布の形態保持性、寸法安
定性を向上させるために、高圧液体流の圧力を高くし、
かつ処理回数を増やすことにより、繊維同士の絡みを強
くすることが考えられる。しかし、この方法では、繊維
同士の絡みが緻密になりすぎ、不織布の嵩高性が落ち、
また、過剰な液体流処理により、構成繊維がダメージを
受けて得られる不織布の機械的特性が劣るという問題が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決するものであり、形態安定性、寸法安定性が良好な
スパンレース不織布を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、互
いに非相溶性である2種の繊維形成性重合体からなる分
割型二成分系複合短繊維の分割割繊により発現した単糸
繊度が0.5デニール以下の該重合体からなる極細割繊
繊維で構成された不織ウェブと、熱接着性繊維を含む短
繊維ウェブとが積層されてなり、構成繊維同士が三次元
に交絡してなり、かつ熱接着性繊維の熱接着性成分がが
溶融または軟化して構成繊維の交点を熱接着しているこ
とを特徴とする複合不織布を要旨とするものである。
【0006】また、本発明は、互いに非相溶性である2
種の繊維形成性重合体からなる分割型二成分系複合短繊
維で構成された不織ウェブと、熱接着性繊維を含む短繊
維ウェブとを積層した積層ウェブを、移動する多孔性支
持板上に載置し、高圧液体流処理を施して、分割型二成
分系複合短繊維を分割割繊させて、単糸繊度が0.5デ
ニール以下の該重合体からなる極細割繊繊維を少なくと
も発現させるとともに、構成繊維同士を三次元的に交絡
させて一体化させた後、熱処理を施して熱接着性繊維の
熱接着性成分を溶融または軟化させて構成繊維同士の交
点を熱接着することを特徴とする複合不織布の製造方法
を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明に使用する分割型二成分系複
合短繊維は、互いに非相溶性である2種の繊維形成性重
合体からなるものである。2種の繊維形成性重合体が互
いに非相溶性であるのは、複合短繊維に衝撃を与えたと
きに分割しやすいようにするためである。
【0008】分割型二成分系複合短繊維の具体例として
は、図1〜4に示した如き横断面を持つものが好まし
い。これらは、2種の繊維形成性重合体が共に繊維の表
面に露出しており、かつ繊維の断面内において、一方の
重合体が他方の重合体により分割割繊可能な形に仕切ら
れているものである。
【0009】分割型二成分系複合短繊維を構成する重合
体の比率は、特に限定されず、細繊度化する重合体の個
数等を考慮して複合繊維の断面形状に応じて適宜選択す
ればよいが、概ね35/65〜65/35(重量比)の
範囲とするのがよい。
【0010】分割型二成分系複合短繊維の単糸繊度は、
1〜12デニールであることが好ましい。単糸繊度が1
デニール未満になると、溶融紡糸する際の紡糸口金の単
孔当たりの吐出量が低下し、生産量が低下する傾向にあ
り、また、生産量を向上させるために、紡糸口金の孔数
を増加させると、紡糸工程が不安定になる。一方、単糸
繊度が12デニールを超えると、溶融紡糸された糸条の
冷却不足により引き取りが困難になる傾向にあり、ま
た、糸条の冷却を促進させるため、紡糸口金の孔数を減
らすと生産性が低下する。
【0011】分割型二成分系複合短繊維は、後の高圧液
体流による分割割繊処理により、それぞれの重合体の境
界で分割され、それぞれの重合体からなる極細割繊短繊
維が少なくとも発現する。本発明において、少なくとも
発現する極細割繊短繊維の単糸繊度は、0.5デニール
以下であり、より好ましくは0.05〜0.5デニー
ル、さらに好ましくは0.1〜0.5デニールである。
単糸繊度が0.05デニール未満であると、現実的に紡
糸が困難となり、分割型二成分系複合短繊維が安価で合
理的に得にくい。また、十分に分割割繊を行うことが困
難な傾向にある。一方、0.5デニールを超えると、得
られた不織布は、本発明が目的とする構成繊維同士が緻
密に絡み合った、表面平滑な不織布が得られず、不織布
に粗硬感が発生する傾向にある。
【0012】本発明において、分割型二成分系複合短繊
維を構成する互いに非相溶性を有する重合体の組み合わ
せとしては、ポリオレフィン/ポリアミド、ポリオレフ
ィン/ポリエステル、ポリアミド/ポリエステル等が挙
