JP2602907B2 - シーブ材料 - Google Patents

シーブ材料

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正晃 菊池
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なシーブ(網車)材料、特にエレベータ
用シーブに用いるに適当なシーブ材料に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
従来高層建造物において人や貨物を昇降させるに用い
られるエレベータは、シーブ(網車)にワイヤーロープ
を巻き付け両者の摩擦力により、人や貨物を収容したか
ご(ケージ)を昇降させるようになっている。ここに用
いられるシーブ材としては従来から片状黒鉛鋳鉄(JIS
FC20〜FC30)や球状黒鉛鋳鉄(JIS FCD45〜FCD70)
が多く用いられている。これらの材料の基地はフェライ
トとパーライトの混合組織あるいはパーライト組織で硬
さはビッカース硬さHB=143〜240程度であり黒鉛粒径10
0〜150μmの物性を有している。
〔発明が解決しようとする課題〕
シーブ材の基地が比較的やわらかいフェライトプラス
パーライト組織の場合にはワイヤーロープの硬さが高い
(ビッカース硬さHV430〜470程度)ため、エレベータの
稼動中に生ずるシーブとワイヤーロープの相対すべりに
よってシーブが摩耗しやすい。一方シーブ材の基地が比
較的かたいパーライト組織の場合には逆にワイヤーロー
プが摩耗し、すべり易くなってトラクション性能を低下
する。
いずれの場合にしても安全性を保つためには早目にシ
ーブあるいはワイヤーロープを交換しなければならな
い。特にシーブはワイヤーロープに比べて摩耗しやす
く、場合によってはわずか2,3年で交換しなければなら
ないものも生ずる。
〔発明の目的〕
かくて、本発明は上述した問題点に鑑み特にエレベー
タ稼動中に生じるシーブとワイヤロープの摩耗量を片方
が一方的に多くならないよう、且つ両者とも摩耗量がで
きるだけ少ないようにして、長期間少なくとも10年間は
交換する必要なく使用しうる耐摩耗性のすぐれた長寿命
のシーブ用材料を提供することを目的とするものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らの研究、実験によれば、かかる目的を達成
しうるシーブ材料は、球状化率80%〜100%、黒鉛粒径2
0μm〜100μm、黒鉛粒数70個/mm2〜100個/mm2、ブリ
ネル硬さがHB260〜320であって、ベイナイト基地組織を
有する球状黒鉛鋳鉄からなるものであることが見出され
たのである。
本発明について以下詳細に説明する。
本発明においては上述のようにシーブとワイヤーロー
プとのすべり接触による両者の摩耗量をできるだけ少な
くし、特にワイヤロープに対するシーブの耐摩耗性を高
めんとするものである。
摩耗特性は一般に片状黒鉛鋳鉄よりも球状黒鉛鋳鉄の
方が良好なので本発明によるシーブ材料においても球状
黒鉛鋳鉄を用いる。そして黒鉛の潤滑作用を平均的に出
させるとともにシーブ溝面の摩耗の均一化を図り、局部
的な摩耗を避けるためには黒鉛粒もできるだけ小さく均
一して分布していることが必要である。一般にワイヤロ
ープの素線は1mm以下のものが用いられるので、本発明
によるシーブ材料の黒鉛粒径は100μm以下、20μm以
上望ましくは30〜50μmの範囲とし、また黒鉛粒の分布
は70個/mm2〜100個/mm2、球状化率は80%〜100%とす
る。
更に本発明においては耐摩耗性を高めるために、シー
ブ材料の基地組織を熱処理によりベイナイト組織とし、
その硬さをブリネル硬さHB260〜320とするのである。こ
の範囲がシーブとワイヤロープの摩耗が適量となるよう
な適正な硬さである。この外、本発明にかかるシーブ材
は機械的な性質、特に引張り強さが大なることが望まし
く、又鋳造性が良好なことが望ましい。
このようにワイヤロープとのすべり接触による摩耗量
をできるだけ小さくし、ワイヤロープに対する対摩耗性
がすぐれ、又機械的性質も良好な本発明によるシーブ材
料は下記の如き組成の材料を熱処理して作られる。即
