JPH0791471A - 耐熱衝撃性に優れるディスクブレーキロータ - Google Patents

耐熱衝撃性に優れるディスクブレーキロータ

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JPH0791471A
JPH0791471A JP23376093A JP23376093A JPH0791471A JP H0791471 A JPH0791471 A JP H0791471A JP 23376093 A JP23376093 A JP 23376093A JP 23376093 A JP23376093 A JP 23376093A JP H0791471 A JPH0791471 A JP H0791471A
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JP
Japan
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brake rotor
disc brake
tip
corners
heat
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Pending
Application number
JP23376093A
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English (en)
Inventor
Akitoshi Nakamura
彰利 中村
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱衝撃性に優れたディスクブレーキロータ
を提供する。 【構成】 ブレーキパッドに押さえられるディスクブレ
ーキロータの先端隅部をR(曲面)形状とすると共にそ
の面粗さを2.5S以下の滑らかな面とする。片状黒鉛
鋳鉄製である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両、特にスポーツ車
用のブレーキ部品である耐熱衝撃性に優れるディスクブ
レーキロータに関する。
【0002】
【従来の技術】車両、特にスポーツ車用のディスクブレ
ーキロータは、例えば図4のA−A断面を示す図3に示
す如き構造のものがある。このディスクブレーキロータ
1は、ブレーキパッドに押さえられる外側摺動面2と内
側摺動面3とを有し、この両者が一体的に形成されてお
り、フィン4が放熱を達成するために外側摺動面2と内
側摺動面3とに連結されている。そして、フィン4の周
囲は空隙部5が形成されていて放熱促進を図っている。
図3において、ディスクブレーキロータの先端隅部6,
7,8,9は通常の面加工C0.2〜0.5(mm)が
施されている。
【0003】ディスクブレーキロータ1は、減衰能、固
有振動などいわゆるブレーキ性能に優れたFC20程度
の片状黒鉛鋳鉄が通常使用されるが、制動(ブレーキ)
が繰り返しなされるとブレーキパッドに押さえられるデ
ィスクブレーキロータ摺動面に微細な熱亀裂(ヒートク
ラック)が発生する。実開昭57−122460号公報
においては、制動時ブレーキ構成部品に圧縮空気を噴射
することにより、その過熱を防止し、早期摩耗やヒート
クラック等の発生を抑制する提案がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特にスポー
ツ車においては、高速走行中に制動が頻繁に行なわれる
ため、ブレーキパッドに押さえられるディスクブレーキ
ロータ摺動面には熱衝撃によるヒートクラックが相当数
発生する。このヒートクラックは微細なものであるが、
そのまま使用され続けた場合にはディスクブレーキロー
タの割損にも発展しかねない重大な要素を含んでいる。
このため、ディスクブレーキロータに関して、材質面か
らまた前述のように放熱促進のために圧縮空気を噴霧等
なされているが解決策がないまま現状に至っている。な
お、前述の図3に示すフィン4による放熱促進も決め手
にはなっていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ディスクブ
レーキロータの摺動面に発生する熱衝撃によるヒートク
ラックについて鋭意検討した結果、ディスクブレーキロ
ータの先端隅部の形状を変更することがヒートクラック
抑制に大きな効果があることを見出し、本発明に到達し
た。本発明は、ブレーキパッドに押さえられるディスク
ブレーキロータの先端隅部をR(曲面)形状に形成する
ことを特徴としている。Rの大きさは、ディスクブレー
キロータのローター部厚さによって若干の相違はあるが
R0.2〜0.5(mm)の曲面形成でよく、ディスク
ブレーキロータの厚さの概略半分の厚さにR形状を付与
すればヒートクラック抑制に効果が期待できる。そし
て、R形状付与部分の面粗さは2.5S以下であること
を特徴としている。
【0006】本発明のディスクブレーキロータの材質
は、鉄と不可避的不純物と重量比率で、炭素3.5〜
3.9%、珪素2.3〜3.0%、マンガン0.7〜
1.10%、リン0.05%以下、硫黄0.08〜1.
14%、銅0.7〜1.2%で、CE値が4.3〜4.
7であり、引張強さ100N/mm2 (10kg/mm
2 )以上、硬さHB130以上の片状黒鉛鋳鉄である。
成分組成(重量%)の限定理由は以下の通りである。 炭素:3.5〜3.9% 一般に炭素は鋳鉄の熱伝導性を向上させる元素であり、
本発明のディスクブレーキロータ材質における炭素量は
3.5%以上である。炭素量が増加するにつれて粗大黒
鉛が析出し、強度が低下して、耐熱亀裂性も損なわれる
ので炭素の上限を3.9%とした。 珪素:2.3〜3.0% 珪素は鋳鉄の基地組織中に固溶し、熱伝導率を低下させ
るため上限を3.0%とし、また、良好な片状黒鉛を析
出させ、良好な耐摩耗性を保つために下限を2.3%と
した。 マンガン:0.7〜1.10% 強度を維持するために下限を0.7%とし、基地中での
靱性と阻害するMnSの析出を抑えるために上限を1.
10%とした。 リンおよび硫黄:リン、硫黄は不可避的に含有されるも