げられるが、これらは代表例であって他の各種の組み合
わせも任意に採用される。
【0013】ポリエステルとしては、例えばテレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸
等の芳香族ジカルボン酸、あるいはアジピン酸、セバチ
ン酸等の脂肪族ジカルボン酸、またはこれらのエステル
類を酸成分とし、かつエチレングリコール、ジエチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の
ジオール化合物をエステル成分とするホモポリエステル
重合体、あるいは共重合体が挙げられる。また、これら
のポリエステル系重合体は、パラオキシ安息香酸、5−
ナトリウムスルホイソフタール酸、ポリアルキレングリ
コール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA等が
添加あるいは共重合されていてもよい。
【0014】ポリオレフィンとしては、炭素数2〜18
の脂肪族α−モノオレフィン、例えばエチレン、プロピ
レン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチルブテン−
1,1−ヘキセン、1−オクテン、1−オクタデセンか
らなるポリオレフィン系重合体が挙げられる。これらの
脂肪族α−モノオレフィンは多くのエチレン系不飽和モ
ノマ、例えばブタジエン、イソピレン、ペンタジエン−
1,3、スチレン、α−メチルスチレンのような類似の
エチレン系不飽和モノマが共重合されたポリオレフィン
系重合体であってもよい。また、ポリエチレン系重合体
の場合にはエチレンに対してプロピレン、1−ブテン、
1−オクテン、1−ヘキサン、または類似の高級α−オ
レフィンが10重量%以下共重合されたものであっても
よく、ポリプロピレンの場合には、ポリプロピレンに対
してエチレン、または類似の高級α−オレフィンが共重
合されたものであってもよいが、共重合率が10重量%
を超えると共重合体の融点が低下するため、この共重合
体からなる短繊維の高温下での使用は好ましくない。
【0015】ポリアミドとしては、ポリイミノ−1−オ
キソテトラメチレン(ナイロン4)、ポリテトラメチレ
ンアジバミド(ナイロン46)、ポリカプラミド(ナイ
ロン6)、ポリヘキサメチレンアジバミド(ナイロン6
6)、ポリウンデカナミド(ナイロン11)、ポリウロ
ララクタミド(ナイロン12)、ポリメタキシレンアジ
バミド、ポリパラキシリレンデカナミド、ポリビスシク
ロヘキシルメタンデカナミド、またはこれらのモノマを
構成単位とするポリアミド系共重合体が挙げられる。特
に、ポリテトラメチレンアジバミド(ナイロン46)の
場合、ポリテトラメチレンアジバミド(ナイロン46)
にポリカプラミドやポリヘキサメチレンアジバミド、ポ
リウンデカメチレンテレフタラミド等のポリアミド成分
が30モル%以下共重合されたポリテトラメチレンアジ
バミドの共重合体であってもよい。前記、ポリアミド成
分の共重合率が30モル%を超えると共重合体の融点が
低下するため、これらの共重合体からなる短繊維を用い
た場合、高温下での使用は好ましくない。
【0016】その他の繊維形成性重合体の例としては、
例えばビニル系重合体が用いられ、具体的にはポリビニ
ルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステ
ル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、または、これらの共重合体が用いら
れる。また、ポリフェニレン系重合体またはその共重合
体を使用することもできる。
【0017】なお、繊維形成性重合体には、本発明の効
果を損なわない範囲内で、艶消し剤、顔料、防炎剤、消
臭剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤等の任意の添
加剤が添加されていてもよい。
【0018】分割型二成分系複合短繊維は、一般に以下
の如き方法で製造される。すなわち、従来公知の溶融紡
糸法で紡糸した後、横吹付や環状吹付等の従来公知の冷
却装置を用いて、吹付風により冷却した後、油剤を付与
し、引き取りローラーを介して未延伸糸とし巻取機に巻
き取る。引き取りローラー速度は500m/分〜200
0m/分とする。巻き取った未延伸糸を複数本引き揃