ち、その材料は重量比でC:2.7〜3.5%、Si:2.0〜2.7
%、Mn:0.5〜1.0%、P:0.03%以下、Si:0.03%以下、M
g:0.03〜0.07%、残部がFeおよび付随的不純物からなる
ものである。この材料には必要に応じてCu:0.3〜0.7
%、Ni:0.2〜0.6%、Mo:0.2〜0.6%のいずれか1種又は
数種加えることできる。その場合Cuのみを加えるか、又
はNiとMoを組合わせ用いるかのいずれかが好ましい。
以下、各組成成分の添加目的ならびに組成範囲の限定
理由について説明する。
Cが3.5%を越えると、機械的性質、特に引張り強さ
が目標の70kg f/mm2以上にならず、一方、C 2.7%以
下では黒鉛粒として70個/mm2以上の分布にならないので
好ましくない。
Siは球状化率、鋳造性の向上のために添加するが、Si
2.7%以上になると熱処理によってもフェライトが存
在し、硬さが低下し、HV200以上にすることは困難にな
る。
Si 2.0%以下では球状化率が80%以下になることが
あり、また鋳造性が悪くなり、シーブとして望ましくな
い引け巣が発生しやすくなる。
Mn 0.5%以下では、肉厚鋳物においては中心部にな
るに従って空気冷却の際にフェライトが発生しやすくな
り耐摩耗性が悪くなる。一方、1%を越えると粒界に硬
化相が偏析しやすくもろくなるので望ましくない。
PおよびSは介在物の生成を少くするため、できるだ
け少なくする方が望ましい。介在物は硬く、不規則に存
在するので、ワイヤロープにきずをつけやすい。このた
め、いずれも0.03%以下がよい。0.03%以上になると砥
粒よりもおおきな介在物(Fe3P、MnS、MgSなど)が生成
するため望ましくない。
Mgは黒鉛を球状化するために必要な合金元素で、0.03
%以下では球状化率80%以上にならないし、0.07%以上
になると異形の黒鉛が生成するので好ましくない。
NiおよびCuは組織を均一にするため、例えば表面から
深さ方向に組織を均一にして、硬さのバラツキをなくす
元素である。またNiは熱処理における酸化物生成を防止
する硬化がある。
Ni 0.2%以下ではそれらの硬化が少なく、また0.6%
以上加えてもこれらの効果にそれ程有効でなく、また経
済的でもない。一方CuはNiと同様0.3%以下で均一性に
対する効果は少なく、逆にCuを0.7%以上添加すると肉
厚中央の基地にCuが偏析し、組織が不均一になり耐摩耗
性を悪くする。
Cuは組織をベイナイト化するのに望ましい合金成分で
ある。
Moもベイナイト化促進元素であり、耐摩耗性を向上さ
せる。Moが0.6%を超えると粗大な炭化物を形成させ、
ロープ剤の摩耗を早める。
上記組成材を熱処理する場合、熱処理の温度としては
基地組織をベイナイトにし得る温度であることが必要で
あり、約850℃〜980℃の間、好ましくは930℃前後±20
℃で約60〜120分間加熱してオーステナイト組織にし、
その後300〜400℃の硝酸塩等の温浴中に30〜60分浸漬保
持後放冷してオーステンパー処理し、ベイナイト組織と
する。
このようにしてえられた材料は上述の如き硬さその他
の特性を有し、耐摩耗性にすぐれエレベータ用シーブ材
料として特に好適である。
〔実施例および比較例〕
実施例1 表1の実施例1に示す成分の球状黒鉛鋳鉄を鋳造し
た。黒鉛球状化率あ85%、黒鉛粒径は30〜50μm、黒鉛
粒は70個/mm2の分布状態であった。これを930℃で約60
分間加熱してオーステナイト組織にし、約340℃の硝酸
塩中に1時間浸漬保持後放冷してオーステンパー処理を
施し、ベイナイト組織にした。ブリネル硬さはHB320前
後であった。これより摩耗試験片を製作し、ワイヤロー
プA種相当材と組合せてころがりすべり摩耗試験を行な
った結果摩耗特性は第1図の曲線1上に位置し摩耗量は
1/40に減少(比較例1を1とする)し、耐摩耗性の優れ
たシーブ材として望ましい特性を示した(表2参照)。
実施例2 表1の実施例2に示す成分の球状黒鉛鋳鉄を930℃で
オーステナイト化し、後370℃でオーステンパー処理を
施し、ベイナイト組織にした。黒鉛球状化率は90%、黒
鉛粒径は30〜45μm、黒鉛粒は80個/mm2以上、硬さはHB