のであるが、両元素共に材質の脆化をもたらすので、リ
ンは0.05%以下、硫黄0.08〜0.14%とし
た。 銅:パーライト基地安定化のために0.7%以上とし、
1.2%以上含有させてもその効果が期待できないの
で、上限を1.2%とした。
【0007】
【実施例及び作用】以下本発明の実施例について説明す
る。 (実施例1)片状黒鉛鋳鉄材(C3.7%、Si2.5
%、Mn0.8%、Cu0.8%)により図1および図
2に示す本発明のディスクブレーキロータ並びに図3に
示す従来のディスクブレーキロータを各々3ケづつ製作
した。これらを650℃(雰囲気温度)の熱処理炉中で
1時間保持したあと、炉中より取り出し、水槽中に浸漬
した。常温に冷却したあと、乾燥し、カラーチェックに
よりディスクブレーキロータ摺動面に発生したヒートク
ラックの本数を数え、その平均値を算出した。その結果
を表1に示す。
【0008】
【表1】
【0009】表1において、図3に示すディスクブレー
キロータの比較品は、外側摺動面2の先端隅部6C(外
側)および7C(内側)、並びに内側摺動面3の先端隅
部8C(外側)および9C(内側)の全てにC加工を施
したものである。また、本発明の一実施例である図1に
示すディスクブレーキロータは、その外側摺動面2の先
端隈部6R(外側)と7R(内側)、および内側摺動面
3の先端隅部8R(外側)と9R(内側)の全てをR形
状に形成したものである。更に、本発明品の他の実施例
である図2に示すディスクブレーキロータは、その外側
摺動面2の先端隅部6R(外側)と内側摺動面3の先端
隅部8R(外側)をR形状に形成し、先端隅部7C(内
側)と9C(内側)はC加工を施したものである。 表
1において、比較品のヒートクラック本数に比べて先端
隅部をR形状に形成したものはいずれもヒートクラック
本数が少ない。このことは、先端隅部をR形状とするこ
とにより熱衝撃による応力集中の緩和を図ることができ
るため、ヒートクラック発生を軽減することができるも
のと考えられる。
【0010】(実施例2)図3を参照して説明すると、
外側摺動面2の先端隅部6C(外側)と7C(内側)、
および内側摺動面3の先端隅部8C(外側)と9C(内
側)をいずれも未加工の角部状態で、粗面と滑面(2.
5S)の2種類のものを各々3ケづつ実施例1と同じ材
質で製作し、実施例1と同様の熱処理を行い、水冷する
ことによる熱衝撃によるヒートクラック発生の有無を確
認した。この結果、粗面の場合、外側径クラック本数は
平均値で18であるのに対し、2.5Sの滑面の場合は
クラック本数は1であった。このことから、面粗さが粗
い程ヒートクラック発生が著しいと推察される。以上ス
ポーツ車用ディスクブレーキローターについて説明した
が、本発明は他の車種用のディスクブレーキロータにも
適用できることは言うまでもなく、また適用しても何等
さしつかえない。
【0011】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によれば、ブ
レーキパッドに押さえられるディスクブレーキロータの
先端隅部をR(曲面)形状に形成すると共にその面粗さ
を2.5S以下にすることで熱衝撃によるヒートクラッ
クの発生を抑制することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図4のA−A断面位置における本発明の一実施
例のディスクブレーキロータであって、その摺動面の先
端隅部をすべてR形状に形成した状態を示す図である。
【図2】図4のA−A断面位置における本発明の他の実
施例のディスクブレーキロータであって、その外側摺動
面の外側先端隅部と内側摺動面の外側先端隅部とをR形
状に形成した状態を示す図である。
【図3】従来のディスクブレーキローターの断面図であ
って、外側摺動面と内側摺動面の各先端隅部をC加工し
た状態を示す図である。
【図4】従来のディスクブレーキロータの斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 ディスクブレーキロータ 2 外側摺動面 3 内側摺動面 4 フィン 5 空隙部 6 外側摺動面の外側先端隅部 7 外側摺動面の内側先端隅部 8 内側摺動面の外側先端隅部 9 内側摺動面の内側先端隅部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキパッドに押さえられるディスク
    ブレーキロータの先端隅部をR(曲面)形状に形成した
    ことを特徴とするディスクブレーキロータ。
  2. 【請求項2】 R形状部の面粗さが2.5S以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキロ
    ータ。
  3. 【請求項3】 化学成分が鉄と不可避的不純物と重量比
    率で、炭素3.5〜3.9%、珪素2.3〜3.0%、
    マンガン0.7〜1.10%、リン0.05%以下、硫
    黄0.08〜0.14%、銅0.7〜1.2%でCE値
    が4.3〜4.7%であることを特徴とする請求項1乃
    至2に記載のディスクブレーキロータ。
JP23376093A 1993-09-20 1993-09-20 耐熱衝撃性に優れるディスクブレーキロータ Pending JPH0791471A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102575735A (zh) * 2009-08-07 2012-07-11 福乐尼·乐姆宝公开有限公司 通风制动盘

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102575735A (zh) * 2009-08-07 2012-07-11 福乐尼·乐姆宝公开有限公司 通风制动盘
JP2013501895A (ja) * 2009-08-07 2013-01-17 フレニ ブレンボ エス.ピー.エー. ベンチレーテッドブレーキディスク

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