え、公知の延伸機にて周速の異なるローラー群の間で延
伸する。次いで、前記延伸トウを押し込み式捲縮付与装
置にて捲縮を付与した後、所定の繊維長に切断して短繊
維を得ることができる。なお、要求される用途により延
伸トウに素材の融点以下の温度で熱セットを施してもよ
い。
【0019】本発明に用いる熱接着性繊維は、繊維表面
の少なくとも一部が熱接着性成分で形成されてなるもの
である。熱接着性成分は、熱処理により、溶融または軟
化するものであり、低融点重合体により形成されてい
る。熱処理により熱接着性成分を溶融または軟化させる
際、分割型二成分系複合短繊維までもが溶融すると、複
合不織布の柔軟性に劣る傾向となるため、熱接着性成分
の融点または軟化点と分割型二成分系複合短繊維を構成
する2種の重合体の融点との差は、15℃以上とするこ
とが好ましく、20℃以上とすることがさらに好まし
い。
【0020】熱接着性繊維の形態としては、熱接着性成
分(低融点重合体)のみからなる単相繊維であっても、
熱接着性成分(低融点重合体)と他の重合体とが複合さ
れた複合繊維であってもよい。複合形態としては、芯鞘
型、貼り合わせ型、海島型、断面多葉型等が挙げられ、
いずれの形態においても、熱接着性成分(低融点重合
体)が繊維表面の少なくとも一部を形成している。
【0021】熱接着性繊維として複合形態のものを用い
る場合、高融点重合体と低融点重合体とが複合されてな
るものを用いるのが好ましい。特に、高融点重合体の融
点と低融点重合体の融点との差が15℃以上であること
が好ましく、20℃以上であることがさらに好ましい。
高融点重合体/低融点重合体の組み合わせとしては、ポ
リエステル/ポリオレフィン、高融点ポリエステル/低
融点ポリエステル、ポリアミド/ポリオレフィン、高融
点ポリアミド/低融点ポリアミド、ポリプロピレン/ポ
リエチレン、高融点ポリエチレン/低融点ポリエチレン
等が挙げられる。
【0022】熱接着性繊維として、特に好ましい繊維の
形態は、高融点重合体を芯成分、低融点重合体を鞘成分
に配した芯鞘型複合繊維である。高融点重合体と低融点
重合体とが複合されてなる芯鞘型複合繊維は、熱処理が
施された際、鞘成分の低融点重合体のみが軟化または溶
融するものの、芯成分の高融点重合体は熱軟化をきたす
ことなく、繊維形態を保つため、繊維本来の柔軟性が損
なわれることなく存在する。結果的に得られる複合不織
布が柔軟性と良好な機械的強力を有するものとなるため
好ましい。芯成分と鞘成分の複合重量比は、特に限定さ
れないが、芯成分/鞘成分が70/30〜30/70の
範囲であればよく、より好ましくは60/40〜40/
60の範囲である。 熱接着性繊維の単糸繊度は、特に
限定されず、1デニール以上であればよい。単糸繊度が
1デニール未満であると、この合成短繊維の紡糸工程に
おいて製糸性の低下を招きやすい。
【0023】熱接着性繊維を含む不織ウェブは、熱接着
性繊維を10重量%以上含むことが好ましく、さらに
は、30重量%以上含むことが好ましい。熱接着性短繊
維の含有率が10重量%未満であると、熱接着性成分の
融着による構成繊維間の接着点が少なくなり、複合不織
布の形態保持性、寸法安定性が劣る傾向となる。
【0024】熱接着性繊維を含む不織ウエブは、複合不
織布の目的・用途に応じて、熱接着性短繊維以外の他の
短繊維を混綿することができる。例えば、吸水性の付与
を目的として吸水性の高い繊維を混綿すること、一方、
嵩高性の向上を目的として潜在捲縮能が顕在化した捲縮
繊維を混綿すること等が挙げられる。
【0025】本発明の複合不織布は、極細割繊繊維から
なる不織ウエブと、熱接着性短繊維を含む不織ウエブと
が積層されたものであって、極細割繊繊維からなる不織
ウェブの構成繊維同士、極細割繊繊維からなる不織ウェ
ブと熱接着性短繊維を含む不織ウェブとの構成繊維同
士、熱接着性短繊維を含む不織ウェブの構成繊維同士が
三次元的に交絡し一体化している。ここでいう三次元的
な交絡とは、構成繊維相互間が、不織布の縦/横の方向
のみでなく、厚み方向にも交絡した構造をいう。この三
次的交絡は、公知の高圧液体流処理により形成されるも
のであって、これにより不織布としての形態が保持さ
れ、しかも嵩高で柔軟性に富む不織布を得ることができ
るのである。
【0026】また、本発明の複合不織布は、熱接着性短
繊維を含む不織ウェブ中および交絡処理の際に極細割繊