300であった。これより摩耗試験片を製作し、ワイヤロ
ープA種相当材と組合せて摩耗試験を行なった結果摩耗
特性は第1図の曲線1上に位置し、摩耗量は1/5に減少
(比較例1を1とする)し、耐摩耗性の優れたシーブ材
として望ましい特性を示した(表2参照)。
実施例3 表1の実施例3に示す成分の球状黒鉛鋳鉄を930℃で
オーステナイト組織にし、後400℃でオーステンパー処
理を施し、ベイナイト組織にした。黒鉛球状化率は85
%、黒鉛粒径は30〜50μm、黒鉛粒は75個/mm2以上、硬
さはHB260であった。これより摩耗試験片を製作し、ワ
イヤロープA種相当材と組合せてころがりすべり摩耗試
験を行なった結果摩耗特性は第1図の曲線1上に位置
し、摩耗量は1/1.5に減少(比較例1を1とする)し、
耐摩耗性の優れたシーブ材として望ましい特性を示した
(表2参照)。
比較例1 表1の比較例に示す組成の球状黒鉛鋳鉄を鋳造した。
黒鉛球状化率は75%、黒鉛粒径100〜150μmで黒鉛粒は
60個/mm2であった。これを930℃で約120分間加熱し空冷
して基地をフェライト+パーライト組織とした。硬さは
HB220であった。熱処理後摩耗試験片を製作し、ワイヤ
ロープA種相当材と組合せてころがりすべり摩耗試験を
行なった結果、第1図に示す摩耗特性曲線1上に位置し
表2に示すように上記各実施例の摩耗特性に比べ摩耗量
が多く、シーブ材料としては劣っていた。
比較例2 表1の比較例に示す組成の球状黒鉛鋳鉄を鋳造した。
黒鉛球状化率は75%、黒鉛粒径100〜150μmで個鉛粒は
60個/mm2であった。これを930℃に約120分間加熱し、油
中に焼入れ後500℃に約200分間加熱し油冷し焼戻しを行
なた。硬さはHB390であった。これより摩耗試験片を製
作し、ワイヤロープA種相当材と組合せてころがりすべ
り摩耗試験を行なった結果摩耗特性は第1図の曲線1の
ようになり摩耗量は1/75に減少(比較例1を1とする)
したが、第1図曲線2に示すようにロープA種相当材の
摩耗量は50倍に増大(比較例1と組合せたロープA種相
当材の摩耗量を1とする)し、相手材を多く摩耗させる
ため好ましくない(表2参照)。
実施例および比較例の摩耗特性を第1図に示したが、
この特性よりシーブ材の硬さをHB260〜320にすることに
よりシーブとワイヤロープの摩耗が比較的つり合ったも
のとすることができる。
〔発明の効果〕
上記実施例、比較例の結果から明らかなように、本発
明のシーブ材料は、従来の材料と比較して摩耗量に関し
ていずれも特にエレベータ用シーブ材料として望ましい
特性を有している。
尚本発明を特にエレベータ用シーブ材料について詳し
く説明してきたが、本発明はかかる用途に限られること
なく、他の機器の鋳鉄製シーブについても効果的に適用
できることの勿論であり、その場合も本発明の範囲内で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例と比較例の摩耗特性曲線を示す
特性図である。 1……シーブ材の摩耗特性、2……ワイヤロープA種相
当材の摩耗特性。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】球状化率80%〜100%、黒鉛粒径20μm〜1
    00μm、黒鉛粒数70個/mm2〜100個/mm2、ブリネル硬さ
    がHB260〜320であって、ベイナイト基地組織を有する球
    状黒鉛鋳鉄からなることを特徴とするシーブ材料。
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JP5118997B2 (ja) * 2008-02-18 2013-01-16 Jfe継手株式会社 シーブ材料
DE102009048273A1 (de) * 2009-10-05 2011-04-07 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Gusseisen-Gussteil und Verfahren zu dessen Herstellung

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