繊維からなる不織ウェブ内へ侵入した熱接着性短繊維の
熱接着性成分が、溶融または軟化して構成繊維同士の交
点を熱接着している。したがって、本発明の複合不織布
の片面は、構成繊維同士の交絡のみにより不織布化した
極細割繊繊維からなるウエブ側であって、柔らかく肌触
りがよく、他面は、構成繊維が三次元交絡を有する状態
で構成繊維の交点が熱接着性成分を介して熱接着された
ウエブ側であって、熱接着により構成繊維同士の交絡状
態が固定化されるため、嵩高性を維持した状態で形態安
定性、寸法安定性、機械的強力が向上し、耐摩耗性を有
している。また、両ウエブの境界層では、互いの構成繊
維が侵入しあい、極細割繊繊維同士、熱接着性繊維を含
む不織ウェブの構成繊維と極細割繊繊維とが交絡した状
態で繊維の交点が熱接着性成分を介して熱接着されてい
る。
【0027】本発明の不織布の目付は、特に限定され
ず、用いる用途により適宜選択すればよいが、20〜2
00g/m2 程度が好ましい。目付が20g/m2 未満
であると、不織布は地合の劣るものとなり、また不織布
の形態安定性、寸法安定性が乏しくなる傾向となる。一
方、目付が200g/m2 を超えると、構成繊維同士を
三次元的に交絡させるための高圧液体流処理の加工エネ
ルギーが多大となるため経済的に好ましくない。また、
場合によっては、不織布の内層において繊維相互間の充
分な交絡や分割型二成分系複合短繊維の分割割繊が十分
に行なわれず、機械的強度の低い不織布となる傾向にあ
る。ただし、本発明の不織布に、分割型二成分系複合短
繊維が十分に割繊されず一部残存するもの、不織布の内
層において繊維相互間の充分な交絡が行なわれていない
ものも包含されることはいうまでもない。
【0028】(極細割繊繊維からなる不織ウェブ)/
(熱接着性繊維を含む不織ウェブ)の積層比率は、80
/20〜50/50(重量%)であることが好ましい。
熱接着性繊維を含む不織ウェブが50重量%を超える
と、寸法安定性は向上するが、柔軟性に劣る傾向とな
り、一方、20重量%未満となると、寸法安定性の点で
劣る傾向となる。
【0029】次に本発明の不織布の製造方法に関して説
明する。熱接着性繊維を含む不織ウェブおよび分割型二
成分系複合短繊維からなる不織ウェブは、カード機によ
るカーディング法、エアレイ法、湿式法等により所定目
付のものを得ることができる。カーディング法を用いる
際は、複合不織布の用途等に合わせて、構成繊維の配列
度合を適宜選択することができる。構成繊維の配列パタ
ーンとしては、構成繊維が一方向に配列したパラレルウ
ェブ、パラレルウェブがクロスレイドされて繊維の配列
が機械方向から横方向に変更されたウェブ、ランダムカ
ード機による繊維の配列が一様でないランダム不織ウェ
ブあるいは両者の中程度に配列したセミランダムカード
機によるセミランダムウェブ等が挙げられる。
【0030】得られたそれぞれのウェブを積層して積層
ウェブを形成し、その積層ウェブを移動する多孔性支持
板上に載置し、積層ウェブの上方より孔径が0.05〜
1.5mmの噴射孔を噴射孔間隔0.05〜5mmで1
列ないしは複数列に複数個配設されたオリフィスヘッド
より高圧で柱状に噴射される流体により、多孔性支持部
材上に載置した積層ウェブに衝突させる。
【0031】高圧液体流処理を施すことにより、分割型
二成分系複合短繊維は、高圧水流の衝撃により分割割繊
され、それぞれの重合体からなる極細割繊短繊維が少な
くとも発現するとともに繊維相互緻密に交絡する。一
方、熱接着性繊維を含む不織ウェブの構成繊維相互間も
また交絡し、両不織ウェブの積層境界面においてもま
た、極細割繊短繊維と熱接着性繊維を含む不織ウェブの
構成繊維とが交絡し、全体に交絡一体化した不織布が得
られる。
【0032】流体としては、常温の水あるいは熱水を使
用することができる。流体噴射を積層ウェブに衝突させ
るに際しては、前記噴射孔が配設されたオリフイスヘッ
ドを、多孔性支持部材上に載置された積層ウェブの進行
方向に対し直角をなす方向に噴射孔間隔と同一間隔で振
幅させ、高圧液体噴射を均一に衝突させるとよい。
【0033】噴射孔と積層ウェブとの間隔は、1〜15
cmとするのが好ましい。この間隔が1cm未満である
と、積層ウェブ中の繊維の運動が激しくなり、得られる
不織布の地合が乱れる傾向が生じる。一方、この間隔が
15cmを超えると、高圧液体流が積層ウェブに衝突し
たときの衝撃力が低下し、構成繊維間の交絡および分割
割繊が不十分となる傾向となる。 この高圧液体噴射の
際に用いられる多孔性支持部材の材質としては、積層ウ
ェブと支持部材とを高圧液体流が通過しうる構成のもの
であれば、金属製、ポリエステル製あるいはその他の材
質のいずれでもよい。メッシュ状の多孔性支持部材を使
用する場合、その網目の範囲は、25〜200メッシュ
(25〜200本/25mm)程度であればよく、不織
布の用途に応じて適宜選択すればよい。
【0034】高圧液体流処理は、水圧を変更した予備交
絡、本交絡の二段階処理を行うことが好ましい。まず、
積層ウェブに水圧40kg/cm2G未満の液体流を施
す。水圧40kg/cm2G未満の液体流により予備交
絡させることにより、液体流噴射により発生する随伴気
流により積層ウェブの乱れが生じることなく、目付斑の
ない不織布を得ることができる。
【0035】予備交絡に続き、水圧40kg/cm2
以上の液体流の噴射により交絡処理を行う。水圧40k
g/cm2G以上の液体流により交絡処理を行うことに
よって、前記予備交絡してなる積層ウェブを構成する短
繊維相互を三次元的に交絡させて一体化せしめる。さら
に、交絡した不織布を更に反転し、水圧40kg/cm
2G以上の液体流により交絡処理を施すことにより、表
裏ともに十分に交絡したスパンレース不織布を得ること
ができる。
【0036】次に、得られた交絡した不織布の余分な水
を既知の水分除去装置であるマングル等により除去し、
さらに、サクションバンド方式の熱風循環式乾燥機等に
より乾燥処理を行う。 乾燥処理を施して得られた不織
布に、引続き熱処理を施す。この処理を施すことによ
り、熱接着性成分を溶融または軟化させ、構成繊維の交
点を熱接着し固定させる。そうすると、不織布は交絡状
態が固定化され、低伸度となるため、嵩高性を維持した
状態で形態安定性、寸法安定性、機械的強力に優れたも
のとなる。
【0037】熱処理する方法としては、乾熱による熱風
循環方式、加熱スチームを用いた湿熱方式等を効果的に
用いることができる。熱処理を施すものは、布帛として
の形態が安定した状態であるため、熱風により不織布の
構成繊維が飛散することなく処理を施すことができる。
熱処理が施された不織布は、構成繊維同士が三次元的に
交絡した状態で、熱接着性成分のみが溶融または軟化し
て構成繊維同士の交点を熱接着する。この熱接着によ
り、形態安定性、寸法安定性が良好な不織布が得られ
る。
【0038】熱風の温度としては、熱接着性成分の融点
より若干高い温度、すなわち、融点よりも5〜25℃高
い温度とするのが好ましく、熱接着性繊維の構成重合
体、分割型二成分系複合繊維の構成重合体により適宜選
択する。(融点+5℃)よりも低い温度であると、熱接
着性成分が十分に溶融または軟化しないため、構成繊維
間が十分に接着固定されず、本発明が目的とする形態安
定性、寸法安定性の良好な不織布が得られにくい。一
方、(融点+25℃)よりも高い温度であると、熱接着
性成分が軟化流動して、不織布全体がフィルム化し、肌
触りが悪く、粗硬感が感じられるものとなり、また、熱
接着性成分以外の重合体までもが溶融、軟化する恐れが
あるため好ましくない。
【0039】加熱スチームとしては、加圧を行える装置
を用いることで効果的に熱処理が行える。スチームの温
度としては、加熱スチーム装置内の圧力にもよるが、低
融点重合体の融点〜(融点+20)℃の範囲に設定する
とよい。
【0040】なお、高圧液体流処理後の乾燥処理と熱接
着のための熱処理とを同時に行っても良い。 また、上
記熱処理を施して得られた複合不織布に、熱接着の効果
を損なわない範囲で、不織布に対し柔軟性を付与する目
的で、上野山機工(株)製のカムフィット機による柔軟
加工機を用いてもよい。
【0041】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を説明する。本
発明における不織布の性能の柔軟性については前述の方
法で測定したものであり、その他の物性は、下記の方法
により実施した。 (1)重合体の融点(℃);パーキンエルマー社製の示
差走査型熱量計DSC−2型を用い、昇温速度20℃/
分で測定した融解吸熱の最大値を示す温度を融点(℃)
とした。 (2)ポリエステルの相対粘度; フェノールと四塩化
エタンの等重量比の混合溶媒100ミリリットルに0.
5gの試料を溶解し、20℃の温度条件で常法により測
定した。 (3)ナイロン6の相対粘度(ロ):96%硫酸100
ccに試料1gを溶解し、温度25℃の条件で常法によ
り求めた。 (4)ポリエチレンのメルトインデックス(g/10
分、以下、MIと記す。);ASTM D 1238
(E)に記載の方法により測定した。 (5)ポリプロピレンのメルトフローレート(g/10
分、以下MFRと記す。);ASTM D 1238
(L)に記載の方法により測定した。 (6)不織布の目付(g/m2);試料幅10cm、試
料長10cmの試料片を5個作成し、その重量を測定
し、平均値を目付(g/m2)とした。 (7)不織布の引張強力(g/5cm幅)、伸度
(%);試料幅5cm,試料長15cmの試料片を10
個作成し,東洋ボールドウイン社製テンシロンUTM−
4−1−100を用いて,掴み間隔10cm,引張速度
10cm/分の条件で試料片の最大引張強力を個々に測
定し,その平均値(g/5cm幅)を不織布の引張強力
とした。なお、不織布の機械方向(以下MD方向と記
す)および機械方向に直交する方向(以下CD方向と記
す)の両方について測定した。また、不織布が破断した
ときの伸度を不織布の伸度(%)とした。 (8)圧縮剛軟度;試料幅5cm,試料長15cmの試
料片を5個作成し、長手方向に円筒状とし、円筒の両端
部を粘着テープで接合して測定試料とした。定速伸長型
測定機(東洋ボールドウイン社製 テンシロンUTM−
4−1−100)を用いて、20mm/分の速度で圧縮
し、得られた最大荷重値(g)を試料の目付で除した値
を圧縮剛軟度とした。この圧縮剛軟度の値は小さい程、
柔軟性が高く、本発明では、1以下が好ましく、さらに
は0.8以下が好ましい。 (9)通気度(cc/cm2/秒);JIS L 10
96に記載のフラジール法に準じて測定した。 (10)不織布の耐摩耗性(級);学振形摩擦試験機を
用い、100回の往復摩擦試験を行い目視評価により1
0段階評価を行った。不織布表面の摩耗がなく毛羽立ち
のみられないものを10級とし、不織布表面の摩耗が激
しく毛羽立ったものを1級とし、その間を2〜9級と段
階的に評価した。なお、複合不織布の極細割繊繊維から
なる不織ウェブ側表面の耐摩耗性を評価した。 (11)拭き取り性;水酸化ナトリウムの特級試薬(片
山化学製)を2g秤量し、ガラス板上に均一に分散させ
たものを複合不織布で拭き取った。拭き取った後、ガラ
ス板上に残った水酸化ナトリウムの重量を測定した。重
量で85%以上の水酸化ナトリウムを拭き取ったものを
拭き取り性が良好とした。なお、拭き取る際には、極細
割繊不織ウェブ面で拭き取った。
【0042】実施例1 分割型二成分系複合短繊維としては、融点258℃、相
対粘度1.38のポリエチレンテレフタレートと、融点
128℃、MIが20g/10分のポリエチレンとを、
配合比を1:1(重量比)とし、図2に示す断面形状の
複合繊維が得られる複合紡糸口金を用いて、ポリエチレ
ンテレフタレートが6個の葉部を形成し、ポリエチレン
が芯部を形成するように配して、単孔吐出量0.74g
/分、溶融温度285℃とし、溶融紡出した。紡出した
ポリマー流を冷却後、1100m/分の速度で引き取り
未延伸糸条を得た。得られた未延伸糸条を複数本合糸し
た未延伸繊維束を熱延伸(延伸倍率3.2倍)し、次い
で、押し込みクリンパーに導き、15山/25mmの捲
縮を付与し、紡績用油剤を付与した後、乾燥処理を施し
裁断して、単糸繊度2デニール、繊維長38mmの分割
型二成分系複合短繊維を得た。得られた複合繊維をパラ
レルカード機により目付40g/m2の不織ウェブを作
成した。
【0043】一方、芯成分に融点259℃のポリエチレ
ンテレフタレート、鞘成分にポリエチレンテレフタレー
トにイソフタル酸が40モル共重合された融点110℃
のポリエステル共重合体からなる芯鞘型複合繊維(ユニ
チカ株式会社製 商品名4080 単糸繊度2デニー
ル、繊維長51mm)を熱接着性繊維として用い、この
熱接着性繊維をパラレルカード機により目付20g/m
2の不織ウェブを作成した。
【0044】上記2種の不織ウェブを積層し、目付60
g/m2の積層ウェブを得た。得られた積層ウェブを2
0m/分で移動する70メッシュの金属製支持部材上に
載置し、積層ウェブの上方50mmの位置より噴射孔径
0.1mm、噴射間隔0.6mmで一列に配置された噴
射孔から、水圧35kg/cm2Gの常温の水により予
備交絡を施した。引き続いて、水圧70kg/cm2
を4回噴射して交絡処理を施した。さらに、積層ウェブ
を反転させ、水圧70kg/cm2Gを5回噴射して交
絡処理を施し、表裏ともに緻密に交絡の施された不織布
を得た。得られた不織布より余剰の水分をマングルによ
り除去した後、100℃の温度の乾燥機により乾燥処理
を行った。引続き、乾熱の熱風による熱処理を、寿工業
社製熱風循環式乾燥機を用いて、処理温度120℃によ
り30秒間の条件で行い、本発明の不織布を得た。得ら
れた不織布の極細割繊繊維側は、ポリエチレンテレフタ
レートからなる単糸繊度0.17デニールの極細割繊繊
維とポリエチレンからなる1.0デニールの割繊繊維が
見られた。
【0045】実施例2 実施例1において、分割型二成分系複合短繊維からなる
不織ウェブ/熱接着性繊維からなる不織ウェブの積層比
率を50/50(重量%)とし、予備交絡後の高圧液体
流の水圧を80kg/cm2Gとした以外は、実施例1
と同様にして実施例2の不織布を得た。
【0046】実施例3 分割型二成分系複合短繊維として、繊維断面が図1に示
すごとき重合体が放射状に12個ずつ交互に配される複
合繊維を用いて目付75g/m2の不織ウェブを作成
し、熱接着性繊維として、芯成分にポリエチレンテレフ
タレート、鞘成分にポリエチレンテレフタレートにイソ
フタル酸が20モル共重合された融点185℃のポリエ
ステル共重合体からなる芯鞘型複合繊維(ユニチカ株式
会社製 商品名2080 単糸繊度2デニール、繊維長
44mm)を用いて目付25g/m 2の不織ウェブを作
成し熱処理温度を200℃とした以外は、実施例1と同
様にして実施例3の不織布を得た。
【0047】分割型二成分系複合短繊維は、以下のよう
にして作成した。すなわち、実施例1で用いたポリエチ
レンテレフタレートと、融点225℃、相対粘度2.5
5のナイロン6とを用い、単孔吐出量0.70g/分、
溶融温度285℃として、1100m/分の速度で引き
取り未延伸糸を作成した。得られた未延伸糸を複数本合
糸した未延伸繊維束を熱延伸し(延伸倍率3.0倍)、
次いで、押し込みクリンパーに導き、14山/25mm
の捲縮を付与し、紡績用油剤を付与して、乾燥処理を施
し裁断して、単糸繊度2.0デニール、繊維長38mm
の複合短繊維を得た。
【0048】実施例4 実施例1において、分割型二成分系複合短繊維として、
繊維断面が図3に示すごとき葉部が4個配される複合繊
維(分割割繊処理後は、ポリエチレンテレフタレートか
らなる0.25デニールの極細割繊繊維とポリエチレン
からなる1デニールの割繊繊維が得られた。)を用いた
以外は、実施例1と同様にして実施例4の不織布を得
た。
【0049】実施例5 分割型二成分系複合短繊維として、繊維断面が図4に示
すごとき中空断面で重合体が放射状に12個ずつ交互に
配される複合繊維を用いて目付120g/m2の不織ウ
ェブを作成し、予備交絡後の高圧液体流の水圧を100
kg/cm2Gとした以外は、実施例3と同様にして実
施例5の不織布を得た。
【0050】分割型二成分系複合短繊維は、以下のよう
にして作成した。すなわち、実施例3で用いたポリエチ
レンテレフタレートとナイロン6とを用い、単孔吐出量
0.65g/分、溶融温度285℃として、1100m
/分の速度で引き取り未延伸糸を作成した。得られた未
延伸糸を複数本合糸した未延伸繊維束を熱延伸し(延伸
倍率2.8倍)、次いで、押し込みクリンパーに導き、
14山/25mmの捲縮を付与し、紡績用油剤を付与し
て、乾燥処理を施し裁断して、単糸繊度2.0デニー
ル、繊維長38mmの複合短繊維を得た。
【0051】比較例1 実施例において、熱処理を施さなかった以外は実施例1
と同様にして比較例1の不織布を得た。
【0052】比較例2 実施例1において、熱処理温度を105℃とした以外は
実施例1と同様にして比較例2の不織布を得た。
【0053】得られた実施例1〜5、比較例1〜2の不
織布の物性等を表1に示した。
【0054】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1〜5の本発明の複合
不織布は、極細割繊繊維ウェブ面では、肌触りが良好で
あるとともに、耐摩耗性にも優れ、形態安定性、寸法安
定性が良好で機械的強度も併せ持つものであった。
【0055】一方、熱処理を施さなかった比較例1の不
織布は、構成繊維同士か機械的な交絡のみによって不織
布化されたものであるため、柔軟性には富むが、形態安
定性、寸法安定性の点で本発明が目的とするものではな
く、耐久性が求められる用途には不向きなものであっ
た。
【0056】熱処理温度を105℃とした比較例2の不
織布は、熱接着性成分が十分に溶融しなかったため、構
成繊維の交点が接着固定されず、寸法安定性、形態安定
性において本発明が目的とするものでななかった。
【0057】
【発明の効果】本発明の複合不織布は、熱接着性繊維を
含む不織ウエブ中および交絡処理の際に極細割繊繊維か
らなる不織ウエブ内へ侵入した熱接着性繊維が、熱処理
によって溶融または軟化し、構成繊維同士の交点を熱接
着している。したがって、本発明の複合不織布の片面
は、構成繊維同士の交絡のみにより不織布化した極細割
繊繊維からなる不織ウエブであって、柔らかく、肌触り
が良好であるとともに、内層においては、極細割繊繊維
が溶融または軟化した熱接着性成分により接着されてい
るため、極細割繊繊維の毛羽立ち、繊維の脱落が防止さ
れ、耐摩耗性が向上できる。一方、他面は、構成繊維が
三次元交絡を有する状態で構成繊維の交点が溶融または
軟化にした熱接着性成分を介して熱接着、固定された不
織布ウエブであって、構成繊維同士の交絡状態が固定化
されるため、毛羽立ちにくく、耐摩耗性に優れた面を持
ち、複合不織布の形態安定性、寸法安定性、機械的強力
を向上させている。また、両ウエブの境界層では、互い
の構成繊維が侵入しあい、極細割繊繊維同士、熱接着性
繊維を含む不織ウエブの構成繊維と極細割繊繊維とが、
交絡した状態で繊維の交点が軟化または溶融した熱接着
性成分を介して熱接着されて一体化している。
【0058】構成繊維同士が交絡せず、熱接着のみによ
り不織布化された不織布であると、熱接着性成分の量に
よっては、極めて機械的強度の乏しい不織布となる。ま
た、熱接着性成分と他の構成繊維の構成重合体とが相溶
性がない場合、不織布を使用の際、物理的な力が加わる
と接着部分から構成繊維が脱落しやすく、不織布は耐久
性に乏しいものとなる。
【0059】本発明によれば、複合不織布は、構成繊維
同士が相互に交絡し一体化した上で熱接着性成分の溶融
または軟化により構成繊維同士が接着、固定されている
ので、熱接着性成分と他の構成繊維の構成重合体との相
溶性の有無にかかわらず摩擦等の力が加わった場合に構
成繊維が脱落しにくい。
【0060】本発明の不織布、上記の構成、効果を有す
るものであるので、家庭用品、生活資材、衣料用、医療
用等の分野において効果的に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いる分割型二成分系複合短繊維の
断面形状の一例を示した概略図である。
【図2】 本発明で用いる分割型二成分系複合短繊維の
断面形状の一例を示した概略図である。
【図3】 本発明で用いる分割型二成分系複合短繊維の
断面形状の一例を示した概略図である。
【図4】 本発明で用いる分割型二成分系複合短繊維の
断面形状の一例を示した概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L047 AA14 AA21 AA27 AA28 AB02 AB08 BA04 BA08 BA09 BB06 BD01 CA02 CB01 CB10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに非相溶性である2種の繊維形成性
    重合体からなる分割型二成分系複合短繊維の分割割繊に
    より発現した単糸繊度が0.5デニール以下の該重合体
    からなる極細割繊繊維で構成された不織ウェブと、熱接
    着性繊維を含む短繊維ウェブとが積層されてなり、構成
    繊維同士が三次元に交絡してなり、かつ熱接着性繊維の
    熱接着性成分が溶融または軟化して構成繊維の交点を熱
    接着していることを特徴とする複合不織布。
  2. 【請求項2】 熱接着性繊維が、低融点重合体を鞘成分
    とし、前記重合体よりも融点が25℃以上高い重合体を
    芯成分とする芯鞘型複合短繊維であることを特徴とする
    請求項1記載の複合不織布。
  3. 【請求項3】 互いに非相溶性である2種の繊維形成性
    重合体からなる分割型二成分系複合短繊維で構成された
    不織ウェブと、熱接着性繊維を含む短繊維ウェブとを積
    層した積層ウェブを、移動する多孔性支持板上に載置
    し、高圧液体流処理を施して、分割型二成分系複合短繊
    維を分割割繊させて、単糸繊度が0.5デニール以下の
    該重合体からなる極細割繊繊維を発現させるとともに、
    構成繊維同士を三次元的に交絡させて一体化させた後、
    熱処理を施して熱接着性繊維の熱接着性成分を溶融また
    は軟化させて構成繊維同士の交点を熱接着することを特
    徴とする複合不織布の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102808238A (zh) * 2011-06-01 2012-12-05 捷恩智株式会社 热熔接性复合纤维与使用其的无纺布
JP2014201855A (ja) * 2013-04-05 2014-10-27 帝人株式会社 熱接着性複合繊維

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CN102808238A (zh) * 2011-06-01 2012-12-05 捷恩智株式会社 热熔接性复合纤维与使用其的无纺布